台本概要
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タイトル | Piece of Memory |
---|---|
作者名 | レイフロ (@nana75927107) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
幼馴染を助けるために記憶を取り戻せ! ↓レイフロ作の声劇台本はHPに全作品載っています。 https://reifuro12daihon.amebaownd.com ↓生声劇張り付け用にどうぞ ―――――――― Piece of Memory 作:レイフロ 葉月♀: 秋人♂: ―――――――― 121 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
秋人 | 男 | 79 | あきひと。20歳。葉月の幼なじみ。責任感が強く、行動的。 |
葉月 | 女 | 81 | はづき。18歳。明るい性格。就職のためド田舎から都会へ出てきて1年目。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
葉月:(N)私はその日…道端で『幼なじみ』を拾った。
0:
0:
0:(間)
0:
0:
葉月:あー疲れた。これは帰ったらすぐ寝ちゃうやつだなぁ…ふあぁ(あくび)。
葉月:ん?アパートの前に誰かいる…?え?人が倒れてるっ?ちょっ嘘でしょ?大丈夫ですか?!
秋人:んん…
葉月:もしかして酔っ払い?なんだ、びっくりしたぁ…。ねぇ!あなた、こんなところで寝てたら風邪ひきますよー?
秋人:ん…?あっ!見、つけた…!葉月(はづき)っ…!
葉月:は?どうして私の名前…?
秋人:何言ってんだ!まさか…俺がわからないのか?
葉月:あなた誰?なんで私の名前知ってるの?あっ、もしかして同じアパートの人だったりする?
秋人:本当に…わからないのか?
葉月:あー…もしかしてお隣さんとか?
葉月:えっと私、実はご近所付き合いがちょっと苦手で…お隣さんとかだったらほんとすみません…
0:
0:
秋人:(N)俺は、葉月の失われた「大切な記憶」を思い出させるためにここまで来た。
秋人:まずはその失われた記憶が何なのか探らなくてはならなかったが、俺のことを忘れているということはまさか…。
秋人:葉月にとっての「大切な記憶」は「俺」なのだろうか…?
0:
0:
秋人:(小声)やっかいなことになったな…
葉月:ほんとに大丈夫?顔色悪いみたいだけど…
0:
0:
秋人:(N)葉月にいきなり俺のことを思い出せと言っても、きっと困惑するだけだろう。ここは一旦合わせて、普通に接してみることにした。
0:
0:
秋人:葉月、ケンカして家を飛び出したのは悪かったよ。数日どこほっつき歩いてたんだって言いたいんだろ?
秋人:でも同居人に向かって「あなた誰」は酷いんじゃねーのか?
葉月:は?同居人?誰の?
秋人:誰のって、お前のに決まってるだろ?
葉月:はぁー?
0:
0:
葉月:(N)男は、なんとか立ち上がったもののひどくフラついていた。家はどこなのかと訪ねても私とルームシェアをしていると言い張る始末。
葉月:どうしようかと考えあぐねていると、男はおもむろにジーンズのポケットに入っていたキーケースを取り出し、鍵を取り出した。
0:
0:
葉月:それ?!私の家の鍵?
秋人:当然だろ。一緒に住んでるんだから。これでもまだしらばっくれるつもりか?ふざけるのも大概にしろよ。
葉月:ふざけてるのはそっちでしょ?!私が男の人とルームシェアだなんて!
秋人:はいはい。(あしらう感じ)
0:
0:
葉月:(N)男との会話は全く埒が明かず、これ以上夜中に外で言い合いをするのもまずい。私の部屋の鍵を持っていることも詳しく聞かなければならないし、しょうがなく私たちは一緒に家に入ることにした。
葉月:男は「秋人(あきひと)」という名で、歳は私の二つ上。しかも私とは地元が一緒で幼なじみだと言う。私はそれを聞いてもやはりこの男に心当たりはなかった。
0:
0:
秋人:本当にわからないのか?試しに俺のこと呼んでみろよ。
葉月:秋人、さん…?
秋人:「秋人さん」…か。
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0:
葉月:(N)口に出してみてもピンと来なかった。まさか幼なじみで同居人の顔を忘れるなんてことがあるだろうか?
葉月:私は一人暮らしのはずだ、社会人になってから今までずっと!
0:
0:
秋人:葉月、大丈夫か…?
葉月:なんか頭痛い…
秋人:ん、仕事で疲れてんのかもな。とにかく今日はもう休んだ方がいい。
葉月:ねぇ、ルームシェアしているって言うならあなたの部屋はどこなの?もうひと部屋あるけど、あそこは物置きにしているはずよ。
秋人:いや、そこが俺の部屋だよ。
葉月:嘘…
秋人:ほら、見てみろよ。
0:
0:
葉月:(N)秋人はそう言って、物置きにしていたはずの部屋の扉を開けると、そこには殺風景ではあるが布団や机があり、明らかに誰かが使っている気配があった。
0:
0:
葉月:そんな…。あなたと私、本当に一緒に住んでるの?
秋人:だからそうだって言ってるだろ?しっかりしてくれよ、葉月。
葉月:しっかりしろって言われても…。なんだか夢でも見てるみたい…
秋人:(ボソッと)夢、か…
葉月:秋人さん?
秋人:む…その他人行儀な呼び方は嫌だな。
葉月:だって私、本当にあなたのことがわからなくて…
秋人:(少し苛立って)呼び捨てでいいから「さん」付けはやめてくれ。
葉月:う、うん、わかった…秋人…ごめんなさい。
秋人:いや…俺の方こそごめん。とにかく今夜はゆっくり寝てくれ。明日になれば思い出してるかもしれないし。
葉月:そう、だね…
0:
0:
葉月:(N)本当に頭がどうかしてしまったのだろうか?秋人が家の鍵を持っていたことは事実だし、私を心配そうに覗き込む顔は嘘をついているようには見えない。
葉月:でもお酒を飲んでいるわけでもないし、どこかに頭をぶつけた覚えもない。急に記憶が抜け落ちるなんてことあるのだろうか…?
0:
0:
秋人:葉月?
葉月:あれ?そういえば私、昨日なに食べたっけ?仕事も行ったっけ…?
秋人:…お前はいつも自炊してるだろ?仕事だって休まず行ってるし…
葉月:おかしいよ!昨日以前のことがぼんやりしてて全然思い出せない…あなたやっぱり私に何かしたんじゃないの?!
秋人:落ち着けって。何かってなんだよ?毒でも盛ったっていうのか?!
秋人:忘れられて動揺してるのはむしろこっちの方なんだぞ?
葉月:あ…それも、そうか…。やっぱり私疲れてるのかな…。
秋人:多分そうだ。とにかくゆっくり寝ろよ?何かあったら夜中でも声かけてくれていいから。
葉月:…うん。
0:
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秋人:(N)混乱しながらも葉月はおとなしく自室に入っていった。俺は大きくため息をつく。葉月に会えたことはよかったが、時間はあまりない。
秋人:どうにかして、記憶を取り戻してもらわなければ、葉月だけじゃない…俺も危ないんだ…。
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秋人:くっ…絶対になんとかしてみせる…っ!
0:
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0:(間)
0:
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0:【朝】
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秋人:(電話)えぇ…はい…。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします…では失礼します。
葉月:あっ…!起きてスマホがないと思ったら!私のスマホで何してるのよ!
秋人:今日、お前の仕事は休みになった。謎の高熱が出たって言っておいたよ。
葉月:は?!熱なんか出てないし!
秋人:どれどれ?(額に手を当てる)
葉月:…触らないでっ!
葉月:(手を払いのける ※手とか叩いて音出して下さい)
秋人:熱がなくてもお前は調子が悪い。そうだろ?
葉月:調子なんて別に悪くなんか…
秋人:じゃあ思い出したんだな?俺のこと。
葉月:うっ…っそれは…
秋人:そら見ろ。それに、有給休暇もずっと使ってなかったんだ。いい機会じゃないか。
葉月:だからってそんな勝手に!
秋人:うん、そのことはすまん。でも俺はどうしても2日以内に…
葉月:ん?…2日以内に?
秋人:いや。こっちの話だ。…それより葉月、早く出かける準備をしてくれ。
葉月:出かけるってどこに?
秋人:そりゃあ俺たちが行くって言ったらカラオケだろ?
0:
0:
葉月:(N)秋人とのカラオケはとても楽しかった。彼の歌う歌は耳に心地よく、どの曲も聞き覚えがあるような気がした。
葉月:秋人が倒れているところを見つけた時は、ただの酔っ払いか、私を騙そうとしている新手の詐欺か何かだと疑いもしたけれど、気の知れた仲の良い友達でもない限り、こんなに楽しい気持ちにはならないような気がした。
0:
0:
葉月:ねぇ、秋人!次はこの曲一緒に歌おう?
秋人:…っ!その曲、俺たちがいつも歌ってるやつだって思い出したのか?!
葉月:え、そうなの?ごめん、わかんない…なんとなく一緒に歌えるような気がしたの…
0:
0:
秋人:(N)まだはっきりとは思い出せないようだが、葉月の中で俺の存在が全く消えているわけではない。早く思い出してもらいたいところだが、下手に二人の思い出をまくし立てて怖がられては困るし、混乱して拒絶されるのはもっと困る。
秋人:時間がないのは確かだが、楽しそうにしている葉月を見ていると、もうそれだけでいいような気もした。
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0:(間)
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0:
葉月:はぁ~なんだかんだで4時間も歌っちゃったね!楽しかった~
秋人:そうだな。疲れたし、ちょっとそこで休憩していくか。
葉月:賛成~!
秋人:えーと…アイスコーヒー1つ下さい。シロップなし、ミルクは3つで。
葉月:フフ…
秋人:ん?なんだ?
葉月:なにその飲み方~。
秋人:甘すぎるのも苦すぎるのも苦手なんだよ。
葉月:(笑いながら)変なの!
秋人:いいだろ?別に。
葉月:店員さんすみません!私にも同じのを1つ。
秋人:変なのって言ったくせに。
葉月:私、秋人のこと思い出したい!何かのきっかけになるかもしれないし、同じの飲んでみる!
秋人:葉月…
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0:
秋人:(N)この調子なら自然に俺のことを思い出してくれるかもしれない…
秋人:そんな淡い希望を持ち始めた時、突然頭にズキリと鋭い痛みが走った。
0:
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秋人:ぐっ…
葉月:秋人?どうかした?
秋人:いや…大丈夫だ。
葉月:ほんと?なんか顔色悪いよ?
秋人:葉月…今日はもうそろそろ帰ろう。
葉月:…?うん、わかった…。
0:
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秋人:(N)ノイズが始まった。頭の中でテレビの砂嵐のような雑音が聞こえ始めている。
秋人:医者は「この世界の時間」で、2~3日程度は大丈夫だろうと言っていたが…ここに来てからまだ二十四時間も経っていないはずだ。思ったよりも残り時間は少ないのかもしれない。
0:
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0:(間)
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葉月:ただいまーっと。頭痛薬あるよ、飲む?
秋人:いや、いらない…。それより、今日1日楽しかったか?
葉月:うん、ひさしぶりにカラオケで歌ったし、すごくはしゃいだ気がする!
秋人:そっか。ならよかった。…俺さ…
葉月:ん?
秋人:ノイズが酷くなって、何も聞こえなくなったらタイムリミットだって言われて「ココ」に来たんだ。
葉月:ノイズ?え、なんの話?
秋人:俺はもう少しで…死ぬほど辛い「現実」に戻らなきゃいけない。
葉月:秋人…?
秋人:一か八かの賭けだったし、駄目なら駄目で現実に戻ればいいって思ってた。でも、いつも通りのお前に会っちまったらもう無理だ…!
秋人:クソみたいな現実に戻ったって、俺を待ってるのは…!
葉月:ちょっと落ち着いてよ!何の話なの?!
秋人:…俺決めたよ。もう現実には戻らない。
葉月:私にもわかるように言って!一体何を決めたっていうのよ!
秋人:ごめん、突然わけわかんないよな?でもコレだけは言わせてくれ…助けてやれなくてごめん。許してくれ、葉月…
葉月:私の記憶から秋人が消えてることと何か関係あるのね?
秋人:…ああ。
葉月:正直、何が何なのか私には全然わからないけど、でも謝らないで。私が記憶をなくしたせいでこんなことになってるんだとしたら、秋人のせいじゃないよ。
秋人:葉月…
葉月:でも「現実に戻る」ってどういう意味なの?まさか、「ここは夢の中でした~」とか言い出さないわよね…?
秋人:少し違う…。ここはお前の頭の中なんだ。
葉月:は…?頭の中?
秋人:『記憶治療』って言葉、聞いたことあるか?
葉月:え?うん、前にニュースでチラッと。身体的には何も問題もないのに意識だけが戻らない人に行う治療でしょ?
葉月:意識が戻らない原因を探るために患者と脳を繋ぐとかなんとかって、倫理上の問題でものすごい批判が起こってたわよね…。
葉月:って、え?まさか…!
秋人:現実の葉月はいま、意識不明の状態なんだ…。事故にあって頭を強く打ってさ、手術は成功したんだけど、その時に重要な記憶がやられちまったらしくて…。
秋人:それを受け止めきれなかったお前の脳が、目覚めるのを拒否している。
葉月:その無くなった記憶を思い出せれば、私は現実で目を覚ます…ってことなの?
秋人:そう単純なことでもないけどな。記憶は完全に壊れちまってもう二度と思い出せない可能性もあるし、仮に思い出せても目覚めるかどうかは五分五分だそうだ。
秋人:でも俺は目覚める可能性を信じて記憶治療を申し出た。いまお前の脳と俺の意識は繋がっている状態なんだ。
葉月:そんな、信じられない…。でもそれってものすごく危険だって聞いたことがある!
葉月:意識を繋げてしまうと、もしその夢の中で死ぬようなことがあった場合、現実の方でも無事ではいられない可能性があるって…。
秋人:ああ、ここで俺が死ぬようなことがあれば現実の俺も脳死状態になる可能性はある。それに、長々と他人の脳に意識を移し続けるのも危ないと言われた。
秋人:でも俺は、危険を承知の上で…自分の意思でここに来たんだ!何もしなければお前はこのまま衰弱して死んじまう…!そんなの黙ってみてられるわけないだろ!
葉月:秋人、今すぐ現実に戻って!そうすれば秋人はまだ助かる!
秋人:嫌だ!
葉月:ここで私の夢に捉われていたら秋人の意識だって身体に戻れなくなって…それで、それで…
秋人:そんなこと気にしなくていい。
葉月:よくない!そんなの気にするに決まってるでしょ?!
秋人:いいんだ…。こんな形とはいえ、少しの時間でもこうやって元気なお前と会えて、声が聞けて、俺はもう満足なんだ…。
葉月:そんな危険なことまでして助けに来るって…私って、秋人の何なの…?
秋人:それは…。大切な人、だよ。
葉月:大切な、人…。ん?最初に私たちは幼なじみって言ってたけど…そ、それって、えっとそのぉ…
葉月:まさかとは思うけど、私と秋人はその、…つ、付き合って、たり…?
秋人:え?あ、俺たちはただの幼なじみだ!幼なじみなんだけど…つまりその、俺にとってはただの幼なじみじゃないというか…
秋人:あ、相性がいいというか?!(焦)
葉月:相性がいい?!なななな何の?!
秋人:何のって何だ!一体何を想像してるんだ!
秋人:ルームシェアしてるのだって、「都会は恐くてとてもじゃないけど一人で住む勇気がない」ってお前が言うから、先に地元を出ていった俺が仕方なくルームシェアをだなぁ!
秋人:いや、仕方ないこともなくもなくなくないけれども…?!(焦)
葉月:な、なんか怪しい!やっぱり私たち付き合ってるの?!ねぇ、そうならハッキリ言ってよ!?
秋人:落ち着け!早まるな!そんな関係じゃない!まだ!いやいやいや「まだ」っていうのはその…
秋人:もっと俺たちは…あっそうだ!運命的な!?(焦)
葉月:運命っっっ?!運命なのっ?!
秋人:いやいやいや誤解しないでくれ!
秋人:あーーっっ!なんて言えばいいんだぁぁぁ(混乱)
葉月:ぷっ…あははは
秋人:…葉月?
葉月:ごめんごめん、慌てるあーくんがあんまりおかしくてつい!あははは
秋人:またお前はそうやってからかって……ん?…今、「あーくん」って…
葉月:え?
秋人:え?!
葉月:私いま秋人のこと「あーくん」って言った?
秋人:言った…
葉月:言った、よね?
秋人:あぁ、確かに言った…!
葉月:私…思い出した…!思い出したよ…っ!あーくん!
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0:(間)
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0:(SE 心電図の音(ピッピッピッ…))
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秋人:葉月…葉月っ!頼む、目を開けてくれ!
葉月:…ん、…んン…。
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葉月:…あーくん…おはよう…!
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0:了
葉月:(N)私はその日…道端で『幼なじみ』を拾った。
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0:(間)
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葉月:あー疲れた。これは帰ったらすぐ寝ちゃうやつだなぁ…ふあぁ(あくび)。
葉月:ん?アパートの前に誰かいる…?え?人が倒れてるっ?ちょっ嘘でしょ?大丈夫ですか?!
秋人:んん…
葉月:もしかして酔っ払い?なんだ、びっくりしたぁ…。ねぇ!あなた、こんなところで寝てたら風邪ひきますよー?
秋人:ん…?あっ!見、つけた…!葉月(はづき)っ…!
葉月:は?どうして私の名前…?
秋人:何言ってんだ!まさか…俺がわからないのか?
葉月:あなた誰?なんで私の名前知ってるの?あっ、もしかして同じアパートの人だったりする?
秋人:本当に…わからないのか?
葉月:あー…もしかしてお隣さんとか?
葉月:えっと私、実はご近所付き合いがちょっと苦手で…お隣さんとかだったらほんとすみません…
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秋人:(N)俺は、葉月の失われた「大切な記憶」を思い出させるためにここまで来た。
秋人:まずはその失われた記憶が何なのか探らなくてはならなかったが、俺のことを忘れているということはまさか…。
秋人:葉月にとっての「大切な記憶」は「俺」なのだろうか…?
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秋人:(小声)やっかいなことになったな…
葉月:ほんとに大丈夫?顔色悪いみたいだけど…
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秋人:(N)葉月にいきなり俺のことを思い出せと言っても、きっと困惑するだけだろう。ここは一旦合わせて、普通に接してみることにした。
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秋人:葉月、ケンカして家を飛び出したのは悪かったよ。数日どこほっつき歩いてたんだって言いたいんだろ?
秋人:でも同居人に向かって「あなた誰」は酷いんじゃねーのか?
葉月:は?同居人?誰の?
秋人:誰のって、お前のに決まってるだろ?
葉月:はぁー?
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葉月:(N)男は、なんとか立ち上がったもののひどくフラついていた。家はどこなのかと訪ねても私とルームシェアをしていると言い張る始末。
葉月:どうしようかと考えあぐねていると、男はおもむろにジーンズのポケットに入っていたキーケースを取り出し、鍵を取り出した。
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葉月:それ?!私の家の鍵?
秋人:当然だろ。一緒に住んでるんだから。これでもまだしらばっくれるつもりか?ふざけるのも大概にしろよ。
葉月:ふざけてるのはそっちでしょ?!私が男の人とルームシェアだなんて!
秋人:はいはい。(あしらう感じ)
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葉月:(N)男との会話は全く埒が明かず、これ以上夜中に外で言い合いをするのもまずい。私の部屋の鍵を持っていることも詳しく聞かなければならないし、しょうがなく私たちは一緒に家に入ることにした。
葉月:男は「秋人(あきひと)」という名で、歳は私の二つ上。しかも私とは地元が一緒で幼なじみだと言う。私はそれを聞いてもやはりこの男に心当たりはなかった。
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秋人:本当にわからないのか?試しに俺のこと呼んでみろよ。
葉月:秋人、さん…?
秋人:「秋人さん」…か。
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葉月:(N)口に出してみてもピンと来なかった。まさか幼なじみで同居人の顔を忘れるなんてことがあるだろうか?
葉月:私は一人暮らしのはずだ、社会人になってから今までずっと!
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秋人:葉月、大丈夫か…?
葉月:なんか頭痛い…
秋人:ん、仕事で疲れてんのかもな。とにかく今日はもう休んだ方がいい。
葉月:ねぇ、ルームシェアしているって言うならあなたの部屋はどこなの?もうひと部屋あるけど、あそこは物置きにしているはずよ。
秋人:いや、そこが俺の部屋だよ。
葉月:嘘…
秋人:ほら、見てみろよ。
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葉月:(N)秋人はそう言って、物置きにしていたはずの部屋の扉を開けると、そこには殺風景ではあるが布団や机があり、明らかに誰かが使っている気配があった。
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葉月:そんな…。あなたと私、本当に一緒に住んでるの?
秋人:だからそうだって言ってるだろ?しっかりしてくれよ、葉月。
葉月:しっかりしろって言われても…。なんだか夢でも見てるみたい…
秋人:(ボソッと)夢、か…
葉月:秋人さん?
秋人:む…その他人行儀な呼び方は嫌だな。
葉月:だって私、本当にあなたのことがわからなくて…
秋人:(少し苛立って)呼び捨てでいいから「さん」付けはやめてくれ。
葉月:う、うん、わかった…秋人…ごめんなさい。
秋人:いや…俺の方こそごめん。とにかく今夜はゆっくり寝てくれ。明日になれば思い出してるかもしれないし。
葉月:そう、だね…
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葉月:(N)本当に頭がどうかしてしまったのだろうか?秋人が家の鍵を持っていたことは事実だし、私を心配そうに覗き込む顔は嘘をついているようには見えない。
葉月:でもお酒を飲んでいるわけでもないし、どこかに頭をぶつけた覚えもない。急に記憶が抜け落ちるなんてことあるのだろうか…?
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秋人:葉月?
葉月:あれ?そういえば私、昨日なに食べたっけ?仕事も行ったっけ…?
秋人:…お前はいつも自炊してるだろ?仕事だって休まず行ってるし…
葉月:おかしいよ!昨日以前のことがぼんやりしてて全然思い出せない…あなたやっぱり私に何かしたんじゃないの?!
秋人:落ち着けって。何かってなんだよ?毒でも盛ったっていうのか?!
秋人:忘れられて動揺してるのはむしろこっちの方なんだぞ?
葉月:あ…それも、そうか…。やっぱり私疲れてるのかな…。
秋人:多分そうだ。とにかくゆっくり寝ろよ?何かあったら夜中でも声かけてくれていいから。
葉月:…うん。
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秋人:(N)混乱しながらも葉月はおとなしく自室に入っていった。俺は大きくため息をつく。葉月に会えたことはよかったが、時間はあまりない。
秋人:どうにかして、記憶を取り戻してもらわなければ、葉月だけじゃない…俺も危ないんだ…。
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秋人:くっ…絶対になんとかしてみせる…っ!
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秋人:(電話)えぇ…はい…。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします…では失礼します。
葉月:あっ…!起きてスマホがないと思ったら!私のスマホで何してるのよ!
秋人:今日、お前の仕事は休みになった。謎の高熱が出たって言っておいたよ。
葉月:は?!熱なんか出てないし!
秋人:どれどれ?(額に手を当てる)
葉月:…触らないでっ!
葉月:(手を払いのける ※手とか叩いて音出して下さい)
秋人:熱がなくてもお前は調子が悪い。そうだろ?
葉月:調子なんて別に悪くなんか…
秋人:じゃあ思い出したんだな?俺のこと。
葉月:うっ…っそれは…
秋人:そら見ろ。それに、有給休暇もずっと使ってなかったんだ。いい機会じゃないか。
葉月:だからってそんな勝手に!
秋人:うん、そのことはすまん。でも俺はどうしても2日以内に…
葉月:ん?…2日以内に?
秋人:いや。こっちの話だ。…それより葉月、早く出かける準備をしてくれ。
葉月:出かけるってどこに?
秋人:そりゃあ俺たちが行くって言ったらカラオケだろ?
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葉月:(N)秋人とのカラオケはとても楽しかった。彼の歌う歌は耳に心地よく、どの曲も聞き覚えがあるような気がした。
葉月:秋人が倒れているところを見つけた時は、ただの酔っ払いか、私を騙そうとしている新手の詐欺か何かだと疑いもしたけれど、気の知れた仲の良い友達でもない限り、こんなに楽しい気持ちにはならないような気がした。
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葉月:ねぇ、秋人!次はこの曲一緒に歌おう?
秋人:…っ!その曲、俺たちがいつも歌ってるやつだって思い出したのか?!
葉月:え、そうなの?ごめん、わかんない…なんとなく一緒に歌えるような気がしたの…
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秋人:(N)まだはっきりとは思い出せないようだが、葉月の中で俺の存在が全く消えているわけではない。早く思い出してもらいたいところだが、下手に二人の思い出をまくし立てて怖がられては困るし、混乱して拒絶されるのはもっと困る。
秋人:時間がないのは確かだが、楽しそうにしている葉月を見ていると、もうそれだけでいいような気もした。
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葉月:はぁ~なんだかんだで4時間も歌っちゃったね!楽しかった~
秋人:そうだな。疲れたし、ちょっとそこで休憩していくか。
葉月:賛成~!
秋人:えーと…アイスコーヒー1つ下さい。シロップなし、ミルクは3つで。
葉月:フフ…
秋人:ん?なんだ?
葉月:なにその飲み方~。
秋人:甘すぎるのも苦すぎるのも苦手なんだよ。
葉月:(笑いながら)変なの!
秋人:いいだろ?別に。
葉月:店員さんすみません!私にも同じのを1つ。
秋人:変なのって言ったくせに。
葉月:私、秋人のこと思い出したい!何かのきっかけになるかもしれないし、同じの飲んでみる!
秋人:葉月…
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秋人:(N)この調子なら自然に俺のことを思い出してくれるかもしれない…
秋人:そんな淡い希望を持ち始めた時、突然頭にズキリと鋭い痛みが走った。
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秋人:ぐっ…
葉月:秋人?どうかした?
秋人:いや…大丈夫だ。
葉月:ほんと?なんか顔色悪いよ?
秋人:葉月…今日はもうそろそろ帰ろう。
葉月:…?うん、わかった…。
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秋人:(N)ノイズが始まった。頭の中でテレビの砂嵐のような雑音が聞こえ始めている。
秋人:医者は「この世界の時間」で、2~3日程度は大丈夫だろうと言っていたが…ここに来てからまだ二十四時間も経っていないはずだ。思ったよりも残り時間は少ないのかもしれない。
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葉月:ただいまーっと。頭痛薬あるよ、飲む?
秋人:いや、いらない…。それより、今日1日楽しかったか?
葉月:うん、ひさしぶりにカラオケで歌ったし、すごくはしゃいだ気がする!
秋人:そっか。ならよかった。…俺さ…
葉月:ん?
秋人:ノイズが酷くなって、何も聞こえなくなったらタイムリミットだって言われて「ココ」に来たんだ。
葉月:ノイズ?え、なんの話?
秋人:俺はもう少しで…死ぬほど辛い「現実」に戻らなきゃいけない。
葉月:秋人…?
秋人:一か八かの賭けだったし、駄目なら駄目で現実に戻ればいいって思ってた。でも、いつも通りのお前に会っちまったらもう無理だ…!
秋人:クソみたいな現実に戻ったって、俺を待ってるのは…!
葉月:ちょっと落ち着いてよ!何の話なの?!
秋人:…俺決めたよ。もう現実には戻らない。
葉月:私にもわかるように言って!一体何を決めたっていうのよ!
秋人:ごめん、突然わけわかんないよな?でもコレだけは言わせてくれ…助けてやれなくてごめん。許してくれ、葉月…
葉月:私の記憶から秋人が消えてることと何か関係あるのね?
秋人:…ああ。
葉月:正直、何が何なのか私には全然わからないけど、でも謝らないで。私が記憶をなくしたせいでこんなことになってるんだとしたら、秋人のせいじゃないよ。
秋人:葉月…
葉月:でも「現実に戻る」ってどういう意味なの?まさか、「ここは夢の中でした~」とか言い出さないわよね…?
秋人:少し違う…。ここはお前の頭の中なんだ。
葉月:は…?頭の中?
秋人:『記憶治療』って言葉、聞いたことあるか?
葉月:え?うん、前にニュースでチラッと。身体的には何も問題もないのに意識だけが戻らない人に行う治療でしょ?
葉月:意識が戻らない原因を探るために患者と脳を繋ぐとかなんとかって、倫理上の問題でものすごい批判が起こってたわよね…。
葉月:って、え?まさか…!
秋人:現実の葉月はいま、意識不明の状態なんだ…。事故にあって頭を強く打ってさ、手術は成功したんだけど、その時に重要な記憶がやられちまったらしくて…。
秋人:それを受け止めきれなかったお前の脳が、目覚めるのを拒否している。
葉月:その無くなった記憶を思い出せれば、私は現実で目を覚ます…ってことなの?
秋人:そう単純なことでもないけどな。記憶は完全に壊れちまってもう二度と思い出せない可能性もあるし、仮に思い出せても目覚めるかどうかは五分五分だそうだ。
秋人:でも俺は目覚める可能性を信じて記憶治療を申し出た。いまお前の脳と俺の意識は繋がっている状態なんだ。
葉月:そんな、信じられない…。でもそれってものすごく危険だって聞いたことがある!
葉月:意識を繋げてしまうと、もしその夢の中で死ぬようなことがあった場合、現実の方でも無事ではいられない可能性があるって…。
秋人:ああ、ここで俺が死ぬようなことがあれば現実の俺も脳死状態になる可能性はある。それに、長々と他人の脳に意識を移し続けるのも危ないと言われた。
秋人:でも俺は、危険を承知の上で…自分の意思でここに来たんだ!何もしなければお前はこのまま衰弱して死んじまう…!そんなの黙ってみてられるわけないだろ!
葉月:秋人、今すぐ現実に戻って!そうすれば秋人はまだ助かる!
秋人:嫌だ!
葉月:ここで私の夢に捉われていたら秋人の意識だって身体に戻れなくなって…それで、それで…
秋人:そんなこと気にしなくていい。
葉月:よくない!そんなの気にするに決まってるでしょ?!
秋人:いいんだ…。こんな形とはいえ、少しの時間でもこうやって元気なお前と会えて、声が聞けて、俺はもう満足なんだ…。
葉月:そんな危険なことまでして助けに来るって…私って、秋人の何なの…?
秋人:それは…。大切な人、だよ。
葉月:大切な、人…。ん?最初に私たちは幼なじみって言ってたけど…そ、それって、えっとそのぉ…
葉月:まさかとは思うけど、私と秋人はその、…つ、付き合って、たり…?
秋人:え?あ、俺たちはただの幼なじみだ!幼なじみなんだけど…つまりその、俺にとってはただの幼なじみじゃないというか…
秋人:あ、相性がいいというか?!(焦)
葉月:相性がいい?!なななな何の?!
秋人:何のって何だ!一体何を想像してるんだ!
秋人:ルームシェアしてるのだって、「都会は恐くてとてもじゃないけど一人で住む勇気がない」ってお前が言うから、先に地元を出ていった俺が仕方なくルームシェアをだなぁ!
秋人:いや、仕方ないこともなくもなくなくないけれども…?!(焦)
葉月:な、なんか怪しい!やっぱり私たち付き合ってるの?!ねぇ、そうならハッキリ言ってよ!?
秋人:落ち着け!早まるな!そんな関係じゃない!まだ!いやいやいや「まだ」っていうのはその…
秋人:もっと俺たちは…あっそうだ!運命的な!?(焦)
葉月:運命っっっ?!運命なのっ?!
秋人:いやいやいや誤解しないでくれ!
秋人:あーーっっ!なんて言えばいいんだぁぁぁ(混乱)
葉月:ぷっ…あははは
秋人:…葉月?
葉月:ごめんごめん、慌てるあーくんがあんまりおかしくてつい!あははは
秋人:またお前はそうやってからかって……ん?…今、「あーくん」って…
葉月:え?
秋人:え?!
葉月:私いま秋人のこと「あーくん」って言った?
秋人:言った…
葉月:言った、よね?
秋人:あぁ、確かに言った…!
葉月:私…思い出した…!思い出したよ…っ!あーくん!
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0:(間)
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0:(SE 心電図の音(ピッピッピッ…))
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秋人:葉月…葉月っ!頼む、目を開けてくれ!
葉月:…ん、…んン…。
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葉月:…あーくん…おはよう…!
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0:了