台本概要
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タイトル | カルーア通りにはお金が落ちている~日常編~ |
---|---|
作者名 | レイフロ (@nana75927107) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 4人用台本(男2、女2) |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
恋は盲目 ~Love is blind~ 過去に壮絶なトラウマを持つアルメラは、カクテルのプールに浸かって毎日がほろ酔い状態。 そんな彼女に惚れてしまったミテイトは、世間知らずでお金のかかる彼女の前で 『お金なら“カルーア通りに落ちている”から心配はしないで!』と嘘をついていた。 一方、アイス&シェイク夫妻は、誰もがウザがるラブラブ夫婦。 だが妻のアイスは愛人を持ち、芸術家のシェイクは作品を作るためのモデルと毎回寝ている。 不思議な4人が織り成す全く参考にならないオトナのラブストーリー(?) ↓レイフロ作の声劇台本はHPに全作品載っています。 https://reifuro12daihon.amebaownd.com ↓生声劇等での貼り付け用にどうぞ −−−−−−−−−−−−−−−− カルーア通りにはお金が落ちている~日常編~ 作:レイフロ アルメラ♀: ミテイト♂: アイス♀: シェイク♂: −−−−−−−−−−−−−−−− 171 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
アルメラ | 女 | 74 | 24歳。過去のトラウマから逃げるため、いつもほろ酔い状態。 |
ミテイト | 男 | 62 | 22歳。アルメラに惚れているが、現状彼女のお財布状態。 |
アイス | 女 | 61 | 24歳。シェイクの妻。変な商品を扱っている商売人。愛人募集中。 |
シェイク | 男 | 59 | 25歳。アイスの夫。氷細工の芸術家。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ミテイト:(ぐったりした感じで)
ミテイト:アルメラ…カクテルのプールはお気に召しているようだね。なによりだよ…。
アルメラ:んふふ、最高だわ。アタシはね?ずーっと酔っていたいの。
ミテイト:君がカクテルに浸かっていたいと言うから、室内プールまで作ってあげたけど、ずーっとそこに居て、全然俺をかまってくれないじゃないか!
アルメラ:アナタが言ったのよ?「君が好きだ!君のためならなんでもする!」って。
ミテイト:言ったけどさ!そこから出て、もう少し俺にかまってくれてもいいんじゃない?!
アルメラ:嫌なら無理にとは言わないのよ?アタシを捨てて何処にでもいけばいいでしょ?!
ミテイト:(小声)そうやってすぐ拗ねる…。
アルメラ:何か言った?
ミテイト:いいや何も!
アルメラ:(寂しそうに)
アルメラ:別にアタシは…今まで一人だったんだから、また一人に戻ったとしても平気よ…。
ミテイト:くっ…そうやって悲しげな声を出せば、俺が見捨てられないのを分かってて!
アルメラ:んふふ~
ミテイト:アルメラ…君は逃げてばかりだ。現実からも、俺からも。
アルメラ:(話を聞いてない感じで)あ~あ、アルコールが足りないわぁ。
ミテイト:カクテルのプールなんて甘ったるいものに浸かっているから、脳みそもフニャフニャになるんだよ。
アルメラ:何か言った?!
ミテイト:いいや!何も!
アルメラ:はぁ…。
ミテイト:ため息をつきたいのは俺の方だよ!一緒に入らせてもくれないし!
アルメラ:男ってバカね。
ミテイト:あ~そうさ!惚れた方が悪いって言うんだろ?あ~そうですよ!恋は盲目…ラブ、イズ…?なんだっけ?!
アルメラ:ブラインド?
ミテイト:そうそれ!ラブイズブラインド!
アルメラ:(猫撫で声で)
アルメラ: ところでミテイト~?次は変わった色のカクテルに浸かりたいなぁ~。
ミテイト:変わった色か…「グラスホッパー」なんてどうだろう?!緑がかった色で、チョコミントの味がするカクテルだよ。
アルメラ:チョコミント?!最高だわ!じゃあそれでおねが~い。
ミテイト:任せてくれ!あ~カクテルに合わせて水着も新調しないと!金を積んで急いで作らせよう!
アルメラ:肝心な資金は大丈夫なのかしら?
ミテイト:ハッ!そうだった!まずは資金調達だ…!
アルメラ:「お金ならカルーア通りに落ちているから大丈夫だ」ってアナタ言ってたわよね?そこから拾ってきたら?
ミテイト:あ、あぁ…そうするよ!
ミテイト:(小声で)…カルーア通り銀行がもうすぐ開く時間だな。やるか…銀行強盗。
アルメラ:何をブツブツ言っているの?気をつけて行ってきてね?
ミテイト:君が俺の心配をしてくれるなんてっ!行ってくるッッ!
アルメラ:…男って、バカね。
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ミテイト:(テンション高く)
ミテイト:さぁ手を上げろ!金を出せ!もっと出せ!こちとら彼女に、室内プールをいっぱいにするくらいのカクテルを用意しなきゃならないんだよ!その為には何がいる?そう!金が要るよなぁ!別にこの銀行の金全部くれってわけじゃないんだ。例えばここに預けている善良な市民が一万円ずつ俺に寄付する!みたいな!そんな感覚で、このバッグがパンパンになるくらいにまで金を詰められればいいわけだよ!それによって俺の恋が成就するとしたら皆だってハッピーだろ?
ミテイト:そういうわけでそこのアホ面下げた銀行員!…早く詰めろ。殺すぞ。
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アイス:またミテイトがやらかしてるよ?
アルメラ:やらかしてるって何を?てゆーかアイス、いつも勝手に家に入ってきて!不法侵入よ?
アイス:入ってきて欲しくないなら鍵をかけなさいな。
アルメラ:だって鍵をかけたらミテイトが入ってこられなくなるわ。
アイス:合鍵を渡せばいいじゃない。
アルメラ:ダメよ。そんなことしたらすぐに調子に乗るんだから…。
アイス:付き合ってるんじゃないの?
アルメラ:いいえ!
アイス:今ミテイトが起こしてる銀行強盗は、あんたのためなんでしょ?
アルメラ:「ギンコウゴウトウ」ってなんの話?
アイス:はぁ…いい加減、可哀相になってきたわ。
アルメラ:それより、早くアルコールを弾くクリームを塗ってくれない?
アイス:代金は?
アルメラ:もちろんミテイトが払うわ。
アイス:あんたねぇ。
アルメラ:このプールに入る時にクリームを塗らないと皮膚からもアルコールを吸収しちゃって、ベロンベロンに酔っちゃうの。
アイス:あんたはいつだって脳みそポワポワじゃない。
アルメラ:えぇ。ほろ酔いでいなくちゃ。常に。
アイス:あんたの過去にえげつないトラウマがあるのはわかるけど、そろそろお酒に頼るのはやめたら?
アルメラ:ほっといてよ。
アイス:ミテイトはどうしてこんな女に惚れちゃったのかしらね~。
アルメラ:アタシのどこに惚れたのかなんて知らないわ。気付いたら隣にいたもの。
アイス:ねぇ。他に羽振りのいいオトコ紹介するから、ミテイトを譲ってよ?
アルメラ:は?何を言っているの?アナタには愛するダンナがいるでしょうに。
アイス:うちのダンナは、氷細工の作品を世界中で作ってる芸術家だから、私は1年のうちほとんど1人なのよ?寂しいじゃない。
アルメラ:ミテイトを愛人にするつもり?
アイス:んっふふ。だとしたら?
アルメラ:(不機嫌そうに)
アルメラ:別に……いいんじゃない?
アイス:だってさ、ミテイト!許可も出たし私の愛人になる~?
ミテイト:(呆れて)
ミテイト:ならないよ。
アルメラ:ミテイト!いつのまに帰ってきたのよ!
ミテイト:今だよ?…それにしても今の「別にいいんじゃない?」のアルメラの言い方…ほんとツンデレで可愛いと思わないか?!
アイス:うっさい!どこまでポジティブなのあんたは!
ミテイト:そんなことよりもアルメラ!カルーア通りでお金を拾ってきたよ!次はグラスホッパーでプールを満たそう!そして今度こそ俺も一緒に入…
アルメラ:ダメに決まってるでしょ!
ミテイト:なんで?!
アルメラ:なんでもっ!
アイス:あ、電話だわ…誰かしら。あっ!
アイス:(声がワントーン上がる)シェイクー!
シェイク:やぁ、僕のアイス!イイコにしてたかな?
アイス:もちろん!今日はまだ5回目の電話よ?寂しかった~ん
アルメラ:ちょっと!スピーカーで話すのやめてよ!バカ夫婦の会話が丸聞こえなのよ!
シェイク:おっと、その声はアルメラだね?彼女の家にいるのかい?
アイス:正解っ!アルコールを弾くクリームを売りつけに来たの♪
シェイク:はは、相変わらず彼女はカクテルのプールに浸かっているんだね?
アイス:んふふ、その通り!ところであなた、今どこ?スイスにはもう居ないんでしょ?
シェイク:ああ。あっちでの仕事は終わったよ。なかなか芸術的な作品が出来た。
アイス:そう!じゃあ、一度こっちに戻ってこない?会いたいわ。
シェイク:僕の奥さんはどうしてこう可愛いのだろう!ああ、でもアイス、怒らないでくれるかい?
アイス:まだ帰ってこられないのね?わかった…気にしないで。私、寂しくなんかないもん…。すんすん。
シェイク:ふっふっふっ…
シェイク:サプラーイズ!!実はもう帰って来てたんだよ!
アイス:シェイクったら!
アイス&シェイク:(二人同時にリップ音ではなく字面のまま読むこと。ギャグっぽくて良い)
アイス&シェイク:ちゅっちゅっちゅっちゅっ
アルメラ:うっざ…!
ミテイト:いいじゃないか、ラブラブで。
シェイク:ぷはっ!やぁ、アルメラにミテイト!勝手に上がらせてもらったよ!鍵が開いていたからね!
アルメラ:どうしてアナタ達夫婦はいつも勝手に入ってくるの?鍵が開いていたってインターホンくらい押せるでしょ?!
シェイク:それじゃあサプライズにならないじゃないか!アイス、会いたかったよ!
アイス:私もよ、シェイク!んー…(またキスしようとする)
アルメラ:ちょっとちょっと!勘弁してよ!そういうのは家でやって!
シェイク:君は相変わらずだねぇ?まだミテイトにキスの1つもしてあげていないのかい?
アルメラ:なんでしなきゃならないのよ!
アイス:あんたのために銀行強盗まで働いてるっていうのに、酷い話~。
ミテイト:ぎぎぎ銀行強盗ってなんのことかなぁ?全ッ然意味がわからないなぁ?そそそそれに俺はアルメラに何かして欲しいわけじゃないんだ!無償の愛だよ!
アルメラ:(ボソッと)
アルメラ:一緒にプールに入りたいって言ったくせに。
ミテイト:そりゃ入りたいだろぉぉぉ!プールくらい一緒に入らせてくれよぉぉぉ!
シェイク:相変わらずだな、この二人は。
アルメラ:シェイク、人のこと言ってる場合?アナタの愛する奥さんは、アナタが留守の間にミテイトを愛人にしようとしてたわよ~?
シェイク:アイス、また君はそんなことをして…!
アイス:だって…。
シェイク:そんなに僕にヤキモチを焼かせたいだなんて!なんて可愛いんだ!!
アイス&シェイク:(二人同時にリップ音ではなく字面のまま読むこと。ギャグっぽくて良い)
アイス&シェイク:ちゅっちゅっちゅっちゅ
アルメラ:もうウザい!帰ってよ!プールのカクテルを入れ替えるんだからぁ!
シェイク:はは、2ヶ月ぶりの帰国なんだ、許してくれ。でもその前にアルメラ、君に話がある。アイス、外で待っていてくれないか?
アイス:ん、早く来てね?また勝手に消えたりしないで。
シェイク:ああ、約束する。愛してるよ。
アイス:ええ。私も愛してる。
シェイク:悪いがミテイトも外してくれるかな?
ミテイト:アルメラ、俺はここに…
アルメラ:ごめん…少し外して。
ミテイト:…分かったよ。
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0:アイスとミテイトは出て行く)
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シェイク:彼はまるで子どもだね。あんなにシュンとして。そういうところが好きなのかい?
アルメラ:黙って。早く要件を言って。
シェイク:分かっているだろう?…また僕の氷細工のモデルになってくれないか?
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ミテイト:(深いため息)
ミテイト:はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
アイス:そんなに深いため息つくと幸せが逃げるよ?
ミテイト:アルメラに席を外してくれと言われて、みすみす男と二人っきりにしなければならないなんて!これ以上不幸なことがあるか?!
アイス:私にキレないでよ。
ミテイト:君はよく平気だな!?君の旦那は自分の芸術のために、氷細工のモデルとなる女性とイロイロと…、その、シてるんだろ?!
アイス:「そういうコト」も含めて彼の作品作りよ。女の魅力を最大限に引き出すためには、必要なことなんだから。
ミテイト:俺だったら耐えられる自信がないな…。
アイス:勝手な常識で私たちの愛を測らないで。私とシェイクは、世界で一番愛し合ってるんだから!
ミテイト:うっ…ごめん。
アイス:謝るくらいなら今度私と寝ましょ?そしたら許したげる!
ミテイト:…はぁ。やっぱり君たちは世界一頭のおかしいカップルだよ。
アイス:失礼ね。
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シェイク:今日こそは君にイイ返事を貰いたいものだ!僕の作品のモデルになってくれ!
アルメラ:いーやーよ!絶対にお断りだわ。
シェイク:僕も君もいつまでも若くはないんだ。体力のある内に、歴史に残る偉大な作品を作りたいんだよ!
アルメラ:知るかっ!昔のよしみでこうやって話を聞いてあげてるだけでもありがたく思ってよね!
シェイク:最高傑作が出来れば、君は一躍(いちやく)、「時(とき)の人」になれるのに!何故だ!金か?!
アルメラ:お金ならいくらでも「カルーア通りに落ちている」わ。それをミテイトが拾ってきてくれるから別に困ってない。
シェイク:君は本当に、頭の中にも甘い甘いカクテルが詰まっているんだね。
アルメラ:……。
シェイク:僕が本物の芸術家になれたのは、君とアイスのおかげだ。
アルメラ:アタシは…。
シェイク:僕たちが付き合っていた時は、結局君を作品として完成させる事は出来なかった…。でも今なら、僕の技術は当時とは比べ物にならないし、最高傑作が出来る予感がするんだっ…!
アルメラ:アナタが女を抱くのは作品のためだけだって気付いたから別れたの!作品を作るってことはまた、その、アアアタシを…
シェイク:ああ!抱くさ!そうしなければ、生きた芸術を作ることなど出来ないからね!
アルメラ:最っっっ低!
シェイク:でも当時、君は僕を愛してくれていた…そうだろ?
アルメラ:あれは愛なんかじゃなかった!アタシは、あの時死ぬほど辛くて寂しい時期だったから…優しくしてくれたアナタに縋りついていただけよ!
アルメラ:それに今はアイスがいるんだから、最高傑作を作りたいなら彼女をモデルにすればいいじゃない!
シェイク:アイスとはまだ寝ていないんだ。
アルメラ:…は?夫婦なのにシてないの!?氷細工のモデルとは寝てるのに?!
シェイク:アイスのことを世界で一番愛している。だから寝ないんだ。
アルメラ:全っ然意味がわからないわ!
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ミテイト:は?…ちょっと理解出来なかった。もう一度言ってくれないか?
アイス:だーかーらー。シェイクとは寝てないの!
ミテイト:…はぁ?!夫婦なのに?!
アイス:キスやハグなら死ぬほどしてる。
ミテイト:それは知ってる!
アイス:何かおかしい?
ミテイト:オカシイよ、なんか色々と!!
アイス:あんただってキスすらさせてくれないアルメラと一緒にいるじゃない。
ミテイト:今はね!でもいつかは…!
アイス:まぁね、彼女もいつかはキスくらいしてくれるかもしれない。当分はないとしてもね。
ミテイト:一言余計だよ。
アイス:でもキス以上はないかもしれないわよ?あの子には、男関係で悲惨なトラウマがあるから。
ミテイト:俺には関係ない。
アイス:あるのよ!「男」っていう共通点があるんだから。
ミテイト:そんなの理不尽だ。
アイス:ふっ(鼻で笑う)
アイス:…理不尽じゃないことがこの世にあるとでも思ってるの?
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アルメラ:アイスとは寝てないってどういうことなの?!
シェイク:睡眠という意味では一緒に寝ているさ。狂おしいほどにぎゅーっと抱きしめてね。
アルメラ:それは、ただ隣で一緒に睡眠とってるだけじゃない。
シェイク:何を言っている!人間、寝ている時が一番無防備なんだ!隣でぐっすり眠れるということは世界で一番安心出来る相手だということだ!これ以上の愛情表現があるか!
アルメラ:アナタにとって一緒に睡眠を取る事が一番の愛情表現ってわけ?
シェイク:あとは情熱的なキス。
アルメラ:黙れ。
シェイク:君が聞いてきたんじゃないか。
アルメラ:コホン(咳払い)じゃあアナタにとってその、アレは愛情表現じゃないわけ?
シェイク:アレとはつまりセッ…
アルメラ:(遮るように)
アルメラ:やめてよ!ハッキリ言わないで!
シェイク:アレは相手の魅力を最大限に引き出すための手段だ。言うなれば「仕事」だよ。
アルメラ:仕事だからアイスとはシない、ってこと?
シェイク:いつかはするさ!氷細工で最高の作品が作れたら、僕はもう芸術家を辞めてもいいと思っている。その時は、仕事ではない、ただ愛情だけのアレが出来るというわけだ。となれば相手は、アイスしかいない。
アルメラ:はぁ…なんか疲れたわ…。とにかくアタシはお断りだからもう帰って。
シェイク:残念だ。でも僕は諦めないよ!ああ…!君のカラダをお金で買えたらいいのにっっっ!!
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ミテイト:ああ…!アルメラの心をお金で買えたらいいのにっっっ!!
アイス:まぁ頑張りなさい。それまでは、私がいくらでもあんたと寝てあげるから声をかけなさいな。
ミテイト:だからそれはお断りだってば!!
シェイク:アイス、待たせてごめんよ。
アイス:シェイク!話は終わった?
シェイク:とりあえずね。さ、何か食べに行こう。
アイス:ん、そうしましょ!
ミテイト:シェイク!アルメラをモデルに誘ったんだろ…?
シェイク:あぁ。…君はアルメラのことがどのくらい好きだ?
ミテイト:どのくらいって…。
シェイク:彼女は昔、男関係でひどい目にあってね。傷ついているところを僕が慰めた。彼女のおかげで僕はアイスとも出会えたし、芸術家として開花出来たが、結局僕は彼女と別れてしまった。
ミテイト:別れたのに、どうしてまたアルメラをモデルにしようとするんだ。
シェイク:世界中で作品を作るうちに気付いたんだよ。やっぱり最高の「素材」は、アルメラだったんだって!
ミテイト:アイスには悪いけど、俺はアルメラのことを「素材」なんて言うヤツは許せないし、腹が立つ!
アイス:じゃあどうするの?シェイクを殴る?
ミテイト:モデルにするってことは、君のダンナはアルメラと寝ようとしてるんだぞ?!どうしてそんなに冷静で居られる?!それで本当に君たち夫婦は愛し合ってるって言えるのか?!
シェイク:それは聞き捨てならないな。殺すぞクソガキ。
ミテイト:ああ、やってみろよ、エセ芸術家ッ!
アルメラ:人の家の前でウルサイのよ!…ミテイト!プールに新しいカクテルを入れ替える気がないのなら、もう二度と顔を見せないで!
ミテイト:え?あ、ちょっと!アルメラ?!い、今行く!今すぐやるからぁぁぁぁ!
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アイス:はぁ…。あの二人、上手くいくかしら?
シェイク:さぁ、どうかな?
アイス:アルメラもミテイトも、あなたが何者なのか知らないのよね?
シェイク:ただ女とヤリまくって作品を作る、頭のおかしな芸術家だと思っているんじゃないかな。ははは。
アイス:一つ聞いてもいい?あなたはアルメラをもう一度氷細工のモデルにしたいというけれど、それはあの子を…
シェイク:わからない。どうするかは決めていないんだ。
アイス:抱いてみてから決めるのね?
シェイク:そうだね。彼女が最高傑作になるかどうかはきっとその時にしかわからない。
アイス:そう…。なら私は変わらずあなたを応援するわ。
シェイク:…僕は君のそんなところが大好きだよ。
アイス:んふふ。じゃあ今度ミテイトと寝てもいい?
シェイク:いいよ、と言いたいところだけれど、それは死ぬほど妬いてしまうからやめてほしいな。
アイス:激しい嫉妬は大好きよ!あ~尚更ミテイトと寝たくなっちゃった~!
シェイク:はぁ…(深いため息)
アイス:ねぇ!外食はやめて家に帰らない?世界中が嫉妬するくらいあなたとイチャイチャしたい!
シェイク:ああ…そうしようか。
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ミテイト:ご、ごめん!今すぐプールのカクテルを入れ替えるよ!
アルメラ:遅い!なんか酔いがさめちゃったわ。
ミテイト:怒らないでくれ。すぐ手配してカクテルを作るよ。
ミテイト:…あの、さ、今回もモデルの話断ったんだろ?
アルメラ:当たり前じゃない。
ミテイト:どうして毎回断るのに、律儀(りちぎ)に話を聞いてあげるんだ?
アルメラ:それは…。
ミテイト:シェイクにまだ未練があるのか?まだ好きだったり、とか…
アルメラ:わかったような口聞かないで!何よ!あんたはアタシのためにカルーア通りからお金を拾ってくればいいの!アタシに貢いで、酔わせて、余計なことは考えられないようにしてよ!
ミテイト:「カルーア通りにはお金が落ちている」って言ったのは確かに俺だ…。
アルメラ:そ、そうよ?
ミテイト:アルメラ。本当にカルーア通りにお金が落ちていると思うか…?
アルメラ:やめて!現実なんてクソ食らえよ!アタシは酔っていなきゃ生きていけないの!
ミテイト:分かってるよ。だから、君が俺を信じるのなら、俺はカルーア通りからいくらでもお金を拾ってくる…!酔いたいのならいくらでもプールをカクテルで満たそう!トラウマだかウマシカだか知らないが、そんなものから君が逃げる道を、俺が作ってやる!
アルメラ:でも、アタシはアナタに何も返せない…。もう誰かを好きになんてなりたくないの…!
ミテイト:先のことなんてわからないよ。もう愛なんてこりごりだと思っていても、好きになる時はなるものだよ。
アルメラ:バッカじゃないの…。
ミテイト:はは、かもね。…あ、リキュールが足りなそうだから、電話で追加発注してくるよ。
アルメラ:ん、わかったわ。
アルメラ:
アルメラ:
ミテイト:…もしもし、俺だ。次の銀行強盗はもっと難易度の高いものにしてくれ。金がいるんだ。リスクは承知している。
ミテイト:…急にどうしたって?そりゃあ…好きな女のために決まってるだろうが。
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シェイク:はぁ…君を抱きしめて眠るのは二ヶ月ぶりか…。今夜は熟睡できそうだ。
アイス:それにしても、アルメラのことを芸術のための「素材」だなんて、よく言ったものね。
シェイク:ミテイトはすぐに挑発に乗るからね。…というか、またあの二人の話かい?
アイス:私は結構あの二人を気に入ってるんだから。上手くいって欲しい。
シェイク:上手く、とは?…恋人になって、結婚して子どもを儲けて、二人一緒に老衰で死ぬことが幸せ?
アイス:ふふ。私たちには無縁の話ね。
シェイク:結婚まではいけたじゃないか。
アイス:交際期間0日(ぜろにち)で、新婚旅行も行けてないけどね。
シェイク:珍しく拗ねてるな…どうした?
アイス:ううん、ごめんなさい…。ふぁぁ(あくび)
シェイク:いつも寂しい思いをさせてすまない…。
アイス:すー…(眠る)
シェイク:もう寝てしまったのかい?…おやすみ。愛しいアイス…。
シェイク:いつか必ず、君を殺してあげるからね…。
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アルメラ:次回予告っ!
ミテイト:ついに、アルメラのトラウマとなった狂気の男が刑務所から出所!
アイス:ミテイトが銀行強盗をしていたカルーア通り銀行の総支配人も登場し、事体は思わぬ方向へ!?
シェイク:ミテイトは、襲い掛かる危機からアルメラを守ることは出来るのか?!
アルメラ:ついでにシェイクとアイスのイチャイチャもヒートアップ!あ~うざいっ!
ミテイト:『カルーア通りにはお金が落ちている~狂気編~』
シェイク:日常編とは全く違う怒涛(どとう)の狂気展開……どうぞお見逃し無く!
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ミテイト:(ぐったりした感じで)
ミテイト:アルメラ…カクテルのプールはお気に召しているようだね。なによりだよ…。
アルメラ:んふふ、最高だわ。アタシはね?ずーっと酔っていたいの。
ミテイト:君がカクテルに浸かっていたいと言うから、室内プールまで作ってあげたけど、ずーっとそこに居て、全然俺をかまってくれないじゃないか!
アルメラ:アナタが言ったのよ?「君が好きだ!君のためならなんでもする!」って。
ミテイト:言ったけどさ!そこから出て、もう少し俺にかまってくれてもいいんじゃない?!
アルメラ:嫌なら無理にとは言わないのよ?アタシを捨てて何処にでもいけばいいでしょ?!
ミテイト:(小声)そうやってすぐ拗ねる…。
アルメラ:何か言った?
ミテイト:いいや何も!
アルメラ:(寂しそうに)
アルメラ:別にアタシは…今まで一人だったんだから、また一人に戻ったとしても平気よ…。
ミテイト:くっ…そうやって悲しげな声を出せば、俺が見捨てられないのを分かってて!
アルメラ:んふふ~
ミテイト:アルメラ…君は逃げてばかりだ。現実からも、俺からも。
アルメラ:(話を聞いてない感じで)あ~あ、アルコールが足りないわぁ。
ミテイト:カクテルのプールなんて甘ったるいものに浸かっているから、脳みそもフニャフニャになるんだよ。
アルメラ:何か言った?!
ミテイト:いいや!何も!
アルメラ:はぁ…。
ミテイト:ため息をつきたいのは俺の方だよ!一緒に入らせてもくれないし!
アルメラ:男ってバカね。
ミテイト:あ~そうさ!惚れた方が悪いって言うんだろ?あ~そうですよ!恋は盲目…ラブ、イズ…?なんだっけ?!
アルメラ:ブラインド?
ミテイト:そうそれ!ラブイズブラインド!
アルメラ:(猫撫で声で)
アルメラ: ところでミテイト~?次は変わった色のカクテルに浸かりたいなぁ~。
ミテイト:変わった色か…「グラスホッパー」なんてどうだろう?!緑がかった色で、チョコミントの味がするカクテルだよ。
アルメラ:チョコミント?!最高だわ!じゃあそれでおねが~い。
ミテイト:任せてくれ!あ~カクテルに合わせて水着も新調しないと!金を積んで急いで作らせよう!
アルメラ:肝心な資金は大丈夫なのかしら?
ミテイト:ハッ!そうだった!まずは資金調達だ…!
アルメラ:「お金ならカルーア通りに落ちているから大丈夫だ」ってアナタ言ってたわよね?そこから拾ってきたら?
ミテイト:あ、あぁ…そうするよ!
ミテイト:(小声で)…カルーア通り銀行がもうすぐ開く時間だな。やるか…銀行強盗。
アルメラ:何をブツブツ言っているの?気をつけて行ってきてね?
ミテイト:君が俺の心配をしてくれるなんてっ!行ってくるッッ!
アルメラ:…男って、バカね。
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ミテイト:(テンション高く)
ミテイト:さぁ手を上げろ!金を出せ!もっと出せ!こちとら彼女に、室内プールをいっぱいにするくらいのカクテルを用意しなきゃならないんだよ!その為には何がいる?そう!金が要るよなぁ!別にこの銀行の金全部くれってわけじゃないんだ。例えばここに預けている善良な市民が一万円ずつ俺に寄付する!みたいな!そんな感覚で、このバッグがパンパンになるくらいにまで金を詰められればいいわけだよ!それによって俺の恋が成就するとしたら皆だってハッピーだろ?
ミテイト:そういうわけでそこのアホ面下げた銀行員!…早く詰めろ。殺すぞ。
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アイス:またミテイトがやらかしてるよ?
アルメラ:やらかしてるって何を?てゆーかアイス、いつも勝手に家に入ってきて!不法侵入よ?
アイス:入ってきて欲しくないなら鍵をかけなさいな。
アルメラ:だって鍵をかけたらミテイトが入ってこられなくなるわ。
アイス:合鍵を渡せばいいじゃない。
アルメラ:ダメよ。そんなことしたらすぐに調子に乗るんだから…。
アイス:付き合ってるんじゃないの?
アルメラ:いいえ!
アイス:今ミテイトが起こしてる銀行強盗は、あんたのためなんでしょ?
アルメラ:「ギンコウゴウトウ」ってなんの話?
アイス:はぁ…いい加減、可哀相になってきたわ。
アルメラ:それより、早くアルコールを弾くクリームを塗ってくれない?
アイス:代金は?
アルメラ:もちろんミテイトが払うわ。
アイス:あんたねぇ。
アルメラ:このプールに入る時にクリームを塗らないと皮膚からもアルコールを吸収しちゃって、ベロンベロンに酔っちゃうの。
アイス:あんたはいつだって脳みそポワポワじゃない。
アルメラ:えぇ。ほろ酔いでいなくちゃ。常に。
アイス:あんたの過去にえげつないトラウマがあるのはわかるけど、そろそろお酒に頼るのはやめたら?
アルメラ:ほっといてよ。
アイス:ミテイトはどうしてこんな女に惚れちゃったのかしらね~。
アルメラ:アタシのどこに惚れたのかなんて知らないわ。気付いたら隣にいたもの。
アイス:ねぇ。他に羽振りのいいオトコ紹介するから、ミテイトを譲ってよ?
アルメラ:は?何を言っているの?アナタには愛するダンナがいるでしょうに。
アイス:うちのダンナは、氷細工の作品を世界中で作ってる芸術家だから、私は1年のうちほとんど1人なのよ?寂しいじゃない。
アルメラ:ミテイトを愛人にするつもり?
アイス:んっふふ。だとしたら?
アルメラ:(不機嫌そうに)
アルメラ:別に……いいんじゃない?
アイス:だってさ、ミテイト!許可も出たし私の愛人になる~?
ミテイト:(呆れて)
ミテイト:ならないよ。
アルメラ:ミテイト!いつのまに帰ってきたのよ!
ミテイト:今だよ?…それにしても今の「別にいいんじゃない?」のアルメラの言い方…ほんとツンデレで可愛いと思わないか?!
アイス:うっさい!どこまでポジティブなのあんたは!
ミテイト:そんなことよりもアルメラ!カルーア通りでお金を拾ってきたよ!次はグラスホッパーでプールを満たそう!そして今度こそ俺も一緒に入…
アルメラ:ダメに決まってるでしょ!
ミテイト:なんで?!
アルメラ:なんでもっ!
アイス:あ、電話だわ…誰かしら。あっ!
アイス:(声がワントーン上がる)シェイクー!
シェイク:やぁ、僕のアイス!イイコにしてたかな?
アイス:もちろん!今日はまだ5回目の電話よ?寂しかった~ん
アルメラ:ちょっと!スピーカーで話すのやめてよ!バカ夫婦の会話が丸聞こえなのよ!
シェイク:おっと、その声はアルメラだね?彼女の家にいるのかい?
アイス:正解っ!アルコールを弾くクリームを売りつけに来たの♪
シェイク:はは、相変わらず彼女はカクテルのプールに浸かっているんだね?
アイス:んふふ、その通り!ところであなた、今どこ?スイスにはもう居ないんでしょ?
シェイク:ああ。あっちでの仕事は終わったよ。なかなか芸術的な作品が出来た。
アイス:そう!じゃあ、一度こっちに戻ってこない?会いたいわ。
シェイク:僕の奥さんはどうしてこう可愛いのだろう!ああ、でもアイス、怒らないでくれるかい?
アイス:まだ帰ってこられないのね?わかった…気にしないで。私、寂しくなんかないもん…。すんすん。
シェイク:ふっふっふっ…
シェイク:サプラーイズ!!実はもう帰って来てたんだよ!
アイス:シェイクったら!
アイス&シェイク:(二人同時にリップ音ではなく字面のまま読むこと。ギャグっぽくて良い)
アイス&シェイク:ちゅっちゅっちゅっちゅっ
アルメラ:うっざ…!
ミテイト:いいじゃないか、ラブラブで。
シェイク:ぷはっ!やぁ、アルメラにミテイト!勝手に上がらせてもらったよ!鍵が開いていたからね!
アルメラ:どうしてアナタ達夫婦はいつも勝手に入ってくるの?鍵が開いていたってインターホンくらい押せるでしょ?!
シェイク:それじゃあサプライズにならないじゃないか!アイス、会いたかったよ!
アイス:私もよ、シェイク!んー…(またキスしようとする)
アルメラ:ちょっとちょっと!勘弁してよ!そういうのは家でやって!
シェイク:君は相変わらずだねぇ?まだミテイトにキスの1つもしてあげていないのかい?
アルメラ:なんでしなきゃならないのよ!
アイス:あんたのために銀行強盗まで働いてるっていうのに、酷い話~。
ミテイト:ぎぎぎ銀行強盗ってなんのことかなぁ?全ッ然意味がわからないなぁ?そそそそれに俺はアルメラに何かして欲しいわけじゃないんだ!無償の愛だよ!
アルメラ:(ボソッと)
アルメラ:一緒にプールに入りたいって言ったくせに。
ミテイト:そりゃ入りたいだろぉぉぉ!プールくらい一緒に入らせてくれよぉぉぉ!
シェイク:相変わらずだな、この二人は。
アルメラ:シェイク、人のこと言ってる場合?アナタの愛する奥さんは、アナタが留守の間にミテイトを愛人にしようとしてたわよ~?
シェイク:アイス、また君はそんなことをして…!
アイス:だって…。
シェイク:そんなに僕にヤキモチを焼かせたいだなんて!なんて可愛いんだ!!
アイス&シェイク:(二人同時にリップ音ではなく字面のまま読むこと。ギャグっぽくて良い)
アイス&シェイク:ちゅっちゅっちゅっちゅ
アルメラ:もうウザい!帰ってよ!プールのカクテルを入れ替えるんだからぁ!
シェイク:はは、2ヶ月ぶりの帰国なんだ、許してくれ。でもその前にアルメラ、君に話がある。アイス、外で待っていてくれないか?
アイス:ん、早く来てね?また勝手に消えたりしないで。
シェイク:ああ、約束する。愛してるよ。
アイス:ええ。私も愛してる。
シェイク:悪いがミテイトも外してくれるかな?
ミテイト:アルメラ、俺はここに…
アルメラ:ごめん…少し外して。
ミテイト:…分かったよ。
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0:アイスとミテイトは出て行く)
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シェイク:彼はまるで子どもだね。あんなにシュンとして。そういうところが好きなのかい?
アルメラ:黙って。早く要件を言って。
シェイク:分かっているだろう?…また僕の氷細工のモデルになってくれないか?
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ミテイト:(深いため息)
ミテイト:はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
アイス:そんなに深いため息つくと幸せが逃げるよ?
ミテイト:アルメラに席を外してくれと言われて、みすみす男と二人っきりにしなければならないなんて!これ以上不幸なことがあるか?!
アイス:私にキレないでよ。
ミテイト:君はよく平気だな!?君の旦那は自分の芸術のために、氷細工のモデルとなる女性とイロイロと…、その、シてるんだろ?!
アイス:「そういうコト」も含めて彼の作品作りよ。女の魅力を最大限に引き出すためには、必要なことなんだから。
ミテイト:俺だったら耐えられる自信がないな…。
アイス:勝手な常識で私たちの愛を測らないで。私とシェイクは、世界で一番愛し合ってるんだから!
ミテイト:うっ…ごめん。
アイス:謝るくらいなら今度私と寝ましょ?そしたら許したげる!
ミテイト:…はぁ。やっぱり君たちは世界一頭のおかしいカップルだよ。
アイス:失礼ね。
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シェイク:今日こそは君にイイ返事を貰いたいものだ!僕の作品のモデルになってくれ!
アルメラ:いーやーよ!絶対にお断りだわ。
シェイク:僕も君もいつまでも若くはないんだ。体力のある内に、歴史に残る偉大な作品を作りたいんだよ!
アルメラ:知るかっ!昔のよしみでこうやって話を聞いてあげてるだけでもありがたく思ってよね!
シェイク:最高傑作が出来れば、君は一躍(いちやく)、「時(とき)の人」になれるのに!何故だ!金か?!
アルメラ:お金ならいくらでも「カルーア通りに落ちている」わ。それをミテイトが拾ってきてくれるから別に困ってない。
シェイク:君は本当に、頭の中にも甘い甘いカクテルが詰まっているんだね。
アルメラ:……。
シェイク:僕が本物の芸術家になれたのは、君とアイスのおかげだ。
アルメラ:アタシは…。
シェイク:僕たちが付き合っていた時は、結局君を作品として完成させる事は出来なかった…。でも今なら、僕の技術は当時とは比べ物にならないし、最高傑作が出来る予感がするんだっ…!
アルメラ:アナタが女を抱くのは作品のためだけだって気付いたから別れたの!作品を作るってことはまた、その、アアアタシを…
シェイク:ああ!抱くさ!そうしなければ、生きた芸術を作ることなど出来ないからね!
アルメラ:最っっっ低!
シェイク:でも当時、君は僕を愛してくれていた…そうだろ?
アルメラ:あれは愛なんかじゃなかった!アタシは、あの時死ぬほど辛くて寂しい時期だったから…優しくしてくれたアナタに縋りついていただけよ!
アルメラ:それに今はアイスがいるんだから、最高傑作を作りたいなら彼女をモデルにすればいいじゃない!
シェイク:アイスとはまだ寝ていないんだ。
アルメラ:…は?夫婦なのにシてないの!?氷細工のモデルとは寝てるのに?!
シェイク:アイスのことを世界で一番愛している。だから寝ないんだ。
アルメラ:全っ然意味がわからないわ!
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ミテイト:は?…ちょっと理解出来なかった。もう一度言ってくれないか?
アイス:だーかーらー。シェイクとは寝てないの!
ミテイト:…はぁ?!夫婦なのに?!
アイス:キスやハグなら死ぬほどしてる。
ミテイト:それは知ってる!
アイス:何かおかしい?
ミテイト:オカシイよ、なんか色々と!!
アイス:あんただってキスすらさせてくれないアルメラと一緒にいるじゃない。
ミテイト:今はね!でもいつかは…!
アイス:まぁね、彼女もいつかはキスくらいしてくれるかもしれない。当分はないとしてもね。
ミテイト:一言余計だよ。
アイス:でもキス以上はないかもしれないわよ?あの子には、男関係で悲惨なトラウマがあるから。
ミテイト:俺には関係ない。
アイス:あるのよ!「男」っていう共通点があるんだから。
ミテイト:そんなの理不尽だ。
アイス:ふっ(鼻で笑う)
アイス:…理不尽じゃないことがこの世にあるとでも思ってるの?
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アルメラ:アイスとは寝てないってどういうことなの?!
シェイク:睡眠という意味では一緒に寝ているさ。狂おしいほどにぎゅーっと抱きしめてね。
アルメラ:それは、ただ隣で一緒に睡眠とってるだけじゃない。
シェイク:何を言っている!人間、寝ている時が一番無防備なんだ!隣でぐっすり眠れるということは世界で一番安心出来る相手だということだ!これ以上の愛情表現があるか!
アルメラ:アナタにとって一緒に睡眠を取る事が一番の愛情表現ってわけ?
シェイク:あとは情熱的なキス。
アルメラ:黙れ。
シェイク:君が聞いてきたんじゃないか。
アルメラ:コホン(咳払い)じゃあアナタにとってその、アレは愛情表現じゃないわけ?
シェイク:アレとはつまりセッ…
アルメラ:(遮るように)
アルメラ:やめてよ!ハッキリ言わないで!
シェイク:アレは相手の魅力を最大限に引き出すための手段だ。言うなれば「仕事」だよ。
アルメラ:仕事だからアイスとはシない、ってこと?
シェイク:いつかはするさ!氷細工で最高の作品が作れたら、僕はもう芸術家を辞めてもいいと思っている。その時は、仕事ではない、ただ愛情だけのアレが出来るというわけだ。となれば相手は、アイスしかいない。
アルメラ:はぁ…なんか疲れたわ…。とにかくアタシはお断りだからもう帰って。
シェイク:残念だ。でも僕は諦めないよ!ああ…!君のカラダをお金で買えたらいいのにっっっ!!
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ミテイト:ああ…!アルメラの心をお金で買えたらいいのにっっっ!!
アイス:まぁ頑張りなさい。それまでは、私がいくらでもあんたと寝てあげるから声をかけなさいな。
ミテイト:だからそれはお断りだってば!!
シェイク:アイス、待たせてごめんよ。
アイス:シェイク!話は終わった?
シェイク:とりあえずね。さ、何か食べに行こう。
アイス:ん、そうしましょ!
ミテイト:シェイク!アルメラをモデルに誘ったんだろ…?
シェイク:あぁ。…君はアルメラのことがどのくらい好きだ?
ミテイト:どのくらいって…。
シェイク:彼女は昔、男関係でひどい目にあってね。傷ついているところを僕が慰めた。彼女のおかげで僕はアイスとも出会えたし、芸術家として開花出来たが、結局僕は彼女と別れてしまった。
ミテイト:別れたのに、どうしてまたアルメラをモデルにしようとするんだ。
シェイク:世界中で作品を作るうちに気付いたんだよ。やっぱり最高の「素材」は、アルメラだったんだって!
ミテイト:アイスには悪いけど、俺はアルメラのことを「素材」なんて言うヤツは許せないし、腹が立つ!
アイス:じゃあどうするの?シェイクを殴る?
ミテイト:モデルにするってことは、君のダンナはアルメラと寝ようとしてるんだぞ?!どうしてそんなに冷静で居られる?!それで本当に君たち夫婦は愛し合ってるって言えるのか?!
シェイク:それは聞き捨てならないな。殺すぞクソガキ。
ミテイト:ああ、やってみろよ、エセ芸術家ッ!
アルメラ:人の家の前でウルサイのよ!…ミテイト!プールに新しいカクテルを入れ替える気がないのなら、もう二度と顔を見せないで!
ミテイト:え?あ、ちょっと!アルメラ?!い、今行く!今すぐやるからぁぁぁぁ!
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アイス:はぁ…。あの二人、上手くいくかしら?
シェイク:さぁ、どうかな?
アイス:アルメラもミテイトも、あなたが何者なのか知らないのよね?
シェイク:ただ女とヤリまくって作品を作る、頭のおかしな芸術家だと思っているんじゃないかな。ははは。
アイス:一つ聞いてもいい?あなたはアルメラをもう一度氷細工のモデルにしたいというけれど、それはあの子を…
シェイク:わからない。どうするかは決めていないんだ。
アイス:抱いてみてから決めるのね?
シェイク:そうだね。彼女が最高傑作になるかどうかはきっとその時にしかわからない。
アイス:そう…。なら私は変わらずあなたを応援するわ。
シェイク:…僕は君のそんなところが大好きだよ。
アイス:んふふ。じゃあ今度ミテイトと寝てもいい?
シェイク:いいよ、と言いたいところだけれど、それは死ぬほど妬いてしまうからやめてほしいな。
アイス:激しい嫉妬は大好きよ!あ~尚更ミテイトと寝たくなっちゃった~!
シェイク:はぁ…(深いため息)
アイス:ねぇ!外食はやめて家に帰らない?世界中が嫉妬するくらいあなたとイチャイチャしたい!
シェイク:ああ…そうしようか。
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ミテイト:ご、ごめん!今すぐプールのカクテルを入れ替えるよ!
アルメラ:遅い!なんか酔いがさめちゃったわ。
ミテイト:怒らないでくれ。すぐ手配してカクテルを作るよ。
ミテイト:…あの、さ、今回もモデルの話断ったんだろ?
アルメラ:当たり前じゃない。
ミテイト:どうして毎回断るのに、律儀(りちぎ)に話を聞いてあげるんだ?
アルメラ:それは…。
ミテイト:シェイクにまだ未練があるのか?まだ好きだったり、とか…
アルメラ:わかったような口聞かないで!何よ!あんたはアタシのためにカルーア通りからお金を拾ってくればいいの!アタシに貢いで、酔わせて、余計なことは考えられないようにしてよ!
ミテイト:「カルーア通りにはお金が落ちている」って言ったのは確かに俺だ…。
アルメラ:そ、そうよ?
ミテイト:アルメラ。本当にカルーア通りにお金が落ちていると思うか…?
アルメラ:やめて!現実なんてクソ食らえよ!アタシは酔っていなきゃ生きていけないの!
ミテイト:分かってるよ。だから、君が俺を信じるのなら、俺はカルーア通りからいくらでもお金を拾ってくる…!酔いたいのならいくらでもプールをカクテルで満たそう!トラウマだかウマシカだか知らないが、そんなものから君が逃げる道を、俺が作ってやる!
アルメラ:でも、アタシはアナタに何も返せない…。もう誰かを好きになんてなりたくないの…!
ミテイト:先のことなんてわからないよ。もう愛なんてこりごりだと思っていても、好きになる時はなるものだよ。
アルメラ:バッカじゃないの…。
ミテイト:はは、かもね。…あ、リキュールが足りなそうだから、電話で追加発注してくるよ。
アルメラ:ん、わかったわ。
アルメラ:
アルメラ:
ミテイト:…もしもし、俺だ。次の銀行強盗はもっと難易度の高いものにしてくれ。金がいるんだ。リスクは承知している。
ミテイト:…急にどうしたって?そりゃあ…好きな女のために決まってるだろうが。
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シェイク:はぁ…君を抱きしめて眠るのは二ヶ月ぶりか…。今夜は熟睡できそうだ。
アイス:それにしても、アルメラのことを芸術のための「素材」だなんて、よく言ったものね。
シェイク:ミテイトはすぐに挑発に乗るからね。…というか、またあの二人の話かい?
アイス:私は結構あの二人を気に入ってるんだから。上手くいって欲しい。
シェイク:上手く、とは?…恋人になって、結婚して子どもを儲けて、二人一緒に老衰で死ぬことが幸せ?
アイス:ふふ。私たちには無縁の話ね。
シェイク:結婚まではいけたじゃないか。
アイス:交際期間0日(ぜろにち)で、新婚旅行も行けてないけどね。
シェイク:珍しく拗ねてるな…どうした?
アイス:ううん、ごめんなさい…。ふぁぁ(あくび)
シェイク:いつも寂しい思いをさせてすまない…。
アイス:すー…(眠る)
シェイク:もう寝てしまったのかい?…おやすみ。愛しいアイス…。
シェイク:いつか必ず、君を殺してあげるからね…。
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アルメラ:次回予告っ!
ミテイト:ついに、アルメラのトラウマとなった狂気の男が刑務所から出所!
アイス:ミテイトが銀行強盗をしていたカルーア通り銀行の総支配人も登場し、事体は思わぬ方向へ!?
シェイク:ミテイトは、襲い掛かる危機からアルメラを守ることは出来るのか?!
アルメラ:ついでにシェイクとアイスのイチャイチャもヒートアップ!あ~うざいっ!
ミテイト:『カルーア通りにはお金が落ちている~狂気編~』
シェイク:日常編とは全く違う怒涛(どとう)の狂気展開……どうぞお見逃し無く!
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