台本概要

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タイトル 影響を受けやすい、二人~青春アニメver.
作者名 砂糖シロ  (@siro0satou)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 とある影響を受けやすい男女の日常の一コマです。今回は某青春ラブストーリーアニメに影響を受けた慎一と彩夏が隣町の夏祭りでわちゃわちゃ(笑)と楽しむシーンとなっています。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
慎一 107 (しんいち) 彩夏の夫。 流されやすい。
彩夏 109 (あやか) 慎一の妻。 結構したたかで、慎一を上手に掌で転がしている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:影響を受けやすい、二人~青春アニメver. : : : 0:舞台は夏祭り会場、先に待っている彩夏に小走りで駆け寄る慎一 : : 0:【ここから青春アニメ風に、出来る限り彩夏は清純ぶって、慎一は爽やかに】 : 慎一:…はぁっ、はぁっ、はぁっ!…っ、はぁーーーー。 慎一:ごめんっ、待った? 彩夏:あっ、慎一君っ。 慎一:(吹き出す)ぶっ!! 彩夏:(恥ずかしがりながら)…全然待ってないよ、私も今…来たとこ。 慎一:(N)しん、いち…くんっ…しょっぱから『君』呼びか……(笑) 彩夏:…慎一君? 慎一:ふっ…ふふっ…まって…ちょっと…(笑) 彩夏:……どうしたの? 慎一:(笑い堪えながら)ご、ごめ……なんでもない。 彩夏:…?変な慎一君。 彩夏:汗、すごいね。はい、ハンカチ。 慎一:あっ、…ありがと。 彩夏:(照れながら)ううん。 0:甘酸っぱい空気を醸し出す二人 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:…えっと……い、行こっか。 彩夏:あっ、うん。 0:微妙な距離で歩く二人 慎一:………。 彩夏:……あの…。 慎一:えっ、何? 彩夏:あ、う、ううん…。 慎一:そ、そっか。 彩夏:…うん。 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:あ、あのさっ。 彩夏:え、…何? 慎一:あ………浴衣。 彩夏:え? 慎一:その……っ。 慎一:…浴衣、…着てきたん、だ? 彩夏:あっ…うん。…えへへっ、やっぱり似合わ、ない、よね…。 慎一:そんなことないっ!……よ。 彩夏:えっ…。 慎一:あ…。 彩夏:…慎一君? 慎一:(笑いを堪える)ふっ……。に、似合ってるよ。彩夏、ちゃん。 彩夏:(吹き出す)ふぐっ…。 慎一:(肩を震わせて笑いを堪える)…………。 彩夏:(深呼吸)……ありがとう、うれしい。 慎一:…あっ、あそこ!金魚すくいやってる。 彩夏:あー、ほんとだぁ! 慎一:…行ってみる? 彩夏:うんっ! 0:金魚すくいの前にしゃがみこむ二人 彩夏:うわぁ!かわいいねっ! 慎一:(小声で)…お前のほうが、かわいいよ。 彩夏:(吹き出す)ぶっ!! 彩夏:(笑いを堪える)ぐっ………くっくっく(笑)。 慎一:(笑いを我慢しながら)お、おじさん!これ、二人分! 彩夏:え、わ、私も? 慎一:おうっ!勝負しようぜっ! 彩夏:しょう、ぶ? 慎一:どっちが多くすくえるか!んで、負けたほうが勝ったほうのいう事をきく! 彩夏:え、えぇっ?そんなぁ…私、自信ない。 慎一:だいじょーぶ、だいじょーぶ!ほらっ、いくぞっ! 彩夏:あ、ちょっと、待ってぇ! 0:【ここから少年の様な慎一と、ハンターの様な彩夏で】 慎一:おっ、あっ、…ほっ!!……あー、逃げられた…。 彩夏:………えいっ! 0:余裕で一匹目をすくい上げる彩夏 慎一:お!上手いじゃん♪ 彩夏:(清純風に)えへへー。やったぁー。 慎一:よーっし、俺も負けないぞ! 慎一:あ、このでっかいのに決めた!…そーっと、そーっと…。 慎一:っ!あー!まーた逃げられたー! 彩夏:………そいっ! 0:静かに二匹目をすくい上げる彩夏。 慎一:お、おおっ!すごいな!二連続かよっ。 彩夏:(可愛く喜ぶ)わぁーいっ。 慎一:…俺だって! 慎一:………ここだっ! 慎一:だぁーっ!くそっ! 彩夏:………そらっ! 0:静かに三匹目をすくい上げる彩夏、徐々に自信喪失していく慎一 慎一:(素で)う、そ…だろ……三連チャン…? 彩夏:(はにかみながら)てへへ、まぐれだよぉっ。 慎一:くっ! 0:腕まくりをして真剣な顔になる慎一 慎一:………っ!だりゃーーー! 慎一:……あーーもーーっ!なんでそこで逃げんだよぉっ!! 彩夏:(溜めて)……………よいしょっ!! 0:静かに二匹同時にすくい上げる彩夏。 慎一:(驚愕)……まじかよ。同時に二匹って…。しかも一枚もポイ破けてない…だと。 彩夏:わぁーいっ、やったぁー♪ 0:沸き起こる拍手 彩夏:えっ、えっ、拍手!? 彩夏:わわっ!めっちゃ人集まってるっ。どどど、どうしよう慎一くぅん…。 0:自信喪失している慎一 0:【慎一はここから暫く無感情で演じてください】 慎一:………。 彩夏:し、慎一君! 慎一:あー…うん。 彩夏:(素で)ーーーっ、慎一っ、行くよっ、ほら!歩いてっ! 0:嬉しそうに金魚の入った袋をぶら下げている彩夏と無言で歩く慎一 彩夏:(鼻歌)~♪ 慎一:……あの…すごいね。 彩夏:えっ?何が? 慎一:…金魚すくい。 彩夏:あ、あー、たまたまだよぉ(笑)。 慎一:……え、もしかしてプロ、なの? 彩夏:ぷ、ぷろ!?プロって、何の? 慎一:…金魚すくいの。 彩夏:(吹き出す)ぶっ! 彩夏:(小声で)金魚すくいのプロって何っ!! 慎一:………。 彩夏:え、えぇー?ち、違うよぉ? 慎一:…だってさ、なんか、やばかったもん。目つきとか、動きとか…ポイの扱いとか。 彩夏:えぇ?そ、そうかなぁー? 慎一:…なんか、もう…獲物狙う目してたし、手首のスナップとかも… 彩夏:(被せて)やだぁ、そんなことないって!あははははー。 彩夏:あっ!ねぇねぇ、慎一君!あっちでたこ焼き売ってるよ!行ってみよっ! 0:彩夏に引っ張られながら手首のスナップの練習をする慎一 0:【ここから慎一も爽やか演技で】 慎一:(真剣に素振りをする)…っ!…っ! 慎一:…いや、手首の動きはもっと、こうかっ!? 彩夏:ね、ねぇ、慎一君。そろそろそれやめよ?さっきからたこ焼き屋のおじさんがすごい見てる…。 0:道端に落ちていたバナナの皮を踏んで転びそうになる彩夏 彩夏:きゃぁっ!! 慎一:っ!!危ないっ! 0:咄嗟に抱きかかえる慎一 彩夏:…っ。 慎一:…っぶねー。あ、大丈夫だった? 彩夏:う、うん。 慎一:誰だよ、こんなとこにバナナの皮捨てたやつ…。ってか夏祭りで普通のバナナ食うか? 0:『ゴリラかよ』とか、『昭和のコントか!』とか、『ゴミはゴミ箱に捨てろよ』とかブツブツ呟く慎一 彩夏:…あ、ありがと…。 慎一:いや…ケガ、してない? 彩夏:うん、大丈夫、みたい。 慎一:なら良かった。 0:彩夏に手を差し出す慎一 0:【ココからやや間を溜め気味で】 慎一:………ん。 彩夏:…えっ? 慎一:……手。また転んだら、危ないから…。 彩夏:あ……うん。 0:手を繋ぐ二人 慎一:(恥ずかしそうに)………。 彩夏:(恥ずかしそうに)………。 0:甘酸っぱい空気 慎一:…そろそろ、花火…打ちあがる時間だな。 彩夏:…うん…そうだね。 慎一:……あっち。 彩夏:え…? 慎一:…多分座れるとこ、あるから。 彩夏:………うん。 0:人でごった返した広場の植木の柵に腰掛ける二人 慎一:(小声で)いやまじかよ、人多すぎだろ…。 彩夏:………。 0:ひゅるると花火が打ちあがる音 彩夏:あっ、始まった。 慎一:あっ…。 彩夏:……わぁ、綺麗…。 慎一:……あぁ、すごいな。 0:【ココから慎一は素で、彩夏はなりきり】 慎一:(M)…ん?んっ!?……あれ、隣の山田さん家じゃね? 彩夏:わぁっ、見てみて慎一君!おっきーい! 慎一:(M)げぇえっ!?あっちにいるの同じ部署の田中か!? 彩夏:すごーーい!連続花火ー! 慎一:(M)おいおいおい、まじかよ(涙目)向こうでバナナ食ってんの俺の親父じゃねぇか!! 彩夏:綺麗だねー…。 慎一:お、おん…。 慎一:(M)ねーーー、もー、まじで勘弁しろよぉ、折角電車1時間も乗り継いで知り合いいなさそうな地方の夏祭り来たってのに…。 彩夏:…また、来年も見に来れるといいなぁ。 慎一:おん…。 慎一:(M)良い歳こいて嫁と青春ごっこしてるとこなんて見られたら、一巻の終わりだぞっ!? 彩夏:慎一君…。 慎一:…お、おお? 慎一:(M)うげっ!!田中と目が合った!!やべぇ、こっち来る! 0:焦る慎一と気づかず続ける彩夏 0:【ここから彩夏はヒロイン風に、慎一は素で激しく焦りながら】 慎一:あ、彩夏!! 彩夏:(照れたように)っそ、そんな…急に呼び捨てだなんて…。でも、なんだか、嫌じゃない……(トゥンク)。 彩夏:なぁに、慎一君。 慎一:(小声)…終わりだ。 彩夏:(驚いて)…えっ?お、終わりって、急になんで…? 慎一:(小声)終わりだって!…やめろ! 彩夏:(悲しそうに)え、私何かした?…もしかして、金魚捕りすぎたから? 慎一:(小声)やめろっ、良いから黙って! 彩夏:(涙声で)…ごめん、私が何かしたなら謝るから…。 慎一:(小声)彩夏っ!!やめてくれっ! 彩夏:終わりなんて言わないで…! 慎一:(小声)あやかぁ~~~~~~っ!!!! 彩夏:(大声で)お願い!嫌いにならないでっ!!! 慎一:あ”ーーーーーーーーッ!!! 0:彩夏が叫んだと同時に二人の目の前に立つ同僚田中 0:【ここからは二人とも素で】 慎一:(絶句)……。 彩夏:……え?…あっ、……えっ? 慎一:……かいしゃの、どうりょう…。 彩夏:え”っ!?……えっと、慎一の同僚の……あ…田中、さん。 0:彩夏に自己紹介をする同僚田中 彩夏:あー、いえいえー、いつもうちの主人がお世話にナッテマスゥ…(笑)。 彩夏:……えっ?あぁ、いやいや、喧嘩してたとかじゃないですよ、あはは…。 慎一:えっ!?…あー、うん。……いや、俺らは今から帰るとこだから、な? 彩夏:(愛想笑いしながら)あ、はいっ、そうなんですー。 慎一:うん、…うん、…じゃあ、また、明後日…。 彩夏:ドウモー、失礼シマァース、あはは…は、はは…は。 0:気まずい沈黙 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:…ッスゥー……とりま、帰るか。 彩夏:…だね。 : : 0:自宅に帰り着いた慎一と彩夏 彩夏:はぁあああーーー、ただいまぁああ…。 慎一:やーべぇ、まぁーじで疲れた。 彩夏:ねー。まさか慎一の同僚に出くわすとか、ミラクル過ぎるでしょ。 慎一:あー、そうね。あ、いや、実をいうと…あの場に隣の山田さん一家と、俺の親父も…居た。うん。 彩夏:!?嘘でしょ!?ちょっと早く言ってよおおお! 彩夏:…ねぇ、まさかとは思うけど、見られてないよね? 慎一:どうかな…まぁ多分。 彩夏:えぇぇぇぇ…。 慎一:んー、少なくても田中と別れる前までは気づいてる様子は無かった…と思う。 彩夏:もぉーーー、やめてよぉぉぉぉ。何のためにわざわざ電車乗り継いであんな遠くの夏祭りに行ったと思ってんのよお。 慎一:それなー。 彩夏:はぁーーーー。 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:ぷっ…。 彩夏:……ふふっ。 0:同時に笑い出す二人 慎一:あははははははは! 彩夏:あははははははは! 彩夏:やっば!今日は超きつかったー!!過去一かもしんない。(笑) 慎一:あはははは!わかる!つかしょっぱなから「慎一君」はやばいって!!!結婚前ですらそんな呼び方したことねぇのに! 彩夏:(爆笑) 慎一:俺さぁ、ぶっちゃけ、あん時がいっっちばんやばかった(笑)! 彩夏:(過呼吸)それ言うなら慎一だってさ!!何よあの「お前の方が、かわいいよ」ってぇええ!! 彩夏:思わず金魚の水にダイブするとこだったじゃない! 慎一:いや、言うだろ!?だって、キュン☆スタの四話で悠斗が香織に言ってたじゃんか! 彩夏:まぁ、確かに言ってたけどさー、お店の人の前であれはズルいよー。 慎一:(爆笑)あーーー、だめだ、マジで腹痛ぇ…。 彩夏:お腹いたいねぇー。 慎一:ってゆーかさ、彩夏があんな金魚すくい上手いとか、俺聞いてないんだけどー。 彩夏:あー、あれねー。 彩夏:昔、近所のペットショップに金魚すくいがあってさ、毎日やりまくってたんだー(笑)。 慎一:えーーーなんだよそれーー。知ってたら勝負とか言わなかったのにー! 彩夏:でも勝負は勝負でしょ!うふふー、何きいてもらおっかなー♪ 慎一:くっそぉーーー!ずりぃぃいいい! 彩夏:ってか、やっぱリアルでキュン☆スタを再現するのはちょっと無理があったねー(笑)。 慎一:それな。 彩夏:あーあ、ビール飲みたぁい。あと、超お腹減った。 慎一:俺も。 彩夏:取りあえず私、ちょっとシャワー浴びて浴衣着替えてくる。 慎一:おけ。じゃあキュン☆スタの続き見ながら飲むか。 慎一:俺ちょっと出前見繕っとくわ。 彩夏:サンキュー。 0:チャイムが鳴る、顔を見合わせる二人 彩夏:…え?こんな時間に、誰だろ。 慎一:…さあ?ちょっと俺出てくる。 彩夏:うん…。 0:しばらくして戻ってくる慎一 慎一:………。 彩夏:誰だったー?って、何その袋。 慎一:……山田さん。 彩夏:えっ!? 慎一:…夏祭りで買いすぎたからって。 彩夏:……。 慎一:ちょこちょこ見かけたけど何か食べてる様子無かったし、早々と帰っていったから、お裾分けだって…。 彩夏:……見られてるじゃん。それもう完全に見られてるじゃん。下手したら割と序盤から……(震える)。 慎一:………。 彩夏:……因みにそれ持ってきたのって、奥さん?旦那さん? 慎一:…奥さん。 彩夏:積んだ。あーーーー積んだわ。 慎一:なんで。 彩夏:山田さんちの奥さん、噂好きで有名なの。 慎一:くっ…マジか…。 彩夏:………。 慎一:………。 彩夏:…とりあえずさ、今度から、外でこのゲームすんのは辞めよ。 慎一:……だな。

0:影響を受けやすい、二人~青春アニメver. : : : 0:舞台は夏祭り会場、先に待っている彩夏に小走りで駆け寄る慎一 : : 0:【ここから青春アニメ風に、出来る限り彩夏は清純ぶって、慎一は爽やかに】 : 慎一:…はぁっ、はぁっ、はぁっ!…っ、はぁーーーー。 慎一:ごめんっ、待った? 彩夏:あっ、慎一君っ。 慎一:(吹き出す)ぶっ!! 彩夏:(恥ずかしがりながら)…全然待ってないよ、私も今…来たとこ。 慎一:(N)しん、いち…くんっ…しょっぱから『君』呼びか……(笑) 彩夏:…慎一君? 慎一:ふっ…ふふっ…まって…ちょっと…(笑) 彩夏:……どうしたの? 慎一:(笑い堪えながら)ご、ごめ……なんでもない。 彩夏:…?変な慎一君。 彩夏:汗、すごいね。はい、ハンカチ。 慎一:あっ、…ありがと。 彩夏:(照れながら)ううん。 0:甘酸っぱい空気を醸し出す二人 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:…えっと……い、行こっか。 彩夏:あっ、うん。 0:微妙な距離で歩く二人 慎一:………。 彩夏:……あの…。 慎一:えっ、何? 彩夏:あ、う、ううん…。 慎一:そ、そっか。 彩夏:…うん。 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:あ、あのさっ。 彩夏:え、…何? 慎一:あ………浴衣。 彩夏:え? 慎一:その……っ。 慎一:…浴衣、…着てきたん、だ? 彩夏:あっ…うん。…えへへっ、やっぱり似合わ、ない、よね…。 慎一:そんなことないっ!……よ。 彩夏:えっ…。 慎一:あ…。 彩夏:…慎一君? 慎一:(笑いを堪える)ふっ……。に、似合ってるよ。彩夏、ちゃん。 彩夏:(吹き出す)ふぐっ…。 慎一:(肩を震わせて笑いを堪える)…………。 彩夏:(深呼吸)……ありがとう、うれしい。 慎一:…あっ、あそこ!金魚すくいやってる。 彩夏:あー、ほんとだぁ! 慎一:…行ってみる? 彩夏:うんっ! 0:金魚すくいの前にしゃがみこむ二人 彩夏:うわぁ!かわいいねっ! 慎一:(小声で)…お前のほうが、かわいいよ。 彩夏:(吹き出す)ぶっ!! 彩夏:(笑いを堪える)ぐっ………くっくっく(笑)。 慎一:(笑いを我慢しながら)お、おじさん!これ、二人分! 彩夏:え、わ、私も? 慎一:おうっ!勝負しようぜっ! 彩夏:しょう、ぶ? 慎一:どっちが多くすくえるか!んで、負けたほうが勝ったほうのいう事をきく! 彩夏:え、えぇっ?そんなぁ…私、自信ない。 慎一:だいじょーぶ、だいじょーぶ!ほらっ、いくぞっ! 彩夏:あ、ちょっと、待ってぇ! 0:【ここから少年の様な慎一と、ハンターの様な彩夏で】 慎一:おっ、あっ、…ほっ!!……あー、逃げられた…。 彩夏:………えいっ! 0:余裕で一匹目をすくい上げる彩夏 慎一:お!上手いじゃん♪ 彩夏:(清純風に)えへへー。やったぁー。 慎一:よーっし、俺も負けないぞ! 慎一:あ、このでっかいのに決めた!…そーっと、そーっと…。 慎一:っ!あー!まーた逃げられたー! 彩夏:………そいっ! 0:静かに二匹目をすくい上げる彩夏。 慎一:お、おおっ!すごいな!二連続かよっ。 彩夏:(可愛く喜ぶ)わぁーいっ。 慎一:…俺だって! 慎一:………ここだっ! 慎一:だぁーっ!くそっ! 彩夏:………そらっ! 0:静かに三匹目をすくい上げる彩夏、徐々に自信喪失していく慎一 慎一:(素で)う、そ…だろ……三連チャン…? 彩夏:(はにかみながら)てへへ、まぐれだよぉっ。 慎一:くっ! 0:腕まくりをして真剣な顔になる慎一 慎一:………っ!だりゃーーー! 慎一:……あーーもーーっ!なんでそこで逃げんだよぉっ!! 彩夏:(溜めて)……………よいしょっ!! 0:静かに二匹同時にすくい上げる彩夏。 慎一:(驚愕)……まじかよ。同時に二匹って…。しかも一枚もポイ破けてない…だと。 彩夏:わぁーいっ、やったぁー♪ 0:沸き起こる拍手 彩夏:えっ、えっ、拍手!? 彩夏:わわっ!めっちゃ人集まってるっ。どどど、どうしよう慎一くぅん…。 0:自信喪失している慎一 0:【慎一はここから暫く無感情で演じてください】 慎一:………。 彩夏:し、慎一君! 慎一:あー…うん。 彩夏:(素で)ーーーっ、慎一っ、行くよっ、ほら!歩いてっ! 0:嬉しそうに金魚の入った袋をぶら下げている彩夏と無言で歩く慎一 彩夏:(鼻歌)~♪ 慎一:……あの…すごいね。 彩夏:えっ?何が? 慎一:…金魚すくい。 彩夏:あ、あー、たまたまだよぉ(笑)。 慎一:……え、もしかしてプロ、なの? 彩夏:ぷ、ぷろ!?プロって、何の? 慎一:…金魚すくいの。 彩夏:(吹き出す)ぶっ! 彩夏:(小声で)金魚すくいのプロって何っ!! 慎一:………。 彩夏:え、えぇー?ち、違うよぉ? 慎一:…だってさ、なんか、やばかったもん。目つきとか、動きとか…ポイの扱いとか。 彩夏:えぇ?そ、そうかなぁー? 慎一:…なんか、もう…獲物狙う目してたし、手首のスナップとかも… 彩夏:(被せて)やだぁ、そんなことないって!あははははー。 彩夏:あっ!ねぇねぇ、慎一君!あっちでたこ焼き売ってるよ!行ってみよっ! 0:彩夏に引っ張られながら手首のスナップの練習をする慎一 0:【ここから慎一も爽やか演技で】 慎一:(真剣に素振りをする)…っ!…っ! 慎一:…いや、手首の動きはもっと、こうかっ!? 彩夏:ね、ねぇ、慎一君。そろそろそれやめよ?さっきからたこ焼き屋のおじさんがすごい見てる…。 0:道端に落ちていたバナナの皮を踏んで転びそうになる彩夏 彩夏:きゃぁっ!! 慎一:っ!!危ないっ! 0:咄嗟に抱きかかえる慎一 彩夏:…っ。 慎一:…っぶねー。あ、大丈夫だった? 彩夏:う、うん。 慎一:誰だよ、こんなとこにバナナの皮捨てたやつ…。ってか夏祭りで普通のバナナ食うか? 0:『ゴリラかよ』とか、『昭和のコントか!』とか、『ゴミはゴミ箱に捨てろよ』とかブツブツ呟く慎一 彩夏:…あ、ありがと…。 慎一:いや…ケガ、してない? 彩夏:うん、大丈夫、みたい。 慎一:なら良かった。 0:彩夏に手を差し出す慎一 0:【ココからやや間を溜め気味で】 慎一:………ん。 彩夏:…えっ? 慎一:……手。また転んだら、危ないから…。 彩夏:あ……うん。 0:手を繋ぐ二人 慎一:(恥ずかしそうに)………。 彩夏:(恥ずかしそうに)………。 0:甘酸っぱい空気 慎一:…そろそろ、花火…打ちあがる時間だな。 彩夏:…うん…そうだね。 慎一:……あっち。 彩夏:え…? 慎一:…多分座れるとこ、あるから。 彩夏:………うん。 0:人でごった返した広場の植木の柵に腰掛ける二人 慎一:(小声で)いやまじかよ、人多すぎだろ…。 彩夏:………。 0:ひゅるると花火が打ちあがる音 彩夏:あっ、始まった。 慎一:あっ…。 彩夏:……わぁ、綺麗…。 慎一:……あぁ、すごいな。 0:【ココから慎一は素で、彩夏はなりきり】 慎一:(M)…ん?んっ!?……あれ、隣の山田さん家じゃね? 彩夏:わぁっ、見てみて慎一君!おっきーい! 慎一:(M)げぇえっ!?あっちにいるの同じ部署の田中か!? 彩夏:すごーーい!連続花火ー! 慎一:(M)おいおいおい、まじかよ(涙目)向こうでバナナ食ってんの俺の親父じゃねぇか!! 彩夏:綺麗だねー…。 慎一:お、おん…。 慎一:(M)ねーーー、もー、まじで勘弁しろよぉ、折角電車1時間も乗り継いで知り合いいなさそうな地方の夏祭り来たってのに…。 彩夏:…また、来年も見に来れるといいなぁ。 慎一:おん…。 慎一:(M)良い歳こいて嫁と青春ごっこしてるとこなんて見られたら、一巻の終わりだぞっ!? 彩夏:慎一君…。 慎一:…お、おお? 慎一:(M)うげっ!!田中と目が合った!!やべぇ、こっち来る! 0:焦る慎一と気づかず続ける彩夏 0:【ここから彩夏はヒロイン風に、慎一は素で激しく焦りながら】 慎一:あ、彩夏!! 彩夏:(照れたように)っそ、そんな…急に呼び捨てだなんて…。でも、なんだか、嫌じゃない……(トゥンク)。 彩夏:なぁに、慎一君。 慎一:(小声)…終わりだ。 彩夏:(驚いて)…えっ?お、終わりって、急になんで…? 慎一:(小声)終わりだって!…やめろ! 彩夏:(悲しそうに)え、私何かした?…もしかして、金魚捕りすぎたから? 慎一:(小声)やめろっ、良いから黙って! 彩夏:(涙声で)…ごめん、私が何かしたなら謝るから…。 慎一:(小声)彩夏っ!!やめてくれっ! 彩夏:終わりなんて言わないで…! 慎一:(小声)あやかぁ~~~~~~っ!!!! 彩夏:(大声で)お願い!嫌いにならないでっ!!! 慎一:あ”ーーーーーーーーッ!!! 0:彩夏が叫んだと同時に二人の目の前に立つ同僚田中 0:【ここからは二人とも素で】 慎一:(絶句)……。 彩夏:……え?…あっ、……えっ? 慎一:……かいしゃの、どうりょう…。 彩夏:え”っ!?……えっと、慎一の同僚の……あ…田中、さん。 0:彩夏に自己紹介をする同僚田中 彩夏:あー、いえいえー、いつもうちの主人がお世話にナッテマスゥ…(笑)。 彩夏:……えっ?あぁ、いやいや、喧嘩してたとかじゃないですよ、あはは…。 慎一:えっ!?…あー、うん。……いや、俺らは今から帰るとこだから、な? 彩夏:(愛想笑いしながら)あ、はいっ、そうなんですー。 慎一:うん、…うん、…じゃあ、また、明後日…。 彩夏:ドウモー、失礼シマァース、あはは…は、はは…は。 0:気まずい沈黙 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:…ッスゥー……とりま、帰るか。 彩夏:…だね。 : : 0:自宅に帰り着いた慎一と彩夏 彩夏:はぁあああーーー、ただいまぁああ…。 慎一:やーべぇ、まぁーじで疲れた。 彩夏:ねー。まさか慎一の同僚に出くわすとか、ミラクル過ぎるでしょ。 慎一:あー、そうね。あ、いや、実をいうと…あの場に隣の山田さん一家と、俺の親父も…居た。うん。 彩夏:!?嘘でしょ!?ちょっと早く言ってよおおお! 彩夏:…ねぇ、まさかとは思うけど、見られてないよね? 慎一:どうかな…まぁ多分。 彩夏:えぇぇぇぇ…。 慎一:んー、少なくても田中と別れる前までは気づいてる様子は無かった…と思う。 彩夏:もぉーーー、やめてよぉぉぉぉ。何のためにわざわざ電車乗り継いであんな遠くの夏祭りに行ったと思ってんのよお。 慎一:それなー。 彩夏:はぁーーーー。 慎一:………。 彩夏:………。 慎一:ぷっ…。 彩夏:……ふふっ。 0:同時に笑い出す二人 慎一:あははははははは! 彩夏:あははははははは! 彩夏:やっば!今日は超きつかったー!!過去一かもしんない。(笑) 慎一:あはははは!わかる!つかしょっぱなから「慎一君」はやばいって!!!結婚前ですらそんな呼び方したことねぇのに! 彩夏:(爆笑) 慎一:俺さぁ、ぶっちゃけ、あん時がいっっちばんやばかった(笑)! 彩夏:(過呼吸)それ言うなら慎一だってさ!!何よあの「お前の方が、かわいいよ」ってぇええ!! 彩夏:思わず金魚の水にダイブするとこだったじゃない! 慎一:いや、言うだろ!?だって、キュン☆スタの四話で悠斗が香織に言ってたじゃんか! 彩夏:まぁ、確かに言ってたけどさー、お店の人の前であれはズルいよー。 慎一:(爆笑)あーーー、だめだ、マジで腹痛ぇ…。 彩夏:お腹いたいねぇー。 慎一:ってゆーかさ、彩夏があんな金魚すくい上手いとか、俺聞いてないんだけどー。 彩夏:あー、あれねー。 彩夏:昔、近所のペットショップに金魚すくいがあってさ、毎日やりまくってたんだー(笑)。 慎一:えーーーなんだよそれーー。知ってたら勝負とか言わなかったのにー! 彩夏:でも勝負は勝負でしょ!うふふー、何きいてもらおっかなー♪ 慎一:くっそぉーーー!ずりぃぃいいい! 彩夏:ってか、やっぱリアルでキュン☆スタを再現するのはちょっと無理があったねー(笑)。 慎一:それな。 彩夏:あーあ、ビール飲みたぁい。あと、超お腹減った。 慎一:俺も。 彩夏:取りあえず私、ちょっとシャワー浴びて浴衣着替えてくる。 慎一:おけ。じゃあキュン☆スタの続き見ながら飲むか。 慎一:俺ちょっと出前見繕っとくわ。 彩夏:サンキュー。 0:チャイムが鳴る、顔を見合わせる二人 彩夏:…え?こんな時間に、誰だろ。 慎一:…さあ?ちょっと俺出てくる。 彩夏:うん…。 0:しばらくして戻ってくる慎一 慎一:………。 彩夏:誰だったー?って、何その袋。 慎一:……山田さん。 彩夏:えっ!? 慎一:…夏祭りで買いすぎたからって。 彩夏:……。 慎一:ちょこちょこ見かけたけど何か食べてる様子無かったし、早々と帰っていったから、お裾分けだって…。 彩夏:……見られてるじゃん。それもう完全に見られてるじゃん。下手したら割と序盤から……(震える)。 慎一:………。 彩夏:……因みにそれ持ってきたのって、奥さん?旦那さん? 慎一:…奥さん。 彩夏:積んだ。あーーーー積んだわ。 慎一:なんで。 彩夏:山田さんちの奥さん、噂好きで有名なの。 慎一:くっ…マジか…。 彩夏:………。 慎一:………。 彩夏:…とりあえずさ、今度から、外でこのゲームすんのは辞めよ。 慎一:……だな。