台本概要

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タイトル お嬢様の休日
作者名 涼哉(すずや)  (@suzuya_colorful)
ジャンル コメディ
演者人数 4人用台本(男2、女2)
時間 50 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある声劇サイトに載せていたものをアップしました。
コメディよりの台本です。たぶん。4人の男女がわちゃわちゃしている話。

とあるお嬢様には秘密がある。
それは「男装」。その秘密を知るのは女執事の「冨山」のみ。
息抜きのつもりで始めた男装を通して友人ができ、度々遊ぶようになった。
女であること、とある財閥のご令嬢のことは秘密にしつつ遊ぶ中。
友人の兄が出てきたり、ちょっと危ない目にあったりと
ハラハラ、ドキドキッ、、、、はあまり感じなかったらごめんなさいー

楽しく演じていただければ幸いです。
ただし、話の流れを変えてしまうアドリブは禁止。
性別転換も基本なしでお願いします。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
真紅 91 吉川真紅(よしかわ まこと) 女性。吉川財閥の一人娘、16歳。 女学院に通っており、学院内ではお淑やかで笑顔がとても似合うと評判。 その為か友達と言える子は出来ていない。 友達を作りたいのに引っ込み思案で、なかなか自分から声を掛けられず。そんな自分の事があまり好きでは無い。 休日は息抜きも兼ねて、男装し出かけている。その趣味を知っているのは執事(女)だた一人。
冨山 101 冨山紫音(とみやま しおん) 女性執事、21歳。主に真紅の執事である。 真琴の男装趣味を唯一知っている人物。落ち着いた性格でしっかり者だが心配性。 真紅が男装して出掛ける際は『姉』として行動を共にする。
圭太 77 佐野圭太(さの けいた) 男性、16歳。両親譲りで喧嘩が強く、中学時代から不良として少し有名だが普通の家庭に住む普通の男子高校生だ。 心優しく、人助けなども積極的で近所のおじちゃんとおばちゃん達からは人気者。喧嘩も人助けしようとした流れで そのまま喧嘩に発展するだけで、自分からは手を出さない。
82 佐野 炎(さの ほむら) 男性、27歳。圭太の兄。 オネエだがカリスマ美容師として有名で、モデルなどの有名人のヘアスタイルも担当することも多々ある。 実は親譲りで喧嘩も強いらしい… 家族が大好きで、弟の圭太を可愛がっている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:配役マーカー用 真紅:吉川真紅(よしかわ まこと) 真紅:女性。吉川財閥の一人娘、16歳。 真紅:女学院に通っており、学院内ではお淑やかで笑顔がとても似合うと評判。 真紅:その為か友達と言える子は出来ていない。 真紅:友達を作りたいのに引っ込み思案で、なかなか自分から声を掛けられず。そんな自分の事があまり好きでは無い。 真紅:休日は息抜きも兼ねて、男装し出かけている。その趣味を知っているのは執事(女)だた一人。 真紅:(N)あり。 真紅: 冨山:冨山紫音(とみやま しおん) 冨山:女性執事、21歳。主に真紅の執事である。 冨山:真琴の男装趣味を唯一知っている人物。落ち着いた性格でしっかり者だが心配性。 冨山:真紅が男装して出掛ける際は『姉』として行動を共にする。 冨山:(N)あり。 冨山: 圭太:佐野圭太(さの けいた) 圭太:男性、16歳。両親譲りで喧嘩が強く、中学時代から不良として少し有名だが普通の家庭に住む普通の男子高校生だ。 圭太:心優しく、人助けなども積極的で近所のおじちゃんとおばちゃん達からは人気者。喧嘩も人助けしようとした流れで 圭太:そのまま喧嘩に発展するだけで、自分からは手を出さない。 圭太:洞察力があるが本人は気付いていない。 圭太:最後の方に(N)あり。 圭太: 炎:佐野 炎(さの ほむら) 炎:男性、27歳。圭太の兄。 炎:オネエだがカリスマ美容師として有名で、モデルなどの有名人のヘアスタイルも担当することも多々ある。 炎:実は親譲りで喧嘩も強いらしい… 炎:家族が大好きで、弟の圭太を可愛がっている。 0:ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 0:ここから先本文 0:ーーーーーーー 0:コンコン(ドアをノックする冨山。) 冨山:「・・・」 0:返事が無いのでもう一度、ドアをノックする。 冨山:「お嬢様、冨山です。…入りますね。」 0:ドアを開け部屋に入る冨山。真っ直ぐにベッドに向かい、スヤスヤと気持ち良さそうに眠るお嬢様を確認。 冨山:「また遅くまで勉強なされた様ですね。」勉強机を見つめながら、小さく呟く。 冨山:「お嬢様、朝で御座います。御目覚め下さい。」 真紅:「ぅ・・・」 冨山:「おはようございます。お嬢様ー」 真紅:「ふわ〜ぁ おはよう、とみやま・・・」 0:眠た目を擦りながら起きる真紅。 冨山:「今日はお天気も良く、過ごしやすい1日になりそうですね。」 0:カーテンと軽く窓を開ける。 冨山:「御朝食はいかが致しますか?」 真紅:「うーん。いらないわ、あっちで食べるから。」 冨山:「かしこまりました。では御茶のご用意だけさせて頂きます。一度、失礼致します。」 0:しばらくして 冨山:「お嬢様、お待たせ致しました。本日はラスプーチョンをミルクティーでご用意致しました。」 冨山:「それと昨晩も遅くまで勉強なされていた様なので、チョコレートを御用意させて頂きました。」 真紅:「ありがとう、冨山。ん〜美味しい。」 0:紅茶とチョコレートを優雅に堪能する。 冨山:(N)ここは吉川財閥の御屋敷。私は吉川様の一人娘であられる吉川真紅(よしかわ まこと)お嬢様に仕える執事ー 冨山:(N)女性執事は珍しい。メイドと何が違うのか?簡単に言ってしまえばメイドや家政婦の管理者である。 冨山:(N)本来であればベテランでそなりの歳の人が就ける地位だが、 冨山:(N)私は10歳の頃に旦那様に拾われずっと下っ端の頃から 冨山:(N)屋敷で働き続けていた。働きながらも旦那様は私を学校に通わせてくれた。まぁ学校といえど私が行ったのは 冨山:(N)執事やメイドを育てる教育機関。最初は理由も分からず決められたその学校に通っていたが、今では分かる。 冨山:(N)一人娘であられるお嬢様のお世話をさせる為と。 真紅:「冨山、今何時かしら?」 0:懐中時計を出し時間を確認する冨山。 冨山:「まもなく9時になります。」 真紅:「そう。・・・ん?」 0:紅茶を飲んでいる手が止まる真紅。 冨山:「どうかなさいましたか?」 真紅:「9時っ!もうそんな時間ですの!?冨山、7時には起こしてと言ったはずよ!」 冨山:「はい、起こしに参りました。しかし、お嬢様がもう少しと仰ったので・・・申し訳ありません。」 冨山:(N)7時に一度、お嬢様のお部屋に来ていた。しかし、何度起こそうとしても「もう少し。」と起きる気配が無かった為に今に至る。 真紅:「急ぎますわよ!冨山、手伝って。」 冨山:「かしこまりました。」 0:紅茶を一気に飲みほし、ベッドから急いで出る真紅。 0:御茶のセットを片付け、衣装クロークを開ける冨山。 真紅:「動きやすい服で選んでくださる?冨山、いつも使っているクリーム知りません?」 冨山:「かしこまりました。クリームでしたら、先日使い終わられ新しい物を御用意してあります。お使い下さい。」 真紅:「そうだったわね。ありがと冨山」 0:笑顔でお礼をする真紅。 冨山:「いえ。」 0:冨山も小さく微笑む。 0:真紅は化粧台に座りメイクを始める。 冨山:(N)本日、お嬢様は最近御友人になられた方と遊ぶ予定が入っている。約束の時間迄は後3時間程あるが今日は休日。 冨山:(N)いつものメイクよりも時間が掛かってしまう。これはお嬢様の趣味の一つ、私しか知らないお嬢様の趣味。 0:服類を用意しながらメイクを終わるのを待つ。 真紅:「よし、メイク終わり。服類は用意出来ているかしら?」 冨山:「こちらに。ウィッグも整えてあります。」 真紅:「さすが冨山。ありがとう。冨山も着替えてらっしゃい。」 冨山:「かしこまりました。」 0:冨山も着替えに部屋へと戻る。 0:しばらくして 冨山:「お嬢様、失礼します。」 真紅:「おかえりなさい。お父様達は既に出掛けているわよね?」 冨山:「はい。」 真紅:「他のメイド達も?」 冨山:「えぇ、抜かりなく。」 真紅:「じゃ、出発しよ。姉さんー」 冨山:(N)お嬢様の趣味。それは男装して外に出歩く事。別の誰かになって振る舞うことはお嬢様にとっての息抜き。 0:場面は変わり、人が賑わう駅前。 0:駅前のベンチに腰を下ろし、携帯ゲームをしている圭太。 圭太:「お、レア来た!・・・あいつまだかなぁー」 0:噂をすれば何とやら。圭太のもとに駆け寄る真紅と冨山。 真紅:「はぁはぁ。圭太、ごめんっ。遅くなって・・・」 圭太:「いや、そんな待ってねーよ。それに時間ぴったりだから気にすんな。あーでも、真紅にしては珍しいか?いつも俺より前に着いてるもんな。」 真紅:「あはは・・実は起きるの遅くなっちゃって。姉さんに起こされてなかったら遅刻してたよ。」 圭太:「まあ、そういう日もあるよな、ははっ。紫音さん、おはようございます!」 冨山:「おはようございます、圭太さん。・・・こんにちはの時間ですね、もうお昼ですし。」 圭太:「あぁ、そうですね!」 0:[グゥー]と真紅の腹がなる。 真紅:「ぁ・・・」 圭太:「はははっ、腹減ったな!行こうぜー」 真紅:「ぉ、おうっ」 真紅:(N)(咳払い)お腹がなったしまったのは誤算だったわ。 真紅:(N)圭太こと、佐野圭太。私に出来た初めての友達・・・正確に言えば男装している時の僕の友達。 真紅:(N)だから女性であることは知らない。 真紅:(N)今日は食べ歩きをする約束をしていたので、朝食を抜いたのもそのため。 真紅:(N)食べ歩きなんて初めてで、今日が凄く楽しみだったのです! 0:間をあける。 圭太:「着いたぞ。」 真紅:「へー思ったよりも人が多いんだな。」 冨山:「あの・・・圭太さん。私も御一緒して宜しいのでしょうか?」 圭太:「良いに決まってます!それに人数が居ればいる程、色んな物が食べれますから!」 冨山:「そ、いう物なんですね。」 冨山:横目でお嬢様をチラッと見る。 真紅:「(小声)一緒に居なさい。」 冨山:「(小声)かしこまりました。」 圭太:「さて、どこからー(プルルル、プルルルル 電話の着信音)あ?誰だよ・・・って、兄貴から?」 真紅:「出なよ。お兄さんからなんだろ?」 圭太:「おぉ、サンキュー。直ぐ終わらせるから!」 0:電話を耳に当てる。 圭太:「もしもーし。兄貴、どうかした?」 圭太:「え、あーうん。いるけど・・・はあぁ!いや、俺は良いけどよ。ちょっと確認する、まっt(電話が切れる)おいっ!」 0:携帯を見つめる圭太に不思議そうに声を掛ける。 真紅:「圭太?なんかあった?」 圭太:「それが・・・兄貴が来るってー」 真紅:「そうなんだ。圭太のお兄さんなら歓迎だよ。ね、姉さん」 冨山:「ええ、勿論です。」 圭太:「・・・二人が良いなら。ぁ、でも驚くなよ。」 真紅:「何、その変な顔。どう言う意味?」 圭太:「変な顔言うなっ!来れば分かる。」 0:間をあける。 炎:「えーと、確かこの辺りに・・・ ぁ、居たわ。けいちゃん〜 お待たせっ」 圭太:「ぉ、おう。」 炎:「も〜 何よその顔わっ けいちゃん、酷い・・・」 炎:圭太の頬をツンツンしながら顔を寄せる。 圭太:「あはは・・兄貴、だちの前でけいちゃん呼びはやめろ。」 炎:「えぇぇ、良いじゃない〜 減るもんじゃ無いんだし!そんな事より、早く紹介してくれる?けいちゃんのお友達。」 圭太:「(溜め息)分かったから、少し離れろ。こほん、紹介する。」 圭太:「俺の兄貴、佐野炎。」 炎:「どうも〜」 圭太:「こっちが俺のだちの真紅。」 真紅:「はじめまして、冨山真紅です。圭太くんとは仲良くさせていただいてます。」 炎:「まぁ〜あなたが真紅ちゃんね!いつも弟と仲良くしてくれて、ありがとね。」 圭太:「んで、隣に居るのが真紅のお姉さんのー」 冨山:「お初にお目に掛かります。冨山紫音と申します。」 炎:「紫音ちゃんね!写真で見るよりも綺麗な子。実は私、紫音ちゃんに会いたくて来たのよ!」 冨山:「そぅ、ですか。」 0:グイッと冨山に近づく炎。 炎:「ちょっと失礼するわねー」 冨山:「ぇっ」 0:冨山の髪を梳かし流す様に触れる炎。 冨山:「ぁ、ぁ、あの・・・ ほむら、さん?」 炎:「動かないで。」 冨山:「ぅ・・・」 炎:「本当、綺麗な髪。硬そうに見えて、サラサラでー 手によく馴染むわ。」 冨山:「っ、ほむ・・ら、さん」 炎:「まだダーメ。あら、肌もきめ細やかで綺麗だわー それに唇も・・・」 冨山:「ぅうっ」 圭太:「はいっ、そこまで!!兄貴、初対面でやり過ぎだ!」 圭太:二人の間に入る。 真紅:「なんか、いけないものを見ていた気がする。」 冨山:「おじょっ・・・真紅っ!?」 炎:「んもー、良いところだったのに〜」 圭太:「いや場所を考えろ!おかげで、人が集まってきちまってるだろ・・・」 炎:「あらやだ。」 圭太:「なんとかしろよ・・・」 0:人が次から次へと集まってくる。特に女性。 炎:「仕方無いわね。逃げるわよ!」 真紅:「へ?逃げる・・・っわ!」 圭太:「後で説明する。今はとにかく走れっ」 炎:「ほら、紫音ちゃんも逃げるわよ!」 冨山:「は、はいっ」 0:全速力で逃げる四人。 0:間をあける 炎:「ふー ここまで来れば大丈夫のはず。」 冨山:「はあはあはあ・・・ ぉ、真紅、大丈夫?」 真紅:「ぜーはあぁ、ぜーはあぁ・・・ぼく、もぅ、あ・・・」 圭太:「ぅおっと、しっかりしろ! 兄貴、全力で走り過ぎ。」 炎:「ごめんなさいね、走るの久しぶりで調整出来なかったわ。」 真紅:(この兄弟ー) 冨山:(呼吸が全く乱れてないです。) 圭太:「せっかく食べ歩き出来ると思ったのによ。兄貴のせいで台無しになっちまった。」 炎:「分かっているわよ!皆には本当に悪いことをしたわね・・・ でも安心して頂戴。」 炎:「ちゃんと埋め合わせする為に、ここに来たのだから。」 0:どこからともなく良い匂いが。 真紅:「・・はっ、この香りは〜」 真紅:匂いに釣られ店に入る。 冨山:「真紅、お待ち下さいっ」 真紅:「(鼻一杯に香りを楽しむ。)んん〜 数種類のスパイ、ハーブやシナモン・・・」 真紅:「そしてこの特有の香りは、ラム肉ですわー!」 冨山:「(小声)・・・お嬢様、素が出ております。」 圭太:「真紅・・・お前ー」 真紅:「いぇ、いや、あの、これはっ」 圭太:「すげーな!匂いで何の肉なのか分かるのか!真紅は鼻が効くんだな。」 炎:「確かに凄い特技ね。ご両親が料理に詳しい家庭なのかしら?」 真紅:「えっ、ぁの、えー」 冨山:「(真紅の言葉にかぶせる様に。)じ、実は私がお肉料理が好きでして」 冨山:「よく一緒に食事に行くんです!」 冨山:「その中でもラム肉が大好物でして、だからなのかお肉の匂いには真紅も敏感でして、はははー」 炎:「あら、そうなの。いいこと聞いたわ!じゃ、是非今度は私と紫音ちゃんの二人で御飯食べに行きましょう。」 圭太:「こら。紫音さんをあまり困らすな、兄貴。バチッ(炎の背中を少し強めに叩く。)」 炎:「いったーい!けいちゃん、ひどいっ。紫音ちゃん、けいちゃんが私のこと苛める・・・」 圭太:「紫音さん、兄貴のことは気にしないでください。」 圭太:「職業柄、紫音さんみたいに綺麗な人見つけるとこうなんですよ。」 冨山:「職業柄・・・?」 炎:「ぇ、けいちゃん。私のお仕事教えてないの?」 圭太:「ああ。」 炎:「もーそれならそうと早く教えてよ!」 炎:「紫音ちゃん、真紅ちゃん、ごめんなさいね・・・私のことについては御飯でも食べながらお話しするわ!」 炎:「お手をどうぞー」 冨山:「ぁ、はぃ・・・」 0:前を行く炎と紫音の背中を見る圭太と真紅。 圭太:「あれ、俺らもするか?」 真紅:「へっ?いやいや・・・」 圭太:「ふーん。じゃ、俺が連れてってやるよっと。」 真紅:「わっ、け、圭太!て、手・・・」 圭太:「にひっ」(歯を見せて笑っている感じ) 0:少し間を開ける。 炎:「真紅ちゃん、美味しい?」 真紅:「はい!とってもー」 炎:「それは良かったわ〜」 炎:「さて、何から話そうかしら・・・」 圭太:「兄貴の仕事について話せばいいんじゃね?」 炎:「そうね。」 炎:「私の仕事は美容師よ。」 真紅:「・・・普通のお仕事なんですね。てっきりー」 冨山:「おっ・・(咳払い)真紅!」 炎:「いいのよ、紫音ちゃん。私、こうでしょ?否定はしないわ。」 炎:「でね、私、こうだからちょっとした有名人になってるのよ。」 炎:「だから人が寄って来たってわけ。」 圭太:「ちょっとしたじゃねーだろ。」 冨山:「と、言いますと?」 圭太:「ぁ、えーと。ネットで検索した方が早いですね。『佐野炎 美容師』って調べて下さい。」 冨山:「分かりました。(画面のタップ音など入れるのもよし。)」 冨山:「ぇー」 真紅:「姉さん、どうしたー・・ぁ」 冨山:(N)佐野炎。現役カリスマ美容師ー 始めは小さな店の美容室からコツコツと努力し、 冨山:(N)己のスキルを上げ今では数多くのモデルやアーティストと言った、 冨山:(N)芸能界でも御用達の美容室経営 冨山:(N)その若さでオーナー。その腕前は経営している店に留まらず、撮影スタジオ等に足を運び 冨山:(N)出演前の有名人、著名人達のセットアップも行っている。 真紅:「炎さん、超有名人じゃないですか!?」 冨山:「・・・」 圭太:「やっぱ、知らなかったんだな。兄貴の名前聞くだけで、他の奴らは質問攻めになるのに。」 圭太:「真紅の家、テレビないのか?」 真紅:「ある、けど・・・ 見る機会が少ないというか。ははは・・・」 圭太:「お前の家、厳しんだな。」 真紅:「まあねー」 炎:「紫音ちゃんは驚きす過ぎて、空いた口が塞がってないわよ。」 冨山:「はぁっ!も、申し訳ありません・・・ 端ない姿をお見せして・・・」 炎:「気にしないでちょうだい。」 真紅:「ぁ、だからあの時、姉さんの髪とか肌に触れたんですね。」 炎:「真紅ちゃん、ご名答〜 (小声)まぁ、理由はそれだけじゃないのだけどね。」 冨山:「ん?」 炎:「(小声)やっと見つけたわ・・・」 冨山:「ぇ・・・」 真紅:「あのー」 炎:「何かしら?真紅ちゃん。」 真紅:「その炎さんの口調はいつからなんですか?」 冨山:「(小声)ぉ、お嬢様。それを聞くのは失礼かと。」 真紅:「(小声)だって気になるのですもの。」 炎:「ふふ、教えてあげるわよ。その代わり、紫音ちゃんと今度二人でデートしても良いかしら?」 真紅:「その話、のりました!」 冨山:「な、何を勝手に・・・」 圭太:「紫音さん、兄貴がすみません。狙った獲物は逃がさないので、どうかここはひとつ。」 冨山:「け、圭太さんまでっ(溜め息)」 炎:「私がどうしてこの口調になったのか・・・それはー」 炎:「私が小学五年生ぐらいの頃、近所に可愛らしい女の子が住んでいてね。」 炎:「両親同士も仲が良くて、一緒に遊んでいたりもしたのよ。」 炎:「その時してた、おままごとで何故かお母さん役をやることが多くて、女の子がしそうな遊びも沢山してたの。」 炎:「慣れって恐いものね・・・ 気がつけばこの口調になっていたわ。」 真紅:「そんなことがあったんですね。でも、嫌になったりしなかったんですか?」 炎:「もちろん男の子だし、嫌になった時もあるわよ。でもね、その子が笑ってくれる姿が嬉しくてー」 炎:「やめられなかったの。」 真紅:「今、その子とはー」 炎:「・・・その子とは私が中学生になった頃、離れ離れになってね。」 炎:「噂で出掛け先で火事に巻き込まれ、その子の両親は亡くなと知って、凄くショックだった。」 炎:「でもその子が生きてるって知って、ずっと探していたの。」 真紅:「探していた。それって、つまりー」 冨山:「ガタッ(椅子から立ち上がる)お話の途中に申し訳ありません・・・お化粧室にいってきます。」 0:足早にその場から化粧室に向かう紫音。 炎:「行っちゃった・・・」 真紅:「僕、ちょっと様子見てきますね。」 炎:「なら私もー」 圭太:「兄貴もここで待ってろ。」 炎:「でも・・・」 圭太:「良いから。真紅、任せたぞー」 真紅:「うん。」 0:間をあける。 圭太:「兄貴、少しやり過ぎだ。」 炎:「ごめんなさぃ・・・」 圭太:「気持ちは分からなくないが、相手が覚えてなきゃ意味ないだろ。」 圭太:「それに名前が一緒なだけで、別人かもしれないだろ。確実な証拠なんて無いのだし。」 炎:「それでも私には分かるのよ。あの子が紫音ちゃん本人だってー」 炎:「けいちゃんに写真を見せてもらった時からビビっときたの。」 圭太:「そうか。でも、もう少し慎重にいっても良いんじゃねーの?」 炎:「そうね。けいちゃんの言う通りだわ。これじゃ、お兄ちゃん失格ね〜」 圭太:「そんなことねーよ。兄貴は兄貴だろ。」 炎:「・・・ふふ、けいちゃん照れてる。」 圭太:「照れてねー!」 0:女子トイレ 冨山:「はぁはぁ・・・ぅ(頭痛で頭を抑える。)」 真紅:「冨山、大丈夫なの?」 冨山:「はっ、おじょっ」 真紅:「二人は席で待たせてあるわ。で、気分でも悪くしたの?」 冨山:「ぃ、ぃぇ」 真紅:「嘘をつくのは辞めなさい冨山。」 冨山:「も、申し訳ありません・・・ 少し頭痛と目眩が。でも治まってきたので大丈夫です。」 真紅:「・・・炎さんの話を聞いて何か昔のこと思い出したの?」 冨山:「いえ。ただ、頭の中でぼやけた映像が流れてきましてー」 冨山:「小さい頃、私は誰かとよく遊んでいた様な光景や火が目の前を高く揺らめく様な光景・・・」 冨山:「はっきりとしないので私の記憶なのか分かりません。」 真紅:「そう。それが冨山の記憶だとしたら思い出したい?」 冨山:「・・・わかり、ません。」 真紅:「なら、今は忘れなさい。」 冨山:「おじょぅ、さま?・・・」 真紅:「冨山が、思い出したい。と思った時に思い出せば良いのよ。」 真紅:「きっと今はその時じゃないのだわ。分かった?」 冨山:「お嬢様ー」 真紅:「返事は?」 冨山:「はい。」 真紅:(N)冨山は私の屋敷に来る前までの記憶がない。お父様から聞いた話によると、 真紅:(N)事故に遭いそれがきっかけで一部の記憶が喪失しまっているらしい。 真紅:(N)無理矢理、記憶を呼び覚まそうとする度に頭痛や吐き気に襲われるてしまう為、 真紅:(N)私も深くは追求していない。 0:間をあける。 冨山:「お待たせして、すみません・・・」 炎:「紫音ちゃん、お帰りなさい。」 圭太:「おかえり、真紅。(小言)紫音さん大丈夫なのか?」 真紅:「(小言)うん、心配いらないよ。もう大丈夫。」 炎:「さっきよりも顔色が良さそうね。安心したわ。」 冨山:「ご心配おかけして、申し訳ありません。」 炎:「謝らないで。大丈夫ならそれで良いのよ。」 0:炎が紫音の頭を撫でる。 冨山:(あれ・・・なんだろう、この感じ。) 炎:「さて、お店から出ましょうか。」 冨山:「はい。おいくらですか?」 炎:「今日は私のおぐりよ。迷惑かけたお詫びも兼ねて。」 冨山:「し、しかし・・・」 真紅:「姉さん、ここは御言葉に甘えておこ!炎さん、御馳走様です。」 炎:「ふふ、じゃあ御会計してくるわね!」 圭太:「あ、俺、トイレ行ってくる。真紅達は先に外で待てろ。」 真紅:「分かった。姉さん、行こうー」 冨山:「えぇ。」 0:間をあける。 冨山:「あの、お嬢様。」 真紅:「何?」 冨山:「本当によろしかったのでしょうか・・・」 真紅:「良いのよ。素直に気持ちを受け取っておくのも大事なの、こういう場合はね。」 冨山:「かし、こまり、ました。」 真紅:「ところで冨山。炎さんに頭を撫でられていた時、少し頬を赤くしてましたけどー」 真紅:「もしかして惚れてしまいましたの?ふふふ」 冨山:「っ!いえ、断じてその様なことは!た、ただ懐かしく、感じただけで・・・」 真紅:「ふーん。まっ、いいわ。そう言う事にしておいてあげる。」 冨山:「ぉ、お嬢様!」 真紅:「そんな事より、二人遅いわね〜」 冨山:「そうでーっ! お嬢様っ、御逃げ下さいっ!!」 真紅:「ぇ・・・」 0:間をあける。 炎:「ごめんなさい、知り合いと話・・・あら?二人いないわね。」 圭太:「わりー、待たせ・・・ん?真紅と紫音さんはどこだ?」 炎:「ぁ、けいちゃんお帰りなさい〜 私が来た時には居なくて・・・先に帰ちゃったのかしら?」 圭太:「いや、真紅に限って連絡も無いで帰ることないな。」 炎:「あら、随分信頼しているのね。」 圭太:「まあな!だちだし。」 炎:「本当にそれだけ?まぁ、いいわ。とにかく二人を探さないと・・・」 圭太:「ぉ、おう?真紅に電話掛けてみるわ。(プルル、プルルルルー」 0:しばらくすると 0:物陰から着信音が聴こえてる。 炎:「この音、どこから・・・ぁ」 圭太:「兄貴、二人いた?・・ぇ、それ真紅の携帯だ。」 0:二人背が強張る。 圭太:「あ、兄貴っ 二人に何かあっー」 炎:「行くわよ。(冷静だけど声は怒っている。)」 圭太:「ぃ、行くって何処にだっ?あても無く捜しても意味ねーだろっ」 炎:「ふーぅ、落ち着きなさい。大丈夫よ、居場所なら分かっているわ。」 0:携帯画面を圭太に見せる。 圭太:「はっ、GPSが起動している。」 炎:「紫音ちゃんがしたのね。どんな状況だかわ分からないけど、咄嗟の判断ね・・・」 炎:「流石ね。」 圭太:「兄貴っ、行こ!」 炎:「ええ。私達に喧嘩うったこと後悔するといいわ。」 0:間をあける。 0:ここから先、アドリブでモブ誘拐犯達入れてもいいです。 真紅:「ぅ・・・ここは?」 真紅:「とみ、やま・・・ 冨山どこ?」 冨山:「はっ、お嬢様!御無事ですか!?」 真紅:「えぇ。ところでここは何処かしら?」 冨山:「申し訳ありません。詳しい場所は分かりません。急いで逃げてきたもので・・・」 真紅:「逃げて? ぁ、そうでしたわね・・・」 冨山:「知らない男の人達に襲われてー それから・・・っ!」 真紅:「冨山!肩は大丈夫ですの!?殴られそうになった私を庇って、負った肩は!?」 冨山:「ぇ、ええ。私なら大丈夫でございます。」 冨山:「お嬢様をお護りするのも執事たる私の務めでございます。」 冨山:「そんな事より、今はお静かにお願い致します。」 真紅:「ぁ・・・と、み・・・ぅ、しろー」 冨山:「っ!? くぅっー」 真紅:「とみやまっ(冨山を庇う)」 冨山:「な、にをしているのですか!早く御逃げ下さいっ」 真紅:「いや!わたー ぼ、僕は逃げないっ、姉さんを一人置いていけるかっ!」 真紅:(私だって恐い。でもそれは冨山だって同じ。私の執事だから強く逞しくいるけど、冨山は私と同じ女の子よ。) 真紅:(冨山が私を守ってくれように私だって冨山を護りたいっ!だって、だってー) 真紅:「大事な家族にっ、手を出すな!!!」 冨山:「っ!真紅!!」 真紅:「ぐっ(私は強く目をとじる。)・・・ん?(でも痛みも無く、寧ろ聴こえて来たのは男の人達の苦しむ悲鳴。)」 真紅: 圭太:「へー真紅、格好いいじゃん!」 炎:「本当ね〜 ちょっぴり妬けちゃうわ。私が紫音ちゃんを格好良く護りたいのに〜」 圭太:「なーに言ってんだよ。本番はこれからだろ、兄貴!」 真紅:「圭太!」 冨山:「炎さん・・・」 圭太:「遅くなってわりーなー。後は任せろっ」 圭太:「おい、てめーら舐めた真似しやがって。前ので懲りなかったよーだから、今度はきっちり叩き込んでやるよっ」 圭太:「おらぁあああああっ」 炎:「まあまあ・・・こんなに顔汚れちゃって。綺麗な顔が台無しよ?でも、紫音ちゃんのおかげでここまで来れたわ。」 炎:「ありがとう。後は任せてちょうだい!」冨山の肩に手を置く。 冨山:「いっー」 炎:「紫音ちゃん?肩痛いの・・・?」 冨山:「ぁ、ぃぇ、これは・・・」 真紅:「炎さん、殴られそうになった僕を庇った時に痛めたんですっ」 炎:「あら、そういうこと。教えてくれてありがと、真紅ちゃんー」 炎:「紫音ちゃん、真紅ちゃんの耳両手で塞げるかしら?」 冨山:「はぃ、それぐらいなら動かせそうです。」 炎:「うん。ありがとー 二人とも私が声を掛けるまで目を瞑っていてちょうだい。 二人には汚い私達を見せられないわ。」 炎:「音は紫音ちゃんにはハッキリ聴こえちゃうわね・・・ごめんなさい」 冨山:「私は大丈夫です。それより早く圭太さんの所に行ってあげて下さい。」 炎:「(微笑む)本当、紫音ちゃんは強い子ね。さすが真紅ちゃんの従者ー」 冨山:「ぇ・・・炎さん、私達のしょーっ」 炎:「シー。言わなくていいわ。とにかく今は目を閉じて待っていて。」 冨山:「はい。」 炎:「うん。いい子ね〜」 炎:「さーてと。」 圭太:「ぉ、兄貴おせーよ。」 炎:「ごめんね〜」 炎:「でぇ、誰だか知らねーが。弟のだちを危険な目に遭わせたこと、俺の大事な人を怪我させた 罪はおめーぞ。」 炎:「覚悟しろやっ! はぁあああっ 歯食いしばれ、おらっ」 0:間をあける。 炎:「お待たせ。目開けて良いわよ。」 冨山:「真紅も目を開けて大丈夫ですよ。」 真紅:「ぅー」 圭太:「真紅、ケガねーか?」 真紅:「ぁ、うん。僕なら大丈夫。それより圭太と炎さんは・・・」 冨山:「・・・砂埃ぐらいで、怪我は無さそうですね。」 圭太:「あの程度の奴ら、何の問題もないっすよ。そんな事より、真紅、紫音さん・・・」 圭太:「巻き込んでしまって、すみませんっ」 真紅:「ふぇ?」 冨山:「ぁ、の。巻き込んでしまったのは私達のー」 圭太:「いえっ。俺が悪いんです。」 圭太:「彼奴は前に俺がボコった奴らで、懲りたと思っていたがそうじゃなかった。」 圭太:「俺に対する奴らの怒りが二人を危険な目に遭わせてしまった・・・」 圭太:「本当に申し訳ありませんっ」 0:間をあける。 真紅:「圭太、顔上げてよ。圭太は何も悪くない。前の事だって、人を助ける為にとった行動だろ?」 真紅:「まぁ、正直暴力はどうかと思う時もあるけど。圭太は自分から手を出さない。」 真紅:「相手が攻撃をして来たから正当防衛真として取ってる行動なんだ。」 真紅:「その圭太の行動の意味が分かっていない人達だっただけ。僕達を御取りにして誘き寄せることしか、考えられなっかた人達だったんだよ。」 真紅:「護ってくれて、ありがとな!」 圭太:「真紅・・・」 炎:「そうそう。皆が無事なんだし、そんな顔しないの。けーちゃん!」 0:圭太の頭をガシガシ撫でる。 圭太:「ぁああっ 恥ずかしいから止めろ!けいちゃん言うな!」 炎:「あら?私はけーちゃんって呼んだわよ。けいちゃんじゃなくて、ふふ。」 圭太:「大して変わらねーよ!!!」 真紅:「ぁはははー」 冨山:「ふふふー」 炎:「さーて、帰りましょう。」 0:間をあける。 0:場面は変わり、駅前。 冨山:「今日はありがとうございました。」 真紅:「いろいろあったけど楽しかった。圭太、また遊ぼうな!」 圭太:「おう。いつでも連絡くれよー」 炎:「今日は会えて良かったわ。二人とも気をつけて帰るのよ〜 ぁ、紫音ちゃん。」 冨山:「はい。どうかしましたか?」 炎:「これ。中はお家に帰ってから見てちょうだい。」 冨山:「わ、かりました?」 炎:「ふふ、じゃまた会いましょう〜」 圭太:「またなー」 真紅:(N)二人に見送られながら家路につく。 真紅:(N)炎さんが冨山に渡した物が私には分からないが、まぁ想像は容易いこと。 真紅:「冨山、今日もご苦労様。疲れているでしょうからもう休みなさい。」 冨山:「かしこまりました。ではお風呂の準備をしてから休まさせて頂きます。」 真紅:「お風呂も他のメイドにさせるから良いわよ。ゆっくり休みなさい。」 冨山:「しかし・・・」 真紅:「私の言うことが聞けないのかしら?」 冨山:「っ・・・ かしこまりました。お嬢様もごゆっくりお休み下さい。」 0:真紅の部屋から出る冨山。 真紅:「・・・鈍いのだから。でも紫音らしいですわ。」 真紅: 0:一方、炎と圭太 0: 圭太:「なぁ兄貴。紫音さんに何渡したんだ?紙切れぽかったけど。」 炎:「ふーん。知りたい?」 圭太:「別に。」 炎:「あら、聞いた割には即答ね。」 圭太:「まあ、なんとなく分かるからさ。」 炎:「そう。次いつ会えるのかしら。」 圭太:「てかよ。あの場で連絡先聞けば良かったんじゃね?」 炎:「けいちゃんはもう少しロマンを知った方が良いわよ。じゃないと真紅ちゃんに振り向いてもらえないぞ!」 圭太:「ぅ、別にそういうんじゃないし。」 炎:「へー ふーん。そうなのね。」 圭太:「な、なんだよ。その顔は・・・」 炎:「真紅ちゃんがどうして男装してるか知りたい?実は私知ってるのよね〜」 炎:「顔が広いと情報も色々入ってくるのよね。」 圭太:「いや。俺は真紅が話してくれるのを待つ。男装しててもあいつはあいつだからな。」 炎:「そう。」 圭太:(N)真紅と初めて会った時から女だと気づいていた。兄貴があれだからか兄貴とその友達で見慣れているからか 圭太:(N)性別は直ぐに分かった。真紅に会ったのは酔っ払いのサラリーマンに絡まれていた真紅を助けたのがきっかけ。 圭太:(N)助けた礼がしたいからと連絡先を交換した。まぁ別に礼なんていらないのに。 圭太:(N)それから休日は遊ぶことが増えた。 圭太:(N)真紅について深く知っていないが遊んでいて楽しいから大した事では無い。 圭太:「あー腹減った。」 炎:「運動したからね。私もお腹空いてきちゃった。」 0: 0:完

0:配役マーカー用 真紅:吉川真紅(よしかわ まこと) 真紅:女性。吉川財閥の一人娘、16歳。 真紅:女学院に通っており、学院内ではお淑やかで笑顔がとても似合うと評判。 真紅:その為か友達と言える子は出来ていない。 真紅:友達を作りたいのに引っ込み思案で、なかなか自分から声を掛けられず。そんな自分の事があまり好きでは無い。 真紅:休日は息抜きも兼ねて、男装し出かけている。その趣味を知っているのは執事(女)だた一人。 真紅:(N)あり。 真紅: 冨山:冨山紫音(とみやま しおん) 冨山:女性執事、21歳。主に真紅の執事である。 冨山:真琴の男装趣味を唯一知っている人物。落ち着いた性格でしっかり者だが心配性。 冨山:真紅が男装して出掛ける際は『姉』として行動を共にする。 冨山:(N)あり。 冨山: 圭太:佐野圭太(さの けいた) 圭太:男性、16歳。両親譲りで喧嘩が強く、中学時代から不良として少し有名だが普通の家庭に住む普通の男子高校生だ。 圭太:心優しく、人助けなども積極的で近所のおじちゃんとおばちゃん達からは人気者。喧嘩も人助けしようとした流れで 圭太:そのまま喧嘩に発展するだけで、自分からは手を出さない。 圭太:洞察力があるが本人は気付いていない。 圭太:最後の方に(N)あり。 圭太: 炎:佐野 炎(さの ほむら) 炎:男性、27歳。圭太の兄。 炎:オネエだがカリスマ美容師として有名で、モデルなどの有名人のヘアスタイルも担当することも多々ある。 炎:実は親譲りで喧嘩も強いらしい… 炎:家族が大好きで、弟の圭太を可愛がっている。 0:ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 0:ここから先本文 0:ーーーーーーー 0:コンコン(ドアをノックする冨山。) 冨山:「・・・」 0:返事が無いのでもう一度、ドアをノックする。 冨山:「お嬢様、冨山です。…入りますね。」 0:ドアを開け部屋に入る冨山。真っ直ぐにベッドに向かい、スヤスヤと気持ち良さそうに眠るお嬢様を確認。 冨山:「また遅くまで勉強なされた様ですね。」勉強机を見つめながら、小さく呟く。 冨山:「お嬢様、朝で御座います。御目覚め下さい。」 真紅:「ぅ・・・」 冨山:「おはようございます。お嬢様ー」 真紅:「ふわ〜ぁ おはよう、とみやま・・・」 0:眠た目を擦りながら起きる真紅。 冨山:「今日はお天気も良く、過ごしやすい1日になりそうですね。」 0:カーテンと軽く窓を開ける。 冨山:「御朝食はいかが致しますか?」 真紅:「うーん。いらないわ、あっちで食べるから。」 冨山:「かしこまりました。では御茶のご用意だけさせて頂きます。一度、失礼致します。」 0:しばらくして 冨山:「お嬢様、お待たせ致しました。本日はラスプーチョンをミルクティーでご用意致しました。」 冨山:「それと昨晩も遅くまで勉強なされていた様なので、チョコレートを御用意させて頂きました。」 真紅:「ありがとう、冨山。ん〜美味しい。」 0:紅茶とチョコレートを優雅に堪能する。 冨山:(N)ここは吉川財閥の御屋敷。私は吉川様の一人娘であられる吉川真紅(よしかわ まこと)お嬢様に仕える執事ー 冨山:(N)女性執事は珍しい。メイドと何が違うのか?簡単に言ってしまえばメイドや家政婦の管理者である。 冨山:(N)本来であればベテランでそなりの歳の人が就ける地位だが、 冨山:(N)私は10歳の頃に旦那様に拾われずっと下っ端の頃から 冨山:(N)屋敷で働き続けていた。働きながらも旦那様は私を学校に通わせてくれた。まぁ学校といえど私が行ったのは 冨山:(N)執事やメイドを育てる教育機関。最初は理由も分からず決められたその学校に通っていたが、今では分かる。 冨山:(N)一人娘であられるお嬢様のお世話をさせる為と。 真紅:「冨山、今何時かしら?」 0:懐中時計を出し時間を確認する冨山。 冨山:「まもなく9時になります。」 真紅:「そう。・・・ん?」 0:紅茶を飲んでいる手が止まる真紅。 冨山:「どうかなさいましたか?」 真紅:「9時っ!もうそんな時間ですの!?冨山、7時には起こしてと言ったはずよ!」 冨山:「はい、起こしに参りました。しかし、お嬢様がもう少しと仰ったので・・・申し訳ありません。」 冨山:(N)7時に一度、お嬢様のお部屋に来ていた。しかし、何度起こそうとしても「もう少し。」と起きる気配が無かった為に今に至る。 真紅:「急ぎますわよ!冨山、手伝って。」 冨山:「かしこまりました。」 0:紅茶を一気に飲みほし、ベッドから急いで出る真紅。 0:御茶のセットを片付け、衣装クロークを開ける冨山。 真紅:「動きやすい服で選んでくださる?冨山、いつも使っているクリーム知りません?」 冨山:「かしこまりました。クリームでしたら、先日使い終わられ新しい物を御用意してあります。お使い下さい。」 真紅:「そうだったわね。ありがと冨山」 0:笑顔でお礼をする真紅。 冨山:「いえ。」 0:冨山も小さく微笑む。 0:真紅は化粧台に座りメイクを始める。 冨山:(N)本日、お嬢様は最近御友人になられた方と遊ぶ予定が入っている。約束の時間迄は後3時間程あるが今日は休日。 冨山:(N)いつものメイクよりも時間が掛かってしまう。これはお嬢様の趣味の一つ、私しか知らないお嬢様の趣味。 0:服類を用意しながらメイクを終わるのを待つ。 真紅:「よし、メイク終わり。服類は用意出来ているかしら?」 冨山:「こちらに。ウィッグも整えてあります。」 真紅:「さすが冨山。ありがとう。冨山も着替えてらっしゃい。」 冨山:「かしこまりました。」 0:冨山も着替えに部屋へと戻る。 0:しばらくして 冨山:「お嬢様、失礼します。」 真紅:「おかえりなさい。お父様達は既に出掛けているわよね?」 冨山:「はい。」 真紅:「他のメイド達も?」 冨山:「えぇ、抜かりなく。」 真紅:「じゃ、出発しよ。姉さんー」 冨山:(N)お嬢様の趣味。それは男装して外に出歩く事。別の誰かになって振る舞うことはお嬢様にとっての息抜き。 0:場面は変わり、人が賑わう駅前。 0:駅前のベンチに腰を下ろし、携帯ゲームをしている圭太。 圭太:「お、レア来た!・・・あいつまだかなぁー」 0:噂をすれば何とやら。圭太のもとに駆け寄る真紅と冨山。 真紅:「はぁはぁ。圭太、ごめんっ。遅くなって・・・」 圭太:「いや、そんな待ってねーよ。それに時間ぴったりだから気にすんな。あーでも、真紅にしては珍しいか?いつも俺より前に着いてるもんな。」 真紅:「あはは・・実は起きるの遅くなっちゃって。姉さんに起こされてなかったら遅刻してたよ。」 圭太:「まあ、そういう日もあるよな、ははっ。紫音さん、おはようございます!」 冨山:「おはようございます、圭太さん。・・・こんにちはの時間ですね、もうお昼ですし。」 圭太:「あぁ、そうですね!」 0:[グゥー]と真紅の腹がなる。 真紅:「ぁ・・・」 圭太:「はははっ、腹減ったな!行こうぜー」 真紅:「ぉ、おうっ」 真紅:(N)(咳払い)お腹がなったしまったのは誤算だったわ。 真紅:(N)圭太こと、佐野圭太。私に出来た初めての友達・・・正確に言えば男装している時の僕の友達。 真紅:(N)だから女性であることは知らない。 真紅:(N)今日は食べ歩きをする約束をしていたので、朝食を抜いたのもそのため。 真紅:(N)食べ歩きなんて初めてで、今日が凄く楽しみだったのです! 0:間をあける。 圭太:「着いたぞ。」 真紅:「へー思ったよりも人が多いんだな。」 冨山:「あの・・・圭太さん。私も御一緒して宜しいのでしょうか?」 圭太:「良いに決まってます!それに人数が居ればいる程、色んな物が食べれますから!」 冨山:「そ、いう物なんですね。」 冨山:横目でお嬢様をチラッと見る。 真紅:「(小声)一緒に居なさい。」 冨山:「(小声)かしこまりました。」 圭太:「さて、どこからー(プルルル、プルルルル 電話の着信音)あ?誰だよ・・・って、兄貴から?」 真紅:「出なよ。お兄さんからなんだろ?」 圭太:「おぉ、サンキュー。直ぐ終わらせるから!」 0:電話を耳に当てる。 圭太:「もしもーし。兄貴、どうかした?」 圭太:「え、あーうん。いるけど・・・はあぁ!いや、俺は良いけどよ。ちょっと確認する、まっt(電話が切れる)おいっ!」 0:携帯を見つめる圭太に不思議そうに声を掛ける。 真紅:「圭太?なんかあった?」 圭太:「それが・・・兄貴が来るってー」 真紅:「そうなんだ。圭太のお兄さんなら歓迎だよ。ね、姉さん」 冨山:「ええ、勿論です。」 圭太:「・・・二人が良いなら。ぁ、でも驚くなよ。」 真紅:「何、その変な顔。どう言う意味?」 圭太:「変な顔言うなっ!来れば分かる。」 0:間をあける。 炎:「えーと、確かこの辺りに・・・ ぁ、居たわ。けいちゃん〜 お待たせっ」 圭太:「ぉ、おう。」 炎:「も〜 何よその顔わっ けいちゃん、酷い・・・」 炎:圭太の頬をツンツンしながら顔を寄せる。 圭太:「あはは・・兄貴、だちの前でけいちゃん呼びはやめろ。」 炎:「えぇぇ、良いじゃない〜 減るもんじゃ無いんだし!そんな事より、早く紹介してくれる?けいちゃんのお友達。」 圭太:「(溜め息)分かったから、少し離れろ。こほん、紹介する。」 圭太:「俺の兄貴、佐野炎。」 炎:「どうも〜」 圭太:「こっちが俺のだちの真紅。」 真紅:「はじめまして、冨山真紅です。圭太くんとは仲良くさせていただいてます。」 炎:「まぁ〜あなたが真紅ちゃんね!いつも弟と仲良くしてくれて、ありがとね。」 圭太:「んで、隣に居るのが真紅のお姉さんのー」 冨山:「お初にお目に掛かります。冨山紫音と申します。」 炎:「紫音ちゃんね!写真で見るよりも綺麗な子。実は私、紫音ちゃんに会いたくて来たのよ!」 冨山:「そぅ、ですか。」 0:グイッと冨山に近づく炎。 炎:「ちょっと失礼するわねー」 冨山:「ぇっ」 0:冨山の髪を梳かし流す様に触れる炎。 冨山:「ぁ、ぁ、あの・・・ ほむら、さん?」 炎:「動かないで。」 冨山:「ぅ・・・」 炎:「本当、綺麗な髪。硬そうに見えて、サラサラでー 手によく馴染むわ。」 冨山:「っ、ほむ・・ら、さん」 炎:「まだダーメ。あら、肌もきめ細やかで綺麗だわー それに唇も・・・」 冨山:「ぅうっ」 圭太:「はいっ、そこまで!!兄貴、初対面でやり過ぎだ!」 圭太:二人の間に入る。 真紅:「なんか、いけないものを見ていた気がする。」 冨山:「おじょっ・・・真紅っ!?」 炎:「んもー、良いところだったのに〜」 圭太:「いや場所を考えろ!おかげで、人が集まってきちまってるだろ・・・」 炎:「あらやだ。」 圭太:「なんとかしろよ・・・」 0:人が次から次へと集まってくる。特に女性。 炎:「仕方無いわね。逃げるわよ!」 真紅:「へ?逃げる・・・っわ!」 圭太:「後で説明する。今はとにかく走れっ」 炎:「ほら、紫音ちゃんも逃げるわよ!」 冨山:「は、はいっ」 0:全速力で逃げる四人。 0:間をあける 炎:「ふー ここまで来れば大丈夫のはず。」 冨山:「はあはあはあ・・・ ぉ、真紅、大丈夫?」 真紅:「ぜーはあぁ、ぜーはあぁ・・・ぼく、もぅ、あ・・・」 圭太:「ぅおっと、しっかりしろ! 兄貴、全力で走り過ぎ。」 炎:「ごめんなさいね、走るの久しぶりで調整出来なかったわ。」 真紅:(この兄弟ー) 冨山:(呼吸が全く乱れてないです。) 圭太:「せっかく食べ歩き出来ると思ったのによ。兄貴のせいで台無しになっちまった。」 炎:「分かっているわよ!皆には本当に悪いことをしたわね・・・ でも安心して頂戴。」 炎:「ちゃんと埋め合わせする為に、ここに来たのだから。」 0:どこからともなく良い匂いが。 真紅:「・・はっ、この香りは〜」 真紅:匂いに釣られ店に入る。 冨山:「真紅、お待ち下さいっ」 真紅:「(鼻一杯に香りを楽しむ。)んん〜 数種類のスパイ、ハーブやシナモン・・・」 真紅:「そしてこの特有の香りは、ラム肉ですわー!」 冨山:「(小声)・・・お嬢様、素が出ております。」 圭太:「真紅・・・お前ー」 真紅:「いぇ、いや、あの、これはっ」 圭太:「すげーな!匂いで何の肉なのか分かるのか!真紅は鼻が効くんだな。」 炎:「確かに凄い特技ね。ご両親が料理に詳しい家庭なのかしら?」 真紅:「えっ、ぁの、えー」 冨山:「(真紅の言葉にかぶせる様に。)じ、実は私がお肉料理が好きでして」 冨山:「よく一緒に食事に行くんです!」 冨山:「その中でもラム肉が大好物でして、だからなのかお肉の匂いには真紅も敏感でして、はははー」 炎:「あら、そうなの。いいこと聞いたわ!じゃ、是非今度は私と紫音ちゃんの二人で御飯食べに行きましょう。」 圭太:「こら。紫音さんをあまり困らすな、兄貴。バチッ(炎の背中を少し強めに叩く。)」 炎:「いったーい!けいちゃん、ひどいっ。紫音ちゃん、けいちゃんが私のこと苛める・・・」 圭太:「紫音さん、兄貴のことは気にしないでください。」 圭太:「職業柄、紫音さんみたいに綺麗な人見つけるとこうなんですよ。」 冨山:「職業柄・・・?」 炎:「ぇ、けいちゃん。私のお仕事教えてないの?」 圭太:「ああ。」 炎:「もーそれならそうと早く教えてよ!」 炎:「紫音ちゃん、真紅ちゃん、ごめんなさいね・・・私のことについては御飯でも食べながらお話しするわ!」 炎:「お手をどうぞー」 冨山:「ぁ、はぃ・・・」 0:前を行く炎と紫音の背中を見る圭太と真紅。 圭太:「あれ、俺らもするか?」 真紅:「へっ?いやいや・・・」 圭太:「ふーん。じゃ、俺が連れてってやるよっと。」 真紅:「わっ、け、圭太!て、手・・・」 圭太:「にひっ」(歯を見せて笑っている感じ) 0:少し間を開ける。 炎:「真紅ちゃん、美味しい?」 真紅:「はい!とってもー」 炎:「それは良かったわ〜」 炎:「さて、何から話そうかしら・・・」 圭太:「兄貴の仕事について話せばいいんじゃね?」 炎:「そうね。」 炎:「私の仕事は美容師よ。」 真紅:「・・・普通のお仕事なんですね。てっきりー」 冨山:「おっ・・(咳払い)真紅!」 炎:「いいのよ、紫音ちゃん。私、こうでしょ?否定はしないわ。」 炎:「でね、私、こうだからちょっとした有名人になってるのよ。」 炎:「だから人が寄って来たってわけ。」 圭太:「ちょっとしたじゃねーだろ。」 冨山:「と、言いますと?」 圭太:「ぁ、えーと。ネットで検索した方が早いですね。『佐野炎 美容師』って調べて下さい。」 冨山:「分かりました。(画面のタップ音など入れるのもよし。)」 冨山:「ぇー」 真紅:「姉さん、どうしたー・・ぁ」 冨山:(N)佐野炎。現役カリスマ美容師ー 始めは小さな店の美容室からコツコツと努力し、 冨山:(N)己のスキルを上げ今では数多くのモデルやアーティストと言った、 冨山:(N)芸能界でも御用達の美容室経営 冨山:(N)その若さでオーナー。その腕前は経営している店に留まらず、撮影スタジオ等に足を運び 冨山:(N)出演前の有名人、著名人達のセットアップも行っている。 真紅:「炎さん、超有名人じゃないですか!?」 冨山:「・・・」 圭太:「やっぱ、知らなかったんだな。兄貴の名前聞くだけで、他の奴らは質問攻めになるのに。」 圭太:「真紅の家、テレビないのか?」 真紅:「ある、けど・・・ 見る機会が少ないというか。ははは・・・」 圭太:「お前の家、厳しんだな。」 真紅:「まあねー」 炎:「紫音ちゃんは驚きす過ぎて、空いた口が塞がってないわよ。」 冨山:「はぁっ!も、申し訳ありません・・・ 端ない姿をお見せして・・・」 炎:「気にしないでちょうだい。」 真紅:「ぁ、だからあの時、姉さんの髪とか肌に触れたんですね。」 炎:「真紅ちゃん、ご名答〜 (小声)まぁ、理由はそれだけじゃないのだけどね。」 冨山:「ん?」 炎:「(小声)やっと見つけたわ・・・」 冨山:「ぇ・・・」 真紅:「あのー」 炎:「何かしら?真紅ちゃん。」 真紅:「その炎さんの口調はいつからなんですか?」 冨山:「(小声)ぉ、お嬢様。それを聞くのは失礼かと。」 真紅:「(小声)だって気になるのですもの。」 炎:「ふふ、教えてあげるわよ。その代わり、紫音ちゃんと今度二人でデートしても良いかしら?」 真紅:「その話、のりました!」 冨山:「な、何を勝手に・・・」 圭太:「紫音さん、兄貴がすみません。狙った獲物は逃がさないので、どうかここはひとつ。」 冨山:「け、圭太さんまでっ(溜め息)」 炎:「私がどうしてこの口調になったのか・・・それはー」 炎:「私が小学五年生ぐらいの頃、近所に可愛らしい女の子が住んでいてね。」 炎:「両親同士も仲が良くて、一緒に遊んでいたりもしたのよ。」 炎:「その時してた、おままごとで何故かお母さん役をやることが多くて、女の子がしそうな遊びも沢山してたの。」 炎:「慣れって恐いものね・・・ 気がつけばこの口調になっていたわ。」 真紅:「そんなことがあったんですね。でも、嫌になったりしなかったんですか?」 炎:「もちろん男の子だし、嫌になった時もあるわよ。でもね、その子が笑ってくれる姿が嬉しくてー」 炎:「やめられなかったの。」 真紅:「今、その子とはー」 炎:「・・・その子とは私が中学生になった頃、離れ離れになってね。」 炎:「噂で出掛け先で火事に巻き込まれ、その子の両親は亡くなと知って、凄くショックだった。」 炎:「でもその子が生きてるって知って、ずっと探していたの。」 真紅:「探していた。それって、つまりー」 冨山:「ガタッ(椅子から立ち上がる)お話の途中に申し訳ありません・・・お化粧室にいってきます。」 0:足早にその場から化粧室に向かう紫音。 炎:「行っちゃった・・・」 真紅:「僕、ちょっと様子見てきますね。」 炎:「なら私もー」 圭太:「兄貴もここで待ってろ。」 炎:「でも・・・」 圭太:「良いから。真紅、任せたぞー」 真紅:「うん。」 0:間をあける。 圭太:「兄貴、少しやり過ぎだ。」 炎:「ごめんなさぃ・・・」 圭太:「気持ちは分からなくないが、相手が覚えてなきゃ意味ないだろ。」 圭太:「それに名前が一緒なだけで、別人かもしれないだろ。確実な証拠なんて無いのだし。」 炎:「それでも私には分かるのよ。あの子が紫音ちゃん本人だってー」 炎:「けいちゃんに写真を見せてもらった時からビビっときたの。」 圭太:「そうか。でも、もう少し慎重にいっても良いんじゃねーの?」 炎:「そうね。けいちゃんの言う通りだわ。これじゃ、お兄ちゃん失格ね〜」 圭太:「そんなことねーよ。兄貴は兄貴だろ。」 炎:「・・・ふふ、けいちゃん照れてる。」 圭太:「照れてねー!」 0:女子トイレ 冨山:「はぁはぁ・・・ぅ(頭痛で頭を抑える。)」 真紅:「冨山、大丈夫なの?」 冨山:「はっ、おじょっ」 真紅:「二人は席で待たせてあるわ。で、気分でも悪くしたの?」 冨山:「ぃ、ぃぇ」 真紅:「嘘をつくのは辞めなさい冨山。」 冨山:「も、申し訳ありません・・・ 少し頭痛と目眩が。でも治まってきたので大丈夫です。」 真紅:「・・・炎さんの話を聞いて何か昔のこと思い出したの?」 冨山:「いえ。ただ、頭の中でぼやけた映像が流れてきましてー」 冨山:「小さい頃、私は誰かとよく遊んでいた様な光景や火が目の前を高く揺らめく様な光景・・・」 冨山:「はっきりとしないので私の記憶なのか分かりません。」 真紅:「そう。それが冨山の記憶だとしたら思い出したい?」 冨山:「・・・わかり、ません。」 真紅:「なら、今は忘れなさい。」 冨山:「おじょぅ、さま?・・・」 真紅:「冨山が、思い出したい。と思った時に思い出せば良いのよ。」 真紅:「きっと今はその時じゃないのだわ。分かった?」 冨山:「お嬢様ー」 真紅:「返事は?」 冨山:「はい。」 真紅:(N)冨山は私の屋敷に来る前までの記憶がない。お父様から聞いた話によると、 真紅:(N)事故に遭いそれがきっかけで一部の記憶が喪失しまっているらしい。 真紅:(N)無理矢理、記憶を呼び覚まそうとする度に頭痛や吐き気に襲われるてしまう為、 真紅:(N)私も深くは追求していない。 0:間をあける。 冨山:「お待たせして、すみません・・・」 炎:「紫音ちゃん、お帰りなさい。」 圭太:「おかえり、真紅。(小言)紫音さん大丈夫なのか?」 真紅:「(小言)うん、心配いらないよ。もう大丈夫。」 炎:「さっきよりも顔色が良さそうね。安心したわ。」 冨山:「ご心配おかけして、申し訳ありません。」 炎:「謝らないで。大丈夫ならそれで良いのよ。」 0:炎が紫音の頭を撫でる。 冨山:(あれ・・・なんだろう、この感じ。) 炎:「さて、お店から出ましょうか。」 冨山:「はい。おいくらですか?」 炎:「今日は私のおぐりよ。迷惑かけたお詫びも兼ねて。」 冨山:「し、しかし・・・」 真紅:「姉さん、ここは御言葉に甘えておこ!炎さん、御馳走様です。」 炎:「ふふ、じゃあ御会計してくるわね!」 圭太:「あ、俺、トイレ行ってくる。真紅達は先に外で待てろ。」 真紅:「分かった。姉さん、行こうー」 冨山:「えぇ。」 0:間をあける。 冨山:「あの、お嬢様。」 真紅:「何?」 冨山:「本当によろしかったのでしょうか・・・」 真紅:「良いのよ。素直に気持ちを受け取っておくのも大事なの、こういう場合はね。」 冨山:「かし、こまり、ました。」 真紅:「ところで冨山。炎さんに頭を撫でられていた時、少し頬を赤くしてましたけどー」 真紅:「もしかして惚れてしまいましたの?ふふふ」 冨山:「っ!いえ、断じてその様なことは!た、ただ懐かしく、感じただけで・・・」 真紅:「ふーん。まっ、いいわ。そう言う事にしておいてあげる。」 冨山:「ぉ、お嬢様!」 真紅:「そんな事より、二人遅いわね〜」 冨山:「そうでーっ! お嬢様っ、御逃げ下さいっ!!」 真紅:「ぇ・・・」 0:間をあける。 炎:「ごめんなさい、知り合いと話・・・あら?二人いないわね。」 圭太:「わりー、待たせ・・・ん?真紅と紫音さんはどこだ?」 炎:「ぁ、けいちゃんお帰りなさい〜 私が来た時には居なくて・・・先に帰ちゃったのかしら?」 圭太:「いや、真紅に限って連絡も無いで帰ることないな。」 炎:「あら、随分信頼しているのね。」 圭太:「まあな!だちだし。」 炎:「本当にそれだけ?まぁ、いいわ。とにかく二人を探さないと・・・」 圭太:「ぉ、おう?真紅に電話掛けてみるわ。(プルル、プルルルルー」 0:しばらくすると 0:物陰から着信音が聴こえてる。 炎:「この音、どこから・・・ぁ」 圭太:「兄貴、二人いた?・・ぇ、それ真紅の携帯だ。」 0:二人背が強張る。 圭太:「あ、兄貴っ 二人に何かあっー」 炎:「行くわよ。(冷静だけど声は怒っている。)」 圭太:「ぃ、行くって何処にだっ?あても無く捜しても意味ねーだろっ」 炎:「ふーぅ、落ち着きなさい。大丈夫よ、居場所なら分かっているわ。」 0:携帯画面を圭太に見せる。 圭太:「はっ、GPSが起動している。」 炎:「紫音ちゃんがしたのね。どんな状況だかわ分からないけど、咄嗟の判断ね・・・」 炎:「流石ね。」 圭太:「兄貴っ、行こ!」 炎:「ええ。私達に喧嘩うったこと後悔するといいわ。」 0:間をあける。 0:ここから先、アドリブでモブ誘拐犯達入れてもいいです。 真紅:「ぅ・・・ここは?」 真紅:「とみ、やま・・・ 冨山どこ?」 冨山:「はっ、お嬢様!御無事ですか!?」 真紅:「えぇ。ところでここは何処かしら?」 冨山:「申し訳ありません。詳しい場所は分かりません。急いで逃げてきたもので・・・」 真紅:「逃げて? ぁ、そうでしたわね・・・」 冨山:「知らない男の人達に襲われてー それから・・・っ!」 真紅:「冨山!肩は大丈夫ですの!?殴られそうになった私を庇って、負った肩は!?」 冨山:「ぇ、ええ。私なら大丈夫でございます。」 冨山:「お嬢様をお護りするのも執事たる私の務めでございます。」 冨山:「そんな事より、今はお静かにお願い致します。」 真紅:「ぁ・・・と、み・・・ぅ、しろー」 冨山:「っ!? くぅっー」 真紅:「とみやまっ(冨山を庇う)」 冨山:「な、にをしているのですか!早く御逃げ下さいっ」 真紅:「いや!わたー ぼ、僕は逃げないっ、姉さんを一人置いていけるかっ!」 真紅:(私だって恐い。でもそれは冨山だって同じ。私の執事だから強く逞しくいるけど、冨山は私と同じ女の子よ。) 真紅:(冨山が私を守ってくれように私だって冨山を護りたいっ!だって、だってー) 真紅:「大事な家族にっ、手を出すな!!!」 冨山:「っ!真紅!!」 真紅:「ぐっ(私は強く目をとじる。)・・・ん?(でも痛みも無く、寧ろ聴こえて来たのは男の人達の苦しむ悲鳴。)」 真紅: 圭太:「へー真紅、格好いいじゃん!」 炎:「本当ね〜 ちょっぴり妬けちゃうわ。私が紫音ちゃんを格好良く護りたいのに〜」 圭太:「なーに言ってんだよ。本番はこれからだろ、兄貴!」 真紅:「圭太!」 冨山:「炎さん・・・」 圭太:「遅くなってわりーなー。後は任せろっ」 圭太:「おい、てめーら舐めた真似しやがって。前ので懲りなかったよーだから、今度はきっちり叩き込んでやるよっ」 圭太:「おらぁあああああっ」 炎:「まあまあ・・・こんなに顔汚れちゃって。綺麗な顔が台無しよ?でも、紫音ちゃんのおかげでここまで来れたわ。」 炎:「ありがとう。後は任せてちょうだい!」冨山の肩に手を置く。 冨山:「いっー」 炎:「紫音ちゃん?肩痛いの・・・?」 冨山:「ぁ、ぃぇ、これは・・・」 真紅:「炎さん、殴られそうになった僕を庇った時に痛めたんですっ」 炎:「あら、そういうこと。教えてくれてありがと、真紅ちゃんー」 炎:「紫音ちゃん、真紅ちゃんの耳両手で塞げるかしら?」 冨山:「はぃ、それぐらいなら動かせそうです。」 炎:「うん。ありがとー 二人とも私が声を掛けるまで目を瞑っていてちょうだい。 二人には汚い私達を見せられないわ。」 炎:「音は紫音ちゃんにはハッキリ聴こえちゃうわね・・・ごめんなさい」 冨山:「私は大丈夫です。それより早く圭太さんの所に行ってあげて下さい。」 炎:「(微笑む)本当、紫音ちゃんは強い子ね。さすが真紅ちゃんの従者ー」 冨山:「ぇ・・・炎さん、私達のしょーっ」 炎:「シー。言わなくていいわ。とにかく今は目を閉じて待っていて。」 冨山:「はい。」 炎:「うん。いい子ね〜」 炎:「さーてと。」 圭太:「ぉ、兄貴おせーよ。」 炎:「ごめんね〜」 炎:「でぇ、誰だか知らねーが。弟のだちを危険な目に遭わせたこと、俺の大事な人を怪我させた 罪はおめーぞ。」 炎:「覚悟しろやっ! はぁあああっ 歯食いしばれ、おらっ」 0:間をあける。 炎:「お待たせ。目開けて良いわよ。」 冨山:「真紅も目を開けて大丈夫ですよ。」 真紅:「ぅー」 圭太:「真紅、ケガねーか?」 真紅:「ぁ、うん。僕なら大丈夫。それより圭太と炎さんは・・・」 冨山:「・・・砂埃ぐらいで、怪我は無さそうですね。」 圭太:「あの程度の奴ら、何の問題もないっすよ。そんな事より、真紅、紫音さん・・・」 圭太:「巻き込んでしまって、すみませんっ」 真紅:「ふぇ?」 冨山:「ぁ、の。巻き込んでしまったのは私達のー」 圭太:「いえっ。俺が悪いんです。」 圭太:「彼奴は前に俺がボコった奴らで、懲りたと思っていたがそうじゃなかった。」 圭太:「俺に対する奴らの怒りが二人を危険な目に遭わせてしまった・・・」 圭太:「本当に申し訳ありませんっ」 0:間をあける。 真紅:「圭太、顔上げてよ。圭太は何も悪くない。前の事だって、人を助ける為にとった行動だろ?」 真紅:「まぁ、正直暴力はどうかと思う時もあるけど。圭太は自分から手を出さない。」 真紅:「相手が攻撃をして来たから正当防衛真として取ってる行動なんだ。」 真紅:「その圭太の行動の意味が分かっていない人達だっただけ。僕達を御取りにして誘き寄せることしか、考えられなっかた人達だったんだよ。」 真紅:「護ってくれて、ありがとな!」 圭太:「真紅・・・」 炎:「そうそう。皆が無事なんだし、そんな顔しないの。けーちゃん!」 0:圭太の頭をガシガシ撫でる。 圭太:「ぁああっ 恥ずかしいから止めろ!けいちゃん言うな!」 炎:「あら?私はけーちゃんって呼んだわよ。けいちゃんじゃなくて、ふふ。」 圭太:「大して変わらねーよ!!!」 真紅:「ぁはははー」 冨山:「ふふふー」 炎:「さーて、帰りましょう。」 0:間をあける。 0:場面は変わり、駅前。 冨山:「今日はありがとうございました。」 真紅:「いろいろあったけど楽しかった。圭太、また遊ぼうな!」 圭太:「おう。いつでも連絡くれよー」 炎:「今日は会えて良かったわ。二人とも気をつけて帰るのよ〜 ぁ、紫音ちゃん。」 冨山:「はい。どうかしましたか?」 炎:「これ。中はお家に帰ってから見てちょうだい。」 冨山:「わ、かりました?」 炎:「ふふ、じゃまた会いましょう〜」 圭太:「またなー」 真紅:(N)二人に見送られながら家路につく。 真紅:(N)炎さんが冨山に渡した物が私には分からないが、まぁ想像は容易いこと。 真紅:「冨山、今日もご苦労様。疲れているでしょうからもう休みなさい。」 冨山:「かしこまりました。ではお風呂の準備をしてから休まさせて頂きます。」 真紅:「お風呂も他のメイドにさせるから良いわよ。ゆっくり休みなさい。」 冨山:「しかし・・・」 真紅:「私の言うことが聞けないのかしら?」 冨山:「っ・・・ かしこまりました。お嬢様もごゆっくりお休み下さい。」 0:真紅の部屋から出る冨山。 真紅:「・・・鈍いのだから。でも紫音らしいですわ。」 真紅: 0:一方、炎と圭太 0: 圭太:「なぁ兄貴。紫音さんに何渡したんだ?紙切れぽかったけど。」 炎:「ふーん。知りたい?」 圭太:「別に。」 炎:「あら、聞いた割には即答ね。」 圭太:「まあ、なんとなく分かるからさ。」 炎:「そう。次いつ会えるのかしら。」 圭太:「てかよ。あの場で連絡先聞けば良かったんじゃね?」 炎:「けいちゃんはもう少しロマンを知った方が良いわよ。じゃないと真紅ちゃんに振り向いてもらえないぞ!」 圭太:「ぅ、別にそういうんじゃないし。」 炎:「へー ふーん。そうなのね。」 圭太:「な、なんだよ。その顔は・・・」 炎:「真紅ちゃんがどうして男装してるか知りたい?実は私知ってるのよね〜」 炎:「顔が広いと情報も色々入ってくるのよね。」 圭太:「いや。俺は真紅が話してくれるのを待つ。男装しててもあいつはあいつだからな。」 炎:「そう。」 圭太:(N)真紅と初めて会った時から女だと気づいていた。兄貴があれだからか兄貴とその友達で見慣れているからか 圭太:(N)性別は直ぐに分かった。真紅に会ったのは酔っ払いのサラリーマンに絡まれていた真紅を助けたのがきっかけ。 圭太:(N)助けた礼がしたいからと連絡先を交換した。まぁ別に礼なんていらないのに。 圭太:(N)それから休日は遊ぶことが増えた。 圭太:(N)真紅について深く知っていないが遊んでいて楽しいから大した事では無い。 圭太:「あー腹減った。」 炎:「運動したからね。私もお腹空いてきちゃった。」 0: 0:完