台本概要
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タイトル | Stranger Of Chaos |
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作者名 | すばら (@kou0204hei) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 9人用台本(男7、女2) ※兼役あり |
時間 | 90 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
「王號暦(おうごうれき)294年、グランディア大陸に突如として現れたinvader(侵略者)達が世界を脅かしていた。」 「地に降り注いだ、三つの脅威達が混沌を生まんとしていた。」 「人と様々な種族が共存する、王都ルミレル。此処には特殊な運命を背負った若者がいた。」 自由にやって頂ければと思います。 世界観を崩さない程度の改変は可です。 それでは、お楽しみ下さいませ。 ⚠️こちらの性質上、全てのキャラクターが載せられません⚠️ ⚠︎合計人数は本文の紹介文をご参照ください⚠︎ ※時間は訳8時間掛かります※ 226 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ルベド | 男 | 654 | ギルド商会ブラッドヴェルにその身を置く、素朴な青年。愛用武器は父から受け継いだハーフデュランダル、母からは魔甲(属性によって、得られる術、技が変わる)サレナに尻を敷かれている。幼きルベドを兼ね役 |
サレナ | 女 | 299 | 特にルベドに対しては面倒見が良く、武道の道を極めた女性。すぐに拳や脚が出るのが玉に瑕。愛用武器はすーぱーなっこぉ(メリケン、三節棍等)体術主体の技を繰り出す。幼きサレナとイレスと兼ね役。 |
フェルマー | 女 | 146 | 翼人(つばさびと) 背に翼を生やした異なる種族。自国の豪傑な武人で鬼人族のグリーヴァとは旧知の仲。口調にやや特徴はあるが変な奴ではない。大鎌を自由自在に扱う。 愛用武器はソウルスレイヤー。 潜在能力を引き出すと吸収を習得する。 ミランダと兼推奨。 |
グリーヴァ | 男 | 184 | 鬼人(おにびと) フェルマーと同様に異なる種族で、自国の総大将。鍛え上げた肉体で豪快に二刀を振るう。 愛用武器は修羅一文字&無双返り咲き。 若干、俺様気質だが情には熱い。 愛妻イレスを狂愛している。 ジョンソンとアデス 兼ね役お願いします! |
ニグレド | 男 | 286 | 異族と人族とのハーフ。温厚な性格で、滅多に牙を剥かない。ひょんな事から、ルベド達と旅を共にする。 愛用武器は巨大な2つの盾、アイギスとイージス。 生まれながら、簡易的な治癒術が使える。 主に状態異常を起こし、妨害する技を使う。 サポート的な存在。 若きローレンスと兼ねる。 |
アルベド | 男 | 141 | 全てが謎に包まれている。とある事がキッカケで二面性を持つ。 愛用武器は魔爪(まそう)→魔を封じ込めた籠手、不遇戴天。 ???と???(主)、アルベド?、創造神ミハイルを兼役。 |
ローレンス | 男 | 106 | 悪を特殊な棺に封じ込める使命を背負った、ファーストキー(原初の鍵)の末裔。王號暦194年、邪教徒(???)を封じ込めた勇敢な英雄。然し、歳を重ねたせいか、そのチカラは使用する事が出来なくなってしまう。 復活してしまった脅威に立ち向かう為、智学に生涯を捧げ、老賢者となる。 ニグレドの事を孫のように接する。 |
創造神ミハイル | 男 | 29 | 肉体を得た姿 |
断罪者ミトス | 男 | 22 | ミハイルに仕える番犬。口調は柔らかいが毒舌で論理的思考。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
Stranger Of Chaos⚔️(ストレンジャーオブケイオス)
*0の表記はト書き(N)を含む*
〜登場人物〜
ルベド18歳♂
ギルド商会ブラッドヴェルにその身を置く、純朴な青年。
愛用武器は父から受け継いだハーフデュランダル、母からは魔甲(属性によって得られる術、技が変わる)サレナに尻を敷かれている。
サレナ20歳♀
特にルベドに対しては面倒見が良く、武道の道を極めた女性。すぐに拳や脚が出るのが玉に瑕。
愛用武器はすーぱーなっこぉ(メリケン、三節棍等)体術主体の技を繰り出す。イレスと兼ね役。
フェルマー15歳?♀(のじゃロリ)
翼人(つばさびと)
背に翼を生やした異なる種族。自国の豪傑な武人で鬼人族のグリーヴァとは旧知の仲。口調にやや特徴はあるが変な奴ではない。大鎌を自由自在に扱う。
愛用武器はソウルスレイヤー。
潜在能力を引き出すと吸収を習得する。
ミランダと兼推奨。
グリーヴァ43歳♂
鬼人(おにびと)
フェルマーと同様に異なる種族で、自国の総大将。鍛え上げた肉体で豪快に二刀を振るう。
愛用武器は修羅一文字&無双返り咲き。
若干、俺様気質だが情には熱い。
愛妻イレスを狂愛している。
ジョンソンと兼ね役お願いします!
ニグレド24歳♂
異族と人族とのハーフ。温厚な性格で、滅多に牙を剥かない。ひょんな事から、ルベド達と旅を共にする。
愛用武器は巨大な2つの盾、アイギスとイージス。
生まれながら、簡易的な治癒術が使える。
主に状態異常を起こし、妨害する技を使う。
サポート的な存在。
若きローレンスと兼ねる。
アルベド22歳♂
全てが謎に包まれている。とある事がキッカケで二面性を持つ。
愛用武器は魔爪(まそう)→魔を封じ込めた籠手、不遇戴天。
???と兼役。
???♂
宇宙に災厄を降らした創造神。過去、英雄ローレンスの活躍により、その肉体は封じられたが…どういう訳か残留思念だけが残り、三つの脅威を従える主に君臨した。器(肉体)となる者を探している。
異形なる者(力)46歳♂
名はジーフリード。
戦闘狂。三つの脅威の1人で動きは鈍いが、その一振りは天地をも揺るがす程の破壊力。
愛用武器は理の狂剣(ことわりのきょうけん)
特殊技能、バーサーカー(狂人化)モードと言う切り札がある。
⚠︎最初は出番が少ないです⚠︎
中盤から増えるので、側近とローレンスを兼役推奨。
異形なる者(知)32歳♀
名はジェス。
ジーフリードと同様、三つの脅威の1人。目が眩む程の美貌を持ち、妖艶な言動で翻弄する。上品だが、サディスト。
愛用武器は理の魔符(ことわりのまふ)
異界より出し下僕達を召喚して戦う。あらゆる生命体を無機質な物体に変え、意のままに操る、特殊技能を持つ。
出番はそこそこですが、ミレイユを兼ねる事をお勧めします!
異形なる者(技)28歳♂
名はヴァシュロン。
主(???)に絶対なる忠誠を誓う、寡黙な青年。ジーフリード、ジェスに並ぶ、三つの脅威の1人。時折、毒を吐く。ジェスとは馬が合わないらしい。愛用武器は理の大槍(ことわりのおおやり)
亜空間を形成させる特殊技能を持つ。
翼人兵と兼ねて下さい。
ローレンス76歳♂
悪を特殊な棺に封じ込める使命を背負った、ファーストキー(原初の鍵)の末裔。王號暦194年、邪教徒(???)を封じ込めた勇敢な英雄。然し、歳を重ねたせいか、そのチカラは使用する事が出来なくなってしまう。
復活してしまった脅威に立ち向かう為、智学に生涯を捧げ、老賢者となる。
ニグレドの事を孫のように接する。
若きローレンス20歳♂
以下略。愛銃カオスレイ。
ジョンソン35歳♂
ルベドの父親だが血は繋がっていない。
ルベドを本当の子のように愛す。妻ミランダを溺愛している。
ギルド商会ブラッドヴェルで数々の依頼をこなして来た賜物か、剣技には長けている。
愛剣ハーフデュランダル。
ミランダ30歳♀
ルベドの義理の母親。親の英才教育を受け、魔甲使いとなった。夫ジョンソンを強く慕っている。ジョンソンと同じく、ギルド商会ブラッドヴェルの傭兵。
ミレイユ31歳♀
サレナの母親、厳格な性格で母性溢れた女性。ジョンソン、ミランダとは昔から仲が良い。
イレス40歳♀
鬼姫と言う異名を持ったグリーヴァの妻。口調が荒い。
店主30歳♂
性格がクズ。
側近(不問)グリーヴァに仕える従者。
鬼兵(不問)グリーヴァの兵士。
翼人兵(不問)フェルマーの兵士。
邪龍ケイオスドラゴン(不問)亡者の洞窟のヌシ。人語喋ります。
N4922X(不問)メデューサの丘に現れた、無機質な物体。SEを使って演じるのも有りです。
ジャイアントゲレル(不問)メイガス海岸の道を塞ぐ、気持ち悪い人外です。難易度高めです。
魔獣シメール(不問)三種の異なる身体を持つ悪しき獣。ジェスが生み出した玩具(ペット)こちらも難易度高めです。
無尽君45式(不問)ヘレティックフェザー艦内の操縦、雑用等を行っている、人工知能。
ゼフ20歳♂星を観察する事に命をかけている。困った人を放って置けない、気の優しい人柄にシーパーは惚れ込んでいる。
シーパー20歳♀ゼフ自慢の彼女!我儘な部分が目立つが、そこも憎めないのは彼女の魅力。操縦は慣れてないが、基礎は身に付いてる。
ターニア22歳♀研究員。とある研究で命を散らす。アルベドの事を密かに想っていた。
アデス35歳♂所長。マッドサイエンティスト。ターニアを実験台にした下衆。
心を司る者(不問)試練の間、一階層のボス。
力を司る者(不問)試練の間、二階層のボス。
愛を司る者♀試練の間、最下層のボス?
ライネル30歳♂ルベドの父親?
プリシラ28歳♀ルベドの母親?
創造神ミハイル♂肉体を得た姿。
執行者ザファゲイル27♂ミハイルに仕える番犬。スラム育ちの為、粗暴。
断罪者ミトス29♂ミハイルに仕える番犬。口調は柔らかいが毒舌で論理的思考。
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0:「王號暦(おうごうれき)294年、グランディア大陸に突如として現れたinvader(侵略者)達が世界を脅かしていた。」
異形なる者(力):フフ、この時を何千、何万と待ちわびていた事か!
異形なる者(知):永き時間をDeadPrison(死の監獄)に幽閉され、身体が鈍って(なまって)しまいましたわ!
異形なる者(技):…主の命(めい)とあらば止むを得まい。
0:「地に降り注いだ、三つの脅威達が混沌を生まんとしていた。」
0:グランディア大陸・王都ルミレル
0:「人と様々な種族が共存する、王都ルミレル。此処には特殊な運命を背負った若者がいた。」
ルべド:ふぅ…今回の依頼は骨が折れたな……!?あ、いっけねぇ!サレナに呼ばれてたんだった…急がないとな!!
サレナ:……遅いわね!!ルべドのやつ、今日が「大事な日」だって忘れているのかしら?(怒
)
サレナ:……後でデラックスパフェを奢らせてやるわ!
0:疾風の如く、向かってくる中性的な顔立ちの青年。
ルべド:はぁはぁ……はぁ……!サレナ~!遅くなってご…
サレナ:…おーりゃああ!!(正拳突きを喰らわす)
ルべド:ぐぉはぁ?!
サレナ:ふん…ざまぁみろぉ!ばーか!
ルべド:いでぇな!いきなり殴る事ないだろ!
サレナ:あんたが遅れたのが悪いんでしょ!今何時だと思ってんのよ?二時間も待ったのよ!
ルべド:悪かったって、、悪気は無いんだ!今回受けた依頼が思いの外、苦戦して……
サレナ:言い訳はたくさん!!罰として、ここから南西にある、ジューシーパラダイスって言うお店でデラックスパフェを奢りなさい!
ルべド:え…サレナ……討伐の報酬金をパフェに変える気かよ!?あ、あんまりだ……
サレナ:うるさい!!もう一発喰らいたいの?
ルべド:…くぅぅ……
サレナ:ほら、急ぐわよ!
0:苦悶の表情を浮かべた青年はトボトボ歩き出す。
0:ジューシーパラダイス店内。
店主:こんな夜分遅くにお客さん?!いらっしゃいませ~!
サレナ:お兄さん!このお店で一番大きいパフェを持ってきて!
店主:ぇえ?!今からですかぁ?…もう後、30分で店終いなんですが…
サレナ:そこを何とか!ねぇ?!(メリケンサックを握る)
店主:め、メリケン…!?ひぃい!……は……はい!今すぐお作り致します!!
0:額から滝のような汗を流し、厨房へ向かう店主。
ルベド:おい、サレナ!流石に物欲が過ぎないか!?
サレナ:あぁん?!何か文句ある?
ルベド:文句とかじゃなくて…お前のやってる事はどこからどう見ても脅迫だぞ!
サレナ:ふん…!元を正せば、あんたが遅れたのが原因でしょうが!
ルベド:ぅぐ…何も言い返せない自分が憎い……
0:七種類の果物で色づけし、何層にも連なった、モンスター(巨大)パフェを荷台に乗せ、店主が申し訳なさそうにテーブルへ運ぶ。
店主:た、大変長らくお待たせしました!(これ喰ったらとっとと帰れよ……)
ルべド:ぎょえ!?で、デカっ!…店主さん、おいくらですか…?
店主:そうですね、、特別に10000キンスにマケときますよ~?
ルべド:え?10000キンス?!俺の全財産が……はい……(渋々、お金を出す)
店主:毎度ありぃ!!
サレナ:きゃはぁあ!!(目をギラギラ輝かせる)
ルべド:え!?サレナ、まさかこれ全部一人で喰う気か?!
サレナ:う~ん、さすがにこの量は一人で食べ切れないわね…
店主:それでは…ご、ごゆっくりどうぞ~!(クク……下剤がたっぷり入ってるとも知らずに。)
ルべド:店主さん、サレナのわがままを訊いて頂き、有難うございます!
店主:は、はい!?……お、お気に為さらず♪(良いからはよ、喰えや!)
0:自分の身の丈程ある、モンスターパフェを前に二人は長考している。
サレナ:ルべド~!!手伝ってくれるわよね??
ルべド:はぁ……やっぱりそういう話になるよなぁ……
サレナ:当然でしょ!あたしが三分の一を食べるから、残りは頼むわね♪
ルべド:いやいやいや、正気か?!喰える訳ないだろ!!
サレナ:んう?あむ…あむ…あむ……あむ……むにゃか言ったぁ?……あむ……あむ……(巨大なパフェを喰らう)
ルべド:喰うか、喋るかどっちかにしろって……
0:数時間後、サレナの顔色に変化が。
サレナ:あむ……あむ……うっ……お腹いたぁ……ルベドー助け……
ルべド:サレナ?おい、どうした?!顔色が悪いけど、大丈夫か!?馬鹿が……喰いすぎなんだよ……。
店主:ぎゃはははは~♪いい気味だ♪
0:ルベドはサレナをトイレまで連れて行く。
サレナ:……いたたぁ……お腹が……締め付けられるように痛い……
ルべド:はぁ…やれやれ…自分自身のキャパシティーを考えてから喰えよな……
0:ルベドは単身席に戻り、不意に窓から外の景色を見ると…空が異様に真っ赤に染まっていた。
ルべド:ん?空が妙に赤いな。…!あの、光る物体は何だ!?
0:割れた空の裂け目から、高速で動く物体が無数に出現し、空を舞っている。
ルベド:……!?段々とこっちに近付いて……!?はっ!サレナに伝えなきゃ!!
0:一方、サレナは波を越えたのか落ち着きを取り戻りしていた。
サレナ:……ふぅぅぅ……死ぬかと思った……
ルベド:サレナー!!(勢いよくトイレの扉を開ける)
サレナ:え……?!る、る、る、ルベド!?
……な、何してんのよ!!……はぁーあっ!!(回し蹴り)
ルベド:……ぐぉふぁ!?
0:痴態を晒した哀れな女性の回し蹴りがルベドの顎に直撃。
ルべド:……な、なんでだ……ガクッ
サレナ:……ふん!
サレナ:…?外が騒がしいわね。まさか、
ルベドのヤツはそれをあたしに伝えに……!?
店主:ひぃぃ!に、逃げないとっ!
0:店主が外に出ようと扉を開けた刹那、肉体は跡形もなく吹き飛んだ。
サレナ:ぁ……そ、そんな……惨(むご)い……
ルべド:ぅうん……!?
0:トイレで気絶していたルベドが目を覚ました。
サレナ:ルベド……あたし……あたし……ぅうぅう……(涙)
ルべド:サレナ……!(優しく抱擁)
0:その頃、空では異族の戦闘が行われていた。
フェルマー:どうしたのじゃ、グリーヴァよ。出遅れておるぞ?
フェルマー:妾の秘技をとくと見よ!乱(みだれ)・月尖煌(げっせんこう)!
0:翼を背負った凛とした女性が大鎌を振り下ろし、対立している組織の兵達を薙ぎ倒していた。
グリーヴァ:ガッハハ! さすがは光速の堕天使、フェルマー殿!噂に違わぬ実力よ!
0:全身を甲冑の様なもので覆い、両腕にリーチの長い刀を持ち、得意げに一刀両断し、次から次へと撃破していく様は正に鬼神のよう。
グリーヴァ:これ以上、フェルマー殿に遅れを取るわけにはいかぬな!
グリーヴァ:この戦神グリーヴァ、決して地に膝はつかぬ故!立ちはだかる者は斬り捨てるのみ!双刃滅流斬!(そうはめつりゅうざん)
フェルマー:ふっふっふ、相も変わらず力技じゃのう。久し振りの共闘、燃えてくるわ!
グリーヴァ:ガッハハハ!俺も血が滾ってきたぞ!フェルマー殿よ、どちらがより多く殲滅出来るか勝負といこうぞ!
フェルマー:なるほどのう!それは妙案じゃな!言っとくが、手は抜かぬぞ?
グリーヴァ:ふっ、こちらも全力で行かせて貰おう!……ふん!せぇい!うぉりゃー!!
0:再び、堅牢な鬼神が閃光のような速さで飛び回り敵を殲滅していく。
フェルマー:グリーヴァめ、ヤケに張り切りおって……ガス欠になり、失速するのが目に見えておるわ。…そろそろ、妾も行こうかの!はぁぁー!てぇいやあ!
グリーヴァ:ぜぇ…ぜぇ……こいつら無尽蔵に生み出され、キリが無いな!
フェルマー:次から次へと、ぞろぞろとウジ虫のように湧きおってー!
グリーヴァ:む?あの、黒い衣服を着てる奴らは何者だ?!
0:空に浮く鉄の塊から出てきたのは、黒装束を身に纏った謎の三人組だった。
異形なる者(技):不本意だが、我が主の為…葬らせて頂く……!空破衝!(くうはしょう)
0:長髪で黒装束を身に纏った中肉中背の青年は豪華な装飾が施された漆黒の大槍から、目にも止まらない速さで衝撃波を何度も繰り出す。
グリーヴァ:ぐっ……!ぜぇ…ぜぇ…完全に油断したわ!
フェルマー:…!ぐ、グリーヴァが圧されておるじゃと?!
グリーヴァ:ガッハハハ!敵ながら天晴れよ!そのほう、名は何と申す?
異形なる者(技):貴様のような下等な者に名乗る名など、持ち合わせていない…。
異形なる者(技):下らんお喋りは不要…次で終わ…(セリフを被せる)
異形なる者(力):(セリフを被せる)おい、いつまで油を売ってるつもりだ?主がお呼びだ、帰るぞ!
異形なる者(技):鉄の鬼……命拾いしたな。
グリーヴァ:…中々、面白い御仁であった!
0:グリーヴァの窮地を救おうとフェルマーが駆け寄ってくる。
フェルマー:グリーヴァ、大丈夫かの?謎の黒装束の男から受けた傷が深そうじゃが。
グリーヴァ:ガッハハハ!フェルマー殿、心配は御無用だ!ただの掠り傷よ!
フェルマー:ふん、強がりおって!
0:HERO•side
サレナ:ルベド…街が……滅茶苦茶になっちゃった……
ルべド:ギルド商会のソコロフさん…武具屋のターニャおばさんも…道具屋のダレルおじさんも…宿屋のラスティさんも…いつも遊んでくれた翼人(つばさびと)のルールお姉さんも…妖精族のパックルくんも…みんな……みんな、死んでしまった…消えてしまった…。
ルベド:荒廃した大地に置き去りにされた俺とサレナ…これからどう生きていけば……。
ルベド:父さん、母さん!…俺はどうすれば……。
ルベド【N】:10年前、俺の両親は亡者の洞窟で討伐対象であるヌシとの戦闘で邪龍に討ち破れ、帰らない人となった。
0:another story 1 結束。
幼きルベド:お父さん、お母さん!行ってらっしゃあい!気を付けてね。
ミランダ:すぐ帰って来ますからね、良い子にお留守番してるんですよ?
ジョンソン:ルベド、私らが居ない間はお隣のサレナちゃんと遊んでなさい!
幼きルベド:はぁーい♪
ミランダ:ジョンソン、行きましょう!余り時間を掛けては報酬金が下がってしまうわ。
ジョンソン:ギルド商会(ブラッドヴェル)に登録して、24年…ようやく僕等も豊かな暮らしが送れるチャンスが回って来たんだ!…急ごう!
ミランダ:えぇ!私達なら、きっと大丈夫よ!私の魔甲の力と。
ジョンソン:僕の剣技で。
0:ミランダとジョンソンが家を出た後、ルベドはサレナの家に向かう。
0:ルベドが住む家の隣に位置する、草原のような色合いで塗装された家を訪ねる。
幼きルベド:こんにちはぁ〜!
幼きサレナ:はぁーい!今でまぁー…!?だぁれ?ママー!!ママー!!
ミレイユ:はい、はい!今行きますー、近所迷惑になるから、そんなに大きな声を出さないの。
0:二人が出会った事により、運命の歯車は廻り始める。
ミレイユ:どうしたの?サレナ?
幼きサレナ:ママー、この子だぁれ??
ミレイユ:君は…ルベドくんよね?話はジョンソンさんから聞いてるわ。
幼きサレナ:るべど??
幼きルベド:こんにちはぁ!きみがサレナちゃん??よろしくね♪
幼きサレナ:…べー!
ミレイユ:コラ!サレナ、ちゃんと挨拶しなさい!!
幼きサレナ:よ…ろ…し…く…
幼きルベド:うん♪(握手を求める)
幼きサレナ:べー!!(走り去る)
ミレイユ:ごめんなさいね、ルベドくん。普段はこんな子じゃ無いのよ。ルベドくんがあまりにも可愛いから照れてるのよ。ぅふふ♪
0:時間が経つに連れて、二人はぎこちなくも徐々に打ち解けていく。
0:一方、ミランダとジョンソンは洞窟の最奥(さいおう)に着いていた。
0:亡者の洞窟•最奥。
ジョンソン:ミランダ、此処に討伐対象の邪龍(ケイオスドラゴン)がいるらしいが。
ミランダ:ぇえ、油断は禁物ね。…私も魔甲の力を解放しておくわね。
ジョンソン:君の魔甲の力は身体に負荷が掛かるからね…あまり無理はしないでくれよ?
ミランダ:大丈夫よ、ジョンソン!かれこれ、貴方とは10年近くも共に戦ってるのよ?足手纏いにはならないわ!
ジョンソン:分かってる、君の腕は僕も買ってるよ!でも、君は勇敢である前に一人の
じょ…
0:突如、洞窟内に地響きが轟く。
ミランダ:ジョンソン…!
ジョンソン:ああ…ヌシが現れたみたいだ!
邪龍ケイオスドラゴン:ワレノ…フカキ…ネムリヲ…サマタゲルノハ…キサマラカ…サレ……ニンゲン…。
ジョンソン:…僕等の人生が掛かっているんだ!!……ここは退(ひ)け無いッ!
邪龍ケイオスドラゴン:オロカナ…ワイショウナ…ニンゲンヨ…ミヲモッテ…コウカイセヨ…
ミランダ:喰らいなさい!!魔甲(焔)…紅蓮の太刀!燃えろぉお!!
邪龍ケイオスドラゴン:ヌルイワ……ダークパルス!!
ミランダ:きゃぁーー!!!
ジョンソン:ミランダぁー!…よくもミランダをーー!研ぎ澄ませ…剛破烈風斬!(ごうはれっぷうざん)
邪龍ケイオスドラゴン:………グギャァ!
0:瀕死なミランダを抱き寄せる、ジョンソン。
ジョンソン:ミランダ…ごめん…ごめんよ…僕が不甲斐ないばかりに……
ミランダ:はぁ…はぁ…はぁ…ジョン…ソン……私………本当はね……貧しくても……貴方と一緒なら………ゴホッ…ゴホッ…幸せだったの……お金より……貴方とルベドが居れば…充……分……(事切れた)
ジョンソン:み、ミランダ?…そ…そんな嘘だろ?!…僕を置いてかないでくれよ……ミランダ…ミランダぁあああッ!!(絶叫の中に涙)
邪龍ケイオスドラゴン:…フン…キサマモ…ホフッテクレル…
0:生きる希望を失ったジョンソンはミランダの元へ逝く事を決意。
ジョンソン:邪龍よ、お前に喰われて消化されるくらいなら、僕とミランダの思い出が詰まった、このハーフデュランダルで最期を…!!グサッ!……ぐっ!はぁ…はぁ……ミランダ…独りにしな…(事切れた)
邪龍ケイオスドラゴン:フン…ニンゲントハ…アワレナイキモノヨ…
0:二人の死はギルド商会に知られ、いつしかミレイユの耳にも入る。
ミレイユ:ジョンソンさん…ミランダさん…お悔やみ申し上げます…どうか安らかに。
幼きルベド:ミレイユおばさん、お父さんは?お母さんは?いつになったら帰ってくるの??
ミレイユ:ルベドくん……(抱擁)
幼きサレナ:ママー!わたしにもギュッして!
幼きルベド:お、おばさん!?く、苦しいよーー!!
ミレイユ:ルベドくん…ごめんなさい…ぅう…(涙)
幼きサレナ:ぶぅー!ぶぅー!ルベドばっかりずるぃ〜!!
幼きルベド:おばさん、お父さんとお母さんはもう帰って来ないんだね…
ミレイユ:ルベドくん、落ちついたらあなたに渡したい物があるの。
幼きルベド:…??
幼きサレナ:なんの話ーー??
0:3日後、ミレイユは食料調達の為、黒曜山に珊瑚ダケを取りに行ったが…道中で瘴気にあてられ、帰らぬ人となった。
幼きサレナ:ルベド…ママが…ママが…ぐす…ぐす…ぅぇぇんー!(涙)
幼きルベド:サレナ…ぼくが君を一生守るよ!(寄り添い合う)
0:その後、ルベドとサレナはブラッドヴェルのソコロフというギルド長の元に預けられた。
0:すっかり成長を遂げた、ルベドとサレナ。
0:ルベド16歳 サレナ18歳。
サレナ:ルベドー!まーた、失敗したの
ね?
ルベド:サレナ〜戦闘は俺に向かないって!父さんや、母さんのようにはいかないんだよ…
サレナ:だっらしないわねぇー!シャキッとしなさいよ〜!親の形見である、魔甲と剣が泣いてるわよ!
ルベド:はぁ……装備は整ってても、本人の素質が無けれ…
サレナ:ぅおりゃ!!(アッパーカットを見舞う)
ルベド:…ぐふぉ!
0:回想 形見。
ミレイユ:ルベドくん、待っていたわ!さぁ、そこの赤い宝箱を開けてみて!
幼きルベド:うん!
0:宝箱を開けると、魔甲と刀身が真紅に染まった上等な剣が出てきた。
幼きルベド:ミレイユおばさん、これなぁに??
ミレイユ:これはね、ルベドくんのお母さんとお父さんの形見よ。貴方の物よ。持っていきなさい!
0:物珍しそうに眺める、ルベド。
幼きルベド:……うーん??
ミレイユ:魔甲はね、こうやって腕に通して装着すると、術を操れるようになるの。使用してる時は体力を奪われちゃうみたいだから使い過ぎは危険よ?
ミレイユ:この剣はハーフデュランダルって言ってね。貴方のお母さんがお父さんにプレゼントした、と〜っても大切な物なのよ。
ミレイユ:己の運命に打ち勝ちなさい!ルベドくんなら、きっと出来るわ!…サレナの事を宜しくね♪
幼きルベド:んーー??よくわかんないけど、わかったぁ!おばさん、ありがとー♪
ミレイユ:ふふふ♪
0:現代。
ルベド:【N】10年前、ミレイユおばさんが俺に投げ掛けてくれた言葉の意味…今ようやく理解が出来た気がするよ。
ルベド:【N】サレナは俺が守る!俺は逃げない!運命という荒波に打ち勝ってやるッ!
0:泣き崩れてる、サレナに寄り添う。
サレナ:ルベド…ぅうう……(涙)
ルベド:サレナ、行こう!俺が君を守る!!
幼きルベド:ぼくが君を一生守るよ!
0:幼き誓いが甦る。
サレナ:……はっ!…ルベド……!ちゅ(接吻)
ルベド:さ、サレナ?!
0:お互い暫くの間、頬を赤らめる。
サレナ:ほ、ほらぁ!早く行くわよ!!
ルベド:やれやれ…へいへい〜!
0:絆を結んだ若き男女が過酷な運命に抗おうと歩みを進めた。
0:荒れ果てた大地をひたすら進む二人。
ルベド:はぁ…はぁ……おい、サレナぁ!いくら歩いても、景色が全く変わらないんだが?
サレナ:当たり前でしょ!何もかも吹き飛んで無くなってしまったんだから。
ルベド:それは分かってるんだけど、これじゃ途方もないって言うか…ぐぅう…腹も減ってきたし…
サレナ:うっさいわねぇー!急な腹痛でパフェを全部流しちゃったせいで、あたしもお腹空いてんのよ!!…?誰かしら、あそこにいるの…?
ルベド:ん?サレナー?急に立ち止まって、どうしたんだ?
サレナ:しっ!右上の丘に誰かいるのよ。(小声)
ルベド:右上の丘?メドゥーサの丘の事かな?全身を石に変えてしまうモンスターが眠っているって言われてる。(小声)
サレナ:何をしているのかしら?もうちょっと近付いて…
ルベド:ダメだって、そんなに接近したら見つかってしま……あ……
0:ギョロりと何かに睨みつけられる。
サレナ:どうしよう…完全に見られた!
ルベド:はぁ……ほら、手を掴め!逃げるぞっ!
0:全速力で駆け出す!
サレナ:はぁ…はぁ…はぁ…はぁはぁ…!もうダメぇ…動けない……!
ルベド:はぁ…はぁ…はぁはぁ…!おい、座るな!しっかりしろって!
0:背後に気配を感じる。
ルベド:なんだ…この感じ!?サレナ!大丈夫か?
サレナ:ルベド、あたしは大丈夫…って!?
0:サレナが振り向いた瞬間、鋼鉄の鎧にその身を包み、両腕に盾を持った人物が仁王立ちしていた。
ニグレド:君達は何者だい?
ルベド:…(おかしい、さっきの違和感が消えている。あれは何だったんだ!?)
サレナ:あんたこそ、誰よ?(メリケンを握る)
ルベド:サレナ、身構え無くても大丈夫だ。その人は悪い人じゃなさそうだぞ!
サレナ:そ、そうなの??
ニグレド:あはは、愉快な人達だね。僕はニグレド、訳あってこの世界に降り立った異族さ!
ルベド:降り立った異族?ニグレドは別の星から来たって事?
サレナ:何よそれ、意味がわからないわ…
ニグレド:僕は異界から来たんだよ!
0:突飛な発言に驚きを隠せない二人。
ルベド&サレナ:えぇ?!
ニグレド:あはは、本当に仲が良いんだね♪詳しい話は星の方舟(はこぶね)に着いてから話すよ!
ルベド:星の方舟??
サレナ:道中にその星の方舟だけでも、教えて欲しいわね。色々な事がいっきに頭に入って来て気がおかしくなりそうよ…
ニグレド:あはは、星の方舟はね、宇宙間を移動出来る便利な乗り物なんだ。
ニグレド:勿論、宇宙だけじゃない。このグランディア大陸でも移動出来るよ。
ルベド:それじゃあ、何で歩いてんの?移動可能なら、星の方舟に乗った方が早いんじゃないのか?
サレナ:ルベド、あんたと珍しく意見が合いそうだわ!
ニグレド:それには深い訳があるって言うか…エンジンタンクの残量が切れてしまったと言うか…
ルベド:いやいや、答え言ってるじゃん!
ニグレド:あはは!
サレナ:つまりはそのエンジンタンクとかいうのを直さなきゃどうにもならない訳ね。
ニグレド:ご明察。荒廃した大地にそんな物がある訳は無いと諦めかけた時の事なんだけど…
ルベド:どうにかなりそうなのか?
サレナ:ニグレド、焦らさないで早く言いなさいよ!
ニグレド:えっとね。先程、メドゥーサの丘で人型アンドロイドを見つけたんだよ。
ルベド:人型アンドロイド?(まさか、あの変な感じはそいつから感じたものなのか…?)
サレナ:はぁ……意味分からなすぎて、段々と頭が痛くなってきたわ…
ニグレド:サレナ、顔色が優れないみたいだけど…大丈夫?
サレナ:だ、誰のせいよ!!
ルベド:サレナ、落ち着け!取り敢えず、その人型アンドロイドというのを探そう!
ニグレド:ありがとう!…その様子だと、君達はN4922X(人型アンドロイド)から逃げて来たのかい?
ルベド:え、ニグレド?何故、分かったんだ??
ニグレド:あー…言い忘れてたけど僕は他人の心の中が読めてしまうんだ。
サレナ&ルベド:ぇえ!?
ニグレド:あはは!また、息ピッタリだね♪まぁ、その話も追々話すよ!さぁ、メドゥーサの丘に戻ろう!
ルベド:そもそも、何でニグレドはメドゥーサの丘に向かわなかったんだ?
サレナ:確かにそうね、あんた一人でその頑丈そうな盾でN492?とやらを殴り倒せたんじゃないの?
ニグレド:N4922Xだよ。うーん、この盾って見るからに強そうでしょ?でもね、僕小心者で足がガクガク震えて…動けなくなっちゃうんだよね…あはは…
ルベド:おいおい…その盾はお飾りかって!
サレナ:はぁ……まったく…だらしない男しかいないわね…
ルベド:サレナー?!何で俺を睨んで言うんだ?!
サレナ:さぁ、何でしょうね?
ニグレド:二人とも〜!着いたみたいだよ!
ルベド:お、まだいるな!あいつか、よし魔甲を装着して早速…
サレナ:はぁあー!三連脚!(さんれんきゃく)
ルベド:ぐはっ!
ニグレド:賑やかだね。
ルベド:おい!サレナ、いきなり何すんだよ?!
サレナ:あんたは筋金入りの馬鹿なの!?ただでさえ、歩き疲れて体力が奪われてるって言うのに…体力を代償にする魔甲なんて使ったら、本当に死ぬわよ?
ルベド:ごめん、サレナ…俺考えなしで…
サレナ:ふん…あたしが倒してきてあげる!2人はそこで指咥えて観戦でもしてなさい!
ニグレド:え、1人で大丈夫かな…?
ルベド:ニグレド、サレナなら大丈夫だよ!武道の達人だから!
ニグレド:え…達人?!
0:サレナは単身、N4922Xに近付く。
N4922X:ウィーン…ガチャン…(索敵中)
サレナ:はぁーーあ、虎砲!(こほう)吹っ飛べぇえええーー!!!
N4922X:ガチャン…ガチャン…攻撃モード実行…
0:武道を極めた女は容赦なく猛攻する。
サレナ:おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃあー!無限•武荒拳!!(むげんぶこうけん)
0:何度も何度も荒々しい拳を叩き込む。
N4922X:システムエラー発生…システムエラー発生……(機能停止)
サレナ:ふぅ…空腹での戦闘はやはり堪えるわね……ん?背中にある、ひし形のコレが…エンジンタンクとやらかしら?恐らく、これね…ふんっ!(N4922Xから取り外した。)
0:2人と合流する。
サレナ:ニグレド、ルベドー!終わったわ!…ほらっ!タンクとやらも手に入れたわよ!(エネルギータンクをニグレドに渡す)
ニグレド:うんうん、これで問題ないと思う!ありがとう、サレナ!
ルベド:仕事が早いな〜サレナ!
サレナ:ふふん、誰かさんと違って手際が良いからねー♪
ルベド:くっ…悔しいが事実だ…
ニグレド:あはは♪…さぁ、改めて。星の方舟はこっちだよ〜!着いて来て!
0:この先、彼等に待つのは幸か、不幸か。運命の歯車は再び、動きだす。
0:Enemy•side。
0:異空間。
異形なる者(力)主、只今戻りました!
異形なる者(知)同じく、戻りましたわ。
異形なる者(技)…帰還しました…。
???:揃ったか、まずはジェネから報告を上げよ!
異形なる者(知)はいな、わたくしは地上の原理と動植物等を重点的に調べてきましたわ!
???:ふむ、我に有益ある情報か?
異形なる者(知)先ず、地上の原理から申し上げますわ!地上には歴史という概念があり、人はあらゆる生命体と共存をしているとの事。
???:あらゆる生命体とは何だ?具体的に申してみよ。
異形なる者(知)はいな、わたくし達が住む、異界とは異なり、食事をするのも、遊ぶのも、戦うのも時間というものに縛られて、限られた時の中で行われているというのです。あらゆる生命体については人間、翼人、妖精、鬼等の知的生命体がいる模様ですわ!
???:ふむ、その中で利用出来そうなものはあったか?
異形なる者(知)人間は心が移ろいやすい生き物と言う話…わたくしめに良い考えが御座います!
???:良い考えとはなんだ?
異形なる者(知)地上にいる、人間の心を奪い、無機質な殺戮兵器に変え、主に献上(けんじょう)しましょう!
???:ほう?ジェスよ、良い手土産を期待しておるぞ。
異形なる者(知)はいな、それでは行って参りますわ!
???:うむ。
???:続いて、ヴァシュロン!報告を上げよ…
0:双星の武人。
グリーヴァ:フェルマー殿、先の戦、お見事だったぞ!
フェルマー:ほっほっほ、お主も中々いい動きであった!
グリーヴァ:ガッハハハ!……時にフェルマー殿、空の裂け目(GATE)についてはどうお考えか?
フェルマー:うむ、恐らくじゃが…古(いにしえ)の創造神の封印が解かれたのだろうな。
グリーヴァ:創造神だと…?!何の為に、封印を?
フェルマー:わからぬ…これは妾の憶測じゃが、何者かが意図的に解放したとしか思えんのじゃ!
グリーヴァ:ふむ、黒い衣服を見に纏った、あの者達が関与している可能性は?
フェルマー:うむ、あの者達が解いた可能性は大いにあるのー。
グリーヴァ:……
フェルマー:む…??グリーヴァ?急に虚空なんぞ見上げてどうしたのじゃ?
グリーヴァ:フェルマー殿よ、約束は守れそうに無いかも知れぬ!
フェルマー:約束?あー…あの日のか。
0:another story2 共同戦線。
0:王號暦199年、異なる星同士の抗争は絶えなかった。その戦火は瞬く間に拡がり、後に異族戦争と呼ばれるものとなった。
0:翼人の住む星、エンジェラース。
フェルマー:おのれぇ!!鬼どもめ…我が国の物資を妾が不在なのをいいことに奪いおって!鬼は一匹残らず根絶やしにしてくれよう!
フェルマー:皆の者!奪われた物資を奪還し、鬼の住む星など捻り潰してしまうのじゃ!
翼人兵:ぅおおお!!!
0:鬼の住まう都、豪鬼城。
グリーヴァ:命が惜しくなければ、かかって来い!この戦神グリーヴァ、どこにも臆しはせん!
グリーヴァ:翼の生えた、小うるさい亜人共に鉄槌を!奴等の構える、珍妙な城を斬り落とせぇえ!!
グリーヴァ:今こそ、武功を上げる時ぃ!!闘う意思がある者は武器を持てぇいい!!
鬼兵:やるぞぉおお!!!
0:両者は人里離れた戦場へと駆ける。
0:グリーヴァ率いる、鬼兵58000人
0:フェルマー率いる、翼人兵48000人
0:僅か、フェルマー陣営は劣勢。
フェルマー:くぅ、妾の兵達が圧されておるのー。このままでは無駄に兵を散らすだけよ…何か策はないかー?
0:グリーヴァ陣営。
グリーヴァ:ガッハハハ!皆の衆よ!このまま、突き進めぇい!!俺らの勝ちは既に約束されたものよ!!
鬼兵:グリーヴァ様!何やら、奴等の動きが不穏です。
グリーヴァ:む?なんだと?何事だ?!
鬼兵:数こそは減らせましたが…先程から妙な妖術を使ってくるのですが…
グリーヴァ:妖術だと?そのような情報は俺の耳に入っていなかったぞ?……急ぎ、調べよ!
鬼兵:はっ!
0:フェルマーの陣営に妙な影。
フェルマー:お主は、一体全体どこから現れたのじゃ?!
???(技):お困りのご様子、力を授けよう!
フェルマー:力じゃと??……!妾の兵らが妙な術を使って?!
???(主):どうだ?我らの力は!素晴らしいだろ?
フェルマー:お主らは何者じゃっ?味方か、それとも敵か…どっちなのじゃ?!
???(知):うふふ、あたしらは異界から来た住人と言ったら理解出来るかしら?
フェルマー:異界?!どこじゃ、そこは!何故、妾達に与してくれるのじゃ?
???(技):それは秘密だ…!…遠くない未来GATEが開く!
???(力):楽しみにしておけ。ふっははは!
フェルマー:ま、待つんじゃーー!
フェルマー:GATE?異界?何の事じゃ…?
0:その後、フェルマーはグリーヴァ陣営に白旗を上げ、和平の為に使者を送った。
鬼兵:失礼します!グリーヴァ様、フェルマーが和平を結んで欲しいとの事。
グリーヴァ:何?!フェルマーめ、考えが読めぬ。俺らに恐れをなしたと言う訳か?
鬼兵:グリーヴァ様!!使いの者がお見えになっておられますが、如何されましょう?
グリーヴァ:うーむ…フェルマーの意図は分からぬが、罠と言う事も無さそうだ。…構わぬ、通せ!
鬼兵:はっ!
翼人兵:失礼、グリーヴァ殿に書状を渡すよう参った。
0:未知なる力の正体、異界、GATE、和平について事細かく書かれている。
グリーヴァ:ふむふむ、なるほど!詰まる所、先程の妖術はその異界から来た未知なる生命体の仕業と言う訳だな。
グリーヴァ:良かろう!!来るべき敵の襲来に備えて、和平を結び、共闘しようぞ!!フェルマー殿。
グリーヴァ:然し、物資の配分を二倍と言う条件は絶対だ!そこは是が非でも、呑んで貰おう!!
0:斯くして、異族戦争は終わりの鐘を告げた。
0:和平を結んだ後。宴を行う、両武神。
グリーヴァ:フェルマー殿よ!今宵は呑み明かそう!!宴だ!!
フェルマー:うむ、グリーヴァよ。約束(共闘)の件、くれぐれも反故にはしないようにのー!
グリーヴァ:愚問だ!俺は世界一、義理堅い男だぞ、フェルマー殿よ!ガッハハハ!!
フェルマー:グリーヴァよ、呑みすぎじゃ!!
0:現代。
グリーヴァ:……すまぬ、フェルマー殿よ。次に相見える時はお互い刄を交える事になるかも知れぬ故!
フェルマー:グリーヴァ…この件を反故にすると言うのなら妾は全力でお主を止めるぞ!
グリーヴァ:……さらばっ!永遠の好敵手よ。
フェルマー:グリーヴァ……何故じゃ!理解に苦しむ…。
0:HERO•side。
ニグレド:ルベド、サレナ!ここから北の方角に進むと、メイガス海岸が見えてくるはずだ!…先ずはそこを目指そう!
0:メイガス海岸を目指す。
サレナ:え…まだ歩くの!?…ルベド〜!
ルベド:何だよそのニヤケ面は!まさか、背中を貸せとか言わないよな?サレナ。
サレナ:ふふん♪(悪戯な笑み)
ニグレド:あはは、微笑ましいな♪
ルベド:ニグレド、見てないで助けろよ!!
ニグレド:ルベド、他人の恋路を邪魔したら、神獣オメガペガサスに蹴られて死んでしまうからね。
ルベド:恋路だと!?……ニグレド、何か勘違いしてないか?
サレナ:こ、こ、恋?!ニグレド、あたしとルベドは…そ、そう言う、な、仲じゃないわよ!!
ニグレド:あはは、二人とも本当に分かりやすい反応だね♪
サレナ:と、と…兎に角!あたしを担ぎなさい、ルベド!
ルベド:断る!!
サレナ:何でよ!か弱い女の子の頼みが聞けなないっての??
ルベド:か弱いって…どの口がほざいてんだよ…(ボソッと)
サレナ:ルベド、何か言った…?
ルベド:え、空耳じゃないか?
ニグレド:あはは♪二人のやり取りは永遠に見てても飽きないなあ。
ルベド:はあ?!ニグレド、目が腐ってるのか…。
ニグレド:ルベド、視力に関しては自信あるよ?
ルベド:言ってろ。
ニグレド:あはは、そろそろメイガス海岸に着くよ!
0:エメラルドブルーの綺麗な海。
サレナ:はぁ…はぁ…足が棒になりそう……。
ルベド:やれやれ…。
ニグレド:不穏な気配…!…二人とも気を付けて!奥に何かがいるみたいだよ!
ルベド:冒険にアクシデントは付きものってな!
サレナ:って!…感心してる場合じゃないわよ!…戦闘開始よ!
ニグレド:ジャイアントゲレル!二人とも、コイツの毒に気を付けて!!
0:植物とゼリーを足したような海の魔物が襲いかかってきた。
ジャイアントゲレル:ドゥラァ!!(触手を伸ばす)
ニグレド:ルベド、危ないっ!!
0:咄嗟にルベドを庇う。
ルベド:え?!……ニグレド、助かった!
ニグレド:くっ…
ジャイアントゲレル:ギシャアアーー!!(溶解液を撒き散らす)
サレナ:ヴェエ…気持ち悪い魔物ね!
サレナ:喰らいなさい!…千光弾!(せんこうだん)あたしのありったけの気の弾をその身に受けろぉお!!!
0:サレナの手から千に及ぶ、気弾を放つ。
ニグレド:流石、サレナだね!凄いや♪
ルベド:俺も負けてられないな!
ジャイアントゲレル:グゥアアア!!(効いている)
ルベド:よし、このまま畳み掛ける!…父さん、俺に力を貸してくれ!(ハーフデュランダルを構える)
ルベド:はぁあー!……とりゃあっ!!(素早く斬り込む)
ニグレド:ルベドもやるなぁ!これなら、倒せて…
サレナ:まだよ、まだ息があるみたいだわ!
ジャイアントゲレル:ギャアー!!!(激怒している様子)
0:気味の悪い生き物は口から何かを吐き出す雰囲気だ。
ニグレド:…!これは…毒!?る、ルベド!いけない、避けて!!
ルベド:ニグレド?!いや、もう面倒くさいからこのまま突っ込んでトドメを刺すっ!
ルベド:はぁーあ!……せぇぃいいい!!(その場で飛び上がり、頭目掛けてブッ刺す)
ジャイアントゲレル:ブォエエェ!!(毒の混ざった胃液を吐く)
サレナ:ルベドー!!
ルベド:あ?うるせぇ奴等だな!だから、もう倒して……うわぁああー!?な、な、なんだこれは!?…ヌメヌメして気持ち悪い……。
ルベド:ぐっ…力…が入らな…い…
0:毒の霧を喰らって瀕死状態のルベド。
ニグレド:ルベドー!!大丈夫かい?
ルベド:はぁ…はぁ…ニグ…レ…ド、これが…だ…いじょうぶ…そ……に…見えるか?
サレナ:ルベド、あんた……本当に単細胞ね!
ルベド:サ…レ…ナ……お前…俺…がダ…ウン…して……る事を……良い…ことに…好き勝……手…言いやが…(気絶)
サレナ:え?!る、ルベド!しっかりしなさいよ!まだ、死ぬには早いでしょ!!
ニグレド:サレナ、大丈夫だよ。気絶してるだけだから。
サレナ:そうなの?ニグレド。
ルベド:……
ニグレド:うん、それに治癒術の心得は多少ならあるよ!気休め程度にしかならないと思うけど。
サレナ:…!何でもいいわ、お願い!ニグレド。
ニグレド:任せて。…サレナ!僕が詠唱してる間、ゲレルを食い止めて欲しい!
サレナ:ええ、一歩も近付けさせないわ!
ジャイアントゲレル:グワァア!!
サレナ:さぁ、ヘドロ野郎、覚悟しなさいっ!
ニグレド:神盾(しんじゅん)イージスよ!アテナの加護を彼の者に与え給え!!はぁあ〜聖女の讃美歌(さんびか)
0:大いなる盾から聖なる光を放ち、対象を包み込む。
ルベド:……ぅうん?!
ニグレド:ルベド、よく眠れたかい?
ルベド:いや、夢心地とはいかなかったな。
ニグレド:あはは!さぁ、体勢を整えよう!
ルベド:ああ!……サレナは??
ニグレド:見てご覧、奥で奮闘中だよ!
ルベド:…っ!
サレナ:これはぁ、ルベドの分よっ!!鳳凰天武脚!!(ほうおうてんぶきょく)うぉおーー黒焦げになれぇえええ!!
ジャイアントゲレル:!……グガァアアアア!!
0:不死鳥の如く、宙に舞い上がり、熱を帯びた高速な蹴りをゼリー状の化け物に見舞う。
サレナ:はぁ…はぁ…やった……わ…
ルベド:サレナー!よっと…(よろめいたサレナを抱き抱える)
ニグレド:ふぅ…一件落着だね!体力も限界みたいだし、小休憩を挟もうか?ルベド。
ルベド:そうだな。ニグレド。
サレナ:ルベド…良かった…生きてて…(気絶)
ルベド:サレナ…馬鹿やろー、無茶しやがって!
サレナ:…
0:海岸のヌシを見事、撃退した。連続技を使用し、疲労困憊のサレナを案じ、休息を取る。
ニグレド:この先の古小屋で身体を休ませよう。
ルベド:結局、サレナを担ぐ事になるとはな。
サレナ:…
ニグレド:はは、まぁ仕方がないね!…目的地まで然程の距離でも無いし、急ごう!サレナの容態が気になる。
ルベド:くそぅ…俺も病み上がりだっての!!
0:ルベドはサレナを背に乗せる。
0:Enemy•side。
0:異空間・天主の間。
???:ヴァシュロン、報告はどうした?
異形なる者(技)申し訳ありません…!私はGATEに近付く不届き者を排除して回っていましたが…妙な鎧を身にまとった鬼の男と対峙しました…!
???:ほう、鎧の鬼とな?
異形なる者(技)はい…その者は両腕に刀を持ちその猛威を奮っていました。闘う姿はまるで…地上の伝承に伝わる、武神の様で…
???:両手に刀、武神……?もしや、グリーヴァと言う者か?
異形なる者(技)主は既にご存知でしたか…!恐らく、その者で間違い無いかと…。
???:フッフッ!そうか、戦神グリーヴァか!!フフ、フッハハハ!!
異形なる者(技)……
???:ヴァシュロンよ、その者を連れて参れ!…抵抗するようであれば、傷を付けても構わん。
異形なる者(技)ハッ!…主の仰せのままに…
???:ヴァシュロン!既に戦艦グラディエタに乗り込んでいる、ジェスと合流し、急ぎ向かうのだ!
異形なる者(技)ジェスと共にですか…?
???:ヴァシュロンよ、不服な顔をしておるな?
異形なる者(技)いえ…それでは!
???:果たして…我の器となり得る価値があるのか、否か。暫し、この余興を楽しむとしよう!フッハハハ!!
0:主の命により、再び、地上に降りるヴァシュロン。
0:豪鬼城・自室。
グリーヴァ:……フェルマー殿。俺は…俺は…っ!!(壁を殴る)
側近:失礼します!
グリーヴァ:うむ、入るが良い!
側近:グリーヴァ様、お食事の準備が整っております。
グリーヴァ:ああ、今日の飯は何だ?
側近:えっと…ゴブリン焼きに御座います!
グリーヴァ:おお!気が利くではないかっ!
側近:過去、イレス様がグリーヴァ様の大好物はゴブリン焼きと聞き及んでいましたので。
グリーヴァ:イレスか…あいつは今、何処(いずこ)にいるのか…
0:another story 3 鬼姫。
0:異族戦争が勃発する、すこし前の話。
イレス:グリーヴァー、私と闘え!
グリーヴァ:は?トチ狂ったか??イレス。
イレス:私はお前を認めた訳ではない!…たぁー!!
グリーヴァ:……ふんっ!……このまま殺す事は容易いが…お前は殺すには惜しい存在!
イレス:くっ…何故だ!何故、情けをかける!
0:イレスはそっと薙刀を下ろす。
グリーヴァ:イレス、俺の者になれ!
イレス:はぁ?!な、な、何を言ってるんだお前は!
0:突然の事に動揺を隠し切れないイレス。
グリーヴァ:明日、婚儀を執り行おう!
イレス:…強引な奴め…
イレス:……粗末に扱ったら、素っ首打ち落とすからな!
グリーヴァ:ああ、武人に二言は無い!
0:婚儀当日。
イレス:グリーヴァ!大勢の者達が私を凝視してくるのだが。
グリーヴァ:ガッハハハ!イレス、顔が火照っているが照れているのか?
イレス:ば、バカを吐かすな!誰が照れてなど…!(手で顔を覆い隠す)
グリーヴァ:ガッハハハ!
0:儀式の間。
側近:グリーヴァ様、イレス様、おめでとう御座います!
グリーヴァ:うむ、これからはイレス共々、宜しく頼むぞ!
側近:ハッ!!
イレス:……
グリーヴァ:イレス、共に生涯を謳歌しようぞ!
イレス:…はい!
0:婚儀から数ヶ月が過ぎた頃。
イレス:グリーヴァ〜!…グリーヴァは居ないのか?
側近:イレス様、グリーヴァ様は翼人族との戦中で御座います!
イレス:グリーヴァめ…私を置いていくとは不敬な奴だ。
側近:イレス様…お気持ちは察しますが、今は無事を願いましょう!
イレス:ああ、そうだな。グリーヴァはすぐ殺れるタマでは無い。きっと大丈夫だ…きっと。
側近:…
イレス:その方、グリーヴァの好物のゴブリン焼きを用意しておいてくれ!自室の掃除も欠かさずにな。
側近:ハッ!
イレス:グリーヴァ…!(祈る)
0:グリーヴァとフェルマーが和平を結んだ頃。
側近:イレス様ーー!良い報せです!
側近:イレス様ー??入りますよ!
0:イレスの自室に入る。
側近:イレス様の姿がどこにも無い……何処に行かれてしまったのか?!……?これは手紙?
0:中を隈なく探すとイレスの字で書かれた手紙を発見する。
イレス:皆の者、グリーヴァすまん!少々、野暮用が出来てしまった。暫く、離れる。必ず、戻る!
側近:…イレス様…
0:宴を終えたグリーヴァが帰ってくる。
グリーヴァ:イレスぅ、帰ったぞぉん!ヒック…(酔っ払い)
側近:あ、グリーヴァ様!ご無事で何よりです。
グリーヴァ:ぶぅじ?ガッハハハ…zzZ
側近:ふふ、ゆっくりお休み下さい。
0:翌日、側近はグリーヴァにイレスが消えた旨を伝える。
グリーヴァ:おい、イレスが突然居なくなったとはどう言う事だっ!説明しろ!
側近:グリーヴァ様…申し訳ありません!…私が目を離してる隙に居なくなってしまわれて。
グリーヴァ:くそっ!……っ!!(壁を殴る)
グリーヴァ:おい、何をモタモタしてる!すぐに捜し出せ!
側近:ハッ!!
0:現代。
グリーヴァ:捜索したものの、手かがりさえ掴め仕舞いだった…っ!イレス…無事で居ろよ。
0:グリーヴァはある可能性の為、出立する。
グリーヴァ:おい、少し留守にする!
側近:何方に?
グリーヴァ:さぁてな!自分を探す旅にでも出ようと思ってな!
側近:…
グリーヴァ:暫く、頼むぞ!
側近:ハッ!
0:グリーヴァはとある場所に向かう。
0:戦艦グラディエタ・ブリッジ。
異形なる者(技)ジェス…私の邪魔だけはするなよ…。
異形なる者(知)あらぁ?貴方こそ、わたくしの妨害になるような真似はしないで頂戴ね?ヴァシュロン。
異形なる者(技)フン…主の命で仕方がなく、貴様と同行しているだけだ…。
異形なる者(知)うふふ、今だけは協力し合いましょう?
異形なる者(技)っ…。
0:空の裂け目。
フェルマー:グリーヴァ…奴は何をする気なんじゃ?
フェルマー:……?!地上に置かれている、珍妙な機械の物体はなんじゃ?…降りて見るとするかのう。
0:フェルマーは例の黒装束に関連があるのではと思い、星の方舟に向かう。
0:HERO•side。
ニグレド:ルベドー、大丈夫?
ルベド:はぁ…はぁ…大丈夫な訳ないだろ!交代してくれ、ニグレド!
0:疲労と闘うルベド。
ニグレド:ごめん、代わりたいのは山々だけど僕の足じゃ、とてもじゃないが無理だよ。
ルベド:ちっ…使えねぇな!
ニグレド:本当にごめんよ。……あっ!見えてきたよ!
0:ニグレドの指差す位置に古びた茶色い小屋を発見する。
ルベド:はぁ…はぁ…やっとか!…もうこんな事は懲り懲りだ!
ニグレド:あはは…さぁ!このベッドにサレナを寝かせよう。
0:ボロボロのベッドに寝かせる。
ルベド:げほ…げほっ!なあ、こんな汚い場所にサレナを寝かせたら余計に悪化しないか?
ニグレド:大丈夫だよ、身体を酷使し過ぎたせいで一時的に倒れただけだからね。
ルベド:サレナ、迷惑を掛けてすまないな…
サレナ:…
ニグレド:ルベド…
0:疲労が溜まってたのかサレナは三日間、目を覚まさなかった。
サレナ:…んーう!よく寝たぁ〜!!ん…!?…ルベドのやつ、ずっと隣に居てくれたのね…チュッ(頬に口付け)
ニグレド:…今は二人っきりにさせてあげよう。
0:ニグレドは小屋を出る。
ルベド:ぅうん!?…何か俺の頬に柔らかいものが当たって……うわぁ!?さ、サレナ!目覚めたのか!
サレナ:こらぁ、寝坊助!!いつまで寝てるのよ!
ルベド:お前なぁ…人がせっかく……(セリフを奪われる)
サレナ:分かってるわよ!ずっと、傍で見ていてくれたんでしょ?
ルベド:サレナ、お前…知ってて?!
サレナ:ありがとね、ルベド!ちょっぴりだけ見直したぞぉ!
ルベド:ふっ、調子の良いヤツだな!…俺の方こそ、有難うな!サレナ。
サレナ:ええ。
0:小屋の外。
ニグレド:通信機が!?…誰からだろ?
0:ニグレドの通信機がけたたましく鳴り響く。
ローレンス:やぁ、ニグレドくん久しぶりじゃのう!元気にしておるか?
ニグレド:ローレンス様、お久しぶりです!…どのような御用件でしょうか?
ローレンス:うむ、実は君に頼みたい事があってな。
ニグレド:はい?
0:another story 4 老賢者ローレンス。
ローレンス:ニグレドくん、星の方舟はダマスカス海域を抜けた先のグレムリン墓地の地下じゃよ!くれぐれも気を付けて行きなさい!
ニグレド:ローレンスさん、色々と助かりました!盾まで頂いて。
ローレンス:なに、気にする事はない。イージスとアイギスの両盾はきっと、君の事を守ってくれるだろう。
ニグレド:はい、大切にします。…ローレンス様!お元気で。
ローレンス:うむ…あっ!忘れておった!…ほれっ!
0:小型通信機を渡される。
ニグレド:これは通信機ですか?
ローレンス:うむ、何か困った事があればいつでも連絡をして来なさい。
ニグレド:有難う御座います!大賢者ローレンス様。
ローレンス:おいおい、その名は小っ恥ずかしいからやめておくれ!
ニグレド:あはは!…それでは、行ってきます!
ローレンス:うむ、気をつけてな!
0:現代。
通信機から聞こえてきた声はローレンスのものだった。
ローレンス:君とルベドくんは゛鍵゛なんじゃ!次元の裂け目、GATEを封じる為のな。
ニグレド:えっ……ルベドと僕が!?
ローレンス:うむ、ルベドくんは君と同じ異族と人族のハーフなんじゃよ。
ニグレド:はい!?……俄かには信じられません!
ローレンス:驚くのも無理は無いと思うが…事は一刻を争う。早急にヘレティックフェザーに乗り込むんじゃ!
ニグレド:わ、分かりました!
ローレンス:うむ、また何かあればこちらから連絡を入れる、もしくは直接、出向くかも知れん…くれぐれも、頼んだぞ。それではな!
ニグレド:はい!
0:ニグレドは現実を受け止められず、その場で硬直する。
ニグレド:僕とルベドは…GATEを閉じる2つのキー?!
ニグレド:…っ!
ニグレド:僕達はその為に生まれてきた…?!
ニグレド:…
0:Enemy•side。
0:異空間•天主の間。
???:ジーフリード!最後はお前だ。報告を上げよ!
異形なる者(力)へい、賢者ローレンスの存在を語らせて頂きますぜ。
???:ローレンスとな?その名を聞いたのはいつぶりか。まだ、我に器があった頃…
0:another story 5 絶対的な創造神。
???:フッハハハ!我がこの宇宙を統べる絶対神よ!
0:王號暦190年、創造神は確かに存在した。凡ゆる、知的生命体を創り奴隷の様に人類や、異族達に指示を出し意のままに操った。
然し、そんなある日、一人の男が立ち上がった。
若きローレンス:これ以上、神を騙る、邪教徒の好きにはさせない!!
若きローレンス:我が名はローレンス!!未来は皆、平等であるべきだ!
0:王號暦194年、救世主誕生。後に、創造神を封じた英雄として語り継がれた。
0:異界 中心都市 スレイブ。
???:おのれぇ、ローレンスとか言う小童め! 我の計画を悉く、邪魔しおって!
???:こうなれば、あの賢しい小僧を抹殺す…
若きローレンス:へぇー、俺が何だって?邪教徒、今日がお前の命日だぜぇ!
0:英雄は愛銃カオスレイを構える。
???:き、貴様ぁ!?いつの間に…!
若きローレンス:情けねぇー声出してんなよ!みっともねぇ!仮にも創造神を騙ってたんだからよ。
???:フッハハハ!そんな玩具でこの我を倒せるとでも?我の特殊技能はどんな物理攻撃も、術さえも無効化に出来る。
若きローレンス:ふーん?それで?
???:愚かなヤツめ!貴様が幾ら、足掻こうが結果は変わらないと言う訳だ!!
若きローレンス:結果は変わらないか…試してみるか?
0:禍々しい気を放ったカオスレイを邪教徒の額に押し付ける。
???:フッハハハ!所詮はコケ脅しよ。気の済むまで撃つと良い!全て徒労に終わるがな。
若きローレンス:それじゃあ、遠慮なく行かせて貰うぜぇー!…おらぁっ!
若きローレンス:俺の血を啜って改良された、このカオスレイの味をたんと味わえよっ!!
???:…無意味な事を!
若きローレンス:我はファーストキーの末裔!神を偽る、罰当たりに裁きを!!……邪魂封神弾!!(じゃこんふうじんだん)
0:ローレンスが正義の撃鉄を引いた後、棺の様なモノが出現し、見る見るうちに邪教徒が封じ込められていく。
???:ファーストキーの末裔だと…!…ぐぉおー!?き、貴様ぁ!ただの生意気な小童では無かったか…!だが、覚えておけ!!必ず、再び宇宙に混沌を……グォオー!!?(断末魔と共に消える)
若きローレンス:何度甦って来ようが、その度に封じこめるだけだ!
0:斯くして、創造神はこの宇宙から消えた。英雄ローレンスは異族と人族は共に手を取り合って生きるべきだと共存の道を選択したのだった。
0:現代、秘境の里。
ローレンス:未来は託したぞ!ニグレドくん、ルベドくん。
ローレンス:封印の術式は諸刃の剣。儂に残された時間は残り僅か…ゴホッ…ゴホッ!……急げ!急ぐんじゃ、英雄の血を受け継ぐ者達よ!!
0:HERO•side。
0:古小屋。
ルベド:サレナ、そろそろ行くか。
サレナ:ええ、グゥウ…お腹は空いてるけど、体力は回復したわ!
ルベド:ああ、飯は当分先だな、ニグレドの奴何か食い物持ってないかな?
サレナ:だといいけど…?…あれ、そう言えばニグレドは?!
ルベド:んーー外か?取り敢えず、出よう。
サレナ:行きましょう!
ルベド:おーい、ニグレド!……?そんな所で突っ立って何してんだ?
ニグレド:え…?!ああ、いや!何でも無いよ!
サレナ:?
ニグレド:サレナー!もう動けるのかい?
サレナ:ええ、もう大丈夫よ!苦労かけたわね。
ニグレド:とんでもない!礼ならルベドに。
ルベド:そんな事より、何か食い物持ってないか?グゥウ……聞いての通り、腹の虫が治らなくてな。
サレナ:あたしもお腹ペコペコで死にそうよ…グゥウ…
ニグレド:あはは!お腹の鳴る音のタイミングも一緒なんてね。
ルベド:うるせえ。
サレナ:た、たまたまよ!
ニグレド:あはは。それでご飯だったよね?ちょっと待ってて…(リュックを漁る)
ニグレド:確かここに……あった!エネルギシュβ
0:試験管に入った奇妙な液体を取り出した。
ルベド:おい、ニグレド…飯的な物は無いのかよ!
サレナ:何よ…その紫と黒が混ざったような不味そうな液体は!
ニグレド:見た目で判断したら、損するよ?騙されたと思って一口飲んでみて!美味しいから♪
サレナ:ルベド、あんた試しに飲んで見なさいよ!
ルベド:はぁ??何で、俺が毒味するみたいになってんだよ!!
ニグレド:ルベド、大丈夫!僕も飲むから、はい!……ゴクゴクッ!(一気に飲む)
0:ルベドは黒紫色の液体を手に取る。
ルベド:サレナ、もし俺が死んでも亡骸だけは拾ってな…
サレナ:は?何言ってんのよ!良いから、早く飲め!
ルベド:へいへい、……?見た目とは違って良い香りだ…よし!……ゴクゴクッ!ぷはぁー!(飲み干す)
ニグレド:ね、結構美味しいでしょ?ルベド。
サレナ:ルベド、どうなのよ?
ルベド:ああ、普通に美味いわ!香りが良く、フルーティな味わいに後からガツンと来る炭酸がたまらないな!
サレナ:え?めちゃくちゃ好評だけど、そんなに美味しいの??
ニグレド:サレナも良かったらどうぞ!はいっ!(液体の入った試験管をサレナに渡す)
サレナ:…騙したら、あんたらの枕元に化けて出てやる…!……ゴクゴクッ!
ルベド:お〜!疑ってた割には良い飲みっぷりじゃねえか!サレナ。
ニグレド:あはは、どうかな?サレナ。
サレナ:うん、美味しいわ!あたし超が付くほどの甘党だから、これはハマるわね♪ニグレド、疑って悪かったわ!
ルベド:飲み過ぎんなよ〜!サレナ。
ニグレド:いやいや、お気に召した様で良かったよ!まだ50本くらいあるからね。飲みたかったら言ってね……?…え、サレナ?!
サレナ:にひひ♪ニグレド〜もう一本ちょうだい♪
ルベド:はぁ…病気だなこりゃ。
ニグレド:良いけど…あまり飲むと…
サレナ:堅いこと言わない〜ニグレド〜はぁやぁく!!
ニグレド:あは…じゃあ、後一本だけだよ?……はいっ!
ルベド:ニグレド、あんまりサレナを甘やかすなよ!
サレナ:うるさい!ルベド、黙らっしゃい!……ありがと♪ニグレド。……ゴクゴクッ…ゴクゴクッ!(何かに取り憑かれた様に飲む)
サレナ:ぷはぁーー!美味しい〜♪…にひん♪ニグレド〜お•か•わ•り♪
ニグレド:ぇえ!?キリがないよぉー!!
ルベド:やれやれ…。
0:失意のグリーヴァ。
グリーヴァ:イレス…何処だ…イレス!
グリーヴァ:黒い衣服を身に纏っているあいつらなら、何か知ってそうだ…接触する価値はあるな!
グリーヴァ:イレス…必ず見つけるっ!
0:Enemy•side。
0:戦艦グラディエタ•ブリッジ。
異形なる者(知)そろそろ、地上ですわね。
異形なる者(技)ふん…。
異形なる者(知)あらぁ、具合いでも悪いのかしら?
異形なる者(技)吐かせ…貴様に構っている時間など無い…。
異形なる者(知)ぅふふ、まぁ良いでしょう。
0:地上に着く。
異形なる者(知)着きましたわぁー!
異形なる者(技)…。
異形なる者(知)降りますわよ。
異形なる者(技)私に指図するな…。色魔…。
異形なる者(知)うふふ、いつかその醜い口を塞いであげましょう!
異形なる者(技)ふん…。
0:地上を闇雲に歩く。
異形なる者(知)あらぁ?アレは何かしら?近付いて見ましょう。
異形なる者(技)…。
0:近付くと人影。
フェルマー:…!?お主らは何者じゃっ!
異形なる者(技)それはこちらの台詞…。貴様、ここで何をしている…。
異形なる者(知)あらあらぁ、可愛いらしい翼人です事。
フェルマー:お主らには関係の無い事じゃ!道を開けよ!
異形なる者(技)何か隠してる様子…。止むを得まい…!…朧!(おぼろ)
0:大槍から斬撃を放つ。
フェルマー:くぅ…!不意打ちとは卑怯なヤツじゃ!
異形なる者(知)あらあら、貴女弱いわね!…ヴァシュロン、手加減して上げなさい。
異形なる者(技)…私に命令をしていいのは主のみだ…。貴様には従わん…。
フェルマー:ふっふっふっ…仲間割れかのー?…はぁぁー!スキありぃ!!…豪破爆連戟(ごうはばくれんげき)
0:重圧な大鎌を何度も振り下ろす。
異形なる者(技)…っ!
異形なる者(知)あらぁ、マトモに喰らってあげるなんて意外に優しいですわね。
異形なる者(技)茶々を入れるなら、去れ。ジェス。目障りだ…。
異形なる者(知)うふふ、貴方一人じゃ荷が重いかと思い、加勢してあげようかと思いましたが…
異形なる者(技)不要だ…。
異形なる者(知)あら。それならば、わたくしはこの先に行かせて…
グリーヴァ:待たれよ!!黒き女よ。
異形なる者(知)…!
0:突然のグリーヴァの登場に驚愕する、フェルマー。
フェルマー:グリーヴァ?何故、お主がここに!?
グリーヴァ:ガッハハハ、約束を果たしに来たぞ!フェルマー殿。
フェルマー:グリーヴァめ、とんだサプライズじゃ!ふっふっふ!
異形なる者(技)貴様は…いつぞやの、鉄の鬼か…。丁度良い…私も貴様に会いたかった所だ…。
グリーヴァ:話がイマイチ見えないが、碌な用事とは思えぬ!これより先は、刃で交わし合おうぞ!
異形なる者(技)ふん…小物が。後悔するなよ…。
異形なる者(技)私の名は漆黒の大槍(たいそう)ヴァシュロン!参るッ!!
グリーヴァ:この戦神グリーヴァがヴァシュロン殿の首、貰い受けるッ!!
0:異族と鬼との熾烈な戦いの火蓋が切って落とされた。
異形なる者(知)わたくし達も殺り合いましょうか!ウフフ…!
フェルマー:この気は…此奴!只者ではないな。…ならば、妾も全力を出すかのー!
0:異族と翼人の花も恥じらう美女達の闘いのゴングは鳴り響いた。
0:Enemy•side。
0:異空間•天主の間。
異形なる者(力)主、ローレンスを抹殺しましょうか?
???:ジーフリードよ、あんな老耄(おいぼれ)は捨て置け!今更、何も出来まい。
異形なる者(力)それでは、自分は何を?
???:うむ、貴様は待機していろ。
異形なる者(力)ヴァシュロンやジェスの様、自分にも出撃命令を!
???:貴様の狂人化は使い勝手が悪い…野に放っては味方を殺しかねん!今は充分に温存しておけ。
異形なる者(力)…承知!
0:HERO•side。
ニグレド:さぁー、次の目的地はルミナス軍用基地跡だよ!
ルベド:ルミナス軍用基地跡?聞いたこと無いな。サレナは知ってるか?
サレナ:あたしも詳しい事は分からないけど、確か…大昔に戦争の際に使用してた基地とかだったような…?
ニグレド:おお、サレナは意外と博識だね!人族同士が争った、領土、二分計画戦争だね。
ルベド:りょうど…何だ?
ニグレド:あはは、領土、二分化計画戦争と言うのは短絡的に言うと一つの領土を半分にしようって事だよ。
サレナ:ニグレドって…あたしらとそこまで歳が変わらないのにヤケに詳しいわね?
ルベド:何者だよ!
ニグレド:あはは、僕には恩師が居るんだ。その恩師から色々とね!
サレナ:色々ねえ。
ルベド:ま、続きを聞かせてくれよ!
ニグレド:うん、良いけど…ルミナス軍用基地跡に向かいながら、話すよ!因みに此処から南西に進むと見えてくるよ。
ルベド:また、険しい道のりになりそうだな…
サレナ:文句を言わず、足を動かすっ!
ルベド:へいへいー!
ニグレド:あはは、まぁそこにさえ着ければヘレティックフェザーは目と鼻の先だからね。
サレナ:さぁ、行くわよ〜♪
ルベド:サレナ、お前…随分と陽気だな?
ニグレド:あー、恐らく…エネルギシュβを過剰摂取したからじゃあないかな?
ルベド:おい、大丈夫なのかよ?!
サレナ:おーい!ルベド、ニグレド〜何をボサっとしてんのよ!早く行くわよ〜♪
ニグレド:あはは…その内治ると思うよ。
ルベド:その内って、無責任かよ!
0:ルミナス軍用基地跡に向けて出発した。
0:星の方舟前。
フェルマー:グリーヴァ!負けるで無いぞ!
グリーヴァ:ぜぇぜぇ…フェルマー殿!…うぉおー!とぉりぁあ!!…無明燕返し双(むみょうつばめがえしそう)
0:切先を翻し、逆さに斬りつけ後、暗転させ更に全力で斬りつける。
異形なる者(技)甘い…紫炎一閃!(しえんいっせん)
0:禍々しい闇を帯びたカウンター。
グリーヴァ:ぐぅう……!ぜぇぜぇ…この俺が地に膝を付く日が来るとはな…!
異形なる者(技)ふん…次で貴様の命を散らそう…。異技……夢幻残煌槍(むげんざんこうそう)…!永遠(とわ)の夢に喰われろ…!
0:大槍で突かれる様が正に夢幻の如き。
フェルマー:ぐ、グリーヴァーー!
異形なる者(知)あら?余所見とは舐められたものですわね!…魔符!(まふ)
フェルマー:……!?何、この扇子生きておるのか?!
0:ジェスの意のままに操る扇子を投げる。
異形なる者(知)あらあら、外してしまいましたわ…次は確実に仕留めますわよ!
フェルマー:ふぅ……間一髪だったのー!此奴、やりおるわ!
グリーヴァ:ぜぇぜぇ…フェルマー殿…イレス…命半ばで生涯を終える事を…許し…てく…
0:瀕死の戦神。
イレス:グリーヴァ!何を弱気になってるんだ?
0:霞んでいく視界の中に見覚えのある顔と聞き慣れた声が耳に入っていき、涙を流し気が動転する。
グリーヴァ:…イ…レス!?……俺は幻覚を見てる…の…か?……ガッハハハ!とうとう……お迎えが来たか…
イレス:幻覚?こいつは何を言ってるんだ?…て!?おい、しっかりしろ!グリーヴァ、グリーヴァ!!
0:一時的に気絶した、猛き鬼。
グリーヴァ:…
異形なる者(技)ふん…愚か…。
イレス:あんたが何者かは知らないけど私の旦那に手を掛けた事、地獄で後悔しなっ!
異形なる者(技)…貴様は…そこに醜く蹲っている男の、女か…。
イレス:だったら何だって言うのよ。あんたのその澄ました態度が気に食わない!はぁぁー!!(弾丸を仕込んだ鞭を当てる)
異形なる者(技)弾を発射させる鞭か…中々ユニークな武器を使う…。
イレス:…弾神鞭!(だんしんべん)
0:怒り狂った鬼姫は猛攻を繰り出す。
異形なる者(技)ふっ…甘いな…。これは…受け切れるか…?……次元淵竜槍!(じげんえんりゅうそう)
0:異次元を形成させ、その狭間に落とし空間ごと気の竜を帯びた槍が対象を貫く。
イレス:此処は…ど、どこだ?!………ぐはぁ!!
フェルマー:あの勇ましい女性はグリーヴァの
奥さんかの?……凄まじい気迫じゃ!
異形なる者(知)うふふ、感心している場合じゃないです事よ?…隙だらけですわ!…わたくしの可愛い玩具、出てきなさいっ!
0:扇子を二振りした後、鈍色の光と共に現れた魔界の獣。
フェルマー:あ、あれは…なんじゃ?!
魔獣シメール:…フシャアア!!
0:頭は黒龍、尾は不死鳥、胴は白狼の異形な獣が眼前に立ち尽くす。
異形なる者(知)うふふ、わたくしの可愛いペットのシメールちゃん♡その生意気な翼人族の子娘にお仕置きをして上げなさい!
フェルマー:さすがに…万事休すかの…
イレス:はぁ…はぁ…フェルマーとやら、私の旦那と互角に渡り合えたと言うのに…その程度か?…何と情けない事だ。
フェルマー:…っ。
異形なる者(技)ふん…下らん茶番に付き合うつもりは無い…その命刈らせて貰う…。
異形なる者(技)孤月槍…!(こげつそう)
0:月を描く様に突く。
異形なる者(知)うふふ…お涙頂戴はあの世でやって下さる?
魔獣シメール:ゥウウグァ!(襲いかかる)
イレス:くぅっ…!はぁ…はぁ…
0:イレスが咄嗟に身を乗り出しフェルマーを庇う。
異形なる者(知)あらあらぁ?ぅふふ。
異形なる者(技)…ふん。
フェルマー:何故じゃ?!何故、妾を…
イレス:はぁ…はぁ…グリーヴァを…旦那を頼んだ…ぞ……(事切れる)
グリーヴァ:…
異形なる者(技)下らん…。興が冷めた…。ジェス、後は貴様に任せる…。
異形なる者(知)あら、敵前逃亡かしら?
異形なる者(技)ほざけ…。
フェルマー:……お主はジェスと言ったな?イレス殿の無念を晴らそうぞ!…覚悟するのじゃっ!!
異形なる者(知)ぅふふ…威勢だけは一丁前ですわね!…貧弱な貴女にわたくしを倒せるとでも?
フェルマー:はぁあー!……猛襲戟!!(もうしゅうげき)
0:その場で飛躍し、力任せに大鎌を振り下ろす。
異形なる者(知)ぅふふ…シメールちゃん!出番ですわよ!
魔獣シメール:ギャアヴァー!?
0:ジェスは自ら生み出したペットを盾にする。
フェルマー:…なんと卑怯なっ!
異形なる者(知)シメールちゃん♡この世間知らずの子娘に優美な死を♡
魔獣シメール:ゴゴゴ…!
フェルマー:あの構えは何じゃ?!な、何をする気じゃ…?
0:数十分前。
0:HERO•side。
ニグレド:ふぅーー…2人ともー!着いたよ!此処が、ルミナス軍用基地跡だよ!…って!?…険しい顔してどうしたの?
0:何かを訴えるように立ち尽くす、ルベドとサレナ。
ルベド:嫌な予感がする…
サレナ:ルベド…あんたも?!…近くで何か起きて…?
ニグレド:ルベド?サレナ??何を言ってるんだい?
ルベド:ニグレド、お前は何も感じないのか?
ニグレド:え?
サレナ:暢気なものね!…!?ルベド、あれを見て!!
0:サレナは8時の方向を指差す。
ルベド:何だ、あの魔物は!?
ニグレド:魔物?!じょ、冗談きついよ?…この周辺は何も居ない筈…って!?置いて行かないでよー!!
0:ルベド、サレナは違和感を感じた場所へ駆け出す。
ルベド:はぁ…はぁ!サレナ、この先に進んだら、生きて帰れるか保証は出来ない…
サレナ:はぁ…はぁ…!何よ、自分だけ行こうっての?…あんた一人じゃ犬死にするだけよ。
ニグレド:待って、僕も行くよー!!ぜぇ…ぜぇ…!
0:鈍足なニグレドも遅れながらも着いてくる。
ルベド:はぁ…はぁ!言ってくれるじゃねぇか!サレナ。だがなー!此処までの旅を通して分かった事がある。
サレナ:はぁ…はぁ…!ふぅん?何よ?気取っちゃって…
ルベド:はぁ…はぁ!!これ以上…お前のお守りになるのは嫌だって事だ!
サレナ:はぁ…はぁ…!!ふふ、ちょっぴりだけ、成長したみたいね?
ニグレド:ぜぇ…ぜぇ…!!!二人ともーー速いよぉ…ぼ、僕…もう…ぜぇ…ぜぇ……
ルベド:はぁ…はぁはぁ…!!…ちっ…!今に見とけよ!お前が今後、泣きじゃくる姿を楽しみにしておくぜ!サレナ。
サレナ:はぁはぁ…!!…あ、あたしが泣くぅ?あは。…冗談でしょ?せいぜい、叶わない夢でも見ておきなさいよ!
ルベド:上等だっ!……着いたぞ!……違和感の正体はあの奇妙な化け物か。
サレナ:…そのようね!…あれは、鬼?!…翼の生えた生き物?!
ニグレド:ぜぇぜぇ……二人とも、ここに何かあるの?……!?く…黒装束!
0:ルミナス軍用基地跡周辺
魔獣シメール:ゴゴゴッ!!
0:狡猾な獣がエネルギーを溜めた刹那…
フェルマー:(に、人間じゃと?!…味方なのか、敵なの
か?)
異形なる者(知)ぅふふ、多勢に無勢ですわね。
魔獣シメール:ガギャアア!!(憤怒)
0:新たな戦禍に巻き込まれる、ルベド達。
ルベド:こいつは一筋縄じゃいかなそうだぞ、サレナ。
サレナ:なになに、怖気付いたの〜?ルベド。
ルベド:冗談!…やるぞっ!
ニグレド:……
フェルマー:人間達、それ以上近寄るでない!…遊びじゃないのじゃぞ?
ルベド:「」
ルベド:…そんな事は
分かっているっ!…魔甲(旋風)セット!…父さんのハーフデュランダルに母さんの命を注ぎ込む!
ニグレド:ぼ、僕も援護するよっ!
サレナ:ルベドにばかり格好つけられるのは…癪ね!…すーぱーなっこぉ!!
魔獣シメール:…ドラァアァア!!(炎吐く)
異形なる者(知)ぅふふ…坊や達、お遊戯会と勘違いしているのかしら?…シメールちゃん♡…戯れてあげなさい♡
ニグレド:させないよっ!神盾イージス!…彼の者らを守護して!…ギガントアーマー!!
異形なる者(知)あらあら、熱くなってはいけませんよ♡
ルベド:うぉぉぉー!!……疾風兜割!(しっぷうかぶとわり)
0:風を宿した魔甲のチカラで宙を浮きハーフデュランダル持った自身を超降下させる。
魔獣シメール:グォアアアア!
異形なる者(知)あらあら、やりますわね。
サレナ:なガッハハハルベド、いつ間にそんな技を!?
ニグあはは、凄いや!僕の出番は無さそうだね。
ルベド:はぁ……はぁ…有言実行だ!
サレナ:!…怯んでる…?…いっくわよーー!
サレナ:羅刹落としぃぃいい
いい!!!
0:投げながら自身も前方に一回転し、相手の内側に入り地面に叩きつける。
魔獣シメール:ヌギャアァア!?(気絶)
異形なる者(知)豪快ですわねー!シメールちゃん、寝てる場合ではありませんよ?早く起きなさい!!
サレナ:はぁ…はぁ…
ニグレド:二人とも…良く頑張ったね!僕にはこれくらいしか役に立てないけど…!
ニグレド:神盾アイギス、彼の者らに母なる息吹を…女神の一雫!(めがみのひとしずく)
0:大盾から癒しのサークルを発生させる。
ルベド:…疲れが一気に取れた?!…それどころか力が身体中から漲ってくるぜ!
サレナ:とても暖かな光…天使に抱擁されている気分だわ!
ニグレド:後、一息だよ!2人とも頑張ってね!
ルベド:サンキュー、ニグレド!……よっしゃあ!仕上げと行くか〜!サレナ。
サレナ:ニグレド、ナイスよ!……ええ!バシッとやっつけましょう!!ルベド。
異形なる者(知)うふふ…わたくしを怒らせましたね?
フェルマー:(これが人族の結束の力だと言うものかのー?)
フェルマー:人族の若き英傑らよ!…妾も助太刀しようぞ!
フェルマー:はぁあーー、業華葬送!(ごうかそうそう)
0:果ての無い地獄に誘い、スピンを効かせた大鎌で処刑する。
魔獣シメール:クゥゥウン……(戦意消失)
異形なる者(知)おのれ…おのれ…おのれ…おのれぇええ!!!
0:異形な女は激昂し変貌を遂げた。
フェルマー:待つんじゃっ!!ヤツの様子が変じゃぞ?
ニグレド:アレが…異界人の本当の姿…
ニグレド:(僕たちに倒せるのか…?)
0:黒装束を身に纏った異界人の女は淫靡な悪魔に成り変わった。
異形なる者(知)キサマラァ…イキテカエレルトオモウナァ!!
ルベド:おいおい…自らが獣になったと言うのか?!
サレナ:因果応報ね…自身の゛ペット゛を存外に扱ってきた末路だわ。
ニグレド:……
異形なる者(知)ナニヲゴチャゴチャト…イッテイル!アトカタモナク…ケシズミニシテクレルゥ!
異形なる者(知)デッドリーィィサイクロン!!
0:超速の竜巻が対象を襲う。
フェルマー:!…避けるんじゃっ!!
ニグレド:させないっ!神盾イージス、術を跳ね飛ばして!マインドカウンター!
異形なる者(知)グァアアア!?
ルベド:ふぅーー間一髪だったな…助かった!ニグレド。
サレナ:やるじゃない!ニグレド。
ニグレド:えへへ♪
フェルマー:お主達、気を抜くのは早計じゃぞ!……後は妾に任せるがよい!
ルベド:いや、俺達も加勢して…
フェルマー:不要じゃ!此奴は妾に殺せて貰えんかのー?
サレナ:何でそこまで拘るのよ?
ニグレド:ルベド、サレナ、僕達が入れる隙は無さそうだよ。…この翼人族の女性に任せよう!
フェルマー:すまんのう…妾の名はフェルマーじゃ!
ルベド:フェルマー、俺はルベドだ!…無理はするなよ?
サレナ:フェルマー、きっとこれは譲れない闘いなのね!
ニグレド:フェルマーさん、ご武運を!
フェルマー:ふっふっふっ、優しき人族らよ!…感謝するぞっ!
0:ルベド達の想いがフェルマーを鼓舞する。
異形なる者(知)…ミノホドヲワキマエヨォォォ!!…エンシェントメテオォォオ!!
0:古の巨大な隕石が頭上に降り注ぐ。
ルベド、サレナ、ニグレド:フェルマー!!!
フェルマー:くぅっ…!!…これしきの痛み、イレスが受けた傷みに比べたら、擦り傷の様なものじゃぁーー!!…妾のソウルスレイヤーが光って!?
0:刀身に赤黒いオーラを纏う。
フェルマー:ふっふっふっ、今度はこちらの番じゃぁ!!…血吸大車輪ー!!(けっきゅうだいしゃりん)
0:潜在能力ドレインを習得した大鎌でクルクルと振り回し生命を刈り取る。
異形なる者(知)ヌグァアアア!!チカラガスイトラレェ…オノレェェェエー!!……(事切れる)
0:妖艶な悪魔は全てを吸い尽くされ、塵になった。
フェルマー:はぁはぁ…はぁ…!イレス…仇は取ったぞ…(気絶)
ニグレド:ふぇ、フェルマーさん!
サレナ:大丈夫よ、息はあるわ!
ルベド:凄まじかったな。
グリーヴァ:んんぅ…?!フェルマー殿!、イレスー!
ルベド:ん、誰だ?さ、侍…!?
サレナ:どうしたのよ、ルベド!……え?誰あんた?!…新手の敵かしら?
ニグレド:いや、違うよ。敵意は無さそうだ。
グリーヴァ:む?お前達は何者だ?!…黒い衣服を身に纏った槍使いはどこに消えた!?
0:状況が掴めず、困惑する猛き鬼。
ルベド:黒い衣服ってさっきの黒装束の奇妙な女か?…槍は持っていなかったぞ?
グリーヴァ:ふむ、お前達は人族か…俺の名は戦神グリーヴァ!鬼族だ。……その方らの名は何と申す?
ニグレド:僕はニグレドだよ。宜しくね!
ルベド:ルベドだ!…フェルマーと叫んでいたが知り合いなのか?
グリーヴァ:フェルマー殿をご存じなのか!ルベド。
サレナ:私はサレナよ!フェルマーってそこに倒れている、翼人族の事よね?
グリーヴァ:倒れているだと?!…はっ!お前達、フェルマー殿に何をした!?
ルベド:俺たちはそのフェルマーと一緒に戦っただけだ!頼むから、勘違いするのはやめてくれ。
サレナ:まったく…イレスっていう鬼の女性が殺されて、フェルマーが憤慨して暴れ回って力尽きたのよ。
グリーヴァ:な、なんだと?!…イレスが討ち取られたと言うのは…本当か!!
ニグレド:僕らがここに着いた時にはもう…既にそこに倒れていて…
ルベド:…
グリーヴァ:ぐぅうぁ!!…な、何故だぁ!?何故、お前は俺を置いていく…ぐぅおおおおおーー!!イ!!!(涙ながら絶叫)
0:鬼の嗚咽は大地に響き渡った。
サレナ:…取り敢えず、星の方舟に行きましょう!
ルベド:ああ、そうだな!…サレナ、フェルマーはどうする?
サレナ:グリーヴァー!気持ちは分かるけど、悔やんでいても何も始まらないわ!…あんたが責任を持ってフェルマーを担いであげて。
ニグレド:…
グリーヴァ:ああ、すまぬな!…ガッハハハ!…もう大丈夫だ!フェルマー殿は俺が責任持って運ぼうぞ!
グリーヴァ:(イレス、粗末な石を合わせただけの簡易的な墓で申し訳ないが…お前の好きなウルフのポトフを置いておくぞ。いつの日か、お前に渡そうと携帯してた物が…まさか、こんな形で渡す事になるとはな…)
グリーヴァ:(これから俺は未来に希望を秘めた者達と新たな旅に出る…お前の元へ逝くのは当分、先の話になろう………行ってくるぞ!!…旅の終わり次第、会いに来る。…永遠に愛しているぞ。鬼姫イレスよ!)
ルベド:おーい!グリーヴァ!何をブツブツと念仏唱えてんだ?…置いていくぞー?
グリーヴァ:ん?…ああ、すまん!今行くぞぉー!!ガッハハハ!!
0:一行は星の方舟へ向けて、再び歩みを進めた。
ニグレド:一旦、ルミナス軍用基地跡に戻って、星の方舟(ヘレティックフェザー)に向かおう!
ルベド:ニグレド〜ずっと思ってたんだが、そのヘレティックフェザーって言うのは何なんだだ?
ニグレド:意味は異端の翼。僕が独自に名付けたんだけど、変かな?
サレナ:変じゃないわよ?ねぇ、ルベド。
ルベド:異端の翼、、、つまり、俺達がそれに乗ったら異端者として認知されるって事だよな?
グリーヴァ:ガッハハハ!細かい事は気にするな、ルベド!
ニグレド:な気に触るなら、今からでも名前…変えようか?ルベド。
ルベド:いや、ちょっと気になってな…まぁ、前向きに捉える事にするよ!ニグレド。
ニグレド:あはは…そうしてくれると助かるよ。
グリーヴァ:歓談しているところ、割って入って悪いんだがルミナス軍用基地跡が見えてきたぞ!
0:ルミナス軍用基地跡
サレナ:やっと、星の方舟とやらとご対面ね。
ルベド:ああ、後手後手に回ってしまったからな。
ニグレド:うん、アクシデント続きだったしグリーヴァ:ガッハハハ!その話から察するに…お前達が数々の修羅場を潜り抜けて来ているのが手に取って分かるぞ!
サレナ:修羅場?言い得て妙ね。
ルベド:おい、サレナー!感心してないで、とっとと乗り込むぞっ!
ニグレド:着いたよ!僕の船、ヘレティックフェザーだよ!
0:超合金の二つの翼が目に留まる。
グリーヴァ:ほうーー!!これは、見事なものだな!
ルベド:グリーヴァもいつまで外にいるんだー?早く、中に入って来いって!
グリーヴァ:む?あ〜すまん!つい見惚れてしまった…今参るぞっ!!ルベド。
ルベド:やれやれ…。
0:ヘレティックフェザー内。
ニグレド:さぁ〜て、ブリッジに行こう!僕に着いて来て!…入り口から、北に進むと連絡通路が見えてくる。その通路を進んだ先の黒翼(こくよく)が描かれた扉が目印だよ!
ルベド:へぇ、造りが随分と凝ってるなあ!
サレナ:うわぁあーー圧巻ね。…誰が造ったのかしら?
ニグレド:それは僕にも分からないけど、ローレンスさんなら知ってるかも。あ…以前話した恩師の事だよ。
ルベド:恩師ローレンスか。ふぅん、どんな人なんだ?ニグレド。
サレナ:あたしも気になるわね。
グリーヴァ:ほうー、恩師か!良い響きだ!俺にも昔、恩師と言うか、師が居た事があってな…
サレナ:はいはい!グリーヴァ…あんたの話はまた今度ね〜!
グリーヴァ:な、何故だ!?
ルベド:今は空気を読めって事だろ。
グリーヴァ:むぐぐ…。
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。……続けていいかな?
グリーヴァ:ああ。話の腰を折ってしまい、申し訳ない!
ニグレド:大丈夫だよ!それじゃ、話すね!
ニグレド:まず僕はサレナのように人族じゃないんだ。正確には人族と異族のハーフなんだけど。
サレナ:え…ちょっと!どう言う事?!
ルベド:ニグレド、詳しく聞かせてくれ。
グリーヴァ:…っ。
ニグレド:僕の生まれ育った故郷は異界にあるんだ。治癒能力がその証だよ。
ニグレド:薄々分かってはいると思うけど、ルベド…君も人族ではない。…僕と同じ人族と異族のハーフなんだよ。
サレナ:そ、そんな…ルベドが?!
ルベド:おいおい、ニグレド!…冗談キツいぞ??
グリーヴァ:ルベド、俺は口下手だから、こんな時、どう助言したら良いか分からんが……気をしっかり持つんだぞ!
ルベド:は?…う、嘘だよな!?…だって俺はジョンソンとミランダの一人息子で…。父さんと母さんは人族だし。
ニグレド:困惑している中、拍車を掛けるようで悪いけど…君は孤児なんだ。
サレナ:…嘘……
グリーヴァ:…
ルベド:ニグレド、お前はどこまで知っている?
ローレンス:その件に関しては儂が話そう!ゴホッゴホッ…!
0:歳を召したスーツ姿の男性が現れる。
ニグレド:ローレンス様!何故、こちらに?
グリーヴァ:む?先程、会話の中に出て来た人物か?
サレナ:恩師のローレンス?
ルベド:…
ローレンス:うむ…ニグレド、すまん!言い忘れていた事があるんじゃが…
ニグレド:はい?
ローレンス:おぬしに渡した、その通信機には居場所が分かるようになっておるのじゃ。無論、音声もキャッチ出来るぞい!
ローレンス:つまりは、、ニグレドと同行している、おぬしらの行動や話声も全て筒抜けと言う訳じゃな。
サレナ:はぁーー?最低…
ニグレド:サレナ?…何で僕を睨むんだい?
グリーヴァ:ガッハハハ!ローレンス殿はニグレドの事が余程、心配だったのだろうな!
ルベド:な、何だって?!…もう訳がわからねぇーてのっ!!
ローレンス:すまんなぁ、ニグレド。ゴホッゴホッ!
ニグレド:それは構わないんですが、態々それを言いに来たのですか?
ローレンス:否、その話とは別じゃ。ブリッジに着いてから、順を追って話すとしよう!
ニグレド:分かりました!
グリーヴァ:ふむ。
サレナ:(ルベド、大丈夫?)
ルベド:(正直、頭の中ぐちゃぐちゃだよ…)
サレナ:…
0:暫く進むと、真っ黒な翼が描かれた扉が目に入る。
ニグレド:着いたよ!この扉を抜けた先がブリッジだよ。
ルベド:さぁ、行こうぜ!
サレナ:ルベド…
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
ニグレド:人数分くらいの椅子があるから、自由に腰を掛けて!
グリーヴァ:ぬ?…操縦は誰が行うんだ?
ルベド:あー言っとくけど…俺にそんな知識は無いからな?
サレナ:あたしも無理よ!
ローレンス:ニグレド、彼等の疑問に答えて上げなさい!
ニグレド:はい、ローレンス様!…操縦に関しては問題ないよ。AIが自動的に操縦してくれるからね!
ルベド:えーあいってなんだ??
ローレンス:AIとは人工知能の事じゃ。言わば人族を模した機械の人形って言えば理解が出来るかの?
サレナ:その機械の人形はどこにいるのよ?
無尽君45式:はい、お呼びしましたか?
ルベド:うおお!?…何だ、このヘンテコな玩具は。
サレナ:誰が造ったのか知らないけど、センスの欠片も無いわね…
ニグレド:あはは…酷い言われようだね。僕の手造りなんだけど…
グリーヴァ:ほう、素晴らしい才能だな!
ルベド:そうかぁ?俺でも造れるレベルだぞ?
無尽君45式:失礼な奴ですね、成敗します!…(背中からビームを発射)
ルベド:あちちちぃ!?…や、やめろ!わ、悪かったって!!
無尽君45式:成敗!(ビームを発射)
サレナ:え!?…きゃあああ!…な、何すんのよ!!このポンコツー!おりゃぁ!(殴る)
無尽君45式:とても理不尽です…!
ニグレド:ちょっと、サレナー!壊さないでよ?
サレナ:大丈夫よ、頑丈そうだしね?
ルベド:いや、そう言う問題じゃねーだろ!
ニグレド:あはは…
ニグレド:無尽君、操縦桿とリンク出来るかな?
無尽君45式:はい、自動操縦モードに移行します!
0:その瞬間、無尽君は腕から細いケーブルを取り出し、操縦桿に結び付けた。
ルベド:ん?これは何をしているんだ?ニグレド。光る物が同時に出てるが?
ニグレド:こうする事によって、動き出すんだ!……揺れるからベルトを閉めて、飛ばされないよう気を付けて!
0:突如、ヘレティックフェザー全体が激しく揺れる。
無尽君45式:接続完了…出発します!目的地はどちらになりますか?
ローレンス:異界、理の狭間まで頼む!ゴホッ、ゴホッ…
無尽君45式:畏まりました!算出したところ、大凡2時間45分で目的地、理の狭間に到着します。
ニグレド:有難う!無尽君。……ローレンス様、理の狭間とは?
ローレンス:まぁ、そう急くな。ニグレド。…先ずはルベド、おぬしの件から語るとしよう。
ルベド:…
サレナ:ルベド…
ローレンス:ルベド、おぬしは宇宙に脱出ポッドと一緒に棄てられておったのじゃよ。調べたところ、両親は既に他界しておった。どういった経緯は分からんがな。ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:…っ!
ルベド:まさか、俺はあんたに拾われたのか?ローレンス。
ローレンス:否。儂の古くからの友人がな、宇宙を飛び回っている際、偶然見つけたのじゃよ。
0:another story 6 星の観測者。
ゼフ:おーい!もっと高度を上げてくれぇい!シーパー!
シーパー:無茶を言わないで!貴方に「素敵な星を君に見せて上げる!僕からの最高のプレゼントさ!」って言われたから、楽しみで着いてきたけど…まさか操縦を任せられる羽目になるなんて想定外だったわ。
ゼフ:悪気は無いんだよ。最近、腰痛が酷くて…いざ操縦したら他の小惑星に追突してしまうからね。
シーパー:はぁあ…そんなに酷いなら、初めからカッコつけてキザな台詞を吐かないで頂戴!
ゼフ:ははは、ごめんよシーパー!…そんな事より、もうちょっと左に寄ってくれないかな?
シーパー:もぅう…知らないっ!!
ゼフ:うわぁああああ!!きゅ、急にスピード上げたら、危ないって!!
シーパー:ふんっ。
ゼフ:機嫌を直してくれよ!……ほらっ!君の好きなリザードクッキーをあげるからさ!
シーパー:え?本当に!?…こんなに!?全部いいの?
ゼフ:勿論だとも!…だから安全に頼むよ!
シーパー:はぁーい!
ゼフ:(単純な子で助かった…)
シーパー:ゼフぅ?何か言ったぁ?…モグモグ。
ゼフ:な、何も言ってないよ?
0:シーパーがクッキーを食べ終えた頃。
ゼフ:シーパー、お腹いっぱいになったかい?
シーパー:うん、足りないけど我慢する!
ゼフ:シーパーは本当にリザードクッキーとなると、胃袋が底無し沼になるね…
シーパー:な、なによ!悪い…って……え!
ゼフ:ん?シーパー、眉間に皺なんか寄せてどうしたんだい?
シーパー:ゼフ!脱出ポッドが!
ゼフ:脱出ポッド?どう言う意味だい?
シーパー:ほら、あそこ!3時の方向見て!
ゼフ:え?…あの桃色の脱出ポッドの事?
シーパー:うん、近付いて見ていい?
ゼフ:良いけど、危険だと思ったら逃げるんだよ?
シーパー:分かってるよー!…うわぁあ!
0:脱出ポッドの中を覗き込む。
ゼフ:あれは…子供?!
シーパー:どうするの?ゼフ。
ゼフ:こんな辺境な宙域に子供…取り敢えず、降りて、開けて見よう!シーパー!
シーパー:ふふ、貴方のそういう所好きよ!ゼフ
ゼフ:放って置けないからね。それにしても…誰がこんな事を…酷い。
ルベド:…
0:中には5歳くらいの赤子が眠っていた。
シーパー:このまま、ここに放置してても可哀想だし私達の星に連れていく?
ゼフ:ああ、その方が良さそうだ!ローレンスにもコンタクトを取ろう!
シーパー:ええ!
ゼフ:星の件は……
シーパー:大丈夫よ、また来ましょう!勿論、今度は貴方が操縦してね?
ゼフ:はは、、シーパーには敵わないな。
シーパー:当然ですぅ!
0:現代。
ルベド:……っ。
ローレンス:これ以上は止めておくか?
ルベド:いや、大丈夫だ。全て話してくれ!俺が納得するまで。
ニグレド:ルベド…
サレナ:…
ローレンス:うむ。その後、ゼフから連絡を受けた儂は…
0:異族と人族のハーフ。
ゼフ:ローレンス!ローレンスは居るかぁ?
若きローレンス:なんだ、何だ?何事だぁ?
シーパー:これを見て欲しいの!
若きローレンス:なんだよ、シーパーも居るのかよ!ラブラブで羨ましいこったなぁ!
若きローレンス:まさか、見て欲しいモノがあるって、お前らのラブラブっぷりを俺に見せに来たんじゃ無いだろうな…?
ゼフ:あほかっ!…先日、彼女に振られたからって、僕等にあたるなよ。
若きローレンス:くそぅ…マナァ!!
シーパー:馬鹿みたいに叫んでないで、この子を見て欲しいんだけど!
若きローレンス:この子ぉー!?子供って、、お前ら…やっぱり…俺に自慢しに…!
ゼフ:ち、違うって!最後まで話を聞けっての!
シーパー:あ〜私達の子供もそろそろ、考えないとね?ゼフぅ?
ゼフ:ば、ば、ば、馬鹿やろ!な、何言ってんだよ!シーパー。…それよりその子をローレンスに!
シーパー:ふふ、はいはい!…ローレンス!この子、宇宙に棄てられてたんだけど。
若きローレンス:あん?…何だ、この餓鬼は。眠っているのか?
ゼフ:ああ、暗示を掛けられているように眠ってるんだ。…どう思う?ローレンス
若きローレンス:ふむ、なるほどな!よし、お前らも何かと大変だろうから、俺がこの餓鬼を預かるわ!
シーパー:大丈夫なの?
若きローレンス:ああ、個人的に気になるんだよな。
ゼフ:ありがとう、ローレンス!…何か分かったら教えてよ!
若きローレンス:あいよー!
シーパー:じゃあ、その子を宜しくね!
若きローレンス:お前らぁ!…偶には遊びに来いよ?
ゼフ:勿論だよ!
シーパー:ええ。
0:現代。
ローレンス:それから儂は何日も何日も夜通しで調べた!
ルベド:今だに信じられないな。
サレナ:いきなり、お前は人族と異族のハーフなんて言われたら、誰だって自分を見失うわよ。
グリーヴァ:現実とは時に残酷なものだな。
ニグレド:ルベド、辛いなら逃げてもいいんだよ?
ルベド:はあ?逃げるだと?冗談じゃねぇ!俺は俺自身を知りたい!…だから、続きを話してくれ!ローレンス。
ローレンス:強い男じゃのー!続きを…話すぞい!
0:苦悩のローレンス。
0:聞き込みを済ませたローレンスが自宅に戻る。
若きローレンス:まず、餓鬼の名前はルベド。異族と人族のハーフで、両親は既にこの世を去っているか…。
若きローレンス:…民間用の脱出ポッドにこの餓鬼が乗っていた理由としては戦争に巻き込まれる可能性があると危惧した両親は我が子を守る為に何も無い辺境な宙域に棄てる形で置き去りにした。
若きローレンス:まとめるとこんな感じか?…根も葉もない話だが、、事実だとしたら…めちゃくちゃ、不憫だな。。
ゼフ:ローレンスー!!約束通り遊びにきたよー!
シーパー:あれぇ?留守かなぁ?
0:2人は呼び掛けるが反応はない。
ゼフ:明かり付いてるし中に居るとは思うけど、何かに没頭してたら気付かないくらいには生真面目だからなあ!
シーパー:ふぅん、あの性格からして想像が湧かないなぁ…
ゼフ:おいおいーシーパー、そんな風に言ってたら飛び出てくるぞー?
シーパー:まさかぁ?
若きローレンス:あ?俺が何だってー?
シーパー:わぁああー!?本当に飛び出してきたぁ…
ゼフ:ローレンスは意外に地獄耳だからなあ。
若きローレンス:地獄耳だと!お前らぁー言わせておけば…好き放題言いやがっ…
ゼフ:まぁ、まぁ!…聞き流してくれよ、ローレンス。…そんな事より差し入れがあるんだよ♪
シーパー:うんうん、ローレンスの好物だろうって、ゼフがね!
若きローレンス:ほう?俺の好物か、気になるじゃねえか!…物によっちゃ、さっきの件は水に流すわ!
若きローレンス:ま、取り敢えず中に入れよ?
ゼフ&シーパー:はぁーい!お邪魔しまーす♪
0:家の中に入って数分後。
ゼフ:…じゃじゃーん!…バーニィのカステラだぞ!しかも等身大サイズだ!どうだ?怒りは鎮まったかい?
若きローレンス:おおー!良いのかよ?気が利くじゃねぇか!!ゼフ。
シーパー:私も甘党よ?でも、ローレンスには負けるけどねぇ?きゃははは〜♪
ゼフ:ああ、ぜーんぶ食って良いよ!…甘い物摂らないとキツいだろ?
若きローレンス:お前らぁ…(涙)……良い奴らだなぁ!ありがとうな!…あむあむ、あむ!うめぇえ!!生き返るぜーー♪
ゼフ:ははは!大袈裟なんだよー!…それで何か分かったのー?
シーパー:あの子の調子はどうなのぉ?
若きローレンス:ああ、その事なんだが…これを見てくれよ!今しがた、俺がまとめたメモなんだが。
ゼフ:ふむふむ、どれどれー?……なるほど…え!?嘘だろ…。
シーパー:ゼフぅ?どうしたのぉ?…私にも見せて…って!?……ぇえ?!
若きローレンス:ああ、この餓鬼はとんでもない財産に成り代わるかも知れねぇー!
0:驚愕している2人を他所に繋ぎ合わせるように口を開く。
ゼフ:ローレンス、この子は君が育てるのかい?
若きローレンス:んな訳ねぇだろー!俺の餓鬼ならまだしもよ…
シーパー:じゃあどうすんのぉ?
若きローレンス:うーん………
0:長考するローレンス。
ゼフ:ローレンスー!僕に良い考えがあるんだけど…まぁ、採用するかどうかは君が決めてよ?
シーパー:ゼフ、何か思い付いたのぉ?
若きローレンス:ほう?一応聞いてやる、何だ?
ゼフ:この子さぁ、人族と異族のハーフなんでしょ?ならさ、人族としての道を歩ませてはどうかな?見た目も僕等みたいな異族ぽくはないしさ!どっちかて言うと…人族の血の方が濃いみたいだし。
シーパー:ゼフ、それは余りにも無責任じゃな…
若きローレンス:いや、シーパー!ゼフの考えは正しいぞ!
シーパー:ぇえ!?
ゼフ:と言うと?
若きローレンス:ああ、この餓鬼を地上に降ろすわ!…ちゃんと人目が付く場所にな。この餓鬼からしたら、二度も棄てられる運命を辿る事になるが…異界に居るよりは何倍も平和だろ。
ゼフ:うんうん、名案でしょ?ローレンス。
若きローレンス:ああ!流石は俺の親友だぜ!ゼフ。
0:現代。
ルベド:…
ローレンス:それでおぬしをグランディア大陸に棄てたのじゃ。
ローレンス:数日後、おぬしの義父、ジョンソンに拾われて…人族としての道を歩み始めたのじゃよ。ゴホッ…ゴホッ!ゴホッ…ゴホッ!
ニグレド:ローレンス様!お身体が?
ローレンス:ニグレド…儂はどの道、もう助からん。…僅かな生をぬしらに費やそう!…それがせめてもの…罪滅ぼしじゃ。
ニグレド:ローレンス様…
サレナ:酷い…
グリーヴァ:確かに形としては゛棄てた゛のかも知れぬ…然し、俺の目にはローレンス殿はルベドの事を救ったように映ったがな?
ルベド:ローレンス、俺は…俺は…俺はぁー!!…うわぁあん!!(号泣)
ニグレド:ルベド…
サレナ:ルベド、好きなだけ泣きなよ…あたしも辛い……ぐすん(涙)
ローレンス:次はファーストキーについてだが……ゴホッゴホッ!………ゴホッ!ゴホッ!
ローレンス:ファーストキーとは所謂、原初の鍵の事を指す。原初の鍵とは古来より邪を封印する為に生まれたとされている、異質な存在の組織じゃ…ゴホッ!ゴホッ!…儂もその末裔の一人。ぬしらと同じ、じゃが…人族と異族のハーフでは無い。儂の血は異族のみ…ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ……!
ニグレド:ローレンス様!これ以上は…お身体に触ります!…ここからは僕が!
ローレンス:すまぬのう…ニグレド。ゴホッ…ゴホッゴホッ!
ニグレド:いいえ、初めから僕が話す予定だったので。
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!ゴホッゴホッ…!
ルベド:…
グリーヴァ:原初の鍵…
サレナ:それで、その鍵とルベドと何の関係があるのよ?
ニグレド:これは僕の推測でしか無いけど、ルベドと僕は世界の災厄を封じる為に生まれて来たんだと思う。
ルベド:俺とニグレドは兄弟だったりするのか?
ニグレド:そこまでは分からないけど、2人で一つの鍵の役割をしているらしい。
ニグレド:当然、リスクも存在する。…片方は必ず死を迎える事になる。
サレナ:つまり両方揃わなければ、世界は救われないって事?
グリーヴァ:常軌を逸した話だな…
ルベド:ローレンスの時は1人で封じれたんだよな?何故、この時代は2人必要なんだ?
ローレンス:それだけ゛奴゛が時代を跨ぐ度に強大になってると言う訳じゃ…ゴホッゴホッ!
サレナ:だからってルベドが犠牲になるなんて…おかしいわ!!
ルベド:サレナ…ありがとうな!…俺さ、昔っから自分の存在意義が分からなかったんだ。…足引っ張って…迷惑かけて…何をするにも中途半端で…俺は何の為に生きてんだろって…
ニグレド:…
サレナ:ルベド…
ルベド:けどな、皆と出会ってローレンスから真実を聞いて明確な生きる意味を見つけた!…例え、この身を賭そうが俺の生きた証を刻めるのなら本望だ!
ニグレド:ルベド、、無茶してないかい?
グリーヴァ:ルベド、俺は最期の瞬間までお前に付き合おう!
サレナ:ルベド…何か別の方法だって…(涙)
ローレンス:サレナ嬢、水を差すようで悪いんじゃが…奴を再び封じるにはルベド、ニグレドが持つキーが無ければ不可能じゃ!ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:そ…そんな…(涙)
ルベド:サレナ、俺は自分の使命を全するよ!…怖くないって言えば、嘘になるけどな。
サレナ:ぅうぅぅう…ルベド…(涙)
ローレンス:うむ。英雄の血を受け継ぐ者、ルベドよ、おぬしの心は強い!然し、技術は点でダメじゃ!暫し、鍛錬を積む必要があるだろう!…理の狭間で試練に打ち勝つんじゃ!!
ニグレド:ルベドー!僕達も支援する…
ローレンス:…ならんっ!これはルベド1人で臨まなければならない、試練じゃ!皆の者、暖かく見守るのもまた、友情じゃよ!ふぉふぉふぉっ!…ゴホッ!ゴホッ!
グリーヴァ:ルベド、真の漢になって帰って来い!ガッハハハ!
サレナ:ぐす…ぐすん…あ、あんた1人で大丈夫?
ルベド:皆…ありがとう!俺は…俺自身の殻をブチ破るっ!
0:其々の葛藤が交錯する中で絆が深まる。
0:冷静さを取り戻した彼等は、各々自由に過ごしていた。
フェルマー:……んん?!…妾は気を失って…?
0:フェルマーが目を覚ます。
ルベド:お?…グリーヴァー!フェルマーが目を覚ましたぞ!
グリーヴァ:何だと!?…おおーフェルマー殿!
フェルマー:此処は何処じゃ?!グリーヴァー!無事であったか!
グリーヴァ:ああ、一時はどうなるかと思ったが何とか生き永らえたぞ!フェルマー殿のお陰でな!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふっ!気にするでない!グリーヴァよ。…妾の力だけでは無く、ルベド達のお陰でもあるからのぅ!
ルベド:ふ…お互い様ってヤツだ!
サレナ:なぁに、カッコつけてんのよ!
ニグレド:あはは…相変わらず仲が良いね♪
フェルマー:そう言えば、此処は何処なのじゃ?!何か、動いてるように思えるがの?
グリーヴァ:フェルマー殿、此処はヘレティックフェザー!…星の方舟の中よ!ガッハハハ!
フェルマー:な、なんじゃとー!?妾が眠っている間に何があったのじゃ?!
ニグレド:それは僕が簡潔に説明するよ。
0:ニグレドはフェルマーに事の顛末を告げる。
ニグレド:…と言う訳なんだけど。
グリーヴァ:フェルマー殿、だいぶ苦悩されている様子が見て取れるが?
フェルマー:うーむ…正直、脳内の整理が追いつかぬ!
フェルマー:要約すると…世界が危機に瀕しているから、ルベドとニグレドが持つ鍵で災厄を封じ込めると言う事じゃな??
ルベド:ああ、その為には試練を突破しないとならないけどな!
サレナ:ルベド、生きて戻って来なさいよ?…あんたが死んだら世界を救える術が無くなるんだからね…
ニグレド:サレナ…
ルベド:サレナ、お前いつからそんなに過保護になったんだ?…大丈夫だ!中途半端に野垂れ死ぬのはごめんだからな!
無尽君45式:ご歓談中、失礼致します!…間も無く、サイド263宙域、理の狭間に到着します。
グリーヴァ:いよいよか。せめて、入り口まで見送ろうぞ!!
ルベド:ありがとな、グリーヴァ。
ニグレド:ルベド、挫けないでね?
ルベド:ああ!ニグレド、留守中は頼んだぞ!
ニグレド:うん、任せといてよ。
ローレンス:ゴホッゴホッ!…ルベド、これを持っていくのじゃ!
0:銀色の腕輪を受け取る。
ルベド:これは何に使うんだ?ローレンス。
ローレンス:その腕輪はおぬしを正解に導いてくれるじゃろう!
ルベド:正解?よく分からないが、必要になったら使わせて貰うよ!ありがとう!
ローレンス:うむ、達者でな!ゴホッゴホッゴホッ!
フェルマー:ルベド、無事に帰って来たら妾と一戦交えてくれんかのぅ?
ルベド:一戦交えるって…勿論、手加減は…
フェルマー:無論、せぬぞ?ふっふっふっ!
ルベド:いや、勘弁してくれ!!
フェルマー:大丈夫じゃ、戻って来る頃には見違える程、強くなっておるのじゃからなあ♪
ルベド:ははは…完全に一本取られたな。
フェルマー:ふっふっふっ♪
サレナ:……ルベド、ちょっと自室に来て。
ルベド:サレナ?
0:サレナに連れられ、自室に入る。
サレナ:ルベド…あたし……アンタが…
ルベド:サレナ…!(接吻)
サレナ:ルべ…ド……?!…んん(接吻)
0:2人は濃厚な時を過ごした。
ルベド:サレナ!
サレナ:ルベド?
ルベド:行ってくるっ!!
サレナ:ええ、行ってらっしゃい!
0:サレナは涙を堪えながら、笑顔でルベドを見送った。
無尽君45式:ルベドさん、準備の方は宜しいでしょうか?
ルベド:ああ、バッチリだ!
無尽君45式:了解致しました。それでは、理の狭間に着陸します。
0:異界•理の狭間前。
ルベド:…ぅう!寒っ!!…異界ってこんなに冷えるのか!
ニグレド:理の狭間が特別、寒いだけだよ。零下20°の極寒の地だからね!
ルベド:はぁ?!…おい、その情報は先に教えろよ!…お前と違って軽装なんだから、凍死するだろうが!!
ニグレド:あはは…ごめん、ごめん!
グリーヴァ:確かにこれは…ヘックション!……堪えるな!ガッハハハ!
フェルマー:この程度の寒さで根を上げるとは情けないじゃのぅ!
ルベド:うるせぇ、寒いもんは寒いんだよっ!
サレナ:ルベド〜あたしの技で暖めてあげよっか?
ルベド:あほかっ!暖まると同時に死が待ってるわ!!
サレナ:ふふ!さぁ、行って来なさい!
フェルマー:行って来るのじゃ!
グリーヴァ:俺を超える熱い漢になって来い!
ニグレド:気を付けてね!
ルベド:ニグレド、ローレンスは?
ニグレド:ローレンス様は体調が優れないから、自室で休んでいるよ。
ルベド:そうか…ちゃんと看病してやれよ?ニグレド。
ニグレド:うん、分かってるよ!
ルベド:皆、ありがとう!…行ってくるっ!!
0:斯くして、ルベドは未開の地に足を踏み入れた。
0:Enemy•side。
異形なる者(技)主、報告致します…。
???:ふむ、戻ったか!…首尾はどうだ?ヴァシュロンよ。
異形なる者(力)…ジェスの姿が見えないが?一緒じゃないのか?
異形なる者(技)主、申し訳ありません…グリーヴァは捕える事が出来ず…
異形なる者(技)ジェスは…死にました。
???:なんだと!?貴様、この失態はどう責任を取るつもりだ?!
異形なる者(技)…打首でも…どのような罰でも甘んじて受け入れます…
???:…ならば今すぐにでも死刑台に吊るしてや…
異形なる者(力)怒りをお鎮め下せぇ、主!…こいつの命は自分に預からせて頂けませぬか?
???:ジーフリードよ!何か考えがあるのだな?
異形なる者(力)へぃ!自分とヴァシュロンで次こそは必ず、グリーヴァを捕えて見せましょう!
???:要らぬ!グリーヴァはもう不要だ。
異形なる者(技)主、それはどういう訳でしょうか…?
???:グリーヴァよりも、我の器に相応しい者が現れた。
異形なる者(力)その者の名は?
???:うむ。名をアルベドと言う。ヤツは異界、理の狭間に出没すると言う情報は既に得ておる。
異形なる者(力)ならば、そのアルベドを捕縛し、主に献上しますぜ!
異形なる者(技)次こそは…必ず、遂行致します…!
???:良かろう!…必ず連れて参れっ!!
異形なる者(技)…御意!
異形なる者(力)承知!!
0:主の命により、ヴァシュロンとジーフリードは理の狭間に向かう。
0:another story 7 他人の業を背負いし男。
アルベド:ニア!!おい…また私を揶揄ってくれよ…どうして君が…ターニアァアアア!!(血涙)
アルベド《N》:私には生まれ付き、他人の負の感情を無意識に身体へ取り込んでしまう病魔に冒されていた。…日を増すごとに蝕まれ、遂には身体中に赤黒い斑点が浮き出るようになった。
アルベド:ぐぅぁああ!…はぁはぁ…このままでは私は……
ターニア:大丈夫?どこか打ったの?…ちょっと、しっかりして!!
0:薄れいく視界の中、朧げに映った可憐な女性の姿。
アルベド:……天使……?!
ターニア:このままでは…不味いわね…
ターニア:……ん?よく見ると…身体中に赤黒い斑点!?…単純に怪我したレベルじゃないみたいね…アデス所長に報告しなければ…!
0:ターニアは慌てた様子で通信機を取り出しアデスにコールする。
アデス:はいはい、子猫ちゃん〜!…僕に用かな?
ターニア:アデス所長!その呼び名はやめて下さいと、いつも言ってるじゃないですか!
アデス:良いじゃないか!減るもんじゃあ無いし。クックック。
ターニア:そんな事より、所長に診て頂きたい人物が居るんです!!
アデス:子猫ちゃん、何か勘違いしているようだけど…僕は医者じゃあないんだよ?人体実験なら、お安い御用だがね?クックック。
ターニア:お言葉ですが…この症状は恐らく、普通の医者には治せないと思います!
アデス:ふむ…まぁ、他でも無い可愛い子猫ちゃんの頼みだからねえ〜〜。…一度、僕のラボに連れておいでよ!但し、デート一回が条件だよ?クックック。
ターニア:…くっ…わ、分かりました!…着いたら、ご連絡致します!
アデス:うんうん、待ってるよ〜♪クックッ
ク。
ターニア《N》:このアデスと言う男は理由をつけては私を凌辱する、気狂い野郎だ。コイツからしたら、私は都合の良い玩具。
ターニア《N》:いつの日か、復讐してやると胸に殺意を秘めながら!
0:アデスのラボに到着した、ターニアは再び、通信機を取り出し、慣れた手付きでコールをする。
ターニア:…
アデス:はーい、子猫ちゃん!その様子だと、着いたみたいだねぇ?
ターニア:はい、到着しました!自室のロックナンバーをお願いします!
アデス:2522(ねこにゃんにゃん)クックック。
ターニア:…(自室の暗証番号まで私を含ませてるのが本当に反吐が出るくらい気持ち悪い…)
アデス:子猫ちゃぁん?返事はどうしたのかなあ??
ターニア:…ありがとうございます…!
アデス:うんうん、上等なワインでも用意して待ってるよ〜♪クックック。
ターニア:…
0:エントランスから見えるエレベーターを使い8階にある、アデスのプライベートルームまで向かう。
アルベド:……んん?!…君は?
ターニア:あら、気が付いたみたいね?…突然外で倒れるからビックリしちゃった。
アルベド:君が助けてくれたのか?
ターニア:ええ、そうよ。…安静にしてて!まだ痛むでしょ?
アルベド:ありがとう!…多少は痛むけど、動くだけなら支障は無いよ。
ターニア:そう?貴方の全身に浮き出てる、その赤黒い斑点…とても大丈夫そうには見えないわよ。
アルベド:……っ!
0:不意に睨まれる。
ターニア:ごめんなさい。そんな顔しないで!…安心して、治してあげるから。
アルベド:無理さ…。
ターニア:何故?
アルベド:この病魔は…生まれ付きなんだ。背負ってしまった十字架は生涯を共にしなければならない。
ターニア:…っ。
ターニア:私が必ず治すわ!……貴方の名前は?
0:脅える背中に寄り添うターニア。
アルベド:…アルベド。
ターニア:アルベド、私はターニアよ!この研究所の研究員。…素行は悪いけど、責任者のアデスなら、貴方の事を治してくれる筈よ。
アルベド:…何故、君は私に優しくする?
ターニア:うーん、気紛れ…かな?
アルベド:…ふっ。
ターニア:あ、笑うと案外、可愛い顔してるのね?うふふ♪
アルベド:笑ってない!
ターニア:笑ってたわよ。…ほら、もう一回笑って見せて?
アルベド:…嫌だね!
ターニア:もぅうー!
ターニア:アルベド、花言葉って知ってる?
アルベド:知らないな…。
アルベド:…?その手に持っている花の名は?
ターニア:これはね、アネモネって言って、清純無垢、薄れゆく希望って意味なのよ。
ターニア:今の貴方にピッタリね。
アルベド:どう言う意味さ…。
ターニア:うふふ♪
ターニア《N》:アルベドと出逢って、話している内に私の心に溜まった膿は嘘のように消えていった。
アルベド《N》:ターニアは少し、強引な所が目立つけど、私に生きる希望を与えてくれた。
0:所長室前。
ターニア:ロックナンバー、2522。
アルベド:…
0:暗証番号を入力し、扉が開く。
ターニア:開いたわ。…アデス所長ー!
アルベド:…
アデス:やぁやぁ、良く来てくれたね〜可愛い子猫ちゃん♪クックック。
アデス:ん、この男が例のかなあ?
ターニア:はい、どうでしょうか?
アルベド:…
アデス:ふむふむ、取り敢えず…奥のベッドに寝かせて置いておくれ。…僕は食べ物を用意してくる。
ターニア:分かりました!…行きましょ、アルベド。
アルベド:……ああ。
0:アデスから指定された場所は以前、人体実験が行われた、禁断の部屋だった。
ターニア:…(この場所にアルベドを?…何を考えているの…あの下衆野郎は。)
アルベド:ターニア…?君も一緒に居てくれるんだろう?
ターニア:ごめんなさい、アルベド。私はあいつの…いいえ…少し、アデス所長と話す事があるから、後でまた来るわ。
アルベド:そうか…。
ターニア:すぐに戻るから、待ってて?…ね?
アルベド:ああ…。
0:アルベドを巨大なベッドに寝かせ、ターニアは寝室に向かう。
ターニア:…アデス所長、戻りました。
0:アデスはローブ姿で布団に包まっていた。
アデス:おいで、可愛い子猫ちゃん♪…クックック。
ターニア:はい…
0:事後、アルベドの話題を切り出すターニア。
ターニア:アルベドの件なんですが、全身に赤黒い斑点が浮き出ていて…恐らく、先天性のウイルスの類なんでしょうが。
アデス:ふむ、症状はどんな感じだったんだい?
ターニア:私が見た時は酷い高熱を伴う、頭痛に苛まれている様子でした。
アデス:なるほど…それでアルベドくんは?
ターニア:所長の指定した場所に寝かせています!
アデス:うんうん、君は本当に優秀だね、子猫ちゃん♪さぁ、行こう!クックック。
ターニア:…お願いします。
0:二人はアルベドの待つ部屋に向かう。
アルベド:…私の運命はどうなるんだ…ターニア…
0:二人が到着する。
アデス:アルベドくん、待たせたねぇ!さぁ、赤黒い斑点を診せておくれ。
アルベド:…
ターニア:アルベド、遅くなってごめんなさい。
アルベド:ターニア!ああ、問題ない。
アデス:さぁ、衣服を脱いでおくれ!アルベドくん。
アルベド:…
0:アルベドは言われた通りに衣服を脱ぐと、鍛えられた肉体と赤黒い斑点が無数に拡がっていた。
ターニア:!…あの時は一瞬だったから、よく見えなかったけど相当な量ね。
アルベド:…
アデス:ふむふむ、これは病魔の仕業だねぇ。…闇を喰らう病魔…通称、ダークイリネスイーター。…長いから、縮めてイリダネスって呼んでいるよ。
ターニア:イリダネス……所長!アルベドは治るのでしょうか?
アデス:愚問だね。僕を誰だと思ってるんだい?子猫ちゃん!……君の協力有っての治療になるが大丈夫かねえ?
アルベド:…
0:ターニアは暫くの間、思案していたが軈て口を開く。
ターニア:…はい!私に出来る事であれば、協力は惜しみません!
アデス:宜しい♪…それでこそ、僕の可愛い子猫ちゃんだよ!クックック。
アルベド:…ターニア、君には何てお礼を言ったらいいか…。
ターニア:お礼を言うなら、完治した後に言って欲しいわね。アルベド。
アデス:じゃあ、子猫ちゃん!君の血液をちょぉーっぴり頂くよお!…チクッとするけど、すぐに終わるからねえ〜♪クックック。
0:そう言うと、アデスは極太の注射器を手にした。
ターニア:…私の血を摘出した後はどうするのですか?
アデス:勿論、君の血をアルベドくんの身体に流し込むんだよ。…その後、君にはこの錠剤を一粒呑み込んで貰うよお!クックック。
0:アデスは不気味な笑みを浮かべた後、橙色の錠剤をターニアに渡す。
アルベド:ターニア…やっぱり危険だ。…私の事は忘れて、君は…
ターニア:私は大丈夫よ!…貴方を必ず、治すって決めたんだから!多少のリスクは覚悟しているわ。
アルベド:ターニア…
アデス:さぁ、始めよう!子猫ちゃんは右側のベッドに仰向けになってね!クックック。
ターニア:…(これが最善なの…)
アデス:子猫ちゃん、腕を出して〜!クックック。
0:アデスの指示に従い、腕を出す。
ターニア:…
アデス:いくよおー!!…ッ!!クックック。
0:ターニアの腕を注射の針が刺す度に悲痛な声を漏らす。
ターニア:痛い…ぐぁあああ!!
アルベド:ターニア…!!
アデス:はーい!この錠剤を呑んで楽にしててねえー!
0:アデスはターニアに橙色の錠剤を口に運ぶ。
ターニア:……ゴックン。
アルベド:アデスさん、ターニアは…ターニアは?
アデス:アルベドくん、大丈夫だよう!子猫ちゃんは疲れて、眠っているだけだからねえ!クックック。
0:昏睡しているターニア。
ターニア:……
アデス:さぁー、アルベドくん!次は君に子猫ちゃんの血をプレゼントだ♪クックック。
0:アデスは透明な細いホースでアルベドに血を注ぐ。
アルベド:…ぐぅあああ!!
アデス:その痛みは、効いてる証拠だよ。クックック。
0:突然の激痛にアルベドは悶える。
アデス:クックック。…余りの痛みに耐え切れず、気絶したか。…さぁ、僕の試作第一号の誕生だあ!!クックック!
アルベド:…
ターニア:…
アデス:悪く思わないでくれよお!子猫ちゃん♪クックック。
0:その後、アデスはアルベドの腕から血を摘出し、ターニアに注ぎ込んだ。
アデス:…実験終了。クックック!
アルベド:…私は…?!…ん?赤黒い斑点が消えている…成功したのか?
0:長い眠りから目を覚ましたアルベドは歓喜する。
アルベド:ターニア〜!ターニア、病魔が治ったよ!ターニア!!…ターニア!?
ターニア:……
0:変わり果てたターニアの姿を見て、絶句する。
アルベド:……っ!
アデス:お目覚めかねえ〜身体の調子はどうだい?アルベドくん。クックック!
アルベド:アデスさん、これはどう言う事ですか?…ターニアが…!
アデス:何って、可愛い子猫ちゃんをドレスアップさせてあげたんだよ♪…生涯、変わる事のない素敵な゛衣装゛をね♪…クックック!
アルベド:狂ってる…
0:アルベドはアデスを睨みつける。
アデス:嫌だなあ!そんな怖い顔しないでくれよお?…約束通り、君は完治しただろう?クックック。
アルベド:ふ、巫山戯るな…!ターニアを犠牲にした命なんて…欲しくはないっ!!
0:堪え切れず、怒りを露わにするアルベド。
アデス:犠牲?犠牲ではないよ?…そこに子猫ちゃんは居るだろう?クックック!
ターニア:グゥウウ…。
0:全身を黒い毛で覆った化け物と成り果てた、ターニアが唸る。
アルベド:アデス、お前だけは許さないッ!
アデス:許さない?君は…恩を仇で返すと言うのかい?酷いなあー!クックック!
アルベド:うぉおおおー!!アデスぅうううーー!!
アデス:アルベドくん?!な、何を…ぐほぁ!!…はぁはぁ…や、やめ…だ!…ウッ……(事切れる)
0:アデスを殴り倒した後、側にあったメスで滅多切りにする。
アルベド:…はあ…はあ…はぁ…!
0:アデスは断末魔を叫び、最期を迎える。
ターニア:グルルル…。
アルベド:ターニア!!おい…また私を揶揄ってくれよ…どうして君が…ターニアァアアア!!(血涙)
アルベド:ターニア…せめて…君の右腕だけでも…
ターニア:…グゥウウ…。
アルベド:…ターニア、私に生を与えてくれて、ありがとう!…さようなら!……ッ!!
ターニア:…グォオオオ!?
0:メスで心臓を突き刺し、右腕を切り取る。
アルベド:くぅう……っ!!
0:自らの右腕を切り落とし、ターニア(化け物)の右腕を移植する。
アルベド:はぁ…はぁ…ターニア…
0:現代、理の狭間。
ルベド:だいぶ奥まで進んだけど、試練の間はどこなんだ…
ルベド:まさか、迷子かあ!?
アルベド:そこの君、困ってるみたいだね?
ルベド:…!…お前は誰だ!
0:不意に高身長の銀髪の男に声を掛けられる。
アルベド:私はアルベド。この先にある、試練の間で魔の籠手、不倶戴天という武器が安置されている噂を耳にして、来てみたんだ。
ルベド:不倶戴天?へぇ、強そうな名前だな。…ん?…その右腕は…どうしたんだ?
アルベド:ああ、私の掛け替えの無い人の右腕だよ。可笑しいかい?
ルベド:いや、可笑しくは…
アルベド:ははは!…無理しなくていいよ。…何でそんな化け物の手を?!…って顔してるよ。
ルベド:あ……ごめん。。
0:バツが悪そうな顔をするルベド。
アルベド:大丈夫だよ、非難されるのは慣れてるからね。…じゃあ、私はもう行くよ。
ルベド:待ってくれ!…アルベド!俺はルベド。俺も一緒に行くよ。どの道、試練の間には行かなければならないしな。
アルベド:そうか。…君も私と同じで数奇な運命を背負っているんだね。
0:アルベドの発言に狼狽を隠せない、ルベド。
ルベド:ふっ…アルベドは勘が鋭いな!
アルベド:君は他より分かりやすいからさ。ルベド。
0:談笑を交わしている内にあっという間に試練の間に辿り着く。
アルベド:ここが噂に聞く、試練の間。別称、地獄沼か。
ルベド:地獄沼…生半可の覚悟じゃ、命を持っていかれそうだな。
アルベド:ああ…大丈夫。きっと乗り越えられるさ!
ルベド:アルベドは前向きだな!
アルベド:前向きと言うか、私には何も無いからね。…何も無い、虚無な存在と言うのは強いのさ。
ルベド:よく分からないが、だいぶ苦労しているんだな。
アルベド:まぁ、色々あったよ。
ルベド:そうか。…アルベドは異界の人なのか?
アルベド:私は異界人だよ。ルベドは人族?
ルベド:いや、俺は異族と人族の血を併せ持った、ハーフだよ。
アルベド:へぇー、見た目は人族にしか見えないよね。
ルベド:よく言われるよ。そろそろ、行こうか!
アルベド:ああ、第一層の試練は「心」だね。
0:心と描かれたフロアに足を踏み入れたアルベドとルベド。
ルベド:心ねぇ、何が出てくるのか。
心を司る者:汝ら、何故、この場所を訪れた?
ルベド:うわぁあ!?
アルベド:ルベド、落ち着いて!…答えを示すんだ!
ルベド:答えを示す?
0:異形な影が語りかけてくる。
心を司る者:汝らの望みは?
アルベド:空っぽの自分に゛中身゛を注ぎたくて。
ルベド:弱き自分を奮い立たせる為に。
心を司る者:善かろう。…汝らの覚悟を見極めよう。…我を見事倒してみせよ!
0:仮面を被った異形な者が襲いかかってくる。
アルベド:やるしかないみたいだ。ルベド、いけるかい?
ルベド:ああ、お約束だからな!
心を司る者:アルベド、貴方は無理しなくていいのよ?
アルベド:ターニア!?
0:突然のターニアの声にアルベドは動揺する。
ルベド:アルベド、おい!…アルベド!
アルベド:ターニア…
ルベド:くそ、完全に幻聴に囚われている。
心を司る者:ルベド…アンタが犠牲になる事なんて無いのよ!
ルベド:サレナ…!?いや、違うっ!!……まやかしだ!
ルベド:はぁああー!魔甲(暗黒)セット!…父さん、母さん、強くなった俺を見てくれっ!
心を司る者:ルベド…どうして…
ルベド:うるせぇーー!!…ダークネス•ソロウォオッ!
0:果ての無い闇の風が対象を切り裂く。
心を司る者:…グヌグァアアア!?
アルベド:ルベド、ターニアをこれ以上、傷付けないでくれ…頼むっ!
ルベド:アルベド、目を覚ませっ!…まやかしだ!!
心を司る者:アルベド、また笑って見せて!
アルベド:…ターニア!!…私はここだ!
0:我を失うアルベド。
ルベド:アルベド、悪く思うなっ!…フンッ!
アルベド:ルベ…ド?!ぐほっぁ!!
0:ルベドの咄嗟の峰打ちでアルベドは気絶する。
ルベド:さぁ、茶番は終わりだ!
心を司る者:我の暗示が効かぬとは汝の強き「心」があれば次に進めよう。
ルベド:ん?…終わりか?
心を司る者:さあ、進め!次の試練は我のようにはいかぬぞ…
アルベド:…んん?!ルベド、ターニアは!
0:アルベドは気絶から目を覚ます。
ルベド:アルベド、いつまで夢を見てるんだよ?…終わったよ。
アルベド:夢?…そうか。……私は自責の念に囚われていたのだな。
0:強き「心」を得た、ルベドとアルベドは次のフロアに進む。
アルベド:君は強いな…ルベド。
ルベド:負けられないからな!
アルベド:ん?…この動く床で第2層まで行けるみたいだね。
ルベド:次に進もう!
アルベド:ああ!
0:心を司る者を倒した後に出現した浮遊する床に二人は乗る。
ルベド:…うひゃーあ!?…下を見ると怖ぇぇ…
アルベド:ルベド、はしゃぎ過ぎると落ちるよ?
ルベド:はぁはぁ…死ぬかと思った…アルベドはよく平然としていられるな!
アルベド:ははは、異界に住んでたら、然程珍しくも無いからね。
ルベド:あ〜…納得だ…。
アルベド:ルベド、第2層に着いたみたいだよ!…このフロアは何か遺跡みたいな雰囲気だ。
0:神秘的な場所に着く。
ルベド:ここでは何が起きるんだ??
アルベド:さぁね…さっきからとんでもない気を感じるのは確かだけど。
力を司る者:ほう、この場に足を踏み入れるとは。愚かな者どもよ。余程、命が惜しく無いと伺える。
ルベド:次はお前か!御託は要らねぇ!とっとと始めようぜ!
アルベド:ルベド、焦るな!…まだ戦うとは決まった訳じゃ!
力を司る者:フッハハハ!…血気盛んな小僧だ!言っておくが、手加減はせんぞ?全力で掛かって来い!
ルベド:上等だっ!お前を倒して、次に進ませて貰う!
アルベド:あーー…完全に相手のペースに呑まれちゃったな…
力を司る者:この儂を倒すだと?!フッハハハ!…戯言を!…捻り潰してやろう!!
アルベド:…!…ルベド、構えろ!来るっ!!
ルベド:分かってる!…魔甲(氷牙)セット!うぉおおー!!
ルベド:絶対零度の鋭き刃ァアアア!!絶氷刃ーーッ!!(ぜっひょうじん)
力を司る者:効かん!!…フッハハハ…威勢の割には…大した事ないな。…消えろォオ!
力を司る者:大地の躍動をその身に受けよっ!…グラントリガーッ!!
ルベド:……ぐふぉ!!
サレナ?:あんたは考え無しで突っ走る癖があるのよ!…本当にいつか死ぬわよ?
0:サレナに釘を刺された記憶が甦る。
ルベド:…はぁ…はぁ…ふっ!お前の言う通りだ…情けねぇ。ごめ…ん…な、サレナ…
力を司る者:小僧、威勢だけでは覇者になれんぞ!…実力が伴わなければな!!…息の根を止めてやろう!!
ルベド:くぅう…ここで終わるのか…サレナ…皆…俺は……
アルベド:仕方ないな…私の中に眠る黒き獣の意思よ!!…同調してくれっ!!…魔爪•アネモネ!
0:刹那、記憶がフラッシュバックする。
ターニア?:アルベド、花言葉って知ってる?
アルベド?:知らないな…。
アルベド?:…?その手に持っている花の名は?
ターニア?:この花はね、アネモネって言って、清純無垢、薄れゆく希望って意味なのよ。
ターニア?:今の貴方にピッタリね。
アルベド?:どう言う意味さ…。
ターニア?:うふふ♪
アルベド:ターニア…!……希望はこの手で掴むっ!!どぉーりゃあああ!!……はぁはぁ…ルベド、借りは返した。
力を司る者:グガァアア!?
力を司る者:フッハハハ!勇敢なる者よ…お前の名は?
アルベド:…虚無の「力」を持ったアルベドだ!
力を司る者:アルベド、お前の一切迷いのない「力」見事だ!
アルベド:次に進ませて貰うよ!
力を司る者:進め!若き猛者よ。
ルベド:…は!…アルベド?!
アルベド:よく眠れたかい?ルベド。
ルベド:ははは!…アルベド強いな!
アルベド:いや、私の力だけではないよ。ターニアが居るから強くなれるんだ!
0:アルベドは優しく右腕を触り語る。
ルベド:そのターニア(右腕)がアルベドの掛け替えの無い人?
アルベド:ああ、私の永遠の゛伴侶゛だ。
ルベド:アルベド…
アルベド:さぁ、行こう!次が最後の試練だよ。
ルベド:ああ!
0:二人の親睦は深まった。
0:Enemy•side。
異形なる者(力)此処が理の狭間か。
異形なる者(技)…ジーフリード、何故庇った…?
異形なる者(力)知れた事を…今、お前に死なれては困るからだ。
異形なる者(技)…どう言う意味だ…?
異形なる者(力)お前が知る必要はねぇ!…お前は俺の木偶として活躍してくれりゃ、それで良い!
異形なる者(技)…っ!
異形なる者(力)何だその目は?生かしてやった恩を忘れたのか?
異形なる者(技)…否、感謝する…!
異形なる者(力)ああ、分かれば良いんだよ!クッハハハ!!
異形なる者(技)…ジーフリード、ジェスの事を恨んでいるのか?
異形なる者(力)あ?…確かに俺はジェスを好いていたが、あんな阿婆擦れに未練は無いわ!
異形なる者(技)…そうか。なら良い…。
異形なる者(力)…そろそろ、試練の間とやらに着くぞ。
異形なる者(技)ああ。
異形なる者(力)何が起こるか分からん!気を引き締めておけよ!ヴァシュロン。
異形なる者(技)了解…。
0:異界•天主の間
???:アルベド、我が貴様の生涯を買ってやろう!フフ…フッハハハ!!
???:あいつらが失敗(しくじ)る可能性は多いにあるからな。念の為、手を打っておくか。
0:試練の間•最下層。
ルベド:…!…この空間はなんだ?宇宙だと!?
アルベド:ルベド、この最下層はどうやら、君の過去を映しているようだ。
ルベド:過去!?…俺の過去にこんな宇宙など…はっ!
アルベド:思い出したみたいだね。
0:ルベドの深層心理の世界。
プリシラ:あなたーー!見て、元気な男の子よ!
ライネル:おお!パッチリした目元がプリシラにそっくりだな♪
プリシラ:あら、吸い込まれそうな大きな口はライネル、あなた似ね♪
ルベド?:俺の…本当の母さんと父さん?!
プリシラ:名前は何て付けようかしら〜あなたぁ!何が良いと思う?
ライネル:ルベド…赤って意味なんだが、目の色も紅眼で丁度良い…情熱とも例えられるしな!
プリシラ:ルベドかぁ!あなたに似て、情熱的な子に育つと良いわねー!
ライネル:ああ、大丈夫だ!この子なら、きっと正義感溢れる立派な子になるだろうよ!
プリシラ:ふふ、そうね♪
ルベド?:情熱…正義感…
0:王號暦250年、人族と異族の共存は異界では認められていなかった。
ライネル:プリシラ…落ち着いて聞いてくれ。
プリシラ:どうしたのあなた?ご飯なら、もうすぐに出来るわよ。今晩はあなたの好きな…
ライネル:プリシラ!…上層部のお偉い様方に俺達の事が知られた。正確には…君が人族である事が問題視されている…
プリシラ:……え。
ライネル:君は人族の世界に帰った方が良い……
プリシラ:そんな…嘘よ…私は嫌よ!離れたくない…ぅう(涙)
ライネル:俺だって愛している…だが、このままでは上層部に殺される!
プリシラ:……っ!
ライネル:ルベドは君に預けるぞ!…元気でな。
プリシラ:ライネル…ライネル…ぅううわぁぁん!
ルベド?:人族に対する、異族からの差別化…
プリシラ:……ルベド行きましょう。
ルベド?:民間用脱出ポッド…母さん?!何を…?
プリシラ:ルベド、貴方は母である私を恨むでしょうね…。…ごめんなさい。…誰かが拾ってくれる事を願っているわ…
ルベド?:そんな…母さん…何で俺を棄てたの?!
プリシラ:ルベド…愛しているわ………
0:辺境な宙域でプリシラは身を投げた。
ルベド:……母さぁんーー!!!
アルベド:ルベド!…ルベド!
ルベド:あ、アルベド?!
アルベド:大丈夫かい?譫言(うわごと)のように母さん、母さんって叫んでいたけど。
ルベド:アルベド、ありがとう!
アルベド:??
ルベド:アルベドが呼び掛けてくれなかったら、俺は還ってこれなかっただろうな。
アルベド:ああ、気にするな!
ルベド:さて、これで全部か?
愛を司る者:よく乗り越えましたね。
アルベド:め、女神!?
ルベド:あんたは戦いはしないのか?
愛を司る者:はい、貴方の「愛」をたっぷりと感じさせて頂きましたからね。
アルベド:愛…
ルベド:俺は果報者って事か…。素敵な家族「愛」だったよ。
愛を司る者:ふふふ、それでは奥にお進み下さい!これからも貴方達の未来に「愛」が溢れん事を…。
アルベド:ルベド、奥に進もう!
ルベド:ああ。
0:Enemy•side。
異形なる者(そろそろ、最下層みたいだな。
異形なる者(技)…ああ。
異形なる者(力)どうした?ツラが窶れているぞ?ヴァシュロン。
異形なる者(技)否、大丈夫だ。
異形なる者(力)そうか。まぁ、とっととアルベドとか言う奴を捕らえて、主に献上するぞ!
異形なる者(技)…
0:HERO•side。
ルベド:アルベド〜この虹色の箱の中にあるんじゃないか?
アルベド:開けて見よう!
0:虹色に輝く箱を開ける。
アルベド:…これが!魔の籠手、不倶戴天!
0:アルベドは禍々しいオーラを放った籠手を手に取る。
ルベド:この眼みたいなのは何だ?不思議な武器だな。
アルベド:恐らく、この眼に魔を封じ込めるんだろうね。噂でしか聞いた事無いから、詳しくは分からないけど。
ルベド:ふぇえー、何か呪われそうで俺は好きになれないな。
アルベド:私は既に呪われているからね…
ルベド:アルベド…
アルベド:ターニア(右腕)を封じようと思うんだ。…この籠手を被せてね。
ルベド:アルベド、良いのか?最愛の女性なんだろ?
アルベド:ああ。ターニアも眠る時間が必要だと思うんだ。
ルベド:そうだな…
アルベド:……ルベドが試練の間に来た理由は?
ルベド:うーん…己を磨く為かな?
アルベド:へぇ、ストイックだね!
ルベド:まぁな。
アルベド:…あれ?…あの石碑は何だろう?
0:石碑が光っている。
ルベド:行って見よう!
アルベド:文字が書かれているね。
0:紅眼なる者よ、汝が秘めたるチカラを引き出せ。
ルベド:は…?…どう言う事だ…?
アルベド:紅眼(こうがん)ってルベドの目の色を指しているんじゃないかな?
ルベド:俺の事!?…あ、ローレンスから貰った銀の腕輪が…光ってっ?!…うわぁあああ!!
アルベド:ルベド、大丈夫かい?!
ルベド:大丈夫だ。急に身に付けている腕輪が光ってビックリしただけだ!
アルベド:ルベドが持つ銀の腕輪と石碑の光が酷似している。…まさか!……ルベド、その腕輪を石碑に翳して見て!
ルベド:え?…分かった!……こうか?
0:石碑に銀の腕輪を翳す。
ルベド:うわぁあーあ!?また眩しい光が…!?
アルベド:ルベド?!
ルベド:何だ、何かが俺の中で蠢いている!
ルベド?:目醒めよ、革命の時は来た。
ルベド:誰だ?!…俺がもう一人…?
ルベド?:この力で困難を乗り越えろ。
0:声は聞こえなくなった。
アルベド:ルベド!しっかりしろ!ルベドー!!
ルベド:あ、アルベド?…俺は…?!
アルベド:急に気絶するから驚いたよ。
ルベド:あれは夢だった…のか?!
アルベド:あれ?何の事だい?
ルベド:いや、何でもない。
ルベド:…(いや、夢じゃない…義父さんの形見のハーフデュランダルの形状が変わった?)
アルベド:何か思い詰めてる様子だが、本当に大丈夫かい?ルベド。
ルベド:ああ、大丈夫だ!心配かけたな。アルベド。
アルベド:…!…ルベド、何かが近付いて来る!
ルベド:え?
異形なる者(力)話から察するに、アルベドと言うのは銀髪のお前の事か?悪いが、一緒に来て貰うぞ!
異形なる者(技)ジーフリード、もう一人の方はどうする…?
異形なる者(力)煮るなり焼くなり、お前の好きにしやがれ、ヴァシュロン。
異形なる者(技)了解…。
0:黒装束の二人組の出現に戸惑う、ルベド、アルベド。
アルベド:残念だが、私は君に用は無い。大剣を持つ黒装束の男。
異形なる者(力)俺の名は狂乱のジーフリードだ!余り、俺の手を煩わせるなよ?…無傷では済まなくなるからな?
アルベド:…戦うのであれば、容赦はしないよ?
異形なる者(技)ジーフリード…傷をつけては主が…。
異形なる者(力)うるせぇえ!テメェは黙って、その餓鬼と殺り合っていやがれ!ヴァシュロン。
異形なる者(技)…つ。
ルベド:仲間割れか?随分とダサい連中だな。
異形なる者(技)貴様…口が過ぎたな…。
0:黒槍を構えるヴァシュロン。
ルベド:やる気ってか?いいぜ、返り討ちにしてやるよ!!
アルベド:ルベド!ダメだ、挑発に乗っては!
異形なる者(力)おい、余所見は厳禁だぞ?おりゃーあああ!!(大剣を横に薙ぎる)
アルベド:くっ…!
ルベド:アルベド!…俺の事は大丈夫だ、お互いの敵に集中しようぜ!
アルベド:ああ。
異形なる者(技)舐められたものだな…。私は漆黒の大槍ヴァシュロン!その命、散らせて貰う…!…はぁっ!
ルベド:…ぐっ!…不意打ちとは汚ねぇ!
異形なる者(技)黙れ…戦いとは非情だ…。
ルベド:…今度は俺の番だ!キザ野郎!!魔甲(閃光)セット!…シャイニングダストォオオ!!
異形なる者(技)く…この私に傷を負わせるとはな…貴様、何者だ。
ルベド:俺はルベド、世界を救う英雄になる男だ!
異形なる者(技)は?…世界を救う英雄だと…?自惚れているのか…?
ルベド:何とでも言え。
異形なる者(技)ふ…その英雄も今日が命日だ…。
異形なる者(技)ふん、殘月…!
ルベド:…!…閃いた!…殘月返し!
異形なる者(技)ぐほぉあ!?…貴様、私の技を盗んだと言う訳か?!
ルベド:俺にも分かんねぇー。…けど、おに俺を倒す事は不可能だ。
異形なる者(技)…くっ…ほざけっ!…その強がりがいつまで続くか…。
異形なる者(技)異技、淵龍夢幻槍!!(えんりゅうむげんそう)
ルベド:ぐは…つい喰らっちまったが、お前の技も喰ったぜ!
異形なる者(技)な、なんだと…!?
ルベド:異技、淵龍夢幻槍返し!!
異形なる者(技)ば、馬鹿な!!…ぐはぁああ!!……主…お赦し下…さ…(戦闘不能)
ルベド:はぁはぁ…すげぇな…俺じゃないみたいだ。
異形なる者(力)ヴァシュロンー!!くそがぁ!テメェら、まとめて血祭りにあげてやらぁ!!!
0:ジーフリードは狂人化した。
アルベド:…!?…雰囲気が変わった…!
ルベド:アルベドーー!こっちは片付いたぞ!…無事か?
アルベド:ルベド、来るなっ!
ルベド:どうしたんだよ!…!?
異形なる者(力)狂:ゥオオオー!!
異形なる者(力)狂:主など、知った事か!…テメェらは生きて返さねぇえ!!
アルベド:ルベド、下がっていてくれ!私が倒す!
ルベド:分かった。ピンチになったら言えよ?アルベド。
アルベド:ああ!
異形なる者(力)狂:ゴチャゴチャ
と何を話している!…来ねぇならこっちから行くぞ!
アルベド:…魔を吸い取れ!不倶戴天!…ぬぉおおお!!
ルベド:ひゅー、凄いな!俺と同じでアルベドも強化されてるな。
異形なる者(力)狂:グゥオオア!!
異形なる者(てな力)狂:異技、狂風の太刀!!
アルベド:ぐっ!…やるね!
アルベド:ターニア、力を借りるよ…魔爪•アネモネ改!!…ぅおぉおー!!
異形なる者(力)狂:……ゴフッ!!(戦闘不能)
ルベド:…こりゃ、俺の出る幕は無さそうだな。
アルベド:はぁ…はぁ…
ルベド:アルベド、よくやった!
アルベド:ああ……うぐぁあ!?…はぁ…はぁ…
0:突然、苦しみ出すアルベド。
ルベド:アルベド?おい、大丈夫か!
アルベド?:……フッハハハ!…この時を何万、何億と待ち焦がれた事か!
ルベド:あ、アルベド?!
アルベド?:漸く、完璧な肉体を得る事が出来た!礼を言うぞ。アルベド、ルベドよ。
ルベド:……っ!!
アルベド?:フッハハハ!我が何者か?いいだろう、冥土の土産に教えてやろう!…我はこの宇宙を統べる創造神だ!!
ルベド:…なんだと!?
ルベド:アルベドに何をした?答えろっ!!
アルベド?:アルベドの心は我が支配した!もう貴様の想いは届かん。
ルベド:くっ…!
アルベド?:お喋りは終わりだ!…ルベド、我を封印しようと企てたようだが無意味な事だ。
ルベド:何故、それを知っている!?
アルベド?:貴様の…否、貴様らの行動など、我の魔鏡眼でお見通しよ!フッハハハ!!
ルベド:お前は…何が目的だ?
アルベド?:生きとし生きる物全てを統べ、我の管理の元、完璧な世界を再構築する事よ!フッハハハ!!
ルベド:そ、そんな事はさせないっ!!はぁああぁあー!!
アルベド?:…無駄だ!我には全ての物理攻撃、術は効かん!!この絶対なる創造神には抗う事叶わぬ!小童よ。
ルベド:…くっ!
アルベド?:フッハハハ!!…さぁ、終いだ!…アルティメット……なっ!?
アルベド?:貴様ぁ!!我を抑え込む力が残っていたと言うのか!!
アルベド:ルベド、今の内に逃げるんだ!…ここで戦っても無意味に命を散らすだけだよ。
ルベド:アルベド?意識が…!?
アルベド:時間がないっ!急げっ!!ルベド!
ルベド:…アルベド、ありがとう!
アルベド:ああ、私も君に会えて楽しかった!
ルベド:……っ!!
0:ルベドは涙を堪え、走り出す。
アルベド:ルベド…さようなら。
アルベド:ターニア…今迎えに行くよ…。
アルベド?:小童め、、小賢しい真似を!!…次こそは貴様の心を完全に破壊してやろう!!ふんっ!心殺明鏡!(しんさつめいきょう)
0:アルベドの自我を完全に砕いた。
アルベド:ぐぁあああーー!!!!
創造神ミハイル:フッハハハ!!…素晴らしい!これが我の完全なる身体か!
創造神ミハイル:ルベドとか言う、小童め…逃げたか。まぁ良い!…いずれまた会う事だろう。フッハハハ!!
0:HERO•side。
0:ヘレティックフェザー•甲板
サレナ:ルベド…
ニグレド:サレナ、ルベドが心配?
サレナ:ええ、突っ走る癖があるからね。
ニグレド:大丈夫だよ、彼は変わるよ。
サレナ:だと良いけど…
0:ヘレティックフェザー•厨房。
グリーヴァ:ふんふん〜良い匂いがするな!
無尽君45式:今夜の夕食を作っています。
グリーヴァ:ほうほう!幻のコカトリスの肉を使用したカレーか?
無尽君45式:はい。残り45分で出来上がります。少々、お待ち下さい!
グリーヴァ:うむ、楽しみにしているぞ!!
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ
ローレンス:ゴホッ…ゴホッ…!ルベドくん、無事だと良いが。
フェルマー:ルベドなら心配無用じゃ!必ず
、戻って来るはずじゃよ。
ローレンス:そうじゃな…。
0:理の狭間。
ルベド:はぁ…はぁ…!走りっぱなしだから、身体中が悲鳴を上げてるな…。
ルベド:もう少しでヘレティックフェザーに着く。…辛抱しないとな。
ルベド:アルベド……くそっ!!
アルベド?:ルベド、私も君に会えて楽しかった。
ルベド:……ヤツを封じないと、世界は終わる。
創造神ミハイル?:フッハハハ!!我は絶対なる創造神!!
ルベド:…っ!……急ごう。
0:ヘレティックフェザー•甲板。
ニグレド:サレナ、外にいたら風邪引くよ?
サレナ:……
ニグレド:ルベドの事が心配なのは分かるけど、いつ帰ってくるか分からないし。
サレナ:うりゃー!!(蹴り飛ばす)
ニグレド:ぐはぁ!?な、何するんだ?
サレナ:あんた、さっきから五月蝿いのよ!アタシがしたくてしてる事なんだから、構わないでっ!!
ニグレド:サレナ…ごめんよ。僕は君を…
サレナ:あん?もう一発、喰らいたいの?
ニグレド:か、勘弁してよ!!
ルベド:お〜い!!俺が居ない間に喧嘩すんなよな!
0:ルベドはヘレティックフェザーを見上げる。
サレナ:ルベド??ルベド〜帰ってきたのね!…はぁぁあー!!
ニグレド:え、え!?ちょ、サレナ、そこから飛び降りるのは…
サレナ:……よっと!!…ふぅーー。元気なの?ルベド。
ニグレド:あはは…サレナは何者なんだ…
ルベド:ああ、元気だが。お前、登場が大胆過ぎるっての!!
サレナ:ふふ…アタシもあんたが居ない間、鍛えていたのよ?
ルベド:そうですかい。
サレナ:あんた、何か変わったわね?
ルベド:分かるかー?一皮剥けたと言うか新たなチカラが目醒めたと言うか!
サレナ:はぁ?どうでも良いけど、お腹空いたでしょ?今日はカレーらしいから、行きましょう!
ルベド:おお!マジかっ??腹減り過ぎて死ぬところだったからな〜!善は急げっだな!
サレナ:どーこが一皮剥けたんだか…ふふふ!
0:ヘレティックフェザー•食堂。
無尽君45式:特製コカトリスカレーを順番にお運びしますので席で待機してて下さい。
ルベド:何でよりによって、俺が1番最後なんだよ!(怒)
サレナ:仕方がないでしょ、あんたが帰ってくるのが今日とは分からなかったんだから!
フェルマー:そうじゃぞ!文句を言ってはならぬ!
グリーヴァ:真の漢なら細かい事は気にするな!ガッハハハ!
ニグレド:ルベド、僕のカレー食べる?
ローレンス:ふぉっふぉっふぉっ!
ルベド:へいへい、大人しく待ちますよー。
0:順番にカレーが運ばれる。
無尽君45式:ニグレドさん、お待たせしました!
ニグレド:おお!美味しそうだね♪ありがとう、無尽君!
無尽君45式:どうぞ、冷めない内に召し上がって下さい!次はグリーヴァさんの元にお運びします。
無尽君45式:どうぞ!熱いのでお気を付け下さい。
グリーヴァ:こ、コレは!!すんすん…食欲を唆る香りだ!どれ、早速頂こう!!…あむっ!…あち、あちちちぃ!!
無尽君45式:馬鹿ですね。…次はローレンスさんにお運びします。
無尽君45式:お待たせしました!
ローレンス:すまないのぅ、儂は猫舌なんじゃ!…十分に冷めてから頂こうかの。
無尽君45式:次はサレナさんにお運びします。
無尽君45式:お待たせしました!
サレナ:あら、ありがと!よしよし!…とっても美味しそうね!頂きますっ♪あむ、あむっ!んーー♪最高ね!
無尽君45式:……照
ルベド:おい、ポンコツ!頭を撫でられたくらいで、フリーズしてんじゃねえよ!!
ルベド:早く、俺のを用意しやがれっ!おらっ!!(蹴る)
無尽君45式:成敗します!(ビーム発射)
ルベド:うわぁあ!?
サレナ:あむ!あむ…ん?何してんの…アンタ。
ルベド:はぁはぁ…余計に腹が減ってきた…
無尽君45式:お待たせしました!ルベドくん。
ルベド:おっ、やっとかよ…って!!何で俺だけ君付けなんだよ!馴れ馴れしいヤツだな!
無尽君45式:はい、どうぞ!…ドスンッ!
ルベド:うお!?お前、俺に何か恨みでもあんのかよ!!
サレナ:完璧に嫌われてるわね。あむ…あむ!
ルベド:ちっ…!…あむ!…あむ!…うおおお!!うめぇええ♪最近碌なの喰って無かったからな〜久しぶりのマトモな飯だ!
サレナ:あむ…うるさいわね…静かに食べなさいよ!おりゃ!!
ルベド:ぐはぁ!!サレナに蹴られるのも久しぶり…ガク
サレナ:あむ…あむ!…あむ!きゃはぁー♪
ニグレド:あはは…ルベドか居ない時は暗かったのに。
サレナ:あむ…!あむ…ん、にゃにか言った?にゅぐれど。
ニグレド:あは、何でも無いよ。
グリーヴァ:賑やかが一番だな!フェルマー殿よ。
フェルマー:あむ…あむ!そうじゃのー♪グリーヴァよ。
ローレンス:あむ…!…ゴホッゴホッ!…年寄りにカレーは地獄じゃ!…あむ…!ゴホッゴホッ!
0:賑やかな食事は朝まで続いた。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
ローレンス:ルベド、おぬしに預けた銀の腕輪は役に立ったかのー?
ルベド:ああ、この腕輪のお陰でパワーアップ出来たからな!ありがとうな!ローレンス。
ローレンス:それは良かった!ルベドよ、いよいよ明日が最終決戦じゃっ!
ルベド:ああ、あいつの力は凄まじかった…まるで歯が立たなかった!
ローレンス:うむ…奴を倒す事は不可能じゃ!…ニグレドと協力し、封じる他無い。
ニグレド:…必ず!封じて見せます!ローレンス様。
ローレンス:二人とも頼むぞぃ!ゴホッゴホッ…!
サレナ:ルベド、怖くないの?
ルベド:馬鹿か。怖いに決まってるだろ!
サレナ:じゃあ、辞めれば良いじゃない。
ルベド:冗談じゃねぇ!俺がやらなきゃ、世界は滅亡する。
サレナ:…アタシを置いていかないでよ?ルベド。
ルベド:サレナ……
サレナ:ルベド?
ルベド:ああ!そう簡単には死なねぇよ!
ルベド:…(ごめんな…サレナ…)
フェルマー:ルベドー!…約束通り妾と闘おうぞ!
ルベド:ああ、後で行くから待っててくれ!フェルマー。
グリーヴァ:ふむ、フェルマー殿とルベドが闘うのか。……俺も観戦と洒落込もうぞ!!
0:ヘレティックフェザー•闘技室。
ルベド:うはぁー!こんな場所があったのか!?
フェルマー:いや、妾が無理を言って造って貰ったのじゃ!
ルベド:ですよねー…
グリーヴァ:ガッハハハ!!
ルベド:グリーヴァも居たのか!まさか、お前も闘おうぞ!とか言わないよな?
グリーヴァ:ガッハハハ!…俺は観戦しに来ただけだ!
ルベド:ふぅ…
フェルマー:それでは始めるとするかの!お主がどれ程まで強くなったのか興味深いからのぅ。
ルベド:ふっ、言っとくが手加減しないぜ?
フェルマー:ふっふっふっ!…気迫充分と見た!それでは、参るぞっ!ルベド。
ルベド:ああ!フェルマー。
グリーヴァ:ガッハハハ!
0:ヘレティックフェザー•甲板
サレナ:…嘘つき…
ルベド?:ああ!そう簡単には死なねぇよ!
サレナ:あんた嘘吐く時、口角が上がるのよ…ぅうぅう(涙)
サレナ:ばか…。
ニグレド:…サレナ…。
0:ヘレティックフェザー•ローレンス自室。
ローレンス:未来は彼等の手に掛かっておる。…儂の命も…ゴホッゴホッ!持って、数日かのう。…
ローレンス:…ゼフ、あの時の小僧が今じゃ立派な英雄じゃよ。
0:ヘレティックフェザー•闘技室。
ルベド:はぁあー!迅神剣ー!(しゅんじんけん)
フェルマー:くっ!やりおるな!…剛戟陣!(ごうげきじん)
ルベド:鎌で防壁を作っただと?!
グリーヴァ:おおー!両者共に譲らないな!ガッハハハ!
ルベド:だが、甘いっ!烈火蒼裂斬!(れっかそうれつざん)
フェルマー:くぅー!…火水の2属性技!!…此奴、口先だけじゃなかったようじゃの。
グリーヴァ:あのフェルマー殿が圧されているだと!?
フェルマー:これはどうじゃあ!…羅刹刃!
ルベド:…閃いたっ!…羅刹刃返し!
グリーヴァ:な、な、な、なんだとぉ!?
フェルマー:きゃあああ!…妾の負けじゃ。
フェルマー:今のはなんじゃ?妾の技を喰ったのか?
ルベド:ああ、盗んだんだよ!これが俺の生まれ変わったチカラさ!
グリーヴァ:おおー!見事だ!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふ!…ふぅーー良い汗をかいたのう。妾は風呂にいくとするかの。
ルベド:フェルマー、ありがとう!
フェルマー:次は負けんぞ?ルベド。
ルベド:ああ!望むところだ!
グリーヴァ:ルベド、俺も風呂に行くぞ!また明日な!ガッハハハ!
ルベド:はぁー!?先にフェルマーが入るんじゃ無かったか?…ま、まさかな?…はは
0:ヘレティックフェザー•ルベド自室。
ルベド:明日で俺の人生も終わりか…早いもんだな。
ルベド:俺明日、死ぬか…怖いな…死後の世界ってどんなところなんだろうな…。
0:トントンッ!
ルベド:誰だ?
ニグレド:僕だよ、ニグレドだよ。
ルベド:ああ、ニグレドか。どうした?
ニグレド:明日は頑張ろうね!
ルベド:ああ、どっちが死んでも恨みっ子無しだぜ?
ニグレド:勿論だよ。
ルベド:なぁ、ニグレドー!
ニグレド:うん?
ルベド:死後の世界ってどんな所なんだろうな?
ニグレド:さぁね。
ルベド:わりぃ!分かるわけ無いよな。
ニグレド:いや、大丈夫だよ。
ルベド:そう言えば、お前の両親ってどんなヤツなんだ?
ニグレド:分からない。その時の記憶が全く無いんだ。…気付いたら、ローレンス様に拾われてたから。
ルベド:そうか、ローレンスに拾われた同士、兄弟みたいなもんだな!
ニグレド:あはは、そうだね。
ルベド:ニグレド、もし俺が居なくなったらサレナを頼むな。
ニグレド:…ルベド。
ルベド:薄々分かってんだよな、どっちか片方が死ぬって嘘だろ?
ニグレド:え!
ルベド:…お前は死なない。俺は死ぬ。…そうだろ?ニグレド。
0:偶然聞いてしまうサレナ。
サレナ:嘘…!?
ニグレド:知ってた…の?
ルベド:サレナに気を遣ったんだろ?…お前の考えそうな事だ。
ニグレド:…ルベド、ごめん。
ルベド:お前が謝る必要はない。
ルベド:俺はあの創造神とか言うヤツを封じる為に生まれて来たのかもな!
ニグレド:創造神?…まさか、試練の間で戦ったの?!
ルベド:ああ、俺の攻撃が全て防がれたよ。
ニグレド:…そっか。
ルベド:さて、もう寝るよ。おやすみ、ニグレド。
ニグレド:おやすみ。
ニグレド:ルベド…ぅう(涙)
0:ヘレティックフェザー•サレナ自室。
サレナ:…ルベド…ルベド…何でアンタなんか好きになってしまったんだろ…ぅうぅう(涙)
サレナ:…うぅうわぁんん!(号泣)
0:翌日、決戦当日。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
無尽君45式:お早う御座います!皆様。
ローレンス:無尽君。異界、カタストロフまで向かってくれるかの?
無尽君45式:畏まりました!到着時間の算出を行うので、暫くお待ち下さい。
ローレンス:うむ。
グリーヴァ:ローレンス殿、カタストロフとはどんな場所なんだ?
ローレンス:カタストロフは破壊の街じゃ。要するにそこに奴が…創造神がおる。
グリーヴァ:なるほどな。
ニグレド:ローレンス様、GATEへの結び付きはどうされますか?
ローレンス:うむ、カタストロフからGATE(次元の裂け目)までは儂が繋ごう。儂の残り僅かな、魔力でな。
ニグレド:ローレンス様、お願います!
フェルマー:妾らはGATEに繋げるまでの時間稼ぎって事かのう?
ローレンス:そうじゃ。しっかり頼むぞい!
フェルマー:了解じゃ!
サレナ:ルベド、あんたアタシから離れるんじゃないわよ?
ルベド:は?…何言ってんだお前?
サレナ:良いから!離れない事!い•い•わ•ね•?
ルベド:へいへいー。
ニグレド:…。
無尽君45式:お待たせしました!算出の方が完了致しました。…サイド999異界、カタストロフまで3時間25分で到着の予定です!
ローレンス:うむ。…その間、儂はGATEに繋げて来よう。それではな!
ローレンス:皆の者、宜しく頼むぞ!
ニグレド:ローレンス様、ありがとうございました!
ローレンス:…!ふぉっふぉっふぉ!ニグレドは鋭いのう。
ニグレド:…心が読めちゃうんです。。
ローレンス:そうじゃったのう。…未来は託したぞ!
ニグレド:はいっ!
ルベド:ローレンス…色々とありがとうな!
フェルマー:ローレンス公、達者でのう!
グリーヴァ:ローレンス殿、感謝致すっ!
サレナ:ローレンスさん、ありがとう!
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!
0:ローレンスは転移術でGATEまで向かった。
ルベド:さて、一旦解散しよう!万全の状態で臨みたいからな。
グリーヴァ:そうであるな。また時間になったら、ブリッジに集合しようぞ!
フェルマー:グリーヴァ、ちょっと付き合ってくれぬか?
グリーヴァ:お供しよう!フェルマー殿。
ニグレド:いつからあの二人、あんなに仲良くなったんだろ?
サレナ:前からでしょ?
ルベド:いや、そう言う意味じゃないだろ。
サレナ:な、何よ?
ルベド:鈍感だな。
ニグレド:あはは…
ルベド:さーて、俺も自室に戻ってちょっとゆっくりするわ!
サレナ:はあ?アタシと離れないでって言ったわよね?…勝手な行動は許さないわよ!
ルベド:は?…やっぱりお前、何か変だぞ?サレナ。
サレナ:五月蝿い!…良いから、アタシも着いていくわ!
ルベド:へいへい〜。
ニグレド:あはは…
ニグレド:何か孤独だな…
無尽君45式:ニグレドさん、何か飲み物を用意しましょうか?
ニグレド:気を遣ってくれてありがとう、無尽君♪
0:ヘレティックフェザー•ルベド自室。
ルベド:まさか、本当に着いてくるとはな…
サレナ:ばか…ぅう(涙)
ルベド:サレ…ナ…?
サレナ:何で嘘吐いたのよ!ぅう…(涙)
ルベド:何の話だよ?
サレナ:とぼけないで!(涙)
ルベド:お前…まさか…
サレナ:封印したら、アンタだけが死ぬんでしょ?!…なんでよ…ぅう(涙)
ルベド:…っ!
ルベド:サレナ、俺一人が犠牲になれば他の大勢は救われるんだ。
サレナ:…いつからそんなに逞しくなったのよ…昔のアンタはヘタレで情け無かった癖に…
ルベド:……サレナ、ありがとうな。
サレナ:…ぅうぅう(涙)
無尽君45式:失礼します!もう間も無く、カタストロフに到着します。ブリッジにお集まり下さい。
ルベド:ああ!今行く。
サレナ:…。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
無尽君45式:皆様、お待たせしました!サイド999、異界カタストロフに着陸します。
グリーヴァ:未だ未開の地故、気を引き締めて参ろうぞ!
フェルマー:そうじゃな、妾は楽しみで仕方がないがのう!
ニグレド:今回は僕が指揮をとるよ!皆宜しくね!
ルベド:しっかり頼んだぜ、ニグレド。
サレナ:…。
ニグレド:作戦内容のお浚(おさら)いをしようか!…グリーヴァとフェルマーで雑魚を抑えて貰って、サレナとルベドと僕で中心部まで行く。
サレナ:ニグレド…ありがとね。
ニグレド:いやいや、バランスを考えたらこの構成がベストだからね!
グリーヴァ:任せとけー!蝿、一匹すら通させはせん!ガッハハハ!
フェルマー:うむ、殿(しんがり)は妾とグリーヴァに任せるのじゃ!
ルベド:俺達は創造神が鎮座する、中心部に攻め込む!
サレナ:ローレンスさんから指示が届いたら。
ニグレド:僕とルベドで創造神をGATEに封じ込める!
ルベド:よし、行くぞっ!!
グリーヴァ:応っ!
フェルマー:行くのじゃ!
ニグレド:行こう。
サレナ:行きましょう!
0:それぞれの熱き思想を胸に最終決戦は始まった。
0:カタストロフ•天主の間
創造神ミハイル:小童共め…貴様らが幾ら束になろうが、結果は変わらん!無駄な足掻きと言う意味を刻ませてやろう!……フッハハハ!!
0:異界•カタストロフ。
ニグレド:おかしい…妙に静まり返ってる。
グリーヴァ:辛気臭い顔して、どうしたんだ?ニグレド。
ニグレド:街の中に生態反応が無いんだ。
グリーヴァ:ふむ、どう見るか?フェルマー殿。
フェルマー:うぬ、初めから手厚い歓迎があってもおかしくは無いと思うんじゃがのー!
ルベド:罠の可能性も捨て切れないな。
サレナ:それでも引き返す訳には行かないわ。…進みましょう!
ルベド:…(サレナのヤツ、完全に吹っ切れたか。)
サレナ:ルベドー?なぁに、ボサっとしてんのよ!アンタが居ないと話にならないんだから、シャキッとしなさいよね!
ルベド:うわぁ、あたり強っ!
ニグレド:あはは…いつものサレナだね。
グリーヴァ:ガッハハハ!こう言うのを人族の間では゛絵゛になると言うのか?フェルマー殿。
フェルマー:妾にも分からんが、賑やかだとこちらの士気も高まると言うものじゃ!
ルベド:どことな〜く、ズレてんだよな。コイツら…
ニグレド:ん、ルベド!…あれを見て!?
ルベド:どうした、ニグレド!…何だコイツらは…
執行者ザファゲイル:…ヒッーヒー!お前らだなぁ?神に仇をなす愚かな者達ってのは!
断罪者ミトス:ザファゲイル、小言は要りません。始末なさい!
執行者ザファゲイル:ミトスゥウー!この俺にデカい面すんじゃねえ!お前も…じゅる…八つ裂きにしちまうぜぇ!?あ?!
断罪者ミトス:やれやれ、粗暴ですね。ミハイル様に仕える身であれば、清廉であれと…あれ程…
執行者ザファゲイル:黙れぇ!ヒッヒッ!…俺は元々、溝鼠(スラム)育ちなんだよお!…子綺麗な振る舞いとか、そんなもんは習ってねぇんだよ!オラァッ!!(ナイフで斬り付ける)
サレナ:…くっ!
ルベド:サレナ!
断罪者ミトス:はあ…(嘆息)
執行者ザファゲイル:動くんじゃねえー!それ以上、近付くとこの女の喉元を掻っ切るぞ!ヒッハハ!!
サレナ:…ル…ベド!あたしに構わず、やりなさい!!
ルベド:どうなっても知らんぞ?サレナ。
ニグレド:待って、ルベド。サレナに万が一の事があったら取り返しがつかなくなるよ?
ルベド:じゃあ、どうすんだよ!…クソッ!
フェルマー:グリーヴァよ…(空中で奴からサレナを奪うぞ!)
グリーヴァ:なるほどな!…合図を頼むぞ!フェルマ度。
執行者ザファゲイル:オイ、後ろの奴らー!!何をごちゃごちゃ言ってる!?…妙な真似したら、このアマを細切れにしちまうぞ?あ?!
断罪者ミトス:醜いですね。
ルベド:…っ!
サレナ:…
フェルマー:グリーヴァ!今じゃッ!
グリーヴァ:応っ!…うりゃあああ!!…魔刃煌!(まじんこう)
執行者ザファゲイル:なっ!?…お前、どこから湧いて出やがった?!…ぐぁ…!!!
サレナ:…助かったわ!グリーヴァ。…これはお返しよ!…狼牙掌!(ろうがしょう)
執行者ザファゲイル:…ぐほぁあ!?
グリーヴァ:ガッハハハ!無事で良かったぞ!サレナ。
ルベド:…無茶苦茶すんなあ!はは…
ニグレド:良い連携だね♪
フェルマー:ふっふっふ!
断罪者ミトス:全く、見ていられませんね…
断罪者ミトス:ザファゲイル、貴方は少々休んでなさい!…私が片付けてあげましょう。
執行者ザファゲイル:ちっ…!ぺっ!!(唾を吐き付ける)
ルベド:こいつの異様な雰囲気…只者じゃないな。
グリーヴァ:うーむ、骨のありそうな奴だな!
フェルマー:うむ、さっきの外道とは訳が違うの!
ニグレド:…僕にやらせてっ!
サレナ:ニグレド?あんた、正気なの?!
ルベド:サレナ、やらせてやれ!…危なくなったら、言えよ?ニグレド。
ニグレド:うん、ありがとう。…僕も見せ場を作らないとね!
執行者ザファゲイル:その鈍い動きで何が出来るってんだあ?ヒッハハ!…とんだ笑い草だな!
断罪者ミトス:ザファゲイル、黙ってて下さい。…気が散ります。
執行者ザファゲイル:チッ…すかしやがって!
ニグレド:…(僕にだって…)
断罪者ミトス:貴方、ニグレドって言いましたね?戦う前から足元がフラついてるみたいですが止めといた方が良いのでは?
ニグレド:…余計なお世話だ。
断罪者ミトス:私の忠告は訊くものですよ?…無謀と勇気は別物ですから。
ニグレド:…
ルベド:ニグレド!
サレナ:何してんのよ、早く仕掛けなさいよ!!
フェルマー:ニグレドには些か荷が重い相手ではないかのう?
グリーヴァ:ふむ、ニグレドに真の漢の素質があるかどうか楽しみであるな!ガッハハハ!
断罪者ミトス:仲間達に囲われてるだけじゃ、何の魅力も発揮出来ませんよ?…もう一度、申し上げます。退きなさい。貴方じゃ、私の相手には相応しくない。
ニグレド:…僕を…
断罪者ミトス:はい?ハッキリ言ってください。
ニグレド:僕を舐めるなぁ!!…神盾アイギス!…彼の者の自由を奪えっ!!ファントムブレイブ!
断罪者ミトス:く…痛いですね。貴方の力を侮っていました。まさか、亡霊の猛者を従える力があるとは。
ルベド:お前そんな力が眠っていたのかよ!ニグレド。
サレナ:ふふ、大丈夫そうね。
フェルマー:ふっふっふ!どうやら、妾の杞憂だったようじゃの。
グリーヴァ:ガッハハハ!真の漢への一歩を踏み出したな!
執行者ザファゲイル:ミトス、油断してると持っていかれるぞ?ヒャッハハ!!
断罪者ミトス:…冗談は止めてください。ザファゲイル。…余興はこれからなんですから。
執行者ザファゲイル:ふん。
ニグレド:…(ルベドみたいになりたい…僕は…強く…)
断罪者ミトス:この断罪者であるミトスの異名を貴方の身体で覚えさせてあげますよ。
断罪者ミトス:…雷鳴轟け、眼前の者に裁きを!!
断罪者ミトス:ライトニングクラウド!!
ニグレド:…神盾イージス!鉄壁の守護を!…ギガントアーマー!
断罪者ミトス:遅いです。…追撃!!…断罪の檻!
ニグレド:…ぐはぁ!!
ルベド:ニグレド!無理はするな!…俺が変わるっ!!
グリーヴァ:ルベド、ニグレドは真の漢への階段を上り始めたばかりだ!…邪魔をしては無粋と言うものだぞ?
フェルマー:うぬ、ようやく芽が生えたようじゃな!ふっふっふ!
ルベド:…っ!
サレナ:ルベド、大人しく見守りましょ!
ルベド:ああ…。
ニグレド:はぁはぁ…皆…ありがとう。
断罪者ミトス:素敵な友情ですね。思わず、私の涙腺が緩んでしまいますよ。
執行者ザファゲイル:ふん…下らねぇーお友達ごっこの何が楽しいんだか…ペッ!!(唾を吐く)
ニグレド:…(僕はルベドのように器用にはなれない…けど、僕にだって!)
断罪者ミトス:先程の威勢はどこへいってしまいましたか?ニグレド。
ニグレド:…。
断罪者ミトス:私に敵わないと悟りましたか?それなら即刻、退場して下さい。…貴方じゃ私を満たせない。
ニグレド:だから…
断罪者ミトス:何ですか?歯切れの悪い…貴方がそんな調子だから、いつまで経ってもお仲間さんの足を引っ張る事しか出来ないのでは無いでしょうか?
ニグレド:…舐めるなって言ってんだよ!!…うおおあああ!!
ニグレド:双の神の盾よ、僕に力をっ!!……ディザスターレイン!!!
断罪者ミトス:…ぐはぁ!!……理解が出来ません…貴方如きにこの私が…ごふっ!!(戦闘不能)
執行者ザファゲイル:なッ!?…ミトスがやられただと!?糞虫どもが…図に乗りやがって!!
ニグレド:はぁ…はぁ…はぁ…!…僕にだって出来る…ん……だ……(気絶)
ルベド:ニグレド!…凄かったぞ!
サレナ:ふふ。普段、保守的なニグレドが攻勢に転じるなんて驚きね。
フェルマー:熱いのう!
グリーヴァ:ガッハハハ!!ニグレドも真の漢と言う訳だな!見事、天晴れぞ!!
ルベド:残りはお前だけだぞ?唾吐き野郎!
執行者ザファゲイル:ヒッヒッ!ヒッハハ!!
ルベド:指揮官がやられて混乱しているのか?
執行者ザファゲイル:指揮官?そこに転がっているミトスの事か?ヒャッハハ!!…俺は元々群れるのが嫌いでなあ!…ヒャッハー!!
サレナ:ルベド、避けてっ!!
ルベド:何?!……ぐほぁ!!
グリーヴァ:ルベド、油断は大敵だぞ!真の漢は常に警戒し…
フェルマー:グリーヴァ!今は茶々を入れるでないっ!(叩かれる)
グリーヴァ:ぐふぇ!?…ふぇ、フェルマー殿申し訳無いっ!
執行者ザファゲイル:ヒッヒッヒッヒャッハハ!!俺の異名を知っているか?
ルベド:はぁはぁ…知らねぇな!
執行者ザファゲイル:教えてやるよ。惨虐の執行人ザファゲイル様をなぁあああ!!…うらぁああ!
ルベド:ぐほぁあ!!
サレナ:ルベド!何であんた、いつもみたいにカウンターしないのよ!?
ルベド:はぁ…はぁ!………サレナ、技じゃないと盗めないんだ。
サレナ:そんな…このままじゃあんた死ぬわよ?!
グリーヴァ:万能では無いと言う訳だな。
フェルマー:うぬ…考えものじゃ。
執行者ザファゲイル:あん?お喋りしている暇があんのかあ!?…お前のその気に喰わねぇ面、ギタギタに切り刻んでやらぁあ!!ぅらああああ!!
ルベド:ごふぁあ!!…はぁ…はぁ…はぁ…やばいな…こりゃ…傷が深い…
サレナ:ルベドーー!!
フェルマー:グリーヴァ、ルベドはもう限界じゃ!
グリーヴァ:うーむ…止むを得まい!…仕掛けようぞ!フェルマー殿。
ルベド:はぁ…はぁ…はぁ……要らねぇ!!余計な事はするな!
フェルマー:ルベド、お主…
グリーヴァ:フェルマー殿、ルベドを信じようぞ!
フェルマー:うぬ。
サレナ:あんた、、そんなにボロボロで何を強がってんのよっ!!
ルベド:はぁ…はぁ…うるせぇ、黙って見てろ!!
サレナ:…っ!
ルベド:…(打って来い、一発で良い!技を出せ!)
執行者ザファゲイル:ペッ!!…お前クソ弱ぇーな!…もう飽きたわ。……俺のとっておきの技で終わらせてやらぁあ!!
ルベド:…はぁ…はぁ…(来るっ!!)
執行者ザファゲイル:お前の血で遺書を書かせてやんよお!!…ファイナルレタァーァア!!
ルベド:ふっ…この時を待っていたっ!…ファイナルレター返しぃいい!!!ぅおぉおー!!
執行者ザファゲイル:な、何だとぉ!?…ぐふぁ!?…ば、馬鹿な!俺の技を奪ったと…言うのか…!…この俺がこんな虫ケラ如きにぃいい!!……(戦闘不能)
ルベド:はぁ…はぁはぁ…分の悪い賭けはするもんじゃねえな…!
サレナ:ふぅ…冷や冷やさせないでよ。
フェルマー:よく、辛抱したのう!ルベド。
グリーヴァ:流石はルベドだ!紛う事なき真の漢ぞ!ガッハハハ!!
ニグレド:…んん!?
ルベド:ニグレド、次に進むぞ!…指揮する奴が倒れたら、誰が統制すんだ。
ニグレド:お、終わった?!……あ…ルベド、ごめん。
サレナ:残るは創造神とか言う悪の親玉だけね。
グリーヴァ:うむ、参ろうぞ!!
フェルマー:引き続き、後方支援は妾に任せるのじゃ!
ルベド:ああ、望みある未来を掴む為に行こうっ!!
0:一行は中心部にある天主の間まで急行する。
創造神ミハイル:…我の最強の駒である、ミトスとザファゲイルがやられたか…それでこそ、我に仇を為す者達よ!…さぁ、来るが良い!!…貴様らの行いが全て徒労だと言う事を思い知らせてやろう!フッハハハ!!
0:カタストロフ•中心部入口。
グリーヴァ:辺りに異様な空気で包まれているぞ!
フェルマー:うぬ、敵の根城って雰囲気じゃの!
ニグレド:道が生きている?!イメージとしては化け物の胃袋の中みたいだ。
サレナ:ぅげぇ…気持ち悪い場所ね…
ルベド:…消化液?!…誤って触れたりしたら溶けるぞ!
グリーヴァ:道幅も狭いからな。落ちたら、即、あの世だな!ガッハハハ!!
フェルマー:天井が浅いせいで飛べないのが辛いのう…
サレナ:早く抜けましょ…気が滅入りそうだわ…
ニグレド:…これは…フロアマップ!?…皆、来て!横に立て掛けられた絵がここだけ、フロアマップに見えるんだ!
ルベド:本当か!?
グリーヴァ:ほう、ニグレドは目敏いな!
フェルマー:妾は視力が悪いから、見落としていたのう。
サレナ:ニグレド、あたしにも見せてっ!この場所から早く抜けたいの…
ニグレド:これなんだけど、、
ルベド:ふむ、なるほどな!このマップを背にして、北に進んで抜けた先は……拷問ハウスだぁ!?
サレナ:いきなり、奇声を発してどうしたのよ?ルベド。
サレナ:…ぇえーー何よ、それぇ!?!?
フェルマー:拷問ハウスか…大層な名前じゃな!
グリーヴァ:うむ、俺は何だかワクワクしてくるぞ!!ガッハハハ!
ニグレド:拷問ハウスは恐らくだけど、処刑に使うような物で僕達の進行を妨害してくるんじゃないかな?
ルベド:おいおい、悪趣味にも程があんだろ…
サレナ:今いる場所より、何倍もマシよ!早く行きましょう!
フェルマー:うぬ!
グリーヴァ:応っ!!
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:フッハハハ!!…我の創り上げた崇高な世界は堪能しているか?
創造神ミハイル:…途中で挫折するようでは我に挑む事すら叶わん!フッハハハ!!
0:カタストロフ•拷問ハウス。
ルベド:はぁ…やっと抜けたが、一難去ってまた一難とはな。
サレナ:ほらほらぁ、文句言わずに進む!
ルベド:お前、さっき死にかけてなかったか?
サレナ:はぁ?何の事よ??
ルベド:やれやれ…
グリーヴァ:ガッハハハ!!
フェルマー:ふっふっふっ!辺りを見渡す限り、罠だらけじゃな。
ニグレド:一歩ずつ慎重に進もう!
ルベド:ぐわぁあー!?…おい、誰だよ…こんなところに虎バサミなんて仕掛けたのは!
ニグレド:あはは…言った側から。
サレナ:馬鹿ね、創造神とか言うヤツが造ったに決まってるじゃない!
フェルマー:然し、これでは歩きづらいのう。
グリーヴァ:うーむ…どうしたのものか。弱ったな!
ルベド:誰かが、一個ずつ人柱になるしかっ…無いってか?…よっと…ふぅ…今度はペンデュラムかよ…
サレナ:相当なマニアックね…創造神。
ニグレド:ルベドが先行してるお陰で、僕等は最小限で済みそうだね。
ルベド:おい、ニグレド!お前、鬼だな!!
グリーヴァ:ガッハハハ!!…ルベド、真の漢はどんな事にも順応出来る…
ルベド:ふ、ふざけんな!お前が変われっ!!グリーヴァ。
フェルマー:次から次へと…厄介じゃのう。
ルベド:お前らは俺の後を着いてるから、安全だろうがっ…ぐぉおああ!?油断してたら…吊天井かよ!?危うく…ミンチになるところだった…
サレナ:ふぅ…これで半分ね?
ニグレド:これじゃルベドが流石に可哀想だなぁ…何か手は無いかな。
ルベド:ニグレドー!今更、もう気にしてねぇよ!…このまま先陣切るから、遅れないで着いて来い!……な…!?…鉄の処女…アイアンメイデン?…何でこんな物騒なもんまであんだよ!!
ルベド:はぁはぁ…戦う時より疲れるわ…
サレナ:ルベドー!あんたの横、マップじゃない?
ニグレド:本当だ!!丁度今いる場所は罠が無いみたいだし、確認しよう。
フェルマー:うぬ。
グリーヴァ:ほう、次はどんなフロアだ?
ルベド:何て書いてあんだ?サレナ。
サレナ:うーんと…マップを背にして北に抜けた先は…浮遊島?って書かれているわね。
グリーヴァ:浮遊島か…俺らの出番かも知れんぞ!フェルマー殿。
フェルマー:そうじゃな!グリーヴァよ。
ニグレド:浮遊島。確かにその名前から察するに陸路では行けない可能性があるね。
ルベド:おいおい、どうすんだよ?!
サレナ:焦らないの!…幸い、フェルマーとグリーヴァは飛行出来るから、背に乗せて貰ったら解決するんじゃない?
ルベド:あー…その考えがあったか!
グリーヴァ:地に足が着けぬのなら、俺らが責任を持って運んでやろう!ガッハハハ!!
フェルマー:どーんと、大船に乗った気で構えておれ!ふっふっふ!
ルベド:サンキュー!……後、どれくらいの罠があるか分からんが、抜けるぞっ!!
サレナ:人柱宜しくーー♪ルベド♪
ニグレド:僕は見ての通り、こんなナリだからね…頼んだよ!ルベド。
グリーヴァ:真の漢を存分に発揮してくれ!ルベド。ガッハハハ!!
フェルマー:妾を導いてくれるかのー!ルベドよ。
ルベド:はいはいー…お前ら、覚えとけよ…
ルベド:さぁ行くか……ぐわぁあ!?…小さいギロチンが床に!?……あぶねぇ!…足がちょん切れるところだった…はぁはぁ…
サレナ:ルベド、変わってあげたい気持ちだけはあるのよ?゛気持ち゛だけはね?
ルベド:サレナ…気持ちとか要らねぇから変われよっ!!くそっ…!
ニグレド:ルベドー!もう少しの辛抱だよ。後、何個か罠を解除したら、浮遊島に着くよ!
ルベド:解除だと?…こっちとら自力で解除してんだよ!!ニグレド。
グリーヴァ:ルベド、勇ましいぞ!ガッハハハ!
ルベド:お前は図体がデカいだけのただの落武者だがなっ!!グリーヴァ。
フェルマー:ルベド、妾はお主みたいに俊敏じゃないからのう。
ルベド:足が早く感じるのはそれだけこっちも必死なんだよ!!フェルマー。
ルベド:はぁ…はぁ…しんどい…どわぁあ!?…きゅ、球体が迫ってくるー!!つ、潰される!!ぎゃああああ!!…………はぁはぁ…創造神の野郎、封印する前に絶対ぶん殴るっ!!
サレナ:今の勢いで一気に駆け抜けたみたいね!一先ずゴールよ、ルベド。
ルベド:サレナ…ちょっと休ませてくれ…
サレナ:仕方無いわね。…ちょっとだけよ?
ルベド:…理不尽だ…
ニグレド:ルベド、ありがとう。お陰様で…浮遊島に到着したよ!
ルベド:はぁ…それは良かった…
フェルマー:ルベド、お見事じゃ!褒めて遣わすぞ!
ルベド:…はい…どうも…
グリーヴァ:ルベド!真の漢を超えて、真の超漢になれたなっ!!
ルベド:要らないぞ…そんな称号…
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:ほう、ここも突破するとはな!…だが、次は一筋縄とはいかぬぞ?フッハハハ!!
0:カタストロフ•浮遊島。
フェルマー:やはり、通路が浮いておるのう。グリーヴァよ。
グリーヴァ:うむ、久方振りの空だな!フェルマー殿。
ニグレド:うん、これは歩けたものじゃないね。
サレナ:あたし、フェルマーに乗るわ!
ルベド:俺とニグレドはグリーヴァに頼るか!
サレナ:駄目よ。ヘレティックフェザーで言ったでしょ?…あんたは私の隣!
ルベド:へいへいー!
フェルマー:ふっふっふ!しっかり捕まっておるのじゃぞ?サレナ、ルベドよ。
グリーヴァ:ガッハハハ!!参るぞっ!ニグレド。
0:三人はフェルマーとグリーヴァの背に乗り浮遊島を駆け抜ける。
ルベド:うわあー!風が気持ちいいなぁ!…若干、怖いけど。
サレナ:怖い?あんた、高い所苦手だったけ?ルベド。
ルベド:苦手だよ…ヘレティックフェザーは大丈夫だけど。…サレナみたいに甲板には出たくないけどな…
サレナ:そうなの?あんた、前に身を浮かせて、剣を振り下ろす技を使って無かったけ?
ルベド:あー、兜割りの事な!…一瞬なら大丈夫なんだよ。
サレナ:ふぅん。
フェルマー:もうじき、次のフロアに到着するぞ!落ちないよう気を付けるのじゃぞ!!
ルベド&サレナ:ああ!、ええ!
グリーヴァ:ガッハハハ!!フェルマー殿のところは随分と賑やかだな!
ニグレド:うん…(本当にお似合いだな)
グリーヴァ:ニグレド、お前重いな!…腰が痛くて敵わん!!
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。
グリーヴァ:ガッハハハ!!飛ばすぞっ!
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:な、何だと!?仲間の背に乗り、神速の如く飛び回るとは…想定外だ!…フッハハハ!!良い!!…来るが良いっ!
0:カタストロフ•浮遊島出口。
フェルマー:ふぃいーー…長時間飛び回ったのはいつ振りかの!グリーヴァよ。
グリーヴァ:ぜぇ…ぜぇ…!ああ…黒い衣服共と闘った以来かも知れぬな!フェルマー殿。ガッハハハ!!
ニグレド:グリーヴァ、ありがとう!助かったよ。
グリーヴァ:うむ、気にするな!
ルベド:フェルマー、さんきゅー!二度はごめんだがな…おぇえ…気持ち悪い…
サレナ:はぁ…こんなのが世界を救う英雄の器って言うのが信じれないわ…
フェルマー:ふっふっふ!
ニグレド:皆、立札を見て!この先が天主の間、創造神が鎮座する場所らしいね。
グリーヴァ:長かったな!
フェルマー:うぬ、そう言えばローレンス公は上手くやれたのじゃろうか?
ルベド:…ふぅーー…今日だけで何回死にかけたか……
サレナ:まだ、連絡はないの?ニグレド。
ニグレド:そろそろ、通信機が鳴ってもおかしくないんだけど……
0:プルルッ!
ルベド:ニグレド、来たんじゃないか?
サレナ:出て見なさいよ。
ニグレド:うん。(通信機を取り出す)
ニグレド:もしもし、ご無沙汰しています!ローレンス様。
ローレンス:うむ。皆、元気にしておるかの?さて、本題に入るが儂は今、GATEにおる。…ゴホッ!ゴホッ!
ニグレド:はい、僕等も天主の間付近にいます。
ローレンス:ふぉっふぉっふぉ!流石じゃ!首尾は良好と見える。ゴホッ、ゴホッ!
ニグレド:僕等はこのまま、天主の間に突撃します!
ローレンス:うむ、既にGATEと天主の間の結び付きは完了しておる!…後は任せたぞぃ…ふぉふぉふぉ!…ゴホッ!ゴホッ…うっ…!!
ニグレド:ろ、ローレンス様!?ローレンス様どうしたんですか!返事をして下さい!!ローレンス様ぁああ!!
ローレンス:…
ニグレド:ぅぐっ…!(涙)
ルベド:ニグレド?おい、泣いているのか?!ローレンスは何て言ってたんだ?
ニグレド:ローレンス様は天に昇られたよ。…ぅぐ!!
ルベド:そうか…
サレナ:…っ!
グリーヴァ:ローレンス殿、ご冥福をお祈り致すっ!!
フェルマー:ローレンス公…
ニグレド:…うぐ…うぐ…!
ニグレド:…ローレンス様は天主の間とGATEの結び付きは完了済みだって言ってた。
ルベド:そうか、なら後は封印するだけだな。……!…ローレンスは本当に残念だ…。
サレナ:ローレンスさんが繋げてくれた未来をあたしたちが責任持って受け継ぎましょう!ニグレド。
フェルマー:そうじゃの!まだ、妾の戦いは終わっておらぬ!
グリーヴァ:うむ、憎き神に一泡吹かせてやろうぞ!!
ニグレド:うん、そうだね!…やろう、ルベド!
ルベド:ああ、準備は出来てるぜ!ニグレド。
サレナ:ルベド…
ルベド:おい、散々カッコいい台詞を並べておいて、何で泣きそうになってんだよ。サレナ。
サレナ:…泣かないっ!…行きましょう!!
ルベド:ふっ…最期までお前は…
0:浮遊島出口付近にある、エレベーターで上にあがる。
0:カタストロフ•天主の間。
ルベド:創造神!!
創造神ミハイル:…(拍手喝采)
創造神ミハイル:見事だ!ルベド、そしてその愉快な仲間達よ!…よくぞ、ここまで辿り着いた。我は絶対なる、創造神ミハイル。
ルベド:御託は要らねぇ!とっとと始めようぜ!
サレナ:あんたが親玉ね!どんなヤツかと思ったら、間抜けな面構えね。
創造神ミハイル:小娘め…口が減らんな!まぁ、良い。
グリーヴァ:ガッハハハ!!神を討伐してくれようぞ!!
創造神ミハイル:報告にあった、鬼の侍か。見せて貰うぞ、貴様の力をな!
フェルマー:此奴が元凶かの?サレナの言う通り、大した事は無さそうじゃが。
創造神ミハイル:貴様は翼人の武士か!フッハハハ!!実に愉快な仲間達だ。
ルベド:お前の時代は二度と訪れない!
創造神ミハイル:ほう?…吐かしおる。
ルベド:ニグレド!
ニグレド:うん、任せて!
創造神ミハイル:何やら、企てているようだが…無意味だ。フッハハハ!!
ニグレド:…あった!……あの穴がローレンス様が空けてくれた、裂け目!
創造神ミハイル:ほう、ローレンスか。何百年振りにその名を聞いた事か。
ニグレド:神盾イージス、力を貸してっ!!はぁあああ!……皆ぁ!僕が詠唱してる間、時間稼ぎを頼んだよ!
ルベド:ああ、任せとけっ!!
サレナ:ボコボコにしてあげるわ!!(指を鳴らす)
フェルマー:妾も全力を出すかのー!
グリーヴァ:真の漢の真髄をその身に焼き付けてやろうぞ!!
創造神ミハイル:フッハハハ!!せいぜい、足掻けっ!!
ルベド:…魔甲(究極)セット!…父さん、母さん、最期に有りったけの力を貸してくれっ!!
ルベド:ぅおおおお!!…アルティメットノヴァスラッシュュユッ!!(究極新星斬)
創造神ミハイル:愚かな…貴様には言った筈だ。我には全ての物理、術は効かぬと。フッハハハ!!
ルベド:ふっ…分かってるに決まってるだろ。
サレナ:次はあたしの番ね!……はぁあああーー…時の彼方まで吹っ飛べぇええ!!流星キックーー!!
創造神ミハイル:……当たらぬな。…黄泉に還れ、アビスゲート!!(冥界の門)
サレナ:…きゃあああ!!
ルベド:サレナぁあー!!
サレナ:はぁはぁ…大丈夫よ!ルベド。
ルベド:もう少しの辛抱だ。
サレナ:ええ…
創造神ミハイル:実に滑稽なものよ…無駄に労力を消費している事に気付かぬとは。
グリーヴァ:無駄か、どうかはこれを受けてから、宣(のたま)え!!…乱れ月華、刹那落としぃい!!
創造神ミハイル:ふん!…我に擦り傷一つ負わす事叶わぬ!降り注ぐ数多の隕石よ…サウザンドメテオ!!(千の隕石)
グリーヴァ:ぐぁ!!…ぜぇ…ぜぇ…流石、神を騙るだけはあるな。
創造神ミハイル:ふん…脆い。
フェルマー:グリーヴァ殿!……せぇああああ!!……煉獄大魔刃!!
創造神ミハイル:貴様ら…学習せんな?…次元の狭間にばら撒いてやろう!!ディメンションコンケラン!!(次元の覇者)
フェルマー:…かは!!…歯が立たぬ……
ルベド:皆!!…くそっ!!まだか?!ニグレド!
ニグレド:待たせたね!…皆、ありがとう!
創造神ミハイル:ぬ?……ぬぐああ!?…我の身体が吸い寄せられている…だとぉ?!
ルベド:さぁ、、蹴りを付けようぜ!創造神ミハイル!!
サレナ:ルベド…
ルベド:サレナ、また来世で会おうぜ!……俺が居なくなっても今まで通り、お前はお前らしく生きろよ!!…………じゃあな。
サレナ:ルベド…ぅうぅ…ぐすん…カッコつけやがって…弱いくせに…(涙)
ルベド:確かに、昔の俺はお前に頼りきりで、弱かった。…でも俺は変われたっ!サレナ、ニグレド、フェルマー、グリーヴァ、ローレンスのお陰でな…!…ありがとうな…こんなどうしようもない俺に着いて来てくれて…皆ぁ、未来は託したぞ!!
グリーヴァ:ルベドー!俺の他に真の漢が居た記憶は決して忘れんぞ!!
ルベド:グリーヴァ、初めは…ただの暑苦しい侍かと思ってたが…お前は誰よりも周りを見れる頼りになる漢だよ!
グリーヴァ:ガッハハハ!!
フェルマー:ルベド、お主と共闘した日々は妾の宝物ぞ!…ありがとうなのじゃ!
ルベド:フェルマー、異質なオーラを放ってて、近寄り難い存在だったが武に関しては一番ストイックだった!…グリーヴァと末永く幸せにな。
グリーヴァ:な、何を言ってるんだ?アイツは。フェルマー殿。
フェルマー:ふっふっふ!見抜けられていたとはのう。
ルベド:いや、お前ら…露骨過ぎんだよ。
ニグレド:ルベド、僕は君に憧れていたんだ。
ルベド:でも、ある日嫉妬に変わったんだろ?…お前は素直で嘘が付けないタイプだからな。…ニグレド、後は頼むなっ!!…すぐに凹む癖、後…俺、孤独なんですーみたいな雰囲気出すのはやめておけよ?
ニグレド:ルベド、、本当に君には敵わないよ。
ルベド:ははは、じゃあな。…皆!俺の分まで元気に生きろよ!!
ニグレド:ルベド!
ルベド:ああ。
創造神ミハイル:ぐぁあああ!?…あれは…次元の裂け目!?GATEだとぉー?!ま、まさか我を再び幽閉する気か!!
ルベド:気付いた時には…
ニグレド:遅いよ!!
ルベド:我はファーストキーの末裔、ルベド!
汝を封じる運命(さだめ)を背負いし者なりっ!!
ニグレド:我はファーストキーの末裔、ニグレド!汝を封じる運命(さだめ)を手助けする者なりっ!!
サレナ:鍵が…!手から出て来た?!
グリーヴァ:おおー!これが伝承に伝わる英雄の姿か!
フェルマー:うぬ、圧巻じゃの。
創造神ミハイル:き、貴様らぁ!?ファーストキーの末裔だと?!…我の魔鏡眼にはそのような姿は映っていなかったぞ??
ルベド:よく分からんが、お前の魔鏡眼とやらは仮初の姿しか映せないみたいだな。
ニグレド:詰めが甘かったようだね、ミハイル。
創造神ミハイル:くっ……おのれぇえ!!小童共めが……ここで滅して……ぐっ!!身動きが取れんっ!!
ニグレド:無駄だよ、ローレンス様の術の効果縛らせて貰ってるからね。
ルベド:俺と一緒に地獄にいこうぜぇえ!!創造神、ミハイルーー!!ぅおおおおー!!
創造神ミハイル:ぐぁあああ!?や、やめろぉお!!
ニグレド:邪封…(じゃふう)
ルベド:淵殺陣!!(えんさつじん)
創造神ミハイル:ぐぁああ!?…我の完璧なる肉体が朽ちるーーゥウゥウゥ!!!……次こそは必ず…!!…ドゥアア!!
ルベド:はぁはぁ…やったみたいだな…英雄か…本当に俺には相応しくねぇ…異名だな…
ニグレド:ルベド!…身体が透けて?!
サレナ:ルベド…ルベド!!嫌…逝かないで!…ずっとあたしの隣に居るって約束したじゃない…ぅう(涙)
ルベド:サレナ…悪いな…約束…守れねえ…
フェルマー:ルベド、お主が命を賭して守った世界は妾らが必ず繋げようぞ!
ルベド:…ああ…頼む…
グリーヴァ:ルベド、お前の存在は未来永劫、語り継がれよう!
ルベド:…光栄だ…
ニグレド:ルベド、さよならは言わないよ。
ルベド:ニグレド…サレナを…頼む…
0:消え掛けるルベドの肉体。
ルベド:時間みたいだ………生まれて来た意味を………教えてくれて……ありがとう………(涙)
ニグレド:ルベドー!!
サレナ:ルベド……ぐす…ぐすん…うわぁああん!!(涙)
フェルマー:…ルベド、大義であった。
グリーヴァ:ゆっくり休むといい。ルベド。
0:ルベドと言う若き勇敢な英雄の命を代償に世界は再び、平和な朝を迎えた。
0:Stranger Of Chaos 完。
Stranger Of Chaos⚔️(ストレンジャーオブケイオス)
*0の表記はト書き(N)を含む*
〜登場人物〜
ルベド18歳♂
ギルド商会ブラッドヴェルにその身を置く、純朴な青年。
愛用武器は父から受け継いだハーフデュランダル、母からは魔甲(属性によって得られる術、技が変わる)サレナに尻を敷かれている。
サレナ20歳♀
特にルベドに対しては面倒見が良く、武道の道を極めた女性。すぐに拳や脚が出るのが玉に瑕。
愛用武器はすーぱーなっこぉ(メリケン、三節棍等)体術主体の技を繰り出す。イレスと兼ね役。
フェルマー15歳?♀(のじゃロリ)
翼人(つばさびと)
背に翼を生やした異なる種族。自国の豪傑な武人で鬼人族のグリーヴァとは旧知の仲。口調にやや特徴はあるが変な奴ではない。大鎌を自由自在に扱う。
愛用武器はソウルスレイヤー。
潜在能力を引き出すと吸収を習得する。
ミランダと兼推奨。
グリーヴァ43歳♂
鬼人(おにびと)
フェルマーと同様に異なる種族で、自国の総大将。鍛え上げた肉体で豪快に二刀を振るう。
愛用武器は修羅一文字&無双返り咲き。
若干、俺様気質だが情には熱い。
愛妻イレスを狂愛している。
ジョンソンと兼ね役お願いします!
ニグレド24歳♂
異族と人族とのハーフ。温厚な性格で、滅多に牙を剥かない。ひょんな事から、ルベド達と旅を共にする。
愛用武器は巨大な2つの盾、アイギスとイージス。
生まれながら、簡易的な治癒術が使える。
主に状態異常を起こし、妨害する技を使う。
サポート的な存在。
若きローレンスと兼ねる。
アルベド22歳♂
全てが謎に包まれている。とある事がキッカケで二面性を持つ。
愛用武器は魔爪(まそう)→魔を封じ込めた籠手、不遇戴天。
???と兼役。
???♂
宇宙に災厄を降らした創造神。過去、英雄ローレンスの活躍により、その肉体は封じられたが…どういう訳か残留思念だけが残り、三つの脅威を従える主に君臨した。器(肉体)となる者を探している。
異形なる者(力)46歳♂
名はジーフリード。
戦闘狂。三つの脅威の1人で動きは鈍いが、その一振りは天地をも揺るがす程の破壊力。
愛用武器は理の狂剣(ことわりのきょうけん)
特殊技能、バーサーカー(狂人化)モードと言う切り札がある。
⚠︎最初は出番が少ないです⚠︎
中盤から増えるので、側近とローレンスを兼役推奨。
異形なる者(知)32歳♀
名はジェス。
ジーフリードと同様、三つの脅威の1人。目が眩む程の美貌を持ち、妖艶な言動で翻弄する。上品だが、サディスト。
愛用武器は理の魔符(ことわりのまふ)
異界より出し下僕達を召喚して戦う。あらゆる生命体を無機質な物体に変え、意のままに操る、特殊技能を持つ。
出番はそこそこですが、ミレイユを兼ねる事をお勧めします!
異形なる者(技)28歳♂
名はヴァシュロン。
主(???)に絶対なる忠誠を誓う、寡黙な青年。ジーフリード、ジェスに並ぶ、三つの脅威の1人。時折、毒を吐く。ジェスとは馬が合わないらしい。愛用武器は理の大槍(ことわりのおおやり)
亜空間を形成させる特殊技能を持つ。
翼人兵と兼ねて下さい。
ローレンス76歳♂
悪を特殊な棺に封じ込める使命を背負った、ファーストキー(原初の鍵)の末裔。王號暦194年、邪教徒(???)を封じ込めた勇敢な英雄。然し、歳を重ねたせいか、そのチカラは使用する事が出来なくなってしまう。
復活してしまった脅威に立ち向かう為、智学に生涯を捧げ、老賢者となる。
ニグレドの事を孫のように接する。
若きローレンス20歳♂
以下略。愛銃カオスレイ。
ジョンソン35歳♂
ルベドの父親だが血は繋がっていない。
ルベドを本当の子のように愛す。妻ミランダを溺愛している。
ギルド商会ブラッドヴェルで数々の依頼をこなして来た賜物か、剣技には長けている。
愛剣ハーフデュランダル。
ミランダ30歳♀
ルベドの義理の母親。親の英才教育を受け、魔甲使いとなった。夫ジョンソンを強く慕っている。ジョンソンと同じく、ギルド商会ブラッドヴェルの傭兵。
ミレイユ31歳♀
サレナの母親、厳格な性格で母性溢れた女性。ジョンソン、ミランダとは昔から仲が良い。
イレス40歳♀
鬼姫と言う異名を持ったグリーヴァの妻。口調が荒い。
店主30歳♂
性格がクズ。
側近(不問)グリーヴァに仕える従者。
鬼兵(不問)グリーヴァの兵士。
翼人兵(不問)フェルマーの兵士。
邪龍ケイオスドラゴン(不問)亡者の洞窟のヌシ。人語喋ります。
N4922X(不問)メデューサの丘に現れた、無機質な物体。SEを使って演じるのも有りです。
ジャイアントゲレル(不問)メイガス海岸の道を塞ぐ、気持ち悪い人外です。難易度高めです。
魔獣シメール(不問)三種の異なる身体を持つ悪しき獣。ジェスが生み出した玩具(ペット)こちらも難易度高めです。
無尽君45式(不問)ヘレティックフェザー艦内の操縦、雑用等を行っている、人工知能。
ゼフ20歳♂星を観察する事に命をかけている。困った人を放って置けない、気の優しい人柄にシーパーは惚れ込んでいる。
シーパー20歳♀ゼフ自慢の彼女!我儘な部分が目立つが、そこも憎めないのは彼女の魅力。操縦は慣れてないが、基礎は身に付いてる。
ターニア22歳♀研究員。とある研究で命を散らす。アルベドの事を密かに想っていた。
アデス35歳♂所長。マッドサイエンティスト。ターニアを実験台にした下衆。
心を司る者(不問)試練の間、一階層のボス。
力を司る者(不問)試練の間、二階層のボス。
愛を司る者♀試練の間、最下層のボス?
ライネル30歳♂ルベドの父親?
プリシラ28歳♀ルベドの母親?
創造神ミハイル♂肉体を得た姿。
執行者ザファゲイル27♂ミハイルに仕える番犬。スラム育ちの為、粗暴。
断罪者ミトス29♂ミハイルに仕える番犬。口調は柔らかいが毒舌で論理的思考。
*********************
0:「王號暦(おうごうれき)294年、グランディア大陸に突如として現れたinvader(侵略者)達が世界を脅かしていた。」
異形なる者(力):フフ、この時を何千、何万と待ちわびていた事か!
異形なる者(知):永き時間をDeadPrison(死の監獄)に幽閉され、身体が鈍って(なまって)しまいましたわ!
異形なる者(技):…主の命(めい)とあらば止むを得まい。
0:「地に降り注いだ、三つの脅威達が混沌を生まんとしていた。」
0:グランディア大陸・王都ルミレル
0:「人と様々な種族が共存する、王都ルミレル。此処には特殊な運命を背負った若者がいた。」
ルべド:ふぅ…今回の依頼は骨が折れたな……!?あ、いっけねぇ!サレナに呼ばれてたんだった…急がないとな!!
サレナ:……遅いわね!!ルべドのやつ、今日が「大事な日」だって忘れているのかしら?(怒
)
サレナ:……後でデラックスパフェを奢らせてやるわ!
0:疾風の如く、向かってくる中性的な顔立ちの青年。
ルべド:はぁはぁ……はぁ……!サレナ~!遅くなってご…
サレナ:…おーりゃああ!!(正拳突きを喰らわす)
ルべド:ぐぉはぁ?!
サレナ:ふん…ざまぁみろぉ!ばーか!
ルべド:いでぇな!いきなり殴る事ないだろ!
サレナ:あんたが遅れたのが悪いんでしょ!今何時だと思ってんのよ?二時間も待ったのよ!
ルべド:悪かったって、、悪気は無いんだ!今回受けた依頼が思いの外、苦戦して……
サレナ:言い訳はたくさん!!罰として、ここから南西にある、ジューシーパラダイスって言うお店でデラックスパフェを奢りなさい!
ルべド:え…サレナ……討伐の報酬金をパフェに変える気かよ!?あ、あんまりだ……
サレナ:うるさい!!もう一発喰らいたいの?
ルべド:…くぅぅ……
サレナ:ほら、急ぐわよ!
0:苦悶の表情を浮かべた青年はトボトボ歩き出す。
0:ジューシーパラダイス店内。
店主:こんな夜分遅くにお客さん?!いらっしゃいませ~!
サレナ:お兄さん!このお店で一番大きいパフェを持ってきて!
店主:ぇえ?!今からですかぁ?…もう後、30分で店終いなんですが…
サレナ:そこを何とか!ねぇ?!(メリケンサックを握る)
店主:め、メリケン…!?ひぃい!……は……はい!今すぐお作り致します!!
0:額から滝のような汗を流し、厨房へ向かう店主。
ルベド:おい、サレナ!流石に物欲が過ぎないか!?
サレナ:あぁん?!何か文句ある?
ルベド:文句とかじゃなくて…お前のやってる事はどこからどう見ても脅迫だぞ!
サレナ:ふん…!元を正せば、あんたが遅れたのが原因でしょうが!
ルベド:ぅぐ…何も言い返せない自分が憎い……
0:七種類の果物で色づけし、何層にも連なった、モンスター(巨大)パフェを荷台に乗せ、店主が申し訳なさそうにテーブルへ運ぶ。
店主:た、大変長らくお待たせしました!(これ喰ったらとっとと帰れよ……)
ルべド:ぎょえ!?で、デカっ!…店主さん、おいくらですか…?
店主:そうですね、、特別に10000キンスにマケときますよ~?
ルべド:え?10000キンス?!俺の全財産が……はい……(渋々、お金を出す)
店主:毎度ありぃ!!
サレナ:きゃはぁあ!!(目をギラギラ輝かせる)
ルべド:え!?サレナ、まさかこれ全部一人で喰う気か?!
サレナ:う~ん、さすがにこの量は一人で食べ切れないわね…
店主:それでは…ご、ごゆっくりどうぞ~!(クク……下剤がたっぷり入ってるとも知らずに。)
ルべド:店主さん、サレナのわがままを訊いて頂き、有難うございます!
店主:は、はい!?……お、お気に為さらず♪(良いからはよ、喰えや!)
0:自分の身の丈程ある、モンスターパフェを前に二人は長考している。
サレナ:ルべド~!!手伝ってくれるわよね??
ルべド:はぁ……やっぱりそういう話になるよなぁ……
サレナ:当然でしょ!あたしが三分の一を食べるから、残りは頼むわね♪
ルべド:いやいやいや、正気か?!喰える訳ないだろ!!
サレナ:んう?あむ…あむ…あむ……あむ……むにゃか言ったぁ?……あむ……あむ……(巨大なパフェを喰らう)
ルべド:喰うか、喋るかどっちかにしろって……
0:数時間後、サレナの顔色に変化が。
サレナ:あむ……あむ……うっ……お腹いたぁ……ルベドー助け……
ルべド:サレナ?おい、どうした?!顔色が悪いけど、大丈夫か!?馬鹿が……喰いすぎなんだよ……。
店主:ぎゃはははは~♪いい気味だ♪
0:ルベドはサレナをトイレまで連れて行く。
サレナ:……いたたぁ……お腹が……締め付けられるように痛い……
ルべド:はぁ…やれやれ…自分自身のキャパシティーを考えてから喰えよな……
0:ルベドは単身席に戻り、不意に窓から外の景色を見ると…空が異様に真っ赤に染まっていた。
ルべド:ん?空が妙に赤いな。…!あの、光る物体は何だ!?
0:割れた空の裂け目から、高速で動く物体が無数に出現し、空を舞っている。
ルベド:……!?段々とこっちに近付いて……!?はっ!サレナに伝えなきゃ!!
0:一方、サレナは波を越えたのか落ち着きを取り戻りしていた。
サレナ:……ふぅぅぅ……死ぬかと思った……
ルベド:サレナー!!(勢いよくトイレの扉を開ける)
サレナ:え……?!る、る、る、ルベド!?
……な、何してんのよ!!……はぁーあっ!!(回し蹴り)
ルベド:……ぐぉふぁ!?
0:痴態を晒した哀れな女性の回し蹴りがルベドの顎に直撃。
ルべド:……な、なんでだ……ガクッ
サレナ:……ふん!
サレナ:…?外が騒がしいわね。まさか、
ルベドのヤツはそれをあたしに伝えに……!?
店主:ひぃぃ!に、逃げないとっ!
0:店主が外に出ようと扉を開けた刹那、肉体は跡形もなく吹き飛んだ。
サレナ:ぁ……そ、そんな……惨(むご)い……
ルべド:ぅうん……!?
0:トイレで気絶していたルベドが目を覚ました。
サレナ:ルベド……あたし……あたし……ぅうぅう……(涙)
ルべド:サレナ……!(優しく抱擁)
0:その頃、空では異族の戦闘が行われていた。
フェルマー:どうしたのじゃ、グリーヴァよ。出遅れておるぞ?
フェルマー:妾の秘技をとくと見よ!乱(みだれ)・月尖煌(げっせんこう)!
0:翼を背負った凛とした女性が大鎌を振り下ろし、対立している組織の兵達を薙ぎ倒していた。
グリーヴァ:ガッハハ! さすがは光速の堕天使、フェルマー殿!噂に違わぬ実力よ!
0:全身を甲冑の様なもので覆い、両腕にリーチの長い刀を持ち、得意げに一刀両断し、次から次へと撃破していく様は正に鬼神のよう。
グリーヴァ:これ以上、フェルマー殿に遅れを取るわけにはいかぬな!
グリーヴァ:この戦神グリーヴァ、決して地に膝はつかぬ故!立ちはだかる者は斬り捨てるのみ!双刃滅流斬!(そうはめつりゅうざん)
フェルマー:ふっふっふ、相も変わらず力技じゃのう。久し振りの共闘、燃えてくるわ!
グリーヴァ:ガッハハハ!俺も血が滾ってきたぞ!フェルマー殿よ、どちらがより多く殲滅出来るか勝負といこうぞ!
フェルマー:なるほどのう!それは妙案じゃな!言っとくが、手は抜かぬぞ?
グリーヴァ:ふっ、こちらも全力で行かせて貰おう!……ふん!せぇい!うぉりゃー!!
0:再び、堅牢な鬼神が閃光のような速さで飛び回り敵を殲滅していく。
フェルマー:グリーヴァめ、ヤケに張り切りおって……ガス欠になり、失速するのが目に見えておるわ。…そろそろ、妾も行こうかの!はぁぁー!てぇいやあ!
グリーヴァ:ぜぇ…ぜぇ……こいつら無尽蔵に生み出され、キリが無いな!
フェルマー:次から次へと、ぞろぞろとウジ虫のように湧きおってー!
グリーヴァ:む?あの、黒い衣服を着てる奴らは何者だ?!
0:空に浮く鉄の塊から出てきたのは、黒装束を身に纏った謎の三人組だった。
異形なる者(技):不本意だが、我が主の為…葬らせて頂く……!空破衝!(くうはしょう)
0:長髪で黒装束を身に纏った中肉中背の青年は豪華な装飾が施された漆黒の大槍から、目にも止まらない速さで衝撃波を何度も繰り出す。
グリーヴァ:ぐっ……!ぜぇ…ぜぇ…完全に油断したわ!
フェルマー:…!ぐ、グリーヴァが圧されておるじゃと?!
グリーヴァ:ガッハハハ!敵ながら天晴れよ!そのほう、名は何と申す?
異形なる者(技):貴様のような下等な者に名乗る名など、持ち合わせていない…。
異形なる者(技):下らんお喋りは不要…次で終わ…(セリフを被せる)
異形なる者(力):(セリフを被せる)おい、いつまで油を売ってるつもりだ?主がお呼びだ、帰るぞ!
異形なる者(技):鉄の鬼……命拾いしたな。
グリーヴァ:…中々、面白い御仁であった!
0:グリーヴァの窮地を救おうとフェルマーが駆け寄ってくる。
フェルマー:グリーヴァ、大丈夫かの?謎の黒装束の男から受けた傷が深そうじゃが。
グリーヴァ:ガッハハハ!フェルマー殿、心配は御無用だ!ただの掠り傷よ!
フェルマー:ふん、強がりおって!
0:HERO•side
サレナ:ルベド…街が……滅茶苦茶になっちゃった……
ルべド:ギルド商会のソコロフさん…武具屋のターニャおばさんも…道具屋のダレルおじさんも…宿屋のラスティさんも…いつも遊んでくれた翼人(つばさびと)のルールお姉さんも…妖精族のパックルくんも…みんな……みんな、死んでしまった…消えてしまった…。
ルベド:荒廃した大地に置き去りにされた俺とサレナ…これからどう生きていけば……。
ルベド:父さん、母さん!…俺はどうすれば……。
ルベド【N】:10年前、俺の両親は亡者の洞窟で討伐対象であるヌシとの戦闘で邪龍に討ち破れ、帰らない人となった。
0:another story 1 結束。
幼きルベド:お父さん、お母さん!行ってらっしゃあい!気を付けてね。
ミランダ:すぐ帰って来ますからね、良い子にお留守番してるんですよ?
ジョンソン:ルベド、私らが居ない間はお隣のサレナちゃんと遊んでなさい!
幼きルベド:はぁーい♪
ミランダ:ジョンソン、行きましょう!余り時間を掛けては報酬金が下がってしまうわ。
ジョンソン:ギルド商会(ブラッドヴェル)に登録して、24年…ようやく僕等も豊かな暮らしが送れるチャンスが回って来たんだ!…急ごう!
ミランダ:えぇ!私達なら、きっと大丈夫よ!私の魔甲の力と。
ジョンソン:僕の剣技で。
0:ミランダとジョンソンが家を出た後、ルベドはサレナの家に向かう。
0:ルベドが住む家の隣に位置する、草原のような色合いで塗装された家を訪ねる。
幼きルベド:こんにちはぁ〜!
幼きサレナ:はぁーい!今でまぁー…!?だぁれ?ママー!!ママー!!
ミレイユ:はい、はい!今行きますー、近所迷惑になるから、そんなに大きな声を出さないの。
0:二人が出会った事により、運命の歯車は廻り始める。
ミレイユ:どうしたの?サレナ?
幼きサレナ:ママー、この子だぁれ??
ミレイユ:君は…ルベドくんよね?話はジョンソンさんから聞いてるわ。
幼きサレナ:るべど??
幼きルベド:こんにちはぁ!きみがサレナちゃん??よろしくね♪
幼きサレナ:…べー!
ミレイユ:コラ!サレナ、ちゃんと挨拶しなさい!!
幼きサレナ:よ…ろ…し…く…
幼きルベド:うん♪(握手を求める)
幼きサレナ:べー!!(走り去る)
ミレイユ:ごめんなさいね、ルベドくん。普段はこんな子じゃ無いのよ。ルベドくんがあまりにも可愛いから照れてるのよ。ぅふふ♪
0:時間が経つに連れて、二人はぎこちなくも徐々に打ち解けていく。
0:一方、ミランダとジョンソンは洞窟の最奥(さいおう)に着いていた。
0:亡者の洞窟•最奥。
ジョンソン:ミランダ、此処に討伐対象の邪龍(ケイオスドラゴン)がいるらしいが。
ミランダ:ぇえ、油断は禁物ね。…私も魔甲の力を解放しておくわね。
ジョンソン:君の魔甲の力は身体に負荷が掛かるからね…あまり無理はしないでくれよ?
ミランダ:大丈夫よ、ジョンソン!かれこれ、貴方とは10年近くも共に戦ってるのよ?足手纏いにはならないわ!
ジョンソン:分かってる、君の腕は僕も買ってるよ!でも、君は勇敢である前に一人の
じょ…
0:突如、洞窟内に地響きが轟く。
ミランダ:ジョンソン…!
ジョンソン:ああ…ヌシが現れたみたいだ!
邪龍ケイオスドラゴン:ワレノ…フカキ…ネムリヲ…サマタゲルノハ…キサマラカ…サレ……ニンゲン…。
ジョンソン:…僕等の人生が掛かっているんだ!!……ここは退(ひ)け無いッ!
邪龍ケイオスドラゴン:オロカナ…ワイショウナ…ニンゲンヨ…ミヲモッテ…コウカイセヨ…
ミランダ:喰らいなさい!!魔甲(焔)…紅蓮の太刀!燃えろぉお!!
邪龍ケイオスドラゴン:ヌルイワ……ダークパルス!!
ミランダ:きゃぁーー!!!
ジョンソン:ミランダぁー!…よくもミランダをーー!研ぎ澄ませ…剛破烈風斬!(ごうはれっぷうざん)
邪龍ケイオスドラゴン:………グギャァ!
0:瀕死なミランダを抱き寄せる、ジョンソン。
ジョンソン:ミランダ…ごめん…ごめんよ…僕が不甲斐ないばかりに……
ミランダ:はぁ…はぁ…はぁ…ジョン…ソン……私………本当はね……貧しくても……貴方と一緒なら………ゴホッ…ゴホッ…幸せだったの……お金より……貴方とルベドが居れば…充……分……(事切れた)
ジョンソン:み、ミランダ?…そ…そんな嘘だろ?!…僕を置いてかないでくれよ……ミランダ…ミランダぁあああッ!!(絶叫の中に涙)
邪龍ケイオスドラゴン:…フン…キサマモ…ホフッテクレル…
0:生きる希望を失ったジョンソンはミランダの元へ逝く事を決意。
ジョンソン:邪龍よ、お前に喰われて消化されるくらいなら、僕とミランダの思い出が詰まった、このハーフデュランダルで最期を…!!グサッ!……ぐっ!はぁ…はぁ……ミランダ…独りにしな…(事切れた)
邪龍ケイオスドラゴン:フン…ニンゲントハ…アワレナイキモノヨ…
0:二人の死はギルド商会に知られ、いつしかミレイユの耳にも入る。
ミレイユ:ジョンソンさん…ミランダさん…お悔やみ申し上げます…どうか安らかに。
幼きルベド:ミレイユおばさん、お父さんは?お母さんは?いつになったら帰ってくるの??
ミレイユ:ルベドくん……(抱擁)
幼きサレナ:ママー!わたしにもギュッして!
幼きルベド:お、おばさん!?く、苦しいよーー!!
ミレイユ:ルベドくん…ごめんなさい…ぅう…(涙)
幼きサレナ:ぶぅー!ぶぅー!ルベドばっかりずるぃ〜!!
幼きルベド:おばさん、お父さんとお母さんはもう帰って来ないんだね…
ミレイユ:ルベドくん、落ちついたらあなたに渡したい物があるの。
幼きルベド:…??
幼きサレナ:なんの話ーー??
0:3日後、ミレイユは食料調達の為、黒曜山に珊瑚ダケを取りに行ったが…道中で瘴気にあてられ、帰らぬ人となった。
幼きサレナ:ルベド…ママが…ママが…ぐす…ぐす…ぅぇぇんー!(涙)
幼きルベド:サレナ…ぼくが君を一生守るよ!(寄り添い合う)
0:その後、ルベドとサレナはブラッドヴェルのソコロフというギルド長の元に預けられた。
0:すっかり成長を遂げた、ルベドとサレナ。
0:ルベド16歳 サレナ18歳。
サレナ:ルベドー!まーた、失敗したの
ね?
ルベド:サレナ〜戦闘は俺に向かないって!父さんや、母さんのようにはいかないんだよ…
サレナ:だっらしないわねぇー!シャキッとしなさいよ〜!親の形見である、魔甲と剣が泣いてるわよ!
ルベド:はぁ……装備は整ってても、本人の素質が無けれ…
サレナ:ぅおりゃ!!(アッパーカットを見舞う)
ルベド:…ぐふぉ!
0:回想 形見。
ミレイユ:ルベドくん、待っていたわ!さぁ、そこの赤い宝箱を開けてみて!
幼きルベド:うん!
0:宝箱を開けると、魔甲と刀身が真紅に染まった上等な剣が出てきた。
幼きルベド:ミレイユおばさん、これなぁに??
ミレイユ:これはね、ルベドくんのお母さんとお父さんの形見よ。貴方の物よ。持っていきなさい!
0:物珍しそうに眺める、ルベド。
幼きルベド:……うーん??
ミレイユ:魔甲はね、こうやって腕に通して装着すると、術を操れるようになるの。使用してる時は体力を奪われちゃうみたいだから使い過ぎは危険よ?
ミレイユ:この剣はハーフデュランダルって言ってね。貴方のお母さんがお父さんにプレゼントした、と〜っても大切な物なのよ。
ミレイユ:己の運命に打ち勝ちなさい!ルベドくんなら、きっと出来るわ!…サレナの事を宜しくね♪
幼きルベド:んーー??よくわかんないけど、わかったぁ!おばさん、ありがとー♪
ミレイユ:ふふふ♪
0:現代。
ルベド:【N】10年前、ミレイユおばさんが俺に投げ掛けてくれた言葉の意味…今ようやく理解が出来た気がするよ。
ルベド:【N】サレナは俺が守る!俺は逃げない!運命という荒波に打ち勝ってやるッ!
0:泣き崩れてる、サレナに寄り添う。
サレナ:ルベド…ぅうう……(涙)
ルベド:サレナ、行こう!俺が君を守る!!
幼きルベド:ぼくが君を一生守るよ!
0:幼き誓いが甦る。
サレナ:……はっ!…ルベド……!ちゅ(接吻)
ルベド:さ、サレナ?!
0:お互い暫くの間、頬を赤らめる。
サレナ:ほ、ほらぁ!早く行くわよ!!
ルベド:やれやれ…へいへい〜!
0:絆を結んだ若き男女が過酷な運命に抗おうと歩みを進めた。
0:荒れ果てた大地をひたすら進む二人。
ルベド:はぁ…はぁ……おい、サレナぁ!いくら歩いても、景色が全く変わらないんだが?
サレナ:当たり前でしょ!何もかも吹き飛んで無くなってしまったんだから。
ルベド:それは分かってるんだけど、これじゃ途方もないって言うか…ぐぅう…腹も減ってきたし…
サレナ:うっさいわねぇー!急な腹痛でパフェを全部流しちゃったせいで、あたしもお腹空いてんのよ!!…?誰かしら、あそこにいるの…?
ルベド:ん?サレナー?急に立ち止まって、どうしたんだ?
サレナ:しっ!右上の丘に誰かいるのよ。(小声)
ルベド:右上の丘?メドゥーサの丘の事かな?全身を石に変えてしまうモンスターが眠っているって言われてる。(小声)
サレナ:何をしているのかしら?もうちょっと近付いて…
ルベド:ダメだって、そんなに接近したら見つかってしま……あ……
0:ギョロりと何かに睨みつけられる。
サレナ:どうしよう…完全に見られた!
ルベド:はぁ……ほら、手を掴め!逃げるぞっ!
0:全速力で駆け出す!
サレナ:はぁ…はぁ…はぁ…はぁはぁ…!もうダメぇ…動けない……!
ルベド:はぁ…はぁ…はぁはぁ…!おい、座るな!しっかりしろって!
0:背後に気配を感じる。
ルベド:なんだ…この感じ!?サレナ!大丈夫か?
サレナ:ルベド、あたしは大丈夫…って!?
0:サレナが振り向いた瞬間、鋼鉄の鎧にその身を包み、両腕に盾を持った人物が仁王立ちしていた。
ニグレド:君達は何者だい?
ルベド:…(おかしい、さっきの違和感が消えている。あれは何だったんだ!?)
サレナ:あんたこそ、誰よ?(メリケンを握る)
ルベド:サレナ、身構え無くても大丈夫だ。その人は悪い人じゃなさそうだぞ!
サレナ:そ、そうなの??
ニグレド:あはは、愉快な人達だね。僕はニグレド、訳あってこの世界に降り立った異族さ!
ルベド:降り立った異族?ニグレドは別の星から来たって事?
サレナ:何よそれ、意味がわからないわ…
ニグレド:僕は異界から来たんだよ!
0:突飛な発言に驚きを隠せない二人。
ルベド&サレナ:えぇ?!
ニグレド:あはは、本当に仲が良いんだね♪詳しい話は星の方舟(はこぶね)に着いてから話すよ!
ルベド:星の方舟??
サレナ:道中にその星の方舟だけでも、教えて欲しいわね。色々な事がいっきに頭に入って来て気がおかしくなりそうよ…
ニグレド:あはは、星の方舟はね、宇宙間を移動出来る便利な乗り物なんだ。
ニグレド:勿論、宇宙だけじゃない。このグランディア大陸でも移動出来るよ。
ルベド:それじゃあ、何で歩いてんの?移動可能なら、星の方舟に乗った方が早いんじゃないのか?
サレナ:ルベド、あんたと珍しく意見が合いそうだわ!
ニグレド:それには深い訳があるって言うか…エンジンタンクの残量が切れてしまったと言うか…
ルベド:いやいや、答え言ってるじゃん!
ニグレド:あはは!
サレナ:つまりはそのエンジンタンクとかいうのを直さなきゃどうにもならない訳ね。
ニグレド:ご明察。荒廃した大地にそんな物がある訳は無いと諦めかけた時の事なんだけど…
ルベド:どうにかなりそうなのか?
サレナ:ニグレド、焦らさないで早く言いなさいよ!
ニグレド:えっとね。先程、メドゥーサの丘で人型アンドロイドを見つけたんだよ。
ルベド:人型アンドロイド?(まさか、あの変な感じはそいつから感じたものなのか…?)
サレナ:はぁ……意味分からなすぎて、段々と頭が痛くなってきたわ…
ニグレド:サレナ、顔色が優れないみたいだけど…大丈夫?
サレナ:だ、誰のせいよ!!
ルベド:サレナ、落ち着け!取り敢えず、その人型アンドロイドというのを探そう!
ニグレド:ありがとう!…その様子だと、君達はN4922X(人型アンドロイド)から逃げて来たのかい?
ルベド:え、ニグレド?何故、分かったんだ??
ニグレド:あー…言い忘れてたけど僕は他人の心の中が読めてしまうんだ。
サレナ&ルベド:ぇえ!?
ニグレド:あはは!また、息ピッタリだね♪まぁ、その話も追々話すよ!さぁ、メドゥーサの丘に戻ろう!
ルベド:そもそも、何でニグレドはメドゥーサの丘に向かわなかったんだ?
サレナ:確かにそうね、あんた一人でその頑丈そうな盾でN492?とやらを殴り倒せたんじゃないの?
ニグレド:N4922Xだよ。うーん、この盾って見るからに強そうでしょ?でもね、僕小心者で足がガクガク震えて…動けなくなっちゃうんだよね…あはは…
ルベド:おいおい…その盾はお飾りかって!
サレナ:はぁ……まったく…だらしない男しかいないわね…
ルベド:サレナー?!何で俺を睨んで言うんだ?!
サレナ:さぁ、何でしょうね?
ニグレド:二人とも〜!着いたみたいだよ!
ルベド:お、まだいるな!あいつか、よし魔甲を装着して早速…
サレナ:はぁあー!三連脚!(さんれんきゃく)
ルベド:ぐはっ!
ニグレド:賑やかだね。
ルベド:おい!サレナ、いきなり何すんだよ?!
サレナ:あんたは筋金入りの馬鹿なの!?ただでさえ、歩き疲れて体力が奪われてるって言うのに…体力を代償にする魔甲なんて使ったら、本当に死ぬわよ?
ルベド:ごめん、サレナ…俺考えなしで…
サレナ:ふん…あたしが倒してきてあげる!2人はそこで指咥えて観戦でもしてなさい!
ニグレド:え、1人で大丈夫かな…?
ルベド:ニグレド、サレナなら大丈夫だよ!武道の達人だから!
ニグレド:え…達人?!
0:サレナは単身、N4922Xに近付く。
N4922X:ウィーン…ガチャン…(索敵中)
サレナ:はぁーーあ、虎砲!(こほう)吹っ飛べぇえええーー!!!
N4922X:ガチャン…ガチャン…攻撃モード実行…
0:武道を極めた女は容赦なく猛攻する。
サレナ:おりゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃあー!無限•武荒拳!!(むげんぶこうけん)
0:何度も何度も荒々しい拳を叩き込む。
N4922X:システムエラー発生…システムエラー発生……(機能停止)
サレナ:ふぅ…空腹での戦闘はやはり堪えるわね……ん?背中にある、ひし形のコレが…エンジンタンクとやらかしら?恐らく、これね…ふんっ!(N4922Xから取り外した。)
0:2人と合流する。
サレナ:ニグレド、ルベドー!終わったわ!…ほらっ!タンクとやらも手に入れたわよ!(エネルギータンクをニグレドに渡す)
ニグレド:うんうん、これで問題ないと思う!ありがとう、サレナ!
ルベド:仕事が早いな〜サレナ!
サレナ:ふふん、誰かさんと違って手際が良いからねー♪
ルベド:くっ…悔しいが事実だ…
ニグレド:あはは♪…さぁ、改めて。星の方舟はこっちだよ〜!着いて来て!
0:この先、彼等に待つのは幸か、不幸か。運命の歯車は再び、動きだす。
0:Enemy•side。
0:異空間。
異形なる者(力)主、只今戻りました!
異形なる者(知)同じく、戻りましたわ。
異形なる者(技)…帰還しました…。
???:揃ったか、まずはジェネから報告を上げよ!
異形なる者(知)はいな、わたくしは地上の原理と動植物等を重点的に調べてきましたわ!
???:ふむ、我に有益ある情報か?
異形なる者(知)先ず、地上の原理から申し上げますわ!地上には歴史という概念があり、人はあらゆる生命体と共存をしているとの事。
???:あらゆる生命体とは何だ?具体的に申してみよ。
異形なる者(知)はいな、わたくし達が住む、異界とは異なり、食事をするのも、遊ぶのも、戦うのも時間というものに縛られて、限られた時の中で行われているというのです。あらゆる生命体については人間、翼人、妖精、鬼等の知的生命体がいる模様ですわ!
???:ふむ、その中で利用出来そうなものはあったか?
異形なる者(知)人間は心が移ろいやすい生き物と言う話…わたくしめに良い考えが御座います!
???:良い考えとはなんだ?
異形なる者(知)地上にいる、人間の心を奪い、無機質な殺戮兵器に変え、主に献上(けんじょう)しましょう!
???:ほう?ジェスよ、良い手土産を期待しておるぞ。
異形なる者(知)はいな、それでは行って参りますわ!
???:うむ。
???:続いて、ヴァシュロン!報告を上げよ…
0:双星の武人。
グリーヴァ:フェルマー殿、先の戦、お見事だったぞ!
フェルマー:ほっほっほ、お主も中々いい動きであった!
グリーヴァ:ガッハハハ!……時にフェルマー殿、空の裂け目(GATE)についてはどうお考えか?
フェルマー:うむ、恐らくじゃが…古(いにしえ)の創造神の封印が解かれたのだろうな。
グリーヴァ:創造神だと…?!何の為に、封印を?
フェルマー:わからぬ…これは妾の憶測じゃが、何者かが意図的に解放したとしか思えんのじゃ!
グリーヴァ:ふむ、黒い衣服を見に纏った、あの者達が関与している可能性は?
フェルマー:うむ、あの者達が解いた可能性は大いにあるのー。
グリーヴァ:……
フェルマー:む…??グリーヴァ?急に虚空なんぞ見上げてどうしたのじゃ?
グリーヴァ:フェルマー殿よ、約束は守れそうに無いかも知れぬ!
フェルマー:約束?あー…あの日のか。
0:another story2 共同戦線。
0:王號暦199年、異なる星同士の抗争は絶えなかった。その戦火は瞬く間に拡がり、後に異族戦争と呼ばれるものとなった。
0:翼人の住む星、エンジェラース。
フェルマー:おのれぇ!!鬼どもめ…我が国の物資を妾が不在なのをいいことに奪いおって!鬼は一匹残らず根絶やしにしてくれよう!
フェルマー:皆の者!奪われた物資を奪還し、鬼の住む星など捻り潰してしまうのじゃ!
翼人兵:ぅおおお!!!
0:鬼の住まう都、豪鬼城。
グリーヴァ:命が惜しくなければ、かかって来い!この戦神グリーヴァ、どこにも臆しはせん!
グリーヴァ:翼の生えた、小うるさい亜人共に鉄槌を!奴等の構える、珍妙な城を斬り落とせぇえ!!
グリーヴァ:今こそ、武功を上げる時ぃ!!闘う意思がある者は武器を持てぇいい!!
鬼兵:やるぞぉおお!!!
0:両者は人里離れた戦場へと駆ける。
0:グリーヴァ率いる、鬼兵58000人
0:フェルマー率いる、翼人兵48000人
0:僅か、フェルマー陣営は劣勢。
フェルマー:くぅ、妾の兵達が圧されておるのー。このままでは無駄に兵を散らすだけよ…何か策はないかー?
0:グリーヴァ陣営。
グリーヴァ:ガッハハハ!皆の衆よ!このまま、突き進めぇい!!俺らの勝ちは既に約束されたものよ!!
鬼兵:グリーヴァ様!何やら、奴等の動きが不穏です。
グリーヴァ:む?なんだと?何事だ?!
鬼兵:数こそは減らせましたが…先程から妙な妖術を使ってくるのですが…
グリーヴァ:妖術だと?そのような情報は俺の耳に入っていなかったぞ?……急ぎ、調べよ!
鬼兵:はっ!
0:フェルマーの陣営に妙な影。
フェルマー:お主は、一体全体どこから現れたのじゃ?!
???(技):お困りのご様子、力を授けよう!
フェルマー:力じゃと??……!妾の兵らが妙な術を使って?!
???(主):どうだ?我らの力は!素晴らしいだろ?
フェルマー:お主らは何者じゃっ?味方か、それとも敵か…どっちなのじゃ?!
???(知):うふふ、あたしらは異界から来た住人と言ったら理解出来るかしら?
フェルマー:異界?!どこじゃ、そこは!何故、妾達に与してくれるのじゃ?
???(技):それは秘密だ…!…遠くない未来GATEが開く!
???(力):楽しみにしておけ。ふっははは!
フェルマー:ま、待つんじゃーー!
フェルマー:GATE?異界?何の事じゃ…?
0:その後、フェルマーはグリーヴァ陣営に白旗を上げ、和平の為に使者を送った。
鬼兵:失礼します!グリーヴァ様、フェルマーが和平を結んで欲しいとの事。
グリーヴァ:何?!フェルマーめ、考えが読めぬ。俺らに恐れをなしたと言う訳か?
鬼兵:グリーヴァ様!!使いの者がお見えになっておられますが、如何されましょう?
グリーヴァ:うーむ…フェルマーの意図は分からぬが、罠と言う事も無さそうだ。…構わぬ、通せ!
鬼兵:はっ!
翼人兵:失礼、グリーヴァ殿に書状を渡すよう参った。
0:未知なる力の正体、異界、GATE、和平について事細かく書かれている。
グリーヴァ:ふむふむ、なるほど!詰まる所、先程の妖術はその異界から来た未知なる生命体の仕業と言う訳だな。
グリーヴァ:良かろう!!来るべき敵の襲来に備えて、和平を結び、共闘しようぞ!!フェルマー殿。
グリーヴァ:然し、物資の配分を二倍と言う条件は絶対だ!そこは是が非でも、呑んで貰おう!!
0:斯くして、異族戦争は終わりの鐘を告げた。
0:和平を結んだ後。宴を行う、両武神。
グリーヴァ:フェルマー殿よ!今宵は呑み明かそう!!宴だ!!
フェルマー:うむ、グリーヴァよ。約束(共闘)の件、くれぐれも反故にはしないようにのー!
グリーヴァ:愚問だ!俺は世界一、義理堅い男だぞ、フェルマー殿よ!ガッハハハ!!
フェルマー:グリーヴァよ、呑みすぎじゃ!!
0:現代。
グリーヴァ:……すまぬ、フェルマー殿よ。次に相見える時はお互い刄を交える事になるかも知れぬ故!
フェルマー:グリーヴァ…この件を反故にすると言うのなら妾は全力でお主を止めるぞ!
グリーヴァ:……さらばっ!永遠の好敵手よ。
フェルマー:グリーヴァ……何故じゃ!理解に苦しむ…。
0:HERO•side。
ニグレド:ルベド、サレナ!ここから北の方角に進むと、メイガス海岸が見えてくるはずだ!…先ずはそこを目指そう!
0:メイガス海岸を目指す。
サレナ:え…まだ歩くの!?…ルベド〜!
ルベド:何だよそのニヤケ面は!まさか、背中を貸せとか言わないよな?サレナ。
サレナ:ふふん♪(悪戯な笑み)
ニグレド:あはは、微笑ましいな♪
ルベド:ニグレド、見てないで助けろよ!!
ニグレド:ルベド、他人の恋路を邪魔したら、神獣オメガペガサスに蹴られて死んでしまうからね。
ルベド:恋路だと!?……ニグレド、何か勘違いしてないか?
サレナ:こ、こ、恋?!ニグレド、あたしとルベドは…そ、そう言う、な、仲じゃないわよ!!
ニグレド:あはは、二人とも本当に分かりやすい反応だね♪
サレナ:と、と…兎に角!あたしを担ぎなさい、ルベド!
ルベド:断る!!
サレナ:何でよ!か弱い女の子の頼みが聞けなないっての??
ルベド:か弱いって…どの口がほざいてんだよ…(ボソッと)
サレナ:ルベド、何か言った…?
ルベド:え、空耳じゃないか?
ニグレド:あはは♪二人のやり取りは永遠に見てても飽きないなあ。
ルベド:はあ?!ニグレド、目が腐ってるのか…。
ニグレド:ルベド、視力に関しては自信あるよ?
ルベド:言ってろ。
ニグレド:あはは、そろそろメイガス海岸に着くよ!
0:エメラルドブルーの綺麗な海。
サレナ:はぁ…はぁ…足が棒になりそう……。
ルベド:やれやれ…。
ニグレド:不穏な気配…!…二人とも気を付けて!奥に何かがいるみたいだよ!
ルベド:冒険にアクシデントは付きものってな!
サレナ:って!…感心してる場合じゃないわよ!…戦闘開始よ!
ニグレド:ジャイアントゲレル!二人とも、コイツの毒に気を付けて!!
0:植物とゼリーを足したような海の魔物が襲いかかってきた。
ジャイアントゲレル:ドゥラァ!!(触手を伸ばす)
ニグレド:ルベド、危ないっ!!
0:咄嗟にルベドを庇う。
ルベド:え?!……ニグレド、助かった!
ニグレド:くっ…
ジャイアントゲレル:ギシャアアーー!!(溶解液を撒き散らす)
サレナ:ヴェエ…気持ち悪い魔物ね!
サレナ:喰らいなさい!…千光弾!(せんこうだん)あたしのありったけの気の弾をその身に受けろぉお!!!
0:サレナの手から千に及ぶ、気弾を放つ。
ニグレド:流石、サレナだね!凄いや♪
ルベド:俺も負けてられないな!
ジャイアントゲレル:グゥアアア!!(効いている)
ルベド:よし、このまま畳み掛ける!…父さん、俺に力を貸してくれ!(ハーフデュランダルを構える)
ルベド:はぁあー!……とりゃあっ!!(素早く斬り込む)
ニグレド:ルベドもやるなぁ!これなら、倒せて…
サレナ:まだよ、まだ息があるみたいだわ!
ジャイアントゲレル:ギャアー!!!(激怒している様子)
0:気味の悪い生き物は口から何かを吐き出す雰囲気だ。
ニグレド:…!これは…毒!?る、ルベド!いけない、避けて!!
ルベド:ニグレド?!いや、もう面倒くさいからこのまま突っ込んでトドメを刺すっ!
ルベド:はぁーあ!……せぇぃいいい!!(その場で飛び上がり、頭目掛けてブッ刺す)
ジャイアントゲレル:ブォエエェ!!(毒の混ざった胃液を吐く)
サレナ:ルベドー!!
ルベド:あ?うるせぇ奴等だな!だから、もう倒して……うわぁああー!?な、な、なんだこれは!?…ヌメヌメして気持ち悪い……。
ルベド:ぐっ…力…が入らな…い…
0:毒の霧を喰らって瀕死状態のルベド。
ニグレド:ルベドー!!大丈夫かい?
ルベド:はぁ…はぁ…ニグ…レ…ド、これが…だ…いじょうぶ…そ……に…見えるか?
サレナ:ルベド、あんた……本当に単細胞ね!
ルベド:サ…レ…ナ……お前…俺…がダ…ウン…して……る事を……良い…ことに…好き勝……手…言いやが…(気絶)
サレナ:え?!る、ルベド!しっかりしなさいよ!まだ、死ぬには早いでしょ!!
ニグレド:サレナ、大丈夫だよ。気絶してるだけだから。
サレナ:そうなの?ニグレド。
ルベド:……
ニグレド:うん、それに治癒術の心得は多少ならあるよ!気休め程度にしかならないと思うけど。
サレナ:…!何でもいいわ、お願い!ニグレド。
ニグレド:任せて。…サレナ!僕が詠唱してる間、ゲレルを食い止めて欲しい!
サレナ:ええ、一歩も近付けさせないわ!
ジャイアントゲレル:グワァア!!
サレナ:さぁ、ヘドロ野郎、覚悟しなさいっ!
ニグレド:神盾(しんじゅん)イージスよ!アテナの加護を彼の者に与え給え!!はぁあ〜聖女の讃美歌(さんびか)
0:大いなる盾から聖なる光を放ち、対象を包み込む。
ルベド:……ぅうん?!
ニグレド:ルベド、よく眠れたかい?
ルベド:いや、夢心地とはいかなかったな。
ニグレド:あはは!さぁ、体勢を整えよう!
ルベド:ああ!……サレナは??
ニグレド:見てご覧、奥で奮闘中だよ!
ルベド:…っ!
サレナ:これはぁ、ルベドの分よっ!!鳳凰天武脚!!(ほうおうてんぶきょく)うぉおーー黒焦げになれぇえええ!!
ジャイアントゲレル:!……グガァアアアア!!
0:不死鳥の如く、宙に舞い上がり、熱を帯びた高速な蹴りをゼリー状の化け物に見舞う。
サレナ:はぁ…はぁ…やった……わ…
ルベド:サレナー!よっと…(よろめいたサレナを抱き抱える)
ニグレド:ふぅ…一件落着だね!体力も限界みたいだし、小休憩を挟もうか?ルベド。
ルベド:そうだな。ニグレド。
サレナ:ルベド…良かった…生きてて…(気絶)
ルベド:サレナ…馬鹿やろー、無茶しやがって!
サレナ:…
0:海岸のヌシを見事、撃退した。連続技を使用し、疲労困憊のサレナを案じ、休息を取る。
ニグレド:この先の古小屋で身体を休ませよう。
ルベド:結局、サレナを担ぐ事になるとはな。
サレナ:…
ニグレド:はは、まぁ仕方がないね!…目的地まで然程の距離でも無いし、急ごう!サレナの容態が気になる。
ルベド:くそぅ…俺も病み上がりだっての!!
0:ルベドはサレナを背に乗せる。
0:Enemy•side。
0:異空間・天主の間。
???:ヴァシュロン、報告はどうした?
異形なる者(技)申し訳ありません…!私はGATEに近付く不届き者を排除して回っていましたが…妙な鎧を身にまとった鬼の男と対峙しました…!
???:ほう、鎧の鬼とな?
異形なる者(技)はい…その者は両腕に刀を持ちその猛威を奮っていました。闘う姿はまるで…地上の伝承に伝わる、武神の様で…
???:両手に刀、武神……?もしや、グリーヴァと言う者か?
異形なる者(技)主は既にご存知でしたか…!恐らく、その者で間違い無いかと…。
???:フッフッ!そうか、戦神グリーヴァか!!フフ、フッハハハ!!
異形なる者(技)……
???:ヴァシュロンよ、その者を連れて参れ!…抵抗するようであれば、傷を付けても構わん。
異形なる者(技)ハッ!…主の仰せのままに…
???:ヴァシュロン!既に戦艦グラディエタに乗り込んでいる、ジェスと合流し、急ぎ向かうのだ!
異形なる者(技)ジェスと共にですか…?
???:ヴァシュロンよ、不服な顔をしておるな?
異形なる者(技)いえ…それでは!
???:果たして…我の器となり得る価値があるのか、否か。暫し、この余興を楽しむとしよう!フッハハハ!!
0:主の命により、再び、地上に降りるヴァシュロン。
0:豪鬼城・自室。
グリーヴァ:……フェルマー殿。俺は…俺は…っ!!(壁を殴る)
側近:失礼します!
グリーヴァ:うむ、入るが良い!
側近:グリーヴァ様、お食事の準備が整っております。
グリーヴァ:ああ、今日の飯は何だ?
側近:えっと…ゴブリン焼きに御座います!
グリーヴァ:おお!気が利くではないかっ!
側近:過去、イレス様がグリーヴァ様の大好物はゴブリン焼きと聞き及んでいましたので。
グリーヴァ:イレスか…あいつは今、何処(いずこ)にいるのか…
0:another story 3 鬼姫。
0:異族戦争が勃発する、すこし前の話。
イレス:グリーヴァー、私と闘え!
グリーヴァ:は?トチ狂ったか??イレス。
イレス:私はお前を認めた訳ではない!…たぁー!!
グリーヴァ:……ふんっ!……このまま殺す事は容易いが…お前は殺すには惜しい存在!
イレス:くっ…何故だ!何故、情けをかける!
0:イレスはそっと薙刀を下ろす。
グリーヴァ:イレス、俺の者になれ!
イレス:はぁ?!な、な、何を言ってるんだお前は!
0:突然の事に動揺を隠し切れないイレス。
グリーヴァ:明日、婚儀を執り行おう!
イレス:…強引な奴め…
イレス:……粗末に扱ったら、素っ首打ち落とすからな!
グリーヴァ:ああ、武人に二言は無い!
0:婚儀当日。
イレス:グリーヴァ!大勢の者達が私を凝視してくるのだが。
グリーヴァ:ガッハハハ!イレス、顔が火照っているが照れているのか?
イレス:ば、バカを吐かすな!誰が照れてなど…!(手で顔を覆い隠す)
グリーヴァ:ガッハハハ!
0:儀式の間。
側近:グリーヴァ様、イレス様、おめでとう御座います!
グリーヴァ:うむ、これからはイレス共々、宜しく頼むぞ!
側近:ハッ!!
イレス:……
グリーヴァ:イレス、共に生涯を謳歌しようぞ!
イレス:…はい!
0:婚儀から数ヶ月が過ぎた頃。
イレス:グリーヴァ〜!…グリーヴァは居ないのか?
側近:イレス様、グリーヴァ様は翼人族との戦中で御座います!
イレス:グリーヴァめ…私を置いていくとは不敬な奴だ。
側近:イレス様…お気持ちは察しますが、今は無事を願いましょう!
イレス:ああ、そうだな。グリーヴァはすぐ殺れるタマでは無い。きっと大丈夫だ…きっと。
側近:…
イレス:その方、グリーヴァの好物のゴブリン焼きを用意しておいてくれ!自室の掃除も欠かさずにな。
側近:ハッ!
イレス:グリーヴァ…!(祈る)
0:グリーヴァとフェルマーが和平を結んだ頃。
側近:イレス様ーー!良い報せです!
側近:イレス様ー??入りますよ!
0:イレスの自室に入る。
側近:イレス様の姿がどこにも無い……何処に行かれてしまったのか?!……?これは手紙?
0:中を隈なく探すとイレスの字で書かれた手紙を発見する。
イレス:皆の者、グリーヴァすまん!少々、野暮用が出来てしまった。暫く、離れる。必ず、戻る!
側近:…イレス様…
0:宴を終えたグリーヴァが帰ってくる。
グリーヴァ:イレスぅ、帰ったぞぉん!ヒック…(酔っ払い)
側近:あ、グリーヴァ様!ご無事で何よりです。
グリーヴァ:ぶぅじ?ガッハハハ…zzZ
側近:ふふ、ゆっくりお休み下さい。
0:翌日、側近はグリーヴァにイレスが消えた旨を伝える。
グリーヴァ:おい、イレスが突然居なくなったとはどう言う事だっ!説明しろ!
側近:グリーヴァ様…申し訳ありません!…私が目を離してる隙に居なくなってしまわれて。
グリーヴァ:くそっ!……っ!!(壁を殴る)
グリーヴァ:おい、何をモタモタしてる!すぐに捜し出せ!
側近:ハッ!!
0:現代。
グリーヴァ:捜索したものの、手かがりさえ掴め仕舞いだった…っ!イレス…無事で居ろよ。
0:グリーヴァはある可能性の為、出立する。
グリーヴァ:おい、少し留守にする!
側近:何方に?
グリーヴァ:さぁてな!自分を探す旅にでも出ようと思ってな!
側近:…
グリーヴァ:暫く、頼むぞ!
側近:ハッ!
0:グリーヴァはとある場所に向かう。
0:戦艦グラディエタ・ブリッジ。
異形なる者(技)ジェス…私の邪魔だけはするなよ…。
異形なる者(知)あらぁ?貴方こそ、わたくしの妨害になるような真似はしないで頂戴ね?ヴァシュロン。
異形なる者(技)フン…主の命で仕方がなく、貴様と同行しているだけだ…。
異形なる者(知)うふふ、今だけは協力し合いましょう?
異形なる者(技)っ…。
0:空の裂け目。
フェルマー:グリーヴァ…奴は何をする気なんじゃ?
フェルマー:……?!地上に置かれている、珍妙な機械の物体はなんじゃ?…降りて見るとするかのう。
0:フェルマーは例の黒装束に関連があるのではと思い、星の方舟に向かう。
0:HERO•side。
ニグレド:ルベドー、大丈夫?
ルベド:はぁ…はぁ…大丈夫な訳ないだろ!交代してくれ、ニグレド!
0:疲労と闘うルベド。
ニグレド:ごめん、代わりたいのは山々だけど僕の足じゃ、とてもじゃないが無理だよ。
ルベド:ちっ…使えねぇな!
ニグレド:本当にごめんよ。……あっ!見えてきたよ!
0:ニグレドの指差す位置に古びた茶色い小屋を発見する。
ルベド:はぁ…はぁ…やっとか!…もうこんな事は懲り懲りだ!
ニグレド:あはは…さぁ!このベッドにサレナを寝かせよう。
0:ボロボロのベッドに寝かせる。
ルベド:げほ…げほっ!なあ、こんな汚い場所にサレナを寝かせたら余計に悪化しないか?
ニグレド:大丈夫だよ、身体を酷使し過ぎたせいで一時的に倒れただけだからね。
ルベド:サレナ、迷惑を掛けてすまないな…
サレナ:…
ニグレド:ルベド…
0:疲労が溜まってたのかサレナは三日間、目を覚まさなかった。
サレナ:…んーう!よく寝たぁ〜!!ん…!?…ルベドのやつ、ずっと隣に居てくれたのね…チュッ(頬に口付け)
ニグレド:…今は二人っきりにさせてあげよう。
0:ニグレドは小屋を出る。
ルベド:ぅうん!?…何か俺の頬に柔らかいものが当たって……うわぁ!?さ、サレナ!目覚めたのか!
サレナ:こらぁ、寝坊助!!いつまで寝てるのよ!
ルベド:お前なぁ…人がせっかく……(セリフを奪われる)
サレナ:分かってるわよ!ずっと、傍で見ていてくれたんでしょ?
ルベド:サレナ、お前…知ってて?!
サレナ:ありがとね、ルベド!ちょっぴりだけ見直したぞぉ!
ルベド:ふっ、調子の良いヤツだな!…俺の方こそ、有難うな!サレナ。
サレナ:ええ。
0:小屋の外。
ニグレド:通信機が!?…誰からだろ?
0:ニグレドの通信機がけたたましく鳴り響く。
ローレンス:やぁ、ニグレドくん久しぶりじゃのう!元気にしておるか?
ニグレド:ローレンス様、お久しぶりです!…どのような御用件でしょうか?
ローレンス:うむ、実は君に頼みたい事があってな。
ニグレド:はい?
0:another story 4 老賢者ローレンス。
ローレンス:ニグレドくん、星の方舟はダマスカス海域を抜けた先のグレムリン墓地の地下じゃよ!くれぐれも気を付けて行きなさい!
ニグレド:ローレンスさん、色々と助かりました!盾まで頂いて。
ローレンス:なに、気にする事はない。イージスとアイギスの両盾はきっと、君の事を守ってくれるだろう。
ニグレド:はい、大切にします。…ローレンス様!お元気で。
ローレンス:うむ…あっ!忘れておった!…ほれっ!
0:小型通信機を渡される。
ニグレド:これは通信機ですか?
ローレンス:うむ、何か困った事があればいつでも連絡をして来なさい。
ニグレド:有難う御座います!大賢者ローレンス様。
ローレンス:おいおい、その名は小っ恥ずかしいからやめておくれ!
ニグレド:あはは!…それでは、行ってきます!
ローレンス:うむ、気をつけてな!
0:現代。
通信機から聞こえてきた声はローレンスのものだった。
ローレンス:君とルベドくんは゛鍵゛なんじゃ!次元の裂け目、GATEを封じる為のな。
ニグレド:えっ……ルベドと僕が!?
ローレンス:うむ、ルベドくんは君と同じ異族と人族のハーフなんじゃよ。
ニグレド:はい!?……俄かには信じられません!
ローレンス:驚くのも無理は無いと思うが…事は一刻を争う。早急にヘレティックフェザーに乗り込むんじゃ!
ニグレド:わ、分かりました!
ローレンス:うむ、また何かあればこちらから連絡を入れる、もしくは直接、出向くかも知れん…くれぐれも、頼んだぞ。それではな!
ニグレド:はい!
0:ニグレドは現実を受け止められず、その場で硬直する。
ニグレド:僕とルベドは…GATEを閉じる2つのキー?!
ニグレド:…っ!
ニグレド:僕達はその為に生まれてきた…?!
ニグレド:…
0:Enemy•side。
0:異空間•天主の間。
???:ジーフリード!最後はお前だ。報告を上げよ!
異形なる者(力)へい、賢者ローレンスの存在を語らせて頂きますぜ。
???:ローレンスとな?その名を聞いたのはいつぶりか。まだ、我に器があった頃…
0:another story 5 絶対的な創造神。
???:フッハハハ!我がこの宇宙を統べる絶対神よ!
0:王號暦190年、創造神は確かに存在した。凡ゆる、知的生命体を創り奴隷の様に人類や、異族達に指示を出し意のままに操った。
然し、そんなある日、一人の男が立ち上がった。
若きローレンス:これ以上、神を騙る、邪教徒の好きにはさせない!!
若きローレンス:我が名はローレンス!!未来は皆、平等であるべきだ!
0:王號暦194年、救世主誕生。後に、創造神を封じた英雄として語り継がれた。
0:異界 中心都市 スレイブ。
???:おのれぇ、ローレンスとか言う小童め! 我の計画を悉く、邪魔しおって!
???:こうなれば、あの賢しい小僧を抹殺す…
若きローレンス:へぇー、俺が何だって?邪教徒、今日がお前の命日だぜぇ!
0:英雄は愛銃カオスレイを構える。
???:き、貴様ぁ!?いつの間に…!
若きローレンス:情けねぇー声出してんなよ!みっともねぇ!仮にも創造神を騙ってたんだからよ。
???:フッハハハ!そんな玩具でこの我を倒せるとでも?我の特殊技能はどんな物理攻撃も、術さえも無効化に出来る。
若きローレンス:ふーん?それで?
???:愚かなヤツめ!貴様が幾ら、足掻こうが結果は変わらないと言う訳だ!!
若きローレンス:結果は変わらないか…試してみるか?
0:禍々しい気を放ったカオスレイを邪教徒の額に押し付ける。
???:フッハハハ!所詮はコケ脅しよ。気の済むまで撃つと良い!全て徒労に終わるがな。
若きローレンス:それじゃあ、遠慮なく行かせて貰うぜぇー!…おらぁっ!
若きローレンス:俺の血を啜って改良された、このカオスレイの味をたんと味わえよっ!!
???:…無意味な事を!
若きローレンス:我はファーストキーの末裔!神を偽る、罰当たりに裁きを!!……邪魂封神弾!!(じゃこんふうじんだん)
0:ローレンスが正義の撃鉄を引いた後、棺の様なモノが出現し、見る見るうちに邪教徒が封じ込められていく。
???:ファーストキーの末裔だと…!…ぐぉおー!?き、貴様ぁ!ただの生意気な小童では無かったか…!だが、覚えておけ!!必ず、再び宇宙に混沌を……グォオー!!?(断末魔と共に消える)
若きローレンス:何度甦って来ようが、その度に封じこめるだけだ!
0:斯くして、創造神はこの宇宙から消えた。英雄ローレンスは異族と人族は共に手を取り合って生きるべきだと共存の道を選択したのだった。
0:現代、秘境の里。
ローレンス:未来は託したぞ!ニグレドくん、ルベドくん。
ローレンス:封印の術式は諸刃の剣。儂に残された時間は残り僅か…ゴホッ…ゴホッ!……急げ!急ぐんじゃ、英雄の血を受け継ぐ者達よ!!
0:HERO•side。
0:古小屋。
ルベド:サレナ、そろそろ行くか。
サレナ:ええ、グゥウ…お腹は空いてるけど、体力は回復したわ!
ルベド:ああ、飯は当分先だな、ニグレドの奴何か食い物持ってないかな?
サレナ:だといいけど…?…あれ、そう言えばニグレドは?!
ルベド:んーー外か?取り敢えず、出よう。
サレナ:行きましょう!
ルベド:おーい、ニグレド!……?そんな所で突っ立って何してんだ?
ニグレド:え…?!ああ、いや!何でも無いよ!
サレナ:?
ニグレド:サレナー!もう動けるのかい?
サレナ:ええ、もう大丈夫よ!苦労かけたわね。
ニグレド:とんでもない!礼ならルベドに。
ルベド:そんな事より、何か食い物持ってないか?グゥウ……聞いての通り、腹の虫が治らなくてな。
サレナ:あたしもお腹ペコペコで死にそうよ…グゥウ…
ニグレド:あはは!お腹の鳴る音のタイミングも一緒なんてね。
ルベド:うるせえ。
サレナ:た、たまたまよ!
ニグレド:あはは。それでご飯だったよね?ちょっと待ってて…(リュックを漁る)
ニグレド:確かここに……あった!エネルギシュβ
0:試験管に入った奇妙な液体を取り出した。
ルベド:おい、ニグレド…飯的な物は無いのかよ!
サレナ:何よ…その紫と黒が混ざったような不味そうな液体は!
ニグレド:見た目で判断したら、損するよ?騙されたと思って一口飲んでみて!美味しいから♪
サレナ:ルベド、あんた試しに飲んで見なさいよ!
ルベド:はぁ??何で、俺が毒味するみたいになってんだよ!!
ニグレド:ルベド、大丈夫!僕も飲むから、はい!……ゴクゴクッ!(一気に飲む)
0:ルベドは黒紫色の液体を手に取る。
ルベド:サレナ、もし俺が死んでも亡骸だけは拾ってな…
サレナ:は?何言ってんのよ!良いから、早く飲め!
ルベド:へいへい、……?見た目とは違って良い香りだ…よし!……ゴクゴクッ!ぷはぁー!(飲み干す)
ニグレド:ね、結構美味しいでしょ?ルベド。
サレナ:ルベド、どうなのよ?
ルベド:ああ、普通に美味いわ!香りが良く、フルーティな味わいに後からガツンと来る炭酸がたまらないな!
サレナ:え?めちゃくちゃ好評だけど、そんなに美味しいの??
ニグレド:サレナも良かったらどうぞ!はいっ!(液体の入った試験管をサレナに渡す)
サレナ:…騙したら、あんたらの枕元に化けて出てやる…!……ゴクゴクッ!
ルベド:お〜!疑ってた割には良い飲みっぷりじゃねえか!サレナ。
ニグレド:あはは、どうかな?サレナ。
サレナ:うん、美味しいわ!あたし超が付くほどの甘党だから、これはハマるわね♪ニグレド、疑って悪かったわ!
ルベド:飲み過ぎんなよ〜!サレナ。
ニグレド:いやいや、お気に召した様で良かったよ!まだ50本くらいあるからね。飲みたかったら言ってね……?…え、サレナ?!
サレナ:にひひ♪ニグレド〜もう一本ちょうだい♪
ルベド:はぁ…病気だなこりゃ。
ニグレド:良いけど…あまり飲むと…
サレナ:堅いこと言わない〜ニグレド〜はぁやぁく!!
ニグレド:あは…じゃあ、後一本だけだよ?……はいっ!
ルベド:ニグレド、あんまりサレナを甘やかすなよ!
サレナ:うるさい!ルベド、黙らっしゃい!……ありがと♪ニグレド。……ゴクゴクッ…ゴクゴクッ!(何かに取り憑かれた様に飲む)
サレナ:ぷはぁーー!美味しい〜♪…にひん♪ニグレド〜お•か•わ•り♪
ニグレド:ぇえ!?キリがないよぉー!!
ルベド:やれやれ…。
0:失意のグリーヴァ。
グリーヴァ:イレス…何処だ…イレス!
グリーヴァ:黒い衣服を身に纏っているあいつらなら、何か知ってそうだ…接触する価値はあるな!
グリーヴァ:イレス…必ず見つけるっ!
0:Enemy•side。
0:戦艦グラディエタ•ブリッジ。
異形なる者(知)そろそろ、地上ですわね。
異形なる者(技)ふん…。
異形なる者(知)あらぁ、具合いでも悪いのかしら?
異形なる者(技)吐かせ…貴様に構っている時間など無い…。
異形なる者(知)ぅふふ、まぁ良いでしょう。
0:地上に着く。
異形なる者(知)着きましたわぁー!
異形なる者(技)…。
異形なる者(知)降りますわよ。
異形なる者(技)私に指図するな…。色魔…。
異形なる者(知)うふふ、いつかその醜い口を塞いであげましょう!
異形なる者(技)ふん…。
0:地上を闇雲に歩く。
異形なる者(知)あらぁ?アレは何かしら?近付いて見ましょう。
異形なる者(技)…。
0:近付くと人影。
フェルマー:…!?お主らは何者じゃっ!
異形なる者(技)それはこちらの台詞…。貴様、ここで何をしている…。
異形なる者(知)あらあらぁ、可愛いらしい翼人です事。
フェルマー:お主らには関係の無い事じゃ!道を開けよ!
異形なる者(技)何か隠してる様子…。止むを得まい…!…朧!(おぼろ)
0:大槍から斬撃を放つ。
フェルマー:くぅ…!不意打ちとは卑怯なヤツじゃ!
異形なる者(知)あらあら、貴女弱いわね!…ヴァシュロン、手加減して上げなさい。
異形なる者(技)…私に命令をしていいのは主のみだ…。貴様には従わん…。
フェルマー:ふっふっふっ…仲間割れかのー?…はぁぁー!スキありぃ!!…豪破爆連戟(ごうはばくれんげき)
0:重圧な大鎌を何度も振り下ろす。
異形なる者(技)…っ!
異形なる者(知)あらぁ、マトモに喰らってあげるなんて意外に優しいですわね。
異形なる者(技)茶々を入れるなら、去れ。ジェス。目障りだ…。
異形なる者(知)うふふ、貴方一人じゃ荷が重いかと思い、加勢してあげようかと思いましたが…
異形なる者(技)不要だ…。
異形なる者(知)あら。それならば、わたくしはこの先に行かせて…
グリーヴァ:待たれよ!!黒き女よ。
異形なる者(知)…!
0:突然のグリーヴァの登場に驚愕する、フェルマー。
フェルマー:グリーヴァ?何故、お主がここに!?
グリーヴァ:ガッハハハ、約束を果たしに来たぞ!フェルマー殿。
フェルマー:グリーヴァめ、とんだサプライズじゃ!ふっふっふ!
異形なる者(技)貴様は…いつぞやの、鉄の鬼か…。丁度良い…私も貴様に会いたかった所だ…。
グリーヴァ:話がイマイチ見えないが、碌な用事とは思えぬ!これより先は、刃で交わし合おうぞ!
異形なる者(技)ふん…小物が。後悔するなよ…。
異形なる者(技)私の名は漆黒の大槍(たいそう)ヴァシュロン!参るッ!!
グリーヴァ:この戦神グリーヴァがヴァシュロン殿の首、貰い受けるッ!!
0:異族と鬼との熾烈な戦いの火蓋が切って落とされた。
異形なる者(知)わたくし達も殺り合いましょうか!ウフフ…!
フェルマー:この気は…此奴!只者ではないな。…ならば、妾も全力を出すかのー!
0:異族と翼人の花も恥じらう美女達の闘いのゴングは鳴り響いた。
0:Enemy•side。
0:異空間•天主の間。
異形なる者(力)主、ローレンスを抹殺しましょうか?
???:ジーフリードよ、あんな老耄(おいぼれ)は捨て置け!今更、何も出来まい。
異形なる者(力)それでは、自分は何を?
???:うむ、貴様は待機していろ。
異形なる者(力)ヴァシュロンやジェスの様、自分にも出撃命令を!
???:貴様の狂人化は使い勝手が悪い…野に放っては味方を殺しかねん!今は充分に温存しておけ。
異形なる者(力)…承知!
0:HERO•side。
ニグレド:さぁー、次の目的地はルミナス軍用基地跡だよ!
ルベド:ルミナス軍用基地跡?聞いたこと無いな。サレナは知ってるか?
サレナ:あたしも詳しい事は分からないけど、確か…大昔に戦争の際に使用してた基地とかだったような…?
ニグレド:おお、サレナは意外と博識だね!人族同士が争った、領土、二分計画戦争だね。
ルベド:りょうど…何だ?
ニグレド:あはは、領土、二分化計画戦争と言うのは短絡的に言うと一つの領土を半分にしようって事だよ。
サレナ:ニグレドって…あたしらとそこまで歳が変わらないのにヤケに詳しいわね?
ルベド:何者だよ!
ニグレド:あはは、僕には恩師が居るんだ。その恩師から色々とね!
サレナ:色々ねえ。
ルベド:ま、続きを聞かせてくれよ!
ニグレド:うん、良いけど…ルミナス軍用基地跡に向かいながら、話すよ!因みに此処から南西に進むと見えてくるよ。
ルベド:また、険しい道のりになりそうだな…
サレナ:文句を言わず、足を動かすっ!
ルベド:へいへいー!
ニグレド:あはは、まぁそこにさえ着ければヘレティックフェザーは目と鼻の先だからね。
サレナ:さぁ、行くわよ〜♪
ルベド:サレナ、お前…随分と陽気だな?
ニグレド:あー、恐らく…エネルギシュβを過剰摂取したからじゃあないかな?
ルベド:おい、大丈夫なのかよ?!
サレナ:おーい!ルベド、ニグレド〜何をボサっとしてんのよ!早く行くわよ〜♪
ニグレド:あはは…その内治ると思うよ。
ルベド:その内って、無責任かよ!
0:ルミナス軍用基地跡に向けて出発した。
0:星の方舟前。
フェルマー:グリーヴァ!負けるで無いぞ!
グリーヴァ:ぜぇぜぇ…フェルマー殿!…うぉおー!とぉりぁあ!!…無明燕返し双(むみょうつばめがえしそう)
0:切先を翻し、逆さに斬りつけ後、暗転させ更に全力で斬りつける。
異形なる者(技)甘い…紫炎一閃!(しえんいっせん)
0:禍々しい闇を帯びたカウンター。
グリーヴァ:ぐぅう……!ぜぇぜぇ…この俺が地に膝を付く日が来るとはな…!
異形なる者(技)ふん…次で貴様の命を散らそう…。異技……夢幻残煌槍(むげんざんこうそう)…!永遠(とわ)の夢に喰われろ…!
0:大槍で突かれる様が正に夢幻の如き。
フェルマー:ぐ、グリーヴァーー!
異形なる者(知)あら?余所見とは舐められたものですわね!…魔符!(まふ)
フェルマー:……!?何、この扇子生きておるのか?!
0:ジェスの意のままに操る扇子を投げる。
異形なる者(知)あらあら、外してしまいましたわ…次は確実に仕留めますわよ!
フェルマー:ふぅ……間一髪だったのー!此奴、やりおるわ!
グリーヴァ:ぜぇぜぇ…フェルマー殿…イレス…命半ばで生涯を終える事を…許し…てく…
0:瀕死の戦神。
イレス:グリーヴァ!何を弱気になってるんだ?
0:霞んでいく視界の中に見覚えのある顔と聞き慣れた声が耳に入っていき、涙を流し気が動転する。
グリーヴァ:…イ…レス!?……俺は幻覚を見てる…の…か?……ガッハハハ!とうとう……お迎えが来たか…
イレス:幻覚?こいつは何を言ってるんだ?…て!?おい、しっかりしろ!グリーヴァ、グリーヴァ!!
0:一時的に気絶した、猛き鬼。
グリーヴァ:…
異形なる者(技)ふん…愚か…。
イレス:あんたが何者かは知らないけど私の旦那に手を掛けた事、地獄で後悔しなっ!
異形なる者(技)…貴様は…そこに醜く蹲っている男の、女か…。
イレス:だったら何だって言うのよ。あんたのその澄ました態度が気に食わない!はぁぁー!!(弾丸を仕込んだ鞭を当てる)
異形なる者(技)弾を発射させる鞭か…中々ユニークな武器を使う…。
イレス:…弾神鞭!(だんしんべん)
0:怒り狂った鬼姫は猛攻を繰り出す。
異形なる者(技)ふっ…甘いな…。これは…受け切れるか…?……次元淵竜槍!(じげんえんりゅうそう)
0:異次元を形成させ、その狭間に落とし空間ごと気の竜を帯びた槍が対象を貫く。
イレス:此処は…ど、どこだ?!………ぐはぁ!!
フェルマー:あの勇ましい女性はグリーヴァの
奥さんかの?……凄まじい気迫じゃ!
異形なる者(知)うふふ、感心している場合じゃないです事よ?…隙だらけですわ!…わたくしの可愛い玩具、出てきなさいっ!
0:扇子を二振りした後、鈍色の光と共に現れた魔界の獣。
フェルマー:あ、あれは…なんじゃ?!
魔獣シメール:…フシャアア!!
0:頭は黒龍、尾は不死鳥、胴は白狼の異形な獣が眼前に立ち尽くす。
異形なる者(知)うふふ、わたくしの可愛いペットのシメールちゃん♡その生意気な翼人族の子娘にお仕置きをして上げなさい!
フェルマー:さすがに…万事休すかの…
イレス:はぁ…はぁ…フェルマーとやら、私の旦那と互角に渡り合えたと言うのに…その程度か?…何と情けない事だ。
フェルマー:…っ。
異形なる者(技)ふん…下らん茶番に付き合うつもりは無い…その命刈らせて貰う…。
異形なる者(技)孤月槍…!(こげつそう)
0:月を描く様に突く。
異形なる者(知)うふふ…お涙頂戴はあの世でやって下さる?
魔獣シメール:ゥウウグァ!(襲いかかる)
イレス:くぅっ…!はぁ…はぁ…
0:イレスが咄嗟に身を乗り出しフェルマーを庇う。
異形なる者(知)あらあらぁ?ぅふふ。
異形なる者(技)…ふん。
フェルマー:何故じゃ?!何故、妾を…
イレス:はぁ…はぁ…グリーヴァを…旦那を頼んだ…ぞ……(事切れる)
グリーヴァ:…
異形なる者(技)下らん…。興が冷めた…。ジェス、後は貴様に任せる…。
異形なる者(知)あら、敵前逃亡かしら?
異形なる者(技)ほざけ…。
フェルマー:……お主はジェスと言ったな?イレス殿の無念を晴らそうぞ!…覚悟するのじゃっ!!
異形なる者(知)ぅふふ…威勢だけは一丁前ですわね!…貧弱な貴女にわたくしを倒せるとでも?
フェルマー:はぁあー!……猛襲戟!!(もうしゅうげき)
0:その場で飛躍し、力任せに大鎌を振り下ろす。
異形なる者(知)ぅふふ…シメールちゃん!出番ですわよ!
魔獣シメール:ギャアヴァー!?
0:ジェスは自ら生み出したペットを盾にする。
フェルマー:…なんと卑怯なっ!
異形なる者(知)シメールちゃん♡この世間知らずの子娘に優美な死を♡
魔獣シメール:ゴゴゴ…!
フェルマー:あの構えは何じゃ?!な、何をする気じゃ…?
0:数十分前。
0:HERO•side。
ニグレド:ふぅーー…2人ともー!着いたよ!此処が、ルミナス軍用基地跡だよ!…って!?…険しい顔してどうしたの?
0:何かを訴えるように立ち尽くす、ルベドとサレナ。
ルベド:嫌な予感がする…
サレナ:ルベド…あんたも?!…近くで何か起きて…?
ニグレド:ルベド?サレナ??何を言ってるんだい?
ルベド:ニグレド、お前は何も感じないのか?
ニグレド:え?
サレナ:暢気なものね!…!?ルベド、あれを見て!!
0:サレナは8時の方向を指差す。
ルベド:何だ、あの魔物は!?
ニグレド:魔物?!じょ、冗談きついよ?…この周辺は何も居ない筈…って!?置いて行かないでよー!!
0:ルベド、サレナは違和感を感じた場所へ駆け出す。
ルベド:はぁ…はぁ!サレナ、この先に進んだら、生きて帰れるか保証は出来ない…
サレナ:はぁ…はぁ…!何よ、自分だけ行こうっての?…あんた一人じゃ犬死にするだけよ。
ニグレド:待って、僕も行くよー!!ぜぇ…ぜぇ…!
0:鈍足なニグレドも遅れながらも着いてくる。
ルベド:はぁ…はぁ!言ってくれるじゃねぇか!サレナ。だがなー!此処までの旅を通して分かった事がある。
サレナ:はぁ…はぁ…!ふぅん?何よ?気取っちゃって…
ルベド:はぁ…はぁ!!これ以上…お前のお守りになるのは嫌だって事だ!
サレナ:はぁ…はぁ…!!ふふ、ちょっぴりだけ、成長したみたいね?
ニグレド:ぜぇ…ぜぇ…!!!二人ともーー速いよぉ…ぼ、僕…もう…ぜぇ…ぜぇ……
ルベド:はぁ…はぁはぁ…!!…ちっ…!今に見とけよ!お前が今後、泣きじゃくる姿を楽しみにしておくぜ!サレナ。
サレナ:はぁはぁ…!!…あ、あたしが泣くぅ?あは。…冗談でしょ?せいぜい、叶わない夢でも見ておきなさいよ!
ルベド:上等だっ!……着いたぞ!……違和感の正体はあの奇妙な化け物か。
サレナ:…そのようね!…あれは、鬼?!…翼の生えた生き物?!
ニグレド:ぜぇぜぇ……二人とも、ここに何かあるの?……!?く…黒装束!
0:ルミナス軍用基地跡周辺
魔獣シメール:ゴゴゴッ!!
0:狡猾な獣がエネルギーを溜めた刹那…
フェルマー:(に、人間じゃと?!…味方なのか、敵なの
か?)
異形なる者(知)ぅふふ、多勢に無勢ですわね。
魔獣シメール:ガギャアア!!(憤怒)
0:新たな戦禍に巻き込まれる、ルベド達。
ルベド:こいつは一筋縄じゃいかなそうだぞ、サレナ。
サレナ:なになに、怖気付いたの〜?ルベド。
ルベド:冗談!…やるぞっ!
ニグレド:……
フェルマー:人間達、それ以上近寄るでない!…遊びじゃないのじゃぞ?
ルベド:「」
ルベド:…そんな事は
分かっているっ!…魔甲(旋風)セット!…父さんのハーフデュランダルに母さんの命を注ぎ込む!
ニグレド:ぼ、僕も援護するよっ!
サレナ:ルベドにばかり格好つけられるのは…癪ね!…すーぱーなっこぉ!!
魔獣シメール:…ドラァアァア!!(炎吐く)
異形なる者(知)ぅふふ…坊や達、お遊戯会と勘違いしているのかしら?…シメールちゃん♡…戯れてあげなさい♡
ニグレド:させないよっ!神盾イージス!…彼の者らを守護して!…ギガントアーマー!!
異形なる者(知)あらあら、熱くなってはいけませんよ♡
ルベド:うぉぉぉー!!……疾風兜割!(しっぷうかぶとわり)
0:風を宿した魔甲のチカラで宙を浮きハーフデュランダル持った自身を超降下させる。
魔獣シメール:グォアアアア!
異形なる者(知)あらあら、やりますわね。
サレナ:なガッハハハルベド、いつ間にそんな技を!?
ニグあはは、凄いや!僕の出番は無さそうだね。
ルベド:はぁ……はぁ…有言実行だ!
サレナ:!…怯んでる…?…いっくわよーー!
サレナ:羅刹落としぃぃいい
いい!!!
0:投げながら自身も前方に一回転し、相手の内側に入り地面に叩きつける。
魔獣シメール:ヌギャアァア!?(気絶)
異形なる者(知)豪快ですわねー!シメールちゃん、寝てる場合ではありませんよ?早く起きなさい!!
サレナ:はぁ…はぁ…
ニグレド:二人とも…良く頑張ったね!僕にはこれくらいしか役に立てないけど…!
ニグレド:神盾アイギス、彼の者らに母なる息吹を…女神の一雫!(めがみのひとしずく)
0:大盾から癒しのサークルを発生させる。
ルベド:…疲れが一気に取れた?!…それどころか力が身体中から漲ってくるぜ!
サレナ:とても暖かな光…天使に抱擁されている気分だわ!
ニグレド:後、一息だよ!2人とも頑張ってね!
ルベド:サンキュー、ニグレド!……よっしゃあ!仕上げと行くか〜!サレナ。
サレナ:ニグレド、ナイスよ!……ええ!バシッとやっつけましょう!!ルベド。
異形なる者(知)うふふ…わたくしを怒らせましたね?
フェルマー:(これが人族の結束の力だと言うものかのー?)
フェルマー:人族の若き英傑らよ!…妾も助太刀しようぞ!
フェルマー:はぁあーー、業華葬送!(ごうかそうそう)
0:果ての無い地獄に誘い、スピンを効かせた大鎌で処刑する。
魔獣シメール:クゥゥウン……(戦意消失)
異形なる者(知)おのれ…おのれ…おのれ…おのれぇええ!!!
0:異形な女は激昂し変貌を遂げた。
フェルマー:待つんじゃっ!!ヤツの様子が変じゃぞ?
ニグレド:アレが…異界人の本当の姿…
ニグレド:(僕たちに倒せるのか…?)
0:黒装束を身に纏った異界人の女は淫靡な悪魔に成り変わった。
異形なる者(知)キサマラァ…イキテカエレルトオモウナァ!!
ルベド:おいおい…自らが獣になったと言うのか?!
サレナ:因果応報ね…自身の゛ペット゛を存外に扱ってきた末路だわ。
ニグレド:……
異形なる者(知)ナニヲゴチャゴチャト…イッテイル!アトカタモナク…ケシズミニシテクレルゥ!
異形なる者(知)デッドリーィィサイクロン!!
0:超速の竜巻が対象を襲う。
フェルマー:!…避けるんじゃっ!!
ニグレド:させないっ!神盾イージス、術を跳ね飛ばして!マインドカウンター!
異形なる者(知)グァアアア!?
ルベド:ふぅーー間一髪だったな…助かった!ニグレド。
サレナ:やるじゃない!ニグレド。
ニグレド:えへへ♪
フェルマー:お主達、気を抜くのは早計じゃぞ!……後は妾に任せるがよい!
ルベド:いや、俺達も加勢して…
フェルマー:不要じゃ!此奴は妾に殺せて貰えんかのー?
サレナ:何でそこまで拘るのよ?
ニグレド:ルベド、サレナ、僕達が入れる隙は無さそうだよ。…この翼人族の女性に任せよう!
フェルマー:すまんのう…妾の名はフェルマーじゃ!
ルベド:フェルマー、俺はルベドだ!…無理はするなよ?
サレナ:フェルマー、きっとこれは譲れない闘いなのね!
ニグレド:フェルマーさん、ご武運を!
フェルマー:ふっふっふっ、優しき人族らよ!…感謝するぞっ!
0:ルベド達の想いがフェルマーを鼓舞する。
異形なる者(知)…ミノホドヲワキマエヨォォォ!!…エンシェントメテオォォオ!!
0:古の巨大な隕石が頭上に降り注ぐ。
ルベド、サレナ、ニグレド:フェルマー!!!
フェルマー:くぅっ…!!…これしきの痛み、イレスが受けた傷みに比べたら、擦り傷の様なものじゃぁーー!!…妾のソウルスレイヤーが光って!?
0:刀身に赤黒いオーラを纏う。
フェルマー:ふっふっふっ、今度はこちらの番じゃぁ!!…血吸大車輪ー!!(けっきゅうだいしゃりん)
0:潜在能力ドレインを習得した大鎌でクルクルと振り回し生命を刈り取る。
異形なる者(知)ヌグァアアア!!チカラガスイトラレェ…オノレェェェエー!!……(事切れる)
0:妖艶な悪魔は全てを吸い尽くされ、塵になった。
フェルマー:はぁはぁ…はぁ…!イレス…仇は取ったぞ…(気絶)
ニグレド:ふぇ、フェルマーさん!
サレナ:大丈夫よ、息はあるわ!
ルベド:凄まじかったな。
グリーヴァ:んんぅ…?!フェルマー殿!、イレスー!
ルベド:ん、誰だ?さ、侍…!?
サレナ:どうしたのよ、ルベド!……え?誰あんた?!…新手の敵かしら?
ニグレド:いや、違うよ。敵意は無さそうだ。
グリーヴァ:む?お前達は何者だ?!…黒い衣服を身に纏った槍使いはどこに消えた!?
0:状況が掴めず、困惑する猛き鬼。
ルベド:黒い衣服ってさっきの黒装束の奇妙な女か?…槍は持っていなかったぞ?
グリーヴァ:ふむ、お前達は人族か…俺の名は戦神グリーヴァ!鬼族だ。……その方らの名は何と申す?
ニグレド:僕はニグレドだよ。宜しくね!
ルベド:ルベドだ!…フェルマーと叫んでいたが知り合いなのか?
グリーヴァ:フェルマー殿をご存じなのか!ルベド。
サレナ:私はサレナよ!フェルマーってそこに倒れている、翼人族の事よね?
グリーヴァ:倒れているだと?!…はっ!お前達、フェルマー殿に何をした!?
ルベド:俺たちはそのフェルマーと一緒に戦っただけだ!頼むから、勘違いするのはやめてくれ。
サレナ:まったく…イレスっていう鬼の女性が殺されて、フェルマーが憤慨して暴れ回って力尽きたのよ。
グリーヴァ:な、なんだと?!…イレスが討ち取られたと言うのは…本当か!!
ニグレド:僕らがここに着いた時にはもう…既にそこに倒れていて…
ルベド:…
グリーヴァ:ぐぅうぁ!!…な、何故だぁ!?何故、お前は俺を置いていく…ぐぅおおおおおーー!!イ!!!(涙ながら絶叫)
0:鬼の嗚咽は大地に響き渡った。
サレナ:…取り敢えず、星の方舟に行きましょう!
ルベド:ああ、そうだな!…サレナ、フェルマーはどうする?
サレナ:グリーヴァー!気持ちは分かるけど、悔やんでいても何も始まらないわ!…あんたが責任を持ってフェルマーを担いであげて。
ニグレド:…
グリーヴァ:ああ、すまぬな!…ガッハハハ!…もう大丈夫だ!フェルマー殿は俺が責任持って運ぼうぞ!
グリーヴァ:(イレス、粗末な石を合わせただけの簡易的な墓で申し訳ないが…お前の好きなウルフのポトフを置いておくぞ。いつの日か、お前に渡そうと携帯してた物が…まさか、こんな形で渡す事になるとはな…)
グリーヴァ:(これから俺は未来に希望を秘めた者達と新たな旅に出る…お前の元へ逝くのは当分、先の話になろう………行ってくるぞ!!…旅の終わり次第、会いに来る。…永遠に愛しているぞ。鬼姫イレスよ!)
ルベド:おーい!グリーヴァ!何をブツブツと念仏唱えてんだ?…置いていくぞー?
グリーヴァ:ん?…ああ、すまん!今行くぞぉー!!ガッハハハ!!
0:一行は星の方舟へ向けて、再び歩みを進めた。
ニグレド:一旦、ルミナス軍用基地跡に戻って、星の方舟(ヘレティックフェザー)に向かおう!
ルベド:ニグレド〜ずっと思ってたんだが、そのヘレティックフェザーって言うのは何なんだだ?
ニグレド:意味は異端の翼。僕が独自に名付けたんだけど、変かな?
サレナ:変じゃないわよ?ねぇ、ルベド。
ルベド:異端の翼、、、つまり、俺達がそれに乗ったら異端者として認知されるって事だよな?
グリーヴァ:ガッハハハ!細かい事は気にするな、ルベド!
ニグレド:な気に触るなら、今からでも名前…変えようか?ルベド。
ルベド:いや、ちょっと気になってな…まぁ、前向きに捉える事にするよ!ニグレド。
ニグレド:あはは…そうしてくれると助かるよ。
グリーヴァ:歓談しているところ、割って入って悪いんだがルミナス軍用基地跡が見えてきたぞ!
0:ルミナス軍用基地跡
サレナ:やっと、星の方舟とやらとご対面ね。
ルベド:ああ、後手後手に回ってしまったからな。
ニグレド:うん、アクシデント続きだったしグリーヴァ:ガッハハハ!その話から察するに…お前達が数々の修羅場を潜り抜けて来ているのが手に取って分かるぞ!
サレナ:修羅場?言い得て妙ね。
ルベド:おい、サレナー!感心してないで、とっとと乗り込むぞっ!
ニグレド:着いたよ!僕の船、ヘレティックフェザーだよ!
0:超合金の二つの翼が目に留まる。
グリーヴァ:ほうーー!!これは、見事なものだな!
ルベド:グリーヴァもいつまで外にいるんだー?早く、中に入って来いって!
グリーヴァ:む?あ〜すまん!つい見惚れてしまった…今参るぞっ!!ルベド。
ルベド:やれやれ…。
0:ヘレティックフェザー内。
ニグレド:さぁ〜て、ブリッジに行こう!僕に着いて来て!…入り口から、北に進むと連絡通路が見えてくる。その通路を進んだ先の黒翼(こくよく)が描かれた扉が目印だよ!
ルベド:へぇ、造りが随分と凝ってるなあ!
サレナ:うわぁあーー圧巻ね。…誰が造ったのかしら?
ニグレド:それは僕にも分からないけど、ローレンスさんなら知ってるかも。あ…以前話した恩師の事だよ。
ルベド:恩師ローレンスか。ふぅん、どんな人なんだ?ニグレド。
サレナ:あたしも気になるわね。
グリーヴァ:ほうー、恩師か!良い響きだ!俺にも昔、恩師と言うか、師が居た事があってな…
サレナ:はいはい!グリーヴァ…あんたの話はまた今度ね〜!
グリーヴァ:な、何故だ!?
ルベド:今は空気を読めって事だろ。
グリーヴァ:むぐぐ…。
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。……続けていいかな?
グリーヴァ:ああ。話の腰を折ってしまい、申し訳ない!
ニグレド:大丈夫だよ!それじゃ、話すね!
ニグレド:まず僕はサレナのように人族じゃないんだ。正確には人族と異族のハーフなんだけど。
サレナ:え…ちょっと!どう言う事?!
ルベド:ニグレド、詳しく聞かせてくれ。
グリーヴァ:…っ。
ニグレド:僕の生まれ育った故郷は異界にあるんだ。治癒能力がその証だよ。
ニグレド:薄々分かってはいると思うけど、ルベド…君も人族ではない。…僕と同じ人族と異族のハーフなんだよ。
サレナ:そ、そんな…ルベドが?!
ルベド:おいおい、ニグレド!…冗談キツいぞ??
グリーヴァ:ルベド、俺は口下手だから、こんな時、どう助言したら良いか分からんが……気をしっかり持つんだぞ!
ルベド:は?…う、嘘だよな!?…だって俺はジョンソンとミランダの一人息子で…。父さんと母さんは人族だし。
ニグレド:困惑している中、拍車を掛けるようで悪いけど…君は孤児なんだ。
サレナ:…嘘……
グリーヴァ:…
ルベド:ニグレド、お前はどこまで知っている?
ローレンス:その件に関しては儂が話そう!ゴホッゴホッ…!
0:歳を召したスーツ姿の男性が現れる。
ニグレド:ローレンス様!何故、こちらに?
グリーヴァ:む?先程、会話の中に出て来た人物か?
サレナ:恩師のローレンス?
ルベド:…
ローレンス:うむ…ニグレド、すまん!言い忘れていた事があるんじゃが…
ニグレド:はい?
ローレンス:おぬしに渡した、その通信機には居場所が分かるようになっておるのじゃ。無論、音声もキャッチ出来るぞい!
ローレンス:つまりは、、ニグレドと同行している、おぬしらの行動や話声も全て筒抜けと言う訳じゃな。
サレナ:はぁーー?最低…
ニグレド:サレナ?…何で僕を睨むんだい?
グリーヴァ:ガッハハハ!ローレンス殿はニグレドの事が余程、心配だったのだろうな!
ルベド:な、何だって?!…もう訳がわからねぇーてのっ!!
ローレンス:すまんなぁ、ニグレド。ゴホッゴホッ!
ニグレド:それは構わないんですが、態々それを言いに来たのですか?
ローレンス:否、その話とは別じゃ。ブリッジに着いてから、順を追って話すとしよう!
ニグレド:分かりました!
グリーヴァ:ふむ。
サレナ:(ルベド、大丈夫?)
ルベド:(正直、頭の中ぐちゃぐちゃだよ…)
サレナ:…
0:暫く進むと、真っ黒な翼が描かれた扉が目に入る。
ニグレド:着いたよ!この扉を抜けた先がブリッジだよ。
ルベド:さぁ、行こうぜ!
サレナ:ルベド…
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
ニグレド:人数分くらいの椅子があるから、自由に腰を掛けて!
グリーヴァ:ぬ?…操縦は誰が行うんだ?
ルベド:あー言っとくけど…俺にそんな知識は無いからな?
サレナ:あたしも無理よ!
ローレンス:ニグレド、彼等の疑問に答えて上げなさい!
ニグレド:はい、ローレンス様!…操縦に関しては問題ないよ。AIが自動的に操縦してくれるからね!
ルベド:えーあいってなんだ??
ローレンス:AIとは人工知能の事じゃ。言わば人族を模した機械の人形って言えば理解が出来るかの?
サレナ:その機械の人形はどこにいるのよ?
無尽君45式:はい、お呼びしましたか?
ルベド:うおお!?…何だ、このヘンテコな玩具は。
サレナ:誰が造ったのか知らないけど、センスの欠片も無いわね…
ニグレド:あはは…酷い言われようだね。僕の手造りなんだけど…
グリーヴァ:ほう、素晴らしい才能だな!
ルベド:そうかぁ?俺でも造れるレベルだぞ?
無尽君45式:失礼な奴ですね、成敗します!…(背中からビームを発射)
ルベド:あちちちぃ!?…や、やめろ!わ、悪かったって!!
無尽君45式:成敗!(ビームを発射)
サレナ:え!?…きゃあああ!…な、何すんのよ!!このポンコツー!おりゃぁ!(殴る)
無尽君45式:とても理不尽です…!
ニグレド:ちょっと、サレナー!壊さないでよ?
サレナ:大丈夫よ、頑丈そうだしね?
ルベド:いや、そう言う問題じゃねーだろ!
ニグレド:あはは…
ニグレド:無尽君、操縦桿とリンク出来るかな?
無尽君45式:はい、自動操縦モードに移行します!
0:その瞬間、無尽君は腕から細いケーブルを取り出し、操縦桿に結び付けた。
ルベド:ん?これは何をしているんだ?ニグレド。光る物が同時に出てるが?
ニグレド:こうする事によって、動き出すんだ!……揺れるからベルトを閉めて、飛ばされないよう気を付けて!
0:突如、ヘレティックフェザー全体が激しく揺れる。
無尽君45式:接続完了…出発します!目的地はどちらになりますか?
ローレンス:異界、理の狭間まで頼む!ゴホッ、ゴホッ…
無尽君45式:畏まりました!算出したところ、大凡2時間45分で目的地、理の狭間に到着します。
ニグレド:有難う!無尽君。……ローレンス様、理の狭間とは?
ローレンス:まぁ、そう急くな。ニグレド。…先ずはルベド、おぬしの件から語るとしよう。
ルベド:…
サレナ:ルベド…
ローレンス:ルベド、おぬしは宇宙に脱出ポッドと一緒に棄てられておったのじゃよ。調べたところ、両親は既に他界しておった。どういった経緯は分からんがな。ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:…っ!
ルベド:まさか、俺はあんたに拾われたのか?ローレンス。
ローレンス:否。儂の古くからの友人がな、宇宙を飛び回っている際、偶然見つけたのじゃよ。
0:another story 6 星の観測者。
ゼフ:おーい!もっと高度を上げてくれぇい!シーパー!
シーパー:無茶を言わないで!貴方に「素敵な星を君に見せて上げる!僕からの最高のプレゼントさ!」って言われたから、楽しみで着いてきたけど…まさか操縦を任せられる羽目になるなんて想定外だったわ。
ゼフ:悪気は無いんだよ。最近、腰痛が酷くて…いざ操縦したら他の小惑星に追突してしまうからね。
シーパー:はぁあ…そんなに酷いなら、初めからカッコつけてキザな台詞を吐かないで頂戴!
ゼフ:ははは、ごめんよシーパー!…そんな事より、もうちょっと左に寄ってくれないかな?
シーパー:もぅう…知らないっ!!
ゼフ:うわぁああああ!!きゅ、急にスピード上げたら、危ないって!!
シーパー:ふんっ。
ゼフ:機嫌を直してくれよ!……ほらっ!君の好きなリザードクッキーをあげるからさ!
シーパー:え?本当に!?…こんなに!?全部いいの?
ゼフ:勿論だとも!…だから安全に頼むよ!
シーパー:はぁーい!
ゼフ:(単純な子で助かった…)
シーパー:ゼフぅ?何か言ったぁ?…モグモグ。
ゼフ:な、何も言ってないよ?
0:シーパーがクッキーを食べ終えた頃。
ゼフ:シーパー、お腹いっぱいになったかい?
シーパー:うん、足りないけど我慢する!
ゼフ:シーパーは本当にリザードクッキーとなると、胃袋が底無し沼になるね…
シーパー:な、なによ!悪い…って……え!
ゼフ:ん?シーパー、眉間に皺なんか寄せてどうしたんだい?
シーパー:ゼフ!脱出ポッドが!
ゼフ:脱出ポッド?どう言う意味だい?
シーパー:ほら、あそこ!3時の方向見て!
ゼフ:え?…あの桃色の脱出ポッドの事?
シーパー:うん、近付いて見ていい?
ゼフ:良いけど、危険だと思ったら逃げるんだよ?
シーパー:分かってるよー!…うわぁあ!
0:脱出ポッドの中を覗き込む。
ゼフ:あれは…子供?!
シーパー:どうするの?ゼフ。
ゼフ:こんな辺境な宙域に子供…取り敢えず、降りて、開けて見よう!シーパー!
シーパー:ふふ、貴方のそういう所好きよ!ゼフ
ゼフ:放って置けないからね。それにしても…誰がこんな事を…酷い。
ルベド:…
0:中には5歳くらいの赤子が眠っていた。
シーパー:このまま、ここに放置してても可哀想だし私達の星に連れていく?
ゼフ:ああ、その方が良さそうだ!ローレンスにもコンタクトを取ろう!
シーパー:ええ!
ゼフ:星の件は……
シーパー:大丈夫よ、また来ましょう!勿論、今度は貴方が操縦してね?
ゼフ:はは、、シーパーには敵わないな。
シーパー:当然ですぅ!
0:現代。
ルベド:……っ。
ローレンス:これ以上は止めておくか?
ルベド:いや、大丈夫だ。全て話してくれ!俺が納得するまで。
ニグレド:ルベド…
サレナ:…
ローレンス:うむ。その後、ゼフから連絡を受けた儂は…
0:異族と人族のハーフ。
ゼフ:ローレンス!ローレンスは居るかぁ?
若きローレンス:なんだ、何だ?何事だぁ?
シーパー:これを見て欲しいの!
若きローレンス:なんだよ、シーパーも居るのかよ!ラブラブで羨ましいこったなぁ!
若きローレンス:まさか、見て欲しいモノがあるって、お前らのラブラブっぷりを俺に見せに来たんじゃ無いだろうな…?
ゼフ:あほかっ!…先日、彼女に振られたからって、僕等にあたるなよ。
若きローレンス:くそぅ…マナァ!!
シーパー:馬鹿みたいに叫んでないで、この子を見て欲しいんだけど!
若きローレンス:この子ぉー!?子供って、、お前ら…やっぱり…俺に自慢しに…!
ゼフ:ち、違うって!最後まで話を聞けっての!
シーパー:あ〜私達の子供もそろそろ、考えないとね?ゼフぅ?
ゼフ:ば、ば、ば、馬鹿やろ!な、何言ってんだよ!シーパー。…それよりその子をローレンスに!
シーパー:ふふ、はいはい!…ローレンス!この子、宇宙に棄てられてたんだけど。
若きローレンス:あん?…何だ、この餓鬼は。眠っているのか?
ゼフ:ああ、暗示を掛けられているように眠ってるんだ。…どう思う?ローレンス
若きローレンス:ふむ、なるほどな!よし、お前らも何かと大変だろうから、俺がこの餓鬼を預かるわ!
シーパー:大丈夫なの?
若きローレンス:ああ、個人的に気になるんだよな。
ゼフ:ありがとう、ローレンス!…何か分かったら教えてよ!
若きローレンス:あいよー!
シーパー:じゃあ、その子を宜しくね!
若きローレンス:お前らぁ!…偶には遊びに来いよ?
ゼフ:勿論だよ!
シーパー:ええ。
0:現代。
ローレンス:それから儂は何日も何日も夜通しで調べた!
ルベド:今だに信じられないな。
サレナ:いきなり、お前は人族と異族のハーフなんて言われたら、誰だって自分を見失うわよ。
グリーヴァ:現実とは時に残酷なものだな。
ニグレド:ルベド、辛いなら逃げてもいいんだよ?
ルベド:はあ?逃げるだと?冗談じゃねぇ!俺は俺自身を知りたい!…だから、続きを話してくれ!ローレンス。
ローレンス:強い男じゃのー!続きを…話すぞい!
0:苦悩のローレンス。
0:聞き込みを済ませたローレンスが自宅に戻る。
若きローレンス:まず、餓鬼の名前はルベド。異族と人族のハーフで、両親は既にこの世を去っているか…。
若きローレンス:…民間用の脱出ポッドにこの餓鬼が乗っていた理由としては戦争に巻き込まれる可能性があると危惧した両親は我が子を守る為に何も無い辺境な宙域に棄てる形で置き去りにした。
若きローレンス:まとめるとこんな感じか?…根も葉もない話だが、、事実だとしたら…めちゃくちゃ、不憫だな。。
ゼフ:ローレンスー!!約束通り遊びにきたよー!
シーパー:あれぇ?留守かなぁ?
0:2人は呼び掛けるが反応はない。
ゼフ:明かり付いてるし中に居るとは思うけど、何かに没頭してたら気付かないくらいには生真面目だからなあ!
シーパー:ふぅん、あの性格からして想像が湧かないなぁ…
ゼフ:おいおいーシーパー、そんな風に言ってたら飛び出てくるぞー?
シーパー:まさかぁ?
若きローレンス:あ?俺が何だってー?
シーパー:わぁああー!?本当に飛び出してきたぁ…
ゼフ:ローレンスは意外に地獄耳だからなあ。
若きローレンス:地獄耳だと!お前らぁー言わせておけば…好き放題言いやがっ…
ゼフ:まぁ、まぁ!…聞き流してくれよ、ローレンス。…そんな事より差し入れがあるんだよ♪
シーパー:うんうん、ローレンスの好物だろうって、ゼフがね!
若きローレンス:ほう?俺の好物か、気になるじゃねえか!…物によっちゃ、さっきの件は水に流すわ!
若きローレンス:ま、取り敢えず中に入れよ?
ゼフ&シーパー:はぁーい!お邪魔しまーす♪
0:家の中に入って数分後。
ゼフ:…じゃじゃーん!…バーニィのカステラだぞ!しかも等身大サイズだ!どうだ?怒りは鎮まったかい?
若きローレンス:おおー!良いのかよ?気が利くじゃねぇか!!ゼフ。
シーパー:私も甘党よ?でも、ローレンスには負けるけどねぇ?きゃははは〜♪
ゼフ:ああ、ぜーんぶ食って良いよ!…甘い物摂らないとキツいだろ?
若きローレンス:お前らぁ…(涙)……良い奴らだなぁ!ありがとうな!…あむあむ、あむ!うめぇえ!!生き返るぜーー♪
ゼフ:ははは!大袈裟なんだよー!…それで何か分かったのー?
シーパー:あの子の調子はどうなのぉ?
若きローレンス:ああ、その事なんだが…これを見てくれよ!今しがた、俺がまとめたメモなんだが。
ゼフ:ふむふむ、どれどれー?……なるほど…え!?嘘だろ…。
シーパー:ゼフぅ?どうしたのぉ?…私にも見せて…って!?……ぇえ?!
若きローレンス:ああ、この餓鬼はとんでもない財産に成り代わるかも知れねぇー!
0:驚愕している2人を他所に繋ぎ合わせるように口を開く。
ゼフ:ローレンス、この子は君が育てるのかい?
若きローレンス:んな訳ねぇだろー!俺の餓鬼ならまだしもよ…
シーパー:じゃあどうすんのぉ?
若きローレンス:うーん………
0:長考するローレンス。
ゼフ:ローレンスー!僕に良い考えがあるんだけど…まぁ、採用するかどうかは君が決めてよ?
シーパー:ゼフ、何か思い付いたのぉ?
若きローレンス:ほう?一応聞いてやる、何だ?
ゼフ:この子さぁ、人族と異族のハーフなんでしょ?ならさ、人族としての道を歩ませてはどうかな?見た目も僕等みたいな異族ぽくはないしさ!どっちかて言うと…人族の血の方が濃いみたいだし。
シーパー:ゼフ、それは余りにも無責任じゃな…
若きローレンス:いや、シーパー!ゼフの考えは正しいぞ!
シーパー:ぇえ!?
ゼフ:と言うと?
若きローレンス:ああ、この餓鬼を地上に降ろすわ!…ちゃんと人目が付く場所にな。この餓鬼からしたら、二度も棄てられる運命を辿る事になるが…異界に居るよりは何倍も平和だろ。
ゼフ:うんうん、名案でしょ?ローレンス。
若きローレンス:ああ!流石は俺の親友だぜ!ゼフ。
0:現代。
ルベド:…
ローレンス:それでおぬしをグランディア大陸に棄てたのじゃ。
ローレンス:数日後、おぬしの義父、ジョンソンに拾われて…人族としての道を歩み始めたのじゃよ。ゴホッ…ゴホッ!ゴホッ…ゴホッ!
ニグレド:ローレンス様!お身体が?
ローレンス:ニグレド…儂はどの道、もう助からん。…僅かな生をぬしらに費やそう!…それがせめてもの…罪滅ぼしじゃ。
ニグレド:ローレンス様…
サレナ:酷い…
グリーヴァ:確かに形としては゛棄てた゛のかも知れぬ…然し、俺の目にはローレンス殿はルベドの事を救ったように映ったがな?
ルベド:ローレンス、俺は…俺は…俺はぁー!!…うわぁあん!!(号泣)
ニグレド:ルベド…
サレナ:ルベド、好きなだけ泣きなよ…あたしも辛い……ぐすん(涙)
ローレンス:次はファーストキーについてだが……ゴホッゴホッ!………ゴホッ!ゴホッ!
ローレンス:ファーストキーとは所謂、原初の鍵の事を指す。原初の鍵とは古来より邪を封印する為に生まれたとされている、異質な存在の組織じゃ…ゴホッ!ゴホッ!…儂もその末裔の一人。ぬしらと同じ、じゃが…人族と異族のハーフでは無い。儂の血は異族のみ…ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ……!
ニグレド:ローレンス様!これ以上は…お身体に触ります!…ここからは僕が!
ローレンス:すまぬのう…ニグレド。ゴホッ…ゴホッゴホッ!
ニグレド:いいえ、初めから僕が話す予定だったので。
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!ゴホッゴホッ…!
ルベド:…
グリーヴァ:原初の鍵…
サレナ:それで、その鍵とルベドと何の関係があるのよ?
ニグレド:これは僕の推測でしか無いけど、ルベドと僕は世界の災厄を封じる為に生まれて来たんだと思う。
ルベド:俺とニグレドは兄弟だったりするのか?
ニグレド:そこまでは分からないけど、2人で一つの鍵の役割をしているらしい。
ニグレド:当然、リスクも存在する。…片方は必ず死を迎える事になる。
サレナ:つまり両方揃わなければ、世界は救われないって事?
グリーヴァ:常軌を逸した話だな…
ルベド:ローレンスの時は1人で封じれたんだよな?何故、この時代は2人必要なんだ?
ローレンス:それだけ゛奴゛が時代を跨ぐ度に強大になってると言う訳じゃ…ゴホッゴホッ!
サレナ:だからってルベドが犠牲になるなんて…おかしいわ!!
ルベド:サレナ…ありがとうな!…俺さ、昔っから自分の存在意義が分からなかったんだ。…足引っ張って…迷惑かけて…何をするにも中途半端で…俺は何の為に生きてんだろって…
ニグレド:…
サレナ:ルベド…
ルベド:けどな、皆と出会ってローレンスから真実を聞いて明確な生きる意味を見つけた!…例え、この身を賭そうが俺の生きた証を刻めるのなら本望だ!
ニグレド:ルベド、、無茶してないかい?
グリーヴァ:ルベド、俺は最期の瞬間までお前に付き合おう!
サレナ:ルベド…何か別の方法だって…(涙)
ローレンス:サレナ嬢、水を差すようで悪いんじゃが…奴を再び封じるにはルベド、ニグレドが持つキーが無ければ不可能じゃ!ゴホッ…ゴホッ!
サレナ:そ…そんな…(涙)
ルベド:サレナ、俺は自分の使命を全するよ!…怖くないって言えば、嘘になるけどな。
サレナ:ぅうぅぅう…ルベド…(涙)
ローレンス:うむ。英雄の血を受け継ぐ者、ルベドよ、おぬしの心は強い!然し、技術は点でダメじゃ!暫し、鍛錬を積む必要があるだろう!…理の狭間で試練に打ち勝つんじゃ!!
ニグレド:ルベドー!僕達も支援する…
ローレンス:…ならんっ!これはルベド1人で臨まなければならない、試練じゃ!皆の者、暖かく見守るのもまた、友情じゃよ!ふぉふぉふぉっ!…ゴホッ!ゴホッ!
グリーヴァ:ルベド、真の漢になって帰って来い!ガッハハハ!
サレナ:ぐす…ぐすん…あ、あんた1人で大丈夫?
ルベド:皆…ありがとう!俺は…俺自身の殻をブチ破るっ!
0:其々の葛藤が交錯する中で絆が深まる。
0:冷静さを取り戻した彼等は、各々自由に過ごしていた。
フェルマー:……んん?!…妾は気を失って…?
0:フェルマーが目を覚ます。
ルベド:お?…グリーヴァー!フェルマーが目を覚ましたぞ!
グリーヴァ:何だと!?…おおーフェルマー殿!
フェルマー:此処は何処じゃ?!グリーヴァー!無事であったか!
グリーヴァ:ああ、一時はどうなるかと思ったが何とか生き永らえたぞ!フェルマー殿のお陰でな!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふっ!気にするでない!グリーヴァよ。…妾の力だけでは無く、ルベド達のお陰でもあるからのぅ!
ルベド:ふ…お互い様ってヤツだ!
サレナ:なぁに、カッコつけてんのよ!
ニグレド:あはは…相変わらず仲が良いね♪
フェルマー:そう言えば、此処は何処なのじゃ?!何か、動いてるように思えるがの?
グリーヴァ:フェルマー殿、此処はヘレティックフェザー!…星の方舟の中よ!ガッハハハ!
フェルマー:な、なんじゃとー!?妾が眠っている間に何があったのじゃ?!
ニグレド:それは僕が簡潔に説明するよ。
0:ニグレドはフェルマーに事の顛末を告げる。
ニグレド:…と言う訳なんだけど。
グリーヴァ:フェルマー殿、だいぶ苦悩されている様子が見て取れるが?
フェルマー:うーむ…正直、脳内の整理が追いつかぬ!
フェルマー:要約すると…世界が危機に瀕しているから、ルベドとニグレドが持つ鍵で災厄を封じ込めると言う事じゃな??
ルベド:ああ、その為には試練を突破しないとならないけどな!
サレナ:ルベド、生きて戻って来なさいよ?…あんたが死んだら世界を救える術が無くなるんだからね…
ニグレド:サレナ…
ルベド:サレナ、お前いつからそんなに過保護になったんだ?…大丈夫だ!中途半端に野垂れ死ぬのはごめんだからな!
無尽君45式:ご歓談中、失礼致します!…間も無く、サイド263宙域、理の狭間に到着します。
グリーヴァ:いよいよか。せめて、入り口まで見送ろうぞ!!
ルベド:ありがとな、グリーヴァ。
ニグレド:ルベド、挫けないでね?
ルベド:ああ!ニグレド、留守中は頼んだぞ!
ニグレド:うん、任せといてよ。
ローレンス:ゴホッゴホッ!…ルベド、これを持っていくのじゃ!
0:銀色の腕輪を受け取る。
ルベド:これは何に使うんだ?ローレンス。
ローレンス:その腕輪はおぬしを正解に導いてくれるじゃろう!
ルベド:正解?よく分からないが、必要になったら使わせて貰うよ!ありがとう!
ローレンス:うむ、達者でな!ゴホッゴホッゴホッ!
フェルマー:ルベド、無事に帰って来たら妾と一戦交えてくれんかのぅ?
ルベド:一戦交えるって…勿論、手加減は…
フェルマー:無論、せぬぞ?ふっふっふっ!
ルベド:いや、勘弁してくれ!!
フェルマー:大丈夫じゃ、戻って来る頃には見違える程、強くなっておるのじゃからなあ♪
ルベド:ははは…完全に一本取られたな。
フェルマー:ふっふっふっ♪
サレナ:……ルベド、ちょっと自室に来て。
ルベド:サレナ?
0:サレナに連れられ、自室に入る。
サレナ:ルベド…あたし……アンタが…
ルベド:サレナ…!(接吻)
サレナ:ルべ…ド……?!…んん(接吻)
0:2人は濃厚な時を過ごした。
ルベド:サレナ!
サレナ:ルベド?
ルベド:行ってくるっ!!
サレナ:ええ、行ってらっしゃい!
0:サレナは涙を堪えながら、笑顔でルベドを見送った。
無尽君45式:ルベドさん、準備の方は宜しいでしょうか?
ルベド:ああ、バッチリだ!
無尽君45式:了解致しました。それでは、理の狭間に着陸します。
0:異界•理の狭間前。
ルベド:…ぅう!寒っ!!…異界ってこんなに冷えるのか!
ニグレド:理の狭間が特別、寒いだけだよ。零下20°の極寒の地だからね!
ルベド:はぁ?!…おい、その情報は先に教えろよ!…お前と違って軽装なんだから、凍死するだろうが!!
ニグレド:あはは…ごめん、ごめん!
グリーヴァ:確かにこれは…ヘックション!……堪えるな!ガッハハハ!
フェルマー:この程度の寒さで根を上げるとは情けないじゃのぅ!
ルベド:うるせぇ、寒いもんは寒いんだよっ!
サレナ:ルベド〜あたしの技で暖めてあげよっか?
ルベド:あほかっ!暖まると同時に死が待ってるわ!!
サレナ:ふふ!さぁ、行って来なさい!
フェルマー:行って来るのじゃ!
グリーヴァ:俺を超える熱い漢になって来い!
ニグレド:気を付けてね!
ルベド:ニグレド、ローレンスは?
ニグレド:ローレンス様は体調が優れないから、自室で休んでいるよ。
ルベド:そうか…ちゃんと看病してやれよ?ニグレド。
ニグレド:うん、分かってるよ!
ルベド:皆、ありがとう!…行ってくるっ!!
0:斯くして、ルベドは未開の地に足を踏み入れた。
0:Enemy•side。
異形なる者(技)主、報告致します…。
???:ふむ、戻ったか!…首尾はどうだ?ヴァシュロンよ。
異形なる者(力)…ジェスの姿が見えないが?一緒じゃないのか?
異形なる者(技)主、申し訳ありません…グリーヴァは捕える事が出来ず…
異形なる者(技)ジェスは…死にました。
???:なんだと!?貴様、この失態はどう責任を取るつもりだ?!
異形なる者(技)…打首でも…どのような罰でも甘んじて受け入れます…
???:…ならば今すぐにでも死刑台に吊るしてや…
異形なる者(力)怒りをお鎮め下せぇ、主!…こいつの命は自分に預からせて頂けませぬか?
???:ジーフリードよ!何か考えがあるのだな?
異形なる者(力)へぃ!自分とヴァシュロンで次こそは必ず、グリーヴァを捕えて見せましょう!
???:要らぬ!グリーヴァはもう不要だ。
異形なる者(技)主、それはどういう訳でしょうか…?
???:グリーヴァよりも、我の器に相応しい者が現れた。
異形なる者(力)その者の名は?
???:うむ。名をアルベドと言う。ヤツは異界、理の狭間に出没すると言う情報は既に得ておる。
異形なる者(力)ならば、そのアルベドを捕縛し、主に献上しますぜ!
異形なる者(技)次こそは…必ず、遂行致します…!
???:良かろう!…必ず連れて参れっ!!
異形なる者(技)…御意!
異形なる者(力)承知!!
0:主の命により、ヴァシュロンとジーフリードは理の狭間に向かう。
0:another story 7 他人の業を背負いし男。
アルベド:ニア!!おい…また私を揶揄ってくれよ…どうして君が…ターニアァアアア!!(血涙)
アルベド《N》:私には生まれ付き、他人の負の感情を無意識に身体へ取り込んでしまう病魔に冒されていた。…日を増すごとに蝕まれ、遂には身体中に赤黒い斑点が浮き出るようになった。
アルベド:ぐぅぁああ!…はぁはぁ…このままでは私は……
ターニア:大丈夫?どこか打ったの?…ちょっと、しっかりして!!
0:薄れいく視界の中、朧げに映った可憐な女性の姿。
アルベド:……天使……?!
ターニア:このままでは…不味いわね…
ターニア:……ん?よく見ると…身体中に赤黒い斑点!?…単純に怪我したレベルじゃないみたいね…アデス所長に報告しなければ…!
0:ターニアは慌てた様子で通信機を取り出しアデスにコールする。
アデス:はいはい、子猫ちゃん〜!…僕に用かな?
ターニア:アデス所長!その呼び名はやめて下さいと、いつも言ってるじゃないですか!
アデス:良いじゃないか!減るもんじゃあ無いし。クックック。
ターニア:そんな事より、所長に診て頂きたい人物が居るんです!!
アデス:子猫ちゃん、何か勘違いしているようだけど…僕は医者じゃあないんだよ?人体実験なら、お安い御用だがね?クックック。
ターニア:お言葉ですが…この症状は恐らく、普通の医者には治せないと思います!
アデス:ふむ…まぁ、他でも無い可愛い子猫ちゃんの頼みだからねえ〜〜。…一度、僕のラボに連れておいでよ!但し、デート一回が条件だよ?クックック。
ターニア:…くっ…わ、分かりました!…着いたら、ご連絡致します!
アデス:うんうん、待ってるよ〜♪クックッ
ク。
ターニア《N》:このアデスと言う男は理由をつけては私を凌辱する、気狂い野郎だ。コイツからしたら、私は都合の良い玩具。
ターニア《N》:いつの日か、復讐してやると胸に殺意を秘めながら!
0:アデスのラボに到着した、ターニアは再び、通信機を取り出し、慣れた手付きでコールをする。
ターニア:…
アデス:はーい、子猫ちゃん!その様子だと、着いたみたいだねぇ?
ターニア:はい、到着しました!自室のロックナンバーをお願いします!
アデス:2522(ねこにゃんにゃん)クックック。
ターニア:…(自室の暗証番号まで私を含ませてるのが本当に反吐が出るくらい気持ち悪い…)
アデス:子猫ちゃぁん?返事はどうしたのかなあ??
ターニア:…ありがとうございます…!
アデス:うんうん、上等なワインでも用意して待ってるよ〜♪クックック。
ターニア:…
0:エントランスから見えるエレベーターを使い8階にある、アデスのプライベートルームまで向かう。
アルベド:……んん?!…君は?
ターニア:あら、気が付いたみたいね?…突然外で倒れるからビックリしちゃった。
アルベド:君が助けてくれたのか?
ターニア:ええ、そうよ。…安静にしてて!まだ痛むでしょ?
アルベド:ありがとう!…多少は痛むけど、動くだけなら支障は無いよ。
ターニア:そう?貴方の全身に浮き出てる、その赤黒い斑点…とても大丈夫そうには見えないわよ。
アルベド:……っ!
0:不意に睨まれる。
ターニア:ごめんなさい。そんな顔しないで!…安心して、治してあげるから。
アルベド:無理さ…。
ターニア:何故?
アルベド:この病魔は…生まれ付きなんだ。背負ってしまった十字架は生涯を共にしなければならない。
ターニア:…っ。
ターニア:私が必ず治すわ!……貴方の名前は?
0:脅える背中に寄り添うターニア。
アルベド:…アルベド。
ターニア:アルベド、私はターニアよ!この研究所の研究員。…素行は悪いけど、責任者のアデスなら、貴方の事を治してくれる筈よ。
アルベド:…何故、君は私に優しくする?
ターニア:うーん、気紛れ…かな?
アルベド:…ふっ。
ターニア:あ、笑うと案外、可愛い顔してるのね?うふふ♪
アルベド:笑ってない!
ターニア:笑ってたわよ。…ほら、もう一回笑って見せて?
アルベド:…嫌だね!
ターニア:もぅうー!
ターニア:アルベド、花言葉って知ってる?
アルベド:知らないな…。
アルベド:…?その手に持っている花の名は?
ターニア:これはね、アネモネって言って、清純無垢、薄れゆく希望って意味なのよ。
ターニア:今の貴方にピッタリね。
アルベド:どう言う意味さ…。
ターニア:うふふ♪
ターニア《N》:アルベドと出逢って、話している内に私の心に溜まった膿は嘘のように消えていった。
アルベド《N》:ターニアは少し、強引な所が目立つけど、私に生きる希望を与えてくれた。
0:所長室前。
ターニア:ロックナンバー、2522。
アルベド:…
0:暗証番号を入力し、扉が開く。
ターニア:開いたわ。…アデス所長ー!
アルベド:…
アデス:やぁやぁ、良く来てくれたね〜可愛い子猫ちゃん♪クックック。
アデス:ん、この男が例のかなあ?
ターニア:はい、どうでしょうか?
アルベド:…
アデス:ふむふむ、取り敢えず…奥のベッドに寝かせて置いておくれ。…僕は食べ物を用意してくる。
ターニア:分かりました!…行きましょ、アルベド。
アルベド:……ああ。
0:アデスから指定された場所は以前、人体実験が行われた、禁断の部屋だった。
ターニア:…(この場所にアルベドを?…何を考えているの…あの下衆野郎は。)
アルベド:ターニア…?君も一緒に居てくれるんだろう?
ターニア:ごめんなさい、アルベド。私はあいつの…いいえ…少し、アデス所長と話す事があるから、後でまた来るわ。
アルベド:そうか…。
ターニア:すぐに戻るから、待ってて?…ね?
アルベド:ああ…。
0:アルベドを巨大なベッドに寝かせ、ターニアは寝室に向かう。
ターニア:…アデス所長、戻りました。
0:アデスはローブ姿で布団に包まっていた。
アデス:おいで、可愛い子猫ちゃん♪…クックック。
ターニア:はい…
0:事後、アルベドの話題を切り出すターニア。
ターニア:アルベドの件なんですが、全身に赤黒い斑点が浮き出ていて…恐らく、先天性のウイルスの類なんでしょうが。
アデス:ふむ、症状はどんな感じだったんだい?
ターニア:私が見た時は酷い高熱を伴う、頭痛に苛まれている様子でした。
アデス:なるほど…それでアルベドくんは?
ターニア:所長の指定した場所に寝かせています!
アデス:うんうん、君は本当に優秀だね、子猫ちゃん♪さぁ、行こう!クックック。
ターニア:…お願いします。
0:二人はアルベドの待つ部屋に向かう。
アルベド:…私の運命はどうなるんだ…ターニア…
0:二人が到着する。
アデス:アルベドくん、待たせたねぇ!さぁ、赤黒い斑点を診せておくれ。
アルベド:…
ターニア:アルベド、遅くなってごめんなさい。
アルベド:ターニア!ああ、問題ない。
アデス:さぁ、衣服を脱いでおくれ!アルベドくん。
アルベド:…
0:アルベドは言われた通りに衣服を脱ぐと、鍛えられた肉体と赤黒い斑点が無数に拡がっていた。
ターニア:!…あの時は一瞬だったから、よく見えなかったけど相当な量ね。
アルベド:…
アデス:ふむふむ、これは病魔の仕業だねぇ。…闇を喰らう病魔…通称、ダークイリネスイーター。…長いから、縮めてイリダネスって呼んでいるよ。
ターニア:イリダネス……所長!アルベドは治るのでしょうか?
アデス:愚問だね。僕を誰だと思ってるんだい?子猫ちゃん!……君の協力有っての治療になるが大丈夫かねえ?
アルベド:…
0:ターニアは暫くの間、思案していたが軈て口を開く。
ターニア:…はい!私に出来る事であれば、協力は惜しみません!
アデス:宜しい♪…それでこそ、僕の可愛い子猫ちゃんだよ!クックック。
アルベド:…ターニア、君には何てお礼を言ったらいいか…。
ターニア:お礼を言うなら、完治した後に言って欲しいわね。アルベド。
アデス:じゃあ、子猫ちゃん!君の血液をちょぉーっぴり頂くよお!…チクッとするけど、すぐに終わるからねえ〜♪クックック。
0:そう言うと、アデスは極太の注射器を手にした。
ターニア:…私の血を摘出した後はどうするのですか?
アデス:勿論、君の血をアルベドくんの身体に流し込むんだよ。…その後、君にはこの錠剤を一粒呑み込んで貰うよお!クックック。
0:アデスは不気味な笑みを浮かべた後、橙色の錠剤をターニアに渡す。
アルベド:ターニア…やっぱり危険だ。…私の事は忘れて、君は…
ターニア:私は大丈夫よ!…貴方を必ず、治すって決めたんだから!多少のリスクは覚悟しているわ。
アルベド:ターニア…
アデス:さぁ、始めよう!子猫ちゃんは右側のベッドに仰向けになってね!クックック。
ターニア:…(これが最善なの…)
アデス:子猫ちゃん、腕を出して〜!クックック。
0:アデスの指示に従い、腕を出す。
ターニア:…
アデス:いくよおー!!…ッ!!クックック。
0:ターニアの腕を注射の針が刺す度に悲痛な声を漏らす。
ターニア:痛い…ぐぁあああ!!
アルベド:ターニア…!!
アデス:はーい!この錠剤を呑んで楽にしててねえー!
0:アデスはターニアに橙色の錠剤を口に運ぶ。
ターニア:……ゴックン。
アルベド:アデスさん、ターニアは…ターニアは?
アデス:アルベドくん、大丈夫だよう!子猫ちゃんは疲れて、眠っているだけだからねえ!クックック。
0:昏睡しているターニア。
ターニア:……
アデス:さぁー、アルベドくん!次は君に子猫ちゃんの血をプレゼントだ♪クックック。
0:アデスは透明な細いホースでアルベドに血を注ぐ。
アルベド:…ぐぅあああ!!
アデス:その痛みは、効いてる証拠だよ。クックック。
0:突然の激痛にアルベドは悶える。
アデス:クックック。…余りの痛みに耐え切れず、気絶したか。…さぁ、僕の試作第一号の誕生だあ!!クックック!
アルベド:…
ターニア:…
アデス:悪く思わないでくれよお!子猫ちゃん♪クックック。
0:その後、アデスはアルベドの腕から血を摘出し、ターニアに注ぎ込んだ。
アデス:…実験終了。クックック!
アルベド:…私は…?!…ん?赤黒い斑点が消えている…成功したのか?
0:長い眠りから目を覚ましたアルベドは歓喜する。
アルベド:ターニア〜!ターニア、病魔が治ったよ!ターニア!!…ターニア!?
ターニア:……
0:変わり果てたターニアの姿を見て、絶句する。
アルベド:……っ!
アデス:お目覚めかねえ〜身体の調子はどうだい?アルベドくん。クックック!
アルベド:アデスさん、これはどう言う事ですか?…ターニアが…!
アデス:何って、可愛い子猫ちゃんをドレスアップさせてあげたんだよ♪…生涯、変わる事のない素敵な゛衣装゛をね♪…クックック!
アルベド:狂ってる…
0:アルベドはアデスを睨みつける。
アデス:嫌だなあ!そんな怖い顔しないでくれよお?…約束通り、君は完治しただろう?クックック。
アルベド:ふ、巫山戯るな…!ターニアを犠牲にした命なんて…欲しくはないっ!!
0:堪え切れず、怒りを露わにするアルベド。
アデス:犠牲?犠牲ではないよ?…そこに子猫ちゃんは居るだろう?クックック!
ターニア:グゥウウ…。
0:全身を黒い毛で覆った化け物と成り果てた、ターニアが唸る。
アルベド:アデス、お前だけは許さないッ!
アデス:許さない?君は…恩を仇で返すと言うのかい?酷いなあー!クックック!
アルベド:うぉおおおー!!アデスぅうううーー!!
アデス:アルベドくん?!な、何を…ぐほぁ!!…はぁはぁ…や、やめ…だ!…ウッ……(事切れる)
0:アデスを殴り倒した後、側にあったメスで滅多切りにする。
アルベド:…はあ…はあ…はぁ…!
0:アデスは断末魔を叫び、最期を迎える。
ターニア:グルルル…。
アルベド:ターニア!!おい…また私を揶揄ってくれよ…どうして君が…ターニアァアアア!!(血涙)
アルベド:ターニア…せめて…君の右腕だけでも…
ターニア:…グゥウウ…。
アルベド:…ターニア、私に生を与えてくれて、ありがとう!…さようなら!……ッ!!
ターニア:…グォオオオ!?
0:メスで心臓を突き刺し、右腕を切り取る。
アルベド:くぅう……っ!!
0:自らの右腕を切り落とし、ターニア(化け物)の右腕を移植する。
アルベド:はぁ…はぁ…ターニア…
0:現代、理の狭間。
ルベド:だいぶ奥まで進んだけど、試練の間はどこなんだ…
ルベド:まさか、迷子かあ!?
アルベド:そこの君、困ってるみたいだね?
ルベド:…!…お前は誰だ!
0:不意に高身長の銀髪の男に声を掛けられる。
アルベド:私はアルベド。この先にある、試練の間で魔の籠手、不倶戴天という武器が安置されている噂を耳にして、来てみたんだ。
ルベド:不倶戴天?へぇ、強そうな名前だな。…ん?…その右腕は…どうしたんだ?
アルベド:ああ、私の掛け替えの無い人の右腕だよ。可笑しいかい?
ルベド:いや、可笑しくは…
アルベド:ははは!…無理しなくていいよ。…何でそんな化け物の手を?!…って顔してるよ。
ルベド:あ……ごめん。。
0:バツが悪そうな顔をするルベド。
アルベド:大丈夫だよ、非難されるのは慣れてるからね。…じゃあ、私はもう行くよ。
ルベド:待ってくれ!…アルベド!俺はルベド。俺も一緒に行くよ。どの道、試練の間には行かなければならないしな。
アルベド:そうか。…君も私と同じで数奇な運命を背負っているんだね。
0:アルベドの発言に狼狽を隠せない、ルベド。
ルベド:ふっ…アルベドは勘が鋭いな!
アルベド:君は他より分かりやすいからさ。ルベド。
0:談笑を交わしている内にあっという間に試練の間に辿り着く。
アルベド:ここが噂に聞く、試練の間。別称、地獄沼か。
ルベド:地獄沼…生半可の覚悟じゃ、命を持っていかれそうだな。
アルベド:ああ…大丈夫。きっと乗り越えられるさ!
ルベド:アルベドは前向きだな!
アルベド:前向きと言うか、私には何も無いからね。…何も無い、虚無な存在と言うのは強いのさ。
ルベド:よく分からないが、だいぶ苦労しているんだな。
アルベド:まぁ、色々あったよ。
ルベド:そうか。…アルベドは異界の人なのか?
アルベド:私は異界人だよ。ルベドは人族?
ルベド:いや、俺は異族と人族の血を併せ持った、ハーフだよ。
アルベド:へぇー、見た目は人族にしか見えないよね。
ルベド:よく言われるよ。そろそろ、行こうか!
アルベド:ああ、第一層の試練は「心」だね。
0:心と描かれたフロアに足を踏み入れたアルベドとルベド。
ルベド:心ねぇ、何が出てくるのか。
心を司る者:汝ら、何故、この場所を訪れた?
ルベド:うわぁあ!?
アルベド:ルベド、落ち着いて!…答えを示すんだ!
ルベド:答えを示す?
0:異形な影が語りかけてくる。
心を司る者:汝らの望みは?
アルベド:空っぽの自分に゛中身゛を注ぎたくて。
ルベド:弱き自分を奮い立たせる為に。
心を司る者:善かろう。…汝らの覚悟を見極めよう。…我を見事倒してみせよ!
0:仮面を被った異形な者が襲いかかってくる。
アルベド:やるしかないみたいだ。ルベド、いけるかい?
ルベド:ああ、お約束だからな!
心を司る者:アルベド、貴方は無理しなくていいのよ?
アルベド:ターニア!?
0:突然のターニアの声にアルベドは動揺する。
ルベド:アルベド、おい!…アルベド!
アルベド:ターニア…
ルベド:くそ、完全に幻聴に囚われている。
心を司る者:ルベド…アンタが犠牲になる事なんて無いのよ!
ルベド:サレナ…!?いや、違うっ!!……まやかしだ!
ルベド:はぁああー!魔甲(暗黒)セット!…父さん、母さん、強くなった俺を見てくれっ!
心を司る者:ルベド…どうして…
ルベド:うるせぇーー!!…ダークネス•ソロウォオッ!
0:果ての無い闇の風が対象を切り裂く。
心を司る者:…グヌグァアアア!?
アルベド:ルベド、ターニアをこれ以上、傷付けないでくれ…頼むっ!
ルベド:アルベド、目を覚ませっ!…まやかしだ!!
心を司る者:アルベド、また笑って見せて!
アルベド:…ターニア!!…私はここだ!
0:我を失うアルベド。
ルベド:アルベド、悪く思うなっ!…フンッ!
アルベド:ルベ…ド?!ぐほっぁ!!
0:ルベドの咄嗟の峰打ちでアルベドは気絶する。
ルベド:さぁ、茶番は終わりだ!
心を司る者:我の暗示が効かぬとは汝の強き「心」があれば次に進めよう。
ルベド:ん?…終わりか?
心を司る者:さあ、進め!次の試練は我のようにはいかぬぞ…
アルベド:…んん?!ルベド、ターニアは!
0:アルベドは気絶から目を覚ます。
ルベド:アルベド、いつまで夢を見てるんだよ?…終わったよ。
アルベド:夢?…そうか。……私は自責の念に囚われていたのだな。
0:強き「心」を得た、ルベドとアルベドは次のフロアに進む。
アルベド:君は強いな…ルベド。
ルベド:負けられないからな!
アルベド:ん?…この動く床で第2層まで行けるみたいだね。
ルベド:次に進もう!
アルベド:ああ!
0:心を司る者を倒した後に出現した浮遊する床に二人は乗る。
ルベド:…うひゃーあ!?…下を見ると怖ぇぇ…
アルベド:ルベド、はしゃぎ過ぎると落ちるよ?
ルベド:はぁはぁ…死ぬかと思った…アルベドはよく平然としていられるな!
アルベド:ははは、異界に住んでたら、然程珍しくも無いからね。
ルベド:あ〜…納得だ…。
アルベド:ルベド、第2層に着いたみたいだよ!…このフロアは何か遺跡みたいな雰囲気だ。
0:神秘的な場所に着く。
ルベド:ここでは何が起きるんだ??
アルベド:さぁね…さっきからとんでもない気を感じるのは確かだけど。
力を司る者:ほう、この場に足を踏み入れるとは。愚かな者どもよ。余程、命が惜しく無いと伺える。
ルベド:次はお前か!御託は要らねぇ!とっとと始めようぜ!
アルベド:ルベド、焦るな!…まだ戦うとは決まった訳じゃ!
力を司る者:フッハハハ!…血気盛んな小僧だ!言っておくが、手加減はせんぞ?全力で掛かって来い!
ルベド:上等だっ!お前を倒して、次に進ませて貰う!
アルベド:あーー…完全に相手のペースに呑まれちゃったな…
力を司る者:この儂を倒すだと?!フッハハハ!…戯言を!…捻り潰してやろう!!
アルベド:…!…ルベド、構えろ!来るっ!!
ルベド:分かってる!…魔甲(氷牙)セット!うぉおおー!!
ルベド:絶対零度の鋭き刃ァアアア!!絶氷刃ーーッ!!(ぜっひょうじん)
力を司る者:効かん!!…フッハハハ…威勢の割には…大した事ないな。…消えろォオ!
力を司る者:大地の躍動をその身に受けよっ!…グラントリガーッ!!
ルベド:……ぐふぉ!!
サレナ?:あんたは考え無しで突っ走る癖があるのよ!…本当にいつか死ぬわよ?
0:サレナに釘を刺された記憶が甦る。
ルベド:…はぁ…はぁ…ふっ!お前の言う通りだ…情けねぇ。ごめ…ん…な、サレナ…
力を司る者:小僧、威勢だけでは覇者になれんぞ!…実力が伴わなければな!!…息の根を止めてやろう!!
ルベド:くぅう…ここで終わるのか…サレナ…皆…俺は……
アルベド:仕方ないな…私の中に眠る黒き獣の意思よ!!…同調してくれっ!!…魔爪•アネモネ!
0:刹那、記憶がフラッシュバックする。
ターニア?:アルベド、花言葉って知ってる?
アルベド?:知らないな…。
アルベド?:…?その手に持っている花の名は?
ターニア?:この花はね、アネモネって言って、清純無垢、薄れゆく希望って意味なのよ。
ターニア?:今の貴方にピッタリね。
アルベド?:どう言う意味さ…。
ターニア?:うふふ♪
アルベド:ターニア…!……希望はこの手で掴むっ!!どぉーりゃあああ!!……はぁはぁ…ルベド、借りは返した。
力を司る者:グガァアア!?
力を司る者:フッハハハ!勇敢なる者よ…お前の名は?
アルベド:…虚無の「力」を持ったアルベドだ!
力を司る者:アルベド、お前の一切迷いのない「力」見事だ!
アルベド:次に進ませて貰うよ!
力を司る者:進め!若き猛者よ。
ルベド:…は!…アルベド?!
アルベド:よく眠れたかい?ルベド。
ルベド:ははは!…アルベド強いな!
アルベド:いや、私の力だけではないよ。ターニアが居るから強くなれるんだ!
0:アルベドは優しく右腕を触り語る。
ルベド:そのターニア(右腕)がアルベドの掛け替えの無い人?
アルベド:ああ、私の永遠の゛伴侶゛だ。
ルベド:アルベド…
アルベド:さぁ、行こう!次が最後の試練だよ。
ルベド:ああ!
0:二人の親睦は深まった。
0:Enemy•side。
異形なる者(力)此処が理の狭間か。
異形なる者(技)…ジーフリード、何故庇った…?
異形なる者(力)知れた事を…今、お前に死なれては困るからだ。
異形なる者(技)…どう言う意味だ…?
異形なる者(力)お前が知る必要はねぇ!…お前は俺の木偶として活躍してくれりゃ、それで良い!
異形なる者(技)…っ!
異形なる者(力)何だその目は?生かしてやった恩を忘れたのか?
異形なる者(技)…否、感謝する…!
異形なる者(力)ああ、分かれば良いんだよ!クッハハハ!!
異形なる者(技)…ジーフリード、ジェスの事を恨んでいるのか?
異形なる者(力)あ?…確かに俺はジェスを好いていたが、あんな阿婆擦れに未練は無いわ!
異形なる者(技)…そうか。なら良い…。
異形なる者(力)…そろそろ、試練の間とやらに着くぞ。
異形なる者(技)ああ。
異形なる者(力)何が起こるか分からん!気を引き締めておけよ!ヴァシュロン。
異形なる者(技)了解…。
0:異界•天主の間
???:アルベド、我が貴様の生涯を買ってやろう!フフ…フッハハハ!!
???:あいつらが失敗(しくじ)る可能性は多いにあるからな。念の為、手を打っておくか。
0:試練の間•最下層。
ルベド:…!…この空間はなんだ?宇宙だと!?
アルベド:ルベド、この最下層はどうやら、君の過去を映しているようだ。
ルベド:過去!?…俺の過去にこんな宇宙など…はっ!
アルベド:思い出したみたいだね。
0:ルベドの深層心理の世界。
プリシラ:あなたーー!見て、元気な男の子よ!
ライネル:おお!パッチリした目元がプリシラにそっくりだな♪
プリシラ:あら、吸い込まれそうな大きな口はライネル、あなた似ね♪
ルベド?:俺の…本当の母さんと父さん?!
プリシラ:名前は何て付けようかしら〜あなたぁ!何が良いと思う?
ライネル:ルベド…赤って意味なんだが、目の色も紅眼で丁度良い…情熱とも例えられるしな!
プリシラ:ルベドかぁ!あなたに似て、情熱的な子に育つと良いわねー!
ライネル:ああ、大丈夫だ!この子なら、きっと正義感溢れる立派な子になるだろうよ!
プリシラ:ふふ、そうね♪
ルベド?:情熱…正義感…
0:王號暦250年、人族と異族の共存は異界では認められていなかった。
ライネル:プリシラ…落ち着いて聞いてくれ。
プリシラ:どうしたのあなた?ご飯なら、もうすぐに出来るわよ。今晩はあなたの好きな…
ライネル:プリシラ!…上層部のお偉い様方に俺達の事が知られた。正確には…君が人族である事が問題視されている…
プリシラ:……え。
ライネル:君は人族の世界に帰った方が良い……
プリシラ:そんな…嘘よ…私は嫌よ!離れたくない…ぅう(涙)
ライネル:俺だって愛している…だが、このままでは上層部に殺される!
プリシラ:……っ!
ライネル:ルベドは君に預けるぞ!…元気でな。
プリシラ:ライネル…ライネル…ぅううわぁぁん!
ルベド?:人族に対する、異族からの差別化…
プリシラ:……ルベド行きましょう。
ルベド?:民間用脱出ポッド…母さん?!何を…?
プリシラ:ルベド、貴方は母である私を恨むでしょうね…。…ごめんなさい。…誰かが拾ってくれる事を願っているわ…
ルベド?:そんな…母さん…何で俺を棄てたの?!
プリシラ:ルベド…愛しているわ………
0:辺境な宙域でプリシラは身を投げた。
ルベド:……母さぁんーー!!!
アルベド:ルベド!…ルベド!
ルベド:あ、アルベド?!
アルベド:大丈夫かい?譫言(うわごと)のように母さん、母さんって叫んでいたけど。
ルベド:アルベド、ありがとう!
アルベド:??
ルベド:アルベドが呼び掛けてくれなかったら、俺は還ってこれなかっただろうな。
アルベド:ああ、気にするな!
ルベド:さて、これで全部か?
愛を司る者:よく乗り越えましたね。
アルベド:め、女神!?
ルベド:あんたは戦いはしないのか?
愛を司る者:はい、貴方の「愛」をたっぷりと感じさせて頂きましたからね。
アルベド:愛…
ルベド:俺は果報者って事か…。素敵な家族「愛」だったよ。
愛を司る者:ふふふ、それでは奥にお進み下さい!これからも貴方達の未来に「愛」が溢れん事を…。
アルベド:ルベド、奥に進もう!
ルベド:ああ。
0:Enemy•side。
異形なる者(そろそろ、最下層みたいだな。
異形なる者(技)…ああ。
異形なる者(力)どうした?ツラが窶れているぞ?ヴァシュロン。
異形なる者(技)否、大丈夫だ。
異形なる者(力)そうか。まぁ、とっととアルベドとか言う奴を捕らえて、主に献上するぞ!
異形なる者(技)…
0:HERO•side。
ルベド:アルベド〜この虹色の箱の中にあるんじゃないか?
アルベド:開けて見よう!
0:虹色に輝く箱を開ける。
アルベド:…これが!魔の籠手、不倶戴天!
0:アルベドは禍々しいオーラを放った籠手を手に取る。
ルベド:この眼みたいなのは何だ?不思議な武器だな。
アルベド:恐らく、この眼に魔を封じ込めるんだろうね。噂でしか聞いた事無いから、詳しくは分からないけど。
ルベド:ふぇえー、何か呪われそうで俺は好きになれないな。
アルベド:私は既に呪われているからね…
ルベド:アルベド…
アルベド:ターニア(右腕)を封じようと思うんだ。…この籠手を被せてね。
ルベド:アルベド、良いのか?最愛の女性なんだろ?
アルベド:ああ。ターニアも眠る時間が必要だと思うんだ。
ルベド:そうだな…
アルベド:……ルベドが試練の間に来た理由は?
ルベド:うーん…己を磨く為かな?
アルベド:へぇ、ストイックだね!
ルベド:まぁな。
アルベド:…あれ?…あの石碑は何だろう?
0:石碑が光っている。
ルベド:行って見よう!
アルベド:文字が書かれているね。
0:紅眼なる者よ、汝が秘めたるチカラを引き出せ。
ルベド:は…?…どう言う事だ…?
アルベド:紅眼(こうがん)ってルベドの目の色を指しているんじゃないかな?
ルベド:俺の事!?…あ、ローレンスから貰った銀の腕輪が…光ってっ?!…うわぁあああ!!
アルベド:ルベド、大丈夫かい?!
ルベド:大丈夫だ。急に身に付けている腕輪が光ってビックリしただけだ!
アルベド:ルベドが持つ銀の腕輪と石碑の光が酷似している。…まさか!……ルベド、その腕輪を石碑に翳して見て!
ルベド:え?…分かった!……こうか?
0:石碑に銀の腕輪を翳す。
ルベド:うわぁあーあ!?また眩しい光が…!?
アルベド:ルベド?!
ルベド:何だ、何かが俺の中で蠢いている!
ルベド?:目醒めよ、革命の時は来た。
ルベド:誰だ?!…俺がもう一人…?
ルベド?:この力で困難を乗り越えろ。
0:声は聞こえなくなった。
アルベド:ルベド!しっかりしろ!ルベドー!!
ルベド:あ、アルベド?…俺は…?!
アルベド:急に気絶するから驚いたよ。
ルベド:あれは夢だった…のか?!
アルベド:あれ?何の事だい?
ルベド:いや、何でもない。
ルベド:…(いや、夢じゃない…義父さんの形見のハーフデュランダルの形状が変わった?)
アルベド:何か思い詰めてる様子だが、本当に大丈夫かい?ルベド。
ルベド:ああ、大丈夫だ!心配かけたな。アルベド。
アルベド:…!…ルベド、何かが近付いて来る!
ルベド:え?
異形なる者(力)話から察するに、アルベドと言うのは銀髪のお前の事か?悪いが、一緒に来て貰うぞ!
異形なる者(技)ジーフリード、もう一人の方はどうする…?
異形なる者(力)煮るなり焼くなり、お前の好きにしやがれ、ヴァシュロン。
異形なる者(技)了解…。
0:黒装束の二人組の出現に戸惑う、ルベド、アルベド。
アルベド:残念だが、私は君に用は無い。大剣を持つ黒装束の男。
異形なる者(力)俺の名は狂乱のジーフリードだ!余り、俺の手を煩わせるなよ?…無傷では済まなくなるからな?
アルベド:…戦うのであれば、容赦はしないよ?
異形なる者(技)ジーフリード…傷をつけては主が…。
異形なる者(力)うるせぇえ!テメェは黙って、その餓鬼と殺り合っていやがれ!ヴァシュロン。
異形なる者(技)…つ。
ルベド:仲間割れか?随分とダサい連中だな。
異形なる者(技)貴様…口が過ぎたな…。
0:黒槍を構えるヴァシュロン。
ルベド:やる気ってか?いいぜ、返り討ちにしてやるよ!!
アルベド:ルベド!ダメだ、挑発に乗っては!
異形なる者(力)おい、余所見は厳禁だぞ?おりゃーあああ!!(大剣を横に薙ぎる)
アルベド:くっ…!
ルベド:アルベド!…俺の事は大丈夫だ、お互いの敵に集中しようぜ!
アルベド:ああ。
異形なる者(技)舐められたものだな…。私は漆黒の大槍ヴァシュロン!その命、散らせて貰う…!…はぁっ!
ルベド:…ぐっ!…不意打ちとは汚ねぇ!
異形なる者(技)黙れ…戦いとは非情だ…。
ルベド:…今度は俺の番だ!キザ野郎!!魔甲(閃光)セット!…シャイニングダストォオオ!!
異形なる者(技)く…この私に傷を負わせるとはな…貴様、何者だ。
ルベド:俺はルベド、世界を救う英雄になる男だ!
異形なる者(技)は?…世界を救う英雄だと…?自惚れているのか…?
ルベド:何とでも言え。
異形なる者(技)ふ…その英雄も今日が命日だ…。
異形なる者(技)ふん、殘月…!
ルベド:…!…閃いた!…殘月返し!
異形なる者(技)ぐほぉあ!?…貴様、私の技を盗んだと言う訳か?!
ルベド:俺にも分かんねぇー。…けど、おに俺を倒す事は不可能だ。
異形なる者(技)…くっ…ほざけっ!…その強がりがいつまで続くか…。
異形なる者(技)異技、淵龍夢幻槍!!(えんりゅうむげんそう)
ルベド:ぐは…つい喰らっちまったが、お前の技も喰ったぜ!
異形なる者(技)な、なんだと…!?
ルベド:異技、淵龍夢幻槍返し!!
異形なる者(技)ば、馬鹿な!!…ぐはぁああ!!……主…お赦し下…さ…(戦闘不能)
ルベド:はぁはぁ…すげぇな…俺じゃないみたいだ。
異形なる者(力)ヴァシュロンー!!くそがぁ!テメェら、まとめて血祭りにあげてやらぁ!!!
0:ジーフリードは狂人化した。
アルベド:…!?…雰囲気が変わった…!
ルベド:アルベドーー!こっちは片付いたぞ!…無事か?
アルベド:ルベド、来るなっ!
ルベド:どうしたんだよ!…!?
異形なる者(力)狂:ゥオオオー!!
異形なる者(力)狂:主など、知った事か!…テメェらは生きて返さねぇえ!!
アルベド:ルベド、下がっていてくれ!私が倒す!
ルベド:分かった。ピンチになったら言えよ?アルベド。
アルベド:ああ!
異形なる者(力)狂:ゴチャゴチャ
と何を話している!…来ねぇならこっちから行くぞ!
アルベド:…魔を吸い取れ!不倶戴天!…ぬぉおおお!!
ルベド:ひゅー、凄いな!俺と同じでアルベドも強化されてるな。
異形なる者(力)狂:グゥオオア!!
異形なる者(てな力)狂:異技、狂風の太刀!!
アルベド:ぐっ!…やるね!
アルベド:ターニア、力を借りるよ…魔爪•アネモネ改!!…ぅおぉおー!!
異形なる者(力)狂:……ゴフッ!!(戦闘不能)
ルベド:…こりゃ、俺の出る幕は無さそうだな。
アルベド:はぁ…はぁ…
ルベド:アルベド、よくやった!
アルベド:ああ……うぐぁあ!?…はぁ…はぁ…
0:突然、苦しみ出すアルベド。
ルベド:アルベド?おい、大丈夫か!
アルベド?:……フッハハハ!…この時を何万、何億と待ち焦がれた事か!
ルベド:あ、アルベド?!
アルベド?:漸く、完璧な肉体を得る事が出来た!礼を言うぞ。アルベド、ルベドよ。
ルベド:……っ!!
アルベド?:フッハハハ!我が何者か?いいだろう、冥土の土産に教えてやろう!…我はこの宇宙を統べる創造神だ!!
ルベド:…なんだと!?
ルベド:アルベドに何をした?答えろっ!!
アルベド?:アルベドの心は我が支配した!もう貴様の想いは届かん。
ルベド:くっ…!
アルベド?:お喋りは終わりだ!…ルベド、我を封印しようと企てたようだが無意味な事だ。
ルベド:何故、それを知っている!?
アルベド?:貴様の…否、貴様らの行動など、我の魔鏡眼でお見通しよ!フッハハハ!!
ルベド:お前は…何が目的だ?
アルベド?:生きとし生きる物全てを統べ、我の管理の元、完璧な世界を再構築する事よ!フッハハハ!!
ルベド:そ、そんな事はさせないっ!!はぁああぁあー!!
アルベド?:…無駄だ!我には全ての物理攻撃、術は効かん!!この絶対なる創造神には抗う事叶わぬ!小童よ。
ルベド:…くっ!
アルベド?:フッハハハ!!…さぁ、終いだ!…アルティメット……なっ!?
アルベド?:貴様ぁ!!我を抑え込む力が残っていたと言うのか!!
アルベド:ルベド、今の内に逃げるんだ!…ここで戦っても無意味に命を散らすだけだよ。
ルベド:アルベド?意識が…!?
アルベド:時間がないっ!急げっ!!ルベド!
ルベド:…アルベド、ありがとう!
アルベド:ああ、私も君に会えて楽しかった!
ルベド:……っ!!
0:ルベドは涙を堪え、走り出す。
アルベド:ルベド…さようなら。
アルベド:ターニア…今迎えに行くよ…。
アルベド?:小童め、、小賢しい真似を!!…次こそは貴様の心を完全に破壊してやろう!!ふんっ!心殺明鏡!(しんさつめいきょう)
0:アルベドの自我を完全に砕いた。
アルベド:ぐぁあああーー!!!!
創造神ミハイル:フッハハハ!!…素晴らしい!これが我の完全なる身体か!
創造神ミハイル:ルベドとか言う、小童め…逃げたか。まぁ良い!…いずれまた会う事だろう。フッハハハ!!
0:HERO•side。
0:ヘレティックフェザー•甲板
サレナ:ルベド…
ニグレド:サレナ、ルベドが心配?
サレナ:ええ、突っ走る癖があるからね。
ニグレド:大丈夫だよ、彼は変わるよ。
サレナ:だと良いけど…
0:ヘレティックフェザー•厨房。
グリーヴァ:ふんふん〜良い匂いがするな!
無尽君45式:今夜の夕食を作っています。
グリーヴァ:ほうほう!幻のコカトリスの肉を使用したカレーか?
無尽君45式:はい。残り45分で出来上がります。少々、お待ち下さい!
グリーヴァ:うむ、楽しみにしているぞ!!
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ
ローレンス:ゴホッ…ゴホッ…!ルベドくん、無事だと良いが。
フェルマー:ルベドなら心配無用じゃ!必ず
、戻って来るはずじゃよ。
ローレンス:そうじゃな…。
0:理の狭間。
ルベド:はぁ…はぁ…!走りっぱなしだから、身体中が悲鳴を上げてるな…。
ルベド:もう少しでヘレティックフェザーに着く。…辛抱しないとな。
ルベド:アルベド……くそっ!!
アルベド?:ルベド、私も君に会えて楽しかった。
ルベド:……ヤツを封じないと、世界は終わる。
創造神ミハイル?:フッハハハ!!我は絶対なる創造神!!
ルベド:…っ!……急ごう。
0:ヘレティックフェザー•甲板。
ニグレド:サレナ、外にいたら風邪引くよ?
サレナ:……
ニグレド:ルベドの事が心配なのは分かるけど、いつ帰ってくるか分からないし。
サレナ:うりゃー!!(蹴り飛ばす)
ニグレド:ぐはぁ!?な、何するんだ?
サレナ:あんた、さっきから五月蝿いのよ!アタシがしたくてしてる事なんだから、構わないでっ!!
ニグレド:サレナ…ごめんよ。僕は君を…
サレナ:あん?もう一発、喰らいたいの?
ニグレド:か、勘弁してよ!!
ルベド:お〜い!!俺が居ない間に喧嘩すんなよな!
0:ルベドはヘレティックフェザーを見上げる。
サレナ:ルベド??ルベド〜帰ってきたのね!…はぁぁあー!!
ニグレド:え、え!?ちょ、サレナ、そこから飛び降りるのは…
サレナ:……よっと!!…ふぅーー。元気なの?ルベド。
ニグレド:あはは…サレナは何者なんだ…
ルベド:ああ、元気だが。お前、登場が大胆過ぎるっての!!
サレナ:ふふ…アタシもあんたが居ない間、鍛えていたのよ?
ルベド:そうですかい。
サレナ:あんた、何か変わったわね?
ルベド:分かるかー?一皮剥けたと言うか新たなチカラが目醒めたと言うか!
サレナ:はぁ?どうでも良いけど、お腹空いたでしょ?今日はカレーらしいから、行きましょう!
ルベド:おお!マジかっ??腹減り過ぎて死ぬところだったからな〜!善は急げっだな!
サレナ:どーこが一皮剥けたんだか…ふふふ!
0:ヘレティックフェザー•食堂。
無尽君45式:特製コカトリスカレーを順番にお運びしますので席で待機してて下さい。
ルベド:何でよりによって、俺が1番最後なんだよ!(怒)
サレナ:仕方がないでしょ、あんたが帰ってくるのが今日とは分からなかったんだから!
フェルマー:そうじゃぞ!文句を言ってはならぬ!
グリーヴァ:真の漢なら細かい事は気にするな!ガッハハハ!
ニグレド:ルベド、僕のカレー食べる?
ローレンス:ふぉっふぉっふぉっ!
ルベド:へいへい、大人しく待ちますよー。
0:順番にカレーが運ばれる。
無尽君45式:ニグレドさん、お待たせしました!
ニグレド:おお!美味しそうだね♪ありがとう、無尽君!
無尽君45式:どうぞ、冷めない内に召し上がって下さい!次はグリーヴァさんの元にお運びします。
無尽君45式:どうぞ!熱いのでお気を付け下さい。
グリーヴァ:こ、コレは!!すんすん…食欲を唆る香りだ!どれ、早速頂こう!!…あむっ!…あち、あちちちぃ!!
無尽君45式:馬鹿ですね。…次はローレンスさんにお運びします。
無尽君45式:お待たせしました!
ローレンス:すまないのぅ、儂は猫舌なんじゃ!…十分に冷めてから頂こうかの。
無尽君45式:次はサレナさんにお運びします。
無尽君45式:お待たせしました!
サレナ:あら、ありがと!よしよし!…とっても美味しそうね!頂きますっ♪あむ、あむっ!んーー♪最高ね!
無尽君45式:……照
ルベド:おい、ポンコツ!頭を撫でられたくらいで、フリーズしてんじゃねえよ!!
ルベド:早く、俺のを用意しやがれっ!おらっ!!(蹴る)
無尽君45式:成敗します!(ビーム発射)
ルベド:うわぁあ!?
サレナ:あむ!あむ…ん?何してんの…アンタ。
ルベド:はぁはぁ…余計に腹が減ってきた…
無尽君45式:お待たせしました!ルベドくん。
ルベド:おっ、やっとかよ…って!!何で俺だけ君付けなんだよ!馴れ馴れしいヤツだな!
無尽君45式:はい、どうぞ!…ドスンッ!
ルベド:うお!?お前、俺に何か恨みでもあんのかよ!!
サレナ:完璧に嫌われてるわね。あむ…あむ!
ルベド:ちっ…!…あむ!…あむ!…うおおお!!うめぇええ♪最近碌なの喰って無かったからな〜久しぶりのマトモな飯だ!
サレナ:あむ…うるさいわね…静かに食べなさいよ!おりゃ!!
ルベド:ぐはぁ!!サレナに蹴られるのも久しぶり…ガク
サレナ:あむ…あむ!…あむ!きゃはぁー♪
ニグレド:あはは…ルベドか居ない時は暗かったのに。
サレナ:あむ…!あむ…ん、にゃにか言った?にゅぐれど。
ニグレド:あは、何でも無いよ。
グリーヴァ:賑やかが一番だな!フェルマー殿よ。
フェルマー:あむ…あむ!そうじゃのー♪グリーヴァよ。
ローレンス:あむ…!…ゴホッゴホッ!…年寄りにカレーは地獄じゃ!…あむ…!ゴホッゴホッ!
0:賑やかな食事は朝まで続いた。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
ローレンス:ルベド、おぬしに預けた銀の腕輪は役に立ったかのー?
ルベド:ああ、この腕輪のお陰でパワーアップ出来たからな!ありがとうな!ローレンス。
ローレンス:それは良かった!ルベドよ、いよいよ明日が最終決戦じゃっ!
ルベド:ああ、あいつの力は凄まじかった…まるで歯が立たなかった!
ローレンス:うむ…奴を倒す事は不可能じゃ!…ニグレドと協力し、封じる他無い。
ニグレド:…必ず!封じて見せます!ローレンス様。
ローレンス:二人とも頼むぞぃ!ゴホッゴホッ…!
サレナ:ルベド、怖くないの?
ルベド:馬鹿か。怖いに決まってるだろ!
サレナ:じゃあ、辞めれば良いじゃない。
ルベド:冗談じゃねぇ!俺がやらなきゃ、世界は滅亡する。
サレナ:…アタシを置いていかないでよ?ルベド。
ルベド:サレナ……
サレナ:ルベド?
ルベド:ああ!そう簡単には死なねぇよ!
ルベド:…(ごめんな…サレナ…)
フェルマー:ルベドー!…約束通り妾と闘おうぞ!
ルベド:ああ、後で行くから待っててくれ!フェルマー。
グリーヴァ:ふむ、フェルマー殿とルベドが闘うのか。……俺も観戦と洒落込もうぞ!!
0:ヘレティックフェザー•闘技室。
ルベド:うはぁー!こんな場所があったのか!?
フェルマー:いや、妾が無理を言って造って貰ったのじゃ!
ルベド:ですよねー…
グリーヴァ:ガッハハハ!!
ルベド:グリーヴァも居たのか!まさか、お前も闘おうぞ!とか言わないよな?
グリーヴァ:ガッハハハ!…俺は観戦しに来ただけだ!
ルベド:ふぅ…
フェルマー:それでは始めるとするかの!お主がどれ程まで強くなったのか興味深いからのぅ。
ルベド:ふっ、言っとくが手加減しないぜ?
フェルマー:ふっふっふっ!…気迫充分と見た!それでは、参るぞっ!ルベド。
ルベド:ああ!フェルマー。
グリーヴァ:ガッハハハ!
0:ヘレティックフェザー•甲板
サレナ:…嘘つき…
ルベド?:ああ!そう簡単には死なねぇよ!
サレナ:あんた嘘吐く時、口角が上がるのよ…ぅうぅう(涙)
サレナ:ばか…。
ニグレド:…サレナ…。
0:ヘレティックフェザー•ローレンス自室。
ローレンス:未来は彼等の手に掛かっておる。…儂の命も…ゴホッゴホッ!持って、数日かのう。…
ローレンス:…ゼフ、あの時の小僧が今じゃ立派な英雄じゃよ。
0:ヘレティックフェザー•闘技室。
ルベド:はぁあー!迅神剣ー!(しゅんじんけん)
フェルマー:くっ!やりおるな!…剛戟陣!(ごうげきじん)
ルベド:鎌で防壁を作っただと?!
グリーヴァ:おおー!両者共に譲らないな!ガッハハハ!
ルベド:だが、甘いっ!烈火蒼裂斬!(れっかそうれつざん)
フェルマー:くぅー!…火水の2属性技!!…此奴、口先だけじゃなかったようじゃの。
グリーヴァ:あのフェルマー殿が圧されているだと!?
フェルマー:これはどうじゃあ!…羅刹刃!
ルベド:…閃いたっ!…羅刹刃返し!
グリーヴァ:な、な、な、なんだとぉ!?
フェルマー:きゃあああ!…妾の負けじゃ。
フェルマー:今のはなんじゃ?妾の技を喰ったのか?
ルベド:ああ、盗んだんだよ!これが俺の生まれ変わったチカラさ!
グリーヴァ:おおー!見事だ!ガッハハハ!
フェルマー:ふっふっふ!…ふぅーー良い汗をかいたのう。妾は風呂にいくとするかの。
ルベド:フェルマー、ありがとう!
フェルマー:次は負けんぞ?ルベド。
ルベド:ああ!望むところだ!
グリーヴァ:ルベド、俺も風呂に行くぞ!また明日な!ガッハハハ!
ルベド:はぁー!?先にフェルマーが入るんじゃ無かったか?…ま、まさかな?…はは
0:ヘレティックフェザー•ルベド自室。
ルベド:明日で俺の人生も終わりか…早いもんだな。
ルベド:俺明日、死ぬか…怖いな…死後の世界ってどんなところなんだろうな…。
0:トントンッ!
ルベド:誰だ?
ニグレド:僕だよ、ニグレドだよ。
ルベド:ああ、ニグレドか。どうした?
ニグレド:明日は頑張ろうね!
ルベド:ああ、どっちが死んでも恨みっ子無しだぜ?
ニグレド:勿論だよ。
ルベド:なぁ、ニグレドー!
ニグレド:うん?
ルベド:死後の世界ってどんな所なんだろうな?
ニグレド:さぁね。
ルベド:わりぃ!分かるわけ無いよな。
ニグレド:いや、大丈夫だよ。
ルベド:そう言えば、お前の両親ってどんなヤツなんだ?
ニグレド:分からない。その時の記憶が全く無いんだ。…気付いたら、ローレンス様に拾われてたから。
ルベド:そうか、ローレンスに拾われた同士、兄弟みたいなもんだな!
ニグレド:あはは、そうだね。
ルベド:ニグレド、もし俺が居なくなったらサレナを頼むな。
ニグレド:…ルベド。
ルベド:薄々分かってんだよな、どっちか片方が死ぬって嘘だろ?
ニグレド:え!
ルベド:…お前は死なない。俺は死ぬ。…そうだろ?ニグレド。
0:偶然聞いてしまうサレナ。
サレナ:嘘…!?
ニグレド:知ってた…の?
ルベド:サレナに気を遣ったんだろ?…お前の考えそうな事だ。
ニグレド:…ルベド、ごめん。
ルベド:お前が謝る必要はない。
ルベド:俺はあの創造神とか言うヤツを封じる為に生まれて来たのかもな!
ニグレド:創造神?…まさか、試練の間で戦ったの?!
ルベド:ああ、俺の攻撃が全て防がれたよ。
ニグレド:…そっか。
ルベド:さて、もう寝るよ。おやすみ、ニグレド。
ニグレド:おやすみ。
ニグレド:ルベド…ぅう(涙)
0:ヘレティックフェザー•サレナ自室。
サレナ:…ルベド…ルベド…何でアンタなんか好きになってしまったんだろ…ぅうぅう(涙)
サレナ:…うぅうわぁんん!(号泣)
0:翌日、決戦当日。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
無尽君45式:お早う御座います!皆様。
ローレンス:無尽君。異界、カタストロフまで向かってくれるかの?
無尽君45式:畏まりました!到着時間の算出を行うので、暫くお待ち下さい。
ローレンス:うむ。
グリーヴァ:ローレンス殿、カタストロフとはどんな場所なんだ?
ローレンス:カタストロフは破壊の街じゃ。要するにそこに奴が…創造神がおる。
グリーヴァ:なるほどな。
ニグレド:ローレンス様、GATEへの結び付きはどうされますか?
ローレンス:うむ、カタストロフからGATE(次元の裂け目)までは儂が繋ごう。儂の残り僅かな、魔力でな。
ニグレド:ローレンス様、お願います!
フェルマー:妾らはGATEに繋げるまでの時間稼ぎって事かのう?
ローレンス:そうじゃ。しっかり頼むぞい!
フェルマー:了解じゃ!
サレナ:ルベド、あんたアタシから離れるんじゃないわよ?
ルベド:は?…何言ってんだお前?
サレナ:良いから!離れない事!い•い•わ•ね•?
ルベド:へいへいー。
ニグレド:…。
無尽君45式:お待たせしました!算出の方が完了致しました。…サイド999異界、カタストロフまで3時間25分で到着の予定です!
ローレンス:うむ。…その間、儂はGATEに繋げて来よう。それではな!
ローレンス:皆の者、宜しく頼むぞ!
ニグレド:ローレンス様、ありがとうございました!
ローレンス:…!ふぉっふぉっふぉ!ニグレドは鋭いのう。
ニグレド:…心が読めちゃうんです。。
ローレンス:そうじゃったのう。…未来は託したぞ!
ニグレド:はいっ!
ルベド:ローレンス…色々とありがとうな!
フェルマー:ローレンス公、達者でのう!
グリーヴァ:ローレンス殿、感謝致すっ!
サレナ:ローレンスさん、ありがとう!
ローレンス:ふぉふぉふぉっ!
0:ローレンスは転移術でGATEまで向かった。
ルベド:さて、一旦解散しよう!万全の状態で臨みたいからな。
グリーヴァ:そうであるな。また時間になったら、ブリッジに集合しようぞ!
フェルマー:グリーヴァ、ちょっと付き合ってくれぬか?
グリーヴァ:お供しよう!フェルマー殿。
ニグレド:いつからあの二人、あんなに仲良くなったんだろ?
サレナ:前からでしょ?
ルベド:いや、そう言う意味じゃないだろ。
サレナ:な、何よ?
ルベド:鈍感だな。
ニグレド:あはは…
ルベド:さーて、俺も自室に戻ってちょっとゆっくりするわ!
サレナ:はあ?アタシと離れないでって言ったわよね?…勝手な行動は許さないわよ!
ルベド:は?…やっぱりお前、何か変だぞ?サレナ。
サレナ:五月蝿い!…良いから、アタシも着いていくわ!
ルベド:へいへい〜。
ニグレド:あはは…
ニグレド:何か孤独だな…
無尽君45式:ニグレドさん、何か飲み物を用意しましょうか?
ニグレド:気を遣ってくれてありがとう、無尽君♪
0:ヘレティックフェザー•ルベド自室。
ルベド:まさか、本当に着いてくるとはな…
サレナ:ばか…ぅう(涙)
ルベド:サレ…ナ…?
サレナ:何で嘘吐いたのよ!ぅう…(涙)
ルベド:何の話だよ?
サレナ:とぼけないで!(涙)
ルベド:お前…まさか…
サレナ:封印したら、アンタだけが死ぬんでしょ?!…なんでよ…ぅう(涙)
ルベド:…っ!
ルベド:サレナ、俺一人が犠牲になれば他の大勢は救われるんだ。
サレナ:…いつからそんなに逞しくなったのよ…昔のアンタはヘタレで情け無かった癖に…
ルベド:……サレナ、ありがとうな。
サレナ:…ぅうぅう(涙)
無尽君45式:失礼します!もう間も無く、カタストロフに到着します。ブリッジにお集まり下さい。
ルベド:ああ!今行く。
サレナ:…。
0:ヘレティックフェザー•ブリッジ。
無尽君45式:皆様、お待たせしました!サイド999、異界カタストロフに着陸します。
グリーヴァ:未だ未開の地故、気を引き締めて参ろうぞ!
フェルマー:そうじゃな、妾は楽しみで仕方がないがのう!
ニグレド:今回は僕が指揮をとるよ!皆宜しくね!
ルベド:しっかり頼んだぜ、ニグレド。
サレナ:…。
ニグレド:作戦内容のお浚(おさら)いをしようか!…グリーヴァとフェルマーで雑魚を抑えて貰って、サレナとルベドと僕で中心部まで行く。
サレナ:ニグレド…ありがとね。
ニグレド:いやいや、バランスを考えたらこの構成がベストだからね!
グリーヴァ:任せとけー!蝿、一匹すら通させはせん!ガッハハハ!
フェルマー:うむ、殿(しんがり)は妾とグリーヴァに任せるのじゃ!
ルベド:俺達は創造神が鎮座する、中心部に攻め込む!
サレナ:ローレンスさんから指示が届いたら。
ニグレド:僕とルベドで創造神をGATEに封じ込める!
ルベド:よし、行くぞっ!!
グリーヴァ:応っ!
フェルマー:行くのじゃ!
ニグレド:行こう。
サレナ:行きましょう!
0:それぞれの熱き思想を胸に最終決戦は始まった。
0:カタストロフ•天主の間
創造神ミハイル:小童共め…貴様らが幾ら束になろうが、結果は変わらん!無駄な足掻きと言う意味を刻ませてやろう!……フッハハハ!!
0:異界•カタストロフ。
ニグレド:おかしい…妙に静まり返ってる。
グリーヴァ:辛気臭い顔して、どうしたんだ?ニグレド。
ニグレド:街の中に生態反応が無いんだ。
グリーヴァ:ふむ、どう見るか?フェルマー殿。
フェルマー:うぬ、初めから手厚い歓迎があってもおかしくは無いと思うんじゃがのー!
ルベド:罠の可能性も捨て切れないな。
サレナ:それでも引き返す訳には行かないわ。…進みましょう!
ルベド:…(サレナのヤツ、完全に吹っ切れたか。)
サレナ:ルベドー?なぁに、ボサっとしてんのよ!アンタが居ないと話にならないんだから、シャキッとしなさいよね!
ルベド:うわぁ、あたり強っ!
ニグレド:あはは…いつものサレナだね。
グリーヴァ:ガッハハハ!こう言うのを人族の間では゛絵゛になると言うのか?フェルマー殿。
フェルマー:妾にも分からんが、賑やかだとこちらの士気も高まると言うものじゃ!
ルベド:どことな〜く、ズレてんだよな。コイツら…
ニグレド:ん、ルベド!…あれを見て!?
ルベド:どうした、ニグレド!…何だコイツらは…
執行者ザファゲイル:…ヒッーヒー!お前らだなぁ?神に仇をなす愚かな者達ってのは!
断罪者ミトス:ザファゲイル、小言は要りません。始末なさい!
執行者ザファゲイル:ミトスゥウー!この俺にデカい面すんじゃねえ!お前も…じゅる…八つ裂きにしちまうぜぇ!?あ?!
断罪者ミトス:やれやれ、粗暴ですね。ミハイル様に仕える身であれば、清廉であれと…あれ程…
執行者ザファゲイル:黙れぇ!ヒッヒッ!…俺は元々、溝鼠(スラム)育ちなんだよお!…子綺麗な振る舞いとか、そんなもんは習ってねぇんだよ!オラァッ!!(ナイフで斬り付ける)
サレナ:…くっ!
ルベド:サレナ!
断罪者ミトス:はあ…(嘆息)
執行者ザファゲイル:動くんじゃねえー!それ以上、近付くとこの女の喉元を掻っ切るぞ!ヒッハハ!!
サレナ:…ル…ベド!あたしに構わず、やりなさい!!
ルベド:どうなっても知らんぞ?サレナ。
ニグレド:待って、ルベド。サレナに万が一の事があったら取り返しがつかなくなるよ?
ルベド:じゃあ、どうすんだよ!…クソッ!
フェルマー:グリーヴァよ…(空中で奴からサレナを奪うぞ!)
グリーヴァ:なるほどな!…合図を頼むぞ!フェルマ度。
執行者ザファゲイル:オイ、後ろの奴らー!!何をごちゃごちゃ言ってる!?…妙な真似したら、このアマを細切れにしちまうぞ?あ?!
断罪者ミトス:醜いですね。
ルベド:…っ!
サレナ:…
フェルマー:グリーヴァ!今じゃッ!
グリーヴァ:応っ!…うりゃあああ!!…魔刃煌!(まじんこう)
執行者ザファゲイル:なっ!?…お前、どこから湧いて出やがった?!…ぐぁ…!!!
サレナ:…助かったわ!グリーヴァ。…これはお返しよ!…狼牙掌!(ろうがしょう)
執行者ザファゲイル:…ぐほぁあ!?
グリーヴァ:ガッハハハ!無事で良かったぞ!サレナ。
ルベド:…無茶苦茶すんなあ!はは…
ニグレド:良い連携だね♪
フェルマー:ふっふっふ!
断罪者ミトス:全く、見ていられませんね…
断罪者ミトス:ザファゲイル、貴方は少々休んでなさい!…私が片付けてあげましょう。
執行者ザファゲイル:ちっ…!ぺっ!!(唾を吐き付ける)
ルベド:こいつの異様な雰囲気…只者じゃないな。
グリーヴァ:うーむ、骨のありそうな奴だな!
フェルマー:うむ、さっきの外道とは訳が違うの!
ニグレド:…僕にやらせてっ!
サレナ:ニグレド?あんた、正気なの?!
ルベド:サレナ、やらせてやれ!…危なくなったら、言えよ?ニグレド。
ニグレド:うん、ありがとう。…僕も見せ場を作らないとね!
執行者ザファゲイル:その鈍い動きで何が出来るってんだあ?ヒッハハ!…とんだ笑い草だな!
断罪者ミトス:ザファゲイル、黙ってて下さい。…気が散ります。
執行者ザファゲイル:チッ…すかしやがって!
ニグレド:…(僕にだって…)
断罪者ミトス:貴方、ニグレドって言いましたね?戦う前から足元がフラついてるみたいですが止めといた方が良いのでは?
ニグレド:…余計なお世話だ。
断罪者ミトス:私の忠告は訊くものですよ?…無謀と勇気は別物ですから。
ニグレド:…
ルベド:ニグレド!
サレナ:何してんのよ、早く仕掛けなさいよ!!
フェルマー:ニグレドには些か荷が重い相手ではないかのう?
グリーヴァ:ふむ、ニグレドに真の漢の素質があるかどうか楽しみであるな!ガッハハハ!
断罪者ミトス:仲間達に囲われてるだけじゃ、何の魅力も発揮出来ませんよ?…もう一度、申し上げます。退きなさい。貴方じゃ、私の相手には相応しくない。
ニグレド:…僕を…
断罪者ミトス:はい?ハッキリ言ってください。
ニグレド:僕を舐めるなぁ!!…神盾アイギス!…彼の者の自由を奪えっ!!ファントムブレイブ!
断罪者ミトス:く…痛いですね。貴方の力を侮っていました。まさか、亡霊の猛者を従える力があるとは。
ルベド:お前そんな力が眠っていたのかよ!ニグレド。
サレナ:ふふ、大丈夫そうね。
フェルマー:ふっふっふ!どうやら、妾の杞憂だったようじゃの。
グリーヴァ:ガッハハハ!真の漢への一歩を踏み出したな!
執行者ザファゲイル:ミトス、油断してると持っていかれるぞ?ヒャッハハ!!
断罪者ミトス:…冗談は止めてください。ザファゲイル。…余興はこれからなんですから。
執行者ザファゲイル:ふん。
ニグレド:…(ルベドみたいになりたい…僕は…強く…)
断罪者ミトス:この断罪者であるミトスの異名を貴方の身体で覚えさせてあげますよ。
断罪者ミトス:…雷鳴轟け、眼前の者に裁きを!!
断罪者ミトス:ライトニングクラウド!!
ニグレド:…神盾イージス!鉄壁の守護を!…ギガントアーマー!
断罪者ミトス:遅いです。…追撃!!…断罪の檻!
ニグレド:…ぐはぁ!!
ルベド:ニグレド!無理はするな!…俺が変わるっ!!
グリーヴァ:ルベド、ニグレドは真の漢への階段を上り始めたばかりだ!…邪魔をしては無粋と言うものだぞ?
フェルマー:うぬ、ようやく芽が生えたようじゃな!ふっふっふ!
ルベド:…っ!
サレナ:ルベド、大人しく見守りましょ!
ルベド:ああ…。
ニグレド:はぁはぁ…皆…ありがとう。
断罪者ミトス:素敵な友情ですね。思わず、私の涙腺が緩んでしまいますよ。
執行者ザファゲイル:ふん…下らねぇーお友達ごっこの何が楽しいんだか…ペッ!!(唾を吐く)
ニグレド:…(僕はルベドのように器用にはなれない…けど、僕にだって!)
断罪者ミトス:先程の威勢はどこへいってしまいましたか?ニグレド。
ニグレド:…。
断罪者ミトス:私に敵わないと悟りましたか?それなら即刻、退場して下さい。…貴方じゃ私を満たせない。
ニグレド:だから…
断罪者ミトス:何ですか?歯切れの悪い…貴方がそんな調子だから、いつまで経ってもお仲間さんの足を引っ張る事しか出来ないのでは無いでしょうか?
ニグレド:…舐めるなって言ってんだよ!!…うおおあああ!!
ニグレド:双の神の盾よ、僕に力をっ!!……ディザスターレイン!!!
断罪者ミトス:…ぐはぁ!!……理解が出来ません…貴方如きにこの私が…ごふっ!!(戦闘不能)
執行者ザファゲイル:なッ!?…ミトスがやられただと!?糞虫どもが…図に乗りやがって!!
ニグレド:はぁ…はぁ…はぁ…!…僕にだって出来る…ん……だ……(気絶)
ルベド:ニグレド!…凄かったぞ!
サレナ:ふふ。普段、保守的なニグレドが攻勢に転じるなんて驚きね。
フェルマー:熱いのう!
グリーヴァ:ガッハハハ!!ニグレドも真の漢と言う訳だな!見事、天晴れぞ!!
ルベド:残りはお前だけだぞ?唾吐き野郎!
執行者ザファゲイル:ヒッヒッ!ヒッハハ!!
ルベド:指揮官がやられて混乱しているのか?
執行者ザファゲイル:指揮官?そこに転がっているミトスの事か?ヒャッハハ!!…俺は元々群れるのが嫌いでなあ!…ヒャッハー!!
サレナ:ルベド、避けてっ!!
ルベド:何?!……ぐほぁ!!
グリーヴァ:ルベド、油断は大敵だぞ!真の漢は常に警戒し…
フェルマー:グリーヴァ!今は茶々を入れるでないっ!(叩かれる)
グリーヴァ:ぐふぇ!?…ふぇ、フェルマー殿申し訳無いっ!
執行者ザファゲイル:ヒッヒッヒッヒャッハハ!!俺の異名を知っているか?
ルベド:はぁはぁ…知らねぇな!
執行者ザファゲイル:教えてやるよ。惨虐の執行人ザファゲイル様をなぁあああ!!…うらぁああ!
ルベド:ぐほぁあ!!
サレナ:ルベド!何であんた、いつもみたいにカウンターしないのよ!?
ルベド:はぁ…はぁ!………サレナ、技じゃないと盗めないんだ。
サレナ:そんな…このままじゃあんた死ぬわよ?!
グリーヴァ:万能では無いと言う訳だな。
フェルマー:うぬ…考えものじゃ。
執行者ザファゲイル:あん?お喋りしている暇があんのかあ!?…お前のその気に喰わねぇ面、ギタギタに切り刻んでやらぁあ!!ぅらああああ!!
ルベド:ごふぁあ!!…はぁ…はぁ…はぁ…やばいな…こりゃ…傷が深い…
サレナ:ルベドーー!!
フェルマー:グリーヴァ、ルベドはもう限界じゃ!
グリーヴァ:うーむ…止むを得まい!…仕掛けようぞ!フェルマー殿。
ルベド:はぁ…はぁ…はぁ……要らねぇ!!余計な事はするな!
フェルマー:ルベド、お主…
グリーヴァ:フェルマー殿、ルベドを信じようぞ!
フェルマー:うぬ。
サレナ:あんた、、そんなにボロボロで何を強がってんのよっ!!
ルベド:はぁ…はぁ…うるせぇ、黙って見てろ!!
サレナ:…っ!
ルベド:…(打って来い、一発で良い!技を出せ!)
執行者ザファゲイル:ペッ!!…お前クソ弱ぇーな!…もう飽きたわ。……俺のとっておきの技で終わらせてやらぁあ!!
ルベド:…はぁ…はぁ…(来るっ!!)
執行者ザファゲイル:お前の血で遺書を書かせてやんよお!!…ファイナルレタァーァア!!
ルベド:ふっ…この時を待っていたっ!…ファイナルレター返しぃいい!!!ぅおぉおー!!
執行者ザファゲイル:な、何だとぉ!?…ぐふぁ!?…ば、馬鹿な!俺の技を奪ったと…言うのか…!…この俺がこんな虫ケラ如きにぃいい!!……(戦闘不能)
ルベド:はぁ…はぁはぁ…分の悪い賭けはするもんじゃねえな…!
サレナ:ふぅ…冷や冷やさせないでよ。
フェルマー:よく、辛抱したのう!ルベド。
グリーヴァ:流石はルベドだ!紛う事なき真の漢ぞ!ガッハハハ!!
ニグレド:…んん!?
ルベド:ニグレド、次に進むぞ!…指揮する奴が倒れたら、誰が統制すんだ。
ニグレド:お、終わった?!……あ…ルベド、ごめん。
サレナ:残るは創造神とか言う悪の親玉だけね。
グリーヴァ:うむ、参ろうぞ!!
フェルマー:引き続き、後方支援は妾に任せるのじゃ!
ルベド:ああ、望みある未来を掴む為に行こうっ!!
0:一行は中心部にある天主の間まで急行する。
創造神ミハイル:…我の最強の駒である、ミトスとザファゲイルがやられたか…それでこそ、我に仇を為す者達よ!…さぁ、来るが良い!!…貴様らの行いが全て徒労だと言う事を思い知らせてやろう!フッハハハ!!
0:カタストロフ•中心部入口。
グリーヴァ:辺りに異様な空気で包まれているぞ!
フェルマー:うぬ、敵の根城って雰囲気じゃの!
ニグレド:道が生きている?!イメージとしては化け物の胃袋の中みたいだ。
サレナ:ぅげぇ…気持ち悪い場所ね…
ルベド:…消化液?!…誤って触れたりしたら溶けるぞ!
グリーヴァ:道幅も狭いからな。落ちたら、即、あの世だな!ガッハハハ!!
フェルマー:天井が浅いせいで飛べないのが辛いのう…
サレナ:早く抜けましょ…気が滅入りそうだわ…
ニグレド:…これは…フロアマップ!?…皆、来て!横に立て掛けられた絵がここだけ、フロアマップに見えるんだ!
ルベド:本当か!?
グリーヴァ:ほう、ニグレドは目敏いな!
フェルマー:妾は視力が悪いから、見落としていたのう。
サレナ:ニグレド、あたしにも見せてっ!この場所から早く抜けたいの…
ニグレド:これなんだけど、、
ルベド:ふむ、なるほどな!このマップを背にして、北に進んで抜けた先は……拷問ハウスだぁ!?
サレナ:いきなり、奇声を発してどうしたのよ?ルベド。
サレナ:…ぇえーー何よ、それぇ!?!?
フェルマー:拷問ハウスか…大層な名前じゃな!
グリーヴァ:うむ、俺は何だかワクワクしてくるぞ!!ガッハハハ!
ニグレド:拷問ハウスは恐らくだけど、処刑に使うような物で僕達の進行を妨害してくるんじゃないかな?
ルベド:おいおい、悪趣味にも程があんだろ…
サレナ:今いる場所より、何倍もマシよ!早く行きましょう!
フェルマー:うぬ!
グリーヴァ:応っ!!
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:フッハハハ!!…我の創り上げた崇高な世界は堪能しているか?
創造神ミハイル:…途中で挫折するようでは我に挑む事すら叶わん!フッハハハ!!
0:カタストロフ•拷問ハウス。
ルベド:はぁ…やっと抜けたが、一難去ってまた一難とはな。
サレナ:ほらほらぁ、文句言わずに進む!
ルベド:お前、さっき死にかけてなかったか?
サレナ:はぁ?何の事よ??
ルベド:やれやれ…
グリーヴァ:ガッハハハ!!
フェルマー:ふっふっふっ!辺りを見渡す限り、罠だらけじゃな。
ニグレド:一歩ずつ慎重に進もう!
ルベド:ぐわぁあー!?…おい、誰だよ…こんなところに虎バサミなんて仕掛けたのは!
ニグレド:あはは…言った側から。
サレナ:馬鹿ね、創造神とか言うヤツが造ったに決まってるじゃない!
フェルマー:然し、これでは歩きづらいのう。
グリーヴァ:うーむ…どうしたのものか。弱ったな!
ルベド:誰かが、一個ずつ人柱になるしかっ…無いってか?…よっと…ふぅ…今度はペンデュラムかよ…
サレナ:相当なマニアックね…創造神。
ニグレド:ルベドが先行してるお陰で、僕等は最小限で済みそうだね。
ルベド:おい、ニグレド!お前、鬼だな!!
グリーヴァ:ガッハハハ!!…ルベド、真の漢はどんな事にも順応出来る…
ルベド:ふ、ふざけんな!お前が変われっ!!グリーヴァ。
フェルマー:次から次へと…厄介じゃのう。
ルベド:お前らは俺の後を着いてるから、安全だろうがっ…ぐぉおああ!?油断してたら…吊天井かよ!?危うく…ミンチになるところだった…
サレナ:ふぅ…これで半分ね?
ニグレド:これじゃルベドが流石に可哀想だなぁ…何か手は無いかな。
ルベド:ニグレドー!今更、もう気にしてねぇよ!…このまま先陣切るから、遅れないで着いて来い!……な…!?…鉄の処女…アイアンメイデン?…何でこんな物騒なもんまであんだよ!!
ルベド:はぁはぁ…戦う時より疲れるわ…
サレナ:ルベドー!あんたの横、マップじゃない?
ニグレド:本当だ!!丁度今いる場所は罠が無いみたいだし、確認しよう。
フェルマー:うぬ。
グリーヴァ:ほう、次はどんなフロアだ?
ルベド:何て書いてあんだ?サレナ。
サレナ:うーんと…マップを背にして北に抜けた先は…浮遊島?って書かれているわね。
グリーヴァ:浮遊島か…俺らの出番かも知れんぞ!フェルマー殿。
フェルマー:そうじゃな!グリーヴァよ。
ニグレド:浮遊島。確かにその名前から察するに陸路では行けない可能性があるね。
ルベド:おいおい、どうすんだよ?!
サレナ:焦らないの!…幸い、フェルマーとグリーヴァは飛行出来るから、背に乗せて貰ったら解決するんじゃない?
ルベド:あー…その考えがあったか!
グリーヴァ:地に足が着けぬのなら、俺らが責任を持って運んでやろう!ガッハハハ!!
フェルマー:どーんと、大船に乗った気で構えておれ!ふっふっふ!
ルベド:サンキュー!……後、どれくらいの罠があるか分からんが、抜けるぞっ!!
サレナ:人柱宜しくーー♪ルベド♪
ニグレド:僕は見ての通り、こんなナリだからね…頼んだよ!ルベド。
グリーヴァ:真の漢を存分に発揮してくれ!ルベド。ガッハハハ!!
フェルマー:妾を導いてくれるかのー!ルベドよ。
ルベド:はいはいー…お前ら、覚えとけよ…
ルベド:さぁ行くか……ぐわぁあ!?…小さいギロチンが床に!?……あぶねぇ!…足がちょん切れるところだった…はぁはぁ…
サレナ:ルベド、変わってあげたい気持ちだけはあるのよ?゛気持ち゛だけはね?
ルベド:サレナ…気持ちとか要らねぇから変われよっ!!くそっ…!
ニグレド:ルベドー!もう少しの辛抱だよ。後、何個か罠を解除したら、浮遊島に着くよ!
ルベド:解除だと?…こっちとら自力で解除してんだよ!!ニグレド。
グリーヴァ:ルベド、勇ましいぞ!ガッハハハ!
ルベド:お前は図体がデカいだけのただの落武者だがなっ!!グリーヴァ。
フェルマー:ルベド、妾はお主みたいに俊敏じゃないからのう。
ルベド:足が早く感じるのはそれだけこっちも必死なんだよ!!フェルマー。
ルベド:はぁ…はぁ…しんどい…どわぁあ!?…きゅ、球体が迫ってくるー!!つ、潰される!!ぎゃああああ!!…………はぁはぁ…創造神の野郎、封印する前に絶対ぶん殴るっ!!
サレナ:今の勢いで一気に駆け抜けたみたいね!一先ずゴールよ、ルベド。
ルベド:サレナ…ちょっと休ませてくれ…
サレナ:仕方無いわね。…ちょっとだけよ?
ルベド:…理不尽だ…
ニグレド:ルベド、ありがとう。お陰様で…浮遊島に到着したよ!
ルベド:はぁ…それは良かった…
フェルマー:ルベド、お見事じゃ!褒めて遣わすぞ!
ルベド:…はい…どうも…
グリーヴァ:ルベド!真の漢を超えて、真の超漢になれたなっ!!
ルベド:要らないぞ…そんな称号…
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:ほう、ここも突破するとはな!…だが、次は一筋縄とはいかぬぞ?フッハハハ!!
0:カタストロフ•浮遊島。
フェルマー:やはり、通路が浮いておるのう。グリーヴァよ。
グリーヴァ:うむ、久方振りの空だな!フェルマー殿。
ニグレド:うん、これは歩けたものじゃないね。
サレナ:あたし、フェルマーに乗るわ!
ルベド:俺とニグレドはグリーヴァに頼るか!
サレナ:駄目よ。ヘレティックフェザーで言ったでしょ?…あんたは私の隣!
ルベド:へいへいー!
フェルマー:ふっふっふ!しっかり捕まっておるのじゃぞ?サレナ、ルベドよ。
グリーヴァ:ガッハハハ!!参るぞっ!ニグレド。
0:三人はフェルマーとグリーヴァの背に乗り浮遊島を駆け抜ける。
ルベド:うわあー!風が気持ちいいなぁ!…若干、怖いけど。
サレナ:怖い?あんた、高い所苦手だったけ?ルベド。
ルベド:苦手だよ…ヘレティックフェザーは大丈夫だけど。…サレナみたいに甲板には出たくないけどな…
サレナ:そうなの?あんた、前に身を浮かせて、剣を振り下ろす技を使って無かったけ?
ルベド:あー、兜割りの事な!…一瞬なら大丈夫なんだよ。
サレナ:ふぅん。
フェルマー:もうじき、次のフロアに到着するぞ!落ちないよう気を付けるのじゃぞ!!
ルベド&サレナ:ああ!、ええ!
グリーヴァ:ガッハハハ!!フェルマー殿のところは随分と賑やかだな!
ニグレド:うん…(本当にお似合いだな)
グリーヴァ:ニグレド、お前重いな!…腰が痛くて敵わん!!
ニグレド:あはは…ごめんね、グリーヴァ。
グリーヴァ:ガッハハハ!!飛ばすぞっ!
0:カタストロフ•天主の間。
創造神ミハイル:な、何だと!?仲間の背に乗り、神速の如く飛び回るとは…想定外だ!…フッハハハ!!良い!!…来るが良いっ!
0:カタストロフ•浮遊島出口。
フェルマー:ふぃいーー…長時間飛び回ったのはいつ振りかの!グリーヴァよ。
グリーヴァ:ぜぇ…ぜぇ…!ああ…黒い衣服共と闘った以来かも知れぬな!フェルマー殿。ガッハハハ!!
ニグレド:グリーヴァ、ありがとう!助かったよ。
グリーヴァ:うむ、気にするな!
ルベド:フェルマー、さんきゅー!二度はごめんだがな…おぇえ…気持ち悪い…
サレナ:はぁ…こんなのが世界を救う英雄の器って言うのが信じれないわ…
フェルマー:ふっふっふ!
ニグレド:皆、立札を見て!この先が天主の間、創造神が鎮座する場所らしいね。
グリーヴァ:長かったな!
フェルマー:うぬ、そう言えばローレンス公は上手くやれたのじゃろうか?
ルベド:…ふぅーー…今日だけで何回死にかけたか……
サレナ:まだ、連絡はないの?ニグレド。
ニグレド:そろそろ、通信機が鳴ってもおかしくないんだけど……
0:プルルッ!
ルベド:ニグレド、来たんじゃないか?
サレナ:出て見なさいよ。
ニグレド:うん。(通信機を取り出す)
ニグレド:もしもし、ご無沙汰しています!ローレンス様。
ローレンス:うむ。皆、元気にしておるかの?さて、本題に入るが儂は今、GATEにおる。…ゴホッ!ゴホッ!
ニグレド:はい、僕等も天主の間付近にいます。
ローレンス:ふぉっふぉっふぉ!流石じゃ!首尾は良好と見える。ゴホッ、ゴホッ!
ニグレド:僕等はこのまま、天主の間に突撃します!
ローレンス:うむ、既にGATEと天主の間の結び付きは完了しておる!…後は任せたぞぃ…ふぉふぉふぉ!…ゴホッ!ゴホッ…うっ…!!
ニグレド:ろ、ローレンス様!?ローレンス様どうしたんですか!返事をして下さい!!ローレンス様ぁああ!!
ローレンス:…
ニグレド:ぅぐっ…!(涙)
ルベド:ニグレド?おい、泣いているのか?!ローレンスは何て言ってたんだ?
ニグレド:ローレンス様は天に昇られたよ。…ぅぐ!!
ルベド:そうか…
サレナ:…っ!
グリーヴァ:ローレンス殿、ご冥福をお祈り致すっ!!
フェルマー:ローレンス公…
ニグレド:…うぐ…うぐ…!
ニグレド:…ローレンス様は天主の間とGATEの結び付きは完了済みだって言ってた。
ルベド:そうか、なら後は封印するだけだな。……!…ローレンスは本当に残念だ…。
サレナ:ローレンスさんが繋げてくれた未来をあたしたちが責任持って受け継ぎましょう!ニグレド。
フェルマー:そうじゃの!まだ、妾の戦いは終わっておらぬ!
グリーヴァ:うむ、憎き神に一泡吹かせてやろうぞ!!
ニグレド:うん、そうだね!…やろう、ルベド!
ルベド:ああ、準備は出来てるぜ!ニグレド。
サレナ:ルベド…
ルベド:おい、散々カッコいい台詞を並べておいて、何で泣きそうになってんだよ。サレナ。
サレナ:…泣かないっ!…行きましょう!!
ルベド:ふっ…最期までお前は…
0:浮遊島出口付近にある、エレベーターで上にあがる。
0:カタストロフ•天主の間。
ルベド:創造神!!
創造神ミハイル:…(拍手喝采)
創造神ミハイル:見事だ!ルベド、そしてその愉快な仲間達よ!…よくぞ、ここまで辿り着いた。我は絶対なる、創造神ミハイル。
ルベド:御託は要らねぇ!とっとと始めようぜ!
サレナ:あんたが親玉ね!どんなヤツかと思ったら、間抜けな面構えね。
創造神ミハイル:小娘め…口が減らんな!まぁ、良い。
グリーヴァ:ガッハハハ!!神を討伐してくれようぞ!!
創造神ミハイル:報告にあった、鬼の侍か。見せて貰うぞ、貴様の力をな!
フェルマー:此奴が元凶かの?サレナの言う通り、大した事は無さそうじゃが。
創造神ミハイル:貴様は翼人の武士か!フッハハハ!!実に愉快な仲間達だ。
ルベド:お前の時代は二度と訪れない!
創造神ミハイル:ほう?…吐かしおる。
ルベド:ニグレド!
ニグレド:うん、任せて!
創造神ミハイル:何やら、企てているようだが…無意味だ。フッハハハ!!
ニグレド:…あった!……あの穴がローレンス様が空けてくれた、裂け目!
創造神ミハイル:ほう、ローレンスか。何百年振りにその名を聞いた事か。
ニグレド:神盾イージス、力を貸してっ!!はぁあああ!……皆ぁ!僕が詠唱してる間、時間稼ぎを頼んだよ!
ルベド:ああ、任せとけっ!!
サレナ:ボコボコにしてあげるわ!!(指を鳴らす)
フェルマー:妾も全力を出すかのー!
グリーヴァ:真の漢の真髄をその身に焼き付けてやろうぞ!!
創造神ミハイル:フッハハハ!!せいぜい、足掻けっ!!
ルベド:…魔甲(究極)セット!…父さん、母さん、最期に有りったけの力を貸してくれっ!!
ルベド:ぅおおおお!!…アルティメットノヴァスラッシュュユッ!!(究極新星斬)
創造神ミハイル:愚かな…貴様には言った筈だ。我には全ての物理、術は効かぬと。フッハハハ!!
ルベド:ふっ…分かってるに決まってるだろ。
サレナ:次はあたしの番ね!……はぁあああーー…時の彼方まで吹っ飛べぇええ!!流星キックーー!!
創造神ミハイル:……当たらぬな。…黄泉に還れ、アビスゲート!!(冥界の門)
サレナ:…きゃあああ!!
ルベド:サレナぁあー!!
サレナ:はぁはぁ…大丈夫よ!ルベド。
ルベド:もう少しの辛抱だ。
サレナ:ええ…
創造神ミハイル:実に滑稽なものよ…無駄に労力を消費している事に気付かぬとは。
グリーヴァ:無駄か、どうかはこれを受けてから、宣(のたま)え!!…乱れ月華、刹那落としぃい!!
創造神ミハイル:ふん!…我に擦り傷一つ負わす事叶わぬ!降り注ぐ数多の隕石よ…サウザンドメテオ!!(千の隕石)
グリーヴァ:ぐぁ!!…ぜぇ…ぜぇ…流石、神を騙るだけはあるな。
創造神ミハイル:ふん…脆い。
フェルマー:グリーヴァ殿!……せぇああああ!!……煉獄大魔刃!!
創造神ミハイル:貴様ら…学習せんな?…次元の狭間にばら撒いてやろう!!ディメンションコンケラン!!(次元の覇者)
フェルマー:…かは!!…歯が立たぬ……
ルベド:皆!!…くそっ!!まだか?!ニグレド!
ニグレド:待たせたね!…皆、ありがとう!
創造神ミハイル:ぬ?……ぬぐああ!?…我の身体が吸い寄せられている…だとぉ?!
ルベド:さぁ、、蹴りを付けようぜ!創造神ミハイル!!
サレナ:ルベド…
ルベド:サレナ、また来世で会おうぜ!……俺が居なくなっても今まで通り、お前はお前らしく生きろよ!!…………じゃあな。
サレナ:ルベド…ぅうぅ…ぐすん…カッコつけやがって…弱いくせに…(涙)
ルベド:確かに、昔の俺はお前に頼りきりで、弱かった。…でも俺は変われたっ!サレナ、ニグレド、フェルマー、グリーヴァ、ローレンスのお陰でな…!…ありがとうな…こんなどうしようもない俺に着いて来てくれて…皆ぁ、未来は託したぞ!!
グリーヴァ:ルベドー!俺の他に真の漢が居た記憶は決して忘れんぞ!!
ルベド:グリーヴァ、初めは…ただの暑苦しい侍かと思ってたが…お前は誰よりも周りを見れる頼りになる漢だよ!
グリーヴァ:ガッハハハ!!
フェルマー:ルベド、お主と共闘した日々は妾の宝物ぞ!…ありがとうなのじゃ!
ルベド:フェルマー、異質なオーラを放ってて、近寄り難い存在だったが武に関しては一番ストイックだった!…グリーヴァと末永く幸せにな。
グリーヴァ:な、何を言ってるんだ?アイツは。フェルマー殿。
フェルマー:ふっふっふ!見抜けられていたとはのう。
ルベド:いや、お前ら…露骨過ぎんだよ。
ニグレド:ルベド、僕は君に憧れていたんだ。
ルベド:でも、ある日嫉妬に変わったんだろ?…お前は素直で嘘が付けないタイプだからな。…ニグレド、後は頼むなっ!!…すぐに凹む癖、後…俺、孤独なんですーみたいな雰囲気出すのはやめておけよ?
ニグレド:ルベド、、本当に君には敵わないよ。
ルベド:ははは、じゃあな。…皆!俺の分まで元気に生きろよ!!
ニグレド:ルベド!
ルベド:ああ。
創造神ミハイル:ぐぁあああ!?…あれは…次元の裂け目!?GATEだとぉー?!ま、まさか我を再び幽閉する気か!!
ルベド:気付いた時には…
ニグレド:遅いよ!!
ルベド:我はファーストキーの末裔、ルベド!
汝を封じる運命(さだめ)を背負いし者なりっ!!
ニグレド:我はファーストキーの末裔、ニグレド!汝を封じる運命(さだめ)を手助けする者なりっ!!
サレナ:鍵が…!手から出て来た?!
グリーヴァ:おおー!これが伝承に伝わる英雄の姿か!
フェルマー:うぬ、圧巻じゃの。
創造神ミハイル:き、貴様らぁ!?ファーストキーの末裔だと?!…我の魔鏡眼にはそのような姿は映っていなかったぞ??
ルベド:よく分からんが、お前の魔鏡眼とやらは仮初の姿しか映せないみたいだな。
ニグレド:詰めが甘かったようだね、ミハイル。
創造神ミハイル:くっ……おのれぇえ!!小童共めが……ここで滅して……ぐっ!!身動きが取れんっ!!
ニグレド:無駄だよ、ローレンス様の術の効果縛らせて貰ってるからね。
ルベド:俺と一緒に地獄にいこうぜぇえ!!創造神、ミハイルーー!!ぅおおおおー!!
創造神ミハイル:ぐぁあああ!?や、やめろぉお!!
ニグレド:邪封…(じゃふう)
ルベド:淵殺陣!!(えんさつじん)
創造神ミハイル:ぐぁああ!?…我の完璧なる肉体が朽ちるーーゥウゥウゥ!!!……次こそは必ず…!!…ドゥアア!!
ルベド:はぁはぁ…やったみたいだな…英雄か…本当に俺には相応しくねぇ…異名だな…
ニグレド:ルベド!…身体が透けて?!
サレナ:ルベド…ルベド!!嫌…逝かないで!…ずっとあたしの隣に居るって約束したじゃない…ぅう(涙)
ルベド:サレナ…悪いな…約束…守れねえ…
フェルマー:ルベド、お主が命を賭して守った世界は妾らが必ず繋げようぞ!
ルベド:…ああ…頼む…
グリーヴァ:ルベド、お前の存在は未来永劫、語り継がれよう!
ルベド:…光栄だ…
ニグレド:ルベド、さよならは言わないよ。
ルベド:ニグレド…サレナを…頼む…
0:消え掛けるルベドの肉体。
ルベド:時間みたいだ………生まれて来た意味を………教えてくれて……ありがとう………(涙)
ニグレド:ルベドー!!
サレナ:ルベド……ぐす…ぐすん…うわぁああん!!(涙)
フェルマー:…ルベド、大義であった。
グリーヴァ:ゆっくり休むといい。ルベド。
0:ルベドと言う若き勇敢な英雄の命を代償に世界は再び、平和な朝を迎えた。
0:Stranger Of Chaos 完。