台本概要

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タイトル 地蔵
作者名 ねこつう  (@nekonotsuuro)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(不問3)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 傘地蔵のパロディです。
貧しいお爺さんが、大晦日の夜、傘を売りに行きましたが、傘は売れず帰り道を歩いていると、地蔵が話しかけてきて……


https://note.com/nekonotsuuro
から転載

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り 不問 - この物語の説明をする。
お爺さん 不問 6 大晦日の夜に傘を売ろうとするが、売れず帰り道を歩いていた。
地蔵 不問 3 なんか口の悪い変なお地蔵さま。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0: 昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。たいそう貧しい暮らしで、大晦日だというのに食べるものを買うお金がありません。お爺さんは、藁を編んで傘を作り、町に売りに行きました。しかし、人々は、年の瀬で忙しく、お爺さんが傘を売っているのにも関わらず、振り向きもいたしません。傘は一つも売れず、お爺さんは、雪が降る中、とぼとぼと帰り道を歩いていたのでした。そこにお地蔵様が一人立っておりました。 地蔵 :おい、そこのお前。何か面白い事を言え! お爺さん :はて? 何か聞こえる。わしは疲れ過ぎているのか? 早く帰って寝よう。 地蔵: お主、呆けたか? こっちだ。 お爺さん :なんと、お地蔵様がしゃべっておられる。 地蔵: いいから、面白い事を言え! お爺さん: お地蔵様、恐れながら、「面白い事を言え」と言われて、すぐに面白い事を言えるくらいなら、わしは、芸人として、成功し、金持ちになっております。 地蔵 :面白い事の一つや二つも言えぬのか! ここに1人でいると、詰まらん! わしは笑いに飢えているのだ! お爺さん :お地蔵様、恐れながら、面白いものを見たいなら、大喜利サイトとか、アプリとか、いくらでもあるではありませんか。無茶ぶりも大概にしてくださいませ。私は、川島明ではありません。 地蔵: 大喜利サイトとかアプリとか、川島とか、時代設定を間違えていないか? 何を言っておるのだ、お前は! お爺さん :お地蔵様、恐れながら、だいたい、このお話は、お地蔵様が六人いる話ではありませんか。なぜ、お一人なのです。 地蔵 :あとの五人は地獄大夫(じごくだゆう)の所に遊びに行った。たいそうな美人でのう。 お爺さん: お地蔵様、このお話は、若いご婦人も、お聞きになるかもしれませんが、恥ずかしゅうはありませんか? 地蔵 :地獄の沙汰も地蔵次第じゃ! 何の恐れることがあろうか! お爺さん: なんだか、いろいろ間違っているような気がいたしますが。お地蔵様は、なぜ、お一人だけ残っておられるのですか? 地蔵 :もう遊びに行く銭がすっからかんでな! お爺さん: お地蔵様、何やってんですか! あしたは、正月ですぞ! 地蔵 だーかーらー! つまんないから、面白い事を言えっと言っておる!  お爺さん: お地蔵様、恐れながら……わたくしが、お地蔵様に傘をかけて、宝物をうちに持ってきてくれる物語のはずなのに! 全然、話が違うじゃないですか! 地蔵 :何を頭の硬い事を言っておる! そんな事だから、仕事もうまくいかず、貧乏になるのだ! お爺さん: 恐れながら、お地蔵様……あなたのような最低の石頭に言われたくありませぬ……

0: 昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。たいそう貧しい暮らしで、大晦日だというのに食べるものを買うお金がありません。お爺さんは、藁を編んで傘を作り、町に売りに行きました。しかし、人々は、年の瀬で忙しく、お爺さんが傘を売っているのにも関わらず、振り向きもいたしません。傘は一つも売れず、お爺さんは、雪が降る中、とぼとぼと帰り道を歩いていたのでした。そこにお地蔵様が一人立っておりました。 地蔵 :おい、そこのお前。何か面白い事を言え! お爺さん :はて? 何か聞こえる。わしは疲れ過ぎているのか? 早く帰って寝よう。 地蔵: お主、呆けたか? こっちだ。 お爺さん :なんと、お地蔵様がしゃべっておられる。 地蔵: いいから、面白い事を言え! お爺さん: お地蔵様、恐れながら、「面白い事を言え」と言われて、すぐに面白い事を言えるくらいなら、わしは、芸人として、成功し、金持ちになっております。 地蔵 :面白い事の一つや二つも言えぬのか! ここに1人でいると、詰まらん! わしは笑いに飢えているのだ! お爺さん :お地蔵様、恐れながら、面白いものを見たいなら、大喜利サイトとか、アプリとか、いくらでもあるではありませんか。無茶ぶりも大概にしてくださいませ。私は、川島明ではありません。 地蔵: 大喜利サイトとかアプリとか、川島とか、時代設定を間違えていないか? 何を言っておるのだ、お前は! お爺さん :お地蔵様、恐れながら、だいたい、このお話は、お地蔵様が六人いる話ではありませんか。なぜ、お一人なのです。 地蔵 :あとの五人は地獄大夫(じごくだゆう)の所に遊びに行った。たいそうな美人でのう。 お爺さん: お地蔵様、このお話は、若いご婦人も、お聞きになるかもしれませんが、恥ずかしゅうはありませんか? 地蔵 :地獄の沙汰も地蔵次第じゃ! 何の恐れることがあろうか! お爺さん: なんだか、いろいろ間違っているような気がいたしますが。お地蔵様は、なぜ、お一人だけ残っておられるのですか? 地蔵 :もう遊びに行く銭がすっからかんでな! お爺さん: お地蔵様、何やってんですか! あしたは、正月ですぞ! 地蔵 だーかーらー! つまんないから、面白い事を言えっと言っておる!  お爺さん: お地蔵様、恐れながら……わたくしが、お地蔵様に傘をかけて、宝物をうちに持ってきてくれる物語のはずなのに! 全然、話が違うじゃないですか! 地蔵 :何を頭の硬い事を言っておる! そんな事だから、仕事もうまくいかず、貧乏になるのだ! お爺さん: 恐れながら、お地蔵様……あなたのような最低の石頭に言われたくありませぬ……