台本概要
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タイトル | 涙 |
---|---|
作者名 | 月儚(つくも)レイ (@rose_moon44) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 1人用台本(女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
「涙…涙…涙。止むことのない雨の中、すれ違うのは偽善と悪意。けれど、冷たい雨を止めたのは…。」 こちらは、悲しみにくれ、辛い雨の中をさまよう主人公の1人語りの1人読み、朗読台本になります。 朗読の際のお時間のほうは5~10分ほどかと思います。 女性向け台本にはなりますが、男性の方でもお手にとっていただければ嬉しいです。 ご利用の報告は強制ではありませんが、ご連絡いただけますと非常に嬉しいです。 114 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 女 | - | 主人公、語り手。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:
0:止まることのない、涙。
0:止め方も…
0:止める努力も、もう忘れてしまった。
0:
0:何度も立ち上がろうとした。
0:何度も笑おうとした。
0:けれど、そうするとまた、悲しい出来事が私を襲う。
0:
0:私はこんなに泣き虫だっただろうか…
0:時折、そう思ってみても…
0:
0:はじめから、こうだった気がしてしまう。
0:本当の自分すら、わからなくなる。
0:
0:一体何が悲しかったのかさえ、わからない。
0:雨のように、降り続く涙。
0:傘の在り処も…
0:傘のさし方も忘れてしまった。
0:
0:そして…
0:こうして雨に濡れて歩いていると色んな人とすれ違う。
0:
0:大丈夫ですか?と声をかけてくるけれど…
0:その目は私のことなんて見ていない、偽善の傘をさしだす人。
0:濡れたままの私を見ずに、とても満足そうに笑っている。
0:
0:雨に濡れている私を見て、悪戯な悪意を向け嘲笑い、心ない言葉を投げてくる人。
0:あなたは、誰…?
0:私も知らない誰かが、勝手に入り込んで容赦なく痛いところを踏みつけてゆく。
0:
0:けれど、その人達に抵抗する力も、私にはない。
0:
0:そうしてまた、雨が強くなる。
0:あぁ…
0:この雨音の強さは…
0:誰かのせいではなく…
0:私の弱さなのだろうか…
0:灰色の心に語りかけてみても…
0:容赦なく音を立てて粒を落とすだけで、答えてはくれない。
0:
0:声が枯れるほど泣き叫んでみても…
0:灰色の心にすがりついても…
0:雨音はただただ強くなっていくだけ。
0:私の体温を、どんどん奪っていく。
0:
0:寒い…寒い…。
0:寒い……。
0:この寒さから逃れるすべさえ、私は知らない。
0:
0:そうして今日も冷たい雨に体温を奪われていると…
0:突然、雨が止んだ。
0:見上げてみると…
0:
0:私の目をまっすぐにみて…
0:そっと傘をさしてくれている、あなたがいた。
0:
0:あなたが向けてくれた、泣きだしそうな優しい瞳を私は忘れない。
0:偽善でも悪意でもなく、私に向けられた傘。
0:そんなあなたに私はなにも考えず、気が付けばすがりついて泣いていた。
0:
0:暖かい傘は、私を全てから守ってくれた。
0:私を真っすぐに見つめるその目は全てを受け入れてくれた。
0:その大きな胸で、弱い私の全てを受け止めてくれた。
0:
0:あなたは、私がいくら雨を降らせても…
0:どこへも行かず、ずっと傘をさしてくれている。
0:優しい言葉と抱擁で、私の体温を取り戻してくれる。
0:雨が止むまで…
0:雨が止んでも…
0:あなたは私を見捨てず、いつも隣に居てくれた。
0:
0:私がもう一度立ち上がることができた時…
0:あなたは強く、私の手を握ってくれていた。
0:
0:涙…
0:私はやはり、泣いている。
0:けれど、これはあの冷たい雨じゃない。
0:嬉しくて…
0:優しくて…
0:暖かい…
0:あなたが教えてくれた、優しい雨。
0:灰色の心はいつの間にか消え去り…
0:あなたという太陽の下、笑顔の花を咲かせることができた。
0:
0:泣き虫な私は、結局涙を流してしまっているけれど…
0:今度は優しくて温かい雨と、あなたのぬくもりを感じながら…
0:私は、笑顔であなたと歩き始めた。
0:
0:
0:(終)
0:
0:
0:止まることのない、涙。
0:止め方も…
0:止める努力も、もう忘れてしまった。
0:
0:何度も立ち上がろうとした。
0:何度も笑おうとした。
0:けれど、そうするとまた、悲しい出来事が私を襲う。
0:
0:私はこんなに泣き虫だっただろうか…
0:時折、そう思ってみても…
0:
0:はじめから、こうだった気がしてしまう。
0:本当の自分すら、わからなくなる。
0:
0:一体何が悲しかったのかさえ、わからない。
0:雨のように、降り続く涙。
0:傘の在り処も…
0:傘のさし方も忘れてしまった。
0:
0:そして…
0:こうして雨に濡れて歩いていると色んな人とすれ違う。
0:
0:大丈夫ですか?と声をかけてくるけれど…
0:その目は私のことなんて見ていない、偽善の傘をさしだす人。
0:濡れたままの私を見ずに、とても満足そうに笑っている。
0:
0:雨に濡れている私を見て、悪戯な悪意を向け嘲笑い、心ない言葉を投げてくる人。
0:あなたは、誰…?
0:私も知らない誰かが、勝手に入り込んで容赦なく痛いところを踏みつけてゆく。
0:
0:けれど、その人達に抵抗する力も、私にはない。
0:
0:そうしてまた、雨が強くなる。
0:あぁ…
0:この雨音の強さは…
0:誰かのせいではなく…
0:私の弱さなのだろうか…
0:灰色の心に語りかけてみても…
0:容赦なく音を立てて粒を落とすだけで、答えてはくれない。
0:
0:声が枯れるほど泣き叫んでみても…
0:灰色の心にすがりついても…
0:雨音はただただ強くなっていくだけ。
0:私の体温を、どんどん奪っていく。
0:
0:寒い…寒い…。
0:寒い……。
0:この寒さから逃れるすべさえ、私は知らない。
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0:そうして今日も冷たい雨に体温を奪われていると…
0:突然、雨が止んだ。
0:見上げてみると…
0:
0:私の目をまっすぐにみて…
0:そっと傘をさしてくれている、あなたがいた。
0:
0:あなたが向けてくれた、泣きだしそうな優しい瞳を私は忘れない。
0:偽善でも悪意でもなく、私に向けられた傘。
0:そんなあなたに私はなにも考えず、気が付けばすがりついて泣いていた。
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0:暖かい傘は、私を全てから守ってくれた。
0:私を真っすぐに見つめるその目は全てを受け入れてくれた。
0:その大きな胸で、弱い私の全てを受け止めてくれた。
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0:あなたは、私がいくら雨を降らせても…
0:どこへも行かず、ずっと傘をさしてくれている。
0:優しい言葉と抱擁で、私の体温を取り戻してくれる。
0:雨が止むまで…
0:雨が止んでも…
0:あなたは私を見捨てず、いつも隣に居てくれた。
0:
0:私がもう一度立ち上がることができた時…
0:あなたは強く、私の手を握ってくれていた。
0:
0:涙…
0:私はやはり、泣いている。
0:けれど、これはあの冷たい雨じゃない。
0:嬉しくて…
0:優しくて…
0:暖かい…
0:あなたが教えてくれた、優しい雨。
0:灰色の心はいつの間にか消え去り…
0:あなたという太陽の下、笑顔の花を咲かせることができた。
0:
0:泣き虫な私は、結局涙を流してしまっているけれど…
0:今度は優しくて温かい雨と、あなたのぬくもりを感じながら…
0:私は、笑顔であなたと歩き始めた。
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0:(終)