台本概要
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タイトル | その怪談、ちょっと待った |
---|---|
作者名 | のぼライズ (@tomisan5012_2) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 5人用台本(男3、女1、不問1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
あかしによる急な季節外れの提案に、あかしの家のルームメイトである5人は巻き込まれたのであった。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
あかし | 男 | 50 | 家主 |
いけだ | 男 | 61 | しっかり真面目野郎 |
うちだ | 女 | 41 | チャラめ |
えんどう | 男 | 39 | 単細胞バカ |
おぜ | 不問 | 44 | 基本、「うん」しか言わない |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
あかし:「よぉーし、怪談話しようぜ!」
いけだ:(N)あかしによる急な季節外れの提案に、あかしの家のルームメイトである、いけだの俺含め、うちだ、えんどう、おぜの5人は巻き込まれたのであった。
0:
いけだ:『その怪談、ちょっと待った』
0:
うちだ:「まぁ良いけど、この季節に?」
あかし:「この季節だからこそだ!」
えんどう:「この季節だからこそやるという意味が分からない…分からなすぎる」
あかし:「君は馬鹿だから仕方ない」
えんどう:「え、シンプルに酷くない!?」
おぜ:「うん」
あかし:「おぜ、せめて何か言おうよ」
おぜ:「うん」
あかし:「……」
おぜ:「うん」
あかし:「まだ何も言ってないけど!?」
いけだ:「とにかく、何で急に怪談話しようってなったの?」
あかし:「いや、たまたま」
いけだ:「何の拍子があって、たまたまなんだよ!」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ、君はちょくちょくと入ってくるね!?」
おぜ:「うん」
いけだ:「……」
おぜ:「うん」
いけだ:「何も言ってませんけど!?」
あかし:「それはさて置き、この真っ昼間に良い歳した5人中誰1人とて外出しない暇人共に、娯楽を与えようとしておるのだよ!」
いけだ:「え、誰キャラの設定?」
うちだ:「待った、ちょっとストップ」
あかし:「何だね、暇人③(まるさん)」
うちだ:「誰が暇人③(まるさん)だ!…じゃなくて、その口振りさ、まさか…今やろうとしてる?」
あかし:「今以外何時がある?」
うちだ:「夜だよ!こんなお天道様昇ってる時よりは、暗い方が良くないですか?」
あかし:「夜は…ちょっとエッチじゃん」
うちだ:「おめぇは小学生か!」
おぜ:「うん」
うちだ:「いやおぜ、「うん」じゃねぇよ!」
おぜ:「うん」
うちだ:「なに?おぜは小学生なのかな?」
おぜ:「うん」
うちだ:「……」
あかし:「おぜ」
おぜ:「うん」
あかし:「うっちーの事、好きか?」
おぜ:「(即答で)いや、それは無い」
うちだ:「何で即答ではっきり答えるんだよ!」
えんどう:「あかし」
あかし:「何だ、暇人④(まるよん)の馬鹿」
えんどう:「馬鹿は余計じゃないっすか!?」
いけだ:「いいから話せ、能無し」
えんどう:「君も扱い酷くない!?…まぁいいや、(ここから通販番組の商品説明風な口調で)あぁ、怪談話がやりたい!けど明るいし、まだこんな時間!」
うちだ:「何あの…胡散臭い通販番組的な口調は」
えんどう:「そんな時には…これダァ!雨戸を閉めて、明かり代わりに蝋燭を立てる!ドヤァ!」
0:3秒間を空ける
おぜ:「うん」
えんどう:「おぉ!おぜくぅん!賛同してくれるのかね!」
おぜ:「うん」
あかし:「待て、こいつの返事は信用出来ん」
おぜ:「うん」
うちだ:「あり得るわね…」
おぜ:「うん」
いけだ:「彼女出来た?」
おぜ:「うん」
うちだ:「信用出来ないからどっちかの返事か分からないし、そして何でその質問?」
いけだ:「何となく」
えんどう:「おぜくん、今日の朝に何食べた?」
おぜ:「(めっちゃ発音良く)エッグ オブァー ライス」
あかし:「何故に卵かけご飯を英語で言ったの?」
いけだ:「さらにそこは「うん」じゃないんだ…」
うちだ:「でも、雨戸を閉めるのは賛成ね!外からの光を遮るし」
あかし:「よぉーし、至るところの窓を塞げ塞げ!」
0:3秒間を空ける
いけだ:「まぁ、雨戸は閉まって暗くはなったよな?」
うちだ:「でも、肝心の蝋燭が無いよな?」
えんどう:「そういや何か、あかしさんが持ってくるらしいですよ?」
おぜ:「うん」
あかし:「はいお待たせ!」
いけだ:「おぉ!雰囲気出るね…って、あれ?」
えんどう:「何か…めっちゃ良い匂いしますね」
あかし:「蝋燭がこれしか無くてな…アロマキャンドル」
うちだ:「似合わなっ!」
いけだ:「まぁでも、背に腹は変えられんか…」
おぜ:「うん」
あかし:「よし、とりあえずシステムは…各々の前にアロマキャンドルが置いてあるから、自分の怪談話が終わり次第、それを吹き消してくれ」
えんどう:「もう蝋燭じゃなくて、アロマキャンドルって言っちゃってますやん」
あかし:「細かいことは気にするな!それで、最初は誰が行くか?」
いけだ:「じゃあ最初は私から行こう」
0:怪談話の始まり始まり
いけだ:「これは…バイト先の先輩から聞いた実体験…」
うちだ:「1発目から急に実体験!?」
いけだ:「静かに聞いとけよ…」
うちだ:「ご…ごめん…」
いけだ:「当時、その先輩はバイト先からチャリで5分のところのアパートに1人暮らししていた」
いけだ:「ある日、深夜に帰ってきた先輩は帰ってきて早々にトイレに入ったんだ。そして用を足し、出ようとした瞬間…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「(出来るだけ大きい声で)バタンっ!」
えんどう:「えっ」
いけだ:「急に勢いよくドアを閉めた音が聞こえた。咄嗟に先輩はトイレの鍵を閉めたんだ」
いけだ:「おかしい…例え1人暮らしとは言え、トイレの鍵は開けていても、玄関の鍵は閉めるはずだ…と。そう思っていた時、トイレのドアノブが回り…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「(出来るだけ大きい声で)ガタガタガタガタ!ガタガタガタガタ!…ドアを必死に開けようと揺らしてきたんだ」
いけだ:「それも激しく…しばらくその状況を耐え、ドアの揺れが止んだ瞬間…トイレから出たんだ」
いけだ:「すると、誰も居なかった。玄関を確認したら鍵は掛けてあったそうだ。そして明かりを付け、ふと下を向くと…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「黒い足跡と共に、明らかに自分のでは無い長い髪の毛があった」
あかし:「こ…怖ぇ…」
いけだ:「これで、私の話は終わり」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
あかし:「それで、その先輩はどうなったんだ?」
いけだ:「あぁ、その先輩は引っ越したらしいんだ…不気味だし怖いしって事で…」
いけだ:「次は、誰行く?」
うちだ:「あんたの次に行ける訳ないでしょうが!なにガチガチな怪談を披露しちゃってくれてんのよ!」
おぜ:「うん」
えんどう:「おぜくん、次行く?」
おぜ:「うん」
あかし:「…どっち?」
0:3秒、間をあける
おぜ:「これは、自分が体験した話で…」
うちだ:「あっ、怪談する方の「うん」だ」
いけだ:「だから静かに聞きなよ」
うちだ:「ごめんごめん」
おぜ:「晩ご飯を食べた後、お風呂に入ったんだ。頭を流し、シャンプーで3回髪を洗った。すると、洗っている最中にある違和感を覚えた」
えんどう:「後ろに誰か居たのか?」
おぜ:「いや、とてつもなく…じわじわと熱かったのさ…」
あかし:「じわじわと…」
いけだ:「…あれ?」
おぜ:「そしてそれが、痛みに変わったんだ…」
いけだ:「うん、きっとそれは…目だな?」
あかし:「え?」
うちだ:「え?」
えんどう:「はい?」
おぜ:「な…何で分かったんだ!」
いけだ:「シャンプーしてて目に入った瞬間、痛みの前に温かく感じたんだろ?」
おぜ:「あ…うん」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「え、もう終わり!?それだけ!?それで怖がると思ったの!?」
うちだ:「恐ろしいわね…」
えんどう:「恐怖でしかない…」
あかし:「あぁ…そうだな」
いけだ:「え、どこが!?」
うちだ:「おぜが、3回シャンプーしてるだなんて…」
いけだ:「いや、そこ!?」
あかし:「どうりでシャンプーを買う頻度が増えた訳だ…恐ろしい」
いけだ:「それはそれで怖い……訳無いだろっ!?」
えんどう:「シャンプーハットをしないでシャンプーするだなんて…恐ろしい」
いけだ:「いや」
うちだ:「それは」
あかし:「無い」
えんどう:「僕の扱い酷くないっすか!?」
おぜ:「うん」
えんどう:「おぜくんまで…」
あかし:「んで、次は誰だ」
えんどう:「僕が行きましょう!」
0:3秒間を空ける
えんどう:「これは、僕の幼馴染の話でね…その幼馴染は大学の時、彼女と同棲していた時期があった」
えんどう:「ある日、急な腹痛に見舞われてトイレに入ろうとすると、彼女がその前に入っていたんだ」
あかし:「ドンマイとしか言い様が無いな」
えんどう:「そして、彼女がようやく出てきたと同時にトイレに入り、ズボンを下ろし、座った瞬間に開放感に包まれた」
うちだ:「このトイレ実況はなに?」
えんどう:「しっ、話はここから!」
うちだ:「うわ…何かムカつく、その顔」
えんどう:「そしてケツを拭こうと、トイレットペーパーを手に巻き付け、ケツにその手を差し伸ばした。すると…」
0:3秒間を空ける
えんどう:「ベチョ…」
いけだ:「え?」
えんどう:「いや、だからベチョって…」
いけだ:「いや、分かってるのよ!その続きを言えよ!」
えんどう:「その時まで気づかなかったんだ…」
うちだ:「うん」
あかし:「うん」
いけだ:「うん」
おぜ:「うん」
えんどう:「便器の蓋が…閉まっていた事に…」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「いやこれ、怪談じゃねぇよ!」
えんどう:「いや何で!?怖いやん」
いけだ:「違うのよ、これは「汚い話」なのよ!」
おぜ:「うん」
いけだ:「ちなみに、おぜは痛い話だからな!」
おぜ:「うん…え?」
あかし:「まぁ一応、キャンドル消したし…次行ってみるか」
いけだ:「次、誰行く?」
うちだ:「あっ、私行く!」
0:3秒間を空ける
うちだ:「これは私が聞いた、とある人のエピソードであぁる!」
あかし:「怪談話の割には明るいな」
えんどう:「それ思います」
うちだ:「はい、野郎は黙ってて!」
おぜ:「うん」
うちだ:「まぁ…とある人って言っても、当時高校の時にいた友人Aちゃんなんだけどね!」
うちだ:「そのAちゃん、屋上でとある男の子に告白されていたの。でもその子には彼氏が居たんだけど、何故かオーケーしたのよ」
うちだ:「その後に「今の彼氏と別れてくる」って言ったんだと…」
いけだ:「その時点で怖ぁ…」
あかし:「付き合っていた彼氏よりは、そっちがさぞ良かったんだろな」
うちだ:「でもその2日後の休みの日、SNSに別れるはずの彼氏とディスティニーランドでのツーショット写真が投稿されていたの」
うちだ:「しかも写真には「うちら、いつまでも一緒」って言葉が添えられていたんだよ!」
いけだ:「怖ぇ…」
えんどう:「ディスティニーランドでの別れ話?」
いけだ:「どういうサプライズ!?」
うちだ:「その翌日に私聞いたんだよ、屋上で告白してオーケーした彼はどうなったの?って!そしたら…」
0:3秒間を空ける
うちだ:「「彼は遊びでオッケーしただけだから」だってさ…」
いけだ:「うわぁ…」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ、せめて何か言えよ」
おぜ:「うん」
いけだ:「……」
おぜ:「うん」
いけだ:「何も言ってませんけど!?」
うちだ:「これで、私の話は終わりね」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「うん、だからこれさ!怪談じゃないし!」
あかし:「はっ、そういえばそうだ」
いけだ:「これ単なる「怖い女の話」だから!」
えんどう:「はっ、確かにっす」
おぜ:「うんうん」
いけだ:「あっ」
あかし:「「うん」が一個」
えんどう:「増えたような」
うちだ:「気がした」
あかし:「じゃあ最後は俺だな」
いけだ:「ヒュー…この流れ的に期待出来ねぇ」
0:3秒間を空ける
あかし:「これは、ある知人から聞いた話だ。その知人の友人が、当時新卒で就職するために一人暮らしをしたんだ」
あかし:「その部屋は広いながらも家賃が安かったんだ」
えんどう:「事故物件かな…」
いけだ:「あり得る」
あかし:「しかし、その友人はあまり仕事に馴染めず、いじめられ、それが半年続いた頃に…休職したんだ」
うちだ:「私だったら即辞めるわぁ…」
おぜ:「うん」
あかし:「休職していても、頻繁に上司からの電話が日中掛かってきたり」
あかし:「仕舞いには、家にさえ押しかけてくるようにもなった。それがストレスになり…」
0:3秒間を空ける
あかし:「彼は自分の部屋で首を吊った」
0:3秒間を空ける
あかし:「それから1週間後に、下の階の住人からのクレームにより発見されたという…」
あかし:「おそらく、フローリングが腐って下の階の部屋に滴り落ちてたのかもな」
えんどう:「わぁ…」
いけだ:「まともに怖いけど、これ怪談なのか?」
あかし:「まだ続きはある。それからその部屋には出ると言われているんだ…」
あかし:「「嫌だ…嫌だぁぁぁあ…」と叫ぶ声、そして吊られていたその場所で…」
おぜ:「(遮るように)それなら俺、ちょっとしたものを見たよ?」
いけだ:「え、話の途中に?またシャンプー?」
おぜ:「いやまぁ、そのシャンプーの話の後になるんだけど…」
えんどう:「なになに?」
おぜ:「今俺らが座っているリビングのここに居たんだよ」
うちだ:「何を?」
おぜ:「暗くてよく見えなかったんだけど、棒立ちしてたんだよ」
あかし:「それって何時ごろだ?」
おぜ:「えっと…0時半かな?」
いけだ:「大抵みんな各々の部屋にいるよな?」
あかし:「さぁ、俺の話は終わりだ」
いけだ:「待って、その話のオチは…?」
あかし:「え、だから…」
0:3秒間を空ける
あかし:「この部屋がその事故物件って事さ、ほらみんなの後ろに…」
いけだ:「え?」
うちだ:「え?」
えんどう:「え?」
おぜ:「うん?」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
あかし:「これで、みんなの怪談は終わりだ。それとも、6人目の怪談を聞くかい?」
いけだ:「聞いて溜まるかっ!」
うちだ:「ここ出ていってやるわよ!」
えんどう:「おしっこ漏れちゃった…」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ…最後くらい…」
0:おぜ以外、揃って…
あかし:「何か言えやっ!」
いけだ:「何か言えやっ!」
うちだ:「何か言えやっ!」
えんどう:「何か言えやっ!」
あかし:「よぉーし、怪談話しようぜ!」
いけだ:(N)あかしによる急な季節外れの提案に、あかしの家のルームメイトである、いけだの俺含め、うちだ、えんどう、おぜの5人は巻き込まれたのであった。
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いけだ:『その怪談、ちょっと待った』
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うちだ:「まぁ良いけど、この季節に?」
あかし:「この季節だからこそだ!」
えんどう:「この季節だからこそやるという意味が分からない…分からなすぎる」
あかし:「君は馬鹿だから仕方ない」
えんどう:「え、シンプルに酷くない!?」
おぜ:「うん」
あかし:「おぜ、せめて何か言おうよ」
おぜ:「うん」
あかし:「……」
おぜ:「うん」
あかし:「まだ何も言ってないけど!?」
いけだ:「とにかく、何で急に怪談話しようってなったの?」
あかし:「いや、たまたま」
いけだ:「何の拍子があって、たまたまなんだよ!」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ、君はちょくちょくと入ってくるね!?」
おぜ:「うん」
いけだ:「……」
おぜ:「うん」
いけだ:「何も言ってませんけど!?」
あかし:「それはさて置き、この真っ昼間に良い歳した5人中誰1人とて外出しない暇人共に、娯楽を与えようとしておるのだよ!」
いけだ:「え、誰キャラの設定?」
うちだ:「待った、ちょっとストップ」
あかし:「何だね、暇人③(まるさん)」
うちだ:「誰が暇人③(まるさん)だ!…じゃなくて、その口振りさ、まさか…今やろうとしてる?」
あかし:「今以外何時がある?」
うちだ:「夜だよ!こんなお天道様昇ってる時よりは、暗い方が良くないですか?」
あかし:「夜は…ちょっとエッチじゃん」
うちだ:「おめぇは小学生か!」
おぜ:「うん」
うちだ:「いやおぜ、「うん」じゃねぇよ!」
おぜ:「うん」
うちだ:「なに?おぜは小学生なのかな?」
おぜ:「うん」
うちだ:「……」
あかし:「おぜ」
おぜ:「うん」
あかし:「うっちーの事、好きか?」
おぜ:「(即答で)いや、それは無い」
うちだ:「何で即答ではっきり答えるんだよ!」
えんどう:「あかし」
あかし:「何だ、暇人④(まるよん)の馬鹿」
えんどう:「馬鹿は余計じゃないっすか!?」
いけだ:「いいから話せ、能無し」
えんどう:「君も扱い酷くない!?…まぁいいや、(ここから通販番組の商品説明風な口調で)あぁ、怪談話がやりたい!けど明るいし、まだこんな時間!」
うちだ:「何あの…胡散臭い通販番組的な口調は」
えんどう:「そんな時には…これダァ!雨戸を閉めて、明かり代わりに蝋燭を立てる!ドヤァ!」
0:3秒間を空ける
おぜ:「うん」
えんどう:「おぉ!おぜくぅん!賛同してくれるのかね!」
おぜ:「うん」
あかし:「待て、こいつの返事は信用出来ん」
おぜ:「うん」
うちだ:「あり得るわね…」
おぜ:「うん」
いけだ:「彼女出来た?」
おぜ:「うん」
うちだ:「信用出来ないからどっちかの返事か分からないし、そして何でその質問?」
いけだ:「何となく」
えんどう:「おぜくん、今日の朝に何食べた?」
おぜ:「(めっちゃ発音良く)エッグ オブァー ライス」
あかし:「何故に卵かけご飯を英語で言ったの?」
いけだ:「さらにそこは「うん」じゃないんだ…」
うちだ:「でも、雨戸を閉めるのは賛成ね!外からの光を遮るし」
あかし:「よぉーし、至るところの窓を塞げ塞げ!」
0:3秒間を空ける
いけだ:「まぁ、雨戸は閉まって暗くはなったよな?」
うちだ:「でも、肝心の蝋燭が無いよな?」
えんどう:「そういや何か、あかしさんが持ってくるらしいですよ?」
おぜ:「うん」
あかし:「はいお待たせ!」
いけだ:「おぉ!雰囲気出るね…って、あれ?」
えんどう:「何か…めっちゃ良い匂いしますね」
あかし:「蝋燭がこれしか無くてな…アロマキャンドル」
うちだ:「似合わなっ!」
いけだ:「まぁでも、背に腹は変えられんか…」
おぜ:「うん」
あかし:「よし、とりあえずシステムは…各々の前にアロマキャンドルが置いてあるから、自分の怪談話が終わり次第、それを吹き消してくれ」
えんどう:「もう蝋燭じゃなくて、アロマキャンドルって言っちゃってますやん」
あかし:「細かいことは気にするな!それで、最初は誰が行くか?」
いけだ:「じゃあ最初は私から行こう」
0:怪談話の始まり始まり
いけだ:「これは…バイト先の先輩から聞いた実体験…」
うちだ:「1発目から急に実体験!?」
いけだ:「静かに聞いとけよ…」
うちだ:「ご…ごめん…」
いけだ:「当時、その先輩はバイト先からチャリで5分のところのアパートに1人暮らししていた」
いけだ:「ある日、深夜に帰ってきた先輩は帰ってきて早々にトイレに入ったんだ。そして用を足し、出ようとした瞬間…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「(出来るだけ大きい声で)バタンっ!」
えんどう:「えっ」
いけだ:「急に勢いよくドアを閉めた音が聞こえた。咄嗟に先輩はトイレの鍵を閉めたんだ」
いけだ:「おかしい…例え1人暮らしとは言え、トイレの鍵は開けていても、玄関の鍵は閉めるはずだ…と。そう思っていた時、トイレのドアノブが回り…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「(出来るだけ大きい声で)ガタガタガタガタ!ガタガタガタガタ!…ドアを必死に開けようと揺らしてきたんだ」
いけだ:「それも激しく…しばらくその状況を耐え、ドアの揺れが止んだ瞬間…トイレから出たんだ」
いけだ:「すると、誰も居なかった。玄関を確認したら鍵は掛けてあったそうだ。そして明かりを付け、ふと下を向くと…」
0:3秒間を空ける
いけだ:「黒い足跡と共に、明らかに自分のでは無い長い髪の毛があった」
あかし:「こ…怖ぇ…」
いけだ:「これで、私の話は終わり」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
あかし:「それで、その先輩はどうなったんだ?」
いけだ:「あぁ、その先輩は引っ越したらしいんだ…不気味だし怖いしって事で…」
いけだ:「次は、誰行く?」
うちだ:「あんたの次に行ける訳ないでしょうが!なにガチガチな怪談を披露しちゃってくれてんのよ!」
おぜ:「うん」
えんどう:「おぜくん、次行く?」
おぜ:「うん」
あかし:「…どっち?」
0:3秒、間をあける
おぜ:「これは、自分が体験した話で…」
うちだ:「あっ、怪談する方の「うん」だ」
いけだ:「だから静かに聞きなよ」
うちだ:「ごめんごめん」
おぜ:「晩ご飯を食べた後、お風呂に入ったんだ。頭を流し、シャンプーで3回髪を洗った。すると、洗っている最中にある違和感を覚えた」
えんどう:「後ろに誰か居たのか?」
おぜ:「いや、とてつもなく…じわじわと熱かったのさ…」
あかし:「じわじわと…」
いけだ:「…あれ?」
おぜ:「そしてそれが、痛みに変わったんだ…」
いけだ:「うん、きっとそれは…目だな?」
あかし:「え?」
うちだ:「え?」
えんどう:「はい?」
おぜ:「な…何で分かったんだ!」
いけだ:「シャンプーしてて目に入った瞬間、痛みの前に温かく感じたんだろ?」
おぜ:「あ…うん」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「え、もう終わり!?それだけ!?それで怖がると思ったの!?」
うちだ:「恐ろしいわね…」
えんどう:「恐怖でしかない…」
あかし:「あぁ…そうだな」
いけだ:「え、どこが!?」
うちだ:「おぜが、3回シャンプーしてるだなんて…」
いけだ:「いや、そこ!?」
あかし:「どうりでシャンプーを買う頻度が増えた訳だ…恐ろしい」
いけだ:「それはそれで怖い……訳無いだろっ!?」
えんどう:「シャンプーハットをしないでシャンプーするだなんて…恐ろしい」
いけだ:「いや」
うちだ:「それは」
あかし:「無い」
えんどう:「僕の扱い酷くないっすか!?」
おぜ:「うん」
えんどう:「おぜくんまで…」
あかし:「んで、次は誰だ」
えんどう:「僕が行きましょう!」
0:3秒間を空ける
えんどう:「これは、僕の幼馴染の話でね…その幼馴染は大学の時、彼女と同棲していた時期があった」
えんどう:「ある日、急な腹痛に見舞われてトイレに入ろうとすると、彼女がその前に入っていたんだ」
あかし:「ドンマイとしか言い様が無いな」
えんどう:「そして、彼女がようやく出てきたと同時にトイレに入り、ズボンを下ろし、座った瞬間に開放感に包まれた」
うちだ:「このトイレ実況はなに?」
えんどう:「しっ、話はここから!」
うちだ:「うわ…何かムカつく、その顔」
えんどう:「そしてケツを拭こうと、トイレットペーパーを手に巻き付け、ケツにその手を差し伸ばした。すると…」
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えんどう:「ベチョ…」
いけだ:「え?」
えんどう:「いや、だからベチョって…」
いけだ:「いや、分かってるのよ!その続きを言えよ!」
えんどう:「その時まで気づかなかったんだ…」
うちだ:「うん」
あかし:「うん」
いけだ:「うん」
おぜ:「うん」
えんどう:「便器の蓋が…閉まっていた事に…」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「いやこれ、怪談じゃねぇよ!」
えんどう:「いや何で!?怖いやん」
いけだ:「違うのよ、これは「汚い話」なのよ!」
おぜ:「うん」
いけだ:「ちなみに、おぜは痛い話だからな!」
おぜ:「うん…え?」
あかし:「まぁ一応、キャンドル消したし…次行ってみるか」
いけだ:「次、誰行く?」
うちだ:「あっ、私行く!」
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うちだ:「これは私が聞いた、とある人のエピソードであぁる!」
あかし:「怪談話の割には明るいな」
えんどう:「それ思います」
うちだ:「はい、野郎は黙ってて!」
おぜ:「うん」
うちだ:「まぁ…とある人って言っても、当時高校の時にいた友人Aちゃんなんだけどね!」
うちだ:「そのAちゃん、屋上でとある男の子に告白されていたの。でもその子には彼氏が居たんだけど、何故かオーケーしたのよ」
うちだ:「その後に「今の彼氏と別れてくる」って言ったんだと…」
いけだ:「その時点で怖ぁ…」
あかし:「付き合っていた彼氏よりは、そっちがさぞ良かったんだろな」
うちだ:「でもその2日後の休みの日、SNSに別れるはずの彼氏とディスティニーランドでのツーショット写真が投稿されていたの」
うちだ:「しかも写真には「うちら、いつまでも一緒」って言葉が添えられていたんだよ!」
いけだ:「怖ぇ…」
えんどう:「ディスティニーランドでの別れ話?」
いけだ:「どういうサプライズ!?」
うちだ:「その翌日に私聞いたんだよ、屋上で告白してオーケーした彼はどうなったの?って!そしたら…」
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うちだ:「「彼は遊びでオッケーしただけだから」だってさ…」
いけだ:「うわぁ…」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ、せめて何か言えよ」
おぜ:「うん」
いけだ:「……」
おぜ:「うん」
いけだ:「何も言ってませんけど!?」
うちだ:「これで、私の話は終わりね」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
いけだ:「うん、だからこれさ!怪談じゃないし!」
あかし:「はっ、そういえばそうだ」
いけだ:「これ単なる「怖い女の話」だから!」
えんどう:「はっ、確かにっす」
おぜ:「うんうん」
いけだ:「あっ」
あかし:「「うん」が一個」
えんどう:「増えたような」
うちだ:「気がした」
あかし:「じゃあ最後は俺だな」
いけだ:「ヒュー…この流れ的に期待出来ねぇ」
0:3秒間を空ける
あかし:「これは、ある知人から聞いた話だ。その知人の友人が、当時新卒で就職するために一人暮らしをしたんだ」
あかし:「その部屋は広いながらも家賃が安かったんだ」
えんどう:「事故物件かな…」
いけだ:「あり得る」
あかし:「しかし、その友人はあまり仕事に馴染めず、いじめられ、それが半年続いた頃に…休職したんだ」
うちだ:「私だったら即辞めるわぁ…」
おぜ:「うん」
あかし:「休職していても、頻繁に上司からの電話が日中掛かってきたり」
あかし:「仕舞いには、家にさえ押しかけてくるようにもなった。それがストレスになり…」
0:3秒間を空ける
あかし:「彼は自分の部屋で首を吊った」
0:3秒間を空ける
あかし:「それから1週間後に、下の階の住人からのクレームにより発見されたという…」
あかし:「おそらく、フローリングが腐って下の階の部屋に滴り落ちてたのかもな」
えんどう:「わぁ…」
いけだ:「まともに怖いけど、これ怪談なのか?」
あかし:「まだ続きはある。それからその部屋には出ると言われているんだ…」
あかし:「「嫌だ…嫌だぁぁぁあ…」と叫ぶ声、そして吊られていたその場所で…」
おぜ:「(遮るように)それなら俺、ちょっとしたものを見たよ?」
いけだ:「え、話の途中に?またシャンプー?」
おぜ:「いやまぁ、そのシャンプーの話の後になるんだけど…」
えんどう:「なになに?」
おぜ:「今俺らが座っているリビングのここに居たんだよ」
うちだ:「何を?」
おぜ:「暗くてよく見えなかったんだけど、棒立ちしてたんだよ」
あかし:「それって何時ごろだ?」
おぜ:「えっと…0時半かな?」
いけだ:「大抵みんな各々の部屋にいるよな?」
あかし:「さぁ、俺の話は終わりだ」
いけだ:「待って、その話のオチは…?」
あかし:「え、だから…」
0:3秒間を空ける
あかし:「この部屋がその事故物件って事さ、ほらみんなの後ろに…」
いけだ:「え?」
うちだ:「え?」
えんどう:「え?」
おぜ:「うん?」
0:目の前のアロマキャンドルを吹き消す
あかし:「これで、みんなの怪談は終わりだ。それとも、6人目の怪談を聞くかい?」
いけだ:「聞いて溜まるかっ!」
うちだ:「ここ出ていってやるわよ!」
えんどう:「おしっこ漏れちゃった…」
おぜ:「うん」
いけだ:「おぜ…最後くらい…」
0:おぜ以外、揃って…
あかし:「何か言えやっ!」
いけだ:「何か言えやっ!」
うちだ:「何か言えやっ!」
えんどう:「何か言えやっ!」