台本概要
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タイトル | 零の恐怖書庫 第13夜「キャンプ」 |
---|---|
作者名 | 月儚(つくも)レイ (@rose_moon44) |
ジャンル | ホラー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
「友人たちとの楽しいキャンプ。このシーズンに貸し切り状態のキャンプ場は、心霊スポットだった…」 1人読み朗読台本の怪談シリーズ「零の恐怖書庫」第1夜となります。 怪談語りのようなホラー作品となります。ホラーが苦手な方はご注意くださいませ。 朗読の際のお時間のほうは10分前後ほどかと思います。 ご利用の報告は強制ではありませんが、ご連絡いただけますと非常に嬉しいです。 143 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 不問 | 2 | 主人公、語り手。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
0:
0:夏休みを利用して、友人達とキャンプをすることになった。
0:夏らしいイベントができていなかった私はワクワクと胸を躍らせる。
0:あまり他のキャンプ客もいない、綺麗な場所だった。
0:シーズンだというのにこんなに人がいないことがあるだろうか?
0:
0:その答えはすぐにわかった…。
0:友人の一人が悪戯っぽく笑って言う。
0:
0:ここは心霊スポットなのだと…。
0:ホラーが苦手な私は猛抗議をしたが…
0:今更場所を変えられるわけもなく、押し切られる形で滞在することになってしまった。
0:とはいえ、心霊スポットということを除けばとても綺麗な場所でほぼ貸し切り状態。
0:すっかりハイテンションな友人達と、私も気持ちを切り替えてキャンプを楽しんだ。
0:
0:その夜…
0:お酒を飲み、ひとしきり騒いだ私達はテントの中へと入った。
0:せっかくの心霊スポット、当然肝試しをするという流れにはなっていたのだが…
0:思いのほかお酒や話が進んでしまい、時刻はもうすっかり深夜になっており…
0:何人かは酔いつぶれて眠ってしまったのもあって、肝試しは自然と流れることになった。
0:
0:怖くて仕方なかった私はほっとして寝袋へと入り込む。
0:貸し切り状態のキャンプ場で友人達とおもいっきり羽根を伸ばすことができた。
0:このまま眠って目を覚ませば心霊スポットだったことなんて何も関係はない。
0:心地よく酔っ払いながら、恐怖心がすっかり満足感にかわった私は重くなってきた瞼を閉じた。
0:
0:どれくらい眠ったのだろう…。
0:ふと、目が覚める。
0:まだ真っ暗で友人達の寝息が聞こえる。
0:嫌な時間に起きてしまったなぁ…なんて思い、再び目を閉じる。
0:
0:ザッ…ザッ…ザッ…
0:
0:外から足音のようなものが聞こえる。
0:動物…?
0:明かりをつけようとして、手を止める。
0:足音と一緒に、何かがテントに触れる音がする。
0:
0:ペタ…ペタ…
0:
0:手だ…誰かがテントに触れている。
0:動物ではない、人間であることはすぐにわかった。
0:他のキャンプ客のいたずらだろうか…
0:ここが心霊スポットだということも思い出す。
0:どちらにしても、恐怖でしかない。
0:友人を起こそうにも、声を出した時、外の何者かがどういう動きをするか見当もつかない。
0:私は気配を殺し、ただただ震えていた。
0:
0:ザッ…ザッ…ザッ…
0:ザッ…ザッ…ザッ…
0:
0:そうしているうちに足音が増えはじめた。
0:2人…3人…どんどん足音が増えている気がする。
0:そして、テントに触れている感じもあちこちからしていた。
0:テントのまわりを数人が囲むように歩き、そして触れている。
0:この異様で不気味な現象に、私はただ震えることしかできない。
0:人間のいたずらとは思えなかったのだ。
0:友人たちも起きる様子はない…。
私:「どうしよう…どうしよう…!!」
0:
0:
0:私は汗をびっしょりとかきながら、ただ一人、この恐怖に耐えるしかない。
0:足音も、触れる音も、一向に止まる気配はない。
0:私は泣きだしそうになるのを必死にこらえ、とにかく夜が明けるのを待った。
0:
0:何十時間にも思えるような、地獄の時間。
0:結局、ぐるぐると外をまわり、テントに触れるだけで他に何か危害をくわえるでもなく…
0:外が明るくなりはじめると同時に、音も気配も消えていった。
0:
0:結局、一睡もすることができず、夜明けをむかえたのだ。
0:友人達はまだねむっている。羨ましいものだ。
0:
0:あれは結局なんだったのか…?
0:夜も明け、気配もすっかり消えてしばらく経ち、私は少し強気になっていた。
0:そっとテントをあけ、外を伺う。
0:やはり誰かがいる気配はない。
0:警戒しながらゆっくりと外に出る。
0:
0:誰もいない…。
0:そして辺りをきょろきょろと見まわした時…
私:「あっ…うわっ!うわああ!!」
0:
0:
0:その光景に悲鳴をあげた。
0:私の声に、目を覚ました友人が何事かと眠そうに外へ出てくる。
0:そして友人も悲鳴をもらし、顔を真っ青にする…。
0:
0:そこには…
0:
0:足元にたくさんの足跡と、血のような真っ赤な手形がびっしりとテントに張り付いていたのだった…。
0:
0:
0:(終)
0:
0:
0:夏休みを利用して、友人達とキャンプをすることになった。
0:夏らしいイベントができていなかった私はワクワクと胸を躍らせる。
0:あまり他のキャンプ客もいない、綺麗な場所だった。
0:シーズンだというのにこんなに人がいないことがあるだろうか?
0:
0:その答えはすぐにわかった…。
0:友人の一人が悪戯っぽく笑って言う。
0:
0:ここは心霊スポットなのだと…。
0:ホラーが苦手な私は猛抗議をしたが…
0:今更場所を変えられるわけもなく、押し切られる形で滞在することになってしまった。
0:とはいえ、心霊スポットということを除けばとても綺麗な場所でほぼ貸し切り状態。
0:すっかりハイテンションな友人達と、私も気持ちを切り替えてキャンプを楽しんだ。
0:
0:その夜…
0:お酒を飲み、ひとしきり騒いだ私達はテントの中へと入った。
0:せっかくの心霊スポット、当然肝試しをするという流れにはなっていたのだが…
0:思いのほかお酒や話が進んでしまい、時刻はもうすっかり深夜になっており…
0:何人かは酔いつぶれて眠ってしまったのもあって、肝試しは自然と流れることになった。
0:
0:怖くて仕方なかった私はほっとして寝袋へと入り込む。
0:貸し切り状態のキャンプ場で友人達とおもいっきり羽根を伸ばすことができた。
0:このまま眠って目を覚ませば心霊スポットだったことなんて何も関係はない。
0:心地よく酔っ払いながら、恐怖心がすっかり満足感にかわった私は重くなってきた瞼を閉じた。
0:
0:どれくらい眠ったのだろう…。
0:ふと、目が覚める。
0:まだ真っ暗で友人達の寝息が聞こえる。
0:嫌な時間に起きてしまったなぁ…なんて思い、再び目を閉じる。
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0:ザッ…ザッ…ザッ…
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0:外から足音のようなものが聞こえる。
0:動物…?
0:明かりをつけようとして、手を止める。
0:足音と一緒に、何かがテントに触れる音がする。
0:
0:ペタ…ペタ…
0:
0:手だ…誰かがテントに触れている。
0:動物ではない、人間であることはすぐにわかった。
0:他のキャンプ客のいたずらだろうか…
0:ここが心霊スポットだということも思い出す。
0:どちらにしても、恐怖でしかない。
0:友人を起こそうにも、声を出した時、外の何者かがどういう動きをするか見当もつかない。
0:私は気配を殺し、ただただ震えていた。
0:
0:ザッ…ザッ…ザッ…
0:ザッ…ザッ…ザッ…
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0:そうしているうちに足音が増えはじめた。
0:2人…3人…どんどん足音が増えている気がする。
0:そして、テントに触れている感じもあちこちからしていた。
0:テントのまわりを数人が囲むように歩き、そして触れている。
0:この異様で不気味な現象に、私はただ震えることしかできない。
0:人間のいたずらとは思えなかったのだ。
0:友人たちも起きる様子はない…。
私:「どうしよう…どうしよう…!!」
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0:私は汗をびっしょりとかきながら、ただ一人、この恐怖に耐えるしかない。
0:足音も、触れる音も、一向に止まる気配はない。
0:私は泣きだしそうになるのを必死にこらえ、とにかく夜が明けるのを待った。
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0:何十時間にも思えるような、地獄の時間。
0:結局、ぐるぐると外をまわり、テントに触れるだけで他に何か危害をくわえるでもなく…
0:外が明るくなりはじめると同時に、音も気配も消えていった。
0:
0:結局、一睡もすることができず、夜明けをむかえたのだ。
0:友人達はまだねむっている。羨ましいものだ。
0:
0:あれは結局なんだったのか…?
0:夜も明け、気配もすっかり消えてしばらく経ち、私は少し強気になっていた。
0:そっとテントをあけ、外を伺う。
0:やはり誰かがいる気配はない。
0:警戒しながらゆっくりと外に出る。
0:
0:誰もいない…。
0:そして辺りをきょろきょろと見まわした時…
私:「あっ…うわっ!うわああ!!」
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0:その光景に悲鳴をあげた。
0:私の声に、目を覚ました友人が何事かと眠そうに外へ出てくる。
0:そして友人も悲鳴をもらし、顔を真っ青にする…。
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0:そこには…
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0:足元にたくさんの足跡と、血のような真っ赤な手形がびっしりとテントに張り付いていたのだった…。
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