台本概要

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タイトル 殺し屋の女 03
作者名 読川詩朗
ジャンル その他
演者人数 4人用台本(男2、女1、不問1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ここら辺から大体のキャラのオマージュを終わらせてきた感じかな
次くらいから自分でキャラを作り出してた気がする。多分

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ロッド 90 ここでロッドの雰囲気像が完成したくらいかな
ジュリア 120 「デビルズキラー」と呼ばれる男勝りな女
ザバス 19 奴隷商人
ミゲル 不問 63 消臭力の唄聞いててこの子の名前が出てきたんだうふふ
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・!! ザバス:待て!ガキぃ!!待つんだ!止まれ!この野郎が!! ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・んっ・・はぁ・・! 0:とある武器屋 ジュリア:最近弾の減りがはえぇんだよなー。ボスからの支給じゃ割に合わねぇし。やっぱ自分で買うのが一番なんだよなー。そんじゃあんがとなーまた来るわ ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・!うわぁ! ジュリア:ん?うわぁ! 0:派手にぶつかり荷物が転がる二人 ジュリア:いてて・・おい!坊主!どこに目ぇつけてやんだ! ミゲル:ご、ごめんなさい! ザバス:どこ行きやがった!ミゲル!ミゲル!! ミゲル:はっ!ご、ごめんなさい!行きます! 0:慌てて荷物をかき集め逃げ出すミゲル ジュリア:あ、おい待て!ガキ! ザバス:はぁ・・はぁ・・・!おぉ!ジュリアか! ジュリア:んぁ?誰かと思ったらザバスか。どうした? ザバス:あぁいや、ここに小さいガキが来なかったか? ジュリア:ガキ?あーなんかあたしにぶつかったガキか? ザバス:多分そのガキだ。どっちへ行った? ジュリア:あっち 0:後ろを指さすジュリア ザバス:あぁ、すまない。じゃあなデビルズキラー ジュリア:おう。 0:ロッドの家 ジュリア:つーことがあってな?ザバスが出てくる程のガキってなんなんだろうなロッド ロッド:さぁ?わからないけど・・というかそれより何でうちにいるのジュリア ジュリア:あのガキ・・白人だったな・・・この街じゃ珍しい・・・誘拐でもしてきたのか? ロッド:あ、俺の話は無視なんだね・・ザバスさんって確かこの国の奴隷商人だっけ? ジュリア:そうだ。奴隷を高値で海外へ売りさばくおっさんだ。若いのは金になるって言ってたな ロッド:へぇー、大変だね。その子供の名前は聞いたかい? ジュリア:聞いても聞いてなくても人の名前なんて覚えたくねぇ ロッド:で、もう一回聞くけど、なんでうちに来たのジュリア ジュリア:あぁ?あー、そうだったそうだった。ボスからロッドに渡しておけって言われたものがあってよ・・それが・・えっと・・ここに・・・ 0:体を触り探すジュリア ジュリア:ねぇ! ロッド:? ジュリア:どこにもねぇ!!ケツのポケットに入れておいたのに無くなってんだよ!!嘘だろ?どこで落とし・・・ 0:ぶつかったときの記憶がフラッシュバックするジュリア ジュリア:あんときだ・・・ ロッド:あんとき? ジュリア:ガキとぶつかったときだ!ぜってーあんとき落としたんだ!だぁああ!しくった!!あのガキ・・!絶対見つけて殺す! ロッド:ぶつかって落とした時っていう確証はあるの? ジュリア:当たり前だろ!あんときあたしが買った弾とかガキの荷物とか色々散漫したんだよ!ぜってぇそん時だ!それ以外ありえねぇ!! ロッド:へぇー、あ、コーヒー出来たよ。はい。 ジュリア:いらねぇよ!呑気にコーヒーなんて飲んでられっか!ちょっと取ってくるロッド! 0:慌てて出ていくジュリア ロッド:せわしないなぁ・・・というか本当、どうやってうちに入ってきたんだろう? 0:窓から風が吹く ロッド:まさか・・ね?・・・ここ四階だよ・・・?ま、いいか。休みの日まで忙しいんだなジュリアは。 ジュリア:ぜってーこの辺だよな・・ここで落として・・ガキがあっちへ逃げていって・・・ ザバス:おぉジュリアまた会ったな ジュリア:おぉザバス。さっきのガキは見つかったのか? ザバス:それが全然見当たらなくてよ・・せっかく金になる奴だったのによ・・・ ジュリア:しかしこの国で白人を見つけてくるなんてお前すげぇな。旅行に来てたガキとかか? ザバス:この国に旅行する能天気なやつぁいねぇよ。船で拾ったんだ ジュリア:船で?一人だったのか? ザバス:あぁ、多分あいつ七歳か八歳くらいのガキのくせにパソコンをカタカタいじってやがってな?チラッと見たらワールドバンクにアクセスして金取ってやがったんだ ジュリア:へぇー?最近のガキはすげぇんだな ザバス:バカか。多分ワールドバンクにつなげれるガキなんてあいつだけだっつーの。それよりも。見つけたら俺に連絡くれ。金は好きなだけやる ジュリア:あたしもあのガキに物取られたから捕まえたらあたしにも連絡くれ。ボスから預かってた大事なもんなんだ。頼むぞ 0:ロッドの家にノックの音がなる ロッド:はいはい、今日は客人が多いなぁ。誰ですかー?ってあれ?誰もいない? ミゲル:あ、下です!下! ロッド:した?うわぁ!こ、子供? ミゲル:あ、どうも初めまして。えっと貴方がロッドさんですか? ロッド:え?あ、あぁそうだけど。君は? ミゲル:僕の名前はミゲルです。ちょっと訳あって逃げてる最中で、少しここでかくまってもらえないでしょうか? ロッド:逃げてる?あぁ、ジュリアが会った子かな・・・? ミゲル:ロッド・・さん? ロッド:あ、あぁ!いいよ!ささ、どうぞどうぞ。汚い所ですがようこそ。 0:椅子に座るミゲル ロッド:あーえっと、牛乳とかジュースとかがいいかい? ミゲル:あ、いえこのコーヒーは誰か口つけましたか? ロッド:いや、出した途端に出ていっちゃってね、まだ口はつけてないよ ミゲル:じゃあこれでいいです。 0:ブラックコーヒーを飲むミゲル ロッド:な、なかなか渋いね・・・えっと、ごめんねラフな格好で。今日は休みだから私服なんだ ミゲル:あぁ、全然大丈夫です。 ロッド:なかなか肝が据わってるなこの子・・・えーっと、どうして僕の名前と家を知っていたのかな? ミゲル:調べたからです ロッド:調べた? ミゲル:えぇ、よいしょっと 0:ノートパソコンを鞄から取り出すミゲル ミゲル:掃除屋の交渉人ロッド、本名はロッド・スタング。28歳。様々なマフィアとの交渉人として結構なキャリアを持つ男性。依頼はメールでと書いてたのでメールを送りましたが一度も返信がなかった次第なので色々ハックして見つけました ロッド:あ、あぁそうなんだ。ごめんね、休みの日はパソコンもケータイも触らないからさ。それで僕にメールをしたってことは何か依頼かな? ミゲル:えぇ。僕をズヴェーダに引き渡してほしいんです。 ロッド:ズヴェーダに?まだ君子供だろ?どうして? ミゲル:ミラノさんに直接会って話がしたいと思って船に乗ってたら奴隷商人に捕まって、命からがらここまで逃げて来たんです。 ロッド:あ、そうなんだ。えっとミラノさんに会わせるのは多分出来ると思うけど僕一人でやるより、相方が居ないとなかなかご対面出来ないというか僕一人では非力というか・・・ ミゲル:相方?ジュリアという方ですか?サイトやソーシャルメディアを使って調べても名前だけで顔写真がないからわからないんですがその方にお会いできますか? ロッド:あーえっと、会えるというか・・会わない方がいいというか・・なんていうか・・・ ミゲル:お願いします!どうしてもミラノさんにお会いしたいんです!! ロッド:あーその、えっとー・・・ 0:ドアをノックする音 ロッド:ひぃっ! ジュリア:なんだロッド、女みてぇな悲鳴あげやがって!おい開けろって。お前に頼みてぇことがあんだよ! ロッド:ミゲル君、ちょっとベッドの下に隠れててくれるかな?すぐ終わらせるから・・・ごめんよ? ミゲル:はぁ・・?わかり・・ました? 0:ベッドの下に潜り込むミゲル ジュリア:なぁロッド!早く開けろって!ドア壊すぞ? 0:ドアをガチャガチャするジュリア ロッド:わかったわかったから!今開けるよ! 0:ドアを開けるロッド ロッド:はいはい、どうし・・ ジュリア:おせぇんだよ!ちゃんと今回は玄関から入ってやってんだ!すぐに開けろっての! ロッド:ごめんごめん、色々用事してたからさ。それで?どうしたの? ジュリア:あぁ、やっぱさっきのところに落ちてなかったわ。ザバスの野郎にも会ったんだがまだそのガキが捕まってなくてな? ロッド:そ、そうなんだねー。大変だねー? ジュリア:あぁ?ロッドお前・・なんだ?そんな緊張した顔してよ? ロッド:あ、あはは?そんな顔してるかなぁ? ジュリア:んんー?あ、わかった!お前、アダルトサイト見てたんだな?だから開けるの遅かったんだろ?あっはっはっは! ロッド:あ、あははは!バレてた?男だし仕方ないだろ?ささ、そういう事だから俺一人にさせてくれよ! ジュリア:ちょ、きたねぇ手であたしに触ろうとすんな!出てってやっから!30分後に帰ってくるからそれまでに済ませろよ! ロッド:わかったからジュリア!早くほら! ミゲル:ジュリア?この人がそうか・・よし・・・ 0:ベッドが動く ジュリア:ん?なんかベッド動いてんぞ?お前・・もしかして? ロッド:え、ちょ!ダメだ! ミゲル:ぷはぁ! ジュリア:あん?ガキ? ミゲル:あのジュリアさん!すみません! ジュリア:あぁー!!あんときのガキじゃねぇか!! ミゲル:え?あ!あのときぶつかったお姉さん! ジュリア:おいおいロッドぉ?これはどういうことだ?あぁ? ロッド:あぁ・・もう休みがなくったなこれは・・・はぁ・・・ 0:事情を説明するロッド ロッド:っと、まぁそういうことで、ミゲル君がミラノさんに会いたいんだってことでジュリア、君が必要なんだって事だね ジュリア:へぇ?それはわかったけど、姉御はそんな簡単に動かねぇぞ?ましてやガキ一人で動くほど暇じゃねぇんだよ ミゲル:それは重々承知の上です!ですがどうしても会ってお伝えしないといけなくて!お願いしますジュリアさん! ジュリア:いくらだ? ミゲル:え? ジュリア:わかってんだろ?うちらに仕事を頼むんだ。ガキでもそれなりに金額は必要になる。用意できるのかって聞いてんだよガキ ロッド:ちょ、ジュリア!ミゲル君は子供だよ?オトナになりなってジュリア! ジュリア:うるせぇロッド。仕事をするなら必ず対価がいる。ガキも一人でおつかいしたらお駄賃もらうだろ?それと同じだ。なぁガキよく聞けよ? ジュリア:お前が今話してるズヴェーダは裏社会のトップだ。しかもそのトップの一番偉い奴にお前は直談判したいって言ってるんだぜ?わかるだろ?それなりに金がいることはよ ミゲル:承知の上です。なのでこれを見て下さい 0:パソコンを見せるミゲル ミゲル:これはワールドバンク。僕の意思一つで国家が買える金額や億万長者になる事も出来ます。貴方の欲しい額、ズヴェーダの望む金額意のままに用意できます。これじゃだめですか? ジュリア:が、ガキ?お前が今しようとしてる事わかってんのか?国際指名手配犯になるぞ?覚悟はあんのか? 0:ミゲルの眼をじっと見るジュリア ミゲル:勿論です。ミラノさんにお会いできるなら何があっても僕は折れません。あの奴隷商人も相手にならないほどに。 ジュリア:へぇー?いうねぇ?今ここにザバスを呼んでお前をもう一回ひっとらえてもらうこともできるんだぜ?あんだけ逃げてたのに急に強気じゃねぇか ミゲル:あの時は持ち合わせと時間がなかったから仕方ないです。でも今は違います。やっとここら辺の環境に馴染めて今は冷静に行動できます ジュリア:頭で考えてる行動と実際に動ける行動は違うってわかってんのか? ミゲル:えぇ。なので僕は下準備もしっかりしておきました。 ジュリア:下準備だぁ? ミゲル:えぇ。ザバスさん?のスーツの内ポケットにGPSと小型遠隔操作爆弾を仕込んでます。エンターキーを押せばボカンです。焼夷弾並みに燃え彼は火だるまになり死にます ジュリア:ガキが人を殺せると思ってるのか? ミゲル:逆に殺人は大人だけの特権なのですか? ジュリア:・・どういうこった? ミゲル:気にならないんですか?なぜ僕が一人でいるのか・・・ ジュリア:あぁ? ロッド:殺してきたんだね・・・ ミゲル:えぇ。この国へ向かう前に。僕の親族は全員根絶やしにしてきました。 ジュリア:あぁ? ロッド:これだよジュリア 0:新聞を渡すと見出しに一家虐殺殺人か!?と書かれてる ジュリア:これ・・まさかお前がやったのか? ミゲル:えぇ。なんなら殺した手順、順番全て覚えていますよ。お伝えしましょうか? ジュリア:いや、いい。わかった。いいだろう。ロッド車出せるか? ロッド:え?あぁ出せるけど会いに行くの? ジュリア:あぁ、このガキ、目が本物だ。こいつは猟奇だな。 ミゲル:それで?あの奴隷商人はどうしますか?この国は法律がお飾りだからとはいえ奴隷商は全国的にもアウトですよね。 ジュリア:そのスイッチ貸せ ミゲル:どうぞ。 ジュリア:これはあたしが預かる。お前はこれ以上人を殺すな。それと、今から姉御に会わせてやるが一つだけ約束しろ。それが無理なら今この場でお前を殺す ミゲル:なんでしょう?守れる範囲は全て守ります。 ジュリア:姉御に少しでも変な態度、殺意を見せたらその時点であたしが脳天をぶち抜く。猟奇殺人者。 ミゲル:・・・。わかりました。 ロッド:車持ってきたよーさ、二人とも行くよ 0:車に乗り込む三人 ジュリア:なぁロッド先にザバスのいる酒場へ行ってくれ ロッド:あ、あぁ 0:夕陽の赤さをはねのけるほどのネオンライトが眩しい酒場 ジュリア:あ、いたいた。よぉザバス! ザバス:おぉー!待っていたぜジュリア!それで?見つかったのか? ジュリア:見つけたことには見つけたがあたしが殺した。 ザバス:殺しただと!?うちの商品を殺したのか!? ジュリア:騒ぐなよザバス。商品登録もしてねぇだろまだ。それで罪滅ぼしと言ってはなんだが、お前が安心していけるように色々考えたんだ ザバス:どういうことだ? ジュリア:あたしは前々からお前みたいなペドフィリア大嫌いだったんだ。だから死ね。 ザバス:ちょちょ!ちょっと待ってくれよジュリア!俺はあんたに何も迷惑かけてないだろ!それに!うちはお前のとこの大事な取引相手ってことを忘れたのか? ジュリア:安心しな。あたしが殺したってわかんないようにして殺してやるからよ ザバス:待て待て!本当に待ってくれ!俺はなんでお前に殺されるんだ!理由もなく死ねるかってんだよ! ジュリア:あんたがうちの会社に迷惑をこうむっているのは知ってんだよ。ブラックリストに載ってるがお前を殺すように前々から頼まれてたしな。ボスがお前を可愛がってないのを知らねぇのか? ザバス:あ・・あのことか!!すまない! ジュリア:それにうちの部下に高利貸しをして返せないならと言ってお前が販売してる裏ビデオに出演させたり。気付いてないと思ってるのか?だとしたらお前は相当馬鹿だな ザバス:そ、それは!それは!! ジュリア:それじゃあなザバス。お前の会社、今日で終わりだな。 0:スイッチを押すとザバスが全身燃えていく ザバス:うわぁああああ!あづいぃいい!たすけてくれぇえええ!! ジュリア:・・・。えげつないな・・・さてと、行くとするか 0:車に戻るジュリア ジュリア:待たせたな。 ロッド:・・・。あぁ。それじゃ行こうか ミゲル:どうでした?僕の遠隔操作型の着火装置は ジュリア:・・・。 ミゲル:凄い炎が出たでしょう?燃えて助けを求めるところなんてまさにクズの象徴ですよね!あはは! ジュリア:貴様ッ! 0:掴みかかろうとするジュリア ロッド:やめろ!! 0:大声で止めるロッド ジュリア:ロッ・・ド・・・ ロッド:ミゲル君、君は狂っている! ミゲル:それはわかっていることですロッドさん ロッド:いや!わかってない!いいかミゲル君・・・君はまだ子供なんだ・・子供は子供らしい生き方をするのが普通なんだ・・・でも、君はもう沢山人を殺してきた・・ ミゲル:何が言いたいんですか?僕に悪魔が宿っているとでもいいたいのですか? ロッド:違う!一度道を間違えた大人は元に戻る事が難しい・・・現に僕もジュリアもたくさんの人を殺してきた。もう普通の道に戻るのは無理だろう・・・ ロッド:でも君はまだ子供だ!いくらでも更生することはできるんだ!人を殺して笑うな!家族を殺すのもおかしい!それに・・ ミゲル:事情も知らないくせに!僕を説教するな!!! ロッド:なに・・・ ミゲル:僕がなんで家族を殺したか!理由も知らないのに知ったような口で僕を諭すな!はぁ・・はぁ・・ ジュリア:そうだぜロッド・・・他人の生き方に口を出すな。ほら車を出せ ロッド:でも・・・ ジュリア:でももへったくれもねぇ!早く出せって言ってんだ ロッド:う・・うん・・・ 0:走行中 ジュリア:なぁガキ・・・ ミゲル:なんですかジュリアさん ジュリア:あたしが初めて人を殺したのは10歳の時だ。それは今でも覚えている。 ロッド:・・・。 ジュリア:あたしの親は離婚してな。あたしは父親に育てられてたんだ。でも父親が10歳の時あたしを襲ってきた。その時近くに会ったナイフでめった刺しにしたんだ ミゲル:だからどうしたんですか ジュリア:あたしは人を殺すとき、殺す相手に何か思いがないと殺せない。父親は恨みがあり、さっきのザバスは会社の意図で。だがお前は違う。ただの快楽殺人だ ミゲル:あの奴隷商人は僕を売ろうとしたんですよ?十分殺す理由があるでしょう?快楽ではないはずですが? ジュリア:じゃあ殺した後、お前は何を思う? ミゲル:思う?死人に対して思う事なんて何一つないでしょう?それにまだ子供ですから深い感情なんて持ち合わせていませんね ジュリア:それは嘘だな。お前はただ隠しているだけだ。自分というのをな。ロッド、そこを右に曲がれ ロッド:え?いいけど曲がったら・・・ ジュリア:いいんだ。曲がってくれ ロッド:あ、あぁ・・・ 0:右へ曲がり進むと船着場に着く ミゲル:ここは? ジュリア:見てわかんねぇのか?船着場だ。 ミゲル:それはわかります。なぜここに?ミラノさんに会わせてくれるんですか? ジュリア:姉御は用心深いからな。ただのガキ一人でも用心棒を連れてくる程だ。今回は逃げれないように船の上で会うって言ってるぜ。さ、乗りな ミゲル:・・・。嘘なら僕はあなた方二人を殺しますよ ジュリア:ま、嘘でも本当でも船にのりゃ全てわかることだ。 ジュリア:あたしらはここで待ってる。 ロッド:ちょ・・これは・・・ ジュリア:ロッド!いいんだよ。姉御の命令だ。 ロッド:う・・うん・・・やっぱり俺は車で待っておくよ・・・ ジュリア:ダメだ!ロッド!この世界の掟はちゃんと見ておけ。 0:船の上に立つミゲル ジュリア:姉御から電話だ・・・もしもし。あぁ今ガキは船の上に立ってる。どうせ姉御の部下が見てんだろ? ミゲル:ここからどうしたらいいんですかジュリアさん ジュリア:あぁ・・ああ。ガキ!お前が姉御に会いたい理由を言え! ミゲル:あなた方の前では言えないことです! ジュリア:安心しろ!もう姉御は見ている!言いたい事を言え! ミゲル:・・・。ミラノさん!貴方の顔を直接見たかったですが今日はダメみたいですね!やはり直談判じゃないと言いません。今日は帰ります! ロッド:降りちゃだめだ!ミゲル君! ミゲル:え? 0:船から降りた右足を撃たれるミゲル ミゲル:あっ!ぐぁあああ!! ロッド:ミゲル君! ジュリア:行くな!ロッド! ロッド:でも!このままじゃ! ジュリア:ここより先はズヴェーダのルールだ。あたしたちが出る幕はねぇんだ。 ロッド:くっ・・・ ミゲル:はぁ・・はぁ・・・ 0:足を抑えたまま船に戻るミゲル ミゲル:いやだ・・まだ・・まだ死にたくない・・・止まってくれ・・・止まれ・・・止まれよぉおお ジュリア:もう一度聞く!お前が姉御に会いたい理由を言え! ミゲル:うぅ・・うぅう・・・僕は・・僕は・・・・ ロッド:早く言うんだ!君はまだ死ぬ運命じゃない!必ず俺が助けるから!早く言うんだ! ジュリア:・・・無駄だぜロッド。もうあいつは今日死ぬ運命だ。 ロッド:どういうこと・・・だ? ジュリア:今姉御から聞いた。あいつはあの若さで裏社会にいる奴らを一人で何百と殺してきたそうだ ロッド:そんな・・・ ジュリア:姉御はあのガキを殺すように言ってやがる。もうあたしらが出る幕じゃないそうだ。 ミゲル:フー・・フー・・・ミラノ・・・ミラノぉ!!貴方に会って!僕が直接あなたを殺したかった!それだけだ!!早く!会わせるん・・・ 0:頭を撃たれるミゲル ロッド:ミゲル君!!ミゲルくーん!!! ミゲル:ははっ・・これが死ぬ恐怖か・・・あぁ・・やっと味わえた・・・これが怖いっていう・・感情・・・か・・・・ 0:倒れるミゲル ジュリア:最後に知れて良かったな。 ロッド:そんな言い方ないだろ・・・ ジュリア:あぁ? ロッド:そんな言い方ないだろって言ってるんだ!ジュリア! 0:胸ぐらをつかむ ジュリア:離せよロッド。あたしゃ早く帰って寝たいんだ ロッド:じゃあミゲル君に謝れ! ジュリア:知るかよ。死人に口なしだ。言っても意味がねぇ。言葉の無駄だ ロッド:あの子は・・あの子は殺ししか知らなかったんだ・・これはあの子が悪いんじゃない!そういう風にさせた大人が悪いんだ・・! ジュリア:じゃあ何かぃ?ロッド、お前が代わりにあの子に優しい世界を見せてやれたってか?この裏社会にいるお前がよ。 0:手を振り払うジュリア ジュリア:あいつもあたしらと一緒なんだよ。その甘ちゃんな考え方さっさと捨てちまえ。この世界で生き残れなくなるぜ? ロッド:子供がこんな世界に来るなんて・・・ダメだ・・・ダメなんだ・・・ ジュリア:いいかロッドよく聞け! 0:ロッドの胸ぐらをつかむジュリア ジュリア:生きる死ぬを決めるのは神じゃない!あたしら人間なんだよ!あのガキも!あたしも!お前も!年齢なんて関係ない!人を一人殺した時点でいつ死んでもおかしくないんだ!それをよく覚えとけ! 0:ロッドを突き飛ばすジュリア ジュリア:お前とタッグを組んであたしはお前に全てを託したんだ!お前がそんなんになり下がるならタッグも出来ない!ガキ一人が死んだだけで落ち込むな!わかったかロッド!! ロッド:あ、あぁ・・・。 ジュリア:わかったなら顔上げて前を見ろ!今を知れ!お前が生きる理由だけ考えろ!わかったか! ロッド:わかった・・・ 0:帰りの車中 ロッド:なぁ・・ジュリア・・・ ジュリア:あ?なんだ。 ロッド:さっきは・・・その・・すまなかった・・・ ジュリア:気にすんな。あたしも熱くなってしまったしな・・・お互い様ってやつだ ロッド:あぁ・・。 ジュリア:チッ!いつまでもくよくよすんな! 0:背中をたたくジュリア ロッド:うわぁ!いった!危ない!運転中なんだから! ジュリア:あーようやく大声が出たな。 ロッド:ありがとう・・そういえばジュリア。明日も休みだっけ? ジュリア:今のところは。な。 ロッド:じゃあ、もしよかったら・・一杯だけでもいい。俺に付き合ってくれないか? ジュリア:あぁ、いいぜ。酔いつぶれるなよロッド ロッド:自分の心配をしたほうがいいよ。 ジュリア:ふっ!冗談言えるまでになったんなら余裕だろうな。 ロッド:すまないな。 ジュリア:あぁあああ!!! ロッド:びっくりした!何!?どうしたの? ジュリア:返してもらうの忘れてた!!! ロッド:返してもらう? ジュリア:ロッドに渡すように言われてたボスからもらったやつだよ! ロッド:あぁそれならほら、後ろに置いてあるだろ? ジュリア:本当だ!よかったぁ・・・またボスに怒られるところだったぜ・・・ ロッド:ちなみにそれは何なの? ジュリア:あー、あのこれはその、あれだ。ボスがお前に渡せって言ってたやつでな。お前ずっと仕事はスーツ着てるだろ? ロッド:あぁ、仕事って言えばスーツだからね ジュリア:だからこれをな。ほれ 0:ドクロのネクタイピンを渡すジュリア ロッド:ネクタイピン?え?しかもドクロって・・・ ジュリア:なんだよ!悪いかよ!人に何かあげるってしたことねぇんだよ! ロッド:え?ボスから渡せって言われたんじゃ? ジュリア:だぁあ!もういい!やらねぇ!お前にはやらねぇよ! 0:窓を開けて捨てようとするジュリア ロッド:ちょちょちょ!ダメだって!もったいない!君から何かもらうなんて初めてなんだから!もらうって! ジュリア:うるせぇ!捨てるんだよ!ボスには渡したって言っておくから! ロッド:だぁーめだって!俺にくれって! ジュリア:前見て運転しろ!あぶねぇだろ! ロッド:こうして長い一日は終わりを迎えるのであった。

ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・!! ザバス:待て!ガキぃ!!待つんだ!止まれ!この野郎が!! ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・・はぁ・・んっ・・はぁ・・! 0:とある武器屋 ジュリア:最近弾の減りがはえぇんだよなー。ボスからの支給じゃ割に合わねぇし。やっぱ自分で買うのが一番なんだよなー。そんじゃあんがとなーまた来るわ ミゲル:はぁ・・はぁ・・はぁ・・!うわぁ! ジュリア:ん?うわぁ! 0:派手にぶつかり荷物が転がる二人 ジュリア:いてて・・おい!坊主!どこに目ぇつけてやんだ! ミゲル:ご、ごめんなさい! ザバス:どこ行きやがった!ミゲル!ミゲル!! ミゲル:はっ!ご、ごめんなさい!行きます! 0:慌てて荷物をかき集め逃げ出すミゲル ジュリア:あ、おい待て!ガキ! ザバス:はぁ・・はぁ・・・!おぉ!ジュリアか! ジュリア:んぁ?誰かと思ったらザバスか。どうした? ザバス:あぁいや、ここに小さいガキが来なかったか? ジュリア:ガキ?あーなんかあたしにぶつかったガキか? ザバス:多分そのガキだ。どっちへ行った? ジュリア:あっち 0:後ろを指さすジュリア ザバス:あぁ、すまない。じゃあなデビルズキラー ジュリア:おう。 0:ロッドの家 ジュリア:つーことがあってな?ザバスが出てくる程のガキってなんなんだろうなロッド ロッド:さぁ?わからないけど・・というかそれより何でうちにいるのジュリア ジュリア:あのガキ・・白人だったな・・・この街じゃ珍しい・・・誘拐でもしてきたのか? ロッド:あ、俺の話は無視なんだね・・ザバスさんって確かこの国の奴隷商人だっけ? ジュリア:そうだ。奴隷を高値で海外へ売りさばくおっさんだ。若いのは金になるって言ってたな ロッド:へぇー、大変だね。その子供の名前は聞いたかい? ジュリア:聞いても聞いてなくても人の名前なんて覚えたくねぇ ロッド:で、もう一回聞くけど、なんでうちに来たのジュリア ジュリア:あぁ?あー、そうだったそうだった。ボスからロッドに渡しておけって言われたものがあってよ・・それが・・えっと・・ここに・・・ 0:体を触り探すジュリア ジュリア:ねぇ! ロッド:? ジュリア:どこにもねぇ!!ケツのポケットに入れておいたのに無くなってんだよ!!嘘だろ?どこで落とし・・・ 0:ぶつかったときの記憶がフラッシュバックするジュリア ジュリア:あんときだ・・・ ロッド:あんとき? ジュリア:ガキとぶつかったときだ!ぜってーあんとき落としたんだ!だぁああ!しくった!!あのガキ・・!絶対見つけて殺す! ロッド:ぶつかって落とした時っていう確証はあるの? ジュリア:当たり前だろ!あんときあたしが買った弾とかガキの荷物とか色々散漫したんだよ!ぜってぇそん時だ!それ以外ありえねぇ!! ロッド:へぇー、あ、コーヒー出来たよ。はい。 ジュリア:いらねぇよ!呑気にコーヒーなんて飲んでられっか!ちょっと取ってくるロッド! 0:慌てて出ていくジュリア ロッド:せわしないなぁ・・・というか本当、どうやってうちに入ってきたんだろう? 0:窓から風が吹く ロッド:まさか・・ね?・・・ここ四階だよ・・・?ま、いいか。休みの日まで忙しいんだなジュリアは。 ジュリア:ぜってーこの辺だよな・・ここで落として・・ガキがあっちへ逃げていって・・・ ザバス:おぉジュリアまた会ったな ジュリア:おぉザバス。さっきのガキは見つかったのか? ザバス:それが全然見当たらなくてよ・・せっかく金になる奴だったのによ・・・ ジュリア:しかしこの国で白人を見つけてくるなんてお前すげぇな。旅行に来てたガキとかか? ザバス:この国に旅行する能天気なやつぁいねぇよ。船で拾ったんだ ジュリア:船で?一人だったのか? ザバス:あぁ、多分あいつ七歳か八歳くらいのガキのくせにパソコンをカタカタいじってやがってな?チラッと見たらワールドバンクにアクセスして金取ってやがったんだ ジュリア:へぇー?最近のガキはすげぇんだな ザバス:バカか。多分ワールドバンクにつなげれるガキなんてあいつだけだっつーの。それよりも。見つけたら俺に連絡くれ。金は好きなだけやる ジュリア:あたしもあのガキに物取られたから捕まえたらあたしにも連絡くれ。ボスから預かってた大事なもんなんだ。頼むぞ 0:ロッドの家にノックの音がなる ロッド:はいはい、今日は客人が多いなぁ。誰ですかー?ってあれ?誰もいない? ミゲル:あ、下です!下! ロッド:した?うわぁ!こ、子供? ミゲル:あ、どうも初めまして。えっと貴方がロッドさんですか? ロッド:え?あ、あぁそうだけど。君は? ミゲル:僕の名前はミゲルです。ちょっと訳あって逃げてる最中で、少しここでかくまってもらえないでしょうか? ロッド:逃げてる?あぁ、ジュリアが会った子かな・・・? ミゲル:ロッド・・さん? ロッド:あ、あぁ!いいよ!ささ、どうぞどうぞ。汚い所ですがようこそ。 0:椅子に座るミゲル ロッド:あーえっと、牛乳とかジュースとかがいいかい? ミゲル:あ、いえこのコーヒーは誰か口つけましたか? ロッド:いや、出した途端に出ていっちゃってね、まだ口はつけてないよ ミゲル:じゃあこれでいいです。 0:ブラックコーヒーを飲むミゲル ロッド:な、なかなか渋いね・・・えっと、ごめんねラフな格好で。今日は休みだから私服なんだ ミゲル:あぁ、全然大丈夫です。 ロッド:なかなか肝が据わってるなこの子・・・えーっと、どうして僕の名前と家を知っていたのかな? ミゲル:調べたからです ロッド:調べた? ミゲル:えぇ、よいしょっと 0:ノートパソコンを鞄から取り出すミゲル ミゲル:掃除屋の交渉人ロッド、本名はロッド・スタング。28歳。様々なマフィアとの交渉人として結構なキャリアを持つ男性。依頼はメールでと書いてたのでメールを送りましたが一度も返信がなかった次第なので色々ハックして見つけました ロッド:あ、あぁそうなんだ。ごめんね、休みの日はパソコンもケータイも触らないからさ。それで僕にメールをしたってことは何か依頼かな? ミゲル:えぇ。僕をズヴェーダに引き渡してほしいんです。 ロッド:ズヴェーダに?まだ君子供だろ?どうして? ミゲル:ミラノさんに直接会って話がしたいと思って船に乗ってたら奴隷商人に捕まって、命からがらここまで逃げて来たんです。 ロッド:あ、そうなんだ。えっとミラノさんに会わせるのは多分出来ると思うけど僕一人でやるより、相方が居ないとなかなかご対面出来ないというか僕一人では非力というか・・・ ミゲル:相方?ジュリアという方ですか?サイトやソーシャルメディアを使って調べても名前だけで顔写真がないからわからないんですがその方にお会いできますか? ロッド:あーえっと、会えるというか・・会わない方がいいというか・・なんていうか・・・ ミゲル:お願いします!どうしてもミラノさんにお会いしたいんです!! ロッド:あーその、えっとー・・・ 0:ドアをノックする音 ロッド:ひぃっ! ジュリア:なんだロッド、女みてぇな悲鳴あげやがって!おい開けろって。お前に頼みてぇことがあんだよ! ロッド:ミゲル君、ちょっとベッドの下に隠れててくれるかな?すぐ終わらせるから・・・ごめんよ? ミゲル:はぁ・・?わかり・・ました? 0:ベッドの下に潜り込むミゲル ジュリア:なぁロッド!早く開けろって!ドア壊すぞ? 0:ドアをガチャガチャするジュリア ロッド:わかったわかったから!今開けるよ! 0:ドアを開けるロッド ロッド:はいはい、どうし・・ ジュリア:おせぇんだよ!ちゃんと今回は玄関から入ってやってんだ!すぐに開けろっての! ロッド:ごめんごめん、色々用事してたからさ。それで?どうしたの? ジュリア:あぁ、やっぱさっきのところに落ちてなかったわ。ザバスの野郎にも会ったんだがまだそのガキが捕まってなくてな? ロッド:そ、そうなんだねー。大変だねー? ジュリア:あぁ?ロッドお前・・なんだ?そんな緊張した顔してよ? ロッド:あ、あはは?そんな顔してるかなぁ? ジュリア:んんー?あ、わかった!お前、アダルトサイト見てたんだな?だから開けるの遅かったんだろ?あっはっはっは! ロッド:あ、あははは!バレてた?男だし仕方ないだろ?ささ、そういう事だから俺一人にさせてくれよ! ジュリア:ちょ、きたねぇ手であたしに触ろうとすんな!出てってやっから!30分後に帰ってくるからそれまでに済ませろよ! ロッド:わかったからジュリア!早くほら! ミゲル:ジュリア?この人がそうか・・よし・・・ 0:ベッドが動く ジュリア:ん?なんかベッド動いてんぞ?お前・・もしかして? ロッド:え、ちょ!ダメだ! ミゲル:ぷはぁ! ジュリア:あん?ガキ? ミゲル:あのジュリアさん!すみません! ジュリア:あぁー!!あんときのガキじゃねぇか!! ミゲル:え?あ!あのときぶつかったお姉さん! ジュリア:おいおいロッドぉ?これはどういうことだ?あぁ? ロッド:あぁ・・もう休みがなくったなこれは・・・はぁ・・・ 0:事情を説明するロッド ロッド:っと、まぁそういうことで、ミゲル君がミラノさんに会いたいんだってことでジュリア、君が必要なんだって事だね ジュリア:へぇ?それはわかったけど、姉御はそんな簡単に動かねぇぞ?ましてやガキ一人で動くほど暇じゃねぇんだよ ミゲル:それは重々承知の上です!ですがどうしても会ってお伝えしないといけなくて!お願いしますジュリアさん! ジュリア:いくらだ? ミゲル:え? ジュリア:わかってんだろ?うちらに仕事を頼むんだ。ガキでもそれなりに金額は必要になる。用意できるのかって聞いてんだよガキ ロッド:ちょ、ジュリア!ミゲル君は子供だよ?オトナになりなってジュリア! ジュリア:うるせぇロッド。仕事をするなら必ず対価がいる。ガキも一人でおつかいしたらお駄賃もらうだろ?それと同じだ。なぁガキよく聞けよ? ジュリア:お前が今話してるズヴェーダは裏社会のトップだ。しかもそのトップの一番偉い奴にお前は直談判したいって言ってるんだぜ?わかるだろ?それなりに金がいることはよ ミゲル:承知の上です。なのでこれを見て下さい 0:パソコンを見せるミゲル ミゲル:これはワールドバンク。僕の意思一つで国家が買える金額や億万長者になる事も出来ます。貴方の欲しい額、ズヴェーダの望む金額意のままに用意できます。これじゃだめですか? ジュリア:が、ガキ?お前が今しようとしてる事わかってんのか?国際指名手配犯になるぞ?覚悟はあんのか? 0:ミゲルの眼をじっと見るジュリア ミゲル:勿論です。ミラノさんにお会いできるなら何があっても僕は折れません。あの奴隷商人も相手にならないほどに。 ジュリア:へぇー?いうねぇ?今ここにザバスを呼んでお前をもう一回ひっとらえてもらうこともできるんだぜ?あんだけ逃げてたのに急に強気じゃねぇか ミゲル:あの時は持ち合わせと時間がなかったから仕方ないです。でも今は違います。やっとここら辺の環境に馴染めて今は冷静に行動できます ジュリア:頭で考えてる行動と実際に動ける行動は違うってわかってんのか? ミゲル:えぇ。なので僕は下準備もしっかりしておきました。 ジュリア:下準備だぁ? ミゲル:えぇ。ザバスさん?のスーツの内ポケットにGPSと小型遠隔操作爆弾を仕込んでます。エンターキーを押せばボカンです。焼夷弾並みに燃え彼は火だるまになり死にます ジュリア:ガキが人を殺せると思ってるのか? ミゲル:逆に殺人は大人だけの特権なのですか? ジュリア:・・どういうこった? ミゲル:気にならないんですか?なぜ僕が一人でいるのか・・・ ジュリア:あぁ? ロッド:殺してきたんだね・・・ ミゲル:えぇ。この国へ向かう前に。僕の親族は全員根絶やしにしてきました。 ジュリア:あぁ? ロッド:これだよジュリア 0:新聞を渡すと見出しに一家虐殺殺人か!?と書かれてる ジュリア:これ・・まさかお前がやったのか? ミゲル:えぇ。なんなら殺した手順、順番全て覚えていますよ。お伝えしましょうか? ジュリア:いや、いい。わかった。いいだろう。ロッド車出せるか? ロッド:え?あぁ出せるけど会いに行くの? ジュリア:あぁ、このガキ、目が本物だ。こいつは猟奇だな。 ミゲル:それで?あの奴隷商人はどうしますか?この国は法律がお飾りだからとはいえ奴隷商は全国的にもアウトですよね。 ジュリア:そのスイッチ貸せ ミゲル:どうぞ。 ジュリア:これはあたしが預かる。お前はこれ以上人を殺すな。それと、今から姉御に会わせてやるが一つだけ約束しろ。それが無理なら今この場でお前を殺す ミゲル:なんでしょう?守れる範囲は全て守ります。 ジュリア:姉御に少しでも変な態度、殺意を見せたらその時点であたしが脳天をぶち抜く。猟奇殺人者。 ミゲル:・・・。わかりました。 ロッド:車持ってきたよーさ、二人とも行くよ 0:車に乗り込む三人 ジュリア:なぁロッド先にザバスのいる酒場へ行ってくれ ロッド:あ、あぁ 0:夕陽の赤さをはねのけるほどのネオンライトが眩しい酒場 ジュリア:あ、いたいた。よぉザバス! ザバス:おぉー!待っていたぜジュリア!それで?見つかったのか? ジュリア:見つけたことには見つけたがあたしが殺した。 ザバス:殺しただと!?うちの商品を殺したのか!? ジュリア:騒ぐなよザバス。商品登録もしてねぇだろまだ。それで罪滅ぼしと言ってはなんだが、お前が安心していけるように色々考えたんだ ザバス:どういうことだ? ジュリア:あたしは前々からお前みたいなペドフィリア大嫌いだったんだ。だから死ね。 ザバス:ちょちょ!ちょっと待ってくれよジュリア!俺はあんたに何も迷惑かけてないだろ!それに!うちはお前のとこの大事な取引相手ってことを忘れたのか? ジュリア:安心しな。あたしが殺したってわかんないようにして殺してやるからよ ザバス:待て待て!本当に待ってくれ!俺はなんでお前に殺されるんだ!理由もなく死ねるかってんだよ! ジュリア:あんたがうちの会社に迷惑をこうむっているのは知ってんだよ。ブラックリストに載ってるがお前を殺すように前々から頼まれてたしな。ボスがお前を可愛がってないのを知らねぇのか? ザバス:あ・・あのことか!!すまない! ジュリア:それにうちの部下に高利貸しをして返せないならと言ってお前が販売してる裏ビデオに出演させたり。気付いてないと思ってるのか?だとしたらお前は相当馬鹿だな ザバス:そ、それは!それは!! ジュリア:それじゃあなザバス。お前の会社、今日で終わりだな。 0:スイッチを押すとザバスが全身燃えていく ザバス:うわぁああああ!あづいぃいい!たすけてくれぇえええ!! ジュリア:・・・。えげつないな・・・さてと、行くとするか 0:車に戻るジュリア ジュリア:待たせたな。 ロッド:・・・。あぁ。それじゃ行こうか ミゲル:どうでした?僕の遠隔操作型の着火装置は ジュリア:・・・。 ミゲル:凄い炎が出たでしょう?燃えて助けを求めるところなんてまさにクズの象徴ですよね!あはは! ジュリア:貴様ッ! 0:掴みかかろうとするジュリア ロッド:やめろ!! 0:大声で止めるロッド ジュリア:ロッ・・ド・・・ ロッド:ミゲル君、君は狂っている! ミゲル:それはわかっていることですロッドさん ロッド:いや!わかってない!いいかミゲル君・・・君はまだ子供なんだ・・子供は子供らしい生き方をするのが普通なんだ・・・でも、君はもう沢山人を殺してきた・・ ミゲル:何が言いたいんですか?僕に悪魔が宿っているとでもいいたいのですか? ロッド:違う!一度道を間違えた大人は元に戻る事が難しい・・・現に僕もジュリアもたくさんの人を殺してきた。もう普通の道に戻るのは無理だろう・・・ ロッド:でも君はまだ子供だ!いくらでも更生することはできるんだ!人を殺して笑うな!家族を殺すのもおかしい!それに・・ ミゲル:事情も知らないくせに!僕を説教するな!!! ロッド:なに・・・ ミゲル:僕がなんで家族を殺したか!理由も知らないのに知ったような口で僕を諭すな!はぁ・・はぁ・・ ジュリア:そうだぜロッド・・・他人の生き方に口を出すな。ほら車を出せ ロッド:でも・・・ ジュリア:でももへったくれもねぇ!早く出せって言ってんだ ロッド:う・・うん・・・ 0:走行中 ジュリア:なぁガキ・・・ ミゲル:なんですかジュリアさん ジュリア:あたしが初めて人を殺したのは10歳の時だ。それは今でも覚えている。 ロッド:・・・。 ジュリア:あたしの親は離婚してな。あたしは父親に育てられてたんだ。でも父親が10歳の時あたしを襲ってきた。その時近くに会ったナイフでめった刺しにしたんだ ミゲル:だからどうしたんですか ジュリア:あたしは人を殺すとき、殺す相手に何か思いがないと殺せない。父親は恨みがあり、さっきのザバスは会社の意図で。だがお前は違う。ただの快楽殺人だ ミゲル:あの奴隷商人は僕を売ろうとしたんですよ?十分殺す理由があるでしょう?快楽ではないはずですが? ジュリア:じゃあ殺した後、お前は何を思う? ミゲル:思う?死人に対して思う事なんて何一つないでしょう?それにまだ子供ですから深い感情なんて持ち合わせていませんね ジュリア:それは嘘だな。お前はただ隠しているだけだ。自分というのをな。ロッド、そこを右に曲がれ ロッド:え?いいけど曲がったら・・・ ジュリア:いいんだ。曲がってくれ ロッド:あ、あぁ・・・ 0:右へ曲がり進むと船着場に着く ミゲル:ここは? ジュリア:見てわかんねぇのか?船着場だ。 ミゲル:それはわかります。なぜここに?ミラノさんに会わせてくれるんですか? ジュリア:姉御は用心深いからな。ただのガキ一人でも用心棒を連れてくる程だ。今回は逃げれないように船の上で会うって言ってるぜ。さ、乗りな ミゲル:・・・。嘘なら僕はあなた方二人を殺しますよ ジュリア:ま、嘘でも本当でも船にのりゃ全てわかることだ。 ジュリア:あたしらはここで待ってる。 ロッド:ちょ・・これは・・・ ジュリア:ロッド!いいんだよ。姉御の命令だ。 ロッド:う・・うん・・・やっぱり俺は車で待っておくよ・・・ ジュリア:ダメだ!ロッド!この世界の掟はちゃんと見ておけ。 0:船の上に立つミゲル ジュリア:姉御から電話だ・・・もしもし。あぁ今ガキは船の上に立ってる。どうせ姉御の部下が見てんだろ? ミゲル:ここからどうしたらいいんですかジュリアさん ジュリア:あぁ・・ああ。ガキ!お前が姉御に会いたい理由を言え! ミゲル:あなた方の前では言えないことです! ジュリア:安心しろ!もう姉御は見ている!言いたい事を言え! ミゲル:・・・。ミラノさん!貴方の顔を直接見たかったですが今日はダメみたいですね!やはり直談判じゃないと言いません。今日は帰ります! ロッド:降りちゃだめだ!ミゲル君! ミゲル:え? 0:船から降りた右足を撃たれるミゲル ミゲル:あっ!ぐぁあああ!! ロッド:ミゲル君! ジュリア:行くな!ロッド! ロッド:でも!このままじゃ! ジュリア:ここより先はズヴェーダのルールだ。あたしたちが出る幕はねぇんだ。 ロッド:くっ・・・ ミゲル:はぁ・・はぁ・・・ 0:足を抑えたまま船に戻るミゲル ミゲル:いやだ・・まだ・・まだ死にたくない・・・止まってくれ・・・止まれ・・・止まれよぉおお ジュリア:もう一度聞く!お前が姉御に会いたい理由を言え! ミゲル:うぅ・・うぅう・・・僕は・・僕は・・・・ ロッド:早く言うんだ!君はまだ死ぬ運命じゃない!必ず俺が助けるから!早く言うんだ! ジュリア:・・・無駄だぜロッド。もうあいつは今日死ぬ運命だ。 ロッド:どういうこと・・・だ? ジュリア:今姉御から聞いた。あいつはあの若さで裏社会にいる奴らを一人で何百と殺してきたそうだ ロッド:そんな・・・ ジュリア:姉御はあのガキを殺すように言ってやがる。もうあたしらが出る幕じゃないそうだ。 ミゲル:フー・・フー・・・ミラノ・・・ミラノぉ!!貴方に会って!僕が直接あなたを殺したかった!それだけだ!!早く!会わせるん・・・ 0:頭を撃たれるミゲル ロッド:ミゲル君!!ミゲルくーん!!! ミゲル:ははっ・・これが死ぬ恐怖か・・・あぁ・・やっと味わえた・・・これが怖いっていう・・感情・・・か・・・・ 0:倒れるミゲル ジュリア:最後に知れて良かったな。 ロッド:そんな言い方ないだろ・・・ ジュリア:あぁ? ロッド:そんな言い方ないだろって言ってるんだ!ジュリア! 0:胸ぐらをつかむ ジュリア:離せよロッド。あたしゃ早く帰って寝たいんだ ロッド:じゃあミゲル君に謝れ! ジュリア:知るかよ。死人に口なしだ。言っても意味がねぇ。言葉の無駄だ ロッド:あの子は・・あの子は殺ししか知らなかったんだ・・これはあの子が悪いんじゃない!そういう風にさせた大人が悪いんだ・・! ジュリア:じゃあ何かぃ?ロッド、お前が代わりにあの子に優しい世界を見せてやれたってか?この裏社会にいるお前がよ。 0:手を振り払うジュリア ジュリア:あいつもあたしらと一緒なんだよ。その甘ちゃんな考え方さっさと捨てちまえ。この世界で生き残れなくなるぜ? ロッド:子供がこんな世界に来るなんて・・・ダメだ・・・ダメなんだ・・・ ジュリア:いいかロッドよく聞け! 0:ロッドの胸ぐらをつかむジュリア ジュリア:生きる死ぬを決めるのは神じゃない!あたしら人間なんだよ!あのガキも!あたしも!お前も!年齢なんて関係ない!人を一人殺した時点でいつ死んでもおかしくないんだ!それをよく覚えとけ! 0:ロッドを突き飛ばすジュリア ジュリア:お前とタッグを組んであたしはお前に全てを託したんだ!お前がそんなんになり下がるならタッグも出来ない!ガキ一人が死んだだけで落ち込むな!わかったかロッド!! ロッド:あ、あぁ・・・。 ジュリア:わかったなら顔上げて前を見ろ!今を知れ!お前が生きる理由だけ考えろ!わかったか! ロッド:わかった・・・ 0:帰りの車中 ロッド:なぁ・・ジュリア・・・ ジュリア:あ?なんだ。 ロッド:さっきは・・・その・・すまなかった・・・ ジュリア:気にすんな。あたしも熱くなってしまったしな・・・お互い様ってやつだ ロッド:あぁ・・。 ジュリア:チッ!いつまでもくよくよすんな! 0:背中をたたくジュリア ロッド:うわぁ!いった!危ない!運転中なんだから! ジュリア:あーようやく大声が出たな。 ロッド:ありがとう・・そういえばジュリア。明日も休みだっけ? ジュリア:今のところは。な。 ロッド:じゃあ、もしよかったら・・一杯だけでもいい。俺に付き合ってくれないか? ジュリア:あぁ、いいぜ。酔いつぶれるなよロッド ロッド:自分の心配をしたほうがいいよ。 ジュリア:ふっ!冗談言えるまでになったんなら余裕だろうな。 ロッド:すまないな。 ジュリア:あぁあああ!!! ロッド:びっくりした!何!?どうしたの? ジュリア:返してもらうの忘れてた!!! ロッド:返してもらう? ジュリア:ロッドに渡すように言われてたボスからもらったやつだよ! ロッド:あぁそれならほら、後ろに置いてあるだろ? ジュリア:本当だ!よかったぁ・・・またボスに怒られるところだったぜ・・・ ロッド:ちなみにそれは何なの? ジュリア:あー、あのこれはその、あれだ。ボスがお前に渡せって言ってたやつでな。お前ずっと仕事はスーツ着てるだろ? ロッド:あぁ、仕事って言えばスーツだからね ジュリア:だからこれをな。ほれ 0:ドクロのネクタイピンを渡すジュリア ロッド:ネクタイピン?え?しかもドクロって・・・ ジュリア:なんだよ!悪いかよ!人に何かあげるってしたことねぇんだよ! ロッド:え?ボスから渡せって言われたんじゃ? ジュリア:だぁあ!もういい!やらねぇ!お前にはやらねぇよ! 0:窓を開けて捨てようとするジュリア ロッド:ちょちょちょ!ダメだって!もったいない!君から何かもらうなんて初めてなんだから!もらうって! ジュリア:うるせぇ!捨てるんだよ!ボスには渡したって言っておくから! ロッド:だぁーめだって!俺にくれって! ジュリア:前見て運転しろ!あぶねぇだろ! ロッド:こうして長い一日は終わりを迎えるのであった。