台本概要

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タイトル 1本のかけうどん
作者名 はちゃろ  (@hacharo0707)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(不問3)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 雪山で遭難したワンダーフォーゲル部員達
山小屋に閉じ込められて7日目
外は猛吹雪、救助を待つか、山を降りるか、選択を迫られた中、3人が出した答えとは?

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ユタカ部長 不問 37 ユタカ部長 自意識過剰、わがままで寂しがり屋
アキラ先輩 不問 24 アキラ先輩 優しい、お節介な性格、ユタカとは親友
シンジ部員 不問 - シンジ部員 しっかりもので好奇心旺盛、部長に憧れている…
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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題名 1本のかけうどん 登場人物 ユタカ部長 自意識過剰、わがままで寂しがり屋 アキラ先輩 優しい、お節介な性格、ユタカとは親友 シンジ部員 しっかりもので好奇心旺盛、部長に憧れている… 作品内容 雪山で遭難したワンダーフォーゲル部員達 山小屋に閉じ込められて7日目 外は猛吹雪、救助を待つか、山を降りるか、選択を迫られた中、3人が出した答えとは? 本編 ユタカ部長:んで?どうする? アキラ先輩:…どうもこうも…この吹雪じゃ止むまで待つしかないだろう? シンジ部員:そうですね…下手に動いて、また遭難したら…今度は間違いなくあの世行きですからね… ユタカ部長:…お前らなに言ってんだ?…俺が言ってるのは、この最後の食料の『1本のかけうどん』を誰が食べるのか?て事だよっ!まったくっ! アキラ先輩:………… シンジ部員:………… ユタカ部長:なんだよ…お前ら…何黙ってんだよ? アキラ先輩:あのな〜ユタカ、なんで俺達がこんな雪山で遭難する事になったのか?お前わかってんのか? シンジ部員:はあ〜… ユタカ部長:ん?…なんでって?そりゃ〜雪山に登ってる途中に吹雪にあって…動けなくなって…偶然見つけた…山小屋に避難した…違ったか? シンジ部員:…あってます…あってますよっ!…あってますけど…はあ〜… アキラ先輩:シンジ…ホンットにすまないっ!ユタカっ!お前もシンジに謝れって! ユタカっ:今、謝ってどうなる?…それで空腹が満たされるなら、俺はいくらでも謝ってやるっ! アキラ先輩:ユタカっ!お前な〜! シンジ部員:アキラ先輩…もういいですよ…それに今はそんな事よりも…この先の事を考えないと… ユタカ部長:偉いっ!よく言ったっ!シンジっ!それでこそ山男だっ! ユタカ部長:どっかの誰がさんみたいに謝るだとか?そんな小さな事よりも、今この空腹をどうするか? ユタカ部長:そして、何よりこの目の前の、最後の食料である『1本のかけうどん』を誰が食うか?という非常に重要な問題の方が遥かに議論する点ではないかね?アキラ君? アキラ先輩:ユタカ…お前にだけは小さな事とか言われたくないわっ!そもそもお前が1週間に分けた食料を、俺とシンジの目を盗んで3日で食べたのが原因だろーがっ! シンジ部員:アキラ先輩…あんまり怒ると体力を無駄に消耗しますよ… ユタカ部長:ほらみろっアキラっ!シンジの言う通りだ!少しは見習ったらどうだ? アキラ先輩:だからお前が言うなっ!それにシンジを見習うのはユタカの方だろっ!仮にもこの部の部長だろっ!? シンジ部員:アキラ先輩…言うだけ無駄ですよ…しかしホントお腹空きましたね…もう3日も水だけで何も食べてないですし… ユタカ部長:そうだっ、アキラも腹が減ってるからカリカリするんだっ、少しはシンジみたいに、周りの状況を冷静に判断しろっ アキラ先輩…お、おまえ…ホンットっ!よくそういう言葉が出てくるな〜!お前の山男姿に憧れて、入部してくれたシンジの前で恥ずかしくないのかっ? シンジ部員:…ああ〜…カッコよかったな〜…あの日のユタカ部長は…(遠い目で) 回想シーン(大学の新入部員歓迎会) ユタカ部長:いいかっ!お前らっ!よく聞けっ!雪山で遭難しない為の3つの心得を今から教えてやるっ! ユタカ部長:まず1つ、『余裕のあるプランニングをする事』 ユタカ部長:凍結や積雪(せきせつ)で登山道の状況は刻一刻と変化する!さらにアイゼンやスノーシューを用いた歩行を強(し)いられるために、行動時間は夏山と比べると長くなりがちだっ!そして、日没までの時間も早いため、ゆとりのある登山計画を立てる必要がある! ユタカ部長:その2、『雪崩(なだれ)・ホワイトアウト対策』 ユタカ部長:雪崩(なだれ)が発生しやすい場所を事前に調べること。その場所に立ち入らない、もしくは長時間とどまらないことが重要だっ! そして、ホワイトアウトが起こりそうかどうかは、事前の天候確認の徹底や、リサーチが欠かせないっ!万が一、そのような場面に遭遇した場合は、無理に動かず、天候の回復を待ってから行動する事っ! ユタカ部長:そして3つめっ!『登山届(計画書)と山岳保険に入る事』 ユタカ部長:滑落(かつらく)や遭難など、山中で万が一、救助が必要になった場合、登山届があれば捜索(そうさく)範囲が絞(しぼ)られ、救援活動を効率的に行いやすくなる。また、救助にはヘリコプターなどが出動することが多く、その費用は数十万にもなる事から、絶対に雪山に登るなら山岳保険に入らないとダメだぞっ! ユタカ部長:な〜にっ大丈夫だっ!部員のお前達の事は、部長であるこの俺が、命に変えても守ってやるっ!ふんっ!(ニカッと笑う) (回想終了) シンジ部員:あの時の…あの部長の言葉…信じた僕が馬鹿でした… アキラ先輩:…シンジ…こんな利口で大人しいヤツに、ここまで言わせるとはっ…ユタカお前ってヤツは… ユタカ部長:名前がシンジなだけに、あの言葉を信じてしまったか…哀れな山男だな… アキラ先輩:ああ〜!もうダメだっ!やっぱりコイツ殴りて〜! ユタカ部長:まあ、まて…私とて無策な訳では無い… シンジ部員:え? アキラ先輩:何か策はあるのか? ユタカ部長:あると言えばある…しかし、ないと言えばないな… アキラ先輩:どっちなんだよっ!あるのか?ないのか?ハッキリしろっ! ユタカ部長:あるっ!にはある!しかしこの策だけは使いたくなかった… シンジ部員:それはどんな策なんですか?言ってくださいっ!部長っ! ユタカ部長:うむ…俺が救助を求めに雪山を降りるっ! アキラ先輩:!!…ユタカっ…やっとお前にも、まともな人間としての感情が芽生えたかっ! シンジ部員:さっすがは部長っ!僕達のために…自らの行動で示すんですねっ! ユタカ部長:ははっ…みなまで言うな…、照れくさいではないかっ…はっはっはっ! アキラ先輩:ユタカ〜!見直したぜっ!それでこそ、俺達のワンダーホーゲル部の部長っ!俺のマブダチだぜっ! ユタカ部長:諸君!ありがとうっ!じゃあ食うぞっ! シンジ部員:…え?…まさか… アキラ先輩:ん?…お前…もしかして…うどん食いたさにそんな事いったのか? ユタカ部長:腹が減っては雪山も降りられぬ!っだっ、わかってくれるなっ!お前達っ! シンジ部員:ええ〜!…僕だってお腹減って我慢してるのにっ… アキラ先輩:やっぱりそうなんだなっ!食わせるわけねーだろっ!よこせっ! ユタカ部長:おわっ!やめろっ!アキラっ!俺がうどんを食って救助を求めに行くって言ってるだろっ! シンジ部員:もう騙されませんよ!うどんは返してもらいますっ! ユタカ部長:シンジろ〜!お前はシンジだろっ! シンジ部員:名前がシンジなだけですよっ!部長を信じたばっかりに遭難したんですよっ!アレだけ雪山は準備が必要だっ!て言っといて『俺を信じろ!』て言うだけで、何の下調べも、用意も、山岳保険にも入ってなかった…そんな部長のどこを信じろっていうんですかっ! アキラ先輩:…ついに…シンジが切れた… シンジ部員:大体!食料も僕やアキラ先輩の分まで食べちゃうし、山小屋だって僕が見つけなかったら、あの雪崩(なだれ)に巻き込まれるとこだったんですからねっ! ユタカ部長:お前に雪山の怖さを教えたかったんだよっ!雪崩(なだれ)やホワイトアウトを知らないって言うから、来るポイントをわざわざリサーチして連れて来てやったのに… シンジ部員:おかげさまで危(あや)うく死ぬとこでしたよっ!それに生で見たいなんて…誰も言ってませんよっ! アキラ先輩:まあまあ…シンジ…落ち着け…怒ると無駄に体力を消耗するぞ?…なっ? シンジ部員:アキラ先輩もよくこんな部長と一緒にいられますよね?…それに、そのうどんだって僕のリュックサックから出てきたんですからねっ!返してくださいよっ! ユタカ部長:あっ…おいっ…助かりたくないのか?俺が救助を求めに雪山を降りないとっ、誰も助からないんだぞっ! シンジ部員:ならっ!僕が行きますっ!(扉を開けようとする) アキラ先輩:おいっ!シンジっ!待てって ユタカ部長:早まるなっ!シンジっ!そして、うどんを置いていけ〜! (全員で外にでる) しばらく間を開ける シンジ部員:……あ、吹雪が止んでる… アキラ先輩:…お…いつのまに… ユタカ部長:おおー!雲の間からお天道様が顔出してらー!はははっ! シンジ部員:あ、そうだっ!携帯っ!…ああ〜!良かったっ!電波が立ってますよっ! これで救助を呼べますよっ!! アキラ先輩:はあ〜…助かったか〜! ユタカ部長:ほらみろっ!やっぱり動かなくて正解だったろ? アキラ先輩:ユタカ…お前は無事に雪山降りたら、俺がシンジの分まで殴るからなっ! ユタカ部長:ええ〜!なんで〜!もういいじゃん!助かったんだしさ〜!ねえ〜シンジく〜ん、アキラさ〜ん!(泣く) シンジ部員:…あははっ、なんか色々あり過ぎてお腹減りましたね!…このうどんは皆で食べませんか? ユタカ部長:さっすがはシンジ君っ!いや、シンジ様っ!マジ神っ! アキラ先輩:もうお前は黙ってろっ!…いいのか?シンジ… シンジ部員:ええっ、共に過酷な雪山遭難を生き抜いた…言わば僕達は同士ですっ! ユタカ部長:よく言った!それでこそ、我がワンダーフォーゲル部の部員、ひいては未来の部長候補だっ! シンジ部員:…あはは…嬉しくないですが… ユタカ部長:うしっ!なら?うどんで乾杯と行こうかっ!なっ?アキラっ アキラ先輩:たくっ、ユタカはホント調子いいなっ!じゃあ遠慮なく、食べるとするかっ! シンジ部員:はいっ! 全員:いただきまーす!(もぐもぐタイム) ユタカ部長:…あ アキラ先輩:…あ シンジ部員:…あ 全員:…のびてる… ~完~

題名 1本のかけうどん 登場人物 ユタカ部長 自意識過剰、わがままで寂しがり屋 アキラ先輩 優しい、お節介な性格、ユタカとは親友 シンジ部員 しっかりもので好奇心旺盛、部長に憧れている… 作品内容 雪山で遭難したワンダーフォーゲル部員達 山小屋に閉じ込められて7日目 外は猛吹雪、救助を待つか、山を降りるか、選択を迫られた中、3人が出した答えとは? 本編 ユタカ部長:んで?どうする? アキラ先輩:…どうもこうも…この吹雪じゃ止むまで待つしかないだろう? シンジ部員:そうですね…下手に動いて、また遭難したら…今度は間違いなくあの世行きですからね… ユタカ部長:…お前らなに言ってんだ?…俺が言ってるのは、この最後の食料の『1本のかけうどん』を誰が食べるのか?て事だよっ!まったくっ! アキラ先輩:………… シンジ部員:………… ユタカ部長:なんだよ…お前ら…何黙ってんだよ? アキラ先輩:あのな〜ユタカ、なんで俺達がこんな雪山で遭難する事になったのか?お前わかってんのか? シンジ部員:はあ〜… ユタカ部長:ん?…なんでって?そりゃ〜雪山に登ってる途中に吹雪にあって…動けなくなって…偶然見つけた…山小屋に避難した…違ったか? シンジ部員:…あってます…あってますよっ!…あってますけど…はあ〜… アキラ先輩:シンジ…ホンットにすまないっ!ユタカっ!お前もシンジに謝れって! ユタカっ:今、謝ってどうなる?…それで空腹が満たされるなら、俺はいくらでも謝ってやるっ! アキラ先輩:ユタカっ!お前な〜! シンジ部員:アキラ先輩…もういいですよ…それに今はそんな事よりも…この先の事を考えないと… ユタカ部長:偉いっ!よく言ったっ!シンジっ!それでこそ山男だっ! ユタカ部長:どっかの誰がさんみたいに謝るだとか?そんな小さな事よりも、今この空腹をどうするか? ユタカ部長:そして、何よりこの目の前の、最後の食料である『1本のかけうどん』を誰が食うか?という非常に重要な問題の方が遥かに議論する点ではないかね?アキラ君? アキラ先輩:ユタカ…お前にだけは小さな事とか言われたくないわっ!そもそもお前が1週間に分けた食料を、俺とシンジの目を盗んで3日で食べたのが原因だろーがっ! シンジ部員:アキラ先輩…あんまり怒ると体力を無駄に消耗しますよ… ユタカ部長:ほらみろっアキラっ!シンジの言う通りだ!少しは見習ったらどうだ? アキラ先輩:だからお前が言うなっ!それにシンジを見習うのはユタカの方だろっ!仮にもこの部の部長だろっ!? シンジ部員:アキラ先輩…言うだけ無駄ですよ…しかしホントお腹空きましたね…もう3日も水だけで何も食べてないですし… ユタカ部長:そうだっ、アキラも腹が減ってるからカリカリするんだっ、少しはシンジみたいに、周りの状況を冷静に判断しろっ アキラ先輩…お、おまえ…ホンットっ!よくそういう言葉が出てくるな〜!お前の山男姿に憧れて、入部してくれたシンジの前で恥ずかしくないのかっ? シンジ部員:…ああ〜…カッコよかったな〜…あの日のユタカ部長は…(遠い目で) 回想シーン(大学の新入部員歓迎会) ユタカ部長:いいかっ!お前らっ!よく聞けっ!雪山で遭難しない為の3つの心得を今から教えてやるっ! ユタカ部長:まず1つ、『余裕のあるプランニングをする事』 ユタカ部長:凍結や積雪(せきせつ)で登山道の状況は刻一刻と変化する!さらにアイゼンやスノーシューを用いた歩行を強(し)いられるために、行動時間は夏山と比べると長くなりがちだっ!そして、日没までの時間も早いため、ゆとりのある登山計画を立てる必要がある! ユタカ部長:その2、『雪崩(なだれ)・ホワイトアウト対策』 ユタカ部長:雪崩(なだれ)が発生しやすい場所を事前に調べること。その場所に立ち入らない、もしくは長時間とどまらないことが重要だっ! そして、ホワイトアウトが起こりそうかどうかは、事前の天候確認の徹底や、リサーチが欠かせないっ!万が一、そのような場面に遭遇した場合は、無理に動かず、天候の回復を待ってから行動する事っ! ユタカ部長:そして3つめっ!『登山届(計画書)と山岳保険に入る事』 ユタカ部長:滑落(かつらく)や遭難など、山中で万が一、救助が必要になった場合、登山届があれば捜索(そうさく)範囲が絞(しぼ)られ、救援活動を効率的に行いやすくなる。また、救助にはヘリコプターなどが出動することが多く、その費用は数十万にもなる事から、絶対に雪山に登るなら山岳保険に入らないとダメだぞっ! ユタカ部長:な〜にっ大丈夫だっ!部員のお前達の事は、部長であるこの俺が、命に変えても守ってやるっ!ふんっ!(ニカッと笑う) (回想終了) シンジ部員:あの時の…あの部長の言葉…信じた僕が馬鹿でした… アキラ先輩:…シンジ…こんな利口で大人しいヤツに、ここまで言わせるとはっ…ユタカお前ってヤツは… ユタカ部長:名前がシンジなだけに、あの言葉を信じてしまったか…哀れな山男だな… アキラ先輩:ああ〜!もうダメだっ!やっぱりコイツ殴りて〜! ユタカ部長:まあ、まて…私とて無策な訳では無い… シンジ部員:え? アキラ先輩:何か策はあるのか? ユタカ部長:あると言えばある…しかし、ないと言えばないな… アキラ先輩:どっちなんだよっ!あるのか?ないのか?ハッキリしろっ! ユタカ部長:あるっ!にはある!しかしこの策だけは使いたくなかった… シンジ部員:それはどんな策なんですか?言ってくださいっ!部長っ! ユタカ部長:うむ…俺が救助を求めに雪山を降りるっ! アキラ先輩:!!…ユタカっ…やっとお前にも、まともな人間としての感情が芽生えたかっ! シンジ部員:さっすがは部長っ!僕達のために…自らの行動で示すんですねっ! ユタカ部長:ははっ…みなまで言うな…、照れくさいではないかっ…はっはっはっ! アキラ先輩:ユタカ〜!見直したぜっ!それでこそ、俺達のワンダーホーゲル部の部長っ!俺のマブダチだぜっ! ユタカ部長:諸君!ありがとうっ!じゃあ食うぞっ! シンジ部員:…え?…まさか… アキラ先輩:ん?…お前…もしかして…うどん食いたさにそんな事いったのか? ユタカ部長:腹が減っては雪山も降りられぬ!っだっ、わかってくれるなっ!お前達っ! シンジ部員:ええ〜!…僕だってお腹減って我慢してるのにっ… アキラ先輩:やっぱりそうなんだなっ!食わせるわけねーだろっ!よこせっ! ユタカ部長:おわっ!やめろっ!アキラっ!俺がうどんを食って救助を求めに行くって言ってるだろっ! シンジ部員:もう騙されませんよ!うどんは返してもらいますっ! ユタカ部長:シンジろ〜!お前はシンジだろっ! シンジ部員:名前がシンジなだけですよっ!部長を信じたばっかりに遭難したんですよっ!アレだけ雪山は準備が必要だっ!て言っといて『俺を信じろ!』て言うだけで、何の下調べも、用意も、山岳保険にも入ってなかった…そんな部長のどこを信じろっていうんですかっ! アキラ先輩:…ついに…シンジが切れた… シンジ部員:大体!食料も僕やアキラ先輩の分まで食べちゃうし、山小屋だって僕が見つけなかったら、あの雪崩(なだれ)に巻き込まれるとこだったんですからねっ! ユタカ部長:お前に雪山の怖さを教えたかったんだよっ!雪崩(なだれ)やホワイトアウトを知らないって言うから、来るポイントをわざわざリサーチして連れて来てやったのに… シンジ部員:おかげさまで危(あや)うく死ぬとこでしたよっ!それに生で見たいなんて…誰も言ってませんよっ! アキラ先輩:まあまあ…シンジ…落ち着け…怒ると無駄に体力を消耗するぞ?…なっ? シンジ部員:アキラ先輩もよくこんな部長と一緒にいられますよね?…それに、そのうどんだって僕のリュックサックから出てきたんですからねっ!返してくださいよっ! ユタカ部長:あっ…おいっ…助かりたくないのか?俺が救助を求めに雪山を降りないとっ、誰も助からないんだぞっ! シンジ部員:ならっ!僕が行きますっ!(扉を開けようとする) アキラ先輩:おいっ!シンジっ!待てって ユタカ部長:早まるなっ!シンジっ!そして、うどんを置いていけ〜! (全員で外にでる) しばらく間を開ける シンジ部員:……あ、吹雪が止んでる… アキラ先輩:…お…いつのまに… ユタカ部長:おおー!雲の間からお天道様が顔出してらー!はははっ! シンジ部員:あ、そうだっ!携帯っ!…ああ〜!良かったっ!電波が立ってますよっ! これで救助を呼べますよっ!! アキラ先輩:はあ〜…助かったか〜! ユタカ部長:ほらみろっ!やっぱり動かなくて正解だったろ? アキラ先輩:ユタカ…お前は無事に雪山降りたら、俺がシンジの分まで殴るからなっ! ユタカ部長:ええ〜!なんで〜!もういいじゃん!助かったんだしさ〜!ねえ〜シンジく〜ん、アキラさ〜ん!(泣く) シンジ部員:…あははっ、なんか色々あり過ぎてお腹減りましたね!…このうどんは皆で食べませんか? ユタカ部長:さっすがはシンジ君っ!いや、シンジ様っ!マジ神っ! アキラ先輩:もうお前は黙ってろっ!…いいのか?シンジ… シンジ部員:ええっ、共に過酷な雪山遭難を生き抜いた…言わば僕達は同士ですっ! ユタカ部長:よく言った!それでこそ、我がワンダーフォーゲル部の部員、ひいては未来の部長候補だっ! シンジ部員:…あはは…嬉しくないですが… ユタカ部長:うしっ!なら?うどんで乾杯と行こうかっ!なっ?アキラっ アキラ先輩:たくっ、ユタカはホント調子いいなっ!じゃあ遠慮なく、食べるとするかっ! シンジ部員:はいっ! 全員:いただきまーす!(もぐもぐタイム) ユタカ部長:…あ アキラ先輩:…あ シンジ部員:…あ 全員:…のびてる… ~完~