台本概要
145 views
タイトル | アメシストの仮面【宝石シリーズ】 |
---|---|
作者名 | うどんマン (@hello_udon_don) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
アメシストの仮面を被るとどんな顔にもなれるという。 【宝石シリーズ:アメシスト】書き下ろし作品 145 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
男 | 男 | 88 | 殺し屋 ※父と兼ね |
少女 | 女 | 65 | お転婆な女の子 ※博士と兼ね |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
少女:どうしてお父さんの耳は大きいの?
男:それは、お前の言うことがよく聞こえるようにね
少女:じゃあどうしておめめも大きいの?
男:お前のことをよく見るためだよ
少女:じゃあどうして手もこんなに…
男:お前の手をしっかり掴めるようにね
少女:嬉しい
0:
少女:あら、お父さんの顔、なんだか…
男:…っ!?
男:父さんの顔、変か…?いつもと違って見えるんだとしたら、お忍びで来てるからだよ…変装もしてるし…な?
0:
少女:そう
男:(M)もしかして、バレ…てる?
男:(M)大丈夫だよな…!?
0:
0:
0:
博士:ほれ、こいつじゃ
男:仮面…
博士:これはアメシストでできた仮面。被るとどんな顔にもなれるんじゃ
博士:お前さんは背丈も肉付きも似ているから、まぁバレることはないじゃろう
男:これを被ってターゲットに近づく、と
博士:初めてにしてはなかなか癖のある依頼じゃが、しっかり任務を果たすんじゃぞ
男:はい。でも本当に大丈夫なんですか?こんなんで
博士:心配ご無用。わしの発明品は実績アリアリじゃ
男:そうですか
博士:わしも気が抜けんからのぉ。なんせ依頼人はあの…(電話がなる)
博士:もしもし。…はい!今仮面を渡しましたですじゃ!えぇえぇ、やる気も気合もバッチリですぞ!はいはい、依頼料の件ですな?…おお、そんなに…
男:…
0:
男:(M)俺は多額の借金を返済するため「殺し」の依頼を受けた
男:(M)依頼人は某有名政治家
男:(M)最近メディアでも活躍中の人気者だ
男:(M)そんな彼には隠し子がいる。人気者の彼にとってその子の存在が唯一の脅威
男:(M)情報が公になる前に殺せと
男:(M)そういう依頼だ
0:
0:
男:俺には関係ねぇ
少女:ん?
男:ああいや…
少女:変なお父さんっ
男:…
少女:あ!みてみて!くまさーーん!
0:遊園地
0:風船を配る着ぐるみのクマを指差して少女が言う
男:ほんとだ、かわいいな!
少女:ちょっと行ってくる!
男:おう
男:(M)政治家の娘か
男:(M)こうやって見ると、ただの幼いガキだな
男:ふぅ
男:(M)しっかりしろ
男:(M)やらなければ俺の命が、もう後にはひけないんだ
0:
少女:はいっ!
男:ん?
少女:お父さんの分!
男:ハートの風船
少女:ピンク!
男:ちょっと可愛すぎないか…?
少女:見てくればかり気にしてんじゃないのよ
男:え
少女:風船、嬉しいでしょ??
男:あ、ああ
少女:そういう時は「ありがとう」って言うのっ!
男:あ、ありがとう
少女:えへへ、どういたしまして!
0:少女が笑う
男:(M)ひっそり暮らしているとの前情報から大人しい女の子をイメージしていたのだが、思っていたよりも数倍明るい子で、俺は拍子抜けをくらっている
0:
男:(M)ずっと楽しそうだな、こいつ
0:
少女:飛行機が飛んでるっ!
男:いや飛ぶだろ、それくらい
少女:こんな近いところで!?
0:
男:大人1人と子供1人で
少女:子供2人でーーす!
男:違いまーーす
少女:違いませーーん!
男:大人しくしてなさいっ!
少女:子供だから無理でーーす!
男:やれやれ
0:
少女:メリーランドゴーーー!
男:それを言うならメリーゴーランド!
0:
少女:ヤッホーーーーー!
男:観覧車の中で叫ぶなって
少女:だって頂上だよ!?
男:それ外でやるもんだから
少女:はーーーーーい!
男:んも、だからっ!
0:
男:(M)何だかもう、すっかりこいつのペースだ
0:
少女:ああ楽しかった!
男:そうだな
少女:お父さんも楽しかった?
男:ああ。でもちょっと疲れたかな
少女:正直者だねぇ
少女:今日はありがとう。初めてお父さんと遊べて嬉しかった
男:初めて…
少女:うん、初めてだよ
男:そうだよな
0:
男:(M)こいつは「隠し子」なんだもんな
0:
男:な、なぁ、帰る前に海でも見ないか…?
少女:海?
男:綺麗だぞ…?
少女:…
0:
少女:うん見たい!
0:
0:
0:
男:(M)綺麗なコバルトブルーの海
男:(M)ここは底が深くて有名な、通称「ブラックホールの海」
男:(M)綺麗な景色とは裏腹に、毎年多数の自殺者が出るという恐ろしい場所
男:(M)依頼通り、俺たちは見晴らし台にきて
0:深呼吸
男:(M)手がふるえてきた…
少女:綺麗だね!
男:(M)簡単な仕事
男:(M)あとはただこいつの背中を押すだけ
男:(M)こいつの背中を押すだけ
男:(M)背中を押すだけ
少女:お父さん?
男:…っ!
少女:綺麗な海だね
男:…ああ、そうだな
0:
0:
少女:どうしてお父さん、ふるえてるの?
男:え…
少女:さっきからずっとふるえてる
男:あまりに綺麗だから気持ちが高ぶってるんだよ
少女:じゃあどうして怖い顔してるの?
男:それは…
男:…綺麗な景色を見ると、真剣になるもんだよ
少女:じゃあどうして…
0:
少女:泣いてるの?
男:え?
少女:お父さん、泣いてるよ
男:そんなはずはっ
少女:優しいんだね
0:
少女:やっぱり私には無理です
少女:ごめんなさい
0:
父:(「何をもたついてんだあいつは」)
父:(「…もういい」)
父:(「殺せ」)
0:
少女:もうこれ以上、お父さんの思い通りにはさせない
0:
0:少女は男へ向き直ると、笑ってみせ、
0:
少女:親の言うことが聞けないなんて
少女:悪い子だね、私
0:
男:(M)…ん、なんだ??
男:(少女は俺を庇うように手を広げ)
男:(そして)
0:
0:(銃声)
0:
少女:…っ!
0:
男:(その場に倒れる少女)
0:
男:え
0:
男:(何が起こったのか、すぐには理解できなかった)
0:
少女:…ハートの風船、しぼんじゃったね。。。(笑)
0:
男:お、おい!おい!しっかりしろ!
0:
0:(銃声)
0:
男:…っ!
男:ひとまず隠れないと…!
0:
0:男は少女を抱え、近くの倉庫に逃げ込む
0:
0:
男:おい、大丈夫か…!
少女:…う、うん
男:お前に事情を説明しろっつってもな、
男:いや、俺も狙われてたってことか
0:
男:…そりゃそうだよな
0:
少女:ごめんなさい
0:
男:どうしてお前が謝る
0:
少女:…優しくしてくれたから
男:は?
少女:だから、いっぱい甘えちゃいました。騙していてごめんなさい
男:知ってたんだな
少女:嬉しかった。例えそれが目的のための優しさだとしても
少女:そんなの関係ないくらい、覚悟が揺らいじゃうくらい、今日は楽しかった
0:
少女:だからもういいんだって、諦めてたのに。
男:もう喋るな!!
0:
男:(M)こいつは自分が殺されるとわかっていてそれで、楽しんでいたんだ。最後の日を
0:
男:(M)実の親から命を狙われるなんて
男:(M)そんな小さな体でなんてもん抱えてやがんだ
0:
男:(M)自分のことしか考えてない俺よりもこいつは、ずっとずっと強くて逞しい
0:
男:お前、強ぇよ
0:
男:けどなぁ、
少女:…?
男:てめぇは、
男:まだ子供だろうが!
男:自己犠牲でかっこつけたつもりか!?
男:ガキが大人ぶってんじゃねぇよ!!!
0:
少女:え、え…?
男:子供なら子供らしくしてろっつってんだよ!
0:
男:つらくて苦しくて逃げたくて自分じゃどうにもならない時は、心の底から泣いて、わめいて、子供らしく周りに迷惑をかけろ!かけまくれ!
男:そんで、もっと大人を頼れよ!!!
0:
少女:(M)あ、仮面が…
0:
男:それが無理なら、俺を頼ればいい!
0:
少女:…お父さん
少女:そんな顔してたんだね
男:おい、人が説教してる時に…
少女:フフ、冴えない顔
男:うるせぇ
少女:優しいんだね
0:
少女:そんなんじゃ全然ダメだよ。殺し屋失格
0:
0:少女は隠し持っていた拳銃を放り投げる
0:
男:それはお互い様だ
0:
0:少女の目に涙が光る
0:
男:…悪ぃ。言いすぎたか?
少女:違う、嬉しいの。今までそんなこと言ってくれる人、いなかったから
男:…そうか。
0:
0:
少女:頼ってもいいのかな
0:
男:ん…?
0:
少女:お父さんのこと、頼ってもいいかな…?
0:
男:…ああ
男:(M)昨日まではただ自分が生きることに精一杯で
男:(M)必死で、必死で、必死で
男:(M)周りも見えない、自己中だった俺が「誰かの為に」、なんて
0:
男:(M)冷静に考えて、こんなトンデモ状況、どうにかなるなんて思えねぇ。怖い、死にたくない、逃げだしたい…そのはずなのに
男:(M)何でだろう。今なら何だってできる気がする
0:
男:(M)きっと、守りたいやつができたからだ
0:
少女:助けて…!お父さん…!!
0:
男:…よく言えたな
0:
男:よし
男:父さんに任せろ!
0:
0:
0:
男:こんな仮面なくたって…!
0:
男:(M)俺は、思いっきり深呼吸をした後、勢いよく倉庫を飛び出していった
0:
男:俺が絶対に守ってやるからな…!
少女:どうしてお父さんの耳は大きいの?
男:それは、お前の言うことがよく聞こえるようにね
少女:じゃあどうしておめめも大きいの?
男:お前のことをよく見るためだよ
少女:じゃあどうして手もこんなに…
男:お前の手をしっかり掴めるようにね
少女:嬉しい
0:
少女:あら、お父さんの顔、なんだか…
男:…っ!?
男:父さんの顔、変か…?いつもと違って見えるんだとしたら、お忍びで来てるからだよ…変装もしてるし…な?
0:
少女:そう
男:(M)もしかして、バレ…てる?
男:(M)大丈夫だよな…!?
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博士:ほれ、こいつじゃ
男:仮面…
博士:これはアメシストでできた仮面。被るとどんな顔にもなれるんじゃ
博士:お前さんは背丈も肉付きも似ているから、まぁバレることはないじゃろう
男:これを被ってターゲットに近づく、と
博士:初めてにしてはなかなか癖のある依頼じゃが、しっかり任務を果たすんじゃぞ
男:はい。でも本当に大丈夫なんですか?こんなんで
博士:心配ご無用。わしの発明品は実績アリアリじゃ
男:そうですか
博士:わしも気が抜けんからのぉ。なんせ依頼人はあの…(電話がなる)
博士:もしもし。…はい!今仮面を渡しましたですじゃ!えぇえぇ、やる気も気合もバッチリですぞ!はいはい、依頼料の件ですな?…おお、そんなに…
男:…
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男:(M)俺は多額の借金を返済するため「殺し」の依頼を受けた
男:(M)依頼人は某有名政治家
男:(M)最近メディアでも活躍中の人気者だ
男:(M)そんな彼には隠し子がいる。人気者の彼にとってその子の存在が唯一の脅威
男:(M)情報が公になる前に殺せと
男:(M)そういう依頼だ
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男:俺には関係ねぇ
少女:ん?
男:ああいや…
少女:変なお父さんっ
男:…
少女:あ!みてみて!くまさーーん!
0:遊園地
0:風船を配る着ぐるみのクマを指差して少女が言う
男:ほんとだ、かわいいな!
少女:ちょっと行ってくる!
男:おう
男:(M)政治家の娘か
男:(M)こうやって見ると、ただの幼いガキだな
男:ふぅ
男:(M)しっかりしろ
男:(M)やらなければ俺の命が、もう後にはひけないんだ
0:
少女:はいっ!
男:ん?
少女:お父さんの分!
男:ハートの風船
少女:ピンク!
男:ちょっと可愛すぎないか…?
少女:見てくればかり気にしてんじゃないのよ
男:え
少女:風船、嬉しいでしょ??
男:あ、ああ
少女:そういう時は「ありがとう」って言うのっ!
男:あ、ありがとう
少女:えへへ、どういたしまして!
0:少女が笑う
男:(M)ひっそり暮らしているとの前情報から大人しい女の子をイメージしていたのだが、思っていたよりも数倍明るい子で、俺は拍子抜けをくらっている
0:
男:(M)ずっと楽しそうだな、こいつ
0:
少女:飛行機が飛んでるっ!
男:いや飛ぶだろ、それくらい
少女:こんな近いところで!?
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男:大人1人と子供1人で
少女:子供2人でーーす!
男:違いまーーす
少女:違いませーーん!
男:大人しくしてなさいっ!
少女:子供だから無理でーーす!
男:やれやれ
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少女:メリーランドゴーーー!
男:それを言うならメリーゴーランド!
0:
少女:ヤッホーーーーー!
男:観覧車の中で叫ぶなって
少女:だって頂上だよ!?
男:それ外でやるもんだから
少女:はーーーーーい!
男:んも、だからっ!
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男:(M)何だかもう、すっかりこいつのペースだ
0:
少女:ああ楽しかった!
男:そうだな
少女:お父さんも楽しかった?
男:ああ。でもちょっと疲れたかな
少女:正直者だねぇ
少女:今日はありがとう。初めてお父さんと遊べて嬉しかった
男:初めて…
少女:うん、初めてだよ
男:そうだよな
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男:(M)こいつは「隠し子」なんだもんな
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男:な、なぁ、帰る前に海でも見ないか…?
少女:海?
男:綺麗だぞ…?
少女:…
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少女:うん見たい!
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男:(M)綺麗なコバルトブルーの海
男:(M)ここは底が深くて有名な、通称「ブラックホールの海」
男:(M)綺麗な景色とは裏腹に、毎年多数の自殺者が出るという恐ろしい場所
男:(M)依頼通り、俺たちは見晴らし台にきて
0:深呼吸
男:(M)手がふるえてきた…
少女:綺麗だね!
男:(M)簡単な仕事
男:(M)あとはただこいつの背中を押すだけ
男:(M)こいつの背中を押すだけ
男:(M)背中を押すだけ
少女:お父さん?
男:…っ!
少女:綺麗な海だね
男:…ああ、そうだな
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少女:どうしてお父さん、ふるえてるの?
男:え…
少女:さっきからずっとふるえてる
男:あまりに綺麗だから気持ちが高ぶってるんだよ
少女:じゃあどうして怖い顔してるの?
男:それは…
男:…綺麗な景色を見ると、真剣になるもんだよ
少女:じゃあどうして…
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少女:泣いてるの?
男:え?
少女:お父さん、泣いてるよ
男:そんなはずはっ
少女:優しいんだね
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少女:やっぱり私には無理です
少女:ごめんなさい
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父:(「何をもたついてんだあいつは」)
父:(「…もういい」)
父:(「殺せ」)
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少女:もうこれ以上、お父さんの思い通りにはさせない
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0:少女は男へ向き直ると、笑ってみせ、
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少女:親の言うことが聞けないなんて
少女:悪い子だね、私
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男:(M)…ん、なんだ??
男:(少女は俺を庇うように手を広げ)
男:(そして)
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0:(銃声)
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少女:…っ!
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男:(その場に倒れる少女)
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男:え
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男:(何が起こったのか、すぐには理解できなかった)
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少女:…ハートの風船、しぼんじゃったね。。。(笑)
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男:お、おい!おい!しっかりしろ!
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0:(銃声)
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男:…っ!
男:ひとまず隠れないと…!
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0:男は少女を抱え、近くの倉庫に逃げ込む
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男:おい、大丈夫か…!
少女:…う、うん
男:お前に事情を説明しろっつってもな、
男:いや、俺も狙われてたってことか
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男:…そりゃそうだよな
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少女:ごめんなさい
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男:どうしてお前が謝る
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少女:…優しくしてくれたから
男:は?
少女:だから、いっぱい甘えちゃいました。騙していてごめんなさい
男:知ってたんだな
少女:嬉しかった。例えそれが目的のための優しさだとしても
少女:そんなの関係ないくらい、覚悟が揺らいじゃうくらい、今日は楽しかった
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少女:だからもういいんだって、諦めてたのに。
男:もう喋るな!!
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男:(M)こいつは自分が殺されるとわかっていてそれで、楽しんでいたんだ。最後の日を
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男:(M)実の親から命を狙われるなんて
男:(M)そんな小さな体でなんてもん抱えてやがんだ
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男:(M)自分のことしか考えてない俺よりもこいつは、ずっとずっと強くて逞しい
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男:お前、強ぇよ
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男:けどなぁ、
少女:…?
男:てめぇは、
男:まだ子供だろうが!
男:自己犠牲でかっこつけたつもりか!?
男:ガキが大人ぶってんじゃねぇよ!!!
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少女:え、え…?
男:子供なら子供らしくしてろっつってんだよ!
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男:つらくて苦しくて逃げたくて自分じゃどうにもならない時は、心の底から泣いて、わめいて、子供らしく周りに迷惑をかけろ!かけまくれ!
男:そんで、もっと大人を頼れよ!!!
0:
少女:(M)あ、仮面が…
0:
男:それが無理なら、俺を頼ればいい!
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少女:…お父さん
少女:そんな顔してたんだね
男:おい、人が説教してる時に…
少女:フフ、冴えない顔
男:うるせぇ
少女:優しいんだね
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少女:そんなんじゃ全然ダメだよ。殺し屋失格
0:
0:少女は隠し持っていた拳銃を放り投げる
0:
男:それはお互い様だ
0:
0:少女の目に涙が光る
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男:…悪ぃ。言いすぎたか?
少女:違う、嬉しいの。今までそんなこと言ってくれる人、いなかったから
男:…そうか。
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0:
少女:頼ってもいいのかな
0:
男:ん…?
0:
少女:お父さんのこと、頼ってもいいかな…?
0:
男:…ああ
男:(M)昨日まではただ自分が生きることに精一杯で
男:(M)必死で、必死で、必死で
男:(M)周りも見えない、自己中だった俺が「誰かの為に」、なんて
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男:(M)冷静に考えて、こんなトンデモ状況、どうにかなるなんて思えねぇ。怖い、死にたくない、逃げだしたい…そのはずなのに
男:(M)何でだろう。今なら何だってできる気がする
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男:(M)きっと、守りたいやつができたからだ
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少女:助けて…!お父さん…!!
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男:…よく言えたな
0:
男:よし
男:父さんに任せろ!
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男:こんな仮面なくたって…!
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男:(M)俺は、思いっきり深呼吸をした後、勢いよく倉庫を飛び出していった
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男:俺が絶対に守ってやるからな…!