台本概要

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タイトル 魔法オニーサン☆タカヒロ
作者名 シガレット
ジャンル コメディ
演者人数 4人用台本(男2、不問2) ※兼役あり
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 この台本は、もしも万一、されたい方がいらっしゃったら、改変、アドリブ、演者の性別や人数変更・・諸々なんでも可です。
やりやすいよう、お好きにどうぞ・・・(笑)
唯一のNGは、誹謗中傷です。
※作中の暴言については、あくまで作中のキャラクターが話しているだけなので、中に入られる方は、くれぐれも、お気になさったりお心を痛めませんよう・・・(o_ _)o))演者様同士仲良くどうぞ・・・。責任は取らんのでございます。笑
特にタヌキの台詞などは、とある地域で勤務していた際に、3分も待てぬお客様より頂戴した暴言をふんだんに使用しておりますので、ご注意下さい(笑)あの方はきっと、カップラーメンにも怒りを炸裂させていることでしょう・・w
御閲覧下さった皆様におかれましては、こんな汚い日本語使っちゃだダメだよね・・・!という反面教師にして下さい。ネッw(´▽`)

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
N 不問 7 熱いナレーター。ナレーションだけかと思った?残念!ビセイダーと兼ね役があるんだなぁwがんば(笑)
タヌモン 不問 70 見た目はゆるキャラ、中身はオッサンな小タヌキ。 今では誰も使わないような、どギツめの関西弁を話す、劇の国(ホンマか?)の妖精(キッツ)。 ただ良い声と良い劇が聞きたいという欲を満たす為に一般人(じゃなくてもいいよ!!(大声))を契約させ、『劇人(何とでも好きに言うて)』へ変身できる力を貸す。 性別不明。個体差があるので好きな方言でどうぞw 伴って犠牲者1と2の反応も改変して頂いてモウマンタイなので、なんか良い感じで好きにやってもろてどうぞw
タカヒロ 78 その辺歩いてた大学生。身長185㎝、水泳部。趣味はトレーニング。 善人故に、道端にスッ転がってたタヌモンを拾ってしまい(ドンマイ!)巻き込まれた可哀想な犠牲者その1(ドンマイ!)
ユウスケ 80 タカヒロの友人。身長175㎝、水泳部。趣味は漫画と、トレーニング。 良い奴だったが故にタカヒロに道連れにされた哀れな犠牲者その2(ドンマイ!)
ビセイダー 18 ゴッツ・ワァルイ・ヤーツ帝国の幹部、マニンゲインの一人。エエ声。 パッツパツ(見かけは読まれた方のご想像にお任せします。好きに表現変えてw)な変態。ナレーターと兼ね役(笑) 作者的には、どこまでも気持ち悪くやってもらって大丈夫です(笑)ガンバ☆ 人数足りたら、Nと分けてもダイジョブ!←
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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N:ボイス県、西檄(せいげき)市ッ! N:閑静な住宅街にはこの日、平和を乱す不穏な影と、欲望にまみれた一匹の狸が忍び寄っていたッッ!  :  タヌモン:「(ヨロヨロの体で)あ゛ぁ゛ぁ゛アカン・・・ワシの心の気力ゲージがスカンピンや・・・ タヌモン:一刻もはよ劇聴かな多分死んでまう・・・・ タヌモン:せやけどワシ一人やったらできんのやなぁこれが・・・どこぞ通りがかりに、 タヌモン:「劇して!」「ええよ!!」って、ちゃっとOKするような奴おらんかなぁ・・・ タヌモン:ハッ!あれは、人影・・!ヨッシャァア!ワシめっちゃツいとるがな! タヌモン:ほな・・・この手ェ使ったろやないか!!どらっ(死んだように道に倒れ込む)」  :  0:話しながら2人の男子大学生が道を歩いてくる。  :    タカヒロ:「はぁ~、今日もあの教授、何て言っているかわからなかったな」 ユウスケ:「なんで語尾だけ声張んのかね~?」 タカヒロ:「それまでが聞き取れんから意味ないんだよな」 ユウスケ:「拡声器使って丁度くらい?」 タカヒロ:「反響して俺らの耳が死ぬぞ」 ユウスケ:「結局聴こえねぇやつなw」 タカヒロ:「被害が増すだけだな(笑)」 ユウスケ:「あ!あと、あれもやばかったよな~!スライドのプリント。」 タカヒロ:「すべからく真っ黒だったな」 ユウスケ:「逆にどうやったらあんな事になるんだよww」 タカヒロ:「さあな。ともあれ問題は試験だろ。教科書に載ってない気がするんだよな。 タカヒロ:先輩から過去問借りるしかないか・・・って、何だアレ」 ユウスケ:「ん?なんかあった?」 タカヒロ:「ほら、あれだよあれ。毛玉・・・か?」 ユウスケ:「ゲッ、轢かれた動物かな?うわっ、見たくねー、別の道通ろうぜ~」 タヌモン:【Ⅿ】えぇぇ、嘘やろ?!アカン、アカンて!このままやったら話終わってまうやないか!しゃあない・・・! タヌモン:「(弱弱しく)た、タヌ~・・・」 タカヒロ:「ちょ、なんか動いたぞ?!」 ユウスケ:「うそ、生きてんの?!」 タカヒロ:「行くぞ!助けないと!」 ユウスケ:「ええ?!行くの?!」 タヌモン:【Ⅿ】うぉぉおおおっしゃあああ!計画通りやがな!さぁ、こっちへカモンや!カモだけに! タカヒロ:「(タヌモンを助け起こす)おい、大丈夫か?!生きてるか?!」 タヌモン:「う~ん、う~ん・・・ タヌモン:(早口小声で)なかなかエエ声やないか・・・う~ん・・・フヘヘ・・・」 タカヒロ:「良かった、息がある!」 ユウスケ:「えっ、今何か人間みたいに喋ってなかったソイツ?!てか心なしかニヤついてないその狸?!」 タカヒロ:「なに言ってんだよ、轢かれてもなさそうだし、無事ならなんだっていいだろ!」 タヌモン:「う~ん、う~ん・・・(早口小声で)もう片方もエエ声しとるがな・・・ゲヘへ・・・」 ユウスケ:「お前、心広すぎん?!手元見えてる?!ゲヘゲヘ笑ってんぞ、そのきっしょい狸!」 タカヒロ:「苦しくて咳込んでんだろ、多分」 タヌモン:「せやぞお前、どう考えても可愛らしぃ見た目しとるやろが。あんまシツレーな事言うとったらシバキ回すぞ鴨が」 タカヒロ:「えっ」 ユウスケ:「えっ」 タヌモン:「えっ・・・。 タヌモン:・・・し、しんどいタヌ~!息でけへん死んでまうタヌ~! タヌモン:ゲーッホッゴホッ、ゲッフォフォーンッッぐはーっ(棒)」 タカヒロ:「・・・」 ユウスケ:「・・・・・・」 タカヒロ:「ハッ!大丈夫か!死ぬな!」 ユウスケ:「待てぇぇい!そーじゃないね?!反応間違ってるねぇ?!」 タカヒロ:「だってほら、しんどいと言ってる。」 ユウスケ:「お願い正気に戻って。いつもの冷静なタカヒロに戻って。頼むから俺一人にツッコミを任せないで!!」 タカヒロ:「お前ならできる。」 ユウスケ:「めんどくさいからってボケの波に乗って行かないで!お前は!こっち側じゃなきゃダメなの!!」 タカヒロ:「・・・大変そうだったから。」 ユウスケ:「ほらねぇぇ!!白状しやがったよ、この薄情者ー!!」 タヌモン:「お前、なかなかうまい事言うやないか(笑)座布団やろかw」 ユウスケ:「お前のせいだろがクソ狸ぃ!笑ってんじゃねぇわ!つーか、しれっと喋ってんじゃねぇー!!」 タカヒロ:「そうだ、よく考えたら狸なのになんで喋れるんだ?というか元気なんじゃ・・・」 タヌモン:「ふっふっふっ・・よぉ訊いてくれたやないか!しゃぁないなぁ、答えたろやないか!ワシの名前ha」 ユウスケ:「あっ、待ってやっぱいいです、別にいいです・・・俺巻き込まれたくないんで・・無事でよかったですね、それじゃ・・・」 タヌモン:「オイ待て待て待てぇ!!唐突に壁を作ろうとすな!!今ワシ名乗っとったがな!!最後まで聞いてけつからんかい!」 ユウスケ:「えっ、ヤダ・・・だって柄悪いオッサンみたいな喋りするじゃん・・・厳つ・・・」 タカヒロ:「確かに、ナイターで酒のみながら野次を飛ばしているオッサンとトントン(どっこい)だな」 タヌモン:「喧しいわ!偏見やぞ!アイデンティティっちゅうやつや!個体差や!」 ユウスケ:「(引きながら)えッ・・・個体差ってことは、こんなのがまだいっぱいいるの・・・?!」 タカヒロ:「拝みたくない光景だな・・・胸やけしそうだ」 タヌモン:「おどれらどんな想像をしとるんや・・・! タヌモン:まぁええわ!話進まんしワシのゲージも減っていく一方やから黙って聞いとれよ! タヌモン:ワシの名前はタヌモン!劇の国から来た妖精やタヌ!」 ユウスケ:「うわ、最悪だ・・・強引に名乗られた」 タカヒロ:「妖精って・・・自分で言ってるのキツくないのかな・・・しかも取ってつけた様な不自然な語尾がまた腹立つな・・」 ユウスケ:「自覚してんじゃね?」 タヌモン:「そこ!コソコソ話すな!全部聞こえとるわ! タヌモン:(咳払い)ん゛ん゛!ほな進めるでぇ!君らに接触したのは他でもあらへん。 タヌモン:ワシの娯楽の為・・・ちゃうわ、忘れぇ。 タヌモン:・・・ワシに協力して、この町とワシの国を守ってほしいんやタヌ!」 タカヒロ:「ワシの娯楽って言った・・・」 ユウスケ:「アウトでしょ、もう言い換え無理でしょ・・・」 タヌモン:「なァにまたブツブツ言うとんねん。まぁなんや、つまりそういうこっちゃから、いっちょ頑張ってもらおか! タヌモン:よろしゅう頼むで!うヘへへ」 タカヒロ:「なぁユウスケ、俺やばいもん拾った気がする」 ユウスケ:「バカ・・・ほんとバカ・・・遅いのよ・・・(泣)」 タヌモン:「よっしゃ、退路は諦めたようやな。ほなこっから詳しい説明すんで。よぉ聞いとけタヌ」 タカヒロ:「いちいち腹立つ奴だな」 タヌモン:「(咳払い)ん゛ん゛!・・・実は、ワシの出里(でざと)では国を挙げて劇を奨励しとってなぁ・・・。 タヌモン:皆それはもう日夜問わず、毎日劇して、劇見て、劇聞いて、楽しぃ暮らしとったんや・・・」 ユウスケ:「出里って、言い方なんかないのかよ・・・・ていうか仕事は・・・?」 タヌモン:「なんでか言うたらな?」 ユウスケ:「コイツ無視しやがった」 タヌモン:「ワシらは劇を見たり聴いたりすることで「気力」という、 タヌモン:いわゆる命に関わるかもしれへん、エネルギーみたいなもんを補給するために、 タヌモン:それが必要やったんやタヌ。」 タカヒロ:「無茶苦茶ふわっとした設定だな・・・」 タヌモン:「ほんでそれが腹のここの所へな、ゲージとして出るんや。見える?」 タカヒロ:「その十円禿げっぽいの、メーターだったんだな。」 タヌモン:「せや!満タンなったら生えんねんがな。」 タカヒロ:「・・・けど、命に関わる『かもしれない』ってことは、別に必要不可欠って訳じゃn」 タヌモン:「(被せて)あ~あ~、聞こえまヘんなァ~~!!タヌモン狸やからァ、ちょっと何言うとるんかわからんタヌゥ」 ユウスケ:「可愛くねぇぇー!都合悪くなったら動物面とかマジで腹立つ・・・!」 タヌモン:「まぁ、タヌキだけに、なww」 ユウスケ:「うるせー!ドヤ顔すんな!」 タヌモン:「ともあれ、ワシらは突然、そんな日常を送れんようになってしもたんや・・・ タヌモン:ゴッツ・ワァルイ・ヤーツ帝国の『マニンゲイン』のせいでな・・・!」 ユウスケ:「真人間?」 タカヒロ:「コレに比べたら割と誰でもまともなんじゃないか?」 タヌモン:「喧しいわ。コレ呼ばわりすな」 ユウスケ:「そこ?!・・・まともじゃないのは自覚してんのか・・・」 N:説明しようッ!! ユウスケ:「どわっ?!」 タカヒロ:「なんだ?!いきなりどっかから声が聞こえてきたぞ?!」 N:ワァルイ・ヤーツ帝国とはッ!劇の国に敵対しッ!劇公演など娯楽の一切を排除しようと目論む、わるわるーい国であるッ!! N:そしてマニンゲインとはッッ!ワァルイ・ヤーツ帝国の中枢を担う、幹部たちの事であるッ!! N:そ・し・てェ!劇の国で一匹、バカ騒ぎしていたタヌモンは、マニンゲインの一人、ビセイダーに目を付けられ追い回された挙句、 N:命からがら、この町へと逃げだしてきたのであるッ!! タヌモン:「説明おおきに。」 N:どういたしましてェッ!! ユウスケ:「何と喋ってんの?!誰と喋ってんの?!ねぇどっから声聞こえてきてんの?!」 タヌモン:「騒がんでエエ。そのうち解るわ。なんやったらあと五分もせん内にわかるわ。多分声で」 ユウスケ:「声で?!」 タカヒロ:「どういうことだよ・・・」 タヌモン:「人足(にんそく)足りんでもできるようにしてあんねんがなタヌ。ちゃうかったら別人や。察しろタヌ。」 タカヒロ:「キャストのこと人足っていうのやめろ」 ユウスケ:「なんの話?!」 タヌモン:「まぁつまりや。早い話が、ワシ追われとんねんw タヌモン:ほんでソイツ倒さんかったらワシの国もこの町も、ちゅうか、一番ワシがやばいねんw タヌモン:助けて。」 タカヒロ:「・・・」 ユウスケ:「・・・・・・」 タカヒロ:「田吾作どん、こんタヌキさ山へ帰ぇすべや」 ユウスケ:「与作どん、紐持ってる?手足縛んべや」 タヌモン:「わー!か弱い動物いじめてなんやねんお前ら!鬼かっ!黙って手ェ貸せタヌー!!」 タカヒロ:「断られる原因はそういうとこだよ」 ユウスケ:「つーか、一応聞いてやるけどさぁ、この町がやばいってのは何なのよ」 タヌモン:「それはやな。」 N:説明しようッ!! タカヒロ:「またか!」 タヌモン:「おつタヌ~。準備でけた?」 N:「(もうあと数台詞で兼ね役になるのでご自由に意気込みや今日のコンディションや返答などをどうぞ) N:・・・そしてッ!!話を戻すッ!この町の危機、とはッ!!追ってきたビセイダーが、町ごとタヌモンを破壊しようと画策しているのであるッ!!」 タヌモン:「・・・そういうこっちゃ」 タカヒロ:「(同時に)お前のせいじゃねーか!!」 ユウスケ:「(同時に)お前のせいじゃねーか!!」 タヌモン:「まぁーまぁー、そないヤイヤイ言わんでもダァイジョウブやがな、心配あれへん! タヌモン:タカヒロとぉ、ユウスケがぁ~、ワイの力でぇ変身して戦ったらぁ、 タヌモン:ビセイダーなんか、チョチョイのチョイのジョイ君や!!」 タカヒロ:「いきなり名前呼びで距離詰めてきた・・・」 ユウスケ:「誰だよジョイ君。って、いや、何で俺らがそんな事しなきゃいけないわけ?!もっと他あたれよ!」 タヌモン:「いやー・・・だってほらぁー、シムラ後ろ・・」 タカヒロ:「(同時に振り向く)ハァ?!」 ユウスケ:「(同時に振り向く)ハァ?!」 ビセイダー:「ハーッ、ハッハッハーッ!!!!ついに見つけたぞ!害獣!!」 ユウスケ:「近ッ!てかうるさ!・・・いや、何だコイツ、色んな所がパッツパツだ!全ッ然真人間って感じじゃねぇじゃん?!」 タカヒロ:「見た目振り切ってるなぁ・・・通報しようか」 ビセイダー:「登場しょっぱなで通報するのやめてくれないかな、BOY?!国家権力には弱いんだよっっ!」 タカヒロ:「出て来て二秒で弱点を晒したぞ」 ユウスケ:「なぁ害獣、早くあれ警察に突き出して来いよ。俺ら帰れるじゃん。」 タヌモン:「誰が害獣や!名前で呼ばんかい!お前だけ衣装全身シースルーにすんぞっ?!」 タカヒロ:「うわ、変態しかいなくなるからそれはやめてくれ。絵面がキツイ」 ユウスケ:「しれっと友人に変態って言えちゃうお前もお前だよな」 ビセイダー:「ええい!ごちゃごちゃ喧しいわっっ!! ビセイダー:――劇の国の害獣め!今日こそお前の息の根を止めてやる!覚悟しろ!!」 タヌモン:「やっば。しゃあない!タカヒロ、ユウスケ、迎え撃つタヌ!」 ビセイダー:「おやぁ?・・・BOYs・・・その害獣の仲間だったんだなぁぁ・・・?」 ユウスケ:「ゲッ、こっち向いた!!違う違う!違うって!俺達このタヌキに巻き込まれte」 ビセイダー:「ならば、容赦はできないなぁ・・・?!まずはBOYsから、葬ってあげよう・・・!!はぁぁ・・・・・!!」 タカヒロ:「チッ!人の話聴かなさそうな顔してるなぁと思ったらやっぱりか・・・!! タカヒロ:とりあえずコイツ後で絶対タヌキ汁にしてやろ」 タヌモン:「ヤメレ~~!尾っぽ鷲づかみにすんのやめろタヌ~!酔う~!吐く~!!タヌ~!!」 ユウスケ:「やばいってタカヒロ!今そいつ吊るしてる場合じゃないって!! ユウスケ:アイツこっち向いて構えてんだけど?! ユウスケ:なんか地鳴りみたいな音するし危ねーよ!逃げよう!!」 タカヒロ:「お、おう!」 タヌモン:「おえぇ~・・・ハッ!手ぇ離れタッヌ!チャンス!逃がすか!よいしょォッッ!」 ユウスケ:「ぐぇっ!! ユウスケ:~~お前が足引っ張ってどーすんのよ?!馬鹿なの?!何やってんの?!お前逃げる側でしょ?!」 タヌモン:「アホか!攻撃は最大の防御っちゅーやろ! タヌモン:アイツ、ビームのエネルギー溜めとる間は動かれへんのんや! タヌモン:せやから、今のうちにタカヒロ!ユウスケ!二人で変身して攻撃や!!」 タカヒロ:「オイ待て、さっきからその変身、って言ってるけど俺達同意してな」 タヌモン:「ガタガタぬかしてんと、はよこの台本とマイク持てェェェ! タヌモン:ワシと契約して魔法☆オニーサンになれタヌ!どらー!」 ユウスケ:「おい押し付けんなって! ユウスケ:えぇ、ほんとナニコレ・・・ってかどっから出してきたのコレ・・・?」 N:説明しようっ!! タヌモンの・・・どっかから出されたマイクを手にした者は、 N:劇の国のパワーを得る資格のある者、すなわち『劇人』として認められ、身体能力が大幅に強化されるのであるッ!! N:そして同時にッ!マイクを通し、その台本に書かれた台詞を感情を込めて読むことでッ!! N:腐っても妖精の力が加わり、そこに書かれた現象を具現化することができるのだッ!! タヌモン:「誰が腐ってもじゃー!! けどまぁ、平たく言うたらそういうこっちゃ! タヌモン:細かいことは気にすな! タヌモン:お前らみたいなド一般人でも、昔憧れたあのヒーローみたいになれて タヌモン:勝てる可能性あるっちゅーこっちゃ!!急ぐぞ!」 タカヒロ:「巻き込んどいたくせに言ってくれるよな・・・!! タカヒロ:けど、・・・ヒ、ヒーロー、か・・・それはちょっと気になるかもしれん・・・」 ユウスケ:「なに言ってんだよ!・・・かっ、仮面ハイダーみたいなやつかなっ・・・?! ユウスケ:でも俺ら格闘技とかやったことないし、マジでできんの・・・?!」 タヌモン:「なんやかんや言うてソワっとるやないかお前ら!安心せぇ! タヌモン:ワシがプリチーなマスコットキャラとして説明しながらサポートしたる! タヌモン:行くぞ!!フィールド展・開ッ!! ぺかーっ!(謎発光)」 タカヒロ:「うわ、何だこの光!」 タヌモン:「よっしゃ!さあ、台本開けタヌ!マイク通して同時に読めェ!!」 タカヒロ:「クソ、儘よ・・・!!」 ユウスケ:「やるしかないってことね・・・!うおおお!(台本を開く)」 タカヒロ:「(同時に)ドレスアップ!ミラクル☆チェンジ!!・・・はぁ?!」 ユウスケ:「(同時に)ドレスアップ!ミラクル☆チェンジ!!・・・はぁ?!」 0:きらきらとしたポップな音楽とエフェクトに包まれ、弾ける七色の光。 0:音楽の終わりと共に、煙幕の中にぼんやり変身後の二人の影が映る。 タカヒロ:「げっほ・・ごほっ、ぐぇ・・け、煙た・・・!」 ユウスケ:「ごほごほっ・・・おぇ、スモーク焚きすぎィ・・・」 タヌモン:「ヨレヨレやないか!しっかりせぇよタヌ!煙開けたらポーズ取って次の台詞や!! タヌモン::きっちり決めたらんかいヒーロー! タヌモン:仕切り直すぞ!・・・3・2・1!行ったれェー!」 タカヒロ:「―きゅるるん瞳に正義の光っ♪熱いハートで悪・即・斬っ☆ 魔法・美少女キュート♡ピンク!!」 ユウスケ:「―華麗に可憐にあなたを魅了っ♪キラキラハートでやっつけちゃうよっ☆ 魔法・美少女シャイン♡イエロー!!」 タヌモン:「・・・」 ビセイダー:「・・・」 タカヒロ:「・・・・・・(ユウスケを見る)」 ユウスケ:「・・・・・・(タカヒロを見る)」 タヌモン:「(同時に)おぇぇぇ」 タカヒロ:「(同時に)おぇぇぇぇ」 ユウスケ:「(同時に)おっぇぇぇぇ」 ビセイダー:「・・・(絶句)」 タカヒロ:「(瀕死の形相で)お・い・コ・ラ・・・!!なんなのコレ・・・!!」 ユウスケ:「(瀕死の形相で)オイコラ害獣・・・!どこがヒーロー?!ねえ、これどこが?!」 タヌモン:「おっぇぇぇ・・うっわ、とんでもないモン見てもうた・・・大惨事やんけ!えげつぅ・・・ タヌモン:(二度見してじわじわ爆笑)ヒンッッ・・待って、やっぱキッツぅ・・www タヌモン:・・ふゥッ・・ゥワハハハwwwき、筋肉で衣装爆ぜてるwwwヒィwww タヌモン:わ、笑わさんといて・・・おええええ」 タカヒロ:「えずく程笑ってんじゃないわよ・・・!!説明しなさい害獣・・・!! タカヒロ:何が悲しくてこんなヒラっヒラフリっフリのミニスカなのよ・・・!! タカヒロ:語尾だって勝手に変わるの、これ何なの?!」 ユウスケ:「そうよ、タカヒロは大腿筋の化け物だし!!俺だって、なによこの衣装!!布面積少なすぎでしょ!! ユウスケ:薄っすいし寒いんだけど!!てか何より恥ずかしいんだけど?!」 ビセイダー:「・・・は・・・恥じらう姿が・・・っ」 ユウスケ:「ほら見なさいっ!敵さんもこんなエグいもん見せられて怒ってるじゃない!!」 ビセイダー:「可憐だーッッ!!!!(目が♡になっている)」 ユウスケ:「・・・・・・・・」 タカヒロ:「・・・・・・・・・・害獣集合。正座。」 タヌモン:「・・・うっす」 ユウスケ:「ちゃんと説明してください」 タヌモン:「真顔で敬語は怖いって・・・ぐぇ」 タカヒロ:「黙れェェ・・・。速やかに話せェェ・・・。さもなくば今スグに捻る。」 タヌモン:「あの、ちょ、首、首がね?こう、ギチィ・・て音立ってるからね・・・? タヌモン:い、いったんホールドすんの・・・やめてもろてエエ・・・? タヌモン:マイクの力で洒落にならんからね、ちょい思い留まってもろて・・・。 タヌモン:(ロック外れて)っハァ゛ァ゛ァ゛・・・死ぬか思たぞ、筋肉の化けモン共め・・・ タヌモン:えーっとやなぁ・・・まあその、なんや・・・こうなった原因はぁ・・・」 タカヒロ:「原因は?!」 タヌモン:「・・・・・・台本、間違えました・・・ッ・・・!!」 ユウスケ「(同時に)はぁ?!」 タカヒロ「(同時に)はぁ?!」 タヌモン:「いや、ワシな、ちゃぁんと二人をヒーローにしたろうと思って、ビセイダー来たあとぉ・・・ タヌモン:あの一瞬のうちにやで?通販のゲキネットに【ヒーロー台本】って発注通信送って取り寄せてんけどぉ・・・ タヌモン:誤変換でぇ・・・【ヒロイン台本】ってなってたみたいでぇ・・・んッフ・・フフ・・・ww」 タカヒロ:「チラチラ見て笑ってんじゃねぇわよ・・・!!」 ユウスケ:「んで、あの変態には俺達のことどう見えてるのよ・・・?!」 ビセイダー:「はぁぁ・・・可愛い・・ッ!!視線ください・・・!!あああファンサくださぁぁぁい・・・!!」 ユウスケ:「~~~ッ、リアクションに悪寒と鳥肌が止まらないんだけどっっ?!」 タヌモン:「アッ、そこは安心しろタヌ。ワシのフィールドの内に居る敵には、お前らは美少女に映っとるから」 タカヒロ:「クソ!相互に不気味なことに変わりないのか・・・! タカヒロ:って、ん?・・・なんか視線を感じる・・・ タカヒロ:あっ、脇の家の二階から誰かこっち見てる」 ユウスケ:「あれ、平井さん家のおばさんじゃん。高校の同期の。タカヒロ知らんの? ユウスケ:・・・ってか、エッ。待って待って。目ェ合った途端すげえ顔されたのだけど?」 タカヒロ:「もの凄い勢いでカーテン引かれたわね。・・・えッ?まさか」 タヌモン:「フィールドの外に居る者(もん)には、まぁ・・・・・・ありのままの姿タヌな。」 ユウスケ:「ふざけんなー!!!!」 タカヒロ:「詰んだ・・・・・・俺たちこのままこの土地で一生笑いものになるのか・・・」 タヌモン:「大丈夫や!!心配すな!!」 ユウスケ:「え、何?!もしかしてお前の力で記憶消せたりとかするの?!」 タヌモン:「人の噂は七十五日、って、いうやろ?!」 タカヒロ:「気休めじゃねーか!!(殴)」 タヌモン:「げふぅ!!!!」 ユウスケ:「解決になってないのよ・・・七十五日も噂に晒され続けんの・・・ツラ・・・・・・」 ビセイダー:「はぁぁぁ!物憂げな表情も素敵だぁぁぁっ!」 ユウスケ:「ヒィィっ・・・!!(怯)」 タカヒロ:「よしッ!どうやらイエローがタゲられているようね。よかった、安心したわ。」 ユウスケ:「役名で呼ぶのやめて!!それに俺だけじゃないからね!!」 タカヒロ:「いいわよ。イエローに譲るわよ。遠慮なくどうぞ持ってお行きなさい。 タカヒロ:よく考えたらワルイヤツ帝国かなんかのお偉いさんってことでしょアイツ。 タカヒロ:よかったわね、イエロー。やがて訪れる苛烈な就活戦線を生き抜かなくても、 タカヒロ:逆玉の輿で勝ち組よ。おめでとう」 ユウスケ:「これ幸いと変態なすりつけようとしてんじゃないわよ・・・! ユウスケ:ピンク貴女、ちょっと知ってたけど酷い奴ね! ユウスケ:お友達なら差し出すんじゃなくて助けなさいよっ!」 ビセイダー:「はぁぁ・・・いや、しかし、だ。さっきのBOYsの正体が、まさかこんな可憐なお嬢さん達だったなんて思わなかったよ・・・!」 タヌモン:「逆やてwあいつむっちゃ都合のエエ脳みそしとんなww」 ビセイダー:「フフフ・・・あまりの麗しさに思わず取り乱してしまったが、その害獣を倒した後で、 ビセイダー:二人を我が国にご招待するとしよう・・・!」 タカヒロ:「げぇ、俺も入ってんの?ヤメテ」 タヌモン:「ハン!残念やっタヌなぁ! タヌモン:ワシやのうて、お前と闘うのはその魔法☆美少じyブッハ・・・ハハハ!」 ユウスケ:「ちゃんと最後まで言いなさいよ!!」 ビセイダー:「お嬢さん方・・・本当に、私と闘うというのかね?言っておくが、私は強いぞ・・・? ビセイダー:エネルギーも溜まった私に対し―・・・ ビセイダー:君たちは万全とは言えないその破れた衣装だ・・・!もう既に、傷だらけじゃあないかッ!」 タカヒロ:「特に心が重傷だよ。サイズ合ってなかったんだよ。」 ユウスケ:「お嬢さん呼びやめろよ。鳥肌通り越して蕁麻疹を禁じ得ないんだよ・・・ッ!!」 ビセイダー:「嗚呼、睨みつける強気な顔も素敵だッ! ビセイダー:―フッ、更に痛めつけるのはしのびないが・・・仕方ない。 ビセイダー:君たちの事は闘って、手に入れるとしようか・・・!」 タヌモン:「キタキタ、キ・ター!! もうこの際や!体裁なんぞどうでもええわ! タヌモン:さぁ、ピンク!イエロー!ワシに、存っ分にニチアサ8時劇を見せてくれっタヌーーー!! タヌモン:ショウ・マスト・ゴー・オンじゃーい!!」 タカヒロ:「終わったら覚悟しときなさいよ!害獣!!」 ユウスケ:「次はお前の番なんだからね害獣!!」  :  0:ビセイダーがボッコボコにされている音と、その呻き声。 0:(なんならついでにピンクとイエローでオリジナルの可愛い(笑)必殺技みたいなの叫んでもらっても大丈夫ですw) タヌモン:「いけっ!そこや!いてこましたれェー!!わーははははは!!!!」   :   N:五分後ッ!!  :  ユウスケ:「ナレーションって時間とばせて便利ね?!」 タカヒロ:「なんのことかしら!!」 ビセイダー:「(息切れ)はぁ・・う゛ぅ゛・・・ぃ痛゛いっ・・・しかしっ・・・ ビセイダー:強さと可憐さを併せ持ったお嬢さん達に縛られているこの状況・・・良い・・・ッ!」 タカヒロ:「不快指数が天元突破しそうだわ。もう一発強めに殴っといていいかしら」 ユウスケ:「暫く口きけなくしてやってもいいんじゃないかしら」 タヌモン:「フぃ~~~、いや~、終わったなぁ!二人とも、初見にしては、なかなかやったでぇ! タヌモン:お疲れさ~んタヌ☆」  :  0:ボコしたビセイダーを縛り上げる劇人二人の足元に、後方でただ「観劇」していたタヌモンが拍手しながら歩み寄る。 タカヒロ:「黙れボケ狸・・・!後ろでギャイギャイ騒いでただけのくせに・・・!」 ユウスケ:「何ぁにがサポートするだよ、お前ホントにいっこも戦闘に参加してなかったわね!」 タヌモン:「いや~、ほれ、だってワシぃ、気力エネルギー補給すんのに必死のパッチやったからぁ~。 タヌモン:ま、ともあれ、ごちそーさんタヌ!!wお前らのおかげで腹一杯なったわ! タヌモン:いや~笑た笑た!ワシのゲージも満タン満タン~♪よっしゃ、ほなな!おおきにな!」 タカヒロ:「ぅぉおいコラ!ちょっと待ちなさい!ほなな!って、お前どこ行く気よ!」 ユウスケ:「そうよ!コレどうすんのよ!お前責任もって持って帰れよ!」 ビセイダー:「ああああ、コレ呼ばわりっ・・・良い・・!」 タヌモン:「ウワァ・・(引)いやー、ワシそれ受け取ったら元の木阿弥やん。あげるで?ワシのちゃうし。」 タカヒロ:「要らねーんだよ!」 タヌモン:「えぇぇ?アッ、ほなユウスケ気に入られとるやんか。な?丁度ええがな!今日の記念や。 タヌモン:お土産に持って帰れタヌ?」 ユウスケ:「誰がすき好んで変態持って帰るかッ!!ひとっつもメリットないわ!!」 タヌモン:「う~ん、ほな・・・お巡りさんにあげに行くぅ?」 タカヒロ:「お前行けよ、害獣」 ユウスケ:「ほら、縄の端これな。」 タヌモン:「いやいや、せやからコイツ、ワシの事殺しに来た奴やて言うとるがな! タヌモン:ワシのがリーチ短いんやから近づいたら殺られてまうやないか! タヌモン:なぁぁ、頼むわぁぁ、一緒に行ってくれタヌ~!なんのためにそんな長い股下しとんねん~!」 タカヒロ:「喧しいわ。遺伝だわ。俺ら元々関係ないだろっ」 タヌモン:「(意味ありげな溜息)フゥゥー・・・・ タヌモン:――衣装と語尾ィ・・・元に、戻したくないタヌか・・」 ユウスケ:「なんですって・・・ッ?!」 タヌモン:「ええんかァ・・・・?ワシがフィールド解除せん限り、お前らそのままやぞタヌゥ? タヌモン:・・・賢い選択、した方がええんちゃうかァ・・タヌぅ?」 タカヒロ:「クソっ!悪役より性質悪いわコイツ・・・!!」 タヌモン:「わーははは!!諦めたようやなぁ・・・!さぁ!連行の旅に出発すんぞタヌ!!」 ビセイダー:「嗚呼・・・美しいお嬢さん方にエスコートされるのも、悪くないな・・・!!」 タカヒロ:「(同時に)ブン殴りたい・・・っ!!」 ユウスケ:「(同時に)ブン殴りたい・・・っ!!」  :  N:こうしてッ!!無事、西檄市の平和は守られ!タカヒロ、ユウスケの二人は道行く市民の好奇の目に晒されたのだったッ!! N:めでたしめでたしッ!!

N:ボイス県、西檄(せいげき)市ッ! N:閑静な住宅街にはこの日、平和を乱す不穏な影と、欲望にまみれた一匹の狸が忍び寄っていたッッ!  :  タヌモン:「(ヨロヨロの体で)あ゛ぁ゛ぁ゛アカン・・・ワシの心の気力ゲージがスカンピンや・・・ タヌモン:一刻もはよ劇聴かな多分死んでまう・・・・ タヌモン:せやけどワシ一人やったらできんのやなぁこれが・・・どこぞ通りがかりに、 タヌモン:「劇して!」「ええよ!!」って、ちゃっとOKするような奴おらんかなぁ・・・ タヌモン:ハッ!あれは、人影・・!ヨッシャァア!ワシめっちゃツいとるがな! タヌモン:ほな・・・この手ェ使ったろやないか!!どらっ(死んだように道に倒れ込む)」  :  0:話しながら2人の男子大学生が道を歩いてくる。  :    タカヒロ:「はぁ~、今日もあの教授、何て言っているかわからなかったな」 ユウスケ:「なんで語尾だけ声張んのかね~?」 タカヒロ:「それまでが聞き取れんから意味ないんだよな」 ユウスケ:「拡声器使って丁度くらい?」 タカヒロ:「反響して俺らの耳が死ぬぞ」 ユウスケ:「結局聴こえねぇやつなw」 タカヒロ:「被害が増すだけだな(笑)」 ユウスケ:「あ!あと、あれもやばかったよな~!スライドのプリント。」 タカヒロ:「すべからく真っ黒だったな」 ユウスケ:「逆にどうやったらあんな事になるんだよww」 タカヒロ:「さあな。ともあれ問題は試験だろ。教科書に載ってない気がするんだよな。 タカヒロ:先輩から過去問借りるしかないか・・・って、何だアレ」 ユウスケ:「ん?なんかあった?」 タカヒロ:「ほら、あれだよあれ。毛玉・・・か?」 ユウスケ:「ゲッ、轢かれた動物かな?うわっ、見たくねー、別の道通ろうぜ~」 タヌモン:【Ⅿ】えぇぇ、嘘やろ?!アカン、アカンて!このままやったら話終わってまうやないか!しゃあない・・・! タヌモン:「(弱弱しく)た、タヌ~・・・」 タカヒロ:「ちょ、なんか動いたぞ?!」 ユウスケ:「うそ、生きてんの?!」 タカヒロ:「行くぞ!助けないと!」 ユウスケ:「ええ?!行くの?!」 タヌモン:【Ⅿ】うぉぉおおおっしゃあああ!計画通りやがな!さぁ、こっちへカモンや!カモだけに! タカヒロ:「(タヌモンを助け起こす)おい、大丈夫か?!生きてるか?!」 タヌモン:「う~ん、う~ん・・・ タヌモン:(早口小声で)なかなかエエ声やないか・・・う~ん・・・フヘヘ・・・」 タカヒロ:「良かった、息がある!」 ユウスケ:「えっ、今何か人間みたいに喋ってなかったソイツ?!てか心なしかニヤついてないその狸?!」 タカヒロ:「なに言ってんだよ、轢かれてもなさそうだし、無事ならなんだっていいだろ!」 タヌモン:「う~ん、う~ん・・・(早口小声で)もう片方もエエ声しとるがな・・・ゲヘへ・・・」 ユウスケ:「お前、心広すぎん?!手元見えてる?!ゲヘゲヘ笑ってんぞ、そのきっしょい狸!」 タカヒロ:「苦しくて咳込んでんだろ、多分」 タヌモン:「せやぞお前、どう考えても可愛らしぃ見た目しとるやろが。あんまシツレーな事言うとったらシバキ回すぞ鴨が」 タカヒロ:「えっ」 ユウスケ:「えっ」 タヌモン:「えっ・・・。 タヌモン:・・・し、しんどいタヌ~!息でけへん死んでまうタヌ~! タヌモン:ゲーッホッゴホッ、ゲッフォフォーンッッぐはーっ(棒)」 タカヒロ:「・・・」 ユウスケ:「・・・・・・」 タカヒロ:「ハッ!大丈夫か!死ぬな!」 ユウスケ:「待てぇぇい!そーじゃないね?!反応間違ってるねぇ?!」 タカヒロ:「だってほら、しんどいと言ってる。」 ユウスケ:「お願い正気に戻って。いつもの冷静なタカヒロに戻って。頼むから俺一人にツッコミを任せないで!!」 タカヒロ:「お前ならできる。」 ユウスケ:「めんどくさいからってボケの波に乗って行かないで!お前は!こっち側じゃなきゃダメなの!!」 タカヒロ:「・・・大変そうだったから。」 ユウスケ:「ほらねぇぇ!!白状しやがったよ、この薄情者ー!!」 タヌモン:「お前、なかなかうまい事言うやないか(笑)座布団やろかw」 ユウスケ:「お前のせいだろがクソ狸ぃ!笑ってんじゃねぇわ!つーか、しれっと喋ってんじゃねぇー!!」 タカヒロ:「そうだ、よく考えたら狸なのになんで喋れるんだ?というか元気なんじゃ・・・」 タヌモン:「ふっふっふっ・・よぉ訊いてくれたやないか!しゃぁないなぁ、答えたろやないか!ワシの名前ha」 ユウスケ:「あっ、待ってやっぱいいです、別にいいです・・・俺巻き込まれたくないんで・・無事でよかったですね、それじゃ・・・」 タヌモン:「オイ待て待て待てぇ!!唐突に壁を作ろうとすな!!今ワシ名乗っとったがな!!最後まで聞いてけつからんかい!」 ユウスケ:「えっ、ヤダ・・・だって柄悪いオッサンみたいな喋りするじゃん・・・厳つ・・・」 タカヒロ:「確かに、ナイターで酒のみながら野次を飛ばしているオッサンとトントン(どっこい)だな」 タヌモン:「喧しいわ!偏見やぞ!アイデンティティっちゅうやつや!個体差や!」 ユウスケ:「(引きながら)えッ・・・個体差ってことは、こんなのがまだいっぱいいるの・・・?!」 タカヒロ:「拝みたくない光景だな・・・胸やけしそうだ」 タヌモン:「おどれらどんな想像をしとるんや・・・! タヌモン:まぁええわ!話進まんしワシのゲージも減っていく一方やから黙って聞いとれよ! タヌモン:ワシの名前はタヌモン!劇の国から来た妖精やタヌ!」 ユウスケ:「うわ、最悪だ・・・強引に名乗られた」 タカヒロ:「妖精って・・・自分で言ってるのキツくないのかな・・・しかも取ってつけた様な不自然な語尾がまた腹立つな・・」 ユウスケ:「自覚してんじゃね?」 タヌモン:「そこ!コソコソ話すな!全部聞こえとるわ! タヌモン:(咳払い)ん゛ん゛!ほな進めるでぇ!君らに接触したのは他でもあらへん。 タヌモン:ワシの娯楽の為・・・ちゃうわ、忘れぇ。 タヌモン:・・・ワシに協力して、この町とワシの国を守ってほしいんやタヌ!」 タカヒロ:「ワシの娯楽って言った・・・」 ユウスケ:「アウトでしょ、もう言い換え無理でしょ・・・」 タヌモン:「なァにまたブツブツ言うとんねん。まぁなんや、つまりそういうこっちゃから、いっちょ頑張ってもらおか! タヌモン:よろしゅう頼むで!うヘへへ」 タカヒロ:「なぁユウスケ、俺やばいもん拾った気がする」 ユウスケ:「バカ・・・ほんとバカ・・・遅いのよ・・・(泣)」 タヌモン:「よっしゃ、退路は諦めたようやな。ほなこっから詳しい説明すんで。よぉ聞いとけタヌ」 タカヒロ:「いちいち腹立つ奴だな」 タヌモン:「(咳払い)ん゛ん゛!・・・実は、ワシの出里(でざと)では国を挙げて劇を奨励しとってなぁ・・・。 タヌモン:皆それはもう日夜問わず、毎日劇して、劇見て、劇聞いて、楽しぃ暮らしとったんや・・・」 ユウスケ:「出里って、言い方なんかないのかよ・・・・ていうか仕事は・・・?」 タヌモン:「なんでか言うたらな?」 ユウスケ:「コイツ無視しやがった」 タヌモン:「ワシらは劇を見たり聴いたりすることで「気力」という、 タヌモン:いわゆる命に関わるかもしれへん、エネルギーみたいなもんを補給するために、 タヌモン:それが必要やったんやタヌ。」 タカヒロ:「無茶苦茶ふわっとした設定だな・・・」 タヌモン:「ほんでそれが腹のここの所へな、ゲージとして出るんや。見える?」 タカヒロ:「その十円禿げっぽいの、メーターだったんだな。」 タヌモン:「せや!満タンなったら生えんねんがな。」 タカヒロ:「・・・けど、命に関わる『かもしれない』ってことは、別に必要不可欠って訳じゃn」 タヌモン:「(被せて)あ~あ~、聞こえまヘんなァ~~!!タヌモン狸やからァ、ちょっと何言うとるんかわからんタヌゥ」 ユウスケ:「可愛くねぇぇー!都合悪くなったら動物面とかマジで腹立つ・・・!」 タヌモン:「まぁ、タヌキだけに、なww」 ユウスケ:「うるせー!ドヤ顔すんな!」 タヌモン:「ともあれ、ワシらは突然、そんな日常を送れんようになってしもたんや・・・ タヌモン:ゴッツ・ワァルイ・ヤーツ帝国の『マニンゲイン』のせいでな・・・!」 ユウスケ:「真人間?」 タカヒロ:「コレに比べたら割と誰でもまともなんじゃないか?」 タヌモン:「喧しいわ。コレ呼ばわりすな」 ユウスケ:「そこ?!・・・まともじゃないのは自覚してんのか・・・」 N:説明しようッ!! ユウスケ:「どわっ?!」 タカヒロ:「なんだ?!いきなりどっかから声が聞こえてきたぞ?!」 N:ワァルイ・ヤーツ帝国とはッ!劇の国に敵対しッ!劇公演など娯楽の一切を排除しようと目論む、わるわるーい国であるッ!! N:そしてマニンゲインとはッッ!ワァルイ・ヤーツ帝国の中枢を担う、幹部たちの事であるッ!! N:そ・し・てェ!劇の国で一匹、バカ騒ぎしていたタヌモンは、マニンゲインの一人、ビセイダーに目を付けられ追い回された挙句、 N:命からがら、この町へと逃げだしてきたのであるッ!! タヌモン:「説明おおきに。」 N:どういたしましてェッ!! ユウスケ:「何と喋ってんの?!誰と喋ってんの?!ねぇどっから声聞こえてきてんの?!」 タヌモン:「騒がんでエエ。そのうち解るわ。なんやったらあと五分もせん内にわかるわ。多分声で」 ユウスケ:「声で?!」 タカヒロ:「どういうことだよ・・・」 タヌモン:「人足(にんそく)足りんでもできるようにしてあんねんがなタヌ。ちゃうかったら別人や。察しろタヌ。」 タカヒロ:「キャストのこと人足っていうのやめろ」 ユウスケ:「なんの話?!」 タヌモン:「まぁつまりや。早い話が、ワシ追われとんねんw タヌモン:ほんでソイツ倒さんかったらワシの国もこの町も、ちゅうか、一番ワシがやばいねんw タヌモン:助けて。」 タカヒロ:「・・・」 ユウスケ:「・・・・・・」 タカヒロ:「田吾作どん、こんタヌキさ山へ帰ぇすべや」 ユウスケ:「与作どん、紐持ってる?手足縛んべや」 タヌモン:「わー!か弱い動物いじめてなんやねんお前ら!鬼かっ!黙って手ェ貸せタヌー!!」 タカヒロ:「断られる原因はそういうとこだよ」 ユウスケ:「つーか、一応聞いてやるけどさぁ、この町がやばいってのは何なのよ」 タヌモン:「それはやな。」 N:説明しようッ!! タカヒロ:「またか!」 タヌモン:「おつタヌ~。準備でけた?」 N:「(もうあと数台詞で兼ね役になるのでご自由に意気込みや今日のコンディションや返答などをどうぞ) N:・・・そしてッ!!話を戻すッ!この町の危機、とはッ!!追ってきたビセイダーが、町ごとタヌモンを破壊しようと画策しているのであるッ!!」 タヌモン:「・・・そういうこっちゃ」 タカヒロ:「(同時に)お前のせいじゃねーか!!」 ユウスケ:「(同時に)お前のせいじゃねーか!!」 タヌモン:「まぁーまぁー、そないヤイヤイ言わんでもダァイジョウブやがな、心配あれへん! タヌモン:タカヒロとぉ、ユウスケがぁ~、ワイの力でぇ変身して戦ったらぁ、 タヌモン:ビセイダーなんか、チョチョイのチョイのジョイ君や!!」 タカヒロ:「いきなり名前呼びで距離詰めてきた・・・」 ユウスケ:「誰だよジョイ君。って、いや、何で俺らがそんな事しなきゃいけないわけ?!もっと他あたれよ!」 タヌモン:「いやー・・・だってほらぁー、シムラ後ろ・・」 タカヒロ:「(同時に振り向く)ハァ?!」 ユウスケ:「(同時に振り向く)ハァ?!」 ビセイダー:「ハーッ、ハッハッハーッ!!!!ついに見つけたぞ!害獣!!」 ユウスケ:「近ッ!てかうるさ!・・・いや、何だコイツ、色んな所がパッツパツだ!全ッ然真人間って感じじゃねぇじゃん?!」 タカヒロ:「見た目振り切ってるなぁ・・・通報しようか」 ビセイダー:「登場しょっぱなで通報するのやめてくれないかな、BOY?!国家権力には弱いんだよっっ!」 タカヒロ:「出て来て二秒で弱点を晒したぞ」 ユウスケ:「なぁ害獣、早くあれ警察に突き出して来いよ。俺ら帰れるじゃん。」 タヌモン:「誰が害獣や!名前で呼ばんかい!お前だけ衣装全身シースルーにすんぞっ?!」 タカヒロ:「うわ、変態しかいなくなるからそれはやめてくれ。絵面がキツイ」 ユウスケ:「しれっと友人に変態って言えちゃうお前もお前だよな」 ビセイダー:「ええい!ごちゃごちゃ喧しいわっっ!! ビセイダー:――劇の国の害獣め!今日こそお前の息の根を止めてやる!覚悟しろ!!」 タヌモン:「やっば。しゃあない!タカヒロ、ユウスケ、迎え撃つタヌ!」 ビセイダー:「おやぁ?・・・BOYs・・・その害獣の仲間だったんだなぁぁ・・・?」 ユウスケ:「ゲッ、こっち向いた!!違う違う!違うって!俺達このタヌキに巻き込まれte」 ビセイダー:「ならば、容赦はできないなぁ・・・?!まずはBOYsから、葬ってあげよう・・・!!はぁぁ・・・・・!!」 タカヒロ:「チッ!人の話聴かなさそうな顔してるなぁと思ったらやっぱりか・・・!! タカヒロ:とりあえずコイツ後で絶対タヌキ汁にしてやろ」 タヌモン:「ヤメレ~~!尾っぽ鷲づかみにすんのやめろタヌ~!酔う~!吐く~!!タヌ~!!」 ユウスケ:「やばいってタカヒロ!今そいつ吊るしてる場合じゃないって!! ユウスケ:アイツこっち向いて構えてんだけど?! ユウスケ:なんか地鳴りみたいな音するし危ねーよ!逃げよう!!」 タカヒロ:「お、おう!」 タヌモン:「おえぇ~・・・ハッ!手ぇ離れタッヌ!チャンス!逃がすか!よいしょォッッ!」 ユウスケ:「ぐぇっ!! ユウスケ:~~お前が足引っ張ってどーすんのよ?!馬鹿なの?!何やってんの?!お前逃げる側でしょ?!」 タヌモン:「アホか!攻撃は最大の防御っちゅーやろ! タヌモン:アイツ、ビームのエネルギー溜めとる間は動かれへんのんや! タヌモン:せやから、今のうちにタカヒロ!ユウスケ!二人で変身して攻撃や!!」 タカヒロ:「オイ待て、さっきからその変身、って言ってるけど俺達同意してな」 タヌモン:「ガタガタぬかしてんと、はよこの台本とマイク持てェェェ! タヌモン:ワシと契約して魔法☆オニーサンになれタヌ!どらー!」 ユウスケ:「おい押し付けんなって! ユウスケ:えぇ、ほんとナニコレ・・・ってかどっから出してきたのコレ・・・?」 N:説明しようっ!! タヌモンの・・・どっかから出されたマイクを手にした者は、 N:劇の国のパワーを得る資格のある者、すなわち『劇人』として認められ、身体能力が大幅に強化されるのであるッ!! N:そして同時にッ!マイクを通し、その台本に書かれた台詞を感情を込めて読むことでッ!! N:腐っても妖精の力が加わり、そこに書かれた現象を具現化することができるのだッ!! タヌモン:「誰が腐ってもじゃー!! けどまぁ、平たく言うたらそういうこっちゃ! タヌモン:細かいことは気にすな! タヌモン:お前らみたいなド一般人でも、昔憧れたあのヒーローみたいになれて タヌモン:勝てる可能性あるっちゅーこっちゃ!!急ぐぞ!」 タカヒロ:「巻き込んどいたくせに言ってくれるよな・・・!! タカヒロ:けど、・・・ヒ、ヒーロー、か・・・それはちょっと気になるかもしれん・・・」 ユウスケ:「なに言ってんだよ!・・・かっ、仮面ハイダーみたいなやつかなっ・・・?! ユウスケ:でも俺ら格闘技とかやったことないし、マジでできんの・・・?!」 タヌモン:「なんやかんや言うてソワっとるやないかお前ら!安心せぇ! タヌモン:ワシがプリチーなマスコットキャラとして説明しながらサポートしたる! タヌモン:行くぞ!!フィールド展・開ッ!! ぺかーっ!(謎発光)」 タカヒロ:「うわ、何だこの光!」 タヌモン:「よっしゃ!さあ、台本開けタヌ!マイク通して同時に読めェ!!」 タカヒロ:「クソ、儘よ・・・!!」 ユウスケ:「やるしかないってことね・・・!うおおお!(台本を開く)」 タカヒロ:「(同時に)ドレスアップ!ミラクル☆チェンジ!!・・・はぁ?!」 ユウスケ:「(同時に)ドレスアップ!ミラクル☆チェンジ!!・・・はぁ?!」 0:きらきらとしたポップな音楽とエフェクトに包まれ、弾ける七色の光。 0:音楽の終わりと共に、煙幕の中にぼんやり変身後の二人の影が映る。 タカヒロ:「げっほ・・ごほっ、ぐぇ・・け、煙た・・・!」 ユウスケ:「ごほごほっ・・・おぇ、スモーク焚きすぎィ・・・」 タヌモン:「ヨレヨレやないか!しっかりせぇよタヌ!煙開けたらポーズ取って次の台詞や!! タヌモン::きっちり決めたらんかいヒーロー! タヌモン:仕切り直すぞ!・・・3・2・1!行ったれェー!」 タカヒロ:「―きゅるるん瞳に正義の光っ♪熱いハートで悪・即・斬っ☆ 魔法・美少女キュート♡ピンク!!」 ユウスケ:「―華麗に可憐にあなたを魅了っ♪キラキラハートでやっつけちゃうよっ☆ 魔法・美少女シャイン♡イエロー!!」 タヌモン:「・・・」 ビセイダー:「・・・」 タカヒロ:「・・・・・・(ユウスケを見る)」 ユウスケ:「・・・・・・(タカヒロを見る)」 タヌモン:「(同時に)おぇぇぇ」 タカヒロ:「(同時に)おぇぇぇぇ」 ユウスケ:「(同時に)おっぇぇぇぇ」 ビセイダー:「・・・(絶句)」 タカヒロ:「(瀕死の形相で)お・い・コ・ラ・・・!!なんなのコレ・・・!!」 ユウスケ:「(瀕死の形相で)オイコラ害獣・・・!どこがヒーロー?!ねえ、これどこが?!」 タヌモン:「おっぇぇぇ・・うっわ、とんでもないモン見てもうた・・・大惨事やんけ!えげつぅ・・・ タヌモン:(二度見してじわじわ爆笑)ヒンッッ・・待って、やっぱキッツぅ・・www タヌモン:・・ふゥッ・・ゥワハハハwwwき、筋肉で衣装爆ぜてるwwwヒィwww タヌモン:わ、笑わさんといて・・・おええええ」 タカヒロ:「えずく程笑ってんじゃないわよ・・・!!説明しなさい害獣・・・!! タカヒロ:何が悲しくてこんなヒラっヒラフリっフリのミニスカなのよ・・・!! タカヒロ:語尾だって勝手に変わるの、これ何なの?!」 ユウスケ:「そうよ、タカヒロは大腿筋の化け物だし!!俺だって、なによこの衣装!!布面積少なすぎでしょ!! ユウスケ:薄っすいし寒いんだけど!!てか何より恥ずかしいんだけど?!」 ビセイダー:「・・・は・・・恥じらう姿が・・・っ」 ユウスケ:「ほら見なさいっ!敵さんもこんなエグいもん見せられて怒ってるじゃない!!」 ビセイダー:「可憐だーッッ!!!!(目が♡になっている)」 ユウスケ:「・・・・・・・・」 タカヒロ:「・・・・・・・・・・害獣集合。正座。」 タヌモン:「・・・うっす」 ユウスケ:「ちゃんと説明してください」 タヌモン:「真顔で敬語は怖いって・・・ぐぇ」 タカヒロ:「黙れェェ・・・。速やかに話せェェ・・・。さもなくば今スグに捻る。」 タヌモン:「あの、ちょ、首、首がね?こう、ギチィ・・て音立ってるからね・・・? タヌモン:い、いったんホールドすんの・・・やめてもろてエエ・・・? タヌモン:マイクの力で洒落にならんからね、ちょい思い留まってもろて・・・。 タヌモン:(ロック外れて)っハァ゛ァ゛ァ゛・・・死ぬか思たぞ、筋肉の化けモン共め・・・ タヌモン:えーっとやなぁ・・・まあその、なんや・・・こうなった原因はぁ・・・」 タカヒロ:「原因は?!」 タヌモン:「・・・・・・台本、間違えました・・・ッ・・・!!」 ユウスケ「(同時に)はぁ?!」 タカヒロ「(同時に)はぁ?!」 タヌモン:「いや、ワシな、ちゃぁんと二人をヒーローにしたろうと思って、ビセイダー来たあとぉ・・・ タヌモン:あの一瞬のうちにやで?通販のゲキネットに【ヒーロー台本】って発注通信送って取り寄せてんけどぉ・・・ タヌモン:誤変換でぇ・・・【ヒロイン台本】ってなってたみたいでぇ・・・んッフ・・フフ・・・ww」 タカヒロ:「チラチラ見て笑ってんじゃねぇわよ・・・!!」 ユウスケ:「んで、あの変態には俺達のことどう見えてるのよ・・・?!」 ビセイダー:「はぁぁ・・・可愛い・・ッ!!視線ください・・・!!あああファンサくださぁぁぁい・・・!!」 ユウスケ:「~~~ッ、リアクションに悪寒と鳥肌が止まらないんだけどっっ?!」 タヌモン:「アッ、そこは安心しろタヌ。ワシのフィールドの内に居る敵には、お前らは美少女に映っとるから」 タカヒロ:「クソ!相互に不気味なことに変わりないのか・・・! タカヒロ:って、ん?・・・なんか視線を感じる・・・ タカヒロ:あっ、脇の家の二階から誰かこっち見てる」 ユウスケ:「あれ、平井さん家のおばさんじゃん。高校の同期の。タカヒロ知らんの? ユウスケ:・・・ってか、エッ。待って待って。目ェ合った途端すげえ顔されたのだけど?」 タカヒロ:「もの凄い勢いでカーテン引かれたわね。・・・えッ?まさか」 タヌモン:「フィールドの外に居る者(もん)には、まぁ・・・・・・ありのままの姿タヌな。」 ユウスケ:「ふざけんなー!!!!」 タカヒロ:「詰んだ・・・・・・俺たちこのままこの土地で一生笑いものになるのか・・・」 タヌモン:「大丈夫や!!心配すな!!」 ユウスケ:「え、何?!もしかしてお前の力で記憶消せたりとかするの?!」 タヌモン:「人の噂は七十五日、って、いうやろ?!」 タカヒロ:「気休めじゃねーか!!(殴)」 タヌモン:「げふぅ!!!!」 ユウスケ:「解決になってないのよ・・・七十五日も噂に晒され続けんの・・・ツラ・・・・・・」 ビセイダー:「はぁぁぁ!物憂げな表情も素敵だぁぁぁっ!」 ユウスケ:「ヒィィっ・・・!!(怯)」 タカヒロ:「よしッ!どうやらイエローがタゲられているようね。よかった、安心したわ。」 ユウスケ:「役名で呼ぶのやめて!!それに俺だけじゃないからね!!」 タカヒロ:「いいわよ。イエローに譲るわよ。遠慮なくどうぞ持ってお行きなさい。 タカヒロ:よく考えたらワルイヤツ帝国かなんかのお偉いさんってことでしょアイツ。 タカヒロ:よかったわね、イエロー。やがて訪れる苛烈な就活戦線を生き抜かなくても、 タカヒロ:逆玉の輿で勝ち組よ。おめでとう」 ユウスケ:「これ幸いと変態なすりつけようとしてんじゃないわよ・・・! ユウスケ:ピンク貴女、ちょっと知ってたけど酷い奴ね! ユウスケ:お友達なら差し出すんじゃなくて助けなさいよっ!」 ビセイダー:「はぁぁ・・・いや、しかし、だ。さっきのBOYsの正体が、まさかこんな可憐なお嬢さん達だったなんて思わなかったよ・・・!」 タヌモン:「逆やてwあいつむっちゃ都合のエエ脳みそしとんなww」 ビセイダー:「フフフ・・・あまりの麗しさに思わず取り乱してしまったが、その害獣を倒した後で、 ビセイダー:二人を我が国にご招待するとしよう・・・!」 タカヒロ:「げぇ、俺も入ってんの?ヤメテ」 タヌモン:「ハン!残念やっタヌなぁ! タヌモン:ワシやのうて、お前と闘うのはその魔法☆美少じyブッハ・・・ハハハ!」 ユウスケ:「ちゃんと最後まで言いなさいよ!!」 ビセイダー:「お嬢さん方・・・本当に、私と闘うというのかね?言っておくが、私は強いぞ・・・? ビセイダー:エネルギーも溜まった私に対し―・・・ ビセイダー:君たちは万全とは言えないその破れた衣装だ・・・!もう既に、傷だらけじゃあないかッ!」 タカヒロ:「特に心が重傷だよ。サイズ合ってなかったんだよ。」 ユウスケ:「お嬢さん呼びやめろよ。鳥肌通り越して蕁麻疹を禁じ得ないんだよ・・・ッ!!」 ビセイダー:「嗚呼、睨みつける強気な顔も素敵だッ! ビセイダー:―フッ、更に痛めつけるのはしのびないが・・・仕方ない。 ビセイダー:君たちの事は闘って、手に入れるとしようか・・・!」 タヌモン:「キタキタ、キ・ター!! もうこの際や!体裁なんぞどうでもええわ! タヌモン:さぁ、ピンク!イエロー!ワシに、存っ分にニチアサ8時劇を見せてくれっタヌーーー!! タヌモン:ショウ・マスト・ゴー・オンじゃーい!!」 タカヒロ:「終わったら覚悟しときなさいよ!害獣!!」 ユウスケ:「次はお前の番なんだからね害獣!!」  :  0:ビセイダーがボッコボコにされている音と、その呻き声。 0:(なんならついでにピンクとイエローでオリジナルの可愛い(笑)必殺技みたいなの叫んでもらっても大丈夫ですw) タヌモン:「いけっ!そこや!いてこましたれェー!!わーははははは!!!!」   :   N:五分後ッ!!  :  ユウスケ:「ナレーションって時間とばせて便利ね?!」 タカヒロ:「なんのことかしら!!」 ビセイダー:「(息切れ)はぁ・・う゛ぅ゛・・・ぃ痛゛いっ・・・しかしっ・・・ ビセイダー:強さと可憐さを併せ持ったお嬢さん達に縛られているこの状況・・・良い・・・ッ!」 タカヒロ:「不快指数が天元突破しそうだわ。もう一発強めに殴っといていいかしら」 ユウスケ:「暫く口きけなくしてやってもいいんじゃないかしら」 タヌモン:「フぃ~~~、いや~、終わったなぁ!二人とも、初見にしては、なかなかやったでぇ! タヌモン:お疲れさ~んタヌ☆」  :  0:ボコしたビセイダーを縛り上げる劇人二人の足元に、後方でただ「観劇」していたタヌモンが拍手しながら歩み寄る。 タカヒロ:「黙れボケ狸・・・!後ろでギャイギャイ騒いでただけのくせに・・・!」 ユウスケ:「何ぁにがサポートするだよ、お前ホントにいっこも戦闘に参加してなかったわね!」 タヌモン:「いや~、ほれ、だってワシぃ、気力エネルギー補給すんのに必死のパッチやったからぁ~。 タヌモン:ま、ともあれ、ごちそーさんタヌ!!wお前らのおかげで腹一杯なったわ! タヌモン:いや~笑た笑た!ワシのゲージも満タン満タン~♪よっしゃ、ほなな!おおきにな!」 タカヒロ:「ぅぉおいコラ!ちょっと待ちなさい!ほなな!って、お前どこ行く気よ!」 ユウスケ:「そうよ!コレどうすんのよ!お前責任もって持って帰れよ!」 ビセイダー:「ああああ、コレ呼ばわりっ・・・良い・・!」 タヌモン:「ウワァ・・(引)いやー、ワシそれ受け取ったら元の木阿弥やん。あげるで?ワシのちゃうし。」 タカヒロ:「要らねーんだよ!」 タヌモン:「えぇぇ?アッ、ほなユウスケ気に入られとるやんか。な?丁度ええがな!今日の記念や。 タヌモン:お土産に持って帰れタヌ?」 ユウスケ:「誰がすき好んで変態持って帰るかッ!!ひとっつもメリットないわ!!」 タヌモン:「う~ん、ほな・・・お巡りさんにあげに行くぅ?」 タカヒロ:「お前行けよ、害獣」 ユウスケ:「ほら、縄の端これな。」 タヌモン:「いやいや、せやからコイツ、ワシの事殺しに来た奴やて言うとるがな! タヌモン:ワシのがリーチ短いんやから近づいたら殺られてまうやないか! タヌモン:なぁぁ、頼むわぁぁ、一緒に行ってくれタヌ~!なんのためにそんな長い股下しとんねん~!」 タカヒロ:「喧しいわ。遺伝だわ。俺ら元々関係ないだろっ」 タヌモン:「(意味ありげな溜息)フゥゥー・・・・ タヌモン:――衣装と語尾ィ・・・元に、戻したくないタヌか・・」 ユウスケ:「なんですって・・・ッ?!」 タヌモン:「ええんかァ・・・・?ワシがフィールド解除せん限り、お前らそのままやぞタヌゥ? タヌモン:・・・賢い選択、した方がええんちゃうかァ・・タヌぅ?」 タカヒロ:「クソっ!悪役より性質悪いわコイツ・・・!!」 タヌモン:「わーははは!!諦めたようやなぁ・・・!さぁ!連行の旅に出発すんぞタヌ!!」 ビセイダー:「嗚呼・・・美しいお嬢さん方にエスコートされるのも、悪くないな・・・!!」 タカヒロ:「(同時に)ブン殴りたい・・・っ!!」 ユウスケ:「(同時に)ブン殴りたい・・・っ!!」  :  N:こうしてッ!!無事、西檄市の平和は守られ!タカヒロ、ユウスケの二人は道行く市民の好奇の目に晒されたのだったッ!! N:めでたしめでたしッ!!