台本概要
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タイトル | 大道寺清彦の華麗なる事件簿 ~case1 悲哀のマリア~ |
---|---|
作者名 | 桃じー (@ARAKAN59) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 4人用台本(男2、女1、不問1) ※兼役あり |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
大道寺清彦の華麗なる事件簿 ~case1 悲哀のマリア~ しがない中年探偵とその助手小林に降りかかる難事件を華麗に解決·····?するサスペンスハートフルコメディです。 向島と真一は基本1人が兼役でやるか、真一が、セリフ数が少ないけど、いいよって人がいれば5人でやってください。 アドリブはほかの演者さんに迷惑にならない程度なら好きにやってくだはい。 大道寺と向島/真一は男性が、鈴音は女性、小林くんは不問です。主にツッコミと思っていただければ 650 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
大道寺 | 男 | 141 | 元刑事の私立探偵、大道寺清彦40代。スケベで女にだらしなくて、貧乏でいい所なしのしがないおじさん。しかし、事件が起きればその見事な推理を見せるとか見せないとか····· |
小林 | 不問 | 96 | 大道寺探偵事務所の探偵兼事務員。まぁ清彦の助手である。20代の綺麗目なビジュアルであり、腰も低く、ツッコミ気質のある男の子。不問ですから女子もバンバン小林青年を演じてください!! |
向島 | 男 | 53 | 大道寺と元同僚の刑事。元々コンビを組んでいた事もあり、常に気にかけている。暇そうな元相棒を助けるため何かと、仕事の世話をする。ぶっきらぼうだが芯の強い男 。30代大道寺より少し歳は下である。 |
鈴音 | 女 | 95 | 入間鈴音、イルマインダストリー社の社長、入間真一の妻。20代、儚げで麗しくとても美人。入間真一が、浮気をしているのでは?と疑い、大道寺に調査を依頼する事になる。後半は叫ぶシーンあります。 |
真一 | 男 | 27 | 入間真一30代。(向島役の方が兼役をお願いします。が、5人居て出番少なくてもいいよーって人が居たら5人でも)仕事が忙しくてあまり鈴音を構えず今回事件に巻き込まれる事に····· |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
小林:彼の名前は大道寺清彦(だいどうじきよひこ)
大道寺:ふわぁぁーーーーー(大あくび)
小林:昔は難事件を何件も解決した、敏腕刑事だったとか·····?
小林:今じゃあ·····
大道寺:うひょーーー!!!このグラビアアイドル!最高だねぇ!!
小林:スケベなしがない探偵·····
大道寺:あん!?財布の中身が空じゃねえか!?
小林:そして貧乏ときている
大道寺:昨日は飲みすぎたーよぉーっと
小林:はぁ·····
大道寺:ん?小林くん?小林くん!!小林くーん?
小林:なんで僕がこんなオッサンと一緒に、働かないといけないのか
大道寺:小林くーん!?何をブツブツ言ってるんだ??んん?
小林:うわっ!!酒臭い!!
大道寺:小林くん返事しないからだぞぉ?
小林:今オープニングをですねぇ!!
大道寺:はぁ!?オープニング?
小林:まったく!!
大道寺:何言ってるんだ·····?あたた、頭痛い·····
0:大道寺トイレに行く
小林:さてさて、そんな冴えない中年探偵の物語ですけど·····聞きたいですか?
0:
小林:大道寺清彦の事件簿!case1~悲哀のマリア~
大道寺:小林くぅーん!紙が·····紙がないのだが??
小林:あぁ!!もぅ!!!
0:
大道寺:ふぅー、二日酔いの朝にはブラックコーヒーだよねぇ
小林:二日酔いじゃない日ってあるんですか?
大道寺:仕事中は飲んでないだろ?
小林:仕事·····ここ数週間してる所見てませんけど?
大道寺:バカを言うな!今月初めに迷い猫を2匹も見つけてるだろ!
小林:敏腕刑事だったんですよね!?
大道寺:え?あ·····あぁ
小林:だったら、こう、殺人事件とか!誘拐事件とか!?
大道寺:小林くん·····漫画の見すぎだよ·····
小林:分かってますけど!!
大道寺:まぁー焦っても仕方ないだろぉ?探偵なんてものはさ!地道な活動によって、仕事が増えて行くものさ
小林:増えてないじゃないですか!!
大道寺:ぐっ·····まぁ!私が何の意味もなしに毎晩飲み歩いているとでも?
小林:はい
大道寺:おいおいおい!!小林くん!!
小林:昨日もエデンのママから電話で、早く連れて帰れって怒られたの僕ですよ?
大道寺:ふっ·····ママ、照れ屋だからな
小林:昨日凄いビンタされてましたよ?
大道寺:なっ!だから顔が痛いのか!?
小林:なにしたんですか·····(ため息)
大道寺:えっ·····?ツケを払えなかった?·····いや·····ママのおっぱいを揉んだ?·····にしては感触が残ってない·····
小林:ツケ、えぐい額になってましたよ?
大道寺:ありがとう!!小林くん!!払ってくれたのか?
小林:な!わけ!!無いでしょーが!!
大道寺:なんだよ!ケチ!!
大道寺:だがしかし!!昨日エデンの客からお客さんを紹介して貰ってな!そろそろ来るはずなんだが·····
0:事務所のドアがノックされる
大道寺:ふむ!さあ!小林くん!お客様だ
小林:はーい!!
鈴音:こんにちわ
小林:いらっ(しゃいませ)
大道寺:どーーぞ!こちらに!!(被せて)
鈴音:きゃっ
大道寺:おっとすみません!驚かせてしまいましたな。
大道寺:私が大道寺清彦、この大道寺探偵事務所の社長いや!オーナーいや!ボスいや!ええと·····です。
小林:·····
鈴音:はぁ·····
小林:あ、すみません、驚きましたよね、こちらへどうぞ
鈴音:あ·····はい
大道寺:小林君!お茶だして!!
小林:あ?はーい
大道寺:お騒がしてすみません!アッハッハ!!
鈴音:フフフ
大道寺:可憐だ·····
鈴音:え?
大道寺:いえいえ!!それで?依頼内容を聞きましょう
小林:どうぞ
0:お茶を置く
鈴音:ありがとう·····ございます。
大道寺:それでは、先ずお名前、住所、年齢、スリーサイ·····んっんん!依頼内容を、聞きましょう
鈴音:スリー·····?
小林:あ!!気になさらず
鈴音:あ、はい·····
鈴音:ご依頼の件ですが
大道寺:なんでしょう?
鈴音:不倫·····
大道寺:不倫!!??
鈴音:え?·····
大道寺:分かります。が、安心してください!秘密は厳守致しますので!
鈴音:あの·····
大道寺:しかし·····
鈴音:はい
大道寺:私に相手が務まるか·····
鈴音:はい?
小林:無視で大丈夫でーす
鈴音:はぁ
大道寺:いや!しかし!貴方がそこまで、仰るのであれば·····
鈴音:主人が·····不倫してる·····みたいなんです。
大道寺:主人?そんな!まだ早いですよ!?
小林:いい加減にしてください!
大道寺:わっ、分かっておるわ!
鈴音:ウフフ
大道寺:んっオホン
大道寺:承知致しました。ご主人の浮気調査ですね?
鈴音:はい·····分かってたんですね笑
大道寺:トーゼンですよ!!失礼ですが、あ、えっと·····
鈴音:あ·····入間鈴音(イルマスズネ)と申します。
大道寺:鈴音さん、ご主人が浮気をなさっている·····なにか痕跡がおありなのですか?
鈴音:最近·····帰りが遅かったり·····
大道寺:ふむふむ
鈴音:ほんのりですが、主人とも私とも、違う香りを纏っていたり·····
大道寺:ふぅむ
鈴音:シャツに口紅が·····
小林:なんか凄くあれですけど、ベタなやつですね(小声)
大道寺:まぁ·····これは調査対象としては簡単かも·····しれませんね
鈴音:·····そうですか·····
大道寺:奥さん·····いや!鈴音さん
鈴音:はい
大道寺:もしかしたら、辛い結果になってしまうかもしれませんが·····
鈴音:覚悟の上です·····
0:俯き、涙を流す鈴音
大道寺:鈴音さん·····、私は出来る事をしますが、もし、貴方が傷つくようなら·····
鈴音:大丈夫です!!
大道寺:いえ!鈴音さん!
鈴音:大!丈!夫!です!!
大道寺:おっふぉ·····はい·····
鈴音:あ!すみません!ワタクシったら!
大道寺:とにかく!大船に乗った気持ちで、ご安心ください。
小林:·····それなんか違うような·····
0:~次の日~
向島:よぉ!!!清彦ぉ!!
大道寺:なんだよ!!向島!!
向島:相変わらず!不細工な面してんな!!
大道寺:オレは忙しいんだ!!帰れよ!!
向島:嘘つけコノヤロー笑
小林:向島さん!お久しぶりです!
向島:よぉ!!青年!まだこんな、肥溜めに居たのか!?
大道寺:お前何しに来たんだよ!?
向島:バァーカ!!こちとら仕事で忙しいんだ!
大道寺:じゃあ!帰れよ!!
小林:たしかに笑
向島:ボケ!!仕事を与えに来てやったんだろ?
大道寺:要らん!
小林:なんでですか!?
向島:こいつは、昔っから素直じゃねーのよ
大道寺:要らん要らん!!
向島:入間真一(イルマシンイチ)彼の警護に当たって欲しい
小林:??警護?
大道寺:気でも触れたのか!?オレは探偵だ!!ボディガードなんてやってない!
大道寺:要らん要らん!!そんな、何の得にもなりゃしない!
向島:しかし、大金は手に入るぞ?
小林:え!?
向島:知らんか?イルマ・インダストリーの社長だ
小林:聞いた事あるような·····
向島:まぁ2代目だけどなー
大道寺:なんでそんな人間がお前と繋がってる!?
向島:へっへっ大学の時の同級生だ
大道寺:そんなこったろうと思った。
小林:なぜ警護しないといけないのですか?
向島:うーん、話を聞く感じ、命を狙われてるっぽいんだ
小林:どんな感じで?
向島:道路に突き飛ばされたり?
小林:こっわ
向島:階段から突き落とされそうになったり?
小林:よく後ろから押される人ですね?
向島:線路に突き飛ばされ·····
小林:いや!もっと後ろ警戒して!?
向島:とまぁ、なにかしら、命を狙われてる感じなんだ
大道寺:それで刑事のお前に泣きついてきたってわけか?
小林:そりゃ怖いっすよね·····
向島:まぁ!頼れる男が俺くらいしか居ないからなぁ!仕方ない
大道寺:なーにが!頼れるだ!どーせ警察じゃ動けないから、俺にやらせよーって腹だな
向島:まぁーな!!事件が起こらんと俺たちゃ動けねぇからな!!
小林:結構事件だと思うけどね·····
向島:俺の昔の同僚が私立探偵やってるから、そいつに警護させるよって、もう伝えてあるから!
大道寺:はぁーー??
小林:なんだか、急に忙しくなってきましたね!!
大道寺:それで!!それなりに報酬は貰えるんだろうな!!
向島:当たり前だろ!!
小林:とりあえず依頼人に会ってみないと·····
向島:あぁ!明日アポを取ってある!13時に家に向かってくれ
大道寺:明日ぁ!!!???
向島:おお!!じゃーな!!暇人ども!しっかり稼げよ!
大道寺:うるせー!!小林くん!塩撒いといてくれ!!
小林:向島さん!またお願いします!!
向島:おう!!
大道寺:おう!じゃねーよ!!おうじゃ!!
0:向島帰っていく
小林:あれ?大道寺さん·····
大道寺:んん?
小林:イルマって
大道寺:あっ·····
小林:調査対象の??旦那さん·····じゃないですか!!??
大道寺:なんてこった!!!!
0:~その日の夜~
真一:ただいま
鈴音:おかえりなさい。アナタ
真一:あぁ·····
鈴音:ご飯は·····?
真一:食べてきたよ·····
鈴音:そうですか
真一:もう、風呂に入って寝るよ
鈴音:湧いております
真一:あぁ·····
鈴音:アナタッ
真一:なんだい?
鈴音:いえ·····なんでも
真一:そうか·····
鈴音:いつもお仕事お疲れ様。
真一:ん?どうした?
鈴音:いえ·····いつも遅いから、大変だなと思いまして。
真一:今、大変な時だからね
鈴音:そうなんですね
真一:あぁ·····
鈴音:お風呂から上がったら、冷たい紅茶を置いておきますね。
真一:ありがとう·····おやすみ。
鈴音:おやすみなさいませ
鈴音:つまらない男·····(小声)
0:次の日
小林:うっはーー!!!すげー!
大道寺:小林くん·····大きな声を出して
小林:すみません!!ドラマとかで見るみたいな、タワーマンションだから·····つい
大道寺:人が見てるじゃないか!恥ずかしい·····
小林:さっきの人·····大道寺さん見て笑ってましたよ?
大道寺:なあんでだよ!!
小林:タワーマンションには不釣り合いだからですかね?
大道寺:小林くんもだろ!
小林:僕はまだほら、若くて、ねぇ?綺麗目 ですので
大道寺:けっ!大人の渋さがわからんのかね·····全く!
小林:さてと、そろそろ
大道寺:うむ·····
0:インターホンを押す
大道寺:ワタクシ!向島より紹介仰せつかった、大道寺探偵事務所の大道寺清彦と申します。
真一:あぁ、聞いてます。どうぞ入ってください。
0:扉が開く
小林:はぁーここに住むには幾ら稼がないとダメなんだろ?
大道寺:夢を見るな夢を!
小林:いーじゃないですか!夢くらい見たって
大道寺:若いんだから!汗水垂らして働け!
小林:うわっ!昭和だぁ~
大道寺:昭和最高ッッ!昭和はな!テレビでおっぱいがポロンだぞ!!
小林:··········
大道寺:おい!!無視をするな!無視を!!
小林:はぁ·····こんな風にならない為に、しっかり働かなくちゃ·····
大道寺:ここだな
小林:ですね。では
0:インターホンを押す
鈴音:(慌てて)はぁっ!はぁっ!ええっ!?はい!?
大道寺:ん?あのーワタクシ大道寺探偵事務所の
鈴音:ハァん!?
大道寺:えっ!?
鈴音:(小声で)何しに来られたんです??
大道寺:え?お聞きになっておりませんか?旦那様と約束が·····
鈴音:なんですって?
大道寺:(小声)ですから!あの、我々も驚いておるのですが、どうやら旦那さんが、警察の友達·····私の知り合いに、ある相談をしてですなぁ·····偶然、それが私に依頼となって
向島:なーにコソコソやってんだい!
小林:向島さん!?
大道寺:向島ぁ!!??
向島:よぉ!小林青年!俺も呼ばれてたんだよ
鈴音:何?何?どうしたのですか?
大道寺:あぁ!すみません奥さん!その·····旦那さんが相談したって言う·····
向島:あ!奥さん!お久しぶりです。向島です。
鈴音:ムコッッ!
向島:ムコ?
鈴音:あら!すみません!お久しぶりですわ
向島:??はぁ·····で入間は·····?
鈴音:居ますわ!もちろん!えー!居ますわよ
大道寺:おい!!お前の様に野蛮な男が、いきなり話しかけるから、奥さんが驚いてるじゃないか!!
向島:お前の、そのスケベェな面がカメラに写って、動揺してるんだよ!!
小林:もーー!!近所迷惑ですってば!!
鈴音:··········(落ち着けっ!落ち着け!アタシ )
鈴音:す·····すみません、あの人ったら、昨日帰りが遅くて、私に言ってなかったんだわ!ごめんなさいね!スグ片付けますのでっ!
大道寺:なぁーー!!奥さん!気を使わんでくださあい!!
鈴音:しょ·····少々·····お待ちを
小林:承知しました!
鈴音:はい·····では·····
0:~数分後~ドアが開く。
鈴音:お待たせしました。ハァッハァ
向島:どうも、お久しぶりです。
鈴音:フゥ!ホントに!お元気そうで良かったです
向島:相変わらずお美しい!
鈴音:嫌ですわ向島さんったら
向島:で、この汚いのが知り合いの探偵のだい·····
鈴音:はじめまして!入間鈴音と申します!!
大道寺:え??はっ!·····はじめまして!?
向島:?んで·····こっちの綺麗なのが
小林:はじめまして、大道寺探偵事務所の探偵兼事務員の小林と申します!
鈴音:あら!こちらこそ、よろしくお願いします。
大道寺:やぁだなぁーすずねさん!小林くんとは·····
0:大道寺の足を踏む小林
大道寺:あいて!!!なぁにするんだ!
鈴音:(大道寺のセリフに被せて)ゴホン!!ッゴホッ!!んっ!んんん!!
向島:おっと!大丈夫ですか?
鈴音:ええ·····すみません·····では、どうぞ
小林:(小声)守秘義務!!
大道寺:(小声)おお!すまんすまん
鈴音:こちらで少しお待ちください。あなたー?、向島さん達が来られましたわよー
0:リビングから出て戻ってくる鈴音
鈴音:すみません·····今仕事の手が離せないらしくて·····
向島:そうですか·····では少し待ちますか
小林:しかし、広いなぁ·····
大道寺:小林くん!あんまりジロジロと見るんじゃないよ!
小林:でも·····
鈴音:紅茶です·····。あら?珈琲のが良かったかしら?
小林:いえ!!大丈夫です!ありがとうございます。
大道寺:あぁ!!鈴音さんが入れてくれた紅茶!湯気が湯気までもが上品だ!!
向島:お前何言ってんだ?
大道寺:あ!すみません奥さん!御手洗をお借りしても?
鈴音:ええ·····案内しますわ
大道寺:宜しいんですか!?
鈴音:こちらです。
0:トイレから出てくる大道寺
大道寺:うお!鈴音さん!?
鈴音:シー!!一体主人はなんの相談を?
大道寺:それが·····何回か殺されかけたと·····
鈴音:えっ!?
大道寺:ショックですよね·····もしかしたら浮気相手かもしれませんな·····
鈴音:··········
大道寺:鈴音さん?
鈴音:大道寺さん!私っ!怖い·····
0:そっと近づく鈴音
大道寺:おっおっおっ!!!なっなっな!!鈴音さん!ダメです!!
鈴音:すみません·····わたくしったら·····
大道寺:いいえ·····この大道寺清彦に出来る事があれば、なんでも仰てください。
鈴音:ありがとう·····、その·····もう少し·····詳しくお話·····したいの·····
大道寺:ええ!!
鈴音:そこの奥の部屋、私の部屋なんです·····
大道寺:へ·····や·····?鈴音さんの·····
鈴音:はい·····、先に行って少しだけ待っていらして?
大道寺:鈴音さん!いやそれは·····だ·····だ·····
鈴音:清彦·····さん?(上目遣い系の切ないボイスで)
大道寺:分かりました!!!!
鈴音:では·····先に·····向島さん達に、怪しまれない様に·····私は一度リビングに戻り、少し話して来ますわ
大道寺:はっ!
0:別れる二人
大道寺:ふぅ·····俺も罪な男だぜ
大道寺:禁じられた関係ってのは、燃えやすいものだな·····
0:部屋に入る大道寺
大道寺:(深呼吸)すぅーーー!!はぁーー!
大道寺:むむ?·····鈴音さんの香りはしない·····?
大道寺:んん!!なんだ?
0:部屋の奥に行くと書斎デスクに座ったまま、うつ伏せで寝ている男が
大道寺:うおっ!!!びっくりした!
大道寺:なっっ!!??血!?
大道寺:どうやら後ろから一撃だな·····可哀想に·····
0:素早く男の脈を図る大道寺
大道寺:なっ!!!??これは·····
鈴音:きやぁあああああああ!!!!!
大道寺:うぉわ!!!!
鈴音:アナタ!!!何をしてるの!!??
大道寺:へ???へあ??
向島:どうしました!?
小林:大丈夫ですか!?
鈴音:はぁ·····ん(倒れそうになる)
小林:危ない!鈴音さん!大丈夫ですか?
向島:なっ!!大道寺!!それに!入間!?!
小林:ええ!!??血!?大道寺さん手に血が!?
大道寺:はぁ!!??あ·····これ·····
向島:おめー遂にやりやがったなぁ·····
小林:見損ないましたよ!大道寺さん!
大道寺:はぁ!!!??違っ!!違うだろ!!
鈴音:んっ·····その人·····とつぜん抱きついてきて·····主人と別れろだの·····なんだのと·····
大道寺:んなぁ!!!!????鈴音さぁん!?
向島:まさか!!テメェ!それで入間を殺したってのかよ!?
小林:たしかに!鈴音さんを見る目が尋常じゃなかった!
大道寺:おいおいおいおい!!!
鈴音:私が大道寺さんに·····主人の浮気調査を頼んだばかりに·····
向島:なっ!?そーだったのか!?
小林:依頼者に手を出そうとしたんですか!!??
大道寺:してない!してない!いや·····ちょっと、その気持ちは·····
鈴音:いやぁあぁぁあ!!見ないでえぇ!!
大道寺:えええ!??どゆこと!どゆこと!?
向島:大道寺·····長い付き合いだが·····てめぇにワッパかけちまう事になるたぁよ
小林:見損ないましたよ!!大道寺さん!!
大道寺:いやいやいやいや!!少しは疑え疑え!!おかしいだろ!普通に!!
向島:お前は性格や見た目は、そのなんだ·····あれだが·····真っ直ぐな男だと思っていたのによ·····現行犯逮捕だ!!
大道寺:この、能無しデカ!!
小林:くっ·····大道寺さん·····信じてたのに!
大道寺:嘘をつけ!!嘘を!!
鈴音:いやぁぁぁあ!!あなたァァァ!!
大道寺:いやいやい!!こいつが一番やばい!!
真一:んっ·····うーん·····。
小林:えっ!!???
鈴音:あっ!!!???
向島:なっ!!???
大道寺:おっ·····
真一:イタタ·····痛てー
大道寺:おお!大丈夫ですか!!??
真一:へっ?痛い·····て、誰ですか?
大道寺:貴方が命を狙われてると聞いて、警護に当たる予定だった、大道寺清彦と申します。が·····遅かったみたいです·····
小林:ちょっと!!大道寺さん!!死んでたんじゃ!?
大道寺:何言ってんだ!さっきから!だから!違うと言ってただろ!!死んでるなんて一言も言ってない!
向島:なぁにぃいいいい??
大道寺:なぁにいいい?じゃねーよ!
鈴音:うそ!!!嘘よ!!絶対嘘でしょ!?しっかりと殴ったはずよ!!??
小林:えっ?
向島:はい?
大道寺:なんてこった!
真一:鈴音·····君がやったのか·····
鈴音:そーよ!!!私よ!!
小林:なぜ!!??
鈴音:この·····この私というものがありながら!!どーせ!若い女と浮気してたんでしょ!!
真一:なんだって·····?
鈴音:ふざけんじゃないわよ!!金持ちが好きそうなお淑やかで清楚なお嬢様演じてたら!いい気なって浮気だぁ?
小林:うわ!口悪っ!!
大道寺:お、落ち着いてください!鈴音さん!
鈴音:うるっせぇぇ!気安くあたしの名前を呼ぶんじゃねーよ!オッサン!
大道寺:んな!!!
鈴音:もうなんか我慢出来なくて!思わず殴って殺しちゃったって思ってたら!まさかこんなに人が来るなんて聞いてないわよ!!!!
真一:す、すまない!!
鈴音:それでそこオッサンに罪を被せようとしたら!!
大道寺:なぁぁあ!!
真一:鈴音·····君は·····勘違いをしてる
鈴音:あぁん!!?
真一:僕は君の事を愛している。今は本当に仕事が、忙しいだけだ·····
鈴音:ふざっけんな!!シャツに口紅付いてただろーがよ!!
真一:あれは遅刻しそうになったOLとぶつかった時に付いてしまって、下手に言い訳しても·····と思って
鈴音:そんな!!信じられる訳ッッ!
真一:本当だとも!!愛してる!そして·····もう1回殴ってくれ!!
小林:は·····?
大道寺:なんだ?
向島:あっ·····
鈴音:はぁんん??
真一:あっ!流石に血が出たり、気絶するまでは、ほら?こんな感じに他人に迷惑かかるだろ?少し加減して·····
0:クローゼットの奥から革製のムチを出してくる。
真一:これで·····この·····革製の鞭で·····背中を·····ひと思いに·····
鈴音:はぁぁ!?なに!?アンタ!?なんなのよ!!バカじゃないの!?
真一:うはぁ!!そう!それ!!お淑やかな君も、勿論素敵だが、今の!今の君が良い!本音で!そう!!来てくれ!!もっと!こう!罵ってくれ!!そして!鞭で!さぁ!きてくれ!!さぁ!
小林:変態だ·····
大道寺:ぬぅ·····まぁ趣味は趣味だからなぁ
向島:忘れてた·····アイツ生粋のマゾヒストだったわ·····
小林:んなぁ!!??
大道寺:そうなのか!?
向島:あぁ·····たしかな
鈴音:き·····気持ちわるぃ!!気持ち悪ぃんだよ!!(ムチで叩きつける)
真一:はぁぁあぁぁんん!!そうだ!そうだ!もっとぉ!!
鈴音:あたしをほって置いた罰よ!!もっと!許しを乞いなさい!!
真一:ごめんなさい!ごめんなさい!鈴音様ぁぁ!!
鈴音:あーハッハッハ!!!
小林:か·····帰りましょうか·····
大道寺:そうだな、夫婦の邪魔はしちゃダメだな·····
向島:まぁ·····形はどうあれ、上手く収まったって感じだな
小林:そうっすね·····
0:数日後
小林:それから·····数日後、入間夫妻からお礼の手紙と共に物凄い格好で縛られている真一さんと、横に満面の笑みを浮かべる鈴音さんの写真が入っており、2人分の成功報酬が振り込まれていた。
小林:これで溜まったツケも僕の給料も払われて大変助かったけど·····。
小林:なぜ·····あの時大道寺さんは真一さんの部屋に入ったのかは、未だに教えてくれない。
大道寺:えっ!!??ば!バーーカ!勘だよ!!勘!ガハハ!!
小林:あの顔は確実に嘘をついてる時の顔だったのだが·····。
向島:よぉ!!!小林青年!辛気臭ぇ顔してんな?
小林:向島さん!!こんにちわ!!
大道寺:あー?何しにきやがった!!帰れ帰れ
向島:どーせ暇なんだろ?仕事もってきてやったぞ!!
小林:ありがとうございます!!
大道寺:いーーらーーねーー!!!!!!!!!!
0:
0:つづく
小林:彼の名前は大道寺清彦(だいどうじきよひこ)
大道寺:ふわぁぁーーーーー(大あくび)
小林:昔は難事件を何件も解決した、敏腕刑事だったとか·····?
小林:今じゃあ·····
大道寺:うひょーーー!!!このグラビアアイドル!最高だねぇ!!
小林:スケベなしがない探偵·····
大道寺:あん!?財布の中身が空じゃねえか!?
小林:そして貧乏ときている
大道寺:昨日は飲みすぎたーよぉーっと
小林:はぁ·····
大道寺:ん?小林くん?小林くん!!小林くーん?
小林:なんで僕がこんなオッサンと一緒に、働かないといけないのか
大道寺:小林くーん!?何をブツブツ言ってるんだ??んん?
小林:うわっ!!酒臭い!!
大道寺:小林くん返事しないからだぞぉ?
小林:今オープニングをですねぇ!!
大道寺:はぁ!?オープニング?
小林:まったく!!
大道寺:何言ってるんだ·····?あたた、頭痛い·····
0:大道寺トイレに行く
小林:さてさて、そんな冴えない中年探偵の物語ですけど·····聞きたいですか?
0:
小林:大道寺清彦の事件簿!case1~悲哀のマリア~
大道寺:小林くぅーん!紙が·····紙がないのだが??
小林:あぁ!!もぅ!!!
0:
大道寺:ふぅー、二日酔いの朝にはブラックコーヒーだよねぇ
小林:二日酔いじゃない日ってあるんですか?
大道寺:仕事中は飲んでないだろ?
小林:仕事·····ここ数週間してる所見てませんけど?
大道寺:バカを言うな!今月初めに迷い猫を2匹も見つけてるだろ!
小林:敏腕刑事だったんですよね!?
大道寺:え?あ·····あぁ
小林:だったら、こう、殺人事件とか!誘拐事件とか!?
大道寺:小林くん·····漫画の見すぎだよ·····
小林:分かってますけど!!
大道寺:まぁー焦っても仕方ないだろぉ?探偵なんてものはさ!地道な活動によって、仕事が増えて行くものさ
小林:増えてないじゃないですか!!
大道寺:ぐっ·····まぁ!私が何の意味もなしに毎晩飲み歩いているとでも?
小林:はい
大道寺:おいおいおい!!小林くん!!
小林:昨日もエデンのママから電話で、早く連れて帰れって怒られたの僕ですよ?
大道寺:ふっ·····ママ、照れ屋だからな
小林:昨日凄いビンタされてましたよ?
大道寺:なっ!だから顔が痛いのか!?
小林:なにしたんですか·····(ため息)
大道寺:えっ·····?ツケを払えなかった?·····いや·····ママのおっぱいを揉んだ?·····にしては感触が残ってない·····
小林:ツケ、えぐい額になってましたよ?
大道寺:ありがとう!!小林くん!!払ってくれたのか?
小林:な!わけ!!無いでしょーが!!
大道寺:なんだよ!ケチ!!
大道寺:だがしかし!!昨日エデンの客からお客さんを紹介して貰ってな!そろそろ来るはずなんだが·····
0:事務所のドアがノックされる
大道寺:ふむ!さあ!小林くん!お客様だ
小林:はーい!!
鈴音:こんにちわ
小林:いらっ(しゃいませ)
大道寺:どーーぞ!こちらに!!(被せて)
鈴音:きゃっ
大道寺:おっとすみません!驚かせてしまいましたな。
大道寺:私が大道寺清彦、この大道寺探偵事務所の社長いや!オーナーいや!ボスいや!ええと·····です。
小林:·····
鈴音:はぁ·····
小林:あ、すみません、驚きましたよね、こちらへどうぞ
鈴音:あ·····はい
大道寺:小林君!お茶だして!!
小林:あ?はーい
大道寺:お騒がしてすみません!アッハッハ!!
鈴音:フフフ
大道寺:可憐だ·····
鈴音:え?
大道寺:いえいえ!!それで?依頼内容を聞きましょう
小林:どうぞ
0:お茶を置く
鈴音:ありがとう·····ございます。
大道寺:それでは、先ずお名前、住所、年齢、スリーサイ·····んっんん!依頼内容を、聞きましょう
鈴音:スリー·····?
小林:あ!!気になさらず
鈴音:あ、はい·····
鈴音:ご依頼の件ですが
大道寺:なんでしょう?
鈴音:不倫·····
大道寺:不倫!!??
鈴音:え?·····
大道寺:分かります。が、安心してください!秘密は厳守致しますので!
鈴音:あの·····
大道寺:しかし·····
鈴音:はい
大道寺:私に相手が務まるか·····
鈴音:はい?
小林:無視で大丈夫でーす
鈴音:はぁ
大道寺:いや!しかし!貴方がそこまで、仰るのであれば·····
鈴音:主人が·····不倫してる·····みたいなんです。
大道寺:主人?そんな!まだ早いですよ!?
小林:いい加減にしてください!
大道寺:わっ、分かっておるわ!
鈴音:ウフフ
大道寺:んっオホン
大道寺:承知致しました。ご主人の浮気調査ですね?
鈴音:はい·····分かってたんですね笑
大道寺:トーゼンですよ!!失礼ですが、あ、えっと·····
鈴音:あ·····入間鈴音(イルマスズネ)と申します。
大道寺:鈴音さん、ご主人が浮気をなさっている·····なにか痕跡がおありなのですか?
鈴音:最近·····帰りが遅かったり·····
大道寺:ふむふむ
鈴音:ほんのりですが、主人とも私とも、違う香りを纏っていたり·····
大道寺:ふぅむ
鈴音:シャツに口紅が·····
小林:なんか凄くあれですけど、ベタなやつですね(小声)
大道寺:まぁ·····これは調査対象としては簡単かも·····しれませんね
鈴音:·····そうですか·····
大道寺:奥さん·····いや!鈴音さん
鈴音:はい
大道寺:もしかしたら、辛い結果になってしまうかもしれませんが·····
鈴音:覚悟の上です·····
0:俯き、涙を流す鈴音
大道寺:鈴音さん·····、私は出来る事をしますが、もし、貴方が傷つくようなら·····
鈴音:大丈夫です!!
大道寺:いえ!鈴音さん!
鈴音:大!丈!夫!です!!
大道寺:おっふぉ·····はい·····
鈴音:あ!すみません!ワタクシったら!
大道寺:とにかく!大船に乗った気持ちで、ご安心ください。
小林:·····それなんか違うような·····
0:~次の日~
向島:よぉ!!!清彦ぉ!!
大道寺:なんだよ!!向島!!
向島:相変わらず!不細工な面してんな!!
大道寺:オレは忙しいんだ!!帰れよ!!
向島:嘘つけコノヤロー笑
小林:向島さん!お久しぶりです!
向島:よぉ!!青年!まだこんな、肥溜めに居たのか!?
大道寺:お前何しに来たんだよ!?
向島:バァーカ!!こちとら仕事で忙しいんだ!
大道寺:じゃあ!帰れよ!!
小林:たしかに笑
向島:ボケ!!仕事を与えに来てやったんだろ?
大道寺:要らん!
小林:なんでですか!?
向島:こいつは、昔っから素直じゃねーのよ
大道寺:要らん要らん!!
向島:入間真一(イルマシンイチ)彼の警護に当たって欲しい
小林:??警護?
大道寺:気でも触れたのか!?オレは探偵だ!!ボディガードなんてやってない!
大道寺:要らん要らん!!そんな、何の得にもなりゃしない!
向島:しかし、大金は手に入るぞ?
小林:え!?
向島:知らんか?イルマ・インダストリーの社長だ
小林:聞いた事あるような·····
向島:まぁ2代目だけどなー
大道寺:なんでそんな人間がお前と繋がってる!?
向島:へっへっ大学の時の同級生だ
大道寺:そんなこったろうと思った。
小林:なぜ警護しないといけないのですか?
向島:うーん、話を聞く感じ、命を狙われてるっぽいんだ
小林:どんな感じで?
向島:道路に突き飛ばされたり?
小林:こっわ
向島:階段から突き落とされそうになったり?
小林:よく後ろから押される人ですね?
向島:線路に突き飛ばされ·····
小林:いや!もっと後ろ警戒して!?
向島:とまぁ、なにかしら、命を狙われてる感じなんだ
大道寺:それで刑事のお前に泣きついてきたってわけか?
小林:そりゃ怖いっすよね·····
向島:まぁ!頼れる男が俺くらいしか居ないからなぁ!仕方ない
大道寺:なーにが!頼れるだ!どーせ警察じゃ動けないから、俺にやらせよーって腹だな
向島:まぁーな!!事件が起こらんと俺たちゃ動けねぇからな!!
小林:結構事件だと思うけどね·····
向島:俺の昔の同僚が私立探偵やってるから、そいつに警護させるよって、もう伝えてあるから!
大道寺:はぁーー??
小林:なんだか、急に忙しくなってきましたね!!
大道寺:それで!!それなりに報酬は貰えるんだろうな!!
向島:当たり前だろ!!
小林:とりあえず依頼人に会ってみないと·····
向島:あぁ!明日アポを取ってある!13時に家に向かってくれ
大道寺:明日ぁ!!!???
向島:おお!!じゃーな!!暇人ども!しっかり稼げよ!
大道寺:うるせー!!小林くん!塩撒いといてくれ!!
小林:向島さん!またお願いします!!
向島:おう!!
大道寺:おう!じゃねーよ!!おうじゃ!!
0:向島帰っていく
小林:あれ?大道寺さん·····
大道寺:んん?
小林:イルマって
大道寺:あっ·····
小林:調査対象の??旦那さん·····じゃないですか!!??
大道寺:なんてこった!!!!
0:~その日の夜~
真一:ただいま
鈴音:おかえりなさい。アナタ
真一:あぁ·····
鈴音:ご飯は·····?
真一:食べてきたよ·····
鈴音:そうですか
真一:もう、風呂に入って寝るよ
鈴音:湧いております
真一:あぁ·····
鈴音:アナタッ
真一:なんだい?
鈴音:いえ·····なんでも
真一:そうか·····
鈴音:いつもお仕事お疲れ様。
真一:ん?どうした?
鈴音:いえ·····いつも遅いから、大変だなと思いまして。
真一:今、大変な時だからね
鈴音:そうなんですね
真一:あぁ·····
鈴音:お風呂から上がったら、冷たい紅茶を置いておきますね。
真一:ありがとう·····おやすみ。
鈴音:おやすみなさいませ
鈴音:つまらない男·····(小声)
0:次の日
小林:うっはーー!!!すげー!
大道寺:小林くん·····大きな声を出して
小林:すみません!!ドラマとかで見るみたいな、タワーマンションだから·····つい
大道寺:人が見てるじゃないか!恥ずかしい·····
小林:さっきの人·····大道寺さん見て笑ってましたよ?
大道寺:なあんでだよ!!
小林:タワーマンションには不釣り合いだからですかね?
大道寺:小林くんもだろ!
小林:僕はまだほら、若くて、ねぇ?綺麗目 ですので
大道寺:けっ!大人の渋さがわからんのかね·····全く!
小林:さてと、そろそろ
大道寺:うむ·····
0:インターホンを押す
大道寺:ワタクシ!向島より紹介仰せつかった、大道寺探偵事務所の大道寺清彦と申します。
真一:あぁ、聞いてます。どうぞ入ってください。
0:扉が開く
小林:はぁーここに住むには幾ら稼がないとダメなんだろ?
大道寺:夢を見るな夢を!
小林:いーじゃないですか!夢くらい見たって
大道寺:若いんだから!汗水垂らして働け!
小林:うわっ!昭和だぁ~
大道寺:昭和最高ッッ!昭和はな!テレビでおっぱいがポロンだぞ!!
小林:··········
大道寺:おい!!無視をするな!無視を!!
小林:はぁ·····こんな風にならない為に、しっかり働かなくちゃ·····
大道寺:ここだな
小林:ですね。では
0:インターホンを押す
鈴音:(慌てて)はぁっ!はぁっ!ええっ!?はい!?
大道寺:ん?あのーワタクシ大道寺探偵事務所の
鈴音:ハァん!?
大道寺:えっ!?
鈴音:(小声で)何しに来られたんです??
大道寺:え?お聞きになっておりませんか?旦那様と約束が·····
鈴音:なんですって?
大道寺:(小声)ですから!あの、我々も驚いておるのですが、どうやら旦那さんが、警察の友達·····私の知り合いに、ある相談をしてですなぁ·····偶然、それが私に依頼となって
向島:なーにコソコソやってんだい!
小林:向島さん!?
大道寺:向島ぁ!!??
向島:よぉ!小林青年!俺も呼ばれてたんだよ
鈴音:何?何?どうしたのですか?
大道寺:あぁ!すみません奥さん!その·····旦那さんが相談したって言う·····
向島:あ!奥さん!お久しぶりです。向島です。
鈴音:ムコッッ!
向島:ムコ?
鈴音:あら!すみません!お久しぶりですわ
向島:??はぁ·····で入間は·····?
鈴音:居ますわ!もちろん!えー!居ますわよ
大道寺:おい!!お前の様に野蛮な男が、いきなり話しかけるから、奥さんが驚いてるじゃないか!!
向島:お前の、そのスケベェな面がカメラに写って、動揺してるんだよ!!
小林:もーー!!近所迷惑ですってば!!
鈴音:··········(落ち着けっ!落ち着け!アタシ )
鈴音:す·····すみません、あの人ったら、昨日帰りが遅くて、私に言ってなかったんだわ!ごめんなさいね!スグ片付けますのでっ!
大道寺:なぁーー!!奥さん!気を使わんでくださあい!!
鈴音:しょ·····少々·····お待ちを
小林:承知しました!
鈴音:はい·····では·····
0:~数分後~ドアが開く。
鈴音:お待たせしました。ハァッハァ
向島:どうも、お久しぶりです。
鈴音:フゥ!ホントに!お元気そうで良かったです
向島:相変わらずお美しい!
鈴音:嫌ですわ向島さんったら
向島:で、この汚いのが知り合いの探偵のだい·····
鈴音:はじめまして!入間鈴音と申します!!
大道寺:え??はっ!·····はじめまして!?
向島:?んで·····こっちの綺麗なのが
小林:はじめまして、大道寺探偵事務所の探偵兼事務員の小林と申します!
鈴音:あら!こちらこそ、よろしくお願いします。
大道寺:やぁだなぁーすずねさん!小林くんとは·····
0:大道寺の足を踏む小林
大道寺:あいて!!!なぁにするんだ!
鈴音:(大道寺のセリフに被せて)ゴホン!!ッゴホッ!!んっ!んんん!!
向島:おっと!大丈夫ですか?
鈴音:ええ·····すみません·····では、どうぞ
小林:(小声)守秘義務!!
大道寺:(小声)おお!すまんすまん
鈴音:こちらで少しお待ちください。あなたー?、向島さん達が来られましたわよー
0:リビングから出て戻ってくる鈴音
鈴音:すみません·····今仕事の手が離せないらしくて·····
向島:そうですか·····では少し待ちますか
小林:しかし、広いなぁ·····
大道寺:小林くん!あんまりジロジロと見るんじゃないよ!
小林:でも·····
鈴音:紅茶です·····。あら?珈琲のが良かったかしら?
小林:いえ!!大丈夫です!ありがとうございます。
大道寺:あぁ!!鈴音さんが入れてくれた紅茶!湯気が湯気までもが上品だ!!
向島:お前何言ってんだ?
大道寺:あ!すみません奥さん!御手洗をお借りしても?
鈴音:ええ·····案内しますわ
大道寺:宜しいんですか!?
鈴音:こちらです。
0:トイレから出てくる大道寺
大道寺:うお!鈴音さん!?
鈴音:シー!!一体主人はなんの相談を?
大道寺:それが·····何回か殺されかけたと·····
鈴音:えっ!?
大道寺:ショックですよね·····もしかしたら浮気相手かもしれませんな·····
鈴音:··········
大道寺:鈴音さん?
鈴音:大道寺さん!私っ!怖い·····
0:そっと近づく鈴音
大道寺:おっおっおっ!!!なっなっな!!鈴音さん!ダメです!!
鈴音:すみません·····わたくしったら·····
大道寺:いいえ·····この大道寺清彦に出来る事があれば、なんでも仰てください。
鈴音:ありがとう·····、その·····もう少し·····詳しくお話·····したいの·····
大道寺:ええ!!
鈴音:そこの奥の部屋、私の部屋なんです·····
大道寺:へ·····や·····?鈴音さんの·····
鈴音:はい·····、先に行って少しだけ待っていらして?
大道寺:鈴音さん!いやそれは·····だ·····だ·····
鈴音:清彦·····さん?(上目遣い系の切ないボイスで)
大道寺:分かりました!!!!
鈴音:では·····先に·····向島さん達に、怪しまれない様に·····私は一度リビングに戻り、少し話して来ますわ
大道寺:はっ!
0:別れる二人
大道寺:ふぅ·····俺も罪な男だぜ
大道寺:禁じられた関係ってのは、燃えやすいものだな·····
0:部屋に入る大道寺
大道寺:(深呼吸)すぅーーー!!はぁーー!
大道寺:むむ?·····鈴音さんの香りはしない·····?
大道寺:んん!!なんだ?
0:部屋の奥に行くと書斎デスクに座ったまま、うつ伏せで寝ている男が
大道寺:うおっ!!!びっくりした!
大道寺:なっっ!!??血!?
大道寺:どうやら後ろから一撃だな·····可哀想に·····
0:素早く男の脈を図る大道寺
大道寺:なっ!!!??これは·····
鈴音:きやぁあああああああ!!!!!
大道寺:うぉわ!!!!
鈴音:アナタ!!!何をしてるの!!??
大道寺:へ???へあ??
向島:どうしました!?
小林:大丈夫ですか!?
鈴音:はぁ·····ん(倒れそうになる)
小林:危ない!鈴音さん!大丈夫ですか?
向島:なっ!!大道寺!!それに!入間!?!
小林:ええ!!??血!?大道寺さん手に血が!?
大道寺:はぁ!!??あ·····これ·····
向島:おめー遂にやりやがったなぁ·····
小林:見損ないましたよ!大道寺さん!
大道寺:はぁ!!!??違っ!!違うだろ!!
鈴音:んっ·····その人·····とつぜん抱きついてきて·····主人と別れろだの·····なんだのと·····
大道寺:んなぁ!!!!????鈴音さぁん!?
向島:まさか!!テメェ!それで入間を殺したってのかよ!?
小林:たしかに!鈴音さんを見る目が尋常じゃなかった!
大道寺:おいおいおいおい!!!
鈴音:私が大道寺さんに·····主人の浮気調査を頼んだばかりに·····
向島:なっ!?そーだったのか!?
小林:依頼者に手を出そうとしたんですか!!??
大道寺:してない!してない!いや·····ちょっと、その気持ちは·····
鈴音:いやぁあぁぁあ!!見ないでえぇ!!
大道寺:えええ!??どゆこと!どゆこと!?
向島:大道寺·····長い付き合いだが·····てめぇにワッパかけちまう事になるたぁよ
小林:見損ないましたよ!!大道寺さん!!
大道寺:いやいやいやいや!!少しは疑え疑え!!おかしいだろ!普通に!!
向島:お前は性格や見た目は、そのなんだ·····あれだが·····真っ直ぐな男だと思っていたのによ·····現行犯逮捕だ!!
大道寺:この、能無しデカ!!
小林:くっ·····大道寺さん·····信じてたのに!
大道寺:嘘をつけ!!嘘を!!
鈴音:いやぁぁぁあ!!あなたァァァ!!
大道寺:いやいやい!!こいつが一番やばい!!
真一:んっ·····うーん·····。
小林:えっ!!???
鈴音:あっ!!!???
向島:なっ!!???
大道寺:おっ·····
真一:イタタ·····痛てー
大道寺:おお!大丈夫ですか!!??
真一:へっ?痛い·····て、誰ですか?
大道寺:貴方が命を狙われてると聞いて、警護に当たる予定だった、大道寺清彦と申します。が·····遅かったみたいです·····
小林:ちょっと!!大道寺さん!!死んでたんじゃ!?
大道寺:何言ってんだ!さっきから!だから!違うと言ってただろ!!死んでるなんて一言も言ってない!
向島:なぁにぃいいいい??
大道寺:なぁにいいい?じゃねーよ!
鈴音:うそ!!!嘘よ!!絶対嘘でしょ!?しっかりと殴ったはずよ!!??
小林:えっ?
向島:はい?
大道寺:なんてこった!
真一:鈴音·····君がやったのか·····
鈴音:そーよ!!!私よ!!
小林:なぜ!!??
鈴音:この·····この私というものがありながら!!どーせ!若い女と浮気してたんでしょ!!
真一:なんだって·····?
鈴音:ふざけんじゃないわよ!!金持ちが好きそうなお淑やかで清楚なお嬢様演じてたら!いい気なって浮気だぁ?
小林:うわ!口悪っ!!
大道寺:お、落ち着いてください!鈴音さん!
鈴音:うるっせぇぇ!気安くあたしの名前を呼ぶんじゃねーよ!オッサン!
大道寺:んな!!!
鈴音:もうなんか我慢出来なくて!思わず殴って殺しちゃったって思ってたら!まさかこんなに人が来るなんて聞いてないわよ!!!!
真一:す、すまない!!
鈴音:それでそこオッサンに罪を被せようとしたら!!
大道寺:なぁぁあ!!
真一:鈴音·····君は·····勘違いをしてる
鈴音:あぁん!!?
真一:僕は君の事を愛している。今は本当に仕事が、忙しいだけだ·····
鈴音:ふざっけんな!!シャツに口紅付いてただろーがよ!!
真一:あれは遅刻しそうになったOLとぶつかった時に付いてしまって、下手に言い訳しても·····と思って
鈴音:そんな!!信じられる訳ッッ!
真一:本当だとも!!愛してる!そして·····もう1回殴ってくれ!!
小林:は·····?
大道寺:なんだ?
向島:あっ·····
鈴音:はぁんん??
真一:あっ!流石に血が出たり、気絶するまでは、ほら?こんな感じに他人に迷惑かかるだろ?少し加減して·····
0:クローゼットの奥から革製のムチを出してくる。
真一:これで·····この·····革製の鞭で·····背中を·····ひと思いに·····
鈴音:はぁぁ!?なに!?アンタ!?なんなのよ!!バカじゃないの!?
真一:うはぁ!!そう!それ!!お淑やかな君も、勿論素敵だが、今の!今の君が良い!本音で!そう!!来てくれ!!もっと!こう!罵ってくれ!!そして!鞭で!さぁ!きてくれ!!さぁ!
小林:変態だ·····
大道寺:ぬぅ·····まぁ趣味は趣味だからなぁ
向島:忘れてた·····アイツ生粋のマゾヒストだったわ·····
小林:んなぁ!!??
大道寺:そうなのか!?
向島:あぁ·····たしかな
鈴音:き·····気持ちわるぃ!!気持ち悪ぃんだよ!!(ムチで叩きつける)
真一:はぁぁあぁぁんん!!そうだ!そうだ!もっとぉ!!
鈴音:あたしをほって置いた罰よ!!もっと!許しを乞いなさい!!
真一:ごめんなさい!ごめんなさい!鈴音様ぁぁ!!
鈴音:あーハッハッハ!!!
小林:か·····帰りましょうか·····
大道寺:そうだな、夫婦の邪魔はしちゃダメだな·····
向島:まぁ·····形はどうあれ、上手く収まったって感じだな
小林:そうっすね·····
0:数日後
小林:それから·····数日後、入間夫妻からお礼の手紙と共に物凄い格好で縛られている真一さんと、横に満面の笑みを浮かべる鈴音さんの写真が入っており、2人分の成功報酬が振り込まれていた。
小林:これで溜まったツケも僕の給料も払われて大変助かったけど·····。
小林:なぜ·····あの時大道寺さんは真一さんの部屋に入ったのかは、未だに教えてくれない。
大道寺:えっ!!??ば!バーーカ!勘だよ!!勘!ガハハ!!
小林:あの顔は確実に嘘をついてる時の顔だったのだが·····。
向島:よぉ!!!小林青年!辛気臭ぇ顔してんな?
小林:向島さん!!こんにちわ!!
大道寺:あー?何しにきやがった!!帰れ帰れ
向島:どーせ暇なんだろ?仕事もってきてやったぞ!!
小林:ありがとうございます!!
大道寺:いーーらーーねーー!!!!!!!!!!
0:
0:つづく