台本概要

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タイトル 影響を受けやすい、二人~モンファンVSアイマネver.
作者名 砂糖シロ  (@siro0satou)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 40 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 とある影響を受けやすい男女の日常の一コマです。今回はプライバシー問題に影響を受けた慎一と彩夏が娘の写真撮影について、討論とは名ばかりの攻防戦を繰り広げるシーンとなっています。

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商用目的の場合は必ずTwitter(@siro0satou)のDMにて作者の了承を得てください。
Skype・discord環境であればぜひ拝聴させて頂けると、今後もさらに意欲が増します!
音声ファイルなども大歓迎です!!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
慎一 153 (しんいち) 彩夏の夫。 流されやすい。
彩夏 152 (あやか) 慎一の妻。 結構したたかで、慎一を上手に掌で転がしている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:影響を受けやすい、二人~モンファンVSアイマネver. : : : 0:舞台は自宅のリビングにてカーテンの隙間から娘の写真を撮っている慎一と、買い物から帰宅する彩夏 : : 0:日常シーン 彩夏:ただいまー。 慎一:おかえりー。 : 彩夏:ふー、重かったぁ……あ、ねーねーちょっと聞いてよー。 慎一:んー? 彩夏:帰る時にね、丁度そこのスーパーでタイムセールしてて、お肉がめっちゃ安かったからつい買いすぎちゃったのー。だから今夜は肉祭りでいい…って、うわっ!! 彩夏:………え、何してんの? 慎一:何って、姫の写真撮ってる。 彩夏:………いや、…ん?え、なんでカーテンの隙間から…? 慎一:あー………。 彩夏:………。 慎一:あはははは。(カーテンから出てくる)…よいしょっと。 慎一:あたたたたた、あー肩こった。 彩夏:え、何?「肩こった」って…そんなに長いこと居たの!? 慎一:あーいや、別にそう言うわけじゃないんだけど…ずっと際どい姿勢だったからさ。(笑) 彩夏:ふーん、そう。(呆) : 彩夏:……で?何をどうすればそんな面白い事になるわけ。 彩夏:オムツ一丁の娘をカーテンの隙間に隠れて盗撮する父親なんて、日本中何処捜しても多分慎一くらいだよ? 慎一:いやーそれがさー、一緒にテレビ見てたんだけど急に飽きたのか姫が一人で遊び始めちゃって…。 彩夏:うん。 慎一:姫の一人遊びなんて初めて見たから「これは絶対写真に残さねば!」と思ってカメラ持ってきたまでは良かったんだけど。 彩夏:うん。 慎一:いざカメラ構えたら、俺の姿見つけるなりすぐ寄ってきちゃうから中々自然な写真が撮れなくてさ、試行錯誤してたらいつの間にかこうなってたってわけ。(笑) 彩夏:あー………なるほどね。(笑) 彩夏:にしても怪しすぎ!完全に不審者かと思ったし。 慎一:何でだよ。 彩夏:だってウチ帰ってきたらカーテンの隙間からカメラ構えた男が変な体勢で覗いてんのよ?そりゃ誰だってビビるよー。 慎一:あぁ、まぁそれはごめん。 彩夏:…何か、そこはかとなく隠し切れないストーカー感が滲み出てたし? 慎一:おい待て!それは聞き捨てならないぞ!? 彩夏:んー何だろ、「ストーカー臭」って言うか、溢れ出すストーカーみ? 慎一:娘の写真撮ってるだけでなんでストーカー臭出るんだよ! 彩夏:えーそれはやっぱ昔の名残じゃなーい? 慎一:え、待って。なんの話? 彩夏:だって昔、慎一レイナのストーカーしてたじゃ… 慎一:(被せ)いやそれ俺じゃないって言っただろ!…大体それ、俺らが大学ん時の話じゃねぇか。いつまで引っ張る気だよ、もー。 彩夏:ふふふ。 : 彩夏:…あ、でもまぁ、ウチの子撮るなら…ちゃんと「事務所」通してもらわないと。 慎一:は?ジムショ? 彩夏:そ。 慎一:…事務所って何の。 彩夏:モチロン、芸能事務所。 : : 0:ここからなりきりへ : 0:カーテンの隙間から息を荒くして姫を見ている慎一と、キッチンに待機している派手な眼鏡をかけた彩夏 慎一:ハァハァハァ…、相変わらず今日も究極に可愛いなぁ、俺の姫たんは…ぐふふふふ。 彩夏:ちょっとっ!そこの気持ち悪いあなた! 慎一:はっ!!(振り返る)…ぶっ!!(笑) 彩夏:なんですか!人を見るなり吹き出して!失礼な人ですね! 慎一:(素)……いや、何そのめがn 彩夏:(被せ)あぁっそんなことよりっ、困ります!!さっきから何してるんですか!! 慎一:何って、俺は姫たんのファンだぞ!ファンがアイドルを見て何が悪い!!大体アンタ誰だよっ、何の権利があって俺と姫たんの間を阻むんだ! 彩夏:私はこの子の「アイマネ」です! 慎一:あ、アイマネだと…?なんだそれは! 彩夏:アイドルのマネージャを略して「アイマネ」と呼ぶんです。 彩夏:あなた、アイドルのファンのくせにそんな事も知らないんですか? 慎一:アイマネ?…いや、そんな呼び方聞いたことないぞ。 慎一:「アイマス」ならギリ聞いたことあるけd… 彩夏:(被せ)まぁ、今作ったんですけど。 慎一:(素)今作ったのかよ!じゃあ当然聞いた事ねぇわ! 彩夏:そんな事よりあなた今、無断でこの子の写真を撮りましたね? 慎一:は、はぁ?…何の事だよ。俺はただカメラ越しに姫たんを見ていただけで… 彩夏:とぼけないで下さい!その右手にある、使いこなせても居ないクセにやたらと持って出かけたがるミラーレスの一眼カメラで… 慎一:(素・被せ)うるせぇな!何でそんな詳しく知ってるんだよ!そもそもカメラについてはどうでもいいだろっ(照)! 彩夏:じゃあ、その…アマゾンで購入したそこそこお値段の張るお気に入りのカメラで… 慎一:(素・被せ)だからどこで買ったとかいくらするとかはどうでもいいだろって!! 彩夏:(素・笑いを堪える)………。(笑) 彩夏:(咳払い)…その右手に持っているカメラであなた今、国民的アイドルグループ「キラキラサンシャイン☆アバンチュール31(サーティワン)」、略して「KSA31」のセンターメンバーである高御堂姫(たかみどう・ひめ)を盗撮していましたよね? 慎一:(素)あ、あばん…ちゅーる…?しかも31ってアイスかよ。 彩夏:言い逃れは許しませんよ!諦めて白状しなさいっ! 慎一:(素)ちょ…ちょっと待って。出だしからなんかツッコミどころが多すぎて俺の処理能力が全然おっつかないんだけど。(笑) 慎一:とりあえず、そのキラキラサンシャイン☆アバンチュール31って何。どっからその名前来たの?(笑) 彩夏:はっはぁーん、そうやって時間を稼ごうってつもりですね…。 慎一:(素)いや、別にそーゆーわけじゃなくて。(笑) 彩夏:良いでしょう。それならこちらにも考えがあります。 慎一:(素)いやだからそうじゃなくて……え、考え? 彩夏:えぇ。……私、知ってるんですよ? 彩夏:あなた…ここ数か月間、姫にしつこく付きまとっていたストーカーですよねぇ? 慎一:ぎくっ……。 彩夏:(素)「ぎくっ」って口で言うんだ。(笑) : 彩夏:(咳払い)あなたには身に覚えがあるはず! 慎一:み、身に覚えなんてないっ!なんかの勘違いだろ! 彩夏:本当にありませんか?……向かいのホーム、路地裏の窓…。 慎一:ななな、何の事だ!(焦) 彩夏:ふんっ、知らないなんて言わせませんよ?こちらは他にも至る所であなたの姿を確認しているんですから。…交差点でも、夢の中でも。 慎一:(素)…夢?え、それは誰の夢に出てきたの?事の次第によっては色々と話が変わってくr… 彩夏:明け方の街、桜木町で。 慎一:(素)…………ん?(笑) 彩夏:旅先の店、新聞の隅。 慎一:(素)新聞!? 慎一:…えっ、ちょっと待って。(笑) 慎一:(素)おかしいおかしい、もう既になんか色々とおかしいよ?(笑) 彩夏:………。 慎一:(素)はい、何故か急に無口になるー。 : 慎一:(嬉しそうに)…え?えっ!?え、えぇー何これぇー、どーゆー事ー?なんか夢とか新聞って言っちゃってる時点でー、ストーカー被害と言うよりもはや俺の事好きになっちゃってる感じがするもーん。えー?もー絶対これ俺の事が好きすぎて至る所に俺の幻影が見えちゃってる感じじゃーん。もうそれにしか聞こえなーい。やだーなにー、いきなり告られてもこーまーるぅー。(喜) 彩夏:………。(笑) 慎一:(素)…あれっ、でも待てよ?なんかこれ…聞き覚えがあるな…。 慎一:あ、ごめん、ちょっと続き頂戴? 彩夏:…そして、昨日もあなたを見かけました。…急行待ちの、踏切あたり。 0:二秒あけて 彩夏:(同時に)…こんなとこにいるはずもないのに。 慎一:(同時に)…こんなとこにいるはずもないのに。 : 慎一:(素)はい、山崎まさよしー。そして別に俺の事好きとかじゃなかったー。 彩夏:(笑いを堪える)ふっ、ふふふ…。(笑) : 慎一:(素)一定のテンポ刻んでてやたら語呂も良いしなんか聞き覚えあるなと思ったら…。 彩夏:よくわかりましたね。 慎一:(素)いや、「よくわかりましたね」じゃねぇよ!(笑) : 慎一:お前ふざけてんのか! 彩夏:(ポエム調に)いつでも捜しているよ、どっかに君の姿を。 慎一:(素・被せ)あー続けなくていい続けなくていい。 慎一:続けると俺が近くに居る事を期待してる感じになっちゃうからっ。(笑) 慎一:って言うかストーカーしてる奴を逆に捜すとかやめたげて?急なカウンターパンチは受け付けてません! 彩夏:ふふふふふ…。(笑) 慎一:(素)もぉー、いきなり夢の中とか言い出すからおかしいなと思ったら、何だよ桜木町って! 彩夏:(スマホを弄りだす)…………桜木町は、神奈川県横浜市にある地名。 彩夏:1~7丁目から成り、1~3丁目は中区、4~7丁目は西区に属する。 彩夏:桜木町駅周辺からJR根岸線沿いに北へ高島まで伸びる細長い町域(ちょういき)である。 慎一:(素)いや調べろって意味じゃない! 彩夏:以上、ウィキペディアより。 慎一:(素)しかもウィキ!! 彩夏:(咳払い)ちょっと話がそれましたが、本題に戻りましょう。 慎一:(素)ちょっとじゃないのよ…もー全然ちょっとじゃない…。ツッコミどころが多過ぎて今回素が出っぱなしだー、俺…。 彩夏:あなたが姫に対し行った「盗撮」及び「ストーキング行為」は立派な犯罪です。 慎一:は、はぁ?俺はストーカーなんてしてないぞ! : 慎一:(煽る)第一、たまたま見かけた有名人の写真を撮っただけで「盗撮」とか、言いがかりもはなはだしいんですけどぉー?見かけた有名人を写メに撮るくらい誰だってしてるでしょー。 彩夏:……そうですか。飽くまで犯行を認める気はないと。 慎一:あぁ、そんなの認める気なんざ更々ないねぇ!寧ろ名誉棄損でお前の事を訴えてやる! 彩夏:(溜息)…あなた、スマートフォンはお持ちですか? 慎一:(ふざける)いーえー?私のスマートフォンは「お餅」じゃないですぅー。 彩夏:ん?…スマートフォン、お持ちではないという事ですか? 慎一:(ふざける)はい、「お餅」じゃないですねぇー。伸びませんし?もち米じゃなくてアップル製だし、お醤油つけて食べたりもしないんでー。 彩夏:なるほど……。…確かここにこの間通販で買った切れ味の良さそうなキッチンナイフが… 慎一:(被せ)すみませんちょっと悪ふざけが過ぎました!! 彩夏:………結構。 慎一:(小声)って言うかそれ銃刀法違反だからなっ!!! 彩夏:……それで?結局スマートフォンを持っているんですか?持っていないんですか? 慎一:(不満げ)…持ってたら何だよ。 彩夏:ではそれで、一度「盗撮」と言う言葉を調べてみてください。 慎一:はぁ?何で俺がそんな事…。 0:不服そうにしながらも調べる慎一 慎一:…盗撮とは,一般的に被写体となる人間の了解を得ずに勝手に撮影を…行なう…こ、と……(息を吸う)スゥーーーー。 彩夏:あなたは姫自身、もしくは彼女を保護する第三者に彼女を撮影する旨を伝えた上できちんと了解を得ましたか? 慎一:………いいえ。 彩夏:(大声)おまわりさぁーーーーーーんっ!!! 慎一:(被せ)わー――――待って待って待って!!悪かった!!謝るから! 彩夏:……謝罪すれば済むと? 慎一:じゃあどうしろっていうんだよ。金か?金でも払えばいいのか? 彩夏:悪いと思っている人の態度ではありませんねぇ………(大声)おまわりさぁーーーーーーんっ!!! 慎一:(素・被せ)うわぁああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい!払います払います!喜んで払わせて頂きますっ!!!だから大声はやめて!今度こそ間違いなくお隣さんに警察呼ばれちゃうからっ! 彩夏:(咳払い)そもそも、盗撮がなぜ犯罪と定義されるか知っていますか? 慎一:………。 彩夏:お金を払えば済むという問題ではないんですよ。 慎一:…けど有名人っつったら日頃から雑誌とかテレビとかでバンバン撮られてるじゃねーか。つーか寧ろ撮られることが仕事だろ? 慎一:だったら俺達ファンが同じように撮った所で仕事のソレとさして変わんねーと思うのが普通じゃね? : 慎一:(煽る)大体アイドルにとってはこーゆー「ファンサ」も仕事の一環なんですよぉ?え?知らないんですかぁ?自称アイマスのくせにぃ? 彩夏:はぁ?はぁあ?はぁぁぁああっ!? 慎一:うわっ、な、何だよっ! 彩夏:この人なぁああああに言っちゃってんですかぁああ?え、馬鹿なの?馬鹿なんですか?お馬鹿さんなんでちゅかぁああ? 慎一:はぁっ!? 彩夏:あなたみたいな質の悪いファンの事を世間で何て言うか知ってますか?「モンスターファン」って言うんですよ。略して、「モンファン」です。 慎一:(素)モンハンみてーに言ってんじゃねーよ!どうせそれも今作ったんだろーが! 彩夏:「撮られるのが仕事」?あぁそうですよ?それが仕事です。 慎一:…はっ、そらみろ、じゃあ別にいいじゃねーか。 彩夏:はぁーーーっ。あったまの悪い人ですねぇ。いい加減お馬鹿な発言も休み休みにしてくれませんか? 慎一:なっ、何だと…っ!? 彩夏:じゃあ質問ですが、あなたにとって仕事とは何ですか? 慎一:はぁ? 彩夏:あ、別に哲学的な答えを求めてるわけじゃないので。 : 彩夏:あなたはさっきアイドルに対し「撮られるのが仕事」と言いましたね?それがファンサービスだと。 慎一:…あぁ。 彩夏:仰る通り、姫にとって「撮られること」は仕事です。 慎一:?だったら… 彩夏:(被せ)しかし!!ここで大事なのは何をもって仕事と定義するのかと言う事です。 慎一:定義? 彩夏:えぇ。アイドルが仕事として受ける撮影に関しては、通常アイドルの所属する事務所と、相手方の企業もしくは個人との間できちんとした一定の契約を取り交わした上で行われており、必ずその結果に伴う正当な報酬が発生しています。一部を除いてほぼ全てね。 彩夏:つまり、姫は撮られることによって、「お給料」を貰っているんですよ。 慎一:そ、そんなことわかって… 彩夏:(被せ)ちっともわかっていないみたいですね。あなた、お仕事は? 慎一:は…なんで…。 彩夏:別にあなたの職場に何かをしようとしているわけではないので安心してください。…少なくても「今」は。 慎一:今は、って…。……ただの会社員だよ。 彩夏:なるほど。では、こう言った方がわかりやすいですかね? 彩夏:あなたが苦労して作った企画書やプレゼン内容を、赤の他人が無断で私的に使用する。それに対し、その赤の他人は「それを作るのがお前の仕事で、これは顧客サービスの一環だろ?(笑)」と言う。勿論報酬なんてありません。 慎一:………。 彩夏:つまり、あなたがやっているのはそう言う事です…どうですか?わかりました? 慎一:(バツが悪そうに)………チッ。 彩夏:(微笑む)ようやくわかって頂けたようで。 : 彩夏:あぁ、あと、芸能人を無断で撮影するという事は、肖像権やパブリシティ権の侵害として不法行為責任が生じる可能性があるので、これを機に頭の隅にでも入れておいてください。 慎一:(素)え?え?ば、バブリーCTKって何? 彩夏:バブリーじゃなくて、パ・ブ・リ・シ・ティ・権。 彩夏:パブリシティ権と言うのは「有名人の名前や肖像などに生じる顧客吸引力を核とする経済的な価値をその本人が独占できる権利」の事です。 慎一:(素)あのー、すいません、難しすぎてよくわからないです。 彩夏:要は、有名人の名前や映像はそれだけで話題性に富み、集客力も高く、経済的にもとても価値が高くなります。そんな有名人の名前や映像と言ったものをその本人自身が独占できる権利のことパブリシティ権と言うのです。 慎一:いや…でも俺は姫たんの画像をそんな事に使ったりなんて一度も… 彩夏:本当に?今まで撮った写真をSNSにあげた事、本当に一度もありませんか? 慎一:…ツイッターにあげた事はあるけど…。 彩夏:…その時の反応はどうでしたか? 慎一:めっちゃイイネ来た。 彩夏:数字で言うと? 慎一:五百件くらい。 彩夏:普段のツイートには? 慎一:……数件…。 彩夏:姫関連のツイートでフォロー数が増え…? 慎一:ました。 彩夏:はいアウトー! 慎一:いやでもっ、別に経済的な利益とかは… 彩夏:それが無いにしても、撮影対象者を特定できる様なありさまで撮影し、それを興味本位でツイッターなどの伝播性が強いツールに掲載した場合には、肖像権の侵害と判断される可能性が強まるんです。 彩夏:特に今回の様なプライベートな状況でのオムツ一丁の写真なんてもってのほか! 慎一:うっ。 彩夏:人を著しく羞恥させるような行為は、れっきとした犯罪なんです! 慎一:うっ。 彩夏:おわかりですか? 慎一:…はい、すみませんでした…。 彩夏:わかって頂けて良かったです。 : 彩夏:あぁ、それと。 慎一:っ……まだ何かあんのかよ。 彩夏:何言ってるんですか、スーキング行為についての言及はまだ済んでません! 慎一:はぁっ!?いやそれこそ言いがかりだ!オレはストーカーなんてしてないっ! 彩夏:なるほど。 彩夏:ではここに、予め用意しておいた時系列にまとめたメモがありますので、順を追って検証して行きましょうか。 慎一:(素)いや料理番組か!って、え、メモ!?メモって何!? 0:スマホのメモを読み上げる彩夏 彩夏:まず、二月一日。姫の自宅近所にあるスーパーマーケットにて母親と一緒に買い物に来ていた姫を表の自販機前で待ち伏せする。 慎一:(素)いや、それ普通にお迎えに行っただけ…。 彩夏:二月十三日。姫の母親に「今日は背中に羽が生えた服だったね、俺の姫マジ天使」と写真付きの気持ち悪いメッセージを送りつける。 慎一:(素)だってあの時の服めちゃくちゃ可愛かったんだもん!っつうかアレ「気持ち悪い」って思ってたの!? 彩夏:二月二十四日。ハイハイする姫の前に故意に立ちふさがり、その進行を妨害する。 慎一:(素)いやいやいやだって姫が後ろ追っかけてくるから可愛くてつい…。 彩夏:三月三日。姫の自宅付近を、一時間近くうろついていたと隣人より家族に報告あり。 慎一:(素)なっ…くっそー、山田さんめぇ…わざわざそんな事チクんなくったっていいだろ。ってかそれは、帰り際に鍵無くしたと思ってずっと探してたの!マンションの下で落としたと思ったら、結局スマホに引っかかってでっけぇストラップみたいになってただけだったけど…。 彩夏:三月八日。「離れててもいつも見守ってるよ」と耳元で囁く。 慎一:(CM風に)いやぁベビーカメラって本当に有能ですよね!スマホでいつでも家にいる娘の事見れるから、仕事先でどんなに疲れても、可愛い娘の姿で癒されてまた仕事頑張ろうって思えるんです。ほんと、買ってよかったなぁー、ナリキリニックの「いつでもベビーウォッチ・カメラ」♪ 彩夏:三月十九日。嫌がる姫にしつこくプレゼントを渡そうとする。 慎一:(素)だってそれはさー、折角アンパンマンの可愛いガラガラ買ってきたのに姫ってば全然使ってくんねーんだもん。(泣) 彩夏:三月二十一日。帰宅すると毎回必ず「おかえり」と言う。 慎一:(素)いや言うだろ、それは!ってかなんだよそのメモ! 彩夏:警視庁の公式ホームページによると、ストーカー規制法の対象は、「付きまとい、監視していると告げる行為、面会や交際の要求等」が含まれるそうですよー。 彩夏:わー、全てあなたの行動に当てはまりますねー。という事で残念ですが、貴方は完全なストーカーです。 慎一:いやっ、ちょ… 彩夏:あ、因みに、自宅リビングに上がり込んでカーテンから覗く先程の行為ですが、あれも勿論、アウトーーー! 慎一:…ちょっと待ってくれよ、俺の話も聞いて…。 彩夏:はい、では大人しくお縄についてくださーーい。 慎一:いやいや待って待って! 彩夏:この期に及んでまだ抵抗する気ですかー?往生際が悪い方ですねー。 慎一:いやだって… 彩夏:あ、そうだ。先程、盗撮についての犯行を認められていましたが、迷惑防止条例において住居での盗撮の場合は約三十万円の罰金、そして付きまとい行為に対しては一年以下の懲役、又は百万円以下の罰金が科せられるそうですよー。 慎一:いやいやいやっ!盗撮についてはさっき俺がきちんと反省してそれで解決って流れになっただろ!? 彩夏:甘いですねぇー。私、「わかって頂けて良かった」って言っただけで、訴えないとは言っていませんよー(ニコ)? 慎一:そんなっ! 彩夏:あ、でもあなたの場合…。 慎一:っ!?反省ならする!あと、これからは絶っっっ対にこんな事しないっ、だから…っ! 彩夏:数か月に及ぶ常習的な付きまとい行為がありましたので、懲役は一年ではなく二年。 慎一:えっ…。 彩夏:罰金は百万円以下ではなく、二百万円以下になると思います♪ 慎一:二百万んんんっ!? 彩夏:と、言うわけで。一名様、刑務所へごあんなぁーーーーい(ニコ)。 慎一:う、うそだろぉぉぉおおおっ………。 : : 0:なりきり終了 : : : 慎一:…ねぇ、彩夏。 彩夏:ん? 慎一:なりきり中ずっと気になってたんだけど、そのファンキーな眼鏡、何? 彩夏:あー、これー?この間姫とお誕生日会行った時に貰ったの。可愛いでしょー。 慎一:んー、どっちかって言うと、可愛いって言うか破天荒さの方が強いね。 彩夏:えー、そう?可愛いと思うんだけどなぁ…。 慎一:なんでまたそんなもの…顔見るたんびにちょっと吹きそうになるの堪えるの結構しんどかったんだけど。(笑) 彩夏:だってー、今日のあたしの役、設定がちょっと賢そうなキャラだったじゃない?質の悪いファンを正論でボッコボコにする敏腕マネージャー的な。 慎一:おん………え?それでその眼鏡? 彩夏:そうだよ。だってウチにある眼鏡なんて言ったらこれくらいしか見当たらなかったかんだもん。 慎一:あーそっかぁ…だからそんなハートの形したカラフルな実用性皆無のファンキーな眼鏡つけてたのかぁ……うん、逆効果ー。 彩夏:やっぱこれじゃダメだったか。(笑) 彩夏:……はい、あげる。 0:慎一にファンキー眼鏡をかける彩夏 慎一:いやいらねー…。 慎一:って言うか今回、俺の役ひどくない? 彩夏:そぉ?別にそんなこと無いと思うけどー。 慎一:彩夏の悪意がひしひしと伝わって来た。 彩夏:いや無いよ!悪意なんてこれっぽっちも無い。(笑) 慎一:(睨む)ほんとにー? 彩夏:ほんとだって。(笑) 慎一:ふーーん? 慎一:…それにしても、迷惑防止条例法かー。えらい法律が出来たもんだな。 彩夏:そうは言うけどさー、ひと昔前は酷かったんだよ?女性がストーカー被害にあいましたーなんて訴えたとしても、だぁーれも相手にしてくれないのが当たり前だったんだからぁ。 慎一:へぇー。そりゃ酷いな…にしても、やたら詳しくないか?彩夏、法学部とかじゃ無かったよな? 彩夏:違うけど、まぁ、一応警察官の娘なんで。(笑) 慎一:あー、やっぱ警察の家族だとそーゆー話も色々と聞くのか?まぁ、娘だから特に注意喚起のつもりで話すのかもなー。 彩夏:かもね。(笑) 彩夏:あとは、お昼のニュースとかでも色々耳に入るし。 慎一:そっか、でもまぁ色んな事に過敏になってる世の中だからな。少しでも守ってくれる法律があるのは良いよな。 彩夏:だねー。だから慎一も気をつけなよー? 慎一:は?何に? 彩夏:ストーカー行為だよ。アニサーの高御堂くんっ。 慎一:いや、する方かよ!!もぉおお!いい加減しつこいぞ?一体いつまで言い続けるつもりだよそれ。 彩夏:うーん、……姫の物心がつくまで? 慎一:いや長ぇし…。 : 慎一:…?なんで物心つくまで? 彩夏:だぁってー、自分の父親が大学の時同級生のストーカーしてたー、なんて知ったら可哀想でしょ?姫が。 慎一:そこ俺じゃねぇのかよっ! 慎一:いやマジでちゃんと聞いて?あれは俺じゃなくて友達の心斎橋(しんさいばし)が…。 彩夏:ふふふ。 慎一:ちょっ、彩夏ー!ちゃんと俺の話聞いてってー。 彩夏:はいはい聞いてる聞いてるー。よーし姫ー、そろそろ寝んねしよっかー。 慎一:もー、俺マジで拗ねるからなっ! 彩夏:わぁー、パパが拗ねるんだってー、子供みたいだねー、プークスクスー。(笑) 彩夏:そーれーに、姫はアンパンマンよりルルロロ派だもんねぇー。 慎一:えっ!?そーなの!? : 慎一:くっそぉー…何だよルルロロってぇー…子供は皆アンパンマンが好きなんじゃねぇのかよぉー…。 0:玄関のチャイムが鳴る 慎一:お? 彩夏:……誰だろー?こんな時間に。 慎一:……山田さんじゃね? 彩夏:えぇー……? 慎一:だってさっきほら…大声で「おまわりさーーーん」って…。 彩夏:え、うそ…マジで山田さん? 慎一:だったら良い方だな。 彩夏:…なんで? 慎一:最悪、警察とかも有り得るだろ? 0:玄関のチャイムが鳴る 彩夏:ちょっと慎一…出てきてよ。 慎一:…おう。 : : : 0:戻ってくる慎一 彩夏:っ、誰だった?もしかして、警察!? 慎一:いや、山田さん。 彩夏:山田さんかーーーー、ホッとしたようなしてないような…。(笑) : 彩夏:で、何だった…? 慎一:あー、まぁー…用事は普通に回覧板だった。 彩夏:回覧板?こんな時間に? 慎一:うん…。 彩夏:………ん?え、何、どうしたの? 慎一:あーいや、それが…ちょっとタイミング的になー、なんかアレな事言われて…。 彩夏:タイミング?……何て? 慎一:………いやー…。 彩夏:もー何!?気になるから早く言ってよー! 慎一:えー、あんま言いたくないんだけど…。 彩夏:ほらぁ!早く! 慎一:………、「近頃、名里桐(なりきり)小学校の近くで事件が多発してるから気を付けて」って。 彩夏:事件? 慎一:………。 彩夏:何の? 慎一:………。 彩夏:慎一? 慎一:……児童を狙った……ストーカーの。 彩夏:あ、あーーーー…そーゆー事。ふふっ、めっちゃタイムリーじゃん。(笑) : 彩夏:……慎一。 慎一:んあ? 彩夏:…通勤中にいくら可愛い子が居ても、ストーカーしちゃだめだからね?今度こそ捕まるよ? 慎一:ほらなっ!!絶対そう言うだろうと思った!だから言いたくなかったんだよっ!!! : : :

0:影響を受けやすい、二人~モンファンVSアイマネver. : : : 0:舞台は自宅のリビングにてカーテンの隙間から娘の写真を撮っている慎一と、買い物から帰宅する彩夏 : : 0:日常シーン 彩夏:ただいまー。 慎一:おかえりー。 : 彩夏:ふー、重かったぁ……あ、ねーねーちょっと聞いてよー。 慎一:んー? 彩夏:帰る時にね、丁度そこのスーパーでタイムセールしてて、お肉がめっちゃ安かったからつい買いすぎちゃったのー。だから今夜は肉祭りでいい…って、うわっ!! 彩夏:………え、何してんの? 慎一:何って、姫の写真撮ってる。 彩夏:………いや、…ん?え、なんでカーテンの隙間から…? 慎一:あー………。 彩夏:………。 慎一:あはははは。(カーテンから出てくる)…よいしょっと。 慎一:あたたたたた、あー肩こった。 彩夏:え、何?「肩こった」って…そんなに長いこと居たの!? 慎一:あーいや、別にそう言うわけじゃないんだけど…ずっと際どい姿勢だったからさ。(笑) 彩夏:ふーん、そう。(呆) : 彩夏:……で?何をどうすればそんな面白い事になるわけ。 彩夏:オムツ一丁の娘をカーテンの隙間に隠れて盗撮する父親なんて、日本中何処捜しても多分慎一くらいだよ? 慎一:いやーそれがさー、一緒にテレビ見てたんだけど急に飽きたのか姫が一人で遊び始めちゃって…。 彩夏:うん。 慎一:姫の一人遊びなんて初めて見たから「これは絶対写真に残さねば!」と思ってカメラ持ってきたまでは良かったんだけど。 彩夏:うん。 慎一:いざカメラ構えたら、俺の姿見つけるなりすぐ寄ってきちゃうから中々自然な写真が撮れなくてさ、試行錯誤してたらいつの間にかこうなってたってわけ。(笑) 彩夏:あー………なるほどね。(笑) 彩夏:にしても怪しすぎ!完全に不審者かと思ったし。 慎一:何でだよ。 彩夏:だってウチ帰ってきたらカーテンの隙間からカメラ構えた男が変な体勢で覗いてんのよ?そりゃ誰だってビビるよー。 慎一:あぁ、まぁそれはごめん。 彩夏:…何か、そこはかとなく隠し切れないストーカー感が滲み出てたし? 慎一:おい待て!それは聞き捨てならないぞ!? 彩夏:んー何だろ、「ストーカー臭」って言うか、溢れ出すストーカーみ? 慎一:娘の写真撮ってるだけでなんでストーカー臭出るんだよ! 彩夏:えーそれはやっぱ昔の名残じゃなーい? 慎一:え、待って。なんの話? 彩夏:だって昔、慎一レイナのストーカーしてたじゃ… 慎一:(被せ)いやそれ俺じゃないって言っただろ!…大体それ、俺らが大学ん時の話じゃねぇか。いつまで引っ張る気だよ、もー。 彩夏:ふふふ。 : 彩夏:…あ、でもまぁ、ウチの子撮るなら…ちゃんと「事務所」通してもらわないと。 慎一:は?ジムショ? 彩夏:そ。 慎一:…事務所って何の。 彩夏:モチロン、芸能事務所。 : : 0:ここからなりきりへ : 0:カーテンの隙間から息を荒くして姫を見ている慎一と、キッチンに待機している派手な眼鏡をかけた彩夏 慎一:ハァハァハァ…、相変わらず今日も究極に可愛いなぁ、俺の姫たんは…ぐふふふふ。 彩夏:ちょっとっ!そこの気持ち悪いあなた! 慎一:はっ!!(振り返る)…ぶっ!!(笑) 彩夏:なんですか!人を見るなり吹き出して!失礼な人ですね! 慎一:(素)……いや、何そのめがn 彩夏:(被せ)あぁっそんなことよりっ、困ります!!さっきから何してるんですか!! 慎一:何って、俺は姫たんのファンだぞ!ファンがアイドルを見て何が悪い!!大体アンタ誰だよっ、何の権利があって俺と姫たんの間を阻むんだ! 彩夏:私はこの子の「アイマネ」です! 慎一:あ、アイマネだと…?なんだそれは! 彩夏:アイドルのマネージャを略して「アイマネ」と呼ぶんです。 彩夏:あなた、アイドルのファンのくせにそんな事も知らないんですか? 慎一:アイマネ?…いや、そんな呼び方聞いたことないぞ。 慎一:「アイマス」ならギリ聞いたことあるけd… 彩夏:(被せ)まぁ、今作ったんですけど。 慎一:(素)今作ったのかよ!じゃあ当然聞いた事ねぇわ! 彩夏:そんな事よりあなた今、無断でこの子の写真を撮りましたね? 慎一:は、はぁ?…何の事だよ。俺はただカメラ越しに姫たんを見ていただけで… 彩夏:とぼけないで下さい!その右手にある、使いこなせても居ないクセにやたらと持って出かけたがるミラーレスの一眼カメラで… 慎一:(素・被せ)うるせぇな!何でそんな詳しく知ってるんだよ!そもそもカメラについてはどうでもいいだろっ(照)! 彩夏:じゃあ、その…アマゾンで購入したそこそこお値段の張るお気に入りのカメラで… 慎一:(素・被せ)だからどこで買ったとかいくらするとかはどうでもいいだろって!! 彩夏:(素・笑いを堪える)………。(笑) 彩夏:(咳払い)…その右手に持っているカメラであなた今、国民的アイドルグループ「キラキラサンシャイン☆アバンチュール31(サーティワン)」、略して「KSA31」のセンターメンバーである高御堂姫(たかみどう・ひめ)を盗撮していましたよね? 慎一:(素)あ、あばん…ちゅーる…?しかも31ってアイスかよ。 彩夏:言い逃れは許しませんよ!諦めて白状しなさいっ! 慎一:(素)ちょ…ちょっと待って。出だしからなんかツッコミどころが多すぎて俺の処理能力が全然おっつかないんだけど。(笑) 慎一:とりあえず、そのキラキラサンシャイン☆アバンチュール31って何。どっからその名前来たの?(笑) 彩夏:はっはぁーん、そうやって時間を稼ごうってつもりですね…。 慎一:(素)いや、別にそーゆーわけじゃなくて。(笑) 彩夏:良いでしょう。それならこちらにも考えがあります。 慎一:(素)いやだからそうじゃなくて……え、考え? 彩夏:えぇ。……私、知ってるんですよ? 彩夏:あなた…ここ数か月間、姫にしつこく付きまとっていたストーカーですよねぇ? 慎一:ぎくっ……。 彩夏:(素)「ぎくっ」って口で言うんだ。(笑) : 彩夏:(咳払い)あなたには身に覚えがあるはず! 慎一:み、身に覚えなんてないっ!なんかの勘違いだろ! 彩夏:本当にありませんか?……向かいのホーム、路地裏の窓…。 慎一:ななな、何の事だ!(焦) 彩夏:ふんっ、知らないなんて言わせませんよ?こちらは他にも至る所であなたの姿を確認しているんですから。…交差点でも、夢の中でも。 慎一:(素)…夢?え、それは誰の夢に出てきたの?事の次第によっては色々と話が変わってくr… 彩夏:明け方の街、桜木町で。 慎一:(素)…………ん?(笑) 彩夏:旅先の店、新聞の隅。 慎一:(素)新聞!? 慎一:…えっ、ちょっと待って。(笑) 慎一:(素)おかしいおかしい、もう既になんか色々とおかしいよ?(笑) 彩夏:………。 慎一:(素)はい、何故か急に無口になるー。 : 慎一:(嬉しそうに)…え?えっ!?え、えぇー何これぇー、どーゆー事ー?なんか夢とか新聞って言っちゃってる時点でー、ストーカー被害と言うよりもはや俺の事好きになっちゃってる感じがするもーん。えー?もー絶対これ俺の事が好きすぎて至る所に俺の幻影が見えちゃってる感じじゃーん。もうそれにしか聞こえなーい。やだーなにー、いきなり告られてもこーまーるぅー。(喜) 彩夏:………。(笑) 慎一:(素)…あれっ、でも待てよ?なんかこれ…聞き覚えがあるな…。 慎一:あ、ごめん、ちょっと続き頂戴? 彩夏:…そして、昨日もあなたを見かけました。…急行待ちの、踏切あたり。 0:二秒あけて 彩夏:(同時に)…こんなとこにいるはずもないのに。 慎一:(同時に)…こんなとこにいるはずもないのに。 : 慎一:(素)はい、山崎まさよしー。そして別に俺の事好きとかじゃなかったー。 彩夏:(笑いを堪える)ふっ、ふふふ…。(笑) : 慎一:(素)一定のテンポ刻んでてやたら語呂も良いしなんか聞き覚えあるなと思ったら…。 彩夏:よくわかりましたね。 慎一:(素)いや、「よくわかりましたね」じゃねぇよ!(笑) : 慎一:お前ふざけてんのか! 彩夏:(ポエム調に)いつでも捜しているよ、どっかに君の姿を。 慎一:(素・被せ)あー続けなくていい続けなくていい。 慎一:続けると俺が近くに居る事を期待してる感じになっちゃうからっ。(笑) 慎一:って言うかストーカーしてる奴を逆に捜すとかやめたげて?急なカウンターパンチは受け付けてません! 彩夏:ふふふふふ…。(笑) 慎一:(素)もぉー、いきなり夢の中とか言い出すからおかしいなと思ったら、何だよ桜木町って! 彩夏:(スマホを弄りだす)…………桜木町は、神奈川県横浜市にある地名。 彩夏:1~7丁目から成り、1~3丁目は中区、4~7丁目は西区に属する。 彩夏:桜木町駅周辺からJR根岸線沿いに北へ高島まで伸びる細長い町域(ちょういき)である。 慎一:(素)いや調べろって意味じゃない! 彩夏:以上、ウィキペディアより。 慎一:(素)しかもウィキ!! 彩夏:(咳払い)ちょっと話がそれましたが、本題に戻りましょう。 慎一:(素)ちょっとじゃないのよ…もー全然ちょっとじゃない…。ツッコミどころが多過ぎて今回素が出っぱなしだー、俺…。 彩夏:あなたが姫に対し行った「盗撮」及び「ストーキング行為」は立派な犯罪です。 慎一:は、はぁ?俺はストーカーなんてしてないぞ! : 慎一:(煽る)第一、たまたま見かけた有名人の写真を撮っただけで「盗撮」とか、言いがかりもはなはだしいんですけどぉー?見かけた有名人を写メに撮るくらい誰だってしてるでしょー。 彩夏:……そうですか。飽くまで犯行を認める気はないと。 慎一:あぁ、そんなの認める気なんざ更々ないねぇ!寧ろ名誉棄損でお前の事を訴えてやる! 彩夏:(溜息)…あなた、スマートフォンはお持ちですか? 慎一:(ふざける)いーえー?私のスマートフォンは「お餅」じゃないですぅー。 彩夏:ん?…スマートフォン、お持ちではないという事ですか? 慎一:(ふざける)はい、「お餅」じゃないですねぇー。伸びませんし?もち米じゃなくてアップル製だし、お醤油つけて食べたりもしないんでー。 彩夏:なるほど……。…確かここにこの間通販で買った切れ味の良さそうなキッチンナイフが… 慎一:(被せ)すみませんちょっと悪ふざけが過ぎました!! 彩夏:………結構。 慎一:(小声)って言うかそれ銃刀法違反だからなっ!!! 彩夏:……それで?結局スマートフォンを持っているんですか?持っていないんですか? 慎一:(不満げ)…持ってたら何だよ。 彩夏:ではそれで、一度「盗撮」と言う言葉を調べてみてください。 慎一:はぁ?何で俺がそんな事…。 0:不服そうにしながらも調べる慎一 慎一:…盗撮とは,一般的に被写体となる人間の了解を得ずに勝手に撮影を…行なう…こ、と……(息を吸う)スゥーーーー。 彩夏:あなたは姫自身、もしくは彼女を保護する第三者に彼女を撮影する旨を伝えた上できちんと了解を得ましたか? 慎一:………いいえ。 彩夏:(大声)おまわりさぁーーーーーーんっ!!! 慎一:(被せ)わー――――待って待って待って!!悪かった!!謝るから! 彩夏:……謝罪すれば済むと? 慎一:じゃあどうしろっていうんだよ。金か?金でも払えばいいのか? 彩夏:悪いと思っている人の態度ではありませんねぇ………(大声)おまわりさぁーーーーーーんっ!!! 慎一:(素・被せ)うわぁああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい!払います払います!喜んで払わせて頂きますっ!!!だから大声はやめて!今度こそ間違いなくお隣さんに警察呼ばれちゃうからっ! 彩夏:(咳払い)そもそも、盗撮がなぜ犯罪と定義されるか知っていますか? 慎一:………。 彩夏:お金を払えば済むという問題ではないんですよ。 慎一:…けど有名人っつったら日頃から雑誌とかテレビとかでバンバン撮られてるじゃねーか。つーか寧ろ撮られることが仕事だろ? 慎一:だったら俺達ファンが同じように撮った所で仕事のソレとさして変わんねーと思うのが普通じゃね? : 慎一:(煽る)大体アイドルにとってはこーゆー「ファンサ」も仕事の一環なんですよぉ?え?知らないんですかぁ?自称アイマスのくせにぃ? 彩夏:はぁ?はぁあ?はぁぁぁああっ!? 慎一:うわっ、な、何だよっ! 彩夏:この人なぁああああに言っちゃってんですかぁああ?え、馬鹿なの?馬鹿なんですか?お馬鹿さんなんでちゅかぁああ? 慎一:はぁっ!? 彩夏:あなたみたいな質の悪いファンの事を世間で何て言うか知ってますか?「モンスターファン」って言うんですよ。略して、「モンファン」です。 慎一:(素)モンハンみてーに言ってんじゃねーよ!どうせそれも今作ったんだろーが! 彩夏:「撮られるのが仕事」?あぁそうですよ?それが仕事です。 慎一:…はっ、そらみろ、じゃあ別にいいじゃねーか。 彩夏:はぁーーーっ。あったまの悪い人ですねぇ。いい加減お馬鹿な発言も休み休みにしてくれませんか? 慎一:なっ、何だと…っ!? 彩夏:じゃあ質問ですが、あなたにとって仕事とは何ですか? 慎一:はぁ? 彩夏:あ、別に哲学的な答えを求めてるわけじゃないので。 : 彩夏:あなたはさっきアイドルに対し「撮られるのが仕事」と言いましたね?それがファンサービスだと。 慎一:…あぁ。 彩夏:仰る通り、姫にとって「撮られること」は仕事です。 慎一:?だったら… 彩夏:(被せ)しかし!!ここで大事なのは何をもって仕事と定義するのかと言う事です。 慎一:定義? 彩夏:えぇ。アイドルが仕事として受ける撮影に関しては、通常アイドルの所属する事務所と、相手方の企業もしくは個人との間できちんとした一定の契約を取り交わした上で行われており、必ずその結果に伴う正当な報酬が発生しています。一部を除いてほぼ全てね。 彩夏:つまり、姫は撮られることによって、「お給料」を貰っているんですよ。 慎一:そ、そんなことわかって… 彩夏:(被せ)ちっともわかっていないみたいですね。あなた、お仕事は? 慎一:は…なんで…。 彩夏:別にあなたの職場に何かをしようとしているわけではないので安心してください。…少なくても「今」は。 慎一:今は、って…。……ただの会社員だよ。 彩夏:なるほど。では、こう言った方がわかりやすいですかね? 彩夏:あなたが苦労して作った企画書やプレゼン内容を、赤の他人が無断で私的に使用する。それに対し、その赤の他人は「それを作るのがお前の仕事で、これは顧客サービスの一環だろ?(笑)」と言う。勿論報酬なんてありません。 慎一:………。 彩夏:つまり、あなたがやっているのはそう言う事です…どうですか?わかりました? 慎一:(バツが悪そうに)………チッ。 彩夏:(微笑む)ようやくわかって頂けたようで。 : 彩夏:あぁ、あと、芸能人を無断で撮影するという事は、肖像権やパブリシティ権の侵害として不法行為責任が生じる可能性があるので、これを機に頭の隅にでも入れておいてください。 慎一:(素)え?え?ば、バブリーCTKって何? 彩夏:バブリーじゃなくて、パ・ブ・リ・シ・ティ・権。 彩夏:パブリシティ権と言うのは「有名人の名前や肖像などに生じる顧客吸引力を核とする経済的な価値をその本人が独占できる権利」の事です。 慎一:(素)あのー、すいません、難しすぎてよくわからないです。 彩夏:要は、有名人の名前や映像はそれだけで話題性に富み、集客力も高く、経済的にもとても価値が高くなります。そんな有名人の名前や映像と言ったものをその本人自身が独占できる権利のことパブリシティ権と言うのです。 慎一:いや…でも俺は姫たんの画像をそんな事に使ったりなんて一度も… 彩夏:本当に?今まで撮った写真をSNSにあげた事、本当に一度もありませんか? 慎一:…ツイッターにあげた事はあるけど…。 彩夏:…その時の反応はどうでしたか? 慎一:めっちゃイイネ来た。 彩夏:数字で言うと? 慎一:五百件くらい。 彩夏:普段のツイートには? 慎一:……数件…。 彩夏:姫関連のツイートでフォロー数が増え…? 慎一:ました。 彩夏:はいアウトー! 慎一:いやでもっ、別に経済的な利益とかは… 彩夏:それが無いにしても、撮影対象者を特定できる様なありさまで撮影し、それを興味本位でツイッターなどの伝播性が強いツールに掲載した場合には、肖像権の侵害と判断される可能性が強まるんです。 彩夏:特に今回の様なプライベートな状況でのオムツ一丁の写真なんてもってのほか! 慎一:うっ。 彩夏:人を著しく羞恥させるような行為は、れっきとした犯罪なんです! 慎一:うっ。 彩夏:おわかりですか? 慎一:…はい、すみませんでした…。 彩夏:わかって頂けて良かったです。 : 彩夏:あぁ、それと。 慎一:っ……まだ何かあんのかよ。 彩夏:何言ってるんですか、スーキング行為についての言及はまだ済んでません! 慎一:はぁっ!?いやそれこそ言いがかりだ!オレはストーカーなんてしてないっ! 彩夏:なるほど。 彩夏:ではここに、予め用意しておいた時系列にまとめたメモがありますので、順を追って検証して行きましょうか。 慎一:(素)いや料理番組か!って、え、メモ!?メモって何!? 0:スマホのメモを読み上げる彩夏 彩夏:まず、二月一日。姫の自宅近所にあるスーパーマーケットにて母親と一緒に買い物に来ていた姫を表の自販機前で待ち伏せする。 慎一:(素)いや、それ普通にお迎えに行っただけ…。 彩夏:二月十三日。姫の母親に「今日は背中に羽が生えた服だったね、俺の姫マジ天使」と写真付きの気持ち悪いメッセージを送りつける。 慎一:(素)だってあの時の服めちゃくちゃ可愛かったんだもん!っつうかアレ「気持ち悪い」って思ってたの!? 彩夏:二月二十四日。ハイハイする姫の前に故意に立ちふさがり、その進行を妨害する。 慎一:(素)いやいやいやだって姫が後ろ追っかけてくるから可愛くてつい…。 彩夏:三月三日。姫の自宅付近を、一時間近くうろついていたと隣人より家族に報告あり。 慎一:(素)なっ…くっそー、山田さんめぇ…わざわざそんな事チクんなくったっていいだろ。ってかそれは、帰り際に鍵無くしたと思ってずっと探してたの!マンションの下で落としたと思ったら、結局スマホに引っかかってでっけぇストラップみたいになってただけだったけど…。 彩夏:三月八日。「離れててもいつも見守ってるよ」と耳元で囁く。 慎一:(CM風に)いやぁベビーカメラって本当に有能ですよね!スマホでいつでも家にいる娘の事見れるから、仕事先でどんなに疲れても、可愛い娘の姿で癒されてまた仕事頑張ろうって思えるんです。ほんと、買ってよかったなぁー、ナリキリニックの「いつでもベビーウォッチ・カメラ」♪ 彩夏:三月十九日。嫌がる姫にしつこくプレゼントを渡そうとする。 慎一:(素)だってそれはさー、折角アンパンマンの可愛いガラガラ買ってきたのに姫ってば全然使ってくんねーんだもん。(泣) 彩夏:三月二十一日。帰宅すると毎回必ず「おかえり」と言う。 慎一:(素)いや言うだろ、それは!ってかなんだよそのメモ! 彩夏:警視庁の公式ホームページによると、ストーカー規制法の対象は、「付きまとい、監視していると告げる行為、面会や交際の要求等」が含まれるそうですよー。 彩夏:わー、全てあなたの行動に当てはまりますねー。という事で残念ですが、貴方は完全なストーカーです。 慎一:いやっ、ちょ… 彩夏:あ、因みに、自宅リビングに上がり込んでカーテンから覗く先程の行為ですが、あれも勿論、アウトーーー! 慎一:…ちょっと待ってくれよ、俺の話も聞いて…。 彩夏:はい、では大人しくお縄についてくださーーい。 慎一:いやいや待って待って! 彩夏:この期に及んでまだ抵抗する気ですかー?往生際が悪い方ですねー。 慎一:いやだって… 彩夏:あ、そうだ。先程、盗撮についての犯行を認められていましたが、迷惑防止条例において住居での盗撮の場合は約三十万円の罰金、そして付きまとい行為に対しては一年以下の懲役、又は百万円以下の罰金が科せられるそうですよー。 慎一:いやいやいやっ!盗撮についてはさっき俺がきちんと反省してそれで解決って流れになっただろ!? 彩夏:甘いですねぇー。私、「わかって頂けて良かった」って言っただけで、訴えないとは言っていませんよー(ニコ)? 慎一:そんなっ! 彩夏:あ、でもあなたの場合…。 慎一:っ!?反省ならする!あと、これからは絶っっっ対にこんな事しないっ、だから…っ! 彩夏:数か月に及ぶ常習的な付きまとい行為がありましたので、懲役は一年ではなく二年。 慎一:えっ…。 彩夏:罰金は百万円以下ではなく、二百万円以下になると思います♪ 慎一:二百万んんんっ!? 彩夏:と、言うわけで。一名様、刑務所へごあんなぁーーーーい(ニコ)。 慎一:う、うそだろぉぉぉおおおっ………。 : : 0:なりきり終了 : : : 慎一:…ねぇ、彩夏。 彩夏:ん? 慎一:なりきり中ずっと気になってたんだけど、そのファンキーな眼鏡、何? 彩夏:あー、これー?この間姫とお誕生日会行った時に貰ったの。可愛いでしょー。 慎一:んー、どっちかって言うと、可愛いって言うか破天荒さの方が強いね。 彩夏:えー、そう?可愛いと思うんだけどなぁ…。 慎一:なんでまたそんなもの…顔見るたんびにちょっと吹きそうになるの堪えるの結構しんどかったんだけど。(笑) 彩夏:だってー、今日のあたしの役、設定がちょっと賢そうなキャラだったじゃない?質の悪いファンを正論でボッコボコにする敏腕マネージャー的な。 慎一:おん………え?それでその眼鏡? 彩夏:そうだよ。だってウチにある眼鏡なんて言ったらこれくらいしか見当たらなかったかんだもん。 慎一:あーそっかぁ…だからそんなハートの形したカラフルな実用性皆無のファンキーな眼鏡つけてたのかぁ……うん、逆効果ー。 彩夏:やっぱこれじゃダメだったか。(笑) 彩夏:……はい、あげる。 0:慎一にファンキー眼鏡をかける彩夏 慎一:いやいらねー…。 慎一:って言うか今回、俺の役ひどくない? 彩夏:そぉ?別にそんなこと無いと思うけどー。 慎一:彩夏の悪意がひしひしと伝わって来た。 彩夏:いや無いよ!悪意なんてこれっぽっちも無い。(笑) 慎一:(睨む)ほんとにー? 彩夏:ほんとだって。(笑) 慎一:ふーーん? 慎一:…それにしても、迷惑防止条例法かー。えらい法律が出来たもんだな。 彩夏:そうは言うけどさー、ひと昔前は酷かったんだよ?女性がストーカー被害にあいましたーなんて訴えたとしても、だぁーれも相手にしてくれないのが当たり前だったんだからぁ。 慎一:へぇー。そりゃ酷いな…にしても、やたら詳しくないか?彩夏、法学部とかじゃ無かったよな? 彩夏:違うけど、まぁ、一応警察官の娘なんで。(笑) 慎一:あー、やっぱ警察の家族だとそーゆー話も色々と聞くのか?まぁ、娘だから特に注意喚起のつもりで話すのかもなー。 彩夏:かもね。(笑) 彩夏:あとは、お昼のニュースとかでも色々耳に入るし。 慎一:そっか、でもまぁ色んな事に過敏になってる世の中だからな。少しでも守ってくれる法律があるのは良いよな。 彩夏:だねー。だから慎一も気をつけなよー? 慎一:は?何に? 彩夏:ストーカー行為だよ。アニサーの高御堂くんっ。 慎一:いや、する方かよ!!もぉおお!いい加減しつこいぞ?一体いつまで言い続けるつもりだよそれ。 彩夏:うーん、……姫の物心がつくまで? 慎一:いや長ぇし…。 : 慎一:…?なんで物心つくまで? 彩夏:だぁってー、自分の父親が大学の時同級生のストーカーしてたー、なんて知ったら可哀想でしょ?姫が。 慎一:そこ俺じゃねぇのかよっ! 慎一:いやマジでちゃんと聞いて?あれは俺じゃなくて友達の心斎橋(しんさいばし)が…。 彩夏:ふふふ。 慎一:ちょっ、彩夏ー!ちゃんと俺の話聞いてってー。 彩夏:はいはい聞いてる聞いてるー。よーし姫ー、そろそろ寝んねしよっかー。 慎一:もー、俺マジで拗ねるからなっ! 彩夏:わぁー、パパが拗ねるんだってー、子供みたいだねー、プークスクスー。(笑) 彩夏:そーれーに、姫はアンパンマンよりルルロロ派だもんねぇー。 慎一:えっ!?そーなの!? : 慎一:くっそぉー…何だよルルロロってぇー…子供は皆アンパンマンが好きなんじゃねぇのかよぉー…。 0:玄関のチャイムが鳴る 慎一:お? 彩夏:……誰だろー?こんな時間に。 慎一:……山田さんじゃね? 彩夏:えぇー……? 慎一:だってさっきほら…大声で「おまわりさーーーん」って…。 彩夏:え、うそ…マジで山田さん? 慎一:だったら良い方だな。 彩夏:…なんで? 慎一:最悪、警察とかも有り得るだろ? 0:玄関のチャイムが鳴る 彩夏:ちょっと慎一…出てきてよ。 慎一:…おう。 : : : 0:戻ってくる慎一 彩夏:っ、誰だった?もしかして、警察!? 慎一:いや、山田さん。 彩夏:山田さんかーーーー、ホッとしたようなしてないような…。(笑) : 彩夏:で、何だった…? 慎一:あー、まぁー…用事は普通に回覧板だった。 彩夏:回覧板?こんな時間に? 慎一:うん…。 彩夏:………ん?え、何、どうしたの? 慎一:あーいや、それが…ちょっとタイミング的になー、なんかアレな事言われて…。 彩夏:タイミング?……何て? 慎一:………いやー…。 彩夏:もー何!?気になるから早く言ってよー! 慎一:えー、あんま言いたくないんだけど…。 彩夏:ほらぁ!早く! 慎一:………、「近頃、名里桐(なりきり)小学校の近くで事件が多発してるから気を付けて」って。 彩夏:事件? 慎一:………。 彩夏:何の? 慎一:………。 彩夏:慎一? 慎一:……児童を狙った……ストーカーの。 彩夏:あ、あーーーー…そーゆー事。ふふっ、めっちゃタイムリーじゃん。(笑) : 彩夏:……慎一。 慎一:んあ? 彩夏:…通勤中にいくら可愛い子が居ても、ストーカーしちゃだめだからね?今度こそ捕まるよ? 慎一:ほらなっ!!絶対そう言うだろうと思った!だから言いたくなかったんだよっ!!! : : :