台本概要
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タイトル | あやかしの姫 |
---|---|
作者名 | 月儚(つくも)レイ (@rose_moon44) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
「ふふふ、このような所へ迷い込むとは…。さぁ、来い…哀れな人の子よ…。わらわが救ってやろうぞ…。」 こちらは、妖艶なあやかしの姫を主人公とした1人語りの1人読み、朗読台本になります。 朗読の際のお時間のほうは10分前後ほどかと思います。 女性向け台本にはなりますが、男性の方でもお手にとっていただければ嬉しいです。 ご利用の報告は強制ではありませんが、ご連絡いただけますと非常に嬉しいです。 169 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
あやかしの姫 | 女 | - | あやかしを統べる妖艶な姫。主人公、語り手。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:
0:おやおや…。
0:このような所に人間が迷い込んでくるとは…。
0:ふふふ…。
0:
0:ようこそ、我が領域へ…と言っておこうか、人の子よ。
0:わらわはこの領域の主。
0:あやかし共を統べる姫じゃ。
0:
0:ん?何を怖がっておる…?
0:取って喰う気などありはせん…。
0:ほれ、そう怖がらずにこちらへ来い。
0:
0:そなたのような者がここへ迷いこんでくるのはいつぶりかのう?
0:ここへ迷い込む、ということはな?
0:単なる偶然ではないのじゃ。
0:まぁ、この領域で、わらわと出逢うことは幸運じゃがな。
0:
0:ふふふふ。
0:
0:そうそう、その顔じゃ。
0:ここへ迷い込んで来た者はみな、そうして不思議そうな顔をしおる。
0:自らが開いた扉であるにも関わらず、な…。
0:
0:ふふ、どういうことか知りたいか?
0:ならば、もっとこちらへ来い。
0:恐れず…わらわの手の届くところまで…ほれ、来るのじゃ。
0:
0:そう…それでいい。
0:ならば教えてやろう…。
0:そなたがこの領域へと迷い込んだ理由…。
0:それは…ここ…。
0:そう、そなたがこの胸に抱いた、闇、絶望、憎しみ…。
0:おお…おお…。
0:かようにまで黒い物を持つ者はとくに久しい。
0:わらわとまみえたことも、あながち幸運だけではないのかもしれぬな?
0:この黒い物を強く胸に抱き…
0:人間の世を捨てようとした者…
0:すなわち、自ら命を絶とうとした者だけが、人の身でここへと迷い込むことがあるのじゃ。
0:
0:くくく…ようやくわかってきたか?
0:自らが抱いたものに覚えがあるじゃろう?
0:
0:ほう…よかろう、話す気になったのなら申してみよ。
0:
0:ふむ、ふむ…。
0:…そう…。そうか。
0:裏切りによる絶望、憎しみ…。
0:行き場も、頼る者さえおらぬ孤独…。
0:
0:なるほどのう。
0:
0:よくある話、と人ならば言うのであろう。
0:じゃが…それらに触れて抱く闇の深さというのはまさしく千差万別(せんさばんべつ)。
0:
0:そなたが過ちを犯したわけではない。
0:
0:人の世は、あまりに醜い。
0:心というのものをここまで真っ黒く染めてしまうほどに…。
0:この黒く染まってしまった心を、もう戻せぬほどに…。
0:そして、どこかへと逃げることも許さぬほどに。
0:執拗に責め立て、傷付け、追い詰める。
0:
0:人の心など、ただでさえ脆い。
0:そのような脆い心を晒すには…あの世界はあまりにも汚すぎる。
0:
0:故に…
0:そこから逃げ出そうとすることも…
0:ここまで心を真っ黒にしてしまうことも…
0:決して悪いことではない。
0:
0:しかし…
0:そなた、かような人の世に未練があるな…?
0:ここまで心を闇に堕としてなお、まだ何かを期待しておる。
0:くくく、隠しても無駄じゃ。
0:わらわには全て、お見通しなのじゃからな。
0:
0:いかにあやかしの姫といえど、今のそなたを無理矢理引きずり込むことはできぬ。
0:言うたであろう?取って喰いはせぬ、とな。
0:あれはできぬという意味もあるのじゃ。
0:
0:そなたが一抹(いちまつ)の期待に賭け、もう一度人の世へと帰るというのなら…
0:振り返ることなく、そなたの後ろの道を行けばよい…。
0:
0:じゃが…わらわならそなたを救ってやれる。
0:人の世に嫌気がさしてここへ来たのじゃろう…?
0:
0:ほれ…来い。わらわの胸の中へと…そう、来るがよい。
0:
0:一度ここまで心を黒く染めた現世に何を期待するというのじゃ…?
0:もう、よいではないか…。
0:
0:人であることなど、捨ててしまえ…。
0:人であったことなど、忘れてしまえ…。
0:
0:何も恐れず…
0:何も考えず…
0:穢れも、何も知らぬ赤子のように…。
0:こうして、わらわに全てを委ねておればよいのじゃ…。
0:
0:さぁ…
0:あの道を行き、淡い期待と共にもう一度醜く残酷な人の世に帰るか…?
0:
0:それとも…
0:全てを捨て、全てを忘れて…
0:このままわらわに抱かれ、わらわの救いを受けるか…?
0:
0:決めるのは…そなたじゃ…。
0:
0:ふふふ…ふふふふふふ…。
0:
0:
0:(終)
0:
0:
0:おやおや…。
0:このような所に人間が迷い込んでくるとは…。
0:ふふふ…。
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0:ようこそ、我が領域へ…と言っておこうか、人の子よ。
0:わらわはこの領域の主。
0:あやかし共を統べる姫じゃ。
0:
0:ん?何を怖がっておる…?
0:取って喰う気などありはせん…。
0:ほれ、そう怖がらずにこちらへ来い。
0:
0:そなたのような者がここへ迷いこんでくるのはいつぶりかのう?
0:ここへ迷い込む、ということはな?
0:単なる偶然ではないのじゃ。
0:まぁ、この領域で、わらわと出逢うことは幸運じゃがな。
0:
0:ふふふふ。
0:
0:そうそう、その顔じゃ。
0:ここへ迷い込んで来た者はみな、そうして不思議そうな顔をしおる。
0:自らが開いた扉であるにも関わらず、な…。
0:
0:ふふ、どういうことか知りたいか?
0:ならば、もっとこちらへ来い。
0:恐れず…わらわの手の届くところまで…ほれ、来るのじゃ。
0:
0:そう…それでいい。
0:ならば教えてやろう…。
0:そなたがこの領域へと迷い込んだ理由…。
0:それは…ここ…。
0:そう、そなたがこの胸に抱いた、闇、絶望、憎しみ…。
0:おお…おお…。
0:かようにまで黒い物を持つ者はとくに久しい。
0:わらわとまみえたことも、あながち幸運だけではないのかもしれぬな?
0:この黒い物を強く胸に抱き…
0:人間の世を捨てようとした者…
0:すなわち、自ら命を絶とうとした者だけが、人の身でここへと迷い込むことがあるのじゃ。
0:
0:くくく…ようやくわかってきたか?
0:自らが抱いたものに覚えがあるじゃろう?
0:
0:ほう…よかろう、話す気になったのなら申してみよ。
0:
0:ふむ、ふむ…。
0:…そう…。そうか。
0:裏切りによる絶望、憎しみ…。
0:行き場も、頼る者さえおらぬ孤独…。
0:
0:なるほどのう。
0:
0:よくある話、と人ならば言うのであろう。
0:じゃが…それらに触れて抱く闇の深さというのはまさしく千差万別(せんさばんべつ)。
0:
0:そなたが過ちを犯したわけではない。
0:
0:人の世は、あまりに醜い。
0:心というのものをここまで真っ黒く染めてしまうほどに…。
0:この黒く染まってしまった心を、もう戻せぬほどに…。
0:そして、どこかへと逃げることも許さぬほどに。
0:執拗に責め立て、傷付け、追い詰める。
0:
0:人の心など、ただでさえ脆い。
0:そのような脆い心を晒すには…あの世界はあまりにも汚すぎる。
0:
0:故に…
0:そこから逃げ出そうとすることも…
0:ここまで心を真っ黒にしてしまうことも…
0:決して悪いことではない。
0:
0:しかし…
0:そなた、かような人の世に未練があるな…?
0:ここまで心を闇に堕としてなお、まだ何かを期待しておる。
0:くくく、隠しても無駄じゃ。
0:わらわには全て、お見通しなのじゃからな。
0:
0:いかにあやかしの姫といえど、今のそなたを無理矢理引きずり込むことはできぬ。
0:言うたであろう?取って喰いはせぬ、とな。
0:あれはできぬという意味もあるのじゃ。
0:
0:そなたが一抹(いちまつ)の期待に賭け、もう一度人の世へと帰るというのなら…
0:振り返ることなく、そなたの後ろの道を行けばよい…。
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0:じゃが…わらわならそなたを救ってやれる。
0:人の世に嫌気がさしてここへ来たのじゃろう…?
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0:ほれ…来い。わらわの胸の中へと…そう、来るがよい。
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0:一度ここまで心を黒く染めた現世に何を期待するというのじゃ…?
0:もう、よいではないか…。
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0:人であることなど、捨ててしまえ…。
0:人であったことなど、忘れてしまえ…。
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0:何も恐れず…
0:何も考えず…
0:穢れも、何も知らぬ赤子のように…。
0:こうして、わらわに全てを委ねておればよいのじゃ…。
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0:さぁ…
0:あの道を行き、淡い期待と共にもう一度醜く残酷な人の世に帰るか…?
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0:それとも…
0:全てを捨て、全てを忘れて…
0:このままわらわに抱かれ、わらわの救いを受けるか…?
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0:決めるのは…そなたじゃ…。
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0:ふふふ…ふふふふふふ…。
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