台本概要
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タイトル | 終わらせてくれない王女 |
---|---|
作者名 | のぼライズ (@tomisan5012_2) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
魔王に攫われた王女を助け、勇者はこの冒険の終わりを迎える…はずが、なかなか終わらせてくれる事もなく、必死に勇者に喰らいつく王女。 果たして、戸惑う勇者と王女に冒険のエンディングはやってくるのか…? 279 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
勇者だった者 | 男 | 36 | たまたまこの国へ休憩しに来てた元旅人。 童貞 |
王女 | 女 | 35 | この国の王女 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
勇者だった者:「魔王に攫われた王女を助けるべく、この王国を訪れていた旅人だった私は、路地裏でオヤジ狩りに遭っていた王様を助け、勇者という名前を拝借し、魔王を倒す旅に出た。そして魔王を倒し、王女も助け、無事に王様の元へ送り届けたところで、私は再び「自分探しの旅人」として、果てなき冒険へと出る。それでは王女、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「おいおい…ついさっき僕は、もうその名を捨てたばかりだぜ?だがこれも、王女との最後のやり取りになりかねない。何でしょう、王女?」
王女:「また…どこかで、お会い出来るでしょうか?」
勇者だった者:「あぁ、王女が僕の事を忘れない限り」
王女:「あなたの事、この先ずっとお忘れなど致しませんわ」
勇者だった者:「人はいずれ忘れる。どんな大事な思い出さえも、氷のように水蒸気になって消える。そういうものさ」
王女:「そ…そんな寂しい事を仰らないでくださいませ」
勇者だった者:「少なくとも僕は、王女の事はお忘れにはなりませんよ。この人生で唯一の愛したかった女性でしたから」
王女:「え…まさか、どうて…」
勇者だった者:「ふっ…クサい台詞だが…キマったぁ‼︎(咳払い)…では王女、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「おやおや、王女と優雅にお話する暇など無いんだが仕方ない、何でしょう?」
王女:「あなたのお名前、まだ聞いていませんでしたわね」
勇者だった者:「もう仰ってるじゃありませんか?勇者様、と」
王女:「勇者はあくまでも借りたお名前、でもそれをご返却なさった今のお名前を…」
勇者だった者:「たとえ勇者の名前を返却致したとしても、あなたにとっての勇者には変わりないのだから…いや、ここは「勇者」と書いて「ナイト」とルビを振るべきかな?髪サラリッ」
王女:「別にずっと勇者だとは思うつもりも無いし、面白くもないし、それにさっきまで勇者の名を捨てたからそう呼ぶのは止めろって言っといて、結局は「勇者」のルビ振りで「ナイト」と呼ばせるし、面倒くさ…この男。でも山ほど聞きたい事はある…」
勇者だった者:「では、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「ふふ、なかなか離してくれない王女だこと。何でしょう、王女?」
王女:「あなたは何故、そこまで自分を探したがるのでしょう?」
勇者だった者:「そうだな、僕はとある平凡な行商をやっていてね。元々は田舎の農家生まれだから、親から毎日頂く野菜を最寄りの村々に売り歩くんだ」
王女:「そうなんですね…親御さんの下で獲れた新鮮な野菜を、もっといろんな人に食べてもらいたい、知ってもらいたいという一心で売り歩いていたんですね」
勇者だった者:「いや、自分が野菜嫌いだけど農家の下で生まれてる子どもだから…野菜を仕送りとして送ってくる物の定めなもので、それをお金に変えてるだけですね…お金無いとやっていけないんで」
王女:「いやいや、それは食べてあげよ?ね?」
勇者だった者:「いやぁ…マジ虫が付いてたとか土付いてたって思うと無理ですね…食べれないですね、はい」
王女:「食べたくない事を正当化しようとしてくるやん、なにコイツ」
勇者だった者:「そして売っていくうちに思うんですよ…よくこんなの平気で食えるとか、人間じゃな…」
王女:「(遮るように)勇者様、もう結構です」
勇者だった者:「…え?まだ序盤くらいですよ?またしては、プロローグの最中と言っても過言ではありません」
王女:「話し足りないですか?」
勇者だった者:「足りないですね」
王女:「書籍化してください」
勇者だった者:「書籍化致します、持ち込みます!」
王女:「よろしくてよ」
勇者だった者:「では、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「あははははは!よっぽどあなたは私の事を拘束したいくらいに好きなようだ。何でしょう、王女?」
王女:「勇者様は異性と話した事は?」
勇者だった者:「私かい?私には…そうだね、今目の前で話してくださるその人のみ…ですかね…」
王女:「え、あ、はい?」
勇者だった者:「?…どうされたのでしょう?」
王女:「でも、お仲間として冒険を共になさっていた魔法使いのエリー様がいらしたのでは?」
勇者だった者:「…あぁ、あの子の事か。頑なな子だったよ」
王女:「一体なにが?」
勇者だった者:「あの子は終始ずっと大剣使いのマサルを見ていた。そして終始ずっとエリーは賢者のタイマーと楽しく話していた。なのに僕には何も無かったのだよ!」
王女:「めっちゃ仲間に対してジェラシー激しいじゃん…男の嫉妬はやはり、見てても聞いてても醜い…」
勇者だった者:「だが、とある夜の事…私達はテントを張り、熊や獣が来ないように焚き火を焚いていた…それでも…」
王女:「まさか…就寝時に熊や獣に襲われましたの?」
勇者だった者:「あぁ、襲われたさ…」
王女:「じゃあ、最初から連れていたはずのお仲間が今は居ない理由とは、そういう…」
勇者だった者:「…あぁ」
王女:「じゃあ勇者様…いえ、勇者(ナイト)はそれからずっと、1人で戦っていらしたんですね…襲撃で亡くなられた仲間達の思いを背負い、さらには…私まで助けてくださり…すみません、あなた様や仲間達の悲劇を思うと…胸が痛くなって涙が…とても悲しゅうございま…」
勇者だった者:「(遮るように)僕も急な出来事に困惑し…怒りまで覚えたくらいさ…」
王女:「勇者(ナイト)…」
勇者だった者:「サリーはな…」
王女:「勇者(ナイト)、もうお止めくださいませ!心に傷を負ってまで、私に話さなくても…」
勇者だった者:「(遮るように)マサルとタイマーという獣に襲われたんだ!」
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0:3秒、間をあける
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王女:「…え?」
勇者だった者:「しかも!俺の隣で!3人激しく!乱れていたんだ!」
王女:「わぁ、お盛んなこと」
勇者だった者:「俺は怒り狂ったんだ!勇者抜きで夜の冒険に出向くなんぞ!ご法度だろ!」
王女:「夜の冒険から仲間はずれになられたんですね」
勇者だった者:「さらに!1人増えたんだ!」
王女:「えぇ、私の奪還の間に産んでたの!?」
勇者だった者:「こうして、その子どもの父親がどっちなのかを今、DNA検査の間だけ仲間は裁判所に収監されておる」
王女:「あっ、そういうことになってたのね!?知らなかったぁ、というより結局勇者様は童貞止まりなのですね!」
王女:(心の中で)もうそろそろ良いかしら?あんまり話してても対して面白くなかったし。童貞だし、早くお家に帰って、他国配信の恋愛ドラマ観なければ!
勇者だった者:(心の中で)ここまで引き伸ばしたという事は、王女は僕に対して気があるのでは?きっとそうだよね?ワンチャンあるよね?絶対今日は卒業できるよね?魔法使いにならなくて済むよね?ここでまた引き止めた際には…よし、男になろう!この気持ちを伝えなければ!
勇者だった者:「ではそろそろ、お達者で」
王女:「はい、お達者で」
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0:3秒、間をあける
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勇者だった者:「え、あ、これで終わりっ!?」
勇者だった者:「魔王に攫われた王女を助けるべく、この王国を訪れていた旅人だった私は、路地裏でオヤジ狩りに遭っていた王様を助け、勇者という名前を拝借し、魔王を倒す旅に出た。そして魔王を倒し、王女も助け、無事に王様の元へ送り届けたところで、私は再び「自分探しの旅人」として、果てなき冒険へと出る。それでは王女、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「おいおい…ついさっき僕は、もうその名を捨てたばかりだぜ?だがこれも、王女との最後のやり取りになりかねない。何でしょう、王女?」
王女:「また…どこかで、お会い出来るでしょうか?」
勇者だった者:「あぁ、王女が僕の事を忘れない限り」
王女:「あなたの事、この先ずっとお忘れなど致しませんわ」
勇者だった者:「人はいずれ忘れる。どんな大事な思い出さえも、氷のように水蒸気になって消える。そういうものさ」
王女:「そ…そんな寂しい事を仰らないでくださいませ」
勇者だった者:「少なくとも僕は、王女の事はお忘れにはなりませんよ。この人生で唯一の愛したかった女性でしたから」
王女:「え…まさか、どうて…」
勇者だった者:「ふっ…クサい台詞だが…キマったぁ‼︎(咳払い)…では王女、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「おやおや、王女と優雅にお話する暇など無いんだが仕方ない、何でしょう?」
王女:「あなたのお名前、まだ聞いていませんでしたわね」
勇者だった者:「もう仰ってるじゃありませんか?勇者様、と」
王女:「勇者はあくまでも借りたお名前、でもそれをご返却なさった今のお名前を…」
勇者だった者:「たとえ勇者の名前を返却致したとしても、あなたにとっての勇者には変わりないのだから…いや、ここは「勇者」と書いて「ナイト」とルビを振るべきかな?髪サラリッ」
王女:「別にずっと勇者だとは思うつもりも無いし、面白くもないし、それにさっきまで勇者の名を捨てたからそう呼ぶのは止めろって言っといて、結局は「勇者」のルビ振りで「ナイト」と呼ばせるし、面倒くさ…この男。でも山ほど聞きたい事はある…」
勇者だった者:「では、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「ふふ、なかなか離してくれない王女だこと。何でしょう、王女?」
王女:「あなたは何故、そこまで自分を探したがるのでしょう?」
勇者だった者:「そうだな、僕はとある平凡な行商をやっていてね。元々は田舎の農家生まれだから、親から毎日頂く野菜を最寄りの村々に売り歩くんだ」
王女:「そうなんですね…親御さんの下で獲れた新鮮な野菜を、もっといろんな人に食べてもらいたい、知ってもらいたいという一心で売り歩いていたんですね」
勇者だった者:「いや、自分が野菜嫌いだけど農家の下で生まれてる子どもだから…野菜を仕送りとして送ってくる物の定めなもので、それをお金に変えてるだけですね…お金無いとやっていけないんで」
王女:「いやいや、それは食べてあげよ?ね?」
勇者だった者:「いやぁ…マジ虫が付いてたとか土付いてたって思うと無理ですね…食べれないですね、はい」
王女:「食べたくない事を正当化しようとしてくるやん、なにコイツ」
勇者だった者:「そして売っていくうちに思うんですよ…よくこんなの平気で食えるとか、人間じゃな…」
王女:「(遮るように)勇者様、もう結構です」
勇者だった者:「…え?まだ序盤くらいですよ?またしては、プロローグの最中と言っても過言ではありません」
王女:「話し足りないですか?」
勇者だった者:「足りないですね」
王女:「書籍化してください」
勇者だった者:「書籍化致します、持ち込みます!」
王女:「よろしくてよ」
勇者だった者:「では、お達者で」
王女:「待って、勇者様!」
勇者だった者:「あははははは!よっぽどあなたは私の事を拘束したいくらいに好きなようだ。何でしょう、王女?」
王女:「勇者様は異性と話した事は?」
勇者だった者:「私かい?私には…そうだね、今目の前で話してくださるその人のみ…ですかね…」
王女:「え、あ、はい?」
勇者だった者:「?…どうされたのでしょう?」
王女:「でも、お仲間として冒険を共になさっていた魔法使いのエリー様がいらしたのでは?」
勇者だった者:「…あぁ、あの子の事か。頑なな子だったよ」
王女:「一体なにが?」
勇者だった者:「あの子は終始ずっと大剣使いのマサルを見ていた。そして終始ずっとエリーは賢者のタイマーと楽しく話していた。なのに僕には何も無かったのだよ!」
王女:「めっちゃ仲間に対してジェラシー激しいじゃん…男の嫉妬はやはり、見てても聞いてても醜い…」
勇者だった者:「だが、とある夜の事…私達はテントを張り、熊や獣が来ないように焚き火を焚いていた…それでも…」
王女:「まさか…就寝時に熊や獣に襲われましたの?」
勇者だった者:「あぁ、襲われたさ…」
王女:「じゃあ、最初から連れていたはずのお仲間が今は居ない理由とは、そういう…」
勇者だった者:「…あぁ」
王女:「じゃあ勇者様…いえ、勇者(ナイト)はそれからずっと、1人で戦っていらしたんですね…襲撃で亡くなられた仲間達の思いを背負い、さらには…私まで助けてくださり…すみません、あなた様や仲間達の悲劇を思うと…胸が痛くなって涙が…とても悲しゅうございま…」
勇者だった者:「(遮るように)僕も急な出来事に困惑し…怒りまで覚えたくらいさ…」
王女:「勇者(ナイト)…」
勇者だった者:「サリーはな…」
王女:「勇者(ナイト)、もうお止めくださいませ!心に傷を負ってまで、私に話さなくても…」
勇者だった者:「(遮るように)マサルとタイマーという獣に襲われたんだ!」
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王女:「…え?」
勇者だった者:「しかも!俺の隣で!3人激しく!乱れていたんだ!」
王女:「わぁ、お盛んなこと」
勇者だった者:「俺は怒り狂ったんだ!勇者抜きで夜の冒険に出向くなんぞ!ご法度だろ!」
王女:「夜の冒険から仲間はずれになられたんですね」
勇者だった者:「さらに!1人増えたんだ!」
王女:「えぇ、私の奪還の間に産んでたの!?」
勇者だった者:「こうして、その子どもの父親がどっちなのかを今、DNA検査の間だけ仲間は裁判所に収監されておる」
王女:「あっ、そういうことになってたのね!?知らなかったぁ、というより結局勇者様は童貞止まりなのですね!」
王女:(心の中で)もうそろそろ良いかしら?あんまり話してても対して面白くなかったし。童貞だし、早くお家に帰って、他国配信の恋愛ドラマ観なければ!
勇者だった者:(心の中で)ここまで引き伸ばしたという事は、王女は僕に対して気があるのでは?きっとそうだよね?ワンチャンあるよね?絶対今日は卒業できるよね?魔法使いにならなくて済むよね?ここでまた引き止めた際には…よし、男になろう!この気持ちを伝えなければ!
勇者だった者:「ではそろそろ、お達者で」
王女:「はい、お達者で」
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勇者だった者:「え、あ、これで終わりっ!?」