台本概要

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タイトル アメシストの仮面【宝石シリーズ】
作者名 うどんマン  (@hello_udon_don)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 アメシストの仮面を被るとどんな顔にもなれるという。

【宝石シリーズ:アメシスト】書き下ろし作品

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
88 殺し屋 ※父と兼ね
少女 65 お転婆な女の子 ※博士と兼ね
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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少女:どうしてお父さんの耳は大きいの? 男:それは、お前の言うことがよく聞こえるようにね 少女:じゃあどうしておめめも大きいの? 男:お前のことをよく見るためだよ 少女:じゃあどうして手もこんなに… 男:お前の手をしっかり掴めるようにね 少女:嬉しい 0: 少女:あら、お父さんの顔、なんだか… 男:…っ!? 男:父さんの顔、変か…?いつもと違って見えるんだとしたら、お忍びで来てるからだよ…変装もしてるし…な? 0: 少女:そう 男:(M)もしかして、バレ…てる? 男:(M)大丈夫だよな…!? 0: 0: 0: 博士:ほれ、こいつじゃ 男:仮面… 博士:これはアメシストでできた仮面。被るとどんな顔にもなれるんじゃ 博士:お前さんは背丈も肉付きも似ているから、まぁバレることはないじゃろう 男:これを被ってターゲットに近づく、と 博士:初めてにしてはなかなか癖のある依頼じゃが、しっかり任務を果たすんじゃぞ 男:はい。でも本当に大丈夫なんですか?こんなんで 博士:心配ご無用。わしの発明品は実績アリアリじゃ 男:そうですか 博士:わしも気が抜けんからのぉ。なんせ依頼人はあの…(電話がなる) 博士:もしもし。…はい!今仮面を渡しましたですじゃ!えぇえぇ、やる気も気合もバッチリですぞ!はいはい、依頼料の件ですな?…おお、そんなに… 男:… 0: 男:(M)俺は多額の借金を返済するため「殺し」の依頼を受けた 男:(M)依頼人は某有名政治家 男:(M)最近メディアでも活躍中の人気者だ 男:(M)そんな彼には隠し子がいる。人気者の彼にとってその子の存在が唯一の脅威 男:(M)情報が公になる前に殺せと 男:(M)そういう依頼だ 0: 0: 男:俺には関係ねぇ 少女:ん? 男:ああいや… 少女:変なお父さんっ 男:… 少女:あ!みてみて!くまさーーん! 0:遊園地 0:風船を配る着ぐるみのクマを指差して少女が言う 男:ほんとだ、かわいいな! 少女:ちょっと行ってくる! 男:おう 男:(M)政治家の娘か 男:(M)こうやって見ると、ただの幼いガキだな 男:ふぅ 男:(M)しっかりしろ 男:(M)やらなければ俺の命が、もう後にはひけないんだ 0: 少女:はいっ! 男:ん? 少女:お父さんの分! 男:ハートの風船 少女:ピンク! 男:ちょっと可愛すぎないか…? 少女:見てくればかり気にしてんじゃないのよ 男:え 少女:風船、嬉しいでしょ?? 男:あ、ああ 少女:そういう時は「ありがとう」って言うのっ! 男:あ、ありがとう 少女:えへへ、どういたしまして! 0:少女が笑う 男:(M)ひっそり暮らしているとの前情報から大人しい女の子をイメージしていたのだが、思っていたよりも数倍明るい子で、俺は拍子抜けをくらっている 0: 男:(M)ずっと楽しそうだな、こいつ 0: 少女:飛行機が飛んでるっ! 男:いや飛ぶだろ、それくらい 少女:こんな近いところで!? 0: 男:大人1人と子供1人で 少女:子供2人でーーす! 男:違いまーーす 少女:違いませーーん! 男:大人しくしてなさいっ! 少女:子供だから無理でーーす! 男:やれやれ 0: 少女:メリーランドゴーーー! 男:それを言うならメリーゴーランド! 0: 少女:ヤッホーーーーー! 男:観覧車の中で叫ぶなって 少女:だって頂上だよ!? 男:それ外でやるもんだから 少女:はーーーーーい! 男:んも、だからっ! 0: 男:(M)何だかもう、すっかりこいつのペースだ 0: 少女:ああ楽しかった! 男:そうだな 少女:お父さんも楽しかった? 男:ああ。でもちょっと疲れたかな 少女:正直者だねぇ 少女:今日はありがとう。初めてお父さんと遊べて嬉しかった 男:初めて… 少女:うん、初めてだよ 男:そうだよな 0: 男:(M)こいつは「隠し子」なんだもんな 0: 男:な、なぁ、帰る前に海でも見ないか…? 少女:海? 男:綺麗だぞ…? 少女:… 0: 少女:うん見たい! 0: 0: 0: 男:(M)綺麗なコバルトブルーの海 男:(M)ここは底が深くて有名な、通称「ブラックホールの海」 男:(M)綺麗な景色とは裏腹に、毎年多数の自殺者が出るという恐ろしい場所 男:(M)依頼通り、俺たちは見晴らし台にきて 0:深呼吸 男:(M)手がふるえてきた… 少女:綺麗だね! 男:(M)簡単な仕事 男:(M)あとはただこいつの背中を押すだけ 男:(M)こいつの背中を押すだけ 男:(M)背中を押すだけ 少女:お父さん? 男:…っ! 少女:綺麗な海だね 男:…ああ、そうだな 0: 0: 少女:どうしてお父さん、ふるえてるの? 男:え… 少女:さっきからずっとふるえてる 男:あまりに綺麗だから気持ちが高ぶってるんだよ 少女:じゃあどうして怖い顔してるの? 男:それは… 男:…綺麗な景色を見ると、真剣になるもんだよ 少女:じゃあどうして… 0: 少女:泣いてるの? 男:え? 少女:お父さん、泣いてるよ 男:そんなはずはっ 少女:優しいんだね 0: 少女:やっぱり私には無理です 少女:ごめんなさい 0: 父:(「何をもたついてんだあいつは」) 父:(「…もういい」) 父:(「殺せ」) 0: 少女:もうこれ以上、お父さんの思い通りにはさせない 0: 0:少女は男へ向き直ると、笑ってみせ、 0: 少女:親の言うことが聞けないなんて 少女:悪い子だね、私 0: 男:(M)…ん、なんだ?? 男:(少女は俺を庇うように手を広げ) 男:(そして) 0: 0:(銃声) 0: 少女:…っ! 0: 男:(その場に倒れる少女) 0: 男:え 0: 男:(何が起こったのか、すぐには理解できなかった) 0: 少女:…ハートの風船、しぼんじゃったね。。。(笑) 0: 男:お、おい!おい!しっかりしろ! 0: 0:(銃声) 0: 男:…っ! 男:ひとまず隠れないと…! 0: 0:男は少女を抱え、近くの倉庫に逃げ込む 0: 0: 男:おい、大丈夫か…! 少女:…う、うん 男:お前に事情を説明しろっつってもな、 男:いや、俺も狙われてたってことか 0: 男:…そりゃそうだよな 0: 少女:ごめんなさい 0: 男:どうしてお前が謝る 0: 少女:…優しくしてくれたから 男:は? 少女:だから、いっぱい甘えちゃいました。騙していてごめんなさい 男:知ってたんだな 少女:嬉しかった。例えそれが目的のための優しさだとしても 少女:そんなの関係ないくらい、覚悟が揺らいじゃうくらい、今日は楽しかった 0: 少女:だからもういいんだって、諦めてたのに。 男:もう喋るな!! 0: 男:(M)こいつは自分が殺されるとわかっていてそれで、楽しんでいたんだ。最後の日を 0: 男:(M)実の親から命を狙われるなんて 男:(M)そんな小さな体でなんてもん抱えてやがんだ 0: 男:(M)自分のことしか考えてない俺よりもこいつは、ずっとずっと強くて逞しい 0: 男:お前、強ぇよ 0: 男:けどなぁ、 少女:…? 男:てめぇは、 男:まだ子供だろうが! 男:自己犠牲でかっこつけたつもりか!? 男:ガキが大人ぶってんじゃねぇよ!!! 0: 少女:え、え…? 男:子供なら子供らしくしてろっつってんだよ! 0: 男:つらくて苦しくて逃げたくて自分じゃどうにもならない時は、心の底から泣いて、わめいて、子供らしく周りに迷惑をかけろ!かけまくれ! 男:そんで、もっと大人を頼れよ!!! 0: 少女:(M)あ、仮面が… 0: 男:それが無理なら、俺を頼ればいい! 0: 少女:…お父さん 少女:そんな顔してたんだね 男:おい、人が説教してる時に… 少女:フフ、冴えない顔 男:うるせぇ 少女:優しいんだね 0: 少女:そんなんじゃ全然ダメだよ。殺し屋失格 0: 0:少女は隠し持っていた拳銃を放り投げる 0: 男:それはお互い様だ 0: 0:少女の目に涙が光る 0: 男:…悪ぃ。言いすぎたか? 少女:違う、嬉しいの。今までそんなこと言ってくれる人、いなかったから 男:…そうか。 0: 0: 少女:頼ってもいいのかな 0: 男:ん…? 0: 少女:お父さんのこと、頼ってもいいかな…? 0: 男:…ああ 男:(M)昨日まではただ自分が生きることに精一杯で 男:(M)必死で、必死で、必死で 男:(M)周りも見えない、自己中だった俺が「誰かの為に」、なんて 0: 男:(M)冷静に考えて、こんなトンデモ状況、どうにかなるなんて思えねぇ。怖い、死にたくない、逃げだしたい…そのはずなのに 男:(M)何でだろう。今なら何だってできる気がする 0: 男:(M)きっと、守りたいやつができたからだ 0: 少女:助けて…!お父さん…!! 0: 男:…よく言えたな 0: 男:よし 男:父さんに任せろ! 0: 0: 0: 男:こんな仮面なくたって…! 0: 男:(M)俺は、思いっきり深呼吸をした後、勢いよく倉庫を飛び出していった 0: 男:俺が絶対に守ってやるからな…!

少女:どうしてお父さんの耳は大きいの? 男:それは、お前の言うことがよく聞こえるようにね 少女:じゃあどうしておめめも大きいの? 男:お前のことをよく見るためだよ 少女:じゃあどうして手もこんなに… 男:お前の手をしっかり掴めるようにね 少女:嬉しい 0: 少女:あら、お父さんの顔、なんだか… 男:…っ!? 男:父さんの顔、変か…?いつもと違って見えるんだとしたら、お忍びで来てるからだよ…変装もしてるし…な? 0: 少女:そう 男:(M)もしかして、バレ…てる? 男:(M)大丈夫だよな…!? 0: 0: 0: 博士:ほれ、こいつじゃ 男:仮面… 博士:これはアメシストでできた仮面。被るとどんな顔にもなれるんじゃ 博士:お前さんは背丈も肉付きも似ているから、まぁバレることはないじゃろう 男:これを被ってターゲットに近づく、と 博士:初めてにしてはなかなか癖のある依頼じゃが、しっかり任務を果たすんじゃぞ 男:はい。でも本当に大丈夫なんですか?こんなんで 博士:心配ご無用。わしの発明品は実績アリアリじゃ 男:そうですか 博士:わしも気が抜けんからのぉ。なんせ依頼人はあの…(電話がなる) 博士:もしもし。…はい!今仮面を渡しましたですじゃ!えぇえぇ、やる気も気合もバッチリですぞ!はいはい、依頼料の件ですな?…おお、そんなに… 男:… 0: 男:(M)俺は多額の借金を返済するため「殺し」の依頼を受けた 男:(M)依頼人は某有名政治家 男:(M)最近メディアでも活躍中の人気者だ 男:(M)そんな彼には隠し子がいる。人気者の彼にとってその子の存在が唯一の脅威 男:(M)情報が公になる前に殺せと 男:(M)そういう依頼だ 0: 0: 男:俺には関係ねぇ 少女:ん? 男:ああいや… 少女:変なお父さんっ 男:… 少女:あ!みてみて!くまさーーん! 0:遊園地 0:風船を配る着ぐるみのクマを指差して少女が言う 男:ほんとだ、かわいいな! 少女:ちょっと行ってくる! 男:おう 男:(M)政治家の娘か 男:(M)こうやって見ると、ただの幼いガキだな 男:ふぅ 男:(M)しっかりしろ 男:(M)やらなければ俺の命が、もう後にはひけないんだ 0: 少女:はいっ! 男:ん? 少女:お父さんの分! 男:ハートの風船 少女:ピンク! 男:ちょっと可愛すぎないか…? 少女:見てくればかり気にしてんじゃないのよ 男:え 少女:風船、嬉しいでしょ?? 男:あ、ああ 少女:そういう時は「ありがとう」って言うのっ! 男:あ、ありがとう 少女:えへへ、どういたしまして! 0:少女が笑う 男:(M)ひっそり暮らしているとの前情報から大人しい女の子をイメージしていたのだが、思っていたよりも数倍明るい子で、俺は拍子抜けをくらっている 0: 男:(M)ずっと楽しそうだな、こいつ 0: 少女:飛行機が飛んでるっ! 男:いや飛ぶだろ、それくらい 少女:こんな近いところで!? 0: 男:大人1人と子供1人で 少女:子供2人でーーす! 男:違いまーーす 少女:違いませーーん! 男:大人しくしてなさいっ! 少女:子供だから無理でーーす! 男:やれやれ 0: 少女:メリーランドゴーーー! 男:それを言うならメリーゴーランド! 0: 少女:ヤッホーーーーー! 男:観覧車の中で叫ぶなって 少女:だって頂上だよ!? 男:それ外でやるもんだから 少女:はーーーーーい! 男:んも、だからっ! 0: 男:(M)何だかもう、すっかりこいつのペースだ 0: 少女:ああ楽しかった! 男:そうだな 少女:お父さんも楽しかった? 男:ああ。でもちょっと疲れたかな 少女:正直者だねぇ 少女:今日はありがとう。初めてお父さんと遊べて嬉しかった 男:初めて… 少女:うん、初めてだよ 男:そうだよな 0: 男:(M)こいつは「隠し子」なんだもんな 0: 男:な、なぁ、帰る前に海でも見ないか…? 少女:海? 男:綺麗だぞ…? 少女:… 0: 少女:うん見たい! 0: 0: 0: 男:(M)綺麗なコバルトブルーの海 男:(M)ここは底が深くて有名な、通称「ブラックホールの海」 男:(M)綺麗な景色とは裏腹に、毎年多数の自殺者が出るという恐ろしい場所 男:(M)依頼通り、俺たちは見晴らし台にきて 0:深呼吸 男:(M)手がふるえてきた… 少女:綺麗だね! 男:(M)簡単な仕事 男:(M)あとはただこいつの背中を押すだけ 男:(M)こいつの背中を押すだけ 男:(M)背中を押すだけ 少女:お父さん? 男:…っ! 少女:綺麗な海だね 男:…ああ、そうだな 0: 0: 少女:どうしてお父さん、ふるえてるの? 男:え… 少女:さっきからずっとふるえてる 男:あまりに綺麗だから気持ちが高ぶってるんだよ 少女:じゃあどうして怖い顔してるの? 男:それは… 男:…綺麗な景色を見ると、真剣になるもんだよ 少女:じゃあどうして… 0: 少女:泣いてるの? 男:え? 少女:お父さん、泣いてるよ 男:そんなはずはっ 少女:優しいんだね 0: 少女:やっぱり私には無理です 少女:ごめんなさい 0: 父:(「何をもたついてんだあいつは」) 父:(「…もういい」) 父:(「殺せ」) 0: 少女:もうこれ以上、お父さんの思い通りにはさせない 0: 0:少女は男へ向き直ると、笑ってみせ、 0: 少女:親の言うことが聞けないなんて 少女:悪い子だね、私 0: 男:(M)…ん、なんだ?? 男:(少女は俺を庇うように手を広げ) 男:(そして) 0: 0:(銃声) 0: 少女:…っ! 0: 男:(その場に倒れる少女) 0: 男:え 0: 男:(何が起こったのか、すぐには理解できなかった) 0: 少女:…ハートの風船、しぼんじゃったね。。。(笑) 0: 男:お、おい!おい!しっかりしろ! 0: 0:(銃声) 0: 男:…っ! 男:ひとまず隠れないと…! 0: 0:男は少女を抱え、近くの倉庫に逃げ込む 0: 0: 男:おい、大丈夫か…! 少女:…う、うん 男:お前に事情を説明しろっつってもな、 男:いや、俺も狙われてたってことか 0: 男:…そりゃそうだよな 0: 少女:ごめんなさい 0: 男:どうしてお前が謝る 0: 少女:…優しくしてくれたから 男:は? 少女:だから、いっぱい甘えちゃいました。騙していてごめんなさい 男:知ってたんだな 少女:嬉しかった。例えそれが目的のための優しさだとしても 少女:そんなの関係ないくらい、覚悟が揺らいじゃうくらい、今日は楽しかった 0: 少女:だからもういいんだって、諦めてたのに。 男:もう喋るな!! 0: 男:(M)こいつは自分が殺されるとわかっていてそれで、楽しんでいたんだ。最後の日を 0: 男:(M)実の親から命を狙われるなんて 男:(M)そんな小さな体でなんてもん抱えてやがんだ 0: 男:(M)自分のことしか考えてない俺よりもこいつは、ずっとずっと強くて逞しい 0: 男:お前、強ぇよ 0: 男:けどなぁ、 少女:…? 男:てめぇは、 男:まだ子供だろうが! 男:自己犠牲でかっこつけたつもりか!? 男:ガキが大人ぶってんじゃねぇよ!!! 0: 少女:え、え…? 男:子供なら子供らしくしてろっつってんだよ! 0: 男:つらくて苦しくて逃げたくて自分じゃどうにもならない時は、心の底から泣いて、わめいて、子供らしく周りに迷惑をかけろ!かけまくれ! 男:そんで、もっと大人を頼れよ!!! 0: 少女:(M)あ、仮面が… 0: 男:それが無理なら、俺を頼ればいい! 0: 少女:…お父さん 少女:そんな顔してたんだね 男:おい、人が説教してる時に… 少女:フフ、冴えない顔 男:うるせぇ 少女:優しいんだね 0: 少女:そんなんじゃ全然ダメだよ。殺し屋失格 0: 0:少女は隠し持っていた拳銃を放り投げる 0: 男:それはお互い様だ 0: 0:少女の目に涙が光る 0: 男:…悪ぃ。言いすぎたか? 少女:違う、嬉しいの。今までそんなこと言ってくれる人、いなかったから 男:…そうか。 0: 0: 少女:頼ってもいいのかな 0: 男:ん…? 0: 少女:お父さんのこと、頼ってもいいかな…? 0: 男:…ああ 男:(M)昨日まではただ自分が生きることに精一杯で 男:(M)必死で、必死で、必死で 男:(M)周りも見えない、自己中だった俺が「誰かの為に」、なんて 0: 男:(M)冷静に考えて、こんなトンデモ状況、どうにかなるなんて思えねぇ。怖い、死にたくない、逃げだしたい…そのはずなのに 男:(M)何でだろう。今なら何だってできる気がする 0: 男:(M)きっと、守りたいやつができたからだ 0: 少女:助けて…!お父さん…!! 0: 男:…よく言えたな 0: 男:よし 男:父さんに任せろ! 0: 0: 0: 男:こんな仮面なくたって…! 0: 男:(M)俺は、思いっきり深呼吸をした後、勢いよく倉庫を飛び出していった 0: 男:俺が絶対に守ってやるからな…!