声劇台本置き場

アスター：……ハロー。 アスター：……ハロー？ アスター：……おーい！ アスター：……はぁ……ダメか。 アスター：……まっ、しょうがないね。一方的に話すか。 アスター：……ハロー、外は今日も天気が良いよ。 アスター：だんだん日が長くなってきて、少し暖かくなってるみたい。 アスター：寒いよりは、暖かい方が良いよね。 アスター：暑いのは嫌だけど……うん、それでも、寒いよりはマシ。 アスター：……そうだ、窓の外に、赤い花が咲いたんだ。 アスター：名前はわからないけど、たぶん珍しいものじゃなくて……なんか、ありふれたやつ。 アスター：……多分ね。 アスター：……どこから種が飛んできたんだろ。 アスター：それとも……ずっと前から、そこにあったのかな。 アスター：……まあ、なんにせよ。綺麗な花が見れて良かった。 アスター：……ちょっと嬉しかった……ちょっとだけ。 アスター：……うん、きっと、良いことがあるなぁ、って思ったからさ……少しおすそ分けー……したかったな、って。 アスター：……居ないよねー？ アスター：……うん……うん、残念。 アスター：……窓の外は、青い空に、白い雲がバランス良く浮かんでて……今日も素敵に見えるよ。 アスター：……変わらない……ずっと、同じ。 アスター：……んーっ、飽きちゃうくらいに、変わり映えしなくてさー、まいっちゃうよねー！ アスター：……ははっ……まいっちゃうよ。 アスター：…………ハロー。 アスター：……ふふっ……ハロー、ハロー。 アスター：……こちら、観測拠点……えー……フラワーレーッド……ふふっ。 アスター：今日も、私は元気に、観測しておりまーす……ハロー。 アスター：……喋ること、あんまないね。 アスター：あははっ……あー、バカみたい、だっ。 アスター：…………ねぇ、外に出たいね。 アスター：……わかってる、そんなことしたら……わかってるよ、大丈夫。 アスター：……ねぇ、それでも……それでもって……思うんだ。 アスター：……思うんだけど…………やっぱり、ダメって言うよね。 アスター：…………いつか、これを聴いてくれたら……ううん、いいや。 アスター：あんまりさ……期待するのは、好きじゃないんだ。 アスター：……そんなの、気休めだから。 アスター：…………今日も、変わらないよ。 アスター：……窓の外だけが……私以外が……ずっと変わっていく。 アスター：…………きっとさ、変わったんだよね。 アスター：……あなたも。 アスター：…………ハロー。 アスター：……今日も、私は……変わらないよ。 アスター：…………どれだけ、季節が過ぎても。 アスター：……どれだけ、世界が変わっても。 アスター：…………あなたが、居なくなっても。 アスター：……私だけは、変わらない。 アスター：…………ハロー。 アスター：…………ハロー……ハロー！ アスター：…………居ないね。 アスター：…………あはは……知ってるよ……とっくの昔に。 アスター：…………………… ハロー。 アスター：……外は今日も天気が良いよ。 アスター：だんだん日が長くなってきて、少し暖かくなってるみたい。 アスター：寒いよりは、暖かい方が良いよね。 アスター：暑いのは嫌だけど……うん、それでも、寒いよりはマシ。 アスター：……そうだ、窓の外の……花は、枯れたみたい。 アスター：…………ねぇ、名前……なんだったんだろ。 アスター：……綺麗な赤い花……綺麗だって……思った花。 アスター：……今度、教えてよ……知らなくたって、調べてくれればいいよ。 アスター：…………返事してよ。 アスター：……あはは……ハロー、ハロー？ アスター：…………ずいぶんと、無口になっちゃったねぇ…………ね。 アスター：…………外に出たいな。 アスター：……わかってるよ……そんなこと……ずっと前からさ。 アスター：…………ハロー……ハロー。 アスター：……………………ハロー。 アスター：…………今日は、雨みたい。 アスター：……雨が降ると、音が良いね。 アスター：…………なんかね……好きだよ。 アスター：……ハロー。 アスター：……ふふっ……ねぇ……私は変わらないけど、そっちはどう？ アスター：…………居ないよねぇ。 アスター：…………ずっと……それだけは、私と同じだ。 アスター：…………ハロー……いつか……聴いてね。 アスター：………………ハロー。 アスター：…… 外は今日も天気が良いよ。 アスター：だんだん……日が長くなってきて…………少し暖かくなってるみたい。 アスター：……寒いよりは…………暖かい方が……ふふっ……良いよね。 アスター：……暑いのは嫌だけど……うん……それでも……寒いよりは……。 アスター：……………………ハロー。 アスター：……ねぇ。 アスター：……外に、出たら……あなたに会えたりする？ アスター：…………ハロー？ アスター：……………………ハロー。 アスター：……ねぇ、覚えてる？ アスター：……赤い花が、また咲いたの。 アスター：…………すごいよね……多分、同じとこに咲いたよ。 アスター：…………すごいなぁ。 アスター：…………居てほしかったよ……今日も。 アスター：……………………ハロー。 アスター：……………………ハロー。 アスター：……………………ハロー。 アスター：……………………きっと。 アスター：……もう、私はさ、自由にしちゃって良いんだろうね。 アスター：……外に出ても良い。 アスター：……変わって良い。 アスター：……あなたをさ……待たなくても、良い。 アスター：…………ハロー。 アスター：…‥ハロー、ハロー……ハロー、ハロー…‥ハロー……。 アスター：……怖いね。 アスター：……自由も。 アスター：……変わることも。 アスター：……あなたが、居ないことも。 アスター：…………こんなに怖い。 アスター：…………ねぇ、わかってることがね……あるんだ。 アスター：……多分……ううん、ダメだね……都合の良いように言っちゃ。 アスター：…………期待するのは……嫌いだって……言ったもんね。 アスター：…………は……あっ……。 アスター：……居ないね、もう……どこにも。 アスター：…………知ってた！ アスター：…………あー……はぁっ…………うん。 アスター：……大丈夫、知ってたからさ。 アスター：…………これ……誰にも聴いてもらえないだろうな……あーあ……良いけどね。 アスター：…………ここから外に出たら、私は……きっと、変わってしまう。 アスター：……ずっとずっと、変わらないでいたのに。 アスター：…………べつに。 アスター：……変わらないでいたいわけじゃないよ。 アスター：…………でも、このさ……このままを。 アスター：……続けていれば…………何も知らないフリをしてさ……待ち続けられれば。 アスター：…………返事が、返って来るかもしれないじゃない。 アスター：…………ハロー。 アスター：…………そう思っていたかった。 アスター：…………ハロー？ アスター：…………変わってほしくなかった。 アスター：…………ハロー、ハロー。 アスター：…………同じようにしていれば、もしかしたら、って。 アスター：……………………ハロー。 アスター：…………バカだなぁ。 アスター：……永遠なんて、どこにもないんだね。 アスター：…………ハロー……こちら、観測拠点……。 アスター：…………ねぇ、怖いけど。 アスター：…………それでも、って思うんだ。 アスター：…………だいぶ、勇気が必要だったけど。 アスター：…………私……外に出るね。 アスター：…………ハロー。聴こえる？ アスター：…………これが、最後のチャンスだよ。ねぇ。 アスター：…………ハロー……はろぉ……ハロォー！ アスター：………………あはは…………じゃあね。 0：　‐　 アスター：…………………… ハロー、外は今日も天気が良いよ。 アスター：だんだん日が長くなってきて、少し暖かくなってるみたい。 アスター：寒いよりは、暖かい方が良いよね。 アスター：暑いのは嫌だけど……うん、それでも、寒いよりはマシ。 アスター：……そうだ、窓の外に、赤い花が咲いたんだ。 アスター：名前は……。