台本概要

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タイトル 10年ぶりに帰ってきたら母親が…
作者名 のぼライズ  (@tomisan5012_2)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(男1、女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 10年前、俺は親父とケンカをし、自ら家を出て親父から離れる事を決意した。母親は必死に俺の服の裾を掴んで引き止めたが、母の手を振り払い、家を出た。
10年後、結婚報告の為に気まずい雰囲気のまま、実家を訪れた…俺は驚愕した。
※このシナリオを使う際、母親役は覚悟していてください。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
タケル 47 カオリの彼氏
カオリ 26 タケルの彼女
32 タケルの母 厳格な母だったが、昔はとてもとてもなギャルだったという 指示は台詞()内に書いてます
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
タケル:(N)10年前、俺は親父とケンカをし、自ら家を出て親父から離れる事を決意した。母親は必死に俺を引き止めたが、ここですんなりと戻る事も出来ず、俺の服の裾を掴んでいた母の手を振り払い、家を出た。 母:「(真面目なテンションで)タケルぅ!」 タケル:(N)母が俺に何度も名前を呼んで引き止めようとする反面、親父は俺に何も言わず、奥へ姿を消した。 0:  タケル:『十年ぶりに帰ってきたら母親が・・・』 0:  タケル:(N)あれから10年、俺は結婚を前提に付き合っている彼女がおり、今日はそれぞれの実家へ挨拶をしに来た。 タケル:「…10年…か」 カオリ:「え?何か言った?」 タケル:「え?あ、いや何も…」 カオリ:「そっか、にしても意外に遠いね!タケちゃんの実家って」 タケル:「そうか?車で2時間ぐらいだろ?」 カオリ:「いや、2時間「も」掛かってるのよ!…そういえばカオリ、あんまりタケちゃんのご両親の事知らない気がする。ご両親って、どんな人?」 タケル:(N)俺はあまりカオリには、両親の事を自ら話した事が無い。 タケル:「そうだな…、親父はまさに昭和風の頑固親父の典型で、母は元教師でしっかりした人って言えば、伝わるかな?」 カオリ:「さっすがタケちゃんのご両親!そりゃしっかりした息子さんが生まれる訳ですな!」 タケル:「はは、そうか…?」 タケル:(N)あんまりそう褒められた訳でもない。テストで良い点を取っても「その点で喜ぶな」と怒られ、全国模試で1位を取っても「所詮は模試」と一言で片付けられる。正直、息の詰まる家庭だった。 カオリ:「?…おーい、タケちゃーん!おーい!」 タケル:「え?」 カオリ:「なにボーっとしてるの?もう玄関前よ?」 タケル:「あっ…ごめんごめん、じゃあチャイム鳴らすね」 タケル:(N)チャイムのボタンを押す指が震える…正直、指の感覚がバカになっているせいか、チャイムのボタンが押せているかどうかも分からない。だが、扉越しに奥から母の声が聞こえた。今更ながらとても億劫な気持ち。久々に会った第一声はなんだろうか? 母:「(タケルの中の母親イメージ)よくもまぁ、そっち側の都合でズカズカと帰ってきたものね?」 タケル:(N)きっとこうである。母からは何度も心配の連絡が来ていたが、俺は全て無視していた。仕方ない…か…。 カオリ:「初めまして。タケルさんと交際しております、カオリと申しま…す…?」 タケル:「…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)あーれぇ?もしかして、ケールタのジョーカノ?」 タケル:「え…?」 0:  0:3秒、間をあける 0:  タケル:「えぇ!?」 タケル:(N)ケールタってなぁに!?ジョーカノってだぁれ!?母さん!?あれっ!?母さぁん!!? カオリ:「タケちゃ…」 タケル:「待てよ、ちょ待てよ…落ち着け俺、落ち着けタケル…」 カオリ:「タケちゃ…ん?」 タケル:「ほぉら、これは夢だよ!うん!そうそう!絶対そう!カオリが運転しているその隣で、スヤスヤと寝ている時に見ている俺の夢だよ、きっと!さぁタケル、目覚めの時間だ!(自分をビンタする)うぉ、痛ぇ…さぁ!現実を見よ!きっと…きっと母は、こんな人だったはずだ」 母:「(タケルの中の母親イメージ)はぁ?何を言っているのかしら?この子ったら、はぁ…呆れた…」 タケル:「そうそう、これこれ…」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えー?まさかケータル?パニック?ワニワニ?」 タケル:「ハァァァ!!現実におかえり!タケル・マイ・ミー!」 カオリ:「ワニワニパニック!懐かしいー!」 タケル:「え、伝わるとこそこっ!?…いや、違うのよ!ツッコむ問題はそこじゃない!」 タケル:(N)何で?何で母はこうなった?いや…ってかあれ?親父は…? タケル:「そういや、親父は?」 母:「(しんみりするテンションで)…お父さんかい?お父さんはね…」 タケル:「まさか、亡くなっ…た?」 母:(しんみりするテンションで)「……」 カオリ:「…そうだったんですか」 母:「(ギャルっぽいテンションで)フランスへ行ったわよ?」 タケル:「…え?」 カオリ:「フ…フランス?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)そぉ!うちのダーリンねぇ?急に「パティシエになりたい」って言った次の日にフランスへ行ったわよぉ!」 タケル:「いや、行動力の鬼」 カオリ:「タケちゃんのファザー、マジぱねぇっす!」 タケル:「え、何!?これ感染症の一種?何で君は段々と染まってきてるの!?…ってか、いつフランス行ったの?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)そうねぇ、タケルが出て行った2日後かな!」 タケル:「え!?じゃあ親父もかれこれ10年間も帰ってきてない!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)昨日ね、写真付きのエアメールが送られてきていたのよ?見る?」 タケル:「え…いや、あんまり見る気が…」 カオリ:「お母様、あたし見ます!思わず見ちゃいます!」 タケル:「うん、君はさ?「思わず〜」って言葉の使い方知ってる?完全に意識しちゃってるし、うっかりも無いよね?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)あらあなた見ちゃう?あたしのダーリン」 カオリ:「思わず見ちゃいます!」 タケル:「だから思わずって何!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)はい、これが私のダーリンよ?」 カオリ:「ありがとうございます!…え!?これがタケちゃんのダーリンですか?」 タケル:「何かそれ、関係性がおかしくなってるからぁ!」 カオリ:「すごいイケメンじゃないですか!イケオジですね!髭もご立派ぁ!金髪似合ってるじゃないですか!」 タケル:「え、金髪!?イメチェンすぎない?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)しかもその後ろのお店、うちのダーリンが独立して建てたお店なのよ!」 タケル:「完全にフランスへ根付いてるじゃん!」 カオリ:「しかも隣に女性の従業員と…あれ?このタケちゃんのダーリンが抱っこしてるこの子は…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えぇ、息子よ?」 タケル:「だから続柄の言い方!正式にはタケちゃんのダーリンじゃなくてタケちゃんのお父さ…って、えぇっ!?息子ぉ!?」 カオリ:「ってことは、タケちゃんの弟?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えぇ、弟よ?おめでとう!」 タケル:「いや、どういう展開!?何の報告!?こっちは結婚するという報告なのに、何でそれを上回って弟が出来ました報告があるの!?って、この関係性はどうなるの!?弟で合ってるの!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)アバウトに見て弟だよね!」 タケル:「うっすら修羅場じゃないかい?修羅場だよね?」 カオリ:「あっ、そろそろ時間だよ?タケちゃん?」 タケル:「え、もう!?色々ありすぎてもう…あぁ、そうだ!」 タケル:(N)そうだよ!俺は母さんに、カオリと結婚する報告をしに来たんだよ!そうだよ!そうだけど…でも、1つ聞いておきたい事が… タケル:「…母さん」 母:「(ギャルっぽいテンションで)え?急に湿っぽくなってどうしたのよぉ!ちゃんタケぇ!」 タケル:「何で…何で変わったんだよ…」 母:「(素に戻る)……」 タケル:「昔は両親揃って…冗談も通じない、冷徹で、何1つ俺の事を褒めてくれなかった両親が…何で、何でこう変わっちまったんだよ…」 母:「……」 カオリ:「タ…タケちゃん…」 母:「はぁ…そうね、驚くのは仕方ないわよね。でもねちゃんタケ、ダーリンも私も…元々はチャラ男とギャルだったのよ…」 タケル:「え、そうなの!?」 母:「そう… この時に私達は既に付き合っていてね、付き合い始めて数日経った頃、ダーリンが急にこう言ったのよ」 母:「このままじゃ、これから生まれてくる子に顔向けできない…って、それからお父さんはみっちり勉強して、高卒認定の資格を取った上で公務員になったの。私は高卒だったからそのまま大学に出て、学校の教員になったの。これなら生まれてくる子に顔向けできると2人で決意して、それから何やかんやでタケルが生まれたのよ」 タケル:「何やかんやの部分はさすがに言えないですよね」 母:「生まれてくる子には、私達みたくなって欲しくない。だから敢えて厳しくあなたを育ててしまったの」 カオリ:「可愛い子だからこそ道を誤ってほしくないって事ですね…」 母:「そう…でも、あなたから帰ってくるって連絡が来た時、正直悩んだ。ダーリンとケンカして家を出て行ってから10年ぶりにちゃんタケが帰ってくるってなったら、私はどういう心持ちで待てば良いんだろって考えた時、ちゃんタケが心休める空間が今度は必要じゃないかなと思って、厳しく着飾るのを止めて、素に戻る事にしたのよ」 タケル:「そう…だったんだ…」 母:「結婚おめでとう。カオリさん、至らないところがあるかもだけど、この子を支えてあげてね」 カオリ:「はい!お母さんからの気持ち、ちゃんと受け取りました!」 母:「ちゃんタケ…おめでとう」 タケル:「せめて最後くらい、タケルで呼んで貰いたかった…雰囲気的に」 母:「ごめん…タケル、おめでとう」 タケル:「ありがとう、親父にも…よろしくな」 母:「えぇ、伝えとく」 タケル:「…あれ?」 カオリ:「どうしたの?」 タケル:「え、まさか…?あれって、そういう事になるのか…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)ちゃんタケぇ?どうしちゃったの?」 タケル:「あっ、急にまたそういうテンションなるのね?まぁ…うん、親父とケンカした原因がさ…」 カオリ:「うん」 母:「うん」 タケル:「「ボンジュール」ってイタリア語かフランス語かでケンカしてたんだよ…親父ずっとイタリア語だと思っててさ、それを頑なに主張してて、いつの間にか互いに大荒れしててね?そっか…あれ、パティシエになるために語学勉強してたんだったんだなと思って」 カオリ:「(引き気味に)え…それだけで家を出たの…?」 母:「(昔の冷徹に戻る)…タケル」 タケル:「え、あ、えーと、母さん…?」 母:「(冷徹なイメージで)あなた、婚約を取り消しなさい。この子に迷惑掛かるわよ」 タケル:「あぁぁ!最後に何もかも崩れちゃったぁぁ!」

タケル:(N)10年前、俺は親父とケンカをし、自ら家を出て親父から離れる事を決意した。母親は必死に俺を引き止めたが、ここですんなりと戻る事も出来ず、俺の服の裾を掴んでいた母の手を振り払い、家を出た。 母:「(真面目なテンションで)タケルぅ!」 タケル:(N)母が俺に何度も名前を呼んで引き止めようとする反面、親父は俺に何も言わず、奥へ姿を消した。 0:  タケル:『十年ぶりに帰ってきたら母親が・・・』 0:  タケル:(N)あれから10年、俺は結婚を前提に付き合っている彼女がおり、今日はそれぞれの実家へ挨拶をしに来た。 タケル:「…10年…か」 カオリ:「え?何か言った?」 タケル:「え?あ、いや何も…」 カオリ:「そっか、にしても意外に遠いね!タケちゃんの実家って」 タケル:「そうか?車で2時間ぐらいだろ?」 カオリ:「いや、2時間「も」掛かってるのよ!…そういえばカオリ、あんまりタケちゃんのご両親の事知らない気がする。ご両親って、どんな人?」 タケル:(N)俺はあまりカオリには、両親の事を自ら話した事が無い。 タケル:「そうだな…、親父はまさに昭和風の頑固親父の典型で、母は元教師でしっかりした人って言えば、伝わるかな?」 カオリ:「さっすがタケちゃんのご両親!そりゃしっかりした息子さんが生まれる訳ですな!」 タケル:「はは、そうか…?」 タケル:(N)あんまりそう褒められた訳でもない。テストで良い点を取っても「その点で喜ぶな」と怒られ、全国模試で1位を取っても「所詮は模試」と一言で片付けられる。正直、息の詰まる家庭だった。 カオリ:「?…おーい、タケちゃーん!おーい!」 タケル:「え?」 カオリ:「なにボーっとしてるの?もう玄関前よ?」 タケル:「あっ…ごめんごめん、じゃあチャイム鳴らすね」 タケル:(N)チャイムのボタンを押す指が震える…正直、指の感覚がバカになっているせいか、チャイムのボタンが押せているかどうかも分からない。だが、扉越しに奥から母の声が聞こえた。今更ながらとても億劫な気持ち。久々に会った第一声はなんだろうか? 母:「(タケルの中の母親イメージ)よくもまぁ、そっち側の都合でズカズカと帰ってきたものね?」 タケル:(N)きっとこうである。母からは何度も心配の連絡が来ていたが、俺は全て無視していた。仕方ない…か…。 カオリ:「初めまして。タケルさんと交際しております、カオリと申しま…す…?」 タケル:「…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)あーれぇ?もしかして、ケールタのジョーカノ?」 タケル:「え…?」 0:  0:3秒、間をあける 0:  タケル:「えぇ!?」 タケル:(N)ケールタってなぁに!?ジョーカノってだぁれ!?母さん!?あれっ!?母さぁん!!? カオリ:「タケちゃ…」 タケル:「待てよ、ちょ待てよ…落ち着け俺、落ち着けタケル…」 カオリ:「タケちゃ…ん?」 タケル:「ほぉら、これは夢だよ!うん!そうそう!絶対そう!カオリが運転しているその隣で、スヤスヤと寝ている時に見ている俺の夢だよ、きっと!さぁタケル、目覚めの時間だ!(自分をビンタする)うぉ、痛ぇ…さぁ!現実を見よ!きっと…きっと母は、こんな人だったはずだ」 母:「(タケルの中の母親イメージ)はぁ?何を言っているのかしら?この子ったら、はぁ…呆れた…」 タケル:「そうそう、これこれ…」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えー?まさかケータル?パニック?ワニワニ?」 タケル:「ハァァァ!!現実におかえり!タケル・マイ・ミー!」 カオリ:「ワニワニパニック!懐かしいー!」 タケル:「え、伝わるとこそこっ!?…いや、違うのよ!ツッコむ問題はそこじゃない!」 タケル:(N)何で?何で母はこうなった?いや…ってかあれ?親父は…? タケル:「そういや、親父は?」 母:「(しんみりするテンションで)…お父さんかい?お父さんはね…」 タケル:「まさか、亡くなっ…た?」 母:(しんみりするテンションで)「……」 カオリ:「…そうだったんですか」 母:「(ギャルっぽいテンションで)フランスへ行ったわよ?」 タケル:「…え?」 カオリ:「フ…フランス?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)そぉ!うちのダーリンねぇ?急に「パティシエになりたい」って言った次の日にフランスへ行ったわよぉ!」 タケル:「いや、行動力の鬼」 カオリ:「タケちゃんのファザー、マジぱねぇっす!」 タケル:「え、何!?これ感染症の一種?何で君は段々と染まってきてるの!?…ってか、いつフランス行ったの?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)そうねぇ、タケルが出て行った2日後かな!」 タケル:「え!?じゃあ親父もかれこれ10年間も帰ってきてない!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)昨日ね、写真付きのエアメールが送られてきていたのよ?見る?」 タケル:「え…いや、あんまり見る気が…」 カオリ:「お母様、あたし見ます!思わず見ちゃいます!」 タケル:「うん、君はさ?「思わず〜」って言葉の使い方知ってる?完全に意識しちゃってるし、うっかりも無いよね?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)あらあなた見ちゃう?あたしのダーリン」 カオリ:「思わず見ちゃいます!」 タケル:「だから思わずって何!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)はい、これが私のダーリンよ?」 カオリ:「ありがとうございます!…え!?これがタケちゃんのダーリンですか?」 タケル:「何かそれ、関係性がおかしくなってるからぁ!」 カオリ:「すごいイケメンじゃないですか!イケオジですね!髭もご立派ぁ!金髪似合ってるじゃないですか!」 タケル:「え、金髪!?イメチェンすぎない?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)しかもその後ろのお店、うちのダーリンが独立して建てたお店なのよ!」 タケル:「完全にフランスへ根付いてるじゃん!」 カオリ:「しかも隣に女性の従業員と…あれ?このタケちゃんのダーリンが抱っこしてるこの子は…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えぇ、息子よ?」 タケル:「だから続柄の言い方!正式にはタケちゃんのダーリンじゃなくてタケちゃんのお父さ…って、えぇっ!?息子ぉ!?」 カオリ:「ってことは、タケちゃんの弟?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)えぇ、弟よ?おめでとう!」 タケル:「いや、どういう展開!?何の報告!?こっちは結婚するという報告なのに、何でそれを上回って弟が出来ました報告があるの!?って、この関係性はどうなるの!?弟で合ってるの!?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)アバウトに見て弟だよね!」 タケル:「うっすら修羅場じゃないかい?修羅場だよね?」 カオリ:「あっ、そろそろ時間だよ?タケちゃん?」 タケル:「え、もう!?色々ありすぎてもう…あぁ、そうだ!」 タケル:(N)そうだよ!俺は母さんに、カオリと結婚する報告をしに来たんだよ!そうだよ!そうだけど…でも、1つ聞いておきたい事が… タケル:「…母さん」 母:「(ギャルっぽいテンションで)え?急に湿っぽくなってどうしたのよぉ!ちゃんタケぇ!」 タケル:「何で…何で変わったんだよ…」 母:「(素に戻る)……」 タケル:「昔は両親揃って…冗談も通じない、冷徹で、何1つ俺の事を褒めてくれなかった両親が…何で、何でこう変わっちまったんだよ…」 母:「……」 カオリ:「タ…タケちゃん…」 母:「はぁ…そうね、驚くのは仕方ないわよね。でもねちゃんタケ、ダーリンも私も…元々はチャラ男とギャルだったのよ…」 タケル:「え、そうなの!?」 母:「そう… この時に私達は既に付き合っていてね、付き合い始めて数日経った頃、ダーリンが急にこう言ったのよ」 母:「このままじゃ、これから生まれてくる子に顔向けできない…って、それからお父さんはみっちり勉強して、高卒認定の資格を取った上で公務員になったの。私は高卒だったからそのまま大学に出て、学校の教員になったの。これなら生まれてくる子に顔向けできると2人で決意して、それから何やかんやでタケルが生まれたのよ」 タケル:「何やかんやの部分はさすがに言えないですよね」 母:「生まれてくる子には、私達みたくなって欲しくない。だから敢えて厳しくあなたを育ててしまったの」 カオリ:「可愛い子だからこそ道を誤ってほしくないって事ですね…」 母:「そう…でも、あなたから帰ってくるって連絡が来た時、正直悩んだ。ダーリンとケンカして家を出て行ってから10年ぶりにちゃんタケが帰ってくるってなったら、私はどういう心持ちで待てば良いんだろって考えた時、ちゃんタケが心休める空間が今度は必要じゃないかなと思って、厳しく着飾るのを止めて、素に戻る事にしたのよ」 タケル:「そう…だったんだ…」 母:「結婚おめでとう。カオリさん、至らないところがあるかもだけど、この子を支えてあげてね」 カオリ:「はい!お母さんからの気持ち、ちゃんと受け取りました!」 母:「ちゃんタケ…おめでとう」 タケル:「せめて最後くらい、タケルで呼んで貰いたかった…雰囲気的に」 母:「ごめん…タケル、おめでとう」 タケル:「ありがとう、親父にも…よろしくな」 母:「えぇ、伝えとく」 タケル:「…あれ?」 カオリ:「どうしたの?」 タケル:「え、まさか…?あれって、そういう事になるのか…?」 母:「(ギャルっぽいテンションで)ちゃんタケぇ?どうしちゃったの?」 タケル:「あっ、急にまたそういうテンションなるのね?まぁ…うん、親父とケンカした原因がさ…」 カオリ:「うん」 母:「うん」 タケル:「「ボンジュール」ってイタリア語かフランス語かでケンカしてたんだよ…親父ずっとイタリア語だと思っててさ、それを頑なに主張してて、いつの間にか互いに大荒れしててね?そっか…あれ、パティシエになるために語学勉強してたんだったんだなと思って」 カオリ:「(引き気味に)え…それだけで家を出たの…?」 母:「(昔の冷徹に戻る)…タケル」 タケル:「え、あ、えーと、母さん…?」 母:「(冷徹なイメージで)あなた、婚約を取り消しなさい。この子に迷惑掛かるわよ」 タケル:「あぁぁ!最後に何もかも崩れちゃったぁぁ!」