台本概要

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タイトル 殺し屋の女 02
作者名 読川詩朗
ジャンル その他
演者人数 3人用台本(男2、女1)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 この話、ボイコネでは前編後編で書いてたけど
繋ぎあわせてちょうどいい感じになると思ってくっつけちゃった!てへぺろ!
僕の好きな劉祇袁は二話目で登場するんだなぁ
まさかこのキャラが重要ポジになるなんてなぁ

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ロッド 71 心優しい男 まだこの時は多少設定がブレてた気がする
ジュリア 107 「デビルズキラー」の異名を持つ男勝りの女性 この子の幼い時をいずれスピンオフで書きたいなと思う
102 僕の大好きなキャラ「劉祇袁」 チャイニーズマフィアのドン
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:車内 ジュリア:なぁロッド、今日あたし非番だろ?休みだろ?なんでお前と一緒にドライブしてんだ? ロッド:仕方ないよ。俺も今日休みだったんだけど、ボスから連絡が来てさ。豪史会?っていう中国マフィアから交渉をしてほしいって言われたんだ ジュリア:豪史会?聞いたことない名前だな。そんなんとなんでうちが交渉しにいかないといけないんだ? ロッド:さぁ?俺も会って話してみないとわからないんだよね。まぁ多分もしものとき様でジュリアと一緒にっていう事じゃないかな? ジュリア:だるいなぁー・・・それより、頭いてぇー・・・昨日飲みすぎた・・・なんでお前は二日酔いになってないんだよロッド・・・ ロッド:俺はもともとお酒強いからねーちょっとやそっとで酔いつぶれないよ。はい、酔い止め。これ飲んでおけば大丈夫じゃないかな? ジュリア:だりぃ・・・ 0:とある雑居ビル ロッド:ここかな・・・? ジュリア:大使館とかに居ないあたり裏社会の人間が居るって言ってるようなもんだな ロッド:ここの三階だってさ、早く行こうか ジュリア:まぁ待てよロッド、挨拶はちゃんとしねぇといけねぇだろ? 0:トカレフを抜こうとするジュリア ロッド:ちょちょちょ!ちょっと!ダメだって!ジュリア!今日は殺し合いじゃないんだから!! ジュリア:ちげぇよバーカ!触んなっての! ロッド:え?どういう事? 0:トカレフの柄を見せるジュリア ジュリア:お前も裏社会にいる人間なんだ。相手との礼儀を知っておかねぇとだめだぜロッド 0:ドアを開け頭を下げる門番 ジュリア:ほらな?さ、行くぞロッド ロッド:あ、あぁ!すみません!失礼します! 0:三階の一室をノックするロッド ロッド:すみません!掃除屋です! 劉:掃除屋ぁ?頼んでないなぁ? ジュリア:あぁ!?てめぇらが呼んでおいたんだろうが!出てこいよ! ロッド:まぁ、落ち着いてジュリア!えーっと、豪史会の劉祇袁(りゅう・しえん)さんに会いに来た掃除屋のロッドとジュリアです。 劉:あぁ、その二人の名前なら聞いているよ。入りなさい。 0:ドアを開けるとゴツいSP二人の間に座る男が一人 劉:よく来たね掃除屋。まぁ腰かけなよ ロッド:あ、えぇ。ありがとうございます。それでは失礼します。 0:椅子に座るロッドと窓際に立つジュリア 劉:あれ?君はこっちに座らないのかい? ジュリア:うるせぇ、あたしは交渉人じゃねぇんだ。さっさと終わらせて帰らせろ ロッド:すみません。ボスに休暇を奪われてイライラしてるんですよあはは。 劉:なるほど?まぁ急に呼び出した俺が悪いな!許してくれ! ジュリア:ケッ! 劉:じゃあ改めて、豪史会のドン、劉祇袁だ。気軽に劉さんとでも呼んでくれ ロッド:あ、ありがとうございます。えっと、僕は掃除屋のロッドです。一応掃除屋の交渉人として働いてます。本日はお招きいただきありがとうございます。それであっちが ジュリア:ジュリアだ。よろしくな中国人 ロッド:ちょ!ジュリア!ちゃんと名前を呼べよ! 劉:あっはっはっはっは!まぁ無理もない!この国では中国人をあまり受け付けてないしな!俺らが君たちを呼ぶ行為すら腹立つのだろう! ロッド:本当すみません! 劉:気にするなロッド君、ところで彼女が有名なジュリアか。悪魔を宿した殺し屋というネーミングがあるからどんな奴かと思ったが可愛いお嬢さんじゃないか ジュリア:死にてぇのか中国人。あたしはまだあんたがどんなやつか知らないし交渉決裂させることもできるんだ。 0:銃を引き抜こうとするジュリア 劉:やめときなジュリア。殺気付いて周りが見えないのか?2対3だ。ロッド君は戦力にもならない。一人で三人を殺せるか? ジュリア:あぁ、簡単だね。なんならお前たち殺した後に下の門番を殺して豪史会ってやつも一人でぶっ潰してやるよ 劉:ぷっ!あっはっはっは!面白い!流石は悪魔を宿した殺し屋(デビルズキラー)だ! ロッド:え、わ、笑ってる? 劉:試してすまないね、二人とも。合格だ ジュリア:あ? 劉:君たちのボスから連絡があってね。休んでいる君たちの脳を働かせてやれって言われたもんでね!さて、スイッチが入った所で本題に入ろうか。 ロッド:あ、え、あ!はい! 劉:俺を護衛してほしいんだよね。 ロッド:護衛?すみません、なぜ貴方の護衛を? 劉:まぁ詳しくは言えないが門番とガード含めて五人だけしかここに連れてこれなかったんだ。でもこの国でやらないといけないことがあってな。腕のいい殺し屋を探してたら君たちを教えてもらった次第だ。 ジュリア:断ってもいいのか? 劉:断ってもいいが、君たちのボスにもう金は払ってある。 ジュリア:持ち逃げしてもいいんだろ? 劉:七億もの大金を持ち逃げしたって豪史会が知ったら黙ってねぇぞ?少なくとも君たちの会社、君ら二人を殺すまで死に物狂いで襲ってくるだろうな?うちの国をなめるなよ? ジュリア:ケッ! ロッド:ちなみに、護衛をするのはいいですが具体的には何をすればいいでしょうか 劉:詳しい話をすると・・・ 0:外にナンバープレートがない車が沢山止まる ジュリア:ん?盗難車か? 0:覆面をした男たちが沢山降りて周りをきょろきょろしだす ジュリア:ん?なんだあいつら?なぁ、中国人 劉:なんだ? ジュリア:あんた、この国で何人に恨まれてる? 劉:恨みつらみは人の縁っていうしな。10人以上は覚えていない。 ジュリア:っつーことは・・・あれはあんたの客か? 0:窓の外を見る劉 劉:覆面をしているからわからないが、ここに来たということは少なからず俺か君たちの客だろうな。 0:覆面の男と目が合う劉とジュリア ジュリア:ん?なんかやばい気がしてきたぞ? 劉:奇遇だなデビルズキラー・・・俺もだ 0:ロケットランチャーを構える覆面 ジュリア:ロッド!床に伏せろ! 0:部屋が爆発する ジュリア:ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!大丈夫か!ロッド! ロッド:あ、あぁ、なんとか!劉さん!劉さんも大丈夫ですか!! 劉:あぁ、別に問題ない!いてて、手厚い歓迎をしてくれるんだなこの国は。 ジュリア:ようこそ死と隣り合わせの国へっていうこった。ロッド!あいつら殺るぞ! ロッド:あ、おう!ジュリア! 劉:ロッド君、君は銃を扱えるのかい? ロッド:いえ、人並みくらいにしか! 劉:じゃあ俺も彼女と遊んでくるよ! ロッド:え、ちょ!劉さん! 0:階段前に隠れるジュリア ジュリア:休みでもこうやって暴れれるならいいもんだ! 劉:ご一緒してもよろしいですかお嬢さん! ジュリア:な!てめぇ!護衛対象だろ!何こっち来てんだ! 劉:君の実力を生で見てみたくてね! 0:階段下の覆面に銃を撃つジュリア ジュリア:見んのはいいけど!死ぬなよ!死んだら魚のえさにしてやるからな!! 劉:自分の身くらい自分で守れるさ! ジュリア:へぇー、中国人、あんたなかなかやるじゃないか 劉:君ほどではないけどね。さ、下の車まで下りていこうか。ロッド君!安心して降りてきたまえ! ロッド:わかりました! 劉:何人降りてきたか見ていたかデビルズキラー ジュリア:あたしの視界でとらえたのは14人だ、今8人やったろあとは六人だな。ロケランぶっぱなした奴が多分リーダーだろうな。あいつを殺せば勝ちだ 劉:流石だ。あの一瞬で状況を見渡せるのは素晴らしい能力だ 0:覆面を外して素顔を見るロッド ロッド:この顔・・・もしかして・・・ 0:ノートパソコンをカタカタしだすロッド ジュリア:おいロッド!死地でパソコンカタカタさせんじゃねぇ!気が散んだろ! ロッド:あぁごめん!ちょっと見覚えのある顔だったから!えっと出た!こいつだ! 劉:何かわかったのかいロッド君! ロッド:えっと、エンゼルクラブって言う小さいゴロツキ集団のメンバーです!多分ここにいる全員がその人らかと! 劉:エンゼルクラブ?聞いたことない名前だな。そんなゴロツキ達に恨まれるような事はしてないのだけどね! ジュリア:多分あれだろ?あんたが買ったビルとか潰したビルとかにこいつらのアジトがあったんだろ! 劉:あぁ!そうかもしれないな!あっはっはっは! 0:一台の車が逃げていく ジュリア:あ、逃げやがった待てこの野郎! 0:銃を乱発するジュリア 劉:当たらないよデビルズキラー。やるだけ無駄だ ロッド:助かったぁ・・・ 劉:まぁ事なきを得たが、こんなに早く俺が狙われるとは思わなかったな。それに俺が連れてきたやつらはもう全員やられちまった。金で買った奴らはこんなもんだな。 ジュリア:すまねぇな劉さん。あんたの腕なかなかだな。 劉:あぁ、全然気にしてないさ。それよりも、改めて俺を護衛してくれるか二人とも ロッド:護衛するほど弱くないでしょう・・・ですが、ボスから言われた仕事ですから。全力で守り抜きますよ! ジュリア:あぁ、あたしもアンタなら全然守ってやってもいい。とりあえず先に潰すべき対象が出来たな劉さんよぉ 劉:そうだな。エンゼルクラブとやらを壊しに行くか!ふはははは! ジュリア:あはははは! ロッド:悪魔と悪魔が手を組んでしまったな・・・ 劉:さ、では向かおうか二人とも ジュリア:あいよ ロッド:は、はい! 0:とあるスラム街 劉:ここがエンゼルクラブのある場所か?物凄く生臭いな・・・鼻が曲がりそうだ・・・ ジュリア:なんだぁ劉さん。あんたスラムは初めてか? 劉:昔はこんなところで育ったけど、大人になってくると、こんなところでよく生き延びたなと思うよ。本当に ロッド:えっと・・ソーシャルメディアの情報だと、この奥にあるバーが今のエンゼルクラブの拠点になってるそうです 劉:へぇ?だけど、この生臭さ俺の勘が正しかったら血も混ざってるな。 ジュリア:あぁ、しかも 0:地面に滴る血を触るジュリア ジュリア:この血新しいぜ? ロッド:き、汚いよジュリア。 劉:まぁまぁ。とりあえず先に進もう。バーに入れば何かわかるかもしれんしな 0:ずかずかと歩いていく劉 ジュリア:あ、おい!護衛対象が一人で突っ切るんじゃねぇよ!劉さん! 劉:あっはっは!さっきも言ったろ?自分の身は自分で守れると!護衛なんてただの表向きの条件だ。 0:寂れたバーの入り口につく ロッド:明かりは・・・ついてないね・・・開ける? ジュリア:いや、ちょっと下がってろロッド 0:銃をドアに向かい一発撃ち込むと入り口が爆発する ジュリア:やっぱりな。さ、入るぞ 劉:ヒュー。やるじゃないかデビルズキラー。 ジュリア:あんがとよ。 0:中に入る三人 ロッド:さっきの爆発でほとんど形状をとどめてないね・・・ ジュリア:恐らくここに来る事を見越して先にこのアジトを捨てる気だったんだろうな。ん?なんだ?これ 0:頑丈なジュラルミンケースが棚の下に隠れている 劉:また爆発物とかじゃないかい? ジュリア:いや、それはないな。時限爆弾なら秒針が鳴るし、液状ならさっきの爆破の地響きで一緒に爆発している。多分違う何かだろうよ ロッド:でもこれ、カギがかかっているね ジュリア:カギなんて撃ち抜けば開くだろ? 劉:そんな戦闘脳じゃ今後生き抜くのは難しいぞ?デビルズキラー ジュリア:あぁ? 0:ジュリアの髪留めを一本取る劉 劉:こういうのはこれをこうして・・こうやれば・・・ 0:カチャカチャ…ガチャリ… 劉:ほら、開いた。ん?これは・・・ ジュリア:ヤクか? 劉:ヤクだが・・・これはアヘンだな ジュリア:アヘン?劉さんの国のヤクじゃねぇか。 劉:そのようだねぇ・・・しかし何でこんなところに置いてあるんだ?・・・うちの車の中に隠しておいたのに ロッド:多分ですが、さっきの銃撃戦の時盗まれたとかじゃないでしょうか? ジュリア:でもよ、これを盗んだまではいいがなんでここに置いたままにしてんだ?てかいつ置いたんだ? 劉:さぁ?どうだろうね? 0:ガタッと物音がする ジュリア:っ!誰だ! 0:物音のほうに銃を向けるジュリア ロッド:・・・。誰も・・・いない・・・? ジュリア:ロッド、これ持ってろ 0:ジュラルミンケースを渡し慎重に物音に近づくジュリア ジュリア:死んだふりしてたらいいものを・・・ 0:物音がするところを見に行くと生き倒れた子供 ジュリア:なんだ・・・死ぬ前の悪あがきか・・・ 劉:こいつは? ジュリア:多分さっきの爆破に巻き込まれた奴だろうな。可哀想にな・・・まだ若いのに・・・ ロッド:仕方ないよ・・・スラムと死は隣り合わせだもんね・・・ 劉:・・・。さて、話を戻そうか。さっきのアヘンはうちの取引商品だ。盗まれてしまったがちゃんと取り戻せてよかった。多分もうここにはエンゼルクラブの人はいないな。車に戻ろう ジュリア:待てよ劉さん 0:劉に銃を向けるジュリア 劉:・・・何の真似だ?デビルズキラー? ジュリア:何の真似はこっちのセリフだよ中国人 ロッド:ちょ、何をしてるんだよジュリア! ジュリア:黙ってろロッド。なぁ劉祇袁(りゅう・しえん)うちの国ではヤクの取引は禁止されてるんだ。それを知ってんのか? 劉:・・・知ってると言ったら? ジュリア:事情を聴いて殺す。 劉:知らないと言ったら? ジュリア:そのヤクをうちのボスに渡してアンタを殺す。 劉:ふっ。どっちにしても殺されるのかぃ?なら答える義理はないね ジュリア:あんだと? 劉:デビルズキラー、このアヘンを誰に渡すか、知ってるか? ジュリア:あ? 劉:君らなんて虫の様に扱い、すぐに殺せる方。と言ったらわかるかい? ジュリア:もしかして、姉御に渡すのか? ロッド:姉御・・えぇ!ズヴェーダ!?ズヴェーダに渡すんですか!? 劉:そう。ロシアで名を知らない奴はいない。裏社会のトップに君臨する、ズヴェーダのボスに渡すんだ。それでも俺を殺せるかデビルズキラー 0:振り返り銃口を掴む劉 ジュリア:クソがッ! 0:近くにあったバケツを蹴り飛ばすジュリア 劉:ははは。さっきも言ったろ?この国でやる事があるってね。ロッド君にも教えてあげよう。豪史会とズヴェーダの関係っていうのを ロッド:は、はい。 0:倒れてる棚の上に座り煙草を吸う劉 劉:スゥー…フゥー…君たちも吸うかい? ロッド:あ、自分は禁煙しているので大丈夫です。 ジュリア:あたしは自分のがあるからいらねぇよ。スゥー…フゥー… 劉:そうかい。じゃ話をしようか。君たちがなぜズヴェーダと繋がりを持っているのに豪史会を知らないのか。まずはそこから教えよう 劉:フゥー…15年前の夏、君たちがまだ子供の時うちの先代とズヴェーダのボス、ミラノが契りを交わした。中露同盟というやつだ。 劉:その主な内容というのは、ズヴェーダがやる事に豪史会は口を出さない。ズヴェーダが言った事は逆らってはいけない。同盟と言ってるが中身はただの主従関係 劉:その代わり、うちが派手に暴れたとしてもズヴェーダが全てもみ消してくれる。殺人も強姦も誘拐も強盗も何もかもだ。 ジュリア:へぇ? 劉:例えば、つい最近グァバノッチの組織を潰したろ?あれもうちが仕向けた事だ ロッド:えぇ!グァバノッチさんの部下がうちの仲間を殺したと言ってたのに? 劉:その部下というのも豪史会のメンバーだ。というか、グァバノッチはうちの傘下だしな。潰す潰さないを判断するのは俺のさじ加減一つだ。 ジュリア:つまり、グァバ公をいらないと感じたからあたしらを使って殺させた。ってことか? 劉:そうなるな。 ジュリア:じゃあなんてあたしらに殺させた?あんたらが自分の手で殺せばいいことだろ? 劉:うーん。それも一理あるが、さっきも言ったように中国人はこの国では嫌われてる。街を歩くだけでこの様だ。5人しか連れてこれなかったというのも空港に着いた時ほとんどが用意されてた車で死んだ。 ジュリア:なるほどな。それでダミーで用意した乗用車に乗っていたあんたら五人だけ生き残ったという事か。 劉:そういうこった。ま、エンゼルクラブってのが襲ってきたのは完全に誤算だったがな。今この国で豪史会は俺一人しかいない。だから護衛をしてほしいってことだ ロッド:なるほど・・・。ちなみにうちのボスはそのことを知っているんですか? 劉:勿論さ。豪史会もズヴェーダも君ら掃除屋も全て裏社会でつながっているからな。君たちはボスから連絡が来て動いてるんだろうがそのボスはミラノから伝わって動いてる。 ジュリア:なるほどな。これで合点がいった。ズヴェーダとヤクを取引することは黙認してやる。その取引をするまでがあたしらの仕事でいいのか? 劉:うーん。まぁ今はそう思っていてくれて構わない。 ジュリア:なんだ?まだ何か言いたい事あるのか? 劉:今は大丈夫だ。さ、車に戻ろうか ロッド:しかし・・劉さんがミラノさんと繋がりがあるなんて知らなかったですよ。 劉:俺もまだ何回かしか会ってないけどな。俺が今の座に就いた時とヤクの取引で何度か会ったくらいだな。 ジュリア:そういえば姉御は何度か夜中に車走らせてどっか行ってたな・・・その時か。 0:車に戻る三人 ロッド:えっと、まだ18時前ですね。取引の時間まではまだ余裕はあるんですか? 劉:あぁ、あと三時間はあるな。とりあえずロッド君車を走らせてそのまま高速に乗るんだ ジュリア:ロッド、高速に乗ったらあたしらがいいと言うまでは絶対に降りるな。 劉:さぁ取引前に最後の後始末をするとしようかね!よーし!発進だロッド君! ロッド:え、あ!はい! 0:高速へ向かう走行中 劉:うーむ・・・デビルズキラー。君はそのトカレフ以外何も持ってないか? ジュリア:あたしはこれ一本で今までのし上がってきたんだ。 劉:へぇー、あ、じゃあロッド君。この車って改造車とかじゃないか?マフラーからマキビシがボロボロ出てきたりとか? ロッド:え?いやそれはないですねー!あはは。会社の車でもあり僕の車でもあるので改造は出来ないんですよ 劉:ふーん。じゃあデビルズキラー君はそのトカレフだけで戦うのかぃ? ジュリア:あたぼうよ。それより劉さん、あんたはどうするんだ?ただ指をくわえてみておくか? 劉:はっ!馬鹿を言うなよデビルズキラー。俺のここにはだなぁ・・・ 0:コートの内側をまさぐる劉 劉:あったあった。これだ。 0:銃口が長いマグナムを取り出す劉 ジュリア:ピュー。スミス&ウェッソンじゃねぇか!なかなか渋いもん持ってるんだな劉さんよ 劉:まぁ、もしものとき様にな。それより高速乗ったら来ると思うぞ 0:高速に乗る三人を乗せた車 劉:よぉーし!ロッド君!君は今から片が付くまでしっかり運転をしててくれよ! ジュリア:ロッド、何があっても止まんなよ? ロッド:え?何を言ってるの二人とも。ちょ! 0:サンルーフを開けて立つ二人 ロッド:危ないよジュリア!劉さんも!高速ですよ!! 劉:ハイスピードデッドバトルだロッド君! ジュリア:ロッドの荒い運転でベロ噛んで死ぬなよ劉さんよぉ 劉:言ってろデビルズキラー ジュリア:ショータイムだ! 0:後続車から覆面を被った男が銃を撃ってくる ジュリア:はっはっは!AKなんて当たんねぇよ!バァーカ!オラオラッ!! 0:ズガン!ズガン!と高らかに響くジュリアの銃声 劉:人を狙っていてはいつまで経ってもついてくるもんだ。こういう時はだな・・・ここを狙え? 0:ドガンッ!と重たい銃声が後続車のタイヤに穴をあけ横転させる 劉:はっはっは!ビンゴ!こうやって仕留めるんだよデビルズキラー ジュリア:うっせ!次はあたしの番だ!タイヤ狙えばいいんだろタイヤを!! 0:深呼吸してそっと構えタイヤを撃ち抜くジュリア ジュリア:よっしゃ!当たった!おいロッド見たか?一発で当てたぜ? ロッド:ちょ!運転中だから!蹴らないで!危ないから! 劉:だがまだまだ甘いぞデビルズキラー。またロケットランチャーがお出ましだ。この国の銃刀法はどうなってるんだ? ジュリア:サツを金で買える街だ。そんな法律なんぞ、とうの昔にお飾りだ!ロッド!右に旋回しろ!飛ばされたくなかったら捕まってろよ劉さん! ロッド:え、あ、あぁ!行くよぉおおおお! 0:ハンドルを右に切り激しくUターンをする車 ジュリア:上出来だロッド!あのロケラン車に突っ込め! ロッド:勝算はあるんだね!ジュリア! ジュリア:あたしを信じろ! ロッド:わかった! 0:正面から突っ込む車 ジュリア:チェックメイトだバァーカ! 0:ジュリアの弾がロケットランチャーの銃口の中に入り大爆発する敵車両 ジュリア:劉さん中に隠れろ! 劉:あぁ! 0:爆破した弾みで浮いた敵車両の下を潜り抜けるロッドたちの車 ロッド:はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・生きてる?潰れてない?よかったぁ・・・ ジュリア:はぁ・・はぁ・・だから・・言ったろ?あたしを信じろって・・・ 劉:ははっ・・ははは!いやぁ面白いアクション映画を見ているようだったよ!良いコンビだ! ジュリア:死にかけてんのに何を笑ってんだよ劉さんよぉ? 劉:いやぁー、あっはっは!今日一日素晴らしい日だと思ってな。エンゼルクラブというチームはこれで壊滅か? ロッド:どうでしょう?でもエンゼルクラブが潰れたとしても他のゴロツキチームが山の様にいますから・・・ 劉:まぁそれもそうだな!とりあえずズヴェーダにこいつを渡して俺はズヴェーダと一緒に帰るよ。 ジュリア:あぁ、そうしてくれ。せっかくの休みを台無しにしたんだ。さっさと帰って二度とあたしらに仕事振るな 劉:まぁまぁ怒るなよデビルズキラー。さて、それじゃ行こうか。 0:波止場で取引をする劉とズヴェーダの部下達 ジュリア:休みの日だってのに、散々な一日だったなロッド・・・ ロッド:そうだね・・・本当、ジュリア程じゃないけど休みを潰されて腹が立ったのは初めてだよ、あはは ジュリア:ちげぇねぇな。あはは ロッド:さてと、帰る準備でもしようかな! ジュリア:なぁロッド ロッド:ん? ジュリア:あんときなんであたしを信じてくれたんだ? ロッド:あの時? ジュリア:ロケランに突っ込めって言った時だよ ロッド:あぁ、あの時か。んー、なんでだろうね? ジュリア:はぁ?なんだそれ ロッド:でも、なんて言うんだろう。ジュリアだから信じれた・・のかもな ジュリア:はぁ? ロッド:多分、劉さんに同じこと言われても俺は従わずそのまま突き進んでいたと思う。でもジュリアだから・・俺の相棒だから信じれた・・のかもね?あはは。答えになってるかな? ジュリア:・・・。さぁな。 0:煙草に火をつけるジュリア ジュリア:スゥー…フゥー…・・・あんがとな ロッド:え? ジュリア:なんでもねぇよ。 劉:いい雰囲気は終わったかな二人とも ロッド:うわぁ、お疲れさまでした劉さん ジュリア:ケッ。うるへー 劉:あっはっは!さて、今日の仕事は終わりだ。最後に・・これを。はいまずはロッド君 0:札束を手渡す劉 ロッド:えぇ!?な、なんですかこの量は!? 劉:今日の依頼金だ。ほれ、デビルズキラー・・いや、ジュリアも ジュリア:命の駆け引きをしたってのにこんだけか?あたしらの命はこんなもんってことか? ロッド:ちょ、ジュリア!これだけあったら十分でしょ! 劉:ははは!いいよロッド君。・・・二人とも今回の依頼引き受けてくれてありがとう。 0:深々と頭を下げる劉 劉:君たちが引き受けてなかったら俺は死んでたし、ヤクも戻らずにズヴェーダから消されていたと思う。あの時ロッド君が教えてくれなかったら終わってた ロッド:いえいえ、たまたまですよ。 劉:それに、君の実力、行動、俺が想像していた以上の働きだったデビルズキラー。色々と迷惑をかけてすまなかったな。金も必要なら後日渡す。 ジュリア:フンッ!・・・あたしも楽しかったから満足だ。それにあんたを疑って銃を向けた事は謝る。金もこんだけで事足りるよ。 劉:ふっ、ありがとうな。じゃ二人とも。今日は本当にありがとう。また何かあったら君らのボスを挟んで連絡させてもらう 劉:それじゃあな!他们结婚时给我打电话(二人が結婚するときは呼んでくれよ!) ジュリア:あ?今劉さんなんていったんだ? ロッド:さ、さぁ? ロッド:ーこうして俺たちの潰れた休みは終わっていったのだった。ー

0:車内 ジュリア:なぁロッド、今日あたし非番だろ?休みだろ?なんでお前と一緒にドライブしてんだ? ロッド:仕方ないよ。俺も今日休みだったんだけど、ボスから連絡が来てさ。豪史会?っていう中国マフィアから交渉をしてほしいって言われたんだ ジュリア:豪史会?聞いたことない名前だな。そんなんとなんでうちが交渉しにいかないといけないんだ? ロッド:さぁ?俺も会って話してみないとわからないんだよね。まぁ多分もしものとき様でジュリアと一緒にっていう事じゃないかな? ジュリア:だるいなぁー・・・それより、頭いてぇー・・・昨日飲みすぎた・・・なんでお前は二日酔いになってないんだよロッド・・・ ロッド:俺はもともとお酒強いからねーちょっとやそっとで酔いつぶれないよ。はい、酔い止め。これ飲んでおけば大丈夫じゃないかな? ジュリア:だりぃ・・・ 0:とある雑居ビル ロッド:ここかな・・・? ジュリア:大使館とかに居ないあたり裏社会の人間が居るって言ってるようなもんだな ロッド:ここの三階だってさ、早く行こうか ジュリア:まぁ待てよロッド、挨拶はちゃんとしねぇといけねぇだろ? 0:トカレフを抜こうとするジュリア ロッド:ちょちょちょ!ちょっと!ダメだって!ジュリア!今日は殺し合いじゃないんだから!! ジュリア:ちげぇよバーカ!触んなっての! ロッド:え?どういう事? 0:トカレフの柄を見せるジュリア ジュリア:お前も裏社会にいる人間なんだ。相手との礼儀を知っておかねぇとだめだぜロッド 0:ドアを開け頭を下げる門番 ジュリア:ほらな?さ、行くぞロッド ロッド:あ、あぁ!すみません!失礼します! 0:三階の一室をノックするロッド ロッド:すみません!掃除屋です! 劉:掃除屋ぁ?頼んでないなぁ? ジュリア:あぁ!?てめぇらが呼んでおいたんだろうが!出てこいよ! ロッド:まぁ、落ち着いてジュリア!えーっと、豪史会の劉祇袁(りゅう・しえん)さんに会いに来た掃除屋のロッドとジュリアです。 劉:あぁ、その二人の名前なら聞いているよ。入りなさい。 0:ドアを開けるとゴツいSP二人の間に座る男が一人 劉:よく来たね掃除屋。まぁ腰かけなよ ロッド:あ、えぇ。ありがとうございます。それでは失礼します。 0:椅子に座るロッドと窓際に立つジュリア 劉:あれ?君はこっちに座らないのかい? ジュリア:うるせぇ、あたしは交渉人じゃねぇんだ。さっさと終わらせて帰らせろ ロッド:すみません。ボスに休暇を奪われてイライラしてるんですよあはは。 劉:なるほど?まぁ急に呼び出した俺が悪いな!許してくれ! ジュリア:ケッ! 劉:じゃあ改めて、豪史会のドン、劉祇袁だ。気軽に劉さんとでも呼んでくれ ロッド:あ、ありがとうございます。えっと、僕は掃除屋のロッドです。一応掃除屋の交渉人として働いてます。本日はお招きいただきありがとうございます。それであっちが ジュリア:ジュリアだ。よろしくな中国人 ロッド:ちょ!ジュリア!ちゃんと名前を呼べよ! 劉:あっはっはっはっは!まぁ無理もない!この国では中国人をあまり受け付けてないしな!俺らが君たちを呼ぶ行為すら腹立つのだろう! ロッド:本当すみません! 劉:気にするなロッド君、ところで彼女が有名なジュリアか。悪魔を宿した殺し屋というネーミングがあるからどんな奴かと思ったが可愛いお嬢さんじゃないか ジュリア:死にてぇのか中国人。あたしはまだあんたがどんなやつか知らないし交渉決裂させることもできるんだ。 0:銃を引き抜こうとするジュリア 劉:やめときなジュリア。殺気付いて周りが見えないのか?2対3だ。ロッド君は戦力にもならない。一人で三人を殺せるか? ジュリア:あぁ、簡単だね。なんならお前たち殺した後に下の門番を殺して豪史会ってやつも一人でぶっ潰してやるよ 劉:ぷっ!あっはっはっは!面白い!流石は悪魔を宿した殺し屋(デビルズキラー)だ! ロッド:え、わ、笑ってる? 劉:試してすまないね、二人とも。合格だ ジュリア:あ? 劉:君たちのボスから連絡があってね。休んでいる君たちの脳を働かせてやれって言われたもんでね!さて、スイッチが入った所で本題に入ろうか。 ロッド:あ、え、あ!はい! 劉:俺を護衛してほしいんだよね。 ロッド:護衛?すみません、なぜ貴方の護衛を? 劉:まぁ詳しくは言えないが門番とガード含めて五人だけしかここに連れてこれなかったんだ。でもこの国でやらないといけないことがあってな。腕のいい殺し屋を探してたら君たちを教えてもらった次第だ。 ジュリア:断ってもいいのか? 劉:断ってもいいが、君たちのボスにもう金は払ってある。 ジュリア:持ち逃げしてもいいんだろ? 劉:七億もの大金を持ち逃げしたって豪史会が知ったら黙ってねぇぞ?少なくとも君たちの会社、君ら二人を殺すまで死に物狂いで襲ってくるだろうな?うちの国をなめるなよ? ジュリア:ケッ! ロッド:ちなみに、護衛をするのはいいですが具体的には何をすればいいでしょうか 劉:詳しい話をすると・・・ 0:外にナンバープレートがない車が沢山止まる ジュリア:ん?盗難車か? 0:覆面をした男たちが沢山降りて周りをきょろきょろしだす ジュリア:ん?なんだあいつら?なぁ、中国人 劉:なんだ? ジュリア:あんた、この国で何人に恨まれてる? 劉:恨みつらみは人の縁っていうしな。10人以上は覚えていない。 ジュリア:っつーことは・・・あれはあんたの客か? 0:窓の外を見る劉 劉:覆面をしているからわからないが、ここに来たということは少なからず俺か君たちの客だろうな。 0:覆面の男と目が合う劉とジュリア ジュリア:ん?なんかやばい気がしてきたぞ? 劉:奇遇だなデビルズキラー・・・俺もだ 0:ロケットランチャーを構える覆面 ジュリア:ロッド!床に伏せろ! 0:部屋が爆発する ジュリア:ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!大丈夫か!ロッド! ロッド:あ、あぁ、なんとか!劉さん!劉さんも大丈夫ですか!! 劉:あぁ、別に問題ない!いてて、手厚い歓迎をしてくれるんだなこの国は。 ジュリア:ようこそ死と隣り合わせの国へっていうこった。ロッド!あいつら殺るぞ! ロッド:あ、おう!ジュリア! 劉:ロッド君、君は銃を扱えるのかい? ロッド:いえ、人並みくらいにしか! 劉:じゃあ俺も彼女と遊んでくるよ! ロッド:え、ちょ!劉さん! 0:階段前に隠れるジュリア ジュリア:休みでもこうやって暴れれるならいいもんだ! 劉:ご一緒してもよろしいですかお嬢さん! ジュリア:な!てめぇ!護衛対象だろ!何こっち来てんだ! 劉:君の実力を生で見てみたくてね! 0:階段下の覆面に銃を撃つジュリア ジュリア:見んのはいいけど!死ぬなよ!死んだら魚のえさにしてやるからな!! 劉:自分の身くらい自分で守れるさ! ジュリア:へぇー、中国人、あんたなかなかやるじゃないか 劉:君ほどではないけどね。さ、下の車まで下りていこうか。ロッド君!安心して降りてきたまえ! ロッド:わかりました! 劉:何人降りてきたか見ていたかデビルズキラー ジュリア:あたしの視界でとらえたのは14人だ、今8人やったろあとは六人だな。ロケランぶっぱなした奴が多分リーダーだろうな。あいつを殺せば勝ちだ 劉:流石だ。あの一瞬で状況を見渡せるのは素晴らしい能力だ 0:覆面を外して素顔を見るロッド ロッド:この顔・・・もしかして・・・ 0:ノートパソコンをカタカタしだすロッド ジュリア:おいロッド!死地でパソコンカタカタさせんじゃねぇ!気が散んだろ! ロッド:あぁごめん!ちょっと見覚えのある顔だったから!えっと出た!こいつだ! 劉:何かわかったのかいロッド君! ロッド:えっと、エンゼルクラブって言う小さいゴロツキ集団のメンバーです!多分ここにいる全員がその人らかと! 劉:エンゼルクラブ?聞いたことない名前だな。そんなゴロツキ達に恨まれるような事はしてないのだけどね! ジュリア:多分あれだろ?あんたが買ったビルとか潰したビルとかにこいつらのアジトがあったんだろ! 劉:あぁ!そうかもしれないな!あっはっはっは! 0:一台の車が逃げていく ジュリア:あ、逃げやがった待てこの野郎! 0:銃を乱発するジュリア 劉:当たらないよデビルズキラー。やるだけ無駄だ ロッド:助かったぁ・・・ 劉:まぁ事なきを得たが、こんなに早く俺が狙われるとは思わなかったな。それに俺が連れてきたやつらはもう全員やられちまった。金で買った奴らはこんなもんだな。 ジュリア:すまねぇな劉さん。あんたの腕なかなかだな。 劉:あぁ、全然気にしてないさ。それよりも、改めて俺を護衛してくれるか二人とも ロッド:護衛するほど弱くないでしょう・・・ですが、ボスから言われた仕事ですから。全力で守り抜きますよ! ジュリア:あぁ、あたしもアンタなら全然守ってやってもいい。とりあえず先に潰すべき対象が出来たな劉さんよぉ 劉:そうだな。エンゼルクラブとやらを壊しに行くか!ふはははは! ジュリア:あはははは! ロッド:悪魔と悪魔が手を組んでしまったな・・・ 劉:さ、では向かおうか二人とも ジュリア:あいよ ロッド:は、はい! 0:とあるスラム街 劉:ここがエンゼルクラブのある場所か?物凄く生臭いな・・・鼻が曲がりそうだ・・・ ジュリア:なんだぁ劉さん。あんたスラムは初めてか? 劉:昔はこんなところで育ったけど、大人になってくると、こんなところでよく生き延びたなと思うよ。本当に ロッド:えっと・・ソーシャルメディアの情報だと、この奥にあるバーが今のエンゼルクラブの拠点になってるそうです 劉:へぇ?だけど、この生臭さ俺の勘が正しかったら血も混ざってるな。 ジュリア:あぁ、しかも 0:地面に滴る血を触るジュリア ジュリア:この血新しいぜ? ロッド:き、汚いよジュリア。 劉:まぁまぁ。とりあえず先に進もう。バーに入れば何かわかるかもしれんしな 0:ずかずかと歩いていく劉 ジュリア:あ、おい!護衛対象が一人で突っ切るんじゃねぇよ!劉さん! 劉:あっはっは!さっきも言ったろ?自分の身は自分で守れると!護衛なんてただの表向きの条件だ。 0:寂れたバーの入り口につく ロッド:明かりは・・・ついてないね・・・開ける? ジュリア:いや、ちょっと下がってろロッド 0:銃をドアに向かい一発撃ち込むと入り口が爆発する ジュリア:やっぱりな。さ、入るぞ 劉:ヒュー。やるじゃないかデビルズキラー。 ジュリア:あんがとよ。 0:中に入る三人 ロッド:さっきの爆発でほとんど形状をとどめてないね・・・ ジュリア:恐らくここに来る事を見越して先にこのアジトを捨てる気だったんだろうな。ん?なんだ?これ 0:頑丈なジュラルミンケースが棚の下に隠れている 劉:また爆発物とかじゃないかい? ジュリア:いや、それはないな。時限爆弾なら秒針が鳴るし、液状ならさっきの爆破の地響きで一緒に爆発している。多分違う何かだろうよ ロッド:でもこれ、カギがかかっているね ジュリア:カギなんて撃ち抜けば開くだろ? 劉:そんな戦闘脳じゃ今後生き抜くのは難しいぞ?デビルズキラー ジュリア:あぁ? 0:ジュリアの髪留めを一本取る劉 劉:こういうのはこれをこうして・・こうやれば・・・ 0:カチャカチャ…ガチャリ… 劉:ほら、開いた。ん?これは・・・ ジュリア:ヤクか? 劉:ヤクだが・・・これはアヘンだな ジュリア:アヘン?劉さんの国のヤクじゃねぇか。 劉:そのようだねぇ・・・しかし何でこんなところに置いてあるんだ?・・・うちの車の中に隠しておいたのに ロッド:多分ですが、さっきの銃撃戦の時盗まれたとかじゃないでしょうか? ジュリア:でもよ、これを盗んだまではいいがなんでここに置いたままにしてんだ?てかいつ置いたんだ? 劉:さぁ?どうだろうね? 0:ガタッと物音がする ジュリア:っ!誰だ! 0:物音のほうに銃を向けるジュリア ロッド:・・・。誰も・・・いない・・・? ジュリア:ロッド、これ持ってろ 0:ジュラルミンケースを渡し慎重に物音に近づくジュリア ジュリア:死んだふりしてたらいいものを・・・ 0:物音がするところを見に行くと生き倒れた子供 ジュリア:なんだ・・・死ぬ前の悪あがきか・・・ 劉:こいつは? ジュリア:多分さっきの爆破に巻き込まれた奴だろうな。可哀想にな・・・まだ若いのに・・・ ロッド:仕方ないよ・・・スラムと死は隣り合わせだもんね・・・ 劉:・・・。さて、話を戻そうか。さっきのアヘンはうちの取引商品だ。盗まれてしまったがちゃんと取り戻せてよかった。多分もうここにはエンゼルクラブの人はいないな。車に戻ろう ジュリア:待てよ劉さん 0:劉に銃を向けるジュリア 劉:・・・何の真似だ?デビルズキラー? ジュリア:何の真似はこっちのセリフだよ中国人 ロッド:ちょ、何をしてるんだよジュリア! ジュリア:黙ってろロッド。なぁ劉祇袁(りゅう・しえん)うちの国ではヤクの取引は禁止されてるんだ。それを知ってんのか? 劉:・・・知ってると言ったら? ジュリア:事情を聴いて殺す。 劉:知らないと言ったら? ジュリア:そのヤクをうちのボスに渡してアンタを殺す。 劉:ふっ。どっちにしても殺されるのかぃ?なら答える義理はないね ジュリア:あんだと? 劉:デビルズキラー、このアヘンを誰に渡すか、知ってるか? ジュリア:あ? 劉:君らなんて虫の様に扱い、すぐに殺せる方。と言ったらわかるかい? ジュリア:もしかして、姉御に渡すのか? ロッド:姉御・・えぇ!ズヴェーダ!?ズヴェーダに渡すんですか!? 劉:そう。ロシアで名を知らない奴はいない。裏社会のトップに君臨する、ズヴェーダのボスに渡すんだ。それでも俺を殺せるかデビルズキラー 0:振り返り銃口を掴む劉 ジュリア:クソがッ! 0:近くにあったバケツを蹴り飛ばすジュリア 劉:ははは。さっきも言ったろ?この国でやる事があるってね。ロッド君にも教えてあげよう。豪史会とズヴェーダの関係っていうのを ロッド:は、はい。 0:倒れてる棚の上に座り煙草を吸う劉 劉:スゥー…フゥー…君たちも吸うかい? ロッド:あ、自分は禁煙しているので大丈夫です。 ジュリア:あたしは自分のがあるからいらねぇよ。スゥー…フゥー… 劉:そうかい。じゃ話をしようか。君たちがなぜズヴェーダと繋がりを持っているのに豪史会を知らないのか。まずはそこから教えよう 劉:フゥー…15年前の夏、君たちがまだ子供の時うちの先代とズヴェーダのボス、ミラノが契りを交わした。中露同盟というやつだ。 劉:その主な内容というのは、ズヴェーダがやる事に豪史会は口を出さない。ズヴェーダが言った事は逆らってはいけない。同盟と言ってるが中身はただの主従関係 劉:その代わり、うちが派手に暴れたとしてもズヴェーダが全てもみ消してくれる。殺人も強姦も誘拐も強盗も何もかもだ。 ジュリア:へぇ? 劉:例えば、つい最近グァバノッチの組織を潰したろ?あれもうちが仕向けた事だ ロッド:えぇ!グァバノッチさんの部下がうちの仲間を殺したと言ってたのに? 劉:その部下というのも豪史会のメンバーだ。というか、グァバノッチはうちの傘下だしな。潰す潰さないを判断するのは俺のさじ加減一つだ。 ジュリア:つまり、グァバ公をいらないと感じたからあたしらを使って殺させた。ってことか? 劉:そうなるな。 ジュリア:じゃあなんてあたしらに殺させた?あんたらが自分の手で殺せばいいことだろ? 劉:うーん。それも一理あるが、さっきも言ったように中国人はこの国では嫌われてる。街を歩くだけでこの様だ。5人しか連れてこれなかったというのも空港に着いた時ほとんどが用意されてた車で死んだ。 ジュリア:なるほどな。それでダミーで用意した乗用車に乗っていたあんたら五人だけ生き残ったという事か。 劉:そういうこった。ま、エンゼルクラブってのが襲ってきたのは完全に誤算だったがな。今この国で豪史会は俺一人しかいない。だから護衛をしてほしいってことだ ロッド:なるほど・・・。ちなみにうちのボスはそのことを知っているんですか? 劉:勿論さ。豪史会もズヴェーダも君ら掃除屋も全て裏社会でつながっているからな。君たちはボスから連絡が来て動いてるんだろうがそのボスはミラノから伝わって動いてる。 ジュリア:なるほどな。これで合点がいった。ズヴェーダとヤクを取引することは黙認してやる。その取引をするまでがあたしらの仕事でいいのか? 劉:うーん。まぁ今はそう思っていてくれて構わない。 ジュリア:なんだ?まだ何か言いたい事あるのか? 劉:今は大丈夫だ。さ、車に戻ろうか ロッド:しかし・・劉さんがミラノさんと繋がりがあるなんて知らなかったですよ。 劉:俺もまだ何回かしか会ってないけどな。俺が今の座に就いた時とヤクの取引で何度か会ったくらいだな。 ジュリア:そういえば姉御は何度か夜中に車走らせてどっか行ってたな・・・その時か。 0:車に戻る三人 ロッド:えっと、まだ18時前ですね。取引の時間まではまだ余裕はあるんですか? 劉:あぁ、あと三時間はあるな。とりあえずロッド君車を走らせてそのまま高速に乗るんだ ジュリア:ロッド、高速に乗ったらあたしらがいいと言うまでは絶対に降りるな。 劉:さぁ取引前に最後の後始末をするとしようかね!よーし!発進だロッド君! ロッド:え、あ!はい! 0:高速へ向かう走行中 劉:うーむ・・・デビルズキラー。君はそのトカレフ以外何も持ってないか? ジュリア:あたしはこれ一本で今までのし上がってきたんだ。 劉:へぇー、あ、じゃあロッド君。この車って改造車とかじゃないか?マフラーからマキビシがボロボロ出てきたりとか? ロッド:え?いやそれはないですねー!あはは。会社の車でもあり僕の車でもあるので改造は出来ないんですよ 劉:ふーん。じゃあデビルズキラー君はそのトカレフだけで戦うのかぃ? ジュリア:あたぼうよ。それより劉さん、あんたはどうするんだ?ただ指をくわえてみておくか? 劉:はっ!馬鹿を言うなよデビルズキラー。俺のここにはだなぁ・・・ 0:コートの内側をまさぐる劉 劉:あったあった。これだ。 0:銃口が長いマグナムを取り出す劉 ジュリア:ピュー。スミス&ウェッソンじゃねぇか!なかなか渋いもん持ってるんだな劉さんよ 劉:まぁ、もしものとき様にな。それより高速乗ったら来ると思うぞ 0:高速に乗る三人を乗せた車 劉:よぉーし!ロッド君!君は今から片が付くまでしっかり運転をしててくれよ! ジュリア:ロッド、何があっても止まんなよ? ロッド:え?何を言ってるの二人とも。ちょ! 0:サンルーフを開けて立つ二人 ロッド:危ないよジュリア!劉さんも!高速ですよ!! 劉:ハイスピードデッドバトルだロッド君! ジュリア:ロッドの荒い運転でベロ噛んで死ぬなよ劉さんよぉ 劉:言ってろデビルズキラー ジュリア:ショータイムだ! 0:後続車から覆面を被った男が銃を撃ってくる ジュリア:はっはっは!AKなんて当たんねぇよ!バァーカ!オラオラッ!! 0:ズガン!ズガン!と高らかに響くジュリアの銃声 劉:人を狙っていてはいつまで経ってもついてくるもんだ。こういう時はだな・・・ここを狙え? 0:ドガンッ!と重たい銃声が後続車のタイヤに穴をあけ横転させる 劉:はっはっは!ビンゴ!こうやって仕留めるんだよデビルズキラー ジュリア:うっせ!次はあたしの番だ!タイヤ狙えばいいんだろタイヤを!! 0:深呼吸してそっと構えタイヤを撃ち抜くジュリア ジュリア:よっしゃ!当たった!おいロッド見たか?一発で当てたぜ? ロッド:ちょ!運転中だから!蹴らないで!危ないから! 劉:だがまだまだ甘いぞデビルズキラー。またロケットランチャーがお出ましだ。この国の銃刀法はどうなってるんだ? ジュリア:サツを金で買える街だ。そんな法律なんぞ、とうの昔にお飾りだ!ロッド!右に旋回しろ!飛ばされたくなかったら捕まってろよ劉さん! ロッド:え、あ、あぁ!行くよぉおおおお! 0:ハンドルを右に切り激しくUターンをする車 ジュリア:上出来だロッド!あのロケラン車に突っ込め! ロッド:勝算はあるんだね!ジュリア! ジュリア:あたしを信じろ! ロッド:わかった! 0:正面から突っ込む車 ジュリア:チェックメイトだバァーカ! 0:ジュリアの弾がロケットランチャーの銃口の中に入り大爆発する敵車両 ジュリア:劉さん中に隠れろ! 劉:あぁ! 0:爆破した弾みで浮いた敵車両の下を潜り抜けるロッドたちの車 ロッド:はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・生きてる?潰れてない?よかったぁ・・・ ジュリア:はぁ・・はぁ・・だから・・言ったろ?あたしを信じろって・・・ 劉:ははっ・・ははは!いやぁ面白いアクション映画を見ているようだったよ!良いコンビだ! ジュリア:死にかけてんのに何を笑ってんだよ劉さんよぉ? 劉:いやぁー、あっはっは!今日一日素晴らしい日だと思ってな。エンゼルクラブというチームはこれで壊滅か? ロッド:どうでしょう?でもエンゼルクラブが潰れたとしても他のゴロツキチームが山の様にいますから・・・ 劉:まぁそれもそうだな!とりあえずズヴェーダにこいつを渡して俺はズヴェーダと一緒に帰るよ。 ジュリア:あぁ、そうしてくれ。せっかくの休みを台無しにしたんだ。さっさと帰って二度とあたしらに仕事振るな 劉:まぁまぁ怒るなよデビルズキラー。さて、それじゃ行こうか。 0:波止場で取引をする劉とズヴェーダの部下達 ジュリア:休みの日だってのに、散々な一日だったなロッド・・・ ロッド:そうだね・・・本当、ジュリア程じゃないけど休みを潰されて腹が立ったのは初めてだよ、あはは ジュリア:ちげぇねぇな。あはは ロッド:さてと、帰る準備でもしようかな! ジュリア:なぁロッド ロッド:ん? ジュリア:あんときなんであたしを信じてくれたんだ? ロッド:あの時? ジュリア:ロケランに突っ込めって言った時だよ ロッド:あぁ、あの時か。んー、なんでだろうね? ジュリア:はぁ?なんだそれ ロッド:でも、なんて言うんだろう。ジュリアだから信じれた・・のかもな ジュリア:はぁ? ロッド:多分、劉さんに同じこと言われても俺は従わずそのまま突き進んでいたと思う。でもジュリアだから・・俺の相棒だから信じれた・・のかもね?あはは。答えになってるかな? ジュリア:・・・。さぁな。 0:煙草に火をつけるジュリア ジュリア:スゥー…フゥー…・・・あんがとな ロッド:え? ジュリア:なんでもねぇよ。 劉:いい雰囲気は終わったかな二人とも ロッド:うわぁ、お疲れさまでした劉さん ジュリア:ケッ。うるへー 劉:あっはっは!さて、今日の仕事は終わりだ。最後に・・これを。はいまずはロッド君 0:札束を手渡す劉 ロッド:えぇ!?な、なんですかこの量は!? 劉:今日の依頼金だ。ほれ、デビルズキラー・・いや、ジュリアも ジュリア:命の駆け引きをしたってのにこんだけか?あたしらの命はこんなもんってことか? ロッド:ちょ、ジュリア!これだけあったら十分でしょ! 劉:ははは!いいよロッド君。・・・二人とも今回の依頼引き受けてくれてありがとう。 0:深々と頭を下げる劉 劉:君たちが引き受けてなかったら俺は死んでたし、ヤクも戻らずにズヴェーダから消されていたと思う。あの時ロッド君が教えてくれなかったら終わってた ロッド:いえいえ、たまたまですよ。 劉:それに、君の実力、行動、俺が想像していた以上の働きだったデビルズキラー。色々と迷惑をかけてすまなかったな。金も必要なら後日渡す。 ジュリア:フンッ!・・・あたしも楽しかったから満足だ。それにあんたを疑って銃を向けた事は謝る。金もこんだけで事足りるよ。 劉:ふっ、ありがとうな。じゃ二人とも。今日は本当にありがとう。また何かあったら君らのボスを挟んで連絡させてもらう 劉:それじゃあな!他们结婚时给我打电话(二人が結婚するときは呼んでくれよ!) ジュリア:あ?今劉さんなんていったんだ? ロッド:さ、さぁ? ロッド:ーこうして俺たちの潰れた休みは終わっていったのだった。ー