台本概要

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タイトル 始末屋の二人 02
作者名 読川詩朗
ジャンル その他
演者人数 4人用台本(男2、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 どこか温かくどこか寂しいお話です

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ブルーノ 136 口が悪いけど優しいおっちゃん
キラ 91 口数が少ないけど強い女の子
エリーゼ 90 ヴァリストンの屋敷で働くメイド
ヴァリストン 66 今日の敵
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:二人のアジト ブルーノ:がぁー・・がぁー・・・ 0:ソファーでだらしなく眠るブルーノ キラ:ん・・ 0:ベッドから目覚めるキラ キラ:んんー・・っはぁ・・ 0:外の木を見るキラ キラ:七時・・顔洗ってご飯食べよ・・・ 0:階段を軽やかに降りていくキラ ブルーノ:がぁー・・んがっ・・・がぁー・・・んん・・・ キラ:お酒臭い・・・ 0:ソファーの周りには酒瓶が散らばる ブルーノ:がぁー・・・ キラ:・・・朝ごはん食べよ・・・ 0:しばらくして ブルーノ:・・・んがっ!んぁ?あー・・いてて・・寝違えちった・・・ キラ:おはよう・・ブルーノ・・・ ブルーノ:ふぁーあ・・・キラ今何時だ? キラ:お昼回る前・・・ ブルーノ:あーそうかい・・あんがとよー。飯なんかあっか? キラ:全部食べた・・・ ブルーノ:はぁ!?ふざけんなよ!!俺の分も作れって昨日言ったろ!? キラ:おいしかった・・・ ブルーノ:味の感想とか聞いてねぇよ!はぁー・・まぁいいわ。キラ、俺が飯食ったら仕事すっから読書止めて準備してきな キラ:うん・・・ 0:始末屋の二人 ブルーノ:途中、ドライブスルーでコーヒーとサンドイッチ買うから覚えとけよキラ キラ:ブルーノの車で行くの・・・? ブルーノ:んだよ急に。いつも乗ってんじゃねぇかよ。思春期か? キラ:だってブルーノお酒臭い・・・ ブルーノ:あぁ!?酒臭くねぇわ!行く前にシャワー浴びたろ!! キラ:はぁ・・走っていこうかな・・・ ブルーノ:まだ真昼間だしやめとけ、お前みたいなチビが街中駆けまわってたらサツが取り押さえにくるからよ キラ:はぁ・・・ ブルーノ:ま、乗れって。カフェでお前の好きなもん一個買ってやっからよ キラ:わかった・・・ 0:車を走らせるブルーノ 0:しばらくして ブルーノ:えーっと、今回は金持ちのおっさんを殺す キラ:・・・。 ブルーノ:そこのグローブボックスに今回のおっさんの写真があっから取ってくんねぇか? キラ:・・・。 0:窓の外を眺めるキラ ブルーノ:キラ?おい、聞いてっか? キラ:あの白いのって何・・? ブルーノ:あぁ?白いの? キラ:うん・・あのお尻から白い雲を出して飛んでるあれ・・・ ブルーノ:あーあれは飛行機だな。あんなかに何百人も人が入って別の国に行くんだ。すげぇだろ? キラ:ふーん・・・ ブルーノ:てかそんなのどうでもいい!写真だ写真! キラ:これ・・? 0:写真を取るキラ ブルーノ:それだそれだ。確か名前がヴァリストン・リッジーって言う奴だ キラ:・・・。 ブルーノ:資産家の御曹司らしいけど、まぁ恨まれてんだろうな。こいつを殺せって依頼めっちゃ来てたわ キラ:御曹司って言うのは恨まれ役なの・・? ブルーノ:逆恨みって奴だろうな。金がない奴からしたら金持ちの事に腹を立てるんだろうよ キラ:ふーん・・・私・・屋敷見てくる・・・ 0:車から出るキラ ブルーノ:あ、おい!キラァ!勝手に出ていくんじゃねぇよ! キラ:大丈夫・・・ 0:すたすたと歩いていくキラ ブルーノ:だぁあ!ヤんのは夜だからな!!こんな真昼間から暴れるなよ! キラ:・・・。 ブルーノ:ったくよ。ガキだからって甘く育てちまったな。はぁ・・俺も下見しとくか 0:屋敷近くを歩くキラ キラ:・・・。 エリーゼ:あら、お嬢ちゃん迷子ですか? キラ:ッ!? 0:振り返るとメイド服の方が荷物を持って立っている エリーゼ:ごめんなさい!驚かせてしまって!ヴァリストン様のご子息様のお友達ですか? キラ:・・違う エリーゼ:あら?ではなぜこんなところに? キラ:・・・なんでもない 0:走って立ち去るキラ エリーゼ:??なんだったのかしら? ブルーノ:なぁメイドのあんた エリーゼ:はい? ブルーノ:今ここに小さいガキいなかったか? エリーゼ:ガキ・・あーあの白い髪の女の子ですか? ブルーノ:あぁそうだ エリーゼ:あの子ならあっちへ走っていきましたよ ブルーノ:チッ!また逃げられちまった エリーゼ:逃げられた?貴方、あの子とどういったご関係で? 0:目つきが変わるエリーゼ ブルーノ:あぁ?別にいいだろどんな間柄でもよ エリーゼ:なりません。この辺りでは最近人さらいや殺人が増えています。 ブルーノ:・・・俺がそうだって言いてぇ顔だな エリーゼ:確証はありませんが、貴方のその出で立ち、あの子の親には見えません ブルーノ:はっ!ひでぇ言われようだな。まぁ無理もねぇわな。あんたここのメイドか? エリーゼ:えぇ。 ブルーノ:ヴァリストン・リッジーは中に居るのか? エリーゼ:お答えできません。 ブルーノ:んじゃいいや。 エリーゼ:・・・。 ブルーノ:そう敵意むき出しにしてくんなよ。殺したくなるだろ? エリーゼ:け・・警察を呼びますよ ブルーノ:ひゃはっ!!ま、帰ってやるよ。んじゃな 0:車に乗り込むブルーノ ブルーノ:あ、そうだ一個だけご主人様に伝えときな エリーゼ:な・・なんですか ブルーノ:一人で夜道をうろつくなってな。んじゃな 0:車を走らせるブルーノ エリーゼ:・・・。 ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・警備はザルだからすぐに入れるとして門から屋敷までが遠いなぁ ブルーノ:正面から行ったら裏口から逃げられるか。んー・・・うわっ!! 0:車のボンネットに落ちてくるキラ キラ:ただいま・・・ ブルーノ:あー!!お前!!ボンネットへこませんなよ!! キラ:ぶうーお・・いはい・・・ 0:キラの頬をつねるブルーノ ブルーノ:痛いじゃねぇよ!あー!せっかく昨日磨いたばっかなのによ!! キラ:メイド服の人と会った・・・ ブルーノ:あーあの野郎か キラ:殺す・・? ブルーノ:いや・・んーまぁそん時に考えよう。 キラ:わかった・・・ 0: エリーゼ:失礼しますヴァリストン様・・・ ヴァリストン:入れ 0:部屋に入るエリーゼ エリーゼ:ご報告申し上げます。先ほど当屋敷前で男が一人中を探るように見ていました ヴァリストン:へぇ?この辺の野郎達は一歩も近寄らないのにな エリーゼ:接触を試みましたがご主人様に対して誹謗中傷を発してました ヴァリストン:まぁ貧乏な奴らの僻み(ひがみ)嫉み(そねみ)の類だろうな。無視してかまわん エリーゼ:ですが・・・ ヴァリストン:エリーゼ。いいか?貧困民に耳を傾ける暇があるならお前はメイド業をちゃんとこなせ。 エリーゼ:はい。申し訳ございません ヴァリストン:この前も買い出し途中に貧乏なガキどもと遊んでいたらしいな。ヴァリストン家のメイドとして恥だ エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:いいか?次、ヴァリストン家の名を汚してみろ。お前もスラムの仲間入りだ。覚悟しておけ エリーゼ:・・・。 0:スカートを強く握るエリーゼ ヴァリストン:返事は!! エリーゼ:・・・はい。以後気を付けます。 0:深く頭を下げるエリーゼ ヴァリストン:ふん。わかればいい、言いたいことはそれだけか エリーゼ:はい ヴァリストン:ならとっと下がれ、私も暇じゃない。 エリーゼ:失礼致しました。 0:部屋を出るエリーゼ エリーゼ:大丈夫エリーゼ・・自分は何も間違っていない・・落ち着くのよ・・・ 0:深く深呼吸するエリーゼ ヴァリストン:私だ。どんだけ手荒なマフィアでもいい当屋敷に入れて警備を強化しておけ ヴァリストン:なに金ならいくらでもある。私の首を取ろうとしている輩が接触してきた時点で芽は摘むべきだろ?ふふふ・・・ 0: ブルーノ:外が騒がしいな。 キラ:車・・たくさん出てる・・・ ブルーノ:なんだ?祭りでもあんのか? キラ:・・ついていく・・? ブルーノ:いかねぇ。ふぁーあ・・夜中に動くんだしお前もちょっと仮眠しとけよ? 0:ソファに寝転がるブルーノ キラ:ずっと寝てたら牛になるよ・・? ブルーノ:おう、そうなったらモーいいやって言ってやんよ。はは! キラ:・・・おやすみ・・・ ブルーノ:おーう キラ:・・・。 0:外に出るキラ ブルーノ:チッ・・寝とけつったのによ・・・ 0:ソファに座りなおすブルーノ ブルーノ:どうせヴァリストンは俺らが殺しに行くからつってこの辺のごろつきたちを集めたんだろうな。あの車たちはヴァリストン家に集まる 0:煙草に火をつけるブルーノ ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・ま、どう集まっても俺らの敵じゃねぇけどな。 0:高台のてっぺんに座るキラ キラ:車・・お昼間にみた屋敷に集まってる・・・ キラ:警備を高めてる・・のかな・・・?意味ないのに・・・ん? 0:門の入口を見つめるキラ キラ:あのメイドさんお昼間の・・・ 0:立ち上がり高台から飛び降りるキラ エリーゼ:ご苦労様です。車はあちらの庭に止めてください。ご苦労様です。 キラ:お姉さん・・ エリーゼ:うわぁ!びっくりした!! キラ:何してるの・・? エリーゼ:え?えーっとね、今お仕事中なんだ!君はこんな時間にどうしたの? キラ:車がうるさくて・・・ エリーゼ:そう・・ごめんなさいね キラ:ここのお屋敷のお客さん・・? エリーゼ:ううん。お客様じゃなくて用心棒ってところかな? キラ:用心棒・・ エリーゼ:あ、えっとねお昼間にこわーいお兄さんがきてね?ご主人様をやっつけるぞ!って言った人がいたからね?それで・・・ ヴァリストン:何をしてるエリーゼ エリーゼ:ご主人様・・! キラ:・・・。 ヴァリストン:そこのガキはなんだ エリーゼ:この子は・・その・・・ ヴァリストン:お前また私のいう事を破ってスラムのガキと話していたな エリーゼ:いえ、この子は・・・! ヴァリストン:黙れ! エリーゼ:ッ・・! ヴァリストン:お前には失望した。ついてこい エリーゼ:はい・・・ キラ:・・・。 エリーゼ:ごめんね?お姉さんちょっと用事が出来たんだ キラ:うん・・ ヴァリストン:早く来い!! エリーゼ:はい! 0:屋敷内へ消えていく二人 キラ:・・戻ろう・・・ 0:屋敷内 ヴァリストン:お前には毎度毎度腹が立つ。わかってるのか! エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:口を開けばただ謝るだけ・・くだらない エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:謝るなら理由をちゃんと理解してから謝れ。なぜ貴様が今怒られているかをな! エリーゼ:私が・・ヴァリストン様の命(めい)を再三にわたり守らずにいたからです ヴァリストン:なぜ主の言うことが聞けんのだ エリーゼ:それは・・・ ヴァリストン:まだ昔を思い出してるのか? エリーゼ:いえ・・ ヴァリストン:今の主は誰だ? 0:エリーゼの頬を掴み顔を近づけるヴァリストン エリーゼ:ヴァ・・ヴァリストン様です・・・ ヴァリストン:わかっているならいい。じゃあ今日もお仕置きをしてやろう エリーゼ:はい・・・ ヴァリストン:ベッドへ行こうか・・・ 0: ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・ 0:ガチャとドアを開ける音 キラ:ただいま・・・ ブルーノ:おう、おかえり キラ:起きてたの・・・? ブルーノ:どっかの不良娘が寝ろっつったのに出てったもんでよ? キラ:・・・。 ブルーノ:で?どうだったよ キラ:マフィア達が屋敷にいっぱい入っていってたよ・・・ ブルーノ:ふーん・・・すぅー・・ふぅー・・・ キラ:どうする・・・? ブルーノ:んー・・今何時だ? キラ:・・・二時回ったところ・・・ ブルーノ:んじゃ行くか。キラ、支度してこい キラ:わかった・・・ 0:軽やかに階段を上るキラ ブルーノ:キラぁー!!マチェット二本持ってきてくれー!俺は車に居るからよー! キラ:・・・。 ブルーノ:頼んだぜぇー!! 0:スーツに袖を通すブルーノ ブルーノ:・・っしゃ!やっかぁー! 0: ヴァリストン:どんだけ主人のいう事を聞かなくても下の口は言うことをちゃんと守るみたいだな エリーゼ:はい・・ ヴァリストン:生娘だと思ってはいたがやはり私の目に狂いはないみたいだ。服を脱いでこっちへおいで エリーゼ:・・・。 ヴァリストン:早くしろ。主人の機嫌を取るのもメイドの役目だろ? エリーゼ:はい・・・ 0:スルスルとメイド服を脱いでいくエリーゼ ヴァリストン:ははは!!それでいい!さぁ早くこっちへおいで・・・ 0: ブルーノ:マチェット二本持ってきたか? キラ:うん・・・何に使うの・・? ブルーノ:ま、色々な。 0:マチェットをスーツの裏に入れるブルーノ キラ:作戦は・・? ブルーノ:今回はさすがに正面突破は厳しい。と思われたけどマフィア達もどうせ金で雇われてるだけだ ブルーノ:俺らが行くって分かりゃみんな自ずと逃げ帰るだろうよ キラ:そっか・・・わかった ブルーノ:ま、好き勝手に暴れていいぜ?ま、もちろんヴァリストンは俺が殺すからお前は下っ端たちを頼むぜ? キラ:やだ・・・ ブルーノ:はぁ!?俺がぶっ殺すからてめぇは雑魚だけ相手してろ! キラ:早い者勝ちってブルーノいつも言ってる・・・ ブルーノ:チッ!わぁあったよ!先に殺ったもんが勝ちだ! キラ:じゃあ勝つ・・・。 ブルーノ:んじゃ殺りにいくかー! 0:車を走らせるブルーノ ヴァリストン:これで少しは私に逆らおうとは思えないはずだ・・・ エリーゼ:・・・。 ヴァリストン:泣いているのか?はは!泣いてる様もいい姿だエリーゼ 0:涙を舌で舐めとるヴァリストン ヴァリストン:外を見てみろ、この屋敷を囲む奴らは金が欲しい為に集まっている ヴァリストン:そして塀の奥に見える薄汚い家にいる奴らはいつも私を殺そうという目で見てきている ヴァリストン:たまらないねぇ。金があればこうして言うことをすぐに聞くやつもいる ヴァリストン:まぁお前の家族は金に屈しなかったけどな・・・ エリーゼ:え・・ ヴァリストン:我が子を金なんかで渡すかって言ってたな ヴァリストン:まぁ私のいう事が聞けない奴はいらない存在だ エリーゼ:私の・・両親を殺したのって・・・ ヴァリストン:私ではない。だが私が誰かに言ったのかもしれないなぁ?殺せと 0:にいぃ・・と笑うヴァリストン ヴァリストン:はは!!ははははは!!!金さえあればこうして私の自由が通るんだ! ヴァリストン:いいか!?世の中金だ!金さえありゃあ十分なんだよ!エリーゼ!お前を貰うのは安く済んだもんだ エリーゼ:・・・そんな・・・私の家族を・・・ ヴァリストン:いいねぇ!そのうるんだ瞳!なぜお前を貰ったか教えてやろうか? 0:泣いてるエリーゼの顔を強引に前へ向かせるヴァリストン ヴァリストン:スラムの中でその蒼く澄んだ瞳、金色の美しい髪、ふくよかな胸、どれを取っても私のストライクゾーンだ ヴァリストン:私は手に入らないものが嫌いな主義でね?どんな手を使っても手に入れたかったのだよお前をな・・・はははは!!! エリーゼ:・・・ッ!! 0:唇を噛みしめ涙を流すエリーゼ ヴァリストン:さぁ夜はまだ長い。私ともっと楽しもうじゃないか?なぁ?エリーゼ?? 0: ブルーノ:うっしゃー、んじゃ突っ切るか。キラ、シートベルトしとけよ? キラ:もうしてるよ・・・ ブルーノ:んじゃ、ゲーム始めるか! 0:アクセルを全力で踏み込むブルーノ ヴァリストン:さぁいつまで泣いてるんだ?早く楽しませろ私を エリーゼ:・・・はい・・・ 0:裸のままヴァリストンへ近づくエリーゼ ヴァリストン:いいぞ!早く来るんだ! エリーゼ:はい・・・ 0:チラッと窓に目をやると全速力で突っ込んでくる車 エリーゼ:なん・・でしょうかあれ・・・ ヴァリストン:何をしてるんだ!! 0:ドカーンと大きな音が鳴る ヴァリストン:うっ!!な、なんだなんだ!! 0: ブルーノ:あー・・いってぇー・・・ キラ:・・・痛い ブルーノ:っしゃぁ!はじめっか! 0:車を囲むように銃を構えるごろつきたち ブルーノ:よぉおお前らぁあ!!始末屋ブルーノ様だぜぇ!! 0:全員がすごむ ブルーノ:金で雇われた雑魚ども、命が欲しいかそれとも金が欲しいか選べ!十秒数えてやっからよ!! 0: ヴァリストン:な・・なんだあいつは・・!! エリーゼ:・・・昼間の・・・ッ!! 0: ブルーノ:じゅーう、きゅーう、はーち、なーな 0:銃をおろして車へ走って逃げ込むマフィア達 ブルーノ:ろーく・・・ 0:一人銃を構えたままの男を見るブルーノ ブルーノ:ごーお、よーん 0:その男に近付くブルーノ ブルーノ:さーん、にーい、いーち。ぜろ ブルーノ:テンカウント数えても銃をおろさねぇなんて大した野郎だな。 0:その男の頭を散弾銃で撃ち抜くブルーノ ブルーノ:命より金取っちまったら意味ねぇだろ?なぁ?お前ら・・ってあれ? 0:車で飛ぶように逃げていくマフィア ブルーノ:はぁ・・まぁいいや。キラ出てこい 0:キラの返答はない ブルーノ:あぁ?キラぁ? 0:車はもぬけの殻 ブルーノ:あぁ!!あん野郎!!先に行きやがった!!待てゴルァ!! 0: ヴァリストン:な・・なんだ・・マフィアどもが引き返していく・・!? エリーゼ:ご・・ご主人様・・私たちはどうすれば・・・ ヴァリストン:黙れ!お前らの事なんてどうでもいい!殺してこい! エリーゼ:で・・ですが、私たちメイドは銃の扱いなんて・・・ 0:ビンタされるエリーゼ ヴァリストン:そんな事知るか!!早く俺を守るために行ってこい!! エリーゼ:は・・はい・・・ 0: キラ:・・・。 0:目を閉じて耳を澄ますキラ キラ:四階で男の声・・・ 0:駆けだすキラ ブルーノ:うぉおい!!キラぁ!!どこ行ったぁ!! 0:階段を駆け上がる後姿を見つけるブルーノ ブルーノ:うぉおい!!俺の獲物とんじゃねぇ!!待てゴルァ!! 0: エリーゼ:・・私の両親をヴァリストン様が殺した・・ヴァリストン様が・・・ ブルーノ:待てゴルァ!! エリーゼ:ひっ!! 0:とっさに銃を構えるエリーゼ ブルーノ:あぁ!?ってお前、昼間の・・・ エリーゼ:あなたは・・悪人の・・・ ブルーノ:うぉい!!誰が悪人だ!つかお前なんでハンドガンなんか持ってんだ?メイドのくせによ エリーゼ:あ・・あな・・あなたをた・・倒すためです・・・ 0:震える銃口をじっと見つめるブルーノ ブルーノ:・・・。あっそ、んじゃやってみろよ エリーゼ:え・・? ブルーノ:ほらよ、俺は丸腰だ 0:両手を横にして立つブルーノ エリーゼ:い・・いいんですか・・・貴方死にますよ・・!! ブルーノ:俺を倒すためとか言ったのはそっちだろ?自分が死ぬのが怖いからって命乞いするような男に見えるか俺様がよ? エリーゼ:ほ・・本当に・・う・・撃ちますよ・・! ブルーノ:やってみろっての キラ:ブルーノ・・何してるの・・・? ブルーノ:おぉキラ、ちょうどいい。ちょっとこっち来な エリーゼ:な・・なんで・・・!貴方がなんてここに!! キラ:お昼間のメイドさんだ・・・ ブルーノ:あぁ昼間のメイドが俺を殺すんだってよ?見てなキラ キラ:・・・意地悪いねブルーノ ブルーノ:はっ!うるせぇバーカ!で?撃つのか撃たねぇのか早く決めろよ。両手しんどいんだよ エリーゼ:ど・・どうして・・どうしてヴァリストン様を殺そうとしてるんですか・・・! ブルーノ:あぁ? エリーゼ:なんでヴァリストン様を殺そうとしているのかだけ聞いていいですか・・・ ブルーノ:・・はぁ。まぁー、野郎は金にとりつかれた悪魔みてぇなもんでな ブルーノ:自分の思うようにならないと金にものを言わせてマフィアを雇い好き勝手に暴れまわる ブルーノ:お前もさしずめ、今日あの男になんかやられた口だろ? エリーゼ:な・・なんでそれを・・・ ブルーノ:乱れたメイド服、首元のキスマーク、乱れた髪、目の焦燥感(めのしょうそうかん)といったところかな ブルーノ:まぁあの野郎に犯されたってとこか。んで、その目の焦燥はなんだ?自分の親が殺されたって聞かされたとかか? エリーゼ:ッ・・!? ブルーノ:ビンゴだな。で、俺らが来て焦ったあいつはお前に殺してくるように言って自分はどっかの部屋に逃げてる。ってとこだな エリーゼ:ヴァリストン様は・・ ブルーノ:様?おいおい、自分の親を殺した相手をまだ様付けしてんのか?どんだけ従順な犬なんだよお前 エリーゼ:・・・。 キラ:・・・憎くない? エリーゼ:え・・ キラ:殺したいとか思わない・・・? エリーゼ:いや・・私は・・・ キラ:・・・。 ブルーノ:キラ、この女は俺らと住む世界が違うんだ。そんな感情持ってるわけねぇよ。ほら行くぞ キラ:・・わかった 0:座ってるエリーゼを無視して歩きだす二人 ブルーノ:あ、そうだ。一個だけお前の本心を聞かせろ エリーゼ:な・・なんでしょうか・・・ ブルーノ:今、死にたいって思ってるか? エリーゼ:・・・どちらとも言えません・・・ ブルーノ:・・・あぁそうかい。キラ行くぞ キラ:うん 0:歩き出す二人 ブルーノ:それ、安全キーが下がってるから死のうと思っても無理だから諦めな 0: ヴァリストン:逃げだしたい・・けど外に出たら殺される・・エリーゼは恐らく殺されただろう・・私はなんとしても生き延びなければ・・・ ブルーノ:うぉーい!おっさん!ここにいんだろ!開けろ!! 0:ドアを強くノックするブルーノ ヴァリストン:な!なんだ!!お前は!!何しに来た!! ブルーノ:あぁ!?姿が見えねぇと気がでけぇな!! ヴァリストン:だ、誰から雇われた!! ブルーノ:そういう話すっから開けろってんだよ ヴァリストン:騙されるか!そんなこと言って私を殺す気だろ!! ブルーノ:話さえ出来りゃいいからよ。面と向かって話そうぜ?なぁ?おっさん? ヴァリストン:信用できるか!!去れ!!警察を呼ぶぞ!! ブルーノ:はぁ・・呼ぶなら呼べよ。めんどくせぇ ヴァリストン:待ってろ・・待ってろよ! 0:窓ガラスが勢いよく割れる ヴァリストン:なっ!!なんだ!! 0:割れたガラスをパキパキと踏み立ち上がるキラ ヴァリストン:ガキ・・だと・・・!? ブルーノ:チッ!まだ話してる途中だろがよキラ!! 0:ドアを勢いよく蹴り飛ばすブルーノ ヴァリストン:な・・なんだ・・お前たちは・・・ ブルーノ:こんばんわおっさん、俺たちは始末屋だ ヴァリストン:始末屋・・だと・・・なんだそれは・・・! キラ:殺せって言われた相手を殺すだけ・・・ ヴァリストン:ま・・待て!待ってくれ!お前たち、金が欲しくてこういうことをしているんだろ!!俺を見逃せば金をやる!!いくらでもやる!! ブルーノ:なぁおいキラ、金いるか? キラ:いらない・・・ ヴァリストン:なっ!!なんだと・・!!金さえあれば何でもできるんだぞ!!ガキにはまだその価値がわからないのか!! キラ:ブルーノは・・いる・・? ブルーノ:いや?もう十分依頼で金もらってるしな ヴァリストン:な、ならその倍払う!! ブルーノ:メイドのあんたは欲しいか? エリーゼ:ッ!? ヴァリストン:え、エリーゼ!!なぜお前がここに!! ブルーノ:メイドのあんたは金が欲しいか? エリーゼ:ど・・どうして私が居ることが・・・ ブルーノ:早く答えろよ。イエスかノー言うだけだろ ヴァリストン:おい!エリーゼ!!なぜこいつらを殺さなかった!!お前に命じただろ!! エリーゼ:も・・申し訳ございません・・ ヴァリストン:今からでも遅くない!早く撃ち殺せ!! ブルーノ:今度はちゃんと狙えよ?俺の心臓はここだ 0:右胸に手を当てるブルーノ エリーゼ:・・・ゴクッ・・・ ヴァリストン:早くやれ!! キラ:・・・。 ブルーノ:撃ってこい!! エリーゼ:うわぁああああ!! 0:撃った弾は右胸に当たり倒れるブルーノ ヴァリストン:は・・はは!!ははは!!やった!やったぞ!! ヴァリストン:よくやった!!エリーゼ!!だがお前はもう用済みだ!! 0:バスローブから銃を出すヴァリストン キラ:させない・・・ ヴァリストン:う・・うわぁああああああ!! 0:銃を持つ右手首を切り落とすキラ ヴァリストン:私の・・私の手がぁああああ!!! ブルーノ:あー・・やっぱマチェットでもいてぇな エリーゼ:な・・なんで生きて・・・ ブルーノ:な?やっぱ持ってきて正解だったろ?キラ キラ:うん・・・ 0:スーツの内側からマチェットを取り出すブルーノ ブルーノ:さ、おっさん。死んどけ ヴァリストン:や・・やめ・・やめろ!!やめろぉおおおおおおおおおおおお!! 0:勢いよくマチェットを首元に振り下ろすブルーノ ブルーノ:さーてと、次はあんただが キラ:殺すの・・・? ブルーノ:・・・。 エリーゼ:あ・・あの・・・ ブルーノ:あんた、親族はもう誰もいないか? エリーゼ:え・・? ブルーノ:あんたの事を可愛がってくれる身内がいるかって聞いてんだよ エリーゼ:い・・いえ・・もうヴァリストン様しか私には・・・ ブルーノ:あー・・そっか・・チッ・・・めんどくせぇ・・・ 0:頭をかきむしるブルーノ キラ:・・・。 ブルーノ:目、閉じろ エリーゼ:は・・はい・・・ 0:目を閉じるエリーゼ ブルーノ:はぁ・・巻き込まれて可哀そうにな。 0:エリーゼの頭に銃を突きつけるブルーノ ブルーノ:じゃあな 0:ズドンッと頭を撃ち抜くブルーノ キラ:・・帰る・・? ブルーノ:・・・あぁ。 0:近くにあった花瓶の花を一本抜き取るブルーノ キラ:何してるの・・・? ブルーノ:手向け(たむけ)んだよ。 0:死んだエリーゼの胸元に花を一輪置くブルーノ キラ:今まで誰にもそんなことしてなかった・・・ ブルーノ:あー・・なんつーか、こいつは特別な。 0:立ち上がり煙草を吸うブルーノ ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・さ、帰んぞ キラ:うん・・・ ブルーノ:帰り、いつものラーメン屋でもいいか? キラ:あそこ臭いから嫌・・・ ブルーノ:あぁ!?だからあそこのラーメンが一番うめぇって何度も言ってんだろ!? キラ:家で食べる・・・ ブルーノ:いや、お前そもそもこの前も・・・ 0:終わり

0:二人のアジト ブルーノ:がぁー・・がぁー・・・ 0:ソファーでだらしなく眠るブルーノ キラ:ん・・ 0:ベッドから目覚めるキラ キラ:んんー・・っはぁ・・ 0:外の木を見るキラ キラ:七時・・顔洗ってご飯食べよ・・・ 0:階段を軽やかに降りていくキラ ブルーノ:がぁー・・んがっ・・・がぁー・・・んん・・・ キラ:お酒臭い・・・ 0:ソファーの周りには酒瓶が散らばる ブルーノ:がぁー・・・ キラ:・・・朝ごはん食べよ・・・ 0:しばらくして ブルーノ:・・・んがっ!んぁ?あー・・いてて・・寝違えちった・・・ キラ:おはよう・・ブルーノ・・・ ブルーノ:ふぁーあ・・・キラ今何時だ? キラ:お昼回る前・・・ ブルーノ:あーそうかい・・あんがとよー。飯なんかあっか? キラ:全部食べた・・・ ブルーノ:はぁ!?ふざけんなよ!!俺の分も作れって昨日言ったろ!? キラ:おいしかった・・・ ブルーノ:味の感想とか聞いてねぇよ!はぁー・・まぁいいわ。キラ、俺が飯食ったら仕事すっから読書止めて準備してきな キラ:うん・・・ 0:始末屋の二人 ブルーノ:途中、ドライブスルーでコーヒーとサンドイッチ買うから覚えとけよキラ キラ:ブルーノの車で行くの・・・? ブルーノ:んだよ急に。いつも乗ってんじゃねぇかよ。思春期か? キラ:だってブルーノお酒臭い・・・ ブルーノ:あぁ!?酒臭くねぇわ!行く前にシャワー浴びたろ!! キラ:はぁ・・走っていこうかな・・・ ブルーノ:まだ真昼間だしやめとけ、お前みたいなチビが街中駆けまわってたらサツが取り押さえにくるからよ キラ:はぁ・・・ ブルーノ:ま、乗れって。カフェでお前の好きなもん一個買ってやっからよ キラ:わかった・・・ 0:車を走らせるブルーノ 0:しばらくして ブルーノ:えーっと、今回は金持ちのおっさんを殺す キラ:・・・。 ブルーノ:そこのグローブボックスに今回のおっさんの写真があっから取ってくんねぇか? キラ:・・・。 0:窓の外を眺めるキラ ブルーノ:キラ?おい、聞いてっか? キラ:あの白いのって何・・? ブルーノ:あぁ?白いの? キラ:うん・・あのお尻から白い雲を出して飛んでるあれ・・・ ブルーノ:あーあれは飛行機だな。あんなかに何百人も人が入って別の国に行くんだ。すげぇだろ? キラ:ふーん・・・ ブルーノ:てかそんなのどうでもいい!写真だ写真! キラ:これ・・? 0:写真を取るキラ ブルーノ:それだそれだ。確か名前がヴァリストン・リッジーって言う奴だ キラ:・・・。 ブルーノ:資産家の御曹司らしいけど、まぁ恨まれてんだろうな。こいつを殺せって依頼めっちゃ来てたわ キラ:御曹司って言うのは恨まれ役なの・・? ブルーノ:逆恨みって奴だろうな。金がない奴からしたら金持ちの事に腹を立てるんだろうよ キラ:ふーん・・・私・・屋敷見てくる・・・ 0:車から出るキラ ブルーノ:あ、おい!キラァ!勝手に出ていくんじゃねぇよ! キラ:大丈夫・・・ 0:すたすたと歩いていくキラ ブルーノ:だぁあ!ヤんのは夜だからな!!こんな真昼間から暴れるなよ! キラ:・・・。 ブルーノ:ったくよ。ガキだからって甘く育てちまったな。はぁ・・俺も下見しとくか 0:屋敷近くを歩くキラ キラ:・・・。 エリーゼ:あら、お嬢ちゃん迷子ですか? キラ:ッ!? 0:振り返るとメイド服の方が荷物を持って立っている エリーゼ:ごめんなさい!驚かせてしまって!ヴァリストン様のご子息様のお友達ですか? キラ:・・違う エリーゼ:あら?ではなぜこんなところに? キラ:・・・なんでもない 0:走って立ち去るキラ エリーゼ:??なんだったのかしら? ブルーノ:なぁメイドのあんた エリーゼ:はい? ブルーノ:今ここに小さいガキいなかったか? エリーゼ:ガキ・・あーあの白い髪の女の子ですか? ブルーノ:あぁそうだ エリーゼ:あの子ならあっちへ走っていきましたよ ブルーノ:チッ!また逃げられちまった エリーゼ:逃げられた?貴方、あの子とどういったご関係で? 0:目つきが変わるエリーゼ ブルーノ:あぁ?別にいいだろどんな間柄でもよ エリーゼ:なりません。この辺りでは最近人さらいや殺人が増えています。 ブルーノ:・・・俺がそうだって言いてぇ顔だな エリーゼ:確証はありませんが、貴方のその出で立ち、あの子の親には見えません ブルーノ:はっ!ひでぇ言われようだな。まぁ無理もねぇわな。あんたここのメイドか? エリーゼ:えぇ。 ブルーノ:ヴァリストン・リッジーは中に居るのか? エリーゼ:お答えできません。 ブルーノ:んじゃいいや。 エリーゼ:・・・。 ブルーノ:そう敵意むき出しにしてくんなよ。殺したくなるだろ? エリーゼ:け・・警察を呼びますよ ブルーノ:ひゃはっ!!ま、帰ってやるよ。んじゃな 0:車に乗り込むブルーノ ブルーノ:あ、そうだ一個だけご主人様に伝えときな エリーゼ:な・・なんですか ブルーノ:一人で夜道をうろつくなってな。んじゃな 0:車を走らせるブルーノ エリーゼ:・・・。 ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・警備はザルだからすぐに入れるとして門から屋敷までが遠いなぁ ブルーノ:正面から行ったら裏口から逃げられるか。んー・・・うわっ!! 0:車のボンネットに落ちてくるキラ キラ:ただいま・・・ ブルーノ:あー!!お前!!ボンネットへこませんなよ!! キラ:ぶうーお・・いはい・・・ 0:キラの頬をつねるブルーノ ブルーノ:痛いじゃねぇよ!あー!せっかく昨日磨いたばっかなのによ!! キラ:メイド服の人と会った・・・ ブルーノ:あーあの野郎か キラ:殺す・・? ブルーノ:いや・・んーまぁそん時に考えよう。 キラ:わかった・・・ 0: エリーゼ:失礼しますヴァリストン様・・・ ヴァリストン:入れ 0:部屋に入るエリーゼ エリーゼ:ご報告申し上げます。先ほど当屋敷前で男が一人中を探るように見ていました ヴァリストン:へぇ?この辺の野郎達は一歩も近寄らないのにな エリーゼ:接触を試みましたがご主人様に対して誹謗中傷を発してました ヴァリストン:まぁ貧乏な奴らの僻み(ひがみ)嫉み(そねみ)の類だろうな。無視してかまわん エリーゼ:ですが・・・ ヴァリストン:エリーゼ。いいか?貧困民に耳を傾ける暇があるならお前はメイド業をちゃんとこなせ。 エリーゼ:はい。申し訳ございません ヴァリストン:この前も買い出し途中に貧乏なガキどもと遊んでいたらしいな。ヴァリストン家のメイドとして恥だ エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:いいか?次、ヴァリストン家の名を汚してみろ。お前もスラムの仲間入りだ。覚悟しておけ エリーゼ:・・・。 0:スカートを強く握るエリーゼ ヴァリストン:返事は!! エリーゼ:・・・はい。以後気を付けます。 0:深く頭を下げるエリーゼ ヴァリストン:ふん。わかればいい、言いたいことはそれだけか エリーゼ:はい ヴァリストン:ならとっと下がれ、私も暇じゃない。 エリーゼ:失礼致しました。 0:部屋を出るエリーゼ エリーゼ:大丈夫エリーゼ・・自分は何も間違っていない・・落ち着くのよ・・・ 0:深く深呼吸するエリーゼ ヴァリストン:私だ。どんだけ手荒なマフィアでもいい当屋敷に入れて警備を強化しておけ ヴァリストン:なに金ならいくらでもある。私の首を取ろうとしている輩が接触してきた時点で芽は摘むべきだろ?ふふふ・・・ 0: ブルーノ:外が騒がしいな。 キラ:車・・たくさん出てる・・・ ブルーノ:なんだ?祭りでもあんのか? キラ:・・ついていく・・? ブルーノ:いかねぇ。ふぁーあ・・夜中に動くんだしお前もちょっと仮眠しとけよ? 0:ソファに寝転がるブルーノ キラ:ずっと寝てたら牛になるよ・・? ブルーノ:おう、そうなったらモーいいやって言ってやんよ。はは! キラ:・・・おやすみ・・・ ブルーノ:おーう キラ:・・・。 0:外に出るキラ ブルーノ:チッ・・寝とけつったのによ・・・ 0:ソファに座りなおすブルーノ ブルーノ:どうせヴァリストンは俺らが殺しに行くからつってこの辺のごろつきたちを集めたんだろうな。あの車たちはヴァリストン家に集まる 0:煙草に火をつけるブルーノ ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・ま、どう集まっても俺らの敵じゃねぇけどな。 0:高台のてっぺんに座るキラ キラ:車・・お昼間にみた屋敷に集まってる・・・ キラ:警備を高めてる・・のかな・・・?意味ないのに・・・ん? 0:門の入口を見つめるキラ キラ:あのメイドさんお昼間の・・・ 0:立ち上がり高台から飛び降りるキラ エリーゼ:ご苦労様です。車はあちらの庭に止めてください。ご苦労様です。 キラ:お姉さん・・ エリーゼ:うわぁ!びっくりした!! キラ:何してるの・・? エリーゼ:え?えーっとね、今お仕事中なんだ!君はこんな時間にどうしたの? キラ:車がうるさくて・・・ エリーゼ:そう・・ごめんなさいね キラ:ここのお屋敷のお客さん・・? エリーゼ:ううん。お客様じゃなくて用心棒ってところかな? キラ:用心棒・・ エリーゼ:あ、えっとねお昼間にこわーいお兄さんがきてね?ご主人様をやっつけるぞ!って言った人がいたからね?それで・・・ ヴァリストン:何をしてるエリーゼ エリーゼ:ご主人様・・! キラ:・・・。 ヴァリストン:そこのガキはなんだ エリーゼ:この子は・・その・・・ ヴァリストン:お前また私のいう事を破ってスラムのガキと話していたな エリーゼ:いえ、この子は・・・! ヴァリストン:黙れ! エリーゼ:ッ・・! ヴァリストン:お前には失望した。ついてこい エリーゼ:はい・・・ キラ:・・・。 エリーゼ:ごめんね?お姉さんちょっと用事が出来たんだ キラ:うん・・ ヴァリストン:早く来い!! エリーゼ:はい! 0:屋敷内へ消えていく二人 キラ:・・戻ろう・・・ 0:屋敷内 ヴァリストン:お前には毎度毎度腹が立つ。わかってるのか! エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:口を開けばただ謝るだけ・・くだらない エリーゼ:申し訳ございません ヴァリストン:謝るなら理由をちゃんと理解してから謝れ。なぜ貴様が今怒られているかをな! エリーゼ:私が・・ヴァリストン様の命(めい)を再三にわたり守らずにいたからです ヴァリストン:なぜ主の言うことが聞けんのだ エリーゼ:それは・・・ ヴァリストン:まだ昔を思い出してるのか? エリーゼ:いえ・・ ヴァリストン:今の主は誰だ? 0:エリーゼの頬を掴み顔を近づけるヴァリストン エリーゼ:ヴァ・・ヴァリストン様です・・・ ヴァリストン:わかっているならいい。じゃあ今日もお仕置きをしてやろう エリーゼ:はい・・・ ヴァリストン:ベッドへ行こうか・・・ 0: ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・ 0:ガチャとドアを開ける音 キラ:ただいま・・・ ブルーノ:おう、おかえり キラ:起きてたの・・・? ブルーノ:どっかの不良娘が寝ろっつったのに出てったもんでよ? キラ:・・・。 ブルーノ:で?どうだったよ キラ:マフィア達が屋敷にいっぱい入っていってたよ・・・ ブルーノ:ふーん・・・すぅー・・ふぅー・・・ キラ:どうする・・・? ブルーノ:んー・・今何時だ? キラ:・・・二時回ったところ・・・ ブルーノ:んじゃ行くか。キラ、支度してこい キラ:わかった・・・ 0:軽やかに階段を上るキラ ブルーノ:キラぁー!!マチェット二本持ってきてくれー!俺は車に居るからよー! キラ:・・・。 ブルーノ:頼んだぜぇー!! 0:スーツに袖を通すブルーノ ブルーノ:・・っしゃ!やっかぁー! 0: ヴァリストン:どんだけ主人のいう事を聞かなくても下の口は言うことをちゃんと守るみたいだな エリーゼ:はい・・ ヴァリストン:生娘だと思ってはいたがやはり私の目に狂いはないみたいだ。服を脱いでこっちへおいで エリーゼ:・・・。 ヴァリストン:早くしろ。主人の機嫌を取るのもメイドの役目だろ? エリーゼ:はい・・・ 0:スルスルとメイド服を脱いでいくエリーゼ ヴァリストン:ははは!!それでいい!さぁ早くこっちへおいで・・・ 0: ブルーノ:マチェット二本持ってきたか? キラ:うん・・・何に使うの・・? ブルーノ:ま、色々な。 0:マチェットをスーツの裏に入れるブルーノ キラ:作戦は・・? ブルーノ:今回はさすがに正面突破は厳しい。と思われたけどマフィア達もどうせ金で雇われてるだけだ ブルーノ:俺らが行くって分かりゃみんな自ずと逃げ帰るだろうよ キラ:そっか・・・わかった ブルーノ:ま、好き勝手に暴れていいぜ?ま、もちろんヴァリストンは俺が殺すからお前は下っ端たちを頼むぜ? キラ:やだ・・・ ブルーノ:はぁ!?俺がぶっ殺すからてめぇは雑魚だけ相手してろ! キラ:早い者勝ちってブルーノいつも言ってる・・・ ブルーノ:チッ!わぁあったよ!先に殺ったもんが勝ちだ! キラ:じゃあ勝つ・・・。 ブルーノ:んじゃ殺りにいくかー! 0:車を走らせるブルーノ ヴァリストン:これで少しは私に逆らおうとは思えないはずだ・・・ エリーゼ:・・・。 ヴァリストン:泣いているのか?はは!泣いてる様もいい姿だエリーゼ 0:涙を舌で舐めとるヴァリストン ヴァリストン:外を見てみろ、この屋敷を囲む奴らは金が欲しい為に集まっている ヴァリストン:そして塀の奥に見える薄汚い家にいる奴らはいつも私を殺そうという目で見てきている ヴァリストン:たまらないねぇ。金があればこうして言うことをすぐに聞くやつもいる ヴァリストン:まぁお前の家族は金に屈しなかったけどな・・・ エリーゼ:え・・ ヴァリストン:我が子を金なんかで渡すかって言ってたな ヴァリストン:まぁ私のいう事が聞けない奴はいらない存在だ エリーゼ:私の・・両親を殺したのって・・・ ヴァリストン:私ではない。だが私が誰かに言ったのかもしれないなぁ?殺せと 0:にいぃ・・と笑うヴァリストン ヴァリストン:はは!!ははははは!!!金さえあればこうして私の自由が通るんだ! ヴァリストン:いいか!?世の中金だ!金さえありゃあ十分なんだよ!エリーゼ!お前を貰うのは安く済んだもんだ エリーゼ:・・・そんな・・・私の家族を・・・ ヴァリストン:いいねぇ!そのうるんだ瞳!なぜお前を貰ったか教えてやろうか? 0:泣いてるエリーゼの顔を強引に前へ向かせるヴァリストン ヴァリストン:スラムの中でその蒼く澄んだ瞳、金色の美しい髪、ふくよかな胸、どれを取っても私のストライクゾーンだ ヴァリストン:私は手に入らないものが嫌いな主義でね?どんな手を使っても手に入れたかったのだよお前をな・・・はははは!!! エリーゼ:・・・ッ!! 0:唇を噛みしめ涙を流すエリーゼ ヴァリストン:さぁ夜はまだ長い。私ともっと楽しもうじゃないか?なぁ?エリーゼ?? 0: ブルーノ:うっしゃー、んじゃ突っ切るか。キラ、シートベルトしとけよ? キラ:もうしてるよ・・・ ブルーノ:んじゃ、ゲーム始めるか! 0:アクセルを全力で踏み込むブルーノ ヴァリストン:さぁいつまで泣いてるんだ?早く楽しませろ私を エリーゼ:・・・はい・・・ 0:裸のままヴァリストンへ近づくエリーゼ ヴァリストン:いいぞ!早く来るんだ! エリーゼ:はい・・・ 0:チラッと窓に目をやると全速力で突っ込んでくる車 エリーゼ:なん・・でしょうかあれ・・・ ヴァリストン:何をしてるんだ!! 0:ドカーンと大きな音が鳴る ヴァリストン:うっ!!な、なんだなんだ!! 0: ブルーノ:あー・・いってぇー・・・ キラ:・・・痛い ブルーノ:っしゃぁ!はじめっか! 0:車を囲むように銃を構えるごろつきたち ブルーノ:よぉおお前らぁあ!!始末屋ブルーノ様だぜぇ!! 0:全員がすごむ ブルーノ:金で雇われた雑魚ども、命が欲しいかそれとも金が欲しいか選べ!十秒数えてやっからよ!! 0: ヴァリストン:な・・なんだあいつは・・!! エリーゼ:・・・昼間の・・・ッ!! 0: ブルーノ:じゅーう、きゅーう、はーち、なーな 0:銃をおろして車へ走って逃げ込むマフィア達 ブルーノ:ろーく・・・ 0:一人銃を構えたままの男を見るブルーノ ブルーノ:ごーお、よーん 0:その男に近付くブルーノ ブルーノ:さーん、にーい、いーち。ぜろ ブルーノ:テンカウント数えても銃をおろさねぇなんて大した野郎だな。 0:その男の頭を散弾銃で撃ち抜くブルーノ ブルーノ:命より金取っちまったら意味ねぇだろ?なぁ?お前ら・・ってあれ? 0:車で飛ぶように逃げていくマフィア ブルーノ:はぁ・・まぁいいや。キラ出てこい 0:キラの返答はない ブルーノ:あぁ?キラぁ? 0:車はもぬけの殻 ブルーノ:あぁ!!あん野郎!!先に行きやがった!!待てゴルァ!! 0: ヴァリストン:な・・なんだ・・マフィアどもが引き返していく・・!? エリーゼ:ご・・ご主人様・・私たちはどうすれば・・・ ヴァリストン:黙れ!お前らの事なんてどうでもいい!殺してこい! エリーゼ:で・・ですが、私たちメイドは銃の扱いなんて・・・ 0:ビンタされるエリーゼ ヴァリストン:そんな事知るか!!早く俺を守るために行ってこい!! エリーゼ:は・・はい・・・ 0: キラ:・・・。 0:目を閉じて耳を澄ますキラ キラ:四階で男の声・・・ 0:駆けだすキラ ブルーノ:うぉおい!!キラぁ!!どこ行ったぁ!! 0:階段を駆け上がる後姿を見つけるブルーノ ブルーノ:うぉおい!!俺の獲物とんじゃねぇ!!待てゴルァ!! 0: エリーゼ:・・私の両親をヴァリストン様が殺した・・ヴァリストン様が・・・ ブルーノ:待てゴルァ!! エリーゼ:ひっ!! 0:とっさに銃を構えるエリーゼ ブルーノ:あぁ!?ってお前、昼間の・・・ エリーゼ:あなたは・・悪人の・・・ ブルーノ:うぉい!!誰が悪人だ!つかお前なんでハンドガンなんか持ってんだ?メイドのくせによ エリーゼ:あ・・あな・・あなたをた・・倒すためです・・・ 0:震える銃口をじっと見つめるブルーノ ブルーノ:・・・。あっそ、んじゃやってみろよ エリーゼ:え・・? ブルーノ:ほらよ、俺は丸腰だ 0:両手を横にして立つブルーノ エリーゼ:い・・いいんですか・・・貴方死にますよ・・!! ブルーノ:俺を倒すためとか言ったのはそっちだろ?自分が死ぬのが怖いからって命乞いするような男に見えるか俺様がよ? エリーゼ:ほ・・本当に・・う・・撃ちますよ・・! ブルーノ:やってみろっての キラ:ブルーノ・・何してるの・・・? ブルーノ:おぉキラ、ちょうどいい。ちょっとこっち来な エリーゼ:な・・なんで・・・!貴方がなんてここに!! キラ:お昼間のメイドさんだ・・・ ブルーノ:あぁ昼間のメイドが俺を殺すんだってよ?見てなキラ キラ:・・・意地悪いねブルーノ ブルーノ:はっ!うるせぇバーカ!で?撃つのか撃たねぇのか早く決めろよ。両手しんどいんだよ エリーゼ:ど・・どうして・・どうしてヴァリストン様を殺そうとしてるんですか・・・! ブルーノ:あぁ? エリーゼ:なんでヴァリストン様を殺そうとしているのかだけ聞いていいですか・・・ ブルーノ:・・はぁ。まぁー、野郎は金にとりつかれた悪魔みてぇなもんでな ブルーノ:自分の思うようにならないと金にものを言わせてマフィアを雇い好き勝手に暴れまわる ブルーノ:お前もさしずめ、今日あの男になんかやられた口だろ? エリーゼ:な・・なんでそれを・・・ ブルーノ:乱れたメイド服、首元のキスマーク、乱れた髪、目の焦燥感(めのしょうそうかん)といったところかな ブルーノ:まぁあの野郎に犯されたってとこか。んで、その目の焦燥はなんだ?自分の親が殺されたって聞かされたとかか? エリーゼ:ッ・・!? ブルーノ:ビンゴだな。で、俺らが来て焦ったあいつはお前に殺してくるように言って自分はどっかの部屋に逃げてる。ってとこだな エリーゼ:ヴァリストン様は・・ ブルーノ:様?おいおい、自分の親を殺した相手をまだ様付けしてんのか?どんだけ従順な犬なんだよお前 エリーゼ:・・・。 キラ:・・・憎くない? エリーゼ:え・・ キラ:殺したいとか思わない・・・? エリーゼ:いや・・私は・・・ キラ:・・・。 ブルーノ:キラ、この女は俺らと住む世界が違うんだ。そんな感情持ってるわけねぇよ。ほら行くぞ キラ:・・わかった 0:座ってるエリーゼを無視して歩きだす二人 ブルーノ:あ、そうだ。一個だけお前の本心を聞かせろ エリーゼ:な・・なんでしょうか・・・ ブルーノ:今、死にたいって思ってるか? エリーゼ:・・・どちらとも言えません・・・ ブルーノ:・・・あぁそうかい。キラ行くぞ キラ:うん 0:歩き出す二人 ブルーノ:それ、安全キーが下がってるから死のうと思っても無理だから諦めな 0: ヴァリストン:逃げだしたい・・けど外に出たら殺される・・エリーゼは恐らく殺されただろう・・私はなんとしても生き延びなければ・・・ ブルーノ:うぉーい!おっさん!ここにいんだろ!開けろ!! 0:ドアを強くノックするブルーノ ヴァリストン:な!なんだ!!お前は!!何しに来た!! ブルーノ:あぁ!?姿が見えねぇと気がでけぇな!! ヴァリストン:だ、誰から雇われた!! ブルーノ:そういう話すっから開けろってんだよ ヴァリストン:騙されるか!そんなこと言って私を殺す気だろ!! ブルーノ:話さえ出来りゃいいからよ。面と向かって話そうぜ?なぁ?おっさん? ヴァリストン:信用できるか!!去れ!!警察を呼ぶぞ!! ブルーノ:はぁ・・呼ぶなら呼べよ。めんどくせぇ ヴァリストン:待ってろ・・待ってろよ! 0:窓ガラスが勢いよく割れる ヴァリストン:なっ!!なんだ!! 0:割れたガラスをパキパキと踏み立ち上がるキラ ヴァリストン:ガキ・・だと・・・!? ブルーノ:チッ!まだ話してる途中だろがよキラ!! 0:ドアを勢いよく蹴り飛ばすブルーノ ヴァリストン:な・・なんだ・・お前たちは・・・ ブルーノ:こんばんわおっさん、俺たちは始末屋だ ヴァリストン:始末屋・・だと・・・なんだそれは・・・! キラ:殺せって言われた相手を殺すだけ・・・ ヴァリストン:ま・・待て!待ってくれ!お前たち、金が欲しくてこういうことをしているんだろ!!俺を見逃せば金をやる!!いくらでもやる!! ブルーノ:なぁおいキラ、金いるか? キラ:いらない・・・ ヴァリストン:なっ!!なんだと・・!!金さえあれば何でもできるんだぞ!!ガキにはまだその価値がわからないのか!! キラ:ブルーノは・・いる・・? ブルーノ:いや?もう十分依頼で金もらってるしな ヴァリストン:な、ならその倍払う!! ブルーノ:メイドのあんたは欲しいか? エリーゼ:ッ!? ヴァリストン:え、エリーゼ!!なぜお前がここに!! ブルーノ:メイドのあんたは金が欲しいか? エリーゼ:ど・・どうして私が居ることが・・・ ブルーノ:早く答えろよ。イエスかノー言うだけだろ ヴァリストン:おい!エリーゼ!!なぜこいつらを殺さなかった!!お前に命じただろ!! エリーゼ:も・・申し訳ございません・・ ヴァリストン:今からでも遅くない!早く撃ち殺せ!! ブルーノ:今度はちゃんと狙えよ?俺の心臓はここだ 0:右胸に手を当てるブルーノ エリーゼ:・・・ゴクッ・・・ ヴァリストン:早くやれ!! キラ:・・・。 ブルーノ:撃ってこい!! エリーゼ:うわぁああああ!! 0:撃った弾は右胸に当たり倒れるブルーノ ヴァリストン:は・・はは!!ははは!!やった!やったぞ!! ヴァリストン:よくやった!!エリーゼ!!だがお前はもう用済みだ!! 0:バスローブから銃を出すヴァリストン キラ:させない・・・ ヴァリストン:う・・うわぁああああああ!! 0:銃を持つ右手首を切り落とすキラ ヴァリストン:私の・・私の手がぁああああ!!! ブルーノ:あー・・やっぱマチェットでもいてぇな エリーゼ:な・・なんで生きて・・・ ブルーノ:な?やっぱ持ってきて正解だったろ?キラ キラ:うん・・・ 0:スーツの内側からマチェットを取り出すブルーノ ブルーノ:さ、おっさん。死んどけ ヴァリストン:や・・やめ・・やめろ!!やめろぉおおおおおおおおおおおお!! 0:勢いよくマチェットを首元に振り下ろすブルーノ ブルーノ:さーてと、次はあんただが キラ:殺すの・・・? ブルーノ:・・・。 エリーゼ:あ・・あの・・・ ブルーノ:あんた、親族はもう誰もいないか? エリーゼ:え・・? ブルーノ:あんたの事を可愛がってくれる身内がいるかって聞いてんだよ エリーゼ:い・・いえ・・もうヴァリストン様しか私には・・・ ブルーノ:あー・・そっか・・チッ・・・めんどくせぇ・・・ 0:頭をかきむしるブルーノ キラ:・・・。 ブルーノ:目、閉じろ エリーゼ:は・・はい・・・ 0:目を閉じるエリーゼ ブルーノ:はぁ・・巻き込まれて可哀そうにな。 0:エリーゼの頭に銃を突きつけるブルーノ ブルーノ:じゃあな 0:ズドンッと頭を撃ち抜くブルーノ キラ:・・帰る・・? ブルーノ:・・・あぁ。 0:近くにあった花瓶の花を一本抜き取るブルーノ キラ:何してるの・・・? ブルーノ:手向け(たむけ)んだよ。 0:死んだエリーゼの胸元に花を一輪置くブルーノ キラ:今まで誰にもそんなことしてなかった・・・ ブルーノ:あー・・なんつーか、こいつは特別な。 0:立ち上がり煙草を吸うブルーノ ブルーノ:すぅー・・ふぅー・・・さ、帰んぞ キラ:うん・・・ ブルーノ:帰り、いつものラーメン屋でもいいか? キラ:あそこ臭いから嫌・・・ ブルーノ:あぁ!?だからあそこのラーメンが一番うめぇって何度も言ってんだろ!? キラ:家で食べる・・・ ブルーノ:いや、お前そもそもこの前も・・・ 0:終わり