台本概要

 118 views 

タイトル 2人の世界
作者名 月儚(つくも)レイ  (@rose_moon44)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(女1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 「初めて見た時から憧れだったあなた…そんなあなたが、今は隣にいる。大切で愛しくて、儚い、秘密の私達だけの世界…」

こちらは、百合の恋模様をモチーフとした1人語りの1人読み、朗読台本になります。

朗読の際のお時間のほうは5~10分ほどかと思います。

女性向け台本にはなりますが、男性の方でもお手にとっていただければ嬉しいです。

ご利用の報告は強制ではありませんが、ご連絡いただけますと非常に嬉しいです。

 118 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
- 主人公、語り手。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0: 0:  0:貴女は私の憧れだった。 0:強く、美しく、気高い… 0:王子様であり、お姫様。 0:皆から慕われる、決して手の届かない存在。 0:そんな貴女が憧れでもあり、怖くもあった。 0:薔薇のように高貴な貴女に触れれば、怪我をしてしまいそうで… 0:遠くから見ているだけで十分だった。 0:  0:けれど… 0:偶然見つけてしまった、仮面の下。 0:雫を落とし、肩を震わせるその姿は… 0:王子様でも、お姫様でも、薔薇でもなく… 0:私と同じ、一人の女の子だった。 0:とても不安そうに震えて… 0:今にも消えてしまいそうな、儚い貴女。 0:そんな貴女をたまらず抱きしめてしまう。 0:  0:しまった…と思ったけれど… 0:貴女は拒まず、こんな私の胸で泣いてくれた。 0:だから、私は貴女の涙と一緒に… 0:貴女の素顔をこの胸に受け止めて、秘めた。 0:  0:あの日から、二人の世界が始まった。 0:誰にも秘密の、私達だけの特別な時間。 0:すっかり静かになった、誰もいない帰り道に待ち合わせて、ぎこちなく指を絡めて微笑み合う。 0:夜遅く…声を潜めて、電話越しに慣れない名前を呼び合う。 0:あんなにも遠かった貴女に触れている。 0:あんなにも遠かった貴女が、私の名前を呼んでくれている。 0:そして… 0:私にだけ、本当の姿を見せてくれている。 0:私だけが知っている、あなたの素顔。 0:お茶目で、可愛くて…意外と子供っぽくて…けれど繊細で、脆い… 0:憧れの貴女が、どんどん愛おしい貴女になってゆく。 0:ぎこちなさが緩くなるたび、貴女に近付いている気がした。 0:そのたびにまた、好きになってゆく。 0: 0:絡めた指が離れる時… 0:電話越しに「おやすみ」と言葉を重ねた時… 0:二人の世界から日常へと戻る瞬間、いつも不安になる。 0:また、この世界に帰って来られるか、怖くて仕方がない。 0:けれど、貴女が私と同じ表情を浮かべた時… 0:おやすみの後、名残惜しい沈黙が続いた時… 0:不安と恐怖は安心と愛しさへと変わる。 0:  0:これは恋なのだろうか… 0:憧れの延長なのだろうか… 0:  0:わかってる…。 0:わかってる……。 0:  0:けれど… 0:確認してしまったら… 0:認めてしまったら… 0:口に出してしまったら… 0:  0:二人の世界が壊れてしまいそうで… 0:貴女がまた、遠くへ行ってしまいそうで… 0:だから私はこの想いも、そっと胸に秘めておく。 0:  0:これ以上は、今は望まない。 0:もしこの想いがいけないものなら… 0:この先も、ずっと望まない。 0:例え、時間が残酷に二人の世界を壊してしまう時がきても… 0:私は、ワガママは言わない…。 0:  0:だから、どうか… 0:せめて許される間だけでもいい… 0:この、愛おしくて、儚い二人の世界が… 0:少しでも長く続いて… 0:貴女と二人で、幸せに過ごせますように。 0: 0: 0:(終)

0: 0:  0:貴女は私の憧れだった。 0:強く、美しく、気高い… 0:王子様であり、お姫様。 0:皆から慕われる、決して手の届かない存在。 0:そんな貴女が憧れでもあり、怖くもあった。 0:薔薇のように高貴な貴女に触れれば、怪我をしてしまいそうで… 0:遠くから見ているだけで十分だった。 0:  0:けれど… 0:偶然見つけてしまった、仮面の下。 0:雫を落とし、肩を震わせるその姿は… 0:王子様でも、お姫様でも、薔薇でもなく… 0:私と同じ、一人の女の子だった。 0:とても不安そうに震えて… 0:今にも消えてしまいそうな、儚い貴女。 0:そんな貴女をたまらず抱きしめてしまう。 0:  0:しまった…と思ったけれど… 0:貴女は拒まず、こんな私の胸で泣いてくれた。 0:だから、私は貴女の涙と一緒に… 0:貴女の素顔をこの胸に受け止めて、秘めた。 0:  0:あの日から、二人の世界が始まった。 0:誰にも秘密の、私達だけの特別な時間。 0:すっかり静かになった、誰もいない帰り道に待ち合わせて、ぎこちなく指を絡めて微笑み合う。 0:夜遅く…声を潜めて、電話越しに慣れない名前を呼び合う。 0:あんなにも遠かった貴女に触れている。 0:あんなにも遠かった貴女が、私の名前を呼んでくれている。 0:そして… 0:私にだけ、本当の姿を見せてくれている。 0:私だけが知っている、あなたの素顔。 0:お茶目で、可愛くて…意外と子供っぽくて…けれど繊細で、脆い… 0:憧れの貴女が、どんどん愛おしい貴女になってゆく。 0:ぎこちなさが緩くなるたび、貴女に近付いている気がした。 0:そのたびにまた、好きになってゆく。 0: 0:絡めた指が離れる時… 0:電話越しに「おやすみ」と言葉を重ねた時… 0:二人の世界から日常へと戻る瞬間、いつも不安になる。 0:また、この世界に帰って来られるか、怖くて仕方がない。 0:けれど、貴女が私と同じ表情を浮かべた時… 0:おやすみの後、名残惜しい沈黙が続いた時… 0:不安と恐怖は安心と愛しさへと変わる。 0:  0:これは恋なのだろうか… 0:憧れの延長なのだろうか… 0:  0:わかってる…。 0:わかってる……。 0:  0:けれど… 0:確認してしまったら… 0:認めてしまったら… 0:口に出してしまったら… 0:  0:二人の世界が壊れてしまいそうで… 0:貴女がまた、遠くへ行ってしまいそうで… 0:だから私はこの想いも、そっと胸に秘めておく。 0:  0:これ以上は、今は望まない。 0:もしこの想いがいけないものなら… 0:この先も、ずっと望まない。 0:例え、時間が残酷に二人の世界を壊してしまう時がきても… 0:私は、ワガママは言わない…。 0:  0:だから、どうか… 0:せめて許される間だけでもいい… 0:この、愛おしくて、儚い二人の世界が… 0:少しでも長く続いて… 0:貴女と二人で、幸せに過ごせますように。 0: 0: 0:(終)