台本概要
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タイトル | ラップトップソリューターズ |
---|---|
作者名 | あまくケイ (@amak0331) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ここは「ラップトップソリューターズ」。 モンスターの退治やら住民のお助けやら色んな依頼をしているお店 店を営んでいるセイジとレスターの元に、光人間と呼ばれる機械クリーチャーの討伐を依頼された コメディ&シリアスチックな愉快痛快アクション 1217 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
レスター | 女 | 69 | ガンナー少女。一人でモンスター退治をしていたところでセイジと出会い、 ラップトップソリューターズというお店を始めることになる。 あんぱんが好き |
セイジ | 男 | 66 | クールな剣士。普段は寡黙な青年。 恋人を失った過去があり、帝国が作り上げた独立型機械人に対して恨みを持つ 質素な食事を好み、おにぎりが基礎食事 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
レスター:ここはクリーチャー退治屋『ラップトップ・ソリューターズ』!
レスター:ガンナーの私、レスターはここでひょんな事件や問題、例えばーでっかい巨人やピカピカ光るメカの人形、私は光人間(ひかりにんげん)って呼んでるんだけど、
レスター:そういう厄介ものたちを倒しささっと解決しているわけで……ただ。今日は……今日は!
レスター:……あんぱんがない……。
レスター:この冷蔵庫に入れてあった、私のアンパンがない!
セイジ:……騒々しいな、なんだ、レスター。何があった
レスター:あたしのあんぱんがないのよ!
セイジ:あんぱん?
レスター:そう、あんぱん! あたしのあんぱんです!!
セイジ:知るか
レスター:セイジ! あんたさぁ、あんぱんの価値知らないでしょ!?
セイジ:お前が好きなだけだろ
レスター:好きってレベルじゃないわよー! これは大問題! これがあるかないかで、あたしの今日のコンディション決まっちゃうんだからぁ!
セイジ:はぁ……お前のそのしっちゃかめっちゃかなテンションはいつものことだろ
レスター:しっちゃかめっちゃかって何よそれぇ! あーもう誰よ! あたしのあんぱん食べたの! ……まず、犯人候補はぁ、目の前!
セイジ:俺は知らんぞ。そんなものは食べない
レスター:あぁそうね、あんたはせいぜいおにぎり食べている、質素な食事だーいすきなイケスカナイクールボーイでしたねぇ。でもね、そういう奴に限って、こうあま~いものが、欲しくなってくるのねぇ
セイジ:何? お前、俺を疑っているのか?
レスター:疑っているってわけじゃないよぉ。ただねぇ、昨日のあんた、やーけに甘いもの欲しそうな顔してたからさぁ。一人でパクパクとシュールにおにぎり食べてたと思ったら顔色が変わって
セイジ:あ、あれは……
レスター:ほーら! これ、近づいちゃった? 今日は 名探偵レスター の巻!?
セイジ:違う
レスター:切羽詰まって違うって言う人はぁ~、犯人なんですぅ~! あたしの推理ではそう決まってるんですぅ~!
セイジ:あれは……い、痛くなったんだ
レスター:罪を隠している自分が痛くなったのねぇ? 痛い心を認めることは大事ですよぉ、セイジクーン!
セイジ:違うと言っている。勘違いもいい加減にしろ、バカ。……おにぎりに当たったんだ
レスター:へ?
セイジ:……俺も不覚だった。あのおにぎりは自分でにぎったが、肝心のツナ缶の賞味期限がとっくのとうに過ぎていた
レスター:あんた、バカだね
セイジ:ぐっ……お前にだけは絶対に言われたくなかった。ただこれで分かっただろ。あんぱんはとってない。
レスター:はぁ……なんだぁ。もういいよ、もう。またどこかでひょいと出てくるでしょ
セイジ:それで、今日は依頼が一件来ているようだな
レスター:あぁ、そうね。えーっと、あったあった。今日の依頼の手紙は……何々『第二区の迷路通りで、はた迷惑な機械クリーチャーが現れているので退治していほしい』ねぇ
セイジ:機械……
レスター:これは、光人間(ひかりにんげん)ね!
セイジ:独立型アンドロイド『機械人』(きかいじん)だ
レスター:そのネーミング微妙だからさぁ、光人間でよくない? 目とか、あのメタリックなラインとか良く光ってるし!
セイジ:お前が勝手にそう呼んでいるだけだろ。正式名称はこれだ。
レスター:あっそう、ま、いっけど。で、光人間だと……人型が相手なわけだから、身軽な装備にしておいたほうが良さそうね
セイジ:前回の依頼、巨人退治は確かに骨が折れた
レスター:あんときはセイジが翻弄していって、あたしがここにおいてある…この対巨人用バズーカ砲を一発かましてズドン! だったわねぇ
セイジ:ただ、機械人ならサイズは人型と決まっている。俺はいつも通りのこの剣で問題はない。
レスター:あんた、その剣好きよね。武器屋に行ってなにか装備カウンセリングでもしてもらったら? 新しい武器の可能性を開拓できるかもよ?
セイジ:あれこれ手を付けるつもりはない。俺は決まった装備が好きなんだ。お前はその拳銃とスナイパーライフルでいくのか?
レスター:モチのロン! ……このバズーカもすっごいお気に入りなんだけど
セイジ:それを狭いところで撃つつもりか? そうなれば俺たちも木っ端みじんだな。
レスター:ですよねぇー。今日はこの子、おいてくわ、グスン
セイジ:賢明な判断だ。
レスター:じゃ、早速行きますか。ミッションスターティング! 先に行くね~!
0:(レスターが先に出る 走っていく音)
セイジ:(ため息)……緊張感のかけらもないやつだ。……機械人か、相変わらず嫌な響きだ
セイジ:……あの日を思い出すな。
セイジ:俺の知っている機械人たちか分からんが、あの奇妙な紋章だけは覚えている。
セイジ:……センナ。
セイジ:紋章つきの……奴らに。
セイジ:……行くか
0:
0:
0:
レスター:さてさて到着。来ました! この街名物の『迷路通り』!
セイジ:第二区の迷路通り……噂通り狭い道だな
レスター:ロマンないねぇ~、探検家なら好きじゃない? こういうの
セイジ:お前探検家じゃないだろ
レスター:いやそういうことじゃなくて……私はロマンチックはいいよね!っていうことを切に言いたかったんだけど
セイジ:この様子だと人がいる気配はないな。早めに見つけて、ケリをつけよう
レスター:あはは、完全スルーですか……ザ・現実的男(げんじつてきおとこ)
セイジ:うるさいぞ。……で、どうする、仮に遭遇したとして、二人でこの狭い道で戦うのは賢明じゃない。
レスター:それなら一回別れる?
セイジ:いや……迷路の中で落ち合うのは難しいだろう。
レスター:ってことは、二人一緒に行動とるってわけね
セイジ:そうだ。そのほうが遭遇した時のリスクが低い。ただその場合は、いかんせん狭いところだ、どちらかが前に出る必要がある
レスター:それなら、あたしが前に出てけん制攻撃、光人間の動きが止まったら、セイジが前に出て本体を撃破。それでどう?
セイジ:いいだろう
レスター:よし、それではいざ、参ろう!
セイジ:とっとと行くぞ
0:
0:(迷路通りの中を歩く二人)
レスター:……はぁー迷う、迷うなぁ。どこにいるんだかって……。
セイジ:黙って歩け
レスター:セイジさぁ、ちょっとは疲れない?
セイジ:訓練時代から慣れている
レスター:訓練時代……あ、それってセイジが前に言ってた、テイコク?だっけ? ここに来る前はそこに居たんだよね
セイジ:ああ、極限状態でも戦力になるような訓練などあったな
レスター:うっわ、何それ、きっつそう……絶対あたしならトンズラするわー。
セイジ:そうならないようにするための訓練だ。
レスター:すごいねぇ、セイジは。
セイジ:褒めても何も出ないぞ
レスター:いや、なんか、いいね……そういう、昔があるのって。
セイジ:それだけ銃を使えるなら、それなりの訓練は受けていたんじゃないか?
レスター:うーん、でもねぇ、セイジみたいな訓練を受けてたなら、絶対仏頂面だった。『あたしの名前はレスター……ただのいっぱしのガンナーよ』みたいな感じ? うん、何か自信ある。
セイジ:お前絶対バカにしてるだろ
レスター:いーや、羨ましいの裏返しなだけ。それだけです。
セイジ:……そうか。
レスター:……ん? んん?
0:(目標の敵に遭遇する)
セイジ:……あれは!
レスター:居た! あたしツイてるっ! さぁ先手必勝!
セイジ:おい! 撃ってくるぞ!
0:(機械人がビームを撃ってくる)
レスター:おっと、そんなに目からビーム撃っても余裕のよっちゃんよ! こっちはガンナー歴長いんだっての!
0:(レスターが銃を撃つ)
0:(機械人にヒット)
レスター:うーん!あの感じだと、頭守っているから一発撃破は無理ね! いいセイジ? 言ってた通り、あたしが先に!
セイジ:言われなくても、分かっている。
レスター:ってことで、シンプルに、撃つ!
0:(機械人がビームを撃ち、レスターがそれを避けて、銃を装填し、撃つ)
0:(機械人にヒット)
レスター:おっけ! 命中! そしたらこのライフルちゃんの出番!
0:(レスターが特製の弾丸を銃に装填する)
レスター:あたし特製とっておきの弾丸!
レスター:名付けて『デスト・スナイピング』 てやーっ!
0:(スナイパーライフルを撃つ。爆発が起こり、機械人が大きく体制を崩す)
レスター:動きが止まった! 今よ! セイジ!
0:(セイジが剣を取り出し、構える)
セイジ:黒殺流奥義(こくさつりゅうおうぎ)
0:(セイジが敵に向かって切り込む)
セイジ:黒(くろ)に報(むく)いよ。
セイジ:闇夜(やみよ)の魔を刻み、その名を永久(えいきゅう)の冥王(めいおう)へ返還せん!
セイジ:黒魔 燕活殺(こくま えんかっさつ)!
0:(大きな斬撃を与え、機械人は攻撃をうけ、倒れこむ)
セイジ:装甲がはがれたか……ん? っ!
レスター:? セイジ?
セイジ:あれは……紋章つき……
レスター:ちょ、ちょっと!?
セイジ:どけ……!
セイジ:……やっと見つけたな。
セイジ:俺は……貴様らを一体残らず壊したくて仕方がなかったんだよ……。
セイジ:お前を殺す前に聞く。他の紋章つきと、貴様らの親玉は何処にいる?
0:(沈黙)
セイジ:答える気がないか……なら、失せろ。
0:(思いっきり剣を突き刺す)
セイジ:……くそ!(機械人を蹴る)くそったれが!
レスター:ちょっと! セイジ? どうしたの!?
セイジ:……分からんだろうな
レスター:えっ?
セイジ:大切な人を殺された仇を見つけた人間の気持ちは、理解できるまい。
セイジ:いいよな、お前は過去の記憶がなくて
レスター:……!
セイジ:記憶がないというのは、どんな景色だ?
セイジ:機械人を見ても、ただの遊び相手に見えてしまうのか?
セイジ:この怒りも、持たなくて済むのか?
セイジ:教えてくれよ、レスター。記憶がないのは、どんな景色だ?
レスター:……なにさ! あんたは、勝手に自分の記憶に囚われて、ネガティブ自慢したいだけでしょ!? あたしも記憶がないの、辛いんだよ!?
0:(セイジがレスターの襟首を掴む)
レスター:っ!
セイジ:……俺はな、自分の過去を消し去りたくて仕方がないんだよ。仲間が目の前で殺された過去がお前は欲しいのか?
セイジ:記憶に、価値なんてないのさ……!
レスター:ちょ、ちょっと! 離しなさいよ! ったくもう、セイジのバカ!! 知らない! あたし、先に帰ってるから!
:
:
0:(レスターが先にラップトップソリューターズの拠点へ帰ってくる)
レスター:ただいま……って誰もいないか。
0:(疲れきって座る)
レスター:はぁー、やっちゃった。何やってんだろあたし……。
レスター:私だって遊びでやってないし……。幼いころからの記憶がないのが、私は寂しいだけで。
レスター:……だから、寂しさ忘れて、ポジティブイズシンキングでやっているというのに……あんな言い方、ないじゃんさ。
レスター:……でも、私も、セイジの気も知らずに、酷いこと言っちゃったかも。
0:(セイジがかえってくる)
セイジ:ただいま
レスター:……
セイジ:……
レスター:……ごめん、その、あたしも言いすぎたところは(セイジがあんぱんの入った袋をおく)……へ?
セイジ:……買ってきた、食べたらどうだ。
レスター:これって……あ……あ、あ!! あんぱん!!!
セイジ:……そうだ
レスター:あ、あんぱんよ! あんぱんがここにあるわ!! えーー! セイジってイケメンだったのぉーー!!!! すごーい!!
セイジ:……さっきは……悪かった……。俺も、言い過ぎた。つい、感情的になってしまって……
レスター:あ、あんぱん! ありがとーーー!!! セイジ! あんた、ついにイケメンの道を歩んだのね!!
セイジ:一言余計だぞ。
レスター:いっただっきまーす! あーむ! うーん! おいひぃ~!! やっぱりあんぱん最高! セイジ! ありがとぉー!
セイジ:まぁ、いいか……。
セイジ:……俺も、過去にとらわれすぎていたか。
セイジ:俺もまだまだ……難しい課題だな。
セイジ:……とりあえず、俺も食べるか。さっき依頼人からもらった、サケフレークとツナ缶……。賞味期限に問題はない。
セイジ:しかし、こうも手に持つと、どちらをおにぎりの具にしようか迷うところだな。サケか、ツナか……どちらがいいか。究極の二択だ
セイジ:ひとまず冷蔵庫に入れるか……ん? 奥に何かある?これは……あんぱん?
セイジ:なるほど、奥のほうに詰まってたのか。結局、よく探してなかっただけとは……つまらんオチだったな。
レスター:はぁー食べた食べたぁー! あんぱんエネルギーチャージ! ……あれ?
セイジ:ん?
レスター:あ
セイジ:……あ(あんぱんを片手に持った状態で)
レスター:……犯人候補!(指をさす)
セイジ:いや、違う、これは
レスター:これは確定ですなぁセイジくぅ~ん! やっぱりあんぱん食べたかったのねぇ! 完璧よ! 完璧なる伏線回収だわぁー!
セイジ:だから聞け。タイミングが良すぎるんだ。これはな、レスター、俺がさっき
レスター:いいよいいよ! やっぱり米より小麦よねぇ! 分かるわ、うん、分かる。罪を自白することは悪いことじゃないわよ、セイジクン。さぁ、思いっきり泣きなさい!
セイジ:いや、泣くとかの話ではない。そんなことはどうでもいいんだ。まず、俺の話を
レスター:次回のラップトップソリューターズは! 名探偵レスター、降臨爆誕の巻よぉー!!
セイジ:……だめだ……。不覚……、一生の不覚だッッッッ!!!
レスター:ここはクリーチャー退治屋『ラップトップ・ソリューターズ』!
レスター:ガンナーの私、レスターはここでひょんな事件や問題、例えばーでっかい巨人やピカピカ光るメカの人形、私は光人間(ひかりにんげん)って呼んでるんだけど、
レスター:そういう厄介ものたちを倒しささっと解決しているわけで……ただ。今日は……今日は!
レスター:……あんぱんがない……。
レスター:この冷蔵庫に入れてあった、私のアンパンがない!
セイジ:……騒々しいな、なんだ、レスター。何があった
レスター:あたしのあんぱんがないのよ!
セイジ:あんぱん?
レスター:そう、あんぱん! あたしのあんぱんです!!
セイジ:知るか
レスター:セイジ! あんたさぁ、あんぱんの価値知らないでしょ!?
セイジ:お前が好きなだけだろ
レスター:好きってレベルじゃないわよー! これは大問題! これがあるかないかで、あたしの今日のコンディション決まっちゃうんだからぁ!
セイジ:はぁ……お前のそのしっちゃかめっちゃかなテンションはいつものことだろ
レスター:しっちゃかめっちゃかって何よそれぇ! あーもう誰よ! あたしのあんぱん食べたの! ……まず、犯人候補はぁ、目の前!
セイジ:俺は知らんぞ。そんなものは食べない
レスター:あぁそうね、あんたはせいぜいおにぎり食べている、質素な食事だーいすきなイケスカナイクールボーイでしたねぇ。でもね、そういう奴に限って、こうあま~いものが、欲しくなってくるのねぇ
セイジ:何? お前、俺を疑っているのか?
レスター:疑っているってわけじゃないよぉ。ただねぇ、昨日のあんた、やーけに甘いもの欲しそうな顔してたからさぁ。一人でパクパクとシュールにおにぎり食べてたと思ったら顔色が変わって
セイジ:あ、あれは……
レスター:ほーら! これ、近づいちゃった? 今日は 名探偵レスター の巻!?
セイジ:違う
レスター:切羽詰まって違うって言う人はぁ~、犯人なんですぅ~! あたしの推理ではそう決まってるんですぅ~!
セイジ:あれは……い、痛くなったんだ
レスター:罪を隠している自分が痛くなったのねぇ? 痛い心を認めることは大事ですよぉ、セイジクーン!
セイジ:違うと言っている。勘違いもいい加減にしろ、バカ。……おにぎりに当たったんだ
レスター:へ?
セイジ:……俺も不覚だった。あのおにぎりは自分でにぎったが、肝心のツナ缶の賞味期限がとっくのとうに過ぎていた
レスター:あんた、バカだね
セイジ:ぐっ……お前にだけは絶対に言われたくなかった。ただこれで分かっただろ。あんぱんはとってない。
レスター:はぁ……なんだぁ。もういいよ、もう。またどこかでひょいと出てくるでしょ
セイジ:それで、今日は依頼が一件来ているようだな
レスター:あぁ、そうね。えーっと、あったあった。今日の依頼の手紙は……何々『第二区の迷路通りで、はた迷惑な機械クリーチャーが現れているので退治していほしい』ねぇ
セイジ:機械……
レスター:これは、光人間(ひかりにんげん)ね!
セイジ:独立型アンドロイド『機械人』(きかいじん)だ
レスター:そのネーミング微妙だからさぁ、光人間でよくない? 目とか、あのメタリックなラインとか良く光ってるし!
セイジ:お前が勝手にそう呼んでいるだけだろ。正式名称はこれだ。
レスター:あっそう、ま、いっけど。で、光人間だと……人型が相手なわけだから、身軽な装備にしておいたほうが良さそうね
セイジ:前回の依頼、巨人退治は確かに骨が折れた
レスター:あんときはセイジが翻弄していって、あたしがここにおいてある…この対巨人用バズーカ砲を一発かましてズドン! だったわねぇ
セイジ:ただ、機械人ならサイズは人型と決まっている。俺はいつも通りのこの剣で問題はない。
レスター:あんた、その剣好きよね。武器屋に行ってなにか装備カウンセリングでもしてもらったら? 新しい武器の可能性を開拓できるかもよ?
セイジ:あれこれ手を付けるつもりはない。俺は決まった装備が好きなんだ。お前はその拳銃とスナイパーライフルでいくのか?
レスター:モチのロン! ……このバズーカもすっごいお気に入りなんだけど
セイジ:それを狭いところで撃つつもりか? そうなれば俺たちも木っ端みじんだな。
レスター:ですよねぇー。今日はこの子、おいてくわ、グスン
セイジ:賢明な判断だ。
レスター:じゃ、早速行きますか。ミッションスターティング! 先に行くね~!
0:(レスターが先に出る 走っていく音)
セイジ:(ため息)……緊張感のかけらもないやつだ。……機械人か、相変わらず嫌な響きだ
セイジ:……あの日を思い出すな。
セイジ:俺の知っている機械人たちか分からんが、あの奇妙な紋章だけは覚えている。
セイジ:……センナ。
セイジ:紋章つきの……奴らに。
セイジ:……行くか
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レスター:さてさて到着。来ました! この街名物の『迷路通り』!
セイジ:第二区の迷路通り……噂通り狭い道だな
レスター:ロマンないねぇ~、探検家なら好きじゃない? こういうの
セイジ:お前探検家じゃないだろ
レスター:いやそういうことじゃなくて……私はロマンチックはいいよね!っていうことを切に言いたかったんだけど
セイジ:この様子だと人がいる気配はないな。早めに見つけて、ケリをつけよう
レスター:あはは、完全スルーですか……ザ・現実的男(げんじつてきおとこ)
セイジ:うるさいぞ。……で、どうする、仮に遭遇したとして、二人でこの狭い道で戦うのは賢明じゃない。
レスター:それなら一回別れる?
セイジ:いや……迷路の中で落ち合うのは難しいだろう。
レスター:ってことは、二人一緒に行動とるってわけね
セイジ:そうだ。そのほうが遭遇した時のリスクが低い。ただその場合は、いかんせん狭いところだ、どちらかが前に出る必要がある
レスター:それなら、あたしが前に出てけん制攻撃、光人間の動きが止まったら、セイジが前に出て本体を撃破。それでどう?
セイジ:いいだろう
レスター:よし、それではいざ、参ろう!
セイジ:とっとと行くぞ
0:
0:(迷路通りの中を歩く二人)
レスター:……はぁー迷う、迷うなぁ。どこにいるんだかって……。
セイジ:黙って歩け
レスター:セイジさぁ、ちょっとは疲れない?
セイジ:訓練時代から慣れている
レスター:訓練時代……あ、それってセイジが前に言ってた、テイコク?だっけ? ここに来る前はそこに居たんだよね
セイジ:ああ、極限状態でも戦力になるような訓練などあったな
レスター:うっわ、何それ、きっつそう……絶対あたしならトンズラするわー。
セイジ:そうならないようにするための訓練だ。
レスター:すごいねぇ、セイジは。
セイジ:褒めても何も出ないぞ
レスター:いや、なんか、いいね……そういう、昔があるのって。
セイジ:それだけ銃を使えるなら、それなりの訓練は受けていたんじゃないか?
レスター:うーん、でもねぇ、セイジみたいな訓練を受けてたなら、絶対仏頂面だった。『あたしの名前はレスター……ただのいっぱしのガンナーよ』みたいな感じ? うん、何か自信ある。
セイジ:お前絶対バカにしてるだろ
レスター:いーや、羨ましいの裏返しなだけ。それだけです。
セイジ:……そうか。
レスター:……ん? んん?
0:(目標の敵に遭遇する)
セイジ:……あれは!
レスター:居た! あたしツイてるっ! さぁ先手必勝!
セイジ:おい! 撃ってくるぞ!
0:(機械人がビームを撃ってくる)
レスター:おっと、そんなに目からビーム撃っても余裕のよっちゃんよ! こっちはガンナー歴長いんだっての!
0:(レスターが銃を撃つ)
0:(機械人にヒット)
レスター:うーん!あの感じだと、頭守っているから一発撃破は無理ね! いいセイジ? 言ってた通り、あたしが先に!
セイジ:言われなくても、分かっている。
レスター:ってことで、シンプルに、撃つ!
0:(機械人がビームを撃ち、レスターがそれを避けて、銃を装填し、撃つ)
0:(機械人にヒット)
レスター:おっけ! 命中! そしたらこのライフルちゃんの出番!
0:(レスターが特製の弾丸を銃に装填する)
レスター:あたし特製とっておきの弾丸!
レスター:名付けて『デスト・スナイピング』 てやーっ!
0:(スナイパーライフルを撃つ。爆発が起こり、機械人が大きく体制を崩す)
レスター:動きが止まった! 今よ! セイジ!
0:(セイジが剣を取り出し、構える)
セイジ:黒殺流奥義(こくさつりゅうおうぎ)
0:(セイジが敵に向かって切り込む)
セイジ:黒(くろ)に報(むく)いよ。
セイジ:闇夜(やみよ)の魔を刻み、その名を永久(えいきゅう)の冥王(めいおう)へ返還せん!
セイジ:黒魔 燕活殺(こくま えんかっさつ)!
0:(大きな斬撃を与え、機械人は攻撃をうけ、倒れこむ)
セイジ:装甲がはがれたか……ん? っ!
レスター:? セイジ?
セイジ:あれは……紋章つき……
レスター:ちょ、ちょっと!?
セイジ:どけ……!
セイジ:……やっと見つけたな。
セイジ:俺は……貴様らを一体残らず壊したくて仕方がなかったんだよ……。
セイジ:お前を殺す前に聞く。他の紋章つきと、貴様らの親玉は何処にいる?
0:(沈黙)
セイジ:答える気がないか……なら、失せろ。
0:(思いっきり剣を突き刺す)
セイジ:……くそ!(機械人を蹴る)くそったれが!
レスター:ちょっと! セイジ? どうしたの!?
セイジ:……分からんだろうな
レスター:えっ?
セイジ:大切な人を殺された仇を見つけた人間の気持ちは、理解できるまい。
セイジ:いいよな、お前は過去の記憶がなくて
レスター:……!
セイジ:記憶がないというのは、どんな景色だ?
セイジ:機械人を見ても、ただの遊び相手に見えてしまうのか?
セイジ:この怒りも、持たなくて済むのか?
セイジ:教えてくれよ、レスター。記憶がないのは、どんな景色だ?
レスター:……なにさ! あんたは、勝手に自分の記憶に囚われて、ネガティブ自慢したいだけでしょ!? あたしも記憶がないの、辛いんだよ!?
0:(セイジがレスターの襟首を掴む)
レスター:っ!
セイジ:……俺はな、自分の過去を消し去りたくて仕方がないんだよ。仲間が目の前で殺された過去がお前は欲しいのか?
セイジ:記憶に、価値なんてないのさ……!
レスター:ちょ、ちょっと! 離しなさいよ! ったくもう、セイジのバカ!! 知らない! あたし、先に帰ってるから!
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0:(レスターが先にラップトップソリューターズの拠点へ帰ってくる)
レスター:ただいま……って誰もいないか。
0:(疲れきって座る)
レスター:はぁー、やっちゃった。何やってんだろあたし……。
レスター:私だって遊びでやってないし……。幼いころからの記憶がないのが、私は寂しいだけで。
レスター:……だから、寂しさ忘れて、ポジティブイズシンキングでやっているというのに……あんな言い方、ないじゃんさ。
レスター:……でも、私も、セイジの気も知らずに、酷いこと言っちゃったかも。
0:(セイジがかえってくる)
セイジ:ただいま
レスター:……
セイジ:……
レスター:……ごめん、その、あたしも言いすぎたところは(セイジがあんぱんの入った袋をおく)……へ?
セイジ:……買ってきた、食べたらどうだ。
レスター:これって……あ……あ、あ!! あんぱん!!!
セイジ:……そうだ
レスター:あ、あんぱんよ! あんぱんがここにあるわ!! えーー! セイジってイケメンだったのぉーー!!!! すごーい!!
セイジ:……さっきは……悪かった……。俺も、言い過ぎた。つい、感情的になってしまって……
レスター:あ、あんぱん! ありがとーーー!!! セイジ! あんた、ついにイケメンの道を歩んだのね!!
セイジ:一言余計だぞ。
レスター:いっただっきまーす! あーむ! うーん! おいひぃ~!! やっぱりあんぱん最高! セイジ! ありがとぉー!
セイジ:まぁ、いいか……。
セイジ:……俺も、過去にとらわれすぎていたか。
セイジ:俺もまだまだ……難しい課題だな。
セイジ:……とりあえず、俺も食べるか。さっき依頼人からもらった、サケフレークとツナ缶……。賞味期限に問題はない。
セイジ:しかし、こうも手に持つと、どちらをおにぎりの具にしようか迷うところだな。サケか、ツナか……どちらがいいか。究極の二択だ
セイジ:ひとまず冷蔵庫に入れるか……ん? 奥に何かある?これは……あんぱん?
セイジ:なるほど、奥のほうに詰まってたのか。結局、よく探してなかっただけとは……つまらんオチだったな。
レスター:はぁー食べた食べたぁー! あんぱんエネルギーチャージ! ……あれ?
セイジ:ん?
レスター:あ
セイジ:……あ(あんぱんを片手に持った状態で)
レスター:……犯人候補!(指をさす)
セイジ:いや、違う、これは
レスター:これは確定ですなぁセイジくぅ~ん! やっぱりあんぱん食べたかったのねぇ! 完璧よ! 完璧なる伏線回収だわぁー!
セイジ:だから聞け。タイミングが良すぎるんだ。これはな、レスター、俺がさっき
レスター:いいよいいよ! やっぱり米より小麦よねぇ! 分かるわ、うん、分かる。罪を自白することは悪いことじゃないわよ、セイジクン。さぁ、思いっきり泣きなさい!
セイジ:いや、泣くとかの話ではない。そんなことはどうでもいいんだ。まず、俺の話を
レスター:次回のラップトップソリューターズは! 名探偵レスター、降臨爆誕の巻よぉー!!
セイジ:……だめだ……。不覚……、一生の不覚だッッッッ!!!