台本概要
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タイトル | 狂気好きの彼女は笑い方にこだわりがある |
---|---|
作者名 | レイフロ (@nana75927107) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
学園のアイドルとお付き合い出来ることになったはいいが、彼女の好きなタイプは『狂気的な笑い方が上手い人』だった!!狂気とは無縁の人生を送ってきた彼氏は、狂気的な笑い方をマスター出来るのか!? ↓レイフロ作の声劇台本はHPに全作品載っています。 https://reifuro12daihon.amebaownd.com ↓生声劇等でご使用の際の張り付け用にどうぞ ―――――――― 『狂気好きな彼女は笑い方にこだわりがある』 作:レイフロ 苺花: 颯人: ―――――――― 262 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
颯人 | 男 | 60 | はやと。高校2年生。普通の男子。狂気とは無縁。 |
苺花 | 女 | 58 | いちか。高校2年生。学校のアイドル的存在。実は狂気的なお話が好きで、特に狂気的な笑い方にキュンときてしまう。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
颯人:(N)奇跡が起きた。俺の人生で一番の奇跡と言っていい。
颯人:「一世一代の勇気を出せ!」と自分に激を飛ばし、学校のアイドル・苺花(いちか)ちゃんに告白をした。
颯人:彼女はテレながら「私でよければ」と答え、その顔がもうまじでクッソかわいい…
颯人:あ、すみませんノロケがゲフンゲフン。
颯人:とにかく!
颯人:俺は苺花ちゃんと付き合うことになったのだ!
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苺花:へぇ、颯人(はやと)くん、結構お部屋綺麗にしてるんだね~
颯人:いつもはもっと散らかってるけど、今日は片付けといたよ…!
苺花:ふふっ、そんな気を使わなくていいのに。
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颯人:(N)彼女のどこが一番好きって、笑い声だ。女の子らしくて、可愛い。
颯人:今日は付き合って1ヶ月記念日!
颯人:今日こそ「手を繋ぐ」以上の関係になってみせる!
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苺花:颯人くん、あのね。私、1つ隠してることがあって。
苺花:ほんとは付き合う時に言うべきだったんだけど…。
颯人:え?なに?何でも言っていいんだよ!遠慮なんかしないで!
苺花:本当?……引かない?
颯人:もちろん!なんでも話せる仲になろうねって約束しただろ?大丈夫だよ!
苺花:うん、そうだよね…!わかった!
颯人:(N)彼女は安心したように息を吐くと、可愛らしい笑顔でこう言った。
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苺花:------ちょっと狂気的に笑ってみてくれない?
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颯人:…は?…狂気的?
苺花:うん!狂気的!
颯人:うーんと…ちょっとごめん、よくわからなかった。
苺花:あ、お家でおっきな声は出しづらいもんね!
苺花:別に高笑いじゃなくていいんだよ?静かな感じの狂気でもいいの!
颯人:いやいやいやそういう問題じゃなくて!
颯人:てゆーか「静かな感じの狂気」ってなに?
苺花:狂気ってわからない?意味はね、
苺花:『精神が異常になり常軌(じょうき)を逸(いっ)していること。また、そのような心。
苺花:例文・狂気の沙汰(さた)…』
颯人:いや、意味はわかるよ?!単語の意味はね!
苺花:じゃあ!(嬉しそうに)
颯人:じゃあって何?なんで狂気的に笑わないといけないの?!
苺花:あ、そっか。それを言ってなかったね!
颯人:うん、ぜひ聞きたい!そこんとこぜひ詳しくっ!
苺花:私ね!狂気が好きなの!
颯人:うん!えーっと…終わり?
苺花:え?それ以上どう言えば…
颯人:例えばそのぉ…グロイものが好きとか?
颯人:スプラッタ映画とか猟奇殺人ものが好きだったりするのかな?
苺花:ものすごくグロイのは、ちょっと…。
颯人:え?狂気好きなのに?!
苺花:「グロい イコール 狂気」っていうのは安易だよ!
苺花:まぁわかりやすい狂気も嫌いってわけじゃないんだけど、
苺花:私が好きなのは「秘めたる狂気」なの!
颯人:一見普通に見えるのに実は狂ってる…みたいな?
苺花:それそれぇ!
颯人:(N)目が輝いている!今までにないくらいなんか異常に輝いているっっ!
苺花:狂気的な笑い方にね?キュンときちゃうの…。
颯人:え、まさか犯罪者的な悪いヤツがタイプなの?!
苺花:は?違うし!リアル犯罪者が好きってヤバイよね?
苺花:え?バカなの?そんなわけなくない?フィクションの話だよ?まじ引くんだけど?は?
颯人:めっちゃ言うじゃん!
颯人:…ち、違うならいいんだよ!じゃあそういうキャラクターが好きってことかな?
苺花:うん!そう!
颯人:でも俺は演技なんてやったことないし、狂気的に笑ってと言われてもよくわからないよ。
苺花:じゃあお手本見せるね?
苺花:男と女じゃちょっと違うかもしれないけど、参考にはなると思うから!
颯人:え?あ、うん。お願いします。
苺花:じゃあ狂気初心者にもわかりやすいように適当なセリフ付きでやるね!
颯人:狂気に初心者とかあるんだ?う、うんわかった優しいね?ありがとう!
苺花:じゃやるね?コホン…
苺花:『ねぇ、あなたの眼球を舐めたいの…いいでしょう?ンフフフ』(狂気的に静かに笑う)
颯人:こっっっっっっわ!
苺花:瞼をこうガッと開いてね!白目の部分なら多分舐めても痛くないから♪
颯人:そういう問題じゃないけどね!
苺花:じゃあやってみて!
颯人:初心者に難易度高くないっっ?!
苺花:練習あるのみーっ!
颯人:そんな可愛く言われてもっっ!
苺花:ほらほら早くっ!わくわく
颯人:わ、わかったよ、笑わないでよ?
苺花:うんうん!わくわく
颯人:(棒読みで)「ナァ…君ノ眼球ヲ舐メタインダ…イイダロ?ふ、フ腐フ」
苺花:チッ…(舌打ち)
颯人:いま舌打ちした?!苺花(いちか)ちゃん?!
苺花:棒読みも甚(はなは)だしいっ!
苺花:小学生の学芸会だってもっとマシな演技するじゃろがぃ!!もっと怪しげな感じで!!
颯人:めっちゃ怒ってくるじゃん!じ、じゃあこう、かな…?
颯人:(変態っぽく)「な、なぁ?君の眼球を舐めたいんだぁ。ハスハス…い、いいだろ?ウヘヘヘヘ」
苺花:それただの変態っっっ!
颯人:え?怪しげな感じでって言うから…。難しいなぁ。
苺花:うーん、静かな狂気はまだ難しかったかぁ。
苺花:じゃあ分かりやすいように丸出し狂気を先にやろ!
颯人:丸出し狂気ってなんか響きが嫌だなぁ!
苺花:じゃあお手本やるね?コホン…
苺花:『嗚呼…貴方の血で真っ赤だわ、なんて素敵な贈り物なのかしら!あはははは!』(高笑い)
颯人:すごい丸出しっっっ!
苺花:えへへ!じゃあ颯人(はやと)くんもやってみて?
颯人:わ、わかった…。
颯人:(棒読みで)『アー…君ノ血デ真っ赤ダ、ナンテ素敵ナ贈り物ナンダ。アハ母ハハ。』
苺花:あぁん?!
颯人:イライラが丸出しっっっ!
苺花:もっと情景を想像するの!
苺花:血しぶきがこう壁に芸術的に飛び散ってて、足元には愛する人の臓物(ぞうもつ)が…!
颯人:恐いなぁ!で、でもわかった、やってみる…!
颯人:『あぁ!君の血で真っ赤だ!ビチャア!
颯人:なんて素敵な贈り物なんだ!ホルモンがビチャア!あーはっはっはっは!』
苺花:…どうやら貴様のホルモンを取り出されたいようだなァ?
颯人:殺意が丸出しっっっ!
苺花:でも大丈夫だよ!特訓すれば絶対出来るようになるからっ!ねっ!
颯人:そもそもこれ出来るようにならなきゃダメなの?何のためにやるの?!
苺花:え?
颯人:え?…必須事項?
苺花:必須でしょ?
颯人:さも常識かのように言ってきた!
苺花:やっぱ颯人(はやと)くんもそうなんだね…。
苺花:狂気的な笑い方が好きなんて、私おかしいよね…?
颯人:いや、そういうわけじゃあ…
苺花:いいの!私、こんなだからいつも彼氏と長続きしないの。うぅ…ぐすんぐすん。
苺花:颯人くんなら分かってくれるかなって期待しちゃった私が悪いの。
苺花:ごめんね…今日限りで私とは別れて…?
颯人:それは嫌だっ!
苺花:え?
颯人:正直驚いたけど…
颯人:でも苺花(いちか)ちゃんがやって欲しいって言うなら俺は頑張って練習する!
苺花:颯人くん…!嬉しい!
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0:(間)
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颯人:(N)それからというもの、彼女との特訓の日々が始まった。
颯人:俺の家にくる時はいっっっつも練習!!
颯人:血だの内臓だの狂気的な話しかしない!!
颯人:もちろんロマンチックな雰囲気は出ない!!
颯人:恋人らしい進展が何もないまま、瞬く間に1ヶ月が経過した…。
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苺花:それじゃあここから読んでみて?
颯人:わかった。コホン…
颯人:『私は、純粋とも思えるパールホワイトの骨を手に取り、そこに絡みついている桜色の肉の繊維を指でなぞった。
颯人:彼女の手首を切り落とした時の記憶は、今もなお私の脳内に甘い蜜を齎(もたら)す』…。
苺花:うん!狂気系の朗読はほんと上手くなったね!
颯人:そう、かな?よかった!
颯人:…ん?苺花ちゃん?手首押さえてるけどどうしたの?
苺花:この小説、すごく表現が好きでね?
苺花:なんていうか、こう、聞いてると…手首がフワフワしてくるの。
颯人:フワフワ?ここが切り落とされたのかぁってゾクゾクする感じ?
苺花:確かに「ゾクゾク」っていうのと似てる気もするけど、力が入らなくなるような?
苺花:「フワフワ」するんだよね。ふふ。
颯人:へぇ。
苺花:ねぇ、手、貸して?
颯人:え?うん。
颯人:(N)わぁぁ!ひさしぶりに手握られたぁぁぁ!
苺花:(狂気的に)『貴方の手首が欲しいの…切り落としてもいい?フフフ』
苺花:…こういう感じで言ってみて!
颯人:手首が愛おしい感じ、かな?
苺花:そう!セリフだと、なかなかリアルに想像が出来なくて感情移入しづらいって言ってたから、私の手首を触りながらセリフを言ってみて?
颯人:わかった…。
颯人:(N)色、白いなぁ。手首も華奢で細い…。
苺花:出来そう?
颯人:う、うん…!
颯人:『君の手首が欲しい…切り落としてもいいかな?…グフ、グフフフフ』
苺花:笑い方がキモイ!グフフって何?!
苺花:ロリっ子を誘拐しようとしてる「おっきいオトモダチ」みたいな!そんな雰囲気っっ!
颯人:それはそれで狂気じゃない?
苺花:確かに!でもそれは私が好きなやつじゃないっっ!
颯人:やっぱり俺には難しいよ…。
颯人:君の手首はちゃんと繋がってるから君の手首なわけで、手首だけもらっても全然うれしくないっていうか
颯人:手首とじゃ会話も出来ないしコミュニケーション取れないし
颯人:保存しておくなら防腐処理もしなきゃいけないしそれからそれから…
苺花:そんなリアルな想像はいらないっっ!
颯人:あ、でも、練習したいからもう一回手首触ってもいいかな?グフフフ
苺花:なんかヤダぁぁぁぁっっ!
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0:(間)
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颯人:突然の次回予告っ!
苺花:狂気が何たるかをなかなか理解してくれない彼氏と向かえる交際三ヶ月目の倦怠期!
颯人:そんな中、狂気的な笑い方を得意とする強力なライバルが出現っ!しかもイケメン!
苺花:颯人くんを信じるべきか、イケメンに乗り換えるべきか!
颯人:彼女好みの狂気的な笑い方をマスターし、
颯人:次の段階「チュー」へ進むことは果たして出来るのか!!
苺花:次回、『狂気好きな彼女は笑い方にこだわりがある』 第2話!
颯人:作者!執筆予定は未定!
颯人:…え?未定なの?書いてよ!え?書かない?なんでだよ!
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颯人:え、えーっと、…お、俺たちの戦いは!これからだっ!
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0:了
颯人:(N)奇跡が起きた。俺の人生で一番の奇跡と言っていい。
颯人:「一世一代の勇気を出せ!」と自分に激を飛ばし、学校のアイドル・苺花(いちか)ちゃんに告白をした。
颯人:彼女はテレながら「私でよければ」と答え、その顔がもうまじでクッソかわいい…
颯人:あ、すみませんノロケがゲフンゲフン。
颯人:とにかく!
颯人:俺は苺花ちゃんと付き合うことになったのだ!
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苺花:へぇ、颯人(はやと)くん、結構お部屋綺麗にしてるんだね~
颯人:いつもはもっと散らかってるけど、今日は片付けといたよ…!
苺花:ふふっ、そんな気を使わなくていいのに。
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颯人:(N)彼女のどこが一番好きって、笑い声だ。女の子らしくて、可愛い。
颯人:今日は付き合って1ヶ月記念日!
颯人:今日こそ「手を繋ぐ」以上の関係になってみせる!
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苺花:颯人くん、あのね。私、1つ隠してることがあって。
苺花:ほんとは付き合う時に言うべきだったんだけど…。
颯人:え?なに?何でも言っていいんだよ!遠慮なんかしないで!
苺花:本当?……引かない?
颯人:もちろん!なんでも話せる仲になろうねって約束しただろ?大丈夫だよ!
苺花:うん、そうだよね…!わかった!
颯人:(N)彼女は安心したように息を吐くと、可愛らしい笑顔でこう言った。
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苺花:------ちょっと狂気的に笑ってみてくれない?
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颯人:…は?…狂気的?
苺花:うん!狂気的!
颯人:うーんと…ちょっとごめん、よくわからなかった。
苺花:あ、お家でおっきな声は出しづらいもんね!
苺花:別に高笑いじゃなくていいんだよ?静かな感じの狂気でもいいの!
颯人:いやいやいやそういう問題じゃなくて!
颯人:てゆーか「静かな感じの狂気」ってなに?
苺花:狂気ってわからない?意味はね、
苺花:『精神が異常になり常軌(じょうき)を逸(いっ)していること。また、そのような心。
苺花:例文・狂気の沙汰(さた)…』
颯人:いや、意味はわかるよ?!単語の意味はね!
苺花:じゃあ!(嬉しそうに)
颯人:じゃあって何?なんで狂気的に笑わないといけないの?!
苺花:あ、そっか。それを言ってなかったね!
颯人:うん、ぜひ聞きたい!そこんとこぜひ詳しくっ!
苺花:私ね!狂気が好きなの!
颯人:うん!えーっと…終わり?
苺花:え?それ以上どう言えば…
颯人:例えばそのぉ…グロイものが好きとか?
颯人:スプラッタ映画とか猟奇殺人ものが好きだったりするのかな?
苺花:ものすごくグロイのは、ちょっと…。
颯人:え?狂気好きなのに?!
苺花:「グロい イコール 狂気」っていうのは安易だよ!
苺花:まぁわかりやすい狂気も嫌いってわけじゃないんだけど、
苺花:私が好きなのは「秘めたる狂気」なの!
颯人:一見普通に見えるのに実は狂ってる…みたいな?
苺花:それそれぇ!
颯人:(N)目が輝いている!今までにないくらいなんか異常に輝いているっっ!
苺花:狂気的な笑い方にね?キュンときちゃうの…。
颯人:え、まさか犯罪者的な悪いヤツがタイプなの?!
苺花:は?違うし!リアル犯罪者が好きってヤバイよね?
苺花:え?バカなの?そんなわけなくない?フィクションの話だよ?まじ引くんだけど?は?
颯人:めっちゃ言うじゃん!
颯人:…ち、違うならいいんだよ!じゃあそういうキャラクターが好きってことかな?
苺花:うん!そう!
颯人:でも俺は演技なんてやったことないし、狂気的に笑ってと言われてもよくわからないよ。
苺花:じゃあお手本見せるね?
苺花:男と女じゃちょっと違うかもしれないけど、参考にはなると思うから!
颯人:え?あ、うん。お願いします。
苺花:じゃあ狂気初心者にもわかりやすいように適当なセリフ付きでやるね!
颯人:狂気に初心者とかあるんだ?う、うんわかった優しいね?ありがとう!
苺花:じゃやるね?コホン…
苺花:『ねぇ、あなたの眼球を舐めたいの…いいでしょう?ンフフフ』(狂気的に静かに笑う)
颯人:こっっっっっっわ!
苺花:瞼をこうガッと開いてね!白目の部分なら多分舐めても痛くないから♪
颯人:そういう問題じゃないけどね!
苺花:じゃあやってみて!
颯人:初心者に難易度高くないっっ?!
苺花:練習あるのみーっ!
颯人:そんな可愛く言われてもっっ!
苺花:ほらほら早くっ!わくわく
颯人:わ、わかったよ、笑わないでよ?
苺花:うんうん!わくわく
颯人:(棒読みで)「ナァ…君ノ眼球ヲ舐メタインダ…イイダロ?ふ、フ腐フ」
苺花:チッ…(舌打ち)
颯人:いま舌打ちした?!苺花(いちか)ちゃん?!
苺花:棒読みも甚(はなは)だしいっ!
苺花:小学生の学芸会だってもっとマシな演技するじゃろがぃ!!もっと怪しげな感じで!!
颯人:めっちゃ怒ってくるじゃん!じ、じゃあこう、かな…?
颯人:(変態っぽく)「な、なぁ?君の眼球を舐めたいんだぁ。ハスハス…い、いいだろ?ウヘヘヘヘ」
苺花:それただの変態っっっ!
颯人:え?怪しげな感じでって言うから…。難しいなぁ。
苺花:うーん、静かな狂気はまだ難しかったかぁ。
苺花:じゃあ分かりやすいように丸出し狂気を先にやろ!
颯人:丸出し狂気ってなんか響きが嫌だなぁ!
苺花:じゃあお手本やるね?コホン…
苺花:『嗚呼…貴方の血で真っ赤だわ、なんて素敵な贈り物なのかしら!あはははは!』(高笑い)
颯人:すごい丸出しっっっ!
苺花:えへへ!じゃあ颯人(はやと)くんもやってみて?
颯人:わ、わかった…。
颯人:(棒読みで)『アー…君ノ血デ真っ赤ダ、ナンテ素敵ナ贈り物ナンダ。アハ母ハハ。』
苺花:あぁん?!
颯人:イライラが丸出しっっっ!
苺花:もっと情景を想像するの!
苺花:血しぶきがこう壁に芸術的に飛び散ってて、足元には愛する人の臓物(ぞうもつ)が…!
颯人:恐いなぁ!で、でもわかった、やってみる…!
颯人:『あぁ!君の血で真っ赤だ!ビチャア!
颯人:なんて素敵な贈り物なんだ!ホルモンがビチャア!あーはっはっはっは!』
苺花:…どうやら貴様のホルモンを取り出されたいようだなァ?
颯人:殺意が丸出しっっっ!
苺花:でも大丈夫だよ!特訓すれば絶対出来るようになるからっ!ねっ!
颯人:そもそもこれ出来るようにならなきゃダメなの?何のためにやるの?!
苺花:え?
颯人:え?…必須事項?
苺花:必須でしょ?
颯人:さも常識かのように言ってきた!
苺花:やっぱ颯人(はやと)くんもそうなんだね…。
苺花:狂気的な笑い方が好きなんて、私おかしいよね…?
颯人:いや、そういうわけじゃあ…
苺花:いいの!私、こんなだからいつも彼氏と長続きしないの。うぅ…ぐすんぐすん。
苺花:颯人くんなら分かってくれるかなって期待しちゃった私が悪いの。
苺花:ごめんね…今日限りで私とは別れて…?
颯人:それは嫌だっ!
苺花:え?
颯人:正直驚いたけど…
颯人:でも苺花(いちか)ちゃんがやって欲しいって言うなら俺は頑張って練習する!
苺花:颯人くん…!嬉しい!
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颯人:(N)それからというもの、彼女との特訓の日々が始まった。
颯人:俺の家にくる時はいっっっつも練習!!
颯人:血だの内臓だの狂気的な話しかしない!!
颯人:もちろんロマンチックな雰囲気は出ない!!
颯人:恋人らしい進展が何もないまま、瞬く間に1ヶ月が経過した…。
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苺花:それじゃあここから読んでみて?
颯人:わかった。コホン…
颯人:『私は、純粋とも思えるパールホワイトの骨を手に取り、そこに絡みついている桜色の肉の繊維を指でなぞった。
颯人:彼女の手首を切り落とした時の記憶は、今もなお私の脳内に甘い蜜を齎(もたら)す』…。
苺花:うん!狂気系の朗読はほんと上手くなったね!
颯人:そう、かな?よかった!
颯人:…ん?苺花ちゃん?手首押さえてるけどどうしたの?
苺花:この小説、すごく表現が好きでね?
苺花:なんていうか、こう、聞いてると…手首がフワフワしてくるの。
颯人:フワフワ?ここが切り落とされたのかぁってゾクゾクする感じ?
苺花:確かに「ゾクゾク」っていうのと似てる気もするけど、力が入らなくなるような?
苺花:「フワフワ」するんだよね。ふふ。
颯人:へぇ。
苺花:ねぇ、手、貸して?
颯人:え?うん。
颯人:(N)わぁぁ!ひさしぶりに手握られたぁぁぁ!
苺花:(狂気的に)『貴方の手首が欲しいの…切り落としてもいい?フフフ』
苺花:…こういう感じで言ってみて!
颯人:手首が愛おしい感じ、かな?
苺花:そう!セリフだと、なかなかリアルに想像が出来なくて感情移入しづらいって言ってたから、私の手首を触りながらセリフを言ってみて?
颯人:わかった…。
颯人:(N)色、白いなぁ。手首も華奢で細い…。
苺花:出来そう?
颯人:う、うん…!
颯人:『君の手首が欲しい…切り落としてもいいかな?…グフ、グフフフフ』
苺花:笑い方がキモイ!グフフって何?!
苺花:ロリっ子を誘拐しようとしてる「おっきいオトモダチ」みたいな!そんな雰囲気っっ!
颯人:それはそれで狂気じゃない?
苺花:確かに!でもそれは私が好きなやつじゃないっっ!
颯人:やっぱり俺には難しいよ…。
颯人:君の手首はちゃんと繋がってるから君の手首なわけで、手首だけもらっても全然うれしくないっていうか
颯人:手首とじゃ会話も出来ないしコミュニケーション取れないし
颯人:保存しておくなら防腐処理もしなきゃいけないしそれからそれから…
苺花:そんなリアルな想像はいらないっっ!
颯人:あ、でも、練習したいからもう一回手首触ってもいいかな?グフフフ
苺花:なんかヤダぁぁぁぁっっ!
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颯人:突然の次回予告っ!
苺花:狂気が何たるかをなかなか理解してくれない彼氏と向かえる交際三ヶ月目の倦怠期!
颯人:そんな中、狂気的な笑い方を得意とする強力なライバルが出現っ!しかもイケメン!
苺花:颯人くんを信じるべきか、イケメンに乗り換えるべきか!
颯人:彼女好みの狂気的な笑い方をマスターし、
颯人:次の段階「チュー」へ進むことは果たして出来るのか!!
苺花:次回、『狂気好きな彼女は笑い方にこだわりがある』 第2話!
颯人:作者!執筆予定は未定!
颯人:…え?未定なの?書いてよ!え?書かない?なんでだよ!
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