台本概要

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タイトル CHANGE MAID PARADISE
作者名 Oroるん  (@Oro90644720)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ラブコメ・・・を目指しました
※アドリブ全面的に可

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
トオル 139 大学生。
キョウカ 137 トオルの同級生。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:カフェにて トオル:良いじゃん良いじゃん、俺と付き合ってくれよぉ。 キョウカ:嫌!ぜぇったい嫌! トオル:ええー、別にいま彼氏居ないんだろ? キョウカ:居ないけど・・・ トオル:好きなやつは? キョウカ:居ないけど・・・ トオル:じゃあ、俺で良いじゃん。俺にしとけよぉ! キョウカ:嫌。 トオル:何でさあ。 キョウカ:アンタが嫌いだから。 トオル:しどい! キョウカ:大体さあ、私のことを好きになった理由が、もう嫌なのよね。 トオル:理由?キョウカが「ご奉仕学園メイドパラダイス!ウィンターアゲイン」に出てくるメイド長・鶴ヶ崎(つるがさき)シオンたんに似てたから? キョウカ:それよそれ。「エロゲのヒロインに似てたから好きになった」って言うの、どうなのよ? トオル:えー、良いじゃん。シオンたん、すごい人気なんだよ? キョウカ:嫌だよ。だってエロゲだよ?そのシオンってキャラも、ゲーム内でエロいことするわけでしょ? トオル:そりゃそうだよ。 キョウカ:何か、私のこともそう言う目で見られてるような気がして・・・ トオル:うん、そう言う目で見てるよ。 キョウカ:死ね。 トオル:しどい! キョウカ:ひどいのはアンタでしょーが! トオル:あのさあキョウカ、ちょっとお願いがあるんだけど。 キョウカ:お願い? トオル:一回さ、「ご、ご主人様、靴下だけ履いたら宜しいでしょうか?」って言ってみてくれない? キョウカ:キモい、死ね。 トオル:しどい! キョウカ:どんな場面の台詞よ。想像したくも無いわ。 トオル:あ、このシーンはね・・・ キョウカ:説明すな! キョウカ:アンタも良い歳して二次元の女の子ばっか追いかけてないで、リアルの彼女作りなさいよ。 トオル:だからキョウカを・・・ キョウカ:あ、アタシ以外でね。 トオル:そんなあ。 キョウカ:(スマホを見て)あ、もうこんな時間。バイト遅れちゃう。 トオル:ここは俺が払っとくから、行って来なよ。 キョウカ:ゴメン、今度返す。 トオル:返さなくて良いから、代わりに「ご主人様、このまましゃがんだら宜しいでしょうか?」って(言ってくれない?)  キョウカ:(被せて)死ね。 トオル:しどい! キョウカ:バイバーイ。 0:店を出るキョウカ トオル:くそう、キョウカの奴。シオンたんみたいに、もっと従順になれば良いのに。 トオル:・・・あれ? 0:店の外 キョウカ:やっば、マジ遅れる! キョウカ:この階段降りて、右に行けば駅だよね。よし! トオル:おーい、キョウカ! キョウカ:えっ? トオル:(キョウカのカバンを掲げながら)カバン忘れてるって! キョウカ:あっ、ありがと、って、あれ? トオル:『突如、キョウカの体が傾く。俺はキョウカが階段を踏み外してしまったことに気づいた』 トオル:キョウカ! キョウカ:キャアッ! トオル:くっ!(キョウカを抱き抱える) キョウカ:『駆け寄ってきたトオルが、私の体を抱きとめる。しかし、落下を止めることは出来なかった』 トオル:うわあああ! キョウカ:キャァアア! トオル:『全身を襲う衝撃と痛み。激しく回転する視界』 キョウカ:『二人の体は、階段の下まで転げ落ち、そのまま投げ出されてしまった』 0:間 トオル:イテテテテ・・・ トオル:っ!おいキョウカ、大丈夫か!? キョウカ:う、うーん・・・ トオル:怪我してないか? キョウカ:・・・ トオル:キョウカ? キョウカ:・・・ご主人様。 トオル:・・・へ? キョウカ:ご主人様!お怪我はございませんか? トオル:えっ?ご主人様? キョウカ:(トオルの体に怪我が無いか確認し)どうやら、大丈夫のようですね。安堵(あんど)致しました。 トオル:キョウカ、どうしちゃったの? キョウカ:キョウカ?それは誰でございますか? トオル:な、何言ってんの? キョウカ:ご主人様、ワタクシです!お分かりになりませんか? トオル:・・・ま、まさか? キョウカ:シオンです。貴方専用メイドの、鶴ヶ崎シオンですわ。 トオル:・・・ キョウカ:ご主人様? トオル:いやいやいや、嘘でしょ? キョウカ:嘘ではございません! トオル:だって君は、大学の同級生のキョウカじゃん。シオンたんは、ゲームのキャラクターでしょ? キョウカ:何故このような事になったのかは分かりません。しかしワタクシは、確かに鶴ヶ崎シオンなのです! トオル:そう言われてもな・・・ キョウカ:信じて頂けませんか? トオル:ちょっと、無理があるよね。 キョウカ:ならば、証拠をお見せ致しましょう! トオル:証拠? キョウカ:ご主人様。どうぞお命じください。 トオル:何を? キョウカ:いつものように、私にお命じください。 トオル:それって・・・ キョウカ:いつものように、私にエッチな命令をして下さい! トオル:えええええ!! トオル:ちょ、ちょっと、マジで? キョウカ:マジでございます! キョウカ:いつものように、このワタクシに、周りがドン引きするような、マトモな神経ではとても出来ないような、ド変態な命令を私にして下さい! トオル:・・・俺、軽くディスられてない? キョウカ:さあご主人様、お早く! トオル:う、うん。 トオル:(これは、あれだよな・・・実験?そう!実験だ!) トオル:(本当にキョウカがシオンたんになっちゃったのか、それを確かめるための実験だ!) トオル:(俺は実験のために、泣く泣くエロい命令をするのだ!) トオル:で、ではシオンたん? キョウカ:はい! トオル:(咳払い) キョウカ:・・・ トオル:(エエ声で)とりあえず全裸になれ! キョウカ:死ね! トオル:へっ? 0:トオル、ビンタされる。 トオル:痛えっ!! キョウカ:アンタ、何考えてんのよ!この変態!最低!一億回死ね! トオル:しどい! トオル:お、お前、やっぱりシオンたんのフリしてただけじゃねえか!汚いぞ! キョウカ:は?アンタ何言ってんの? トオル:くそう、騙された!そうだよな、そんなわけないよな。 キョウカ:だから何の話か・・・(頭が痛くなり)うっ! トオル:シオンたんはゲームのキャラなんだ、現実に存在するわけが・・・ キョウカ:ご主人様! トオル:うわっ! キョウカ:申し訳ございません!メイドでありながら、ご主人様に手をあげるなど、あるまじき行為! トオル:何だキョウカ、まだ続けるのか?もう騙されないぞ! キョウカ:ご主人様、ワタクシです!鶴ヶ崎シオンです! トオル:だからもう良いって。 キョウカ:貴方専用メイドの、鶴ヶ崎シオンです! トオル:しつこいなあ、いつまで続けんの?全然面白く無いんだけど? キョウカ:では改めて、全裸にならせて頂きます! トオル:へ? キョウカ:ご主人様、失礼致します!(服を脱ごうとする) トオル:ちょいちょいちょい!ちょっと待ってえい!(脱ぐのを止める) キョウカ:ご主人様、何故お止めになるのですか!? トオル:何本当に脱ごうとしてんだよ!?あれ?キョウカってネタの為にそこまで体張るタイプだっけ? キョウカ:(頭が痛くなり)うっ! トオル:キョウカ、どうした? 0:少し間 キョウカ:・・・アンタ、何抱きついてんのよ! トオル:は?いやこれは、キョウカが服を脱ごうとするから・・・ キョウカ:はあ!?私の服を脱がせようとした!? トオル:ち、違う!お前から脱ごうとしたんだろ! キョウカ:そんなわけあるか!(ビンタする) トオル:痛え! キョウカ:見損なったわ!そこまで最低だとは思わなかった! トオル:『何だこれ?どうなってるんだ?』 トオル:『俺のこと、からかってるだけかと思ったけど』 トオル:『まるで、キョウカとシオンたんの人格が、時々入れ替わってるみたいな』 トオル:『さっき、階段から落ちたのが原因で?けど、そんな馬鹿な』 キョウカ:うっ・・・くっ・・・ トオル:キョウカ?もしかして、また? 0:少し間 キョウカ:ご主人様。 トオル:本当にシオンたん、なの? キョウカ:はい。ただ、どうやらこの肉体には、ワタクシ以外のもう一人の魂が宿っているようです。 トオル:マジかよ。 キョウカ:さあ、ご主人様。もう一人の意識が戻ってこない内に、いつものようにハレンチな御命令を! キョウカ:いつものように、人としての最低限の尊厳すら捨て去った、最低でクズな御命令を! トオル:うん、やっぱりディスってるよね。 トオル:あと、「いつものように」って言うの辞めてくれない?俺いつもそんな事してないし。 キョウカ:くっ・・・うっ・・・ 0:少し間 キョウカ:トオル・・・ トオル:キョウカ?キョウカなんだな? キョウカ:(苦しそうに)ようやく状況が飲み込めてきたわ。まさか私に、エロゲのキャラが乗り移るなんてね。 トオル:信じられないけど、そうみたいだな。 キョウカ:・・・良かったじゃない。 トオル:はっ?何がだよ? キョウカ:アンタの大好きな「シオンたん」が現実世界に現れたんだから、嬉しいでしょ? トオル:いやそれは・・・ キョウカ:どうやらこの体も、もうすぐあの女に乗っ取られそうだしね。 トオル:何だって!? キョウカ:何となく分かるのよ、あの女の意識の方が、段々強くなってきてるのが。 トオル:・・・ キョウカ:これでアンタの、望み通り、ね。 キョウカ:うっ! トオル:キョウカ! 0:少し間 キョウカ:ご主人様!お喜び下さい! トオル:シオンたん・・・ キョウカ:この体は、もう間も無く、ワタクシのものになるようですわ! トオル:・・・ キョウカ:これで私たち、ずっと一緒にいられるのですね!ああ、夢のようです! トオル:それは・・・ キョウカ:それにご主人様、あの女は、ご主人様から好意を向けられながら、ずっと拒んできたではありませんか! トオル:確かに、そうなんだけど・・・ キョウカ:そればかりか、ご主人様に対し、「変態」「キモい」「死ね」などと言う暴言を毎日吐き続けているではありませんか! トオル:・・・ キョウカ:ワタクシ、到底許すことなどできません! トオル:そうだよね、本当ひどいよね。 キョウカ:しかし、これからは二度とそのような事はございません! キョウカ:ワタクシはご主人様に従順なメイドとして、生涯お側にいさせて頂きます! キョウカ:二人で、幸せな日々を過ごしましょう! トオル:シオンたん。 キョウカ:はい! トオル:悪いんだけどさ。 キョウカ:遠慮することはございません、何なりとお命じください!どんな卑猥(ひわい)な(命令であっても・・・) トオル:(被せて)その体、キョウカに返してくれないかな? キョウカ:・・・えっ? トオル:・・・ キョウカ:な、何故でございますか?どうしてあの女を選ばれるのです? トオル:ゴメンね。 キョウカ:そんな、どうして・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・何でよ? トオル:キョウカ。 キョウカ:どうして? キョウカ:アンタの「シオンたん」なら、何でも思い通りなのよ? キョウカ:アンタの命令なら何でも聞くのよ?どんなエロい事だってできるのよ?それなのに、どうして私を選ぶの? トオル:そりゃ、裸は見たいしエロい事だってしたいよ? トオル:でもそれ以上に・・・ トオル:キョウカに、して欲しいことがあるから。 キョウカ:して欲しいこと? トオル:俺のこと、好きになって欲しい。 キョウカ:・・・ トオル:確かに最初は、キョウカがシオンたんに似てたからだったよ。 トオル:でもそんなのは、ただのきっかけじゃんか。 トオル:俺はね、キョウカが思っているよりも・・・ トオル:ちゃんと「キョウカ」のことが好きなんだよ。 キョウカ:・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・完敗、のようでございますね。 トオル:シオンたん? キョウカ:ご心配には及びません。このお体は、「キョウカ様」にお返し致します。 トオル:・・・ キョウカ:「キョウカ様」、聞こえていらっしゃいますか?貴方はとても幸運な方です。 キョウカ:こんな素敵な殿方に好かれて・・・ トオル:シオンたん・・・ キョウカ:確かにご主人様は、ちょっと・・・いえかなりスケベですけど、 キョウカ:それに根暗で、運動音痴で、貧乏で・・・ トオル:ちょっと、シオンたん? キョウカ:いっつも鼻毛出てるし、足は臭いし、イボ痔(じ)はあるし・・・ トオル:ねえ、やっぱり怒ってるんでしょ?選ばれなかったから、怒ってるんだよねえ!? キョウカ:それに、実はハゲてて、常にカツラを装着(そうちゃく)しているご主人様ですけど、 トオル:嘘!嘘だからね!ハゲてないからね! トオル:これ全部地毛(じげ)だから!一本一本、頭皮から直(じか)に生えてるから! キョウカ:・・・キョウカ様の事を、世界一大切に思う、最高の紳士なのです。 トオル:シオンたん・・・ キョウカ:どうか、ご主人様のお気持ちに、ほんの少しでも、向き合って下さいませんか? トオル:・・・ キョウカ:ご主人様。キョウカ様のこと、絶対に諦めてはなりませんよ! キョウカ:きっと大丈夫、だって貴方は、 キョウカ:ワタクシの愛する、ご主人様なのですから! トオル:・・・ありがとう。 0:少し間 キョウカ:・・・トオル。 トオル:キョウカ。 キョウカ:ねえ、トオル、起きてよ! トオル:えっ? 0:間 0:階段の下、血を流して倒れているトオルと、泣きながら呼びかけるキョウカ キョウカ:ねえトオル!トオルってば! キョウカ:やだやだ!死んじゃやだよ!お願い、目を開けてよ! トオル:う、うーん(目を覚ます) キョウカ:トオル! トオル:・・・キョウカ? キョウカ:・・・ トオル:ここは・・・ キョウカ:(トオルの胸を叩きながら)馬鹿馬鹿馬鹿!!本当に死んだかと思ったじゃん!! トオル:痛い痛い痛い!ちょっと辞めて! キョウカ:私をかばって、階段から落ちて、 キョウカ:全然目を覚まさないし、頭から血いっぱい出てるし、私、どうしたら良いか分からなくて トオル:・・・そうか、あの時階段から落ちて、そのまま気を失ってたのか。 トオル:(じゃあ、あれは全部、夢だったのか?) キョウカ:本当に心配したんだから! トオル:ゴ、ゴメン・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・ねえ、トオル。 トオル:なに? キョウカ:あ、ありがとう、助けてくれて。 トオル:あ、ああ、キョウカが無事で良かった。 キョウカ:今日だけじゃないよ?いっつもさ、私が困ってたら、何やかんや助けてくれるよね? トオル:そ、そうかなあ? キョウカ:そうだよ。私、ちゃんと分かってたんだから。 キョウカ:・・・分かってたのに、いつも素直になれなくてゴメン。 トオル:キョウカ・・・ キョウカ:さっきさ、本当にトオルが死んじゃうかと思って、そしたら、トオルに言いたかったこと、言わなきゃいけなかったこと、 キョウカ:伝えられないままになっちゃうのかなって思って、怖かったの。 トオル:うん。 キョウカ:だから私、これからは、出来るだけ素直になる。 キョウカ:ちゃんと、トオルに、気持ちを伝えられるようになるから。 トオル:・・・わかった。 キョウカ:(嬉しそうに笑う) トオル:なあキョウカ。 トオル:俺も、お前に伝えたいことがあるんだ。 キョウカ:なに? トオル:今度さ。 キョウカ:うん。 トオル:俺のために極めて露出度の高いメイドのコスプレを(してくれないか) キョウカ:(被せて)死ね、クズ! トオル:しどい!!! 0:おわり

0:カフェにて トオル:良いじゃん良いじゃん、俺と付き合ってくれよぉ。 キョウカ:嫌!ぜぇったい嫌! トオル:ええー、別にいま彼氏居ないんだろ? キョウカ:居ないけど・・・ トオル:好きなやつは? キョウカ:居ないけど・・・ トオル:じゃあ、俺で良いじゃん。俺にしとけよぉ! キョウカ:嫌。 トオル:何でさあ。 キョウカ:アンタが嫌いだから。 トオル:しどい! キョウカ:大体さあ、私のことを好きになった理由が、もう嫌なのよね。 トオル:理由?キョウカが「ご奉仕学園メイドパラダイス!ウィンターアゲイン」に出てくるメイド長・鶴ヶ崎(つるがさき)シオンたんに似てたから? キョウカ:それよそれ。「エロゲのヒロインに似てたから好きになった」って言うの、どうなのよ? トオル:えー、良いじゃん。シオンたん、すごい人気なんだよ? キョウカ:嫌だよ。だってエロゲだよ?そのシオンってキャラも、ゲーム内でエロいことするわけでしょ? トオル:そりゃそうだよ。 キョウカ:何か、私のこともそう言う目で見られてるような気がして・・・ トオル:うん、そう言う目で見てるよ。 キョウカ:死ね。 トオル:しどい! キョウカ:ひどいのはアンタでしょーが! トオル:あのさあキョウカ、ちょっとお願いがあるんだけど。 キョウカ:お願い? トオル:一回さ、「ご、ご主人様、靴下だけ履いたら宜しいでしょうか?」って言ってみてくれない? キョウカ:キモい、死ね。 トオル:しどい! キョウカ:どんな場面の台詞よ。想像したくも無いわ。 トオル:あ、このシーンはね・・・ キョウカ:説明すな! キョウカ:アンタも良い歳して二次元の女の子ばっか追いかけてないで、リアルの彼女作りなさいよ。 トオル:だからキョウカを・・・ キョウカ:あ、アタシ以外でね。 トオル:そんなあ。 キョウカ:(スマホを見て)あ、もうこんな時間。バイト遅れちゃう。 トオル:ここは俺が払っとくから、行って来なよ。 キョウカ:ゴメン、今度返す。 トオル:返さなくて良いから、代わりに「ご主人様、このまましゃがんだら宜しいでしょうか?」って(言ってくれない?)  キョウカ:(被せて)死ね。 トオル:しどい! キョウカ:バイバーイ。 0:店を出るキョウカ トオル:くそう、キョウカの奴。シオンたんみたいに、もっと従順になれば良いのに。 トオル:・・・あれ? 0:店の外 キョウカ:やっば、マジ遅れる! キョウカ:この階段降りて、右に行けば駅だよね。よし! トオル:おーい、キョウカ! キョウカ:えっ? トオル:(キョウカのカバンを掲げながら)カバン忘れてるって! キョウカ:あっ、ありがと、って、あれ? トオル:『突如、キョウカの体が傾く。俺はキョウカが階段を踏み外してしまったことに気づいた』 トオル:キョウカ! キョウカ:キャアッ! トオル:くっ!(キョウカを抱き抱える) キョウカ:『駆け寄ってきたトオルが、私の体を抱きとめる。しかし、落下を止めることは出来なかった』 トオル:うわあああ! キョウカ:キャァアア! トオル:『全身を襲う衝撃と痛み。激しく回転する視界』 キョウカ:『二人の体は、階段の下まで転げ落ち、そのまま投げ出されてしまった』 0:間 トオル:イテテテテ・・・ トオル:っ!おいキョウカ、大丈夫か!? キョウカ:う、うーん・・・ トオル:怪我してないか? キョウカ:・・・ トオル:キョウカ? キョウカ:・・・ご主人様。 トオル:・・・へ? キョウカ:ご主人様!お怪我はございませんか? トオル:えっ?ご主人様? キョウカ:(トオルの体に怪我が無いか確認し)どうやら、大丈夫のようですね。安堵(あんど)致しました。 トオル:キョウカ、どうしちゃったの? キョウカ:キョウカ?それは誰でございますか? トオル:な、何言ってんの? キョウカ:ご主人様、ワタクシです!お分かりになりませんか? トオル:・・・ま、まさか? キョウカ:シオンです。貴方専用メイドの、鶴ヶ崎シオンですわ。 トオル:・・・ キョウカ:ご主人様? トオル:いやいやいや、嘘でしょ? キョウカ:嘘ではございません! トオル:だって君は、大学の同級生のキョウカじゃん。シオンたんは、ゲームのキャラクターでしょ? キョウカ:何故このような事になったのかは分かりません。しかしワタクシは、確かに鶴ヶ崎シオンなのです! トオル:そう言われてもな・・・ キョウカ:信じて頂けませんか? トオル:ちょっと、無理があるよね。 キョウカ:ならば、証拠をお見せ致しましょう! トオル:証拠? キョウカ:ご主人様。どうぞお命じください。 トオル:何を? キョウカ:いつものように、私にお命じください。 トオル:それって・・・ キョウカ:いつものように、私にエッチな命令をして下さい! トオル:えええええ!! トオル:ちょ、ちょっと、マジで? キョウカ:マジでございます! キョウカ:いつものように、このワタクシに、周りがドン引きするような、マトモな神経ではとても出来ないような、ド変態な命令を私にして下さい! トオル:・・・俺、軽くディスられてない? キョウカ:さあご主人様、お早く! トオル:う、うん。 トオル:(これは、あれだよな・・・実験?そう!実験だ!) トオル:(本当にキョウカがシオンたんになっちゃったのか、それを確かめるための実験だ!) トオル:(俺は実験のために、泣く泣くエロい命令をするのだ!) トオル:で、ではシオンたん? キョウカ:はい! トオル:(咳払い) キョウカ:・・・ トオル:(エエ声で)とりあえず全裸になれ! キョウカ:死ね! トオル:へっ? 0:トオル、ビンタされる。 トオル:痛えっ!! キョウカ:アンタ、何考えてんのよ!この変態!最低!一億回死ね! トオル:しどい! トオル:お、お前、やっぱりシオンたんのフリしてただけじゃねえか!汚いぞ! キョウカ:は?アンタ何言ってんの? トオル:くそう、騙された!そうだよな、そんなわけないよな。 キョウカ:だから何の話か・・・(頭が痛くなり)うっ! トオル:シオンたんはゲームのキャラなんだ、現実に存在するわけが・・・ キョウカ:ご主人様! トオル:うわっ! キョウカ:申し訳ございません!メイドでありながら、ご主人様に手をあげるなど、あるまじき行為! トオル:何だキョウカ、まだ続けるのか?もう騙されないぞ! キョウカ:ご主人様、ワタクシです!鶴ヶ崎シオンです! トオル:だからもう良いって。 キョウカ:貴方専用メイドの、鶴ヶ崎シオンです! トオル:しつこいなあ、いつまで続けんの?全然面白く無いんだけど? キョウカ:では改めて、全裸にならせて頂きます! トオル:へ? キョウカ:ご主人様、失礼致します!(服を脱ごうとする) トオル:ちょいちょいちょい!ちょっと待ってえい!(脱ぐのを止める) キョウカ:ご主人様、何故お止めになるのですか!? トオル:何本当に脱ごうとしてんだよ!?あれ?キョウカってネタの為にそこまで体張るタイプだっけ? キョウカ:(頭が痛くなり)うっ! トオル:キョウカ、どうした? 0:少し間 キョウカ:・・・アンタ、何抱きついてんのよ! トオル:は?いやこれは、キョウカが服を脱ごうとするから・・・ キョウカ:はあ!?私の服を脱がせようとした!? トオル:ち、違う!お前から脱ごうとしたんだろ! キョウカ:そんなわけあるか!(ビンタする) トオル:痛え! キョウカ:見損なったわ!そこまで最低だとは思わなかった! トオル:『何だこれ?どうなってるんだ?』 トオル:『俺のこと、からかってるだけかと思ったけど』 トオル:『まるで、キョウカとシオンたんの人格が、時々入れ替わってるみたいな』 トオル:『さっき、階段から落ちたのが原因で?けど、そんな馬鹿な』 キョウカ:うっ・・・くっ・・・ トオル:キョウカ?もしかして、また? 0:少し間 キョウカ:ご主人様。 トオル:本当にシオンたん、なの? キョウカ:はい。ただ、どうやらこの肉体には、ワタクシ以外のもう一人の魂が宿っているようです。 トオル:マジかよ。 キョウカ:さあ、ご主人様。もう一人の意識が戻ってこない内に、いつものようにハレンチな御命令を! キョウカ:いつものように、人としての最低限の尊厳すら捨て去った、最低でクズな御命令を! トオル:うん、やっぱりディスってるよね。 トオル:あと、「いつものように」って言うの辞めてくれない?俺いつもそんな事してないし。 キョウカ:くっ・・・うっ・・・ 0:少し間 キョウカ:トオル・・・ トオル:キョウカ?キョウカなんだな? キョウカ:(苦しそうに)ようやく状況が飲み込めてきたわ。まさか私に、エロゲのキャラが乗り移るなんてね。 トオル:信じられないけど、そうみたいだな。 キョウカ:・・・良かったじゃない。 トオル:はっ?何がだよ? キョウカ:アンタの大好きな「シオンたん」が現実世界に現れたんだから、嬉しいでしょ? トオル:いやそれは・・・ キョウカ:どうやらこの体も、もうすぐあの女に乗っ取られそうだしね。 トオル:何だって!? キョウカ:何となく分かるのよ、あの女の意識の方が、段々強くなってきてるのが。 トオル:・・・ キョウカ:これでアンタの、望み通り、ね。 キョウカ:うっ! トオル:キョウカ! 0:少し間 キョウカ:ご主人様!お喜び下さい! トオル:シオンたん・・・ キョウカ:この体は、もう間も無く、ワタクシのものになるようですわ! トオル:・・・ キョウカ:これで私たち、ずっと一緒にいられるのですね!ああ、夢のようです! トオル:それは・・・ キョウカ:それにご主人様、あの女は、ご主人様から好意を向けられながら、ずっと拒んできたではありませんか! トオル:確かに、そうなんだけど・・・ キョウカ:そればかりか、ご主人様に対し、「変態」「キモい」「死ね」などと言う暴言を毎日吐き続けているではありませんか! トオル:・・・ キョウカ:ワタクシ、到底許すことなどできません! トオル:そうだよね、本当ひどいよね。 キョウカ:しかし、これからは二度とそのような事はございません! キョウカ:ワタクシはご主人様に従順なメイドとして、生涯お側にいさせて頂きます! キョウカ:二人で、幸せな日々を過ごしましょう! トオル:シオンたん。 キョウカ:はい! トオル:悪いんだけどさ。 キョウカ:遠慮することはございません、何なりとお命じください!どんな卑猥(ひわい)な(命令であっても・・・) トオル:(被せて)その体、キョウカに返してくれないかな? キョウカ:・・・えっ? トオル:・・・ キョウカ:な、何故でございますか?どうしてあの女を選ばれるのです? トオル:ゴメンね。 キョウカ:そんな、どうして・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・何でよ? トオル:キョウカ。 キョウカ:どうして? キョウカ:アンタの「シオンたん」なら、何でも思い通りなのよ? キョウカ:アンタの命令なら何でも聞くのよ?どんなエロい事だってできるのよ?それなのに、どうして私を選ぶの? トオル:そりゃ、裸は見たいしエロい事だってしたいよ? トオル:でもそれ以上に・・・ トオル:キョウカに、して欲しいことがあるから。 キョウカ:して欲しいこと? トオル:俺のこと、好きになって欲しい。 キョウカ:・・・ トオル:確かに最初は、キョウカがシオンたんに似てたからだったよ。 トオル:でもそんなのは、ただのきっかけじゃんか。 トオル:俺はね、キョウカが思っているよりも・・・ トオル:ちゃんと「キョウカ」のことが好きなんだよ。 キョウカ:・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・完敗、のようでございますね。 トオル:シオンたん? キョウカ:ご心配には及びません。このお体は、「キョウカ様」にお返し致します。 トオル:・・・ キョウカ:「キョウカ様」、聞こえていらっしゃいますか?貴方はとても幸運な方です。 キョウカ:こんな素敵な殿方に好かれて・・・ トオル:シオンたん・・・ キョウカ:確かにご主人様は、ちょっと・・・いえかなりスケベですけど、 キョウカ:それに根暗で、運動音痴で、貧乏で・・・ トオル:ちょっと、シオンたん? キョウカ:いっつも鼻毛出てるし、足は臭いし、イボ痔(じ)はあるし・・・ トオル:ねえ、やっぱり怒ってるんでしょ?選ばれなかったから、怒ってるんだよねえ!? キョウカ:それに、実はハゲてて、常にカツラを装着(そうちゃく)しているご主人様ですけど、 トオル:嘘!嘘だからね!ハゲてないからね! トオル:これ全部地毛(じげ)だから!一本一本、頭皮から直(じか)に生えてるから! キョウカ:・・・キョウカ様の事を、世界一大切に思う、最高の紳士なのです。 トオル:シオンたん・・・ キョウカ:どうか、ご主人様のお気持ちに、ほんの少しでも、向き合って下さいませんか? トオル:・・・ キョウカ:ご主人様。キョウカ様のこと、絶対に諦めてはなりませんよ! キョウカ:きっと大丈夫、だって貴方は、 キョウカ:ワタクシの愛する、ご主人様なのですから! トオル:・・・ありがとう。 0:少し間 キョウカ:・・・トオル。 トオル:キョウカ。 キョウカ:ねえ、トオル、起きてよ! トオル:えっ? 0:間 0:階段の下、血を流して倒れているトオルと、泣きながら呼びかけるキョウカ キョウカ:ねえトオル!トオルってば! キョウカ:やだやだ!死んじゃやだよ!お願い、目を開けてよ! トオル:う、うーん(目を覚ます) キョウカ:トオル! トオル:・・・キョウカ? キョウカ:・・・ トオル:ここは・・・ キョウカ:(トオルの胸を叩きながら)馬鹿馬鹿馬鹿!!本当に死んだかと思ったじゃん!! トオル:痛い痛い痛い!ちょっと辞めて! キョウカ:私をかばって、階段から落ちて、 キョウカ:全然目を覚まさないし、頭から血いっぱい出てるし、私、どうしたら良いか分からなくて トオル:・・・そうか、あの時階段から落ちて、そのまま気を失ってたのか。 トオル:(じゃあ、あれは全部、夢だったのか?) キョウカ:本当に心配したんだから! トオル:ゴ、ゴメン・・・ 0:少し間 キョウカ:・・・ねえ、トオル。 トオル:なに? キョウカ:あ、ありがとう、助けてくれて。 トオル:あ、ああ、キョウカが無事で良かった。 キョウカ:今日だけじゃないよ?いっつもさ、私が困ってたら、何やかんや助けてくれるよね? トオル:そ、そうかなあ? キョウカ:そうだよ。私、ちゃんと分かってたんだから。 キョウカ:・・・分かってたのに、いつも素直になれなくてゴメン。 トオル:キョウカ・・・ キョウカ:さっきさ、本当にトオルが死んじゃうかと思って、そしたら、トオルに言いたかったこと、言わなきゃいけなかったこと、 キョウカ:伝えられないままになっちゃうのかなって思って、怖かったの。 トオル:うん。 キョウカ:だから私、これからは、出来るだけ素直になる。 キョウカ:ちゃんと、トオルに、気持ちを伝えられるようになるから。 トオル:・・・わかった。 キョウカ:(嬉しそうに笑う) トオル:なあキョウカ。 トオル:俺も、お前に伝えたいことがあるんだ。 キョウカ:なに? トオル:今度さ。 キョウカ:うん。 トオル:俺のために極めて露出度の高いメイドのコスプレを(してくれないか) キョウカ:(被せて)死ね、クズ! トオル:しどい!!! 0:おわり