台本概要

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タイトル あなたの顔
作者名 月儚(つくも)レイ  (@rose_moon44)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(女1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 「今日は大好きなあなたとのデート。また、早く来すぎてしまった。あっ、小走りのあなたがやってきた。」

こちらはとあるデートの日を描いた1人語りの1人読み、朗読台本になります。

朗読の際のお時間のほうは10分前後ほどかと思います。

女性向け台本にはなりますが、男性の方でもお手にとっていただければ嬉しいです。

ご利用の報告は強制ではありませんが、ご連絡いただけますと非常に嬉しいです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
- 主人公、語り手。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0: 0:少し寒さの残る青空の下、あなたを待つ。 0:待つと言っても、私が早く来すぎてしまったのだけれど。 0:少しでも早く会いたくて… 0:私を見つけた時、ちょっと焦るあなたが可愛くて… 0:私はあなたを待つのが好き。 0:   0:あっ…来た。 0:私を見つけた途端、慌てたように小走りになる。 0:あなたもまだ、待ち合わせの時間には早いくらいなのに…本当に可愛い。 0:   0:笑い合ったあと、あなたは手を差し出してくれる。 0:いつもそっと導いてくれる優しいあなたが大好き。 0:何度デートしても、あなたと手を繋ぐ瞬間はドキドキしてしまう。 0:手を繋ぐたびに、また恋をしているようで…この感覚もたまらない。 0:   0:まずは何をするでもなく、手を繋いでいつもの公園でゆっくり過ごす。 0:犬の散歩をしている人… 0:楽しそうに遊んでいる子供たち。 0:穏やかな風景に混ざりあなたと二人で歩く。 0:このなんでもない時間がとても愛おしい。 0:ゆっくりと流れて行く時間が心地よくて、幸せで…。 0:あなたも同じ気持ちで居てくれていたら、嬉しい…。 0:  0:あなたのお気に入りのカフェでランチを済ませたあとは、一緒に街を散策する。 0:たくさん一緒に過ごしたくて…あちこちお店が気になってしまう私に合わせて、いつも立ち止まってくれるあなた。   0:何度立ち止まっても、飽きる事もなく優しく付き合ってくれる。 0:何か欲しいわけでもない…こうして、優しいあなたと過ごしたいだけの、ワガママな私。 0:そんな私も受け入れてくれるあなたが愛しくて、繋いだ手に力が入る。 0:それに答えてくれるように、あなたもそっと…強く握り返してくれる。 0:顔が熱い…。 0:真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて、少し俯く。 0:あなたも、同じように赤くなってくれているのかな…。 0:   0:日が傾いて、今度は私のお気に入りのレストランで夕食を済ませる。 0:あなたと話をしていると楽しくて…食事が終わってもついつい、長居をしてしまう。 0:そうしていると、お店を出るとすっかり夜になっている。 0:再び手を繋ぎ、帰り道を歩く。 0:  0:あぁ、今日が終わってしまう…。 0:あなたとの時間が終わってしまう…。 0:  0:家が近付いてくるほど、寂しくて口数が減っていく。 0:時間が止まってほしい… 0:何度デートを重ねても、そう思ってしまう。 0:     0:ついに、家に着いてしまった。  0:名残惜しくて、なかなか離せない手をそっと離す。 0:温もりがすっと消えるようで、寂しい。 0:あなたとじっと見つめ合う。 0:    0:……。 0:見つめ…合う…? 0:   0:どうして…? 0:   0:あなたの顔が見えない…。 0:こんなにも近くにいるのに…。 0:  0:今、あなたがどんな顔をしているか… 0:今日、どんな顔をしていたか… 0:霧がかかったようにぼやけている。 0:   0:あたりが歪む… 0:景色と、あなたが遠くなっていく…。 0:   0:いやだ…。 0:   0:行きたくない…。 0:行かないで…。 0:    0:私を、一人にしないで…。 0:     0:  0:次に私の目の前に広がったのは、見慣れた天井。 0:ここは…自室だ…。 0:そして今日も、私は泣いている…。 0:もう、何度この目覚めを繰り返しているんだろう。 0:   0:あなたを亡くした、あの日から…。 0:あなたとした、最後のデートをずっと夢に見ている。 0:   0:けれど…夢を見るたび、あなたの顔が薄れてゆく…。 0: 0:今はもう、夢の始めから、あなたの顔を思い出せない…。 0: 0:夢を見るのが怖い… 0:夢から覚めるのが怖い… 0:  0:明日はこの夢が見られないんじゃないか… 0:いつか、夢の中からも、あなたが消えてしまうんじゃないか…と思うと、怖くて仕方がない…。 0:   0:きっと…これはいけないことなのはわかっている。 0:もしかしたら…あなたは私が前を向けるように、去ろうとしているのかもしれない…。 0:  0:わかってる…。 0: 0:わかってる…。 0:  0:わかってる………。 0:   0:けれど… 0:   0:どうか、夢の中でだけでもいい… 0:あなたに逢いたい。 0:あなたと何度でも、あの最後のデートの日を繰り返していたい…。 0:   0:なんでもいい… 0:あなたと一緒に居たい…。 0:  0:薄れていくあなたの姿に… 0:  0:いけない私は、今日もすがりつく…。 0:  0:(終)

0: 0: 0:少し寒さの残る青空の下、あなたを待つ。 0:待つと言っても、私が早く来すぎてしまったのだけれど。 0:少しでも早く会いたくて… 0:私を見つけた時、ちょっと焦るあなたが可愛くて… 0:私はあなたを待つのが好き。 0:   0:あっ…来た。 0:私を見つけた途端、慌てたように小走りになる。 0:あなたもまだ、待ち合わせの時間には早いくらいなのに…本当に可愛い。 0:   0:笑い合ったあと、あなたは手を差し出してくれる。 0:いつもそっと導いてくれる優しいあなたが大好き。 0:何度デートしても、あなたと手を繋ぐ瞬間はドキドキしてしまう。 0:手を繋ぐたびに、また恋をしているようで…この感覚もたまらない。 0:   0:まずは何をするでもなく、手を繋いでいつもの公園でゆっくり過ごす。 0:犬の散歩をしている人… 0:楽しそうに遊んでいる子供たち。 0:穏やかな風景に混ざりあなたと二人で歩く。 0:このなんでもない時間がとても愛おしい。 0:ゆっくりと流れて行く時間が心地よくて、幸せで…。 0:あなたも同じ気持ちで居てくれていたら、嬉しい…。 0:  0:あなたのお気に入りのカフェでランチを済ませたあとは、一緒に街を散策する。 0:たくさん一緒に過ごしたくて…あちこちお店が気になってしまう私に合わせて、いつも立ち止まってくれるあなた。   0:何度立ち止まっても、飽きる事もなく優しく付き合ってくれる。 0:何か欲しいわけでもない…こうして、優しいあなたと過ごしたいだけの、ワガママな私。 0:そんな私も受け入れてくれるあなたが愛しくて、繋いだ手に力が入る。 0:それに答えてくれるように、あなたもそっと…強く握り返してくれる。 0:顔が熱い…。 0:真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて、少し俯く。 0:あなたも、同じように赤くなってくれているのかな…。 0:   0:日が傾いて、今度は私のお気に入りのレストランで夕食を済ませる。 0:あなたと話をしていると楽しくて…食事が終わってもついつい、長居をしてしまう。 0:そうしていると、お店を出るとすっかり夜になっている。 0:再び手を繋ぎ、帰り道を歩く。 0:  0:あぁ、今日が終わってしまう…。 0:あなたとの時間が終わってしまう…。 0:  0:家が近付いてくるほど、寂しくて口数が減っていく。 0:時間が止まってほしい… 0:何度デートを重ねても、そう思ってしまう。 0:     0:ついに、家に着いてしまった。  0:名残惜しくて、なかなか離せない手をそっと離す。 0:温もりがすっと消えるようで、寂しい。 0:あなたとじっと見つめ合う。 0:    0:……。 0:見つめ…合う…? 0:   0:どうして…? 0:   0:あなたの顔が見えない…。 0:こんなにも近くにいるのに…。 0:  0:今、あなたがどんな顔をしているか… 0:今日、どんな顔をしていたか… 0:霧がかかったようにぼやけている。 0:   0:あたりが歪む… 0:景色と、あなたが遠くなっていく…。 0:   0:いやだ…。 0:   0:行きたくない…。 0:行かないで…。 0:    0:私を、一人にしないで…。 0:     0:  0:次に私の目の前に広がったのは、見慣れた天井。 0:ここは…自室だ…。 0:そして今日も、私は泣いている…。 0:もう、何度この目覚めを繰り返しているんだろう。 0:   0:あなたを亡くした、あの日から…。 0:あなたとした、最後のデートをずっと夢に見ている。 0:   0:けれど…夢を見るたび、あなたの顔が薄れてゆく…。 0: 0:今はもう、夢の始めから、あなたの顔を思い出せない…。 0: 0:夢を見るのが怖い… 0:夢から覚めるのが怖い… 0:  0:明日はこの夢が見られないんじゃないか… 0:いつか、夢の中からも、あなたが消えてしまうんじゃないか…と思うと、怖くて仕方がない…。 0:   0:きっと…これはいけないことなのはわかっている。 0:もしかしたら…あなたは私が前を向けるように、去ろうとしているのかもしれない…。 0:  0:わかってる…。 0: 0:わかってる…。 0:  0:わかってる………。 0:   0:けれど… 0:   0:どうか、夢の中でだけでもいい… 0:あなたに逢いたい。 0:あなたと何度でも、あの最後のデートの日を繰り返していたい…。 0:   0:なんでもいい… 0:あなたと一緒に居たい…。 0:  0:薄れていくあなたの姿に… 0:  0:いけない私は、今日もすがりつく…。 0:  0:(終)