台本概要

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タイトル スノーフレーク
作者名 すみんこ  (@suminko0211)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 3人用台本(男2、女1)
時間 30 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 ◆禁止事項◆
・営利目的での使用。
・台本の無断転載、自作発言等。
・役の性別変更。

◆お願い◆
・台本使用の際は作者のX(旧Twitter)にご連絡いただけると嬉しいです。
・配信等で使用される場合《作品名、作者名、台本URL》を掲示していただけると嬉しいです。
・告知の際にメンションしていただけると、気づけて時間が合えば聞きに行けるので助かります。
・アーカイブがある場合、教えていただけると嬉しいです。
・使用時の連絡は任意ですが、お芝居聞きたいので使用前や使用後でも教えていただけると嬉しいです。
・演者様の性別は問いませんが、女性役を男性が演じる(逆パターンも)場合はご連絡頂きますようお願いします。

☆上記記載の内容を含め、気になることなどありましたらX(旧Twitter)までご連絡ください。☆

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
双葉 175 純粋。
78 お馬鹿。感情のまま動く。言動が小学生。
湊人 64 クール。基本的には優しい。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
『スノーフレーク : 双葉:(M)カーテンの隙間から注がれる太陽の光。今日も私の慌ただしい1日が始まる。 尚:よっ!おはよ! 双葉:今日も朝から元気だね…私まだ眠いよ…。 尚:双葉は本当に朝弱いよなー!玄関じゃなくて部屋まで起こしに行ってやろうか? 双葉:(M)いたずらっぽく笑う顔を見て、からかわれているのだとわかっていても反応してしまう。 : 双葉:冗談でもそういうこと異性に言うのやめた方がいいよ? 尚:(小声)双葉にしか言わねーよ。 双葉:…あっ、今日提出の課題やった?私昨日途中で寝ちゃって…。 尚:ははっ!俺がやってると思うか?湊人に見せてもらうに決まってるだろ♪ 双葉:(M)そうだった…。授業中は寝てるかスマホいじってるんだった…。 : 双葉:いつ勉強してるの?テストは割といい点取ってるよね?なんか悔しいんだけど…。 尚:え?……知りたい? 双葉:むかつく…。どうせ『家で教科書読んでればなんとなくわかるだろ?』でしょ? : :(学校の校門が見える。) : 尚:あっ!みーなーとぉー!!おはよー!!! 湊人:二人とも、おはよう。 尚:みーなーとー。お願いがあるんだけどー! 湊人:どうせ課題やってないから見せてほしいんだろ?貸してやるからすぐ写せ。 尚:いつもありがとなー! 湊人:お礼はいいから、たまには自分でやってこい。課題の意味ないだろ。 双葉:ごめん。湊人くん…。私も課題やれてなくて。一緒に見せてもらってもいいかな? 湊人:えっ...。双葉が課題やり忘れたなんて、少し驚いた。俺のでよければ。 双葉:ありがとう!お礼は何がいいかな? 湊人:ブラックコーヒーで頼む。 双葉:わかった!返す時に一緒に渡すね。 湊人:(M)本当はデートが良かったんだけどな...。 : 湊人:俺のクラスは提出帰りだから、これ双葉に渡しておく。 尚:なんで俺じゃねーんだよ! 湊人:無くされたり汚されたら嫌だからだよ。 尚:あぁー??ひっでぇー!! 湊人:前科があるから仕方ないだろ…。 双葉:えっと、湊人くんありがとう。 湊人:あぁ、よろしく頼む。 : :双葉、尚の教室につく。 : 双葉:尚ー、1時間目自習らしいから今のうちに課題やっちゃおー。 尚:しゃーねー。やるかぁー。 : : 尚:おっし!終わったぁ〜!!! 双葉:えっ?もう?私まだわからないところある…。 尚:まさか…問題解いてるのか? 双葉:そうだよ?じゃないとわからないじゃない。 尚:はぁー。わかんないのどれ?教えてやるから。 双葉:ありがとう。こことここなんだけど。 : 双葉:(M)普段とのギャップに心臓の音がうるさい。 : 双葉:ありがとう!凄く分かりやすいかった。 尚:はははっ!そうかぁ〜?なんか照れるなっ! 双葉:(M)笑った顔はいつもと変わらないけど、耳が真っ赤になっていて可愛い。 尚:…っ。何笑ってんだよ。(小声)それは反則だろ。 双葉:耳まで真っ赤だったから、可愛いなって思って。 尚:(小声)可愛いのは双葉の方だろ。 双葉:ん?どうかした? 尚:なんでもねーよ。…鈍感。 : :(チャイムの音)キーンコーンカーンコーン : 双葉:(M)あっという間に授業終わったなぁ。今日はお昼どこで食べようかな。 尚:湊人に課題返しに行くなら俺もついてく。 双葉:え?お昼食べる場所散策するだけだよ。 尚:んー。そっか。気をつけてなー。 双葉:ふふふっ。ありがとう。行ってくるね。 : :購買で買い物する。 : 双葉:(M)いつもお弁当だから、久しぶりの購買楽しかったなぁー。 : 双葉:期間限定の見つけて自分のも買っちゃったー。 双葉:中庭あたりなら静かに食べられそうかな。 湊人:双葉? 双葉:あ!湊人くん!さっき教室覗いてもいなかったから、どこにいるのかなと思ったらここにいたんだね。 湊人:もしかして、わざわざ課題届ける為に? 双葉:お昼食べる場所、探してたんだぁー。一緒に食べてもいい? 湊人:あぁ、もちろん。 双葉:会えた時の為にって課題持っててよかったぁー。貸してくれてありがとう。お礼の品もどうぞ。 湊人:あぁ、役に立てたなら良かった。ありがとう。 双葉:久しぶりに湊人くんとゆっくり話する気がする。 湊人:いつも尚へのツッコミで終わるからな…。本当はもっと色々話したいんだけど。 双葉:え!そうなの?じゃあ明日も一緒にお昼ご飯食べない? 湊人:いつもは一緒に食べてるんじゃないのか? 双葉:ん?違うよー。私一人でご飯食べてるもん。 湊人:意外だな。教室で机囲んで食べてるものだと思ってた。 双葉:その日の気分でどこで食べるか決めてるんだぁー。楽しいよ!お昼ご飯はまったりしたいし。 湊人:それは、俺と食べるのは大丈夫なのか? 双葉:大丈夫!私が湊人くんと一緒にご飯食べたいなって思ったんだもん。湊人くんが一人で静かに食べたいとかなら、遠慮しとくけど。 湊人:いや、俺は教室とかの賑やかな場所が苦手なだけで、一人になりたい訳じゃない。それに、相手が双葉なら断る理由がない。 双葉:やった♪明日の楽しみが一つ増えたっ! : 双葉:(M)一人で景色を眺めながら食べるお昼も好きだけど、湊人くんと話しながら食べるご飯も楽しい。 湊人:こんなに色々話したの久しぶりだったな。 双葉:凄く楽しかったー! 湊人:明日も楽しみにしてる。 双葉:湊人くんも楽しみにしててくれるの?嬉しいっ! 湊人:それじゃあ。 双葉:うん。午後も授業頑張ろ! 湊人:ははっ…。そうだな。双葉は頑張りすぎないようにな? 双葉:え?頑張らないと成績下がっちゃうよー。 湊人:いざとなったら俺が教えるから。いつでも声かけてくれて構わない。 双葉:ありがとう!頼らせてもらう可能性高いと思う…! 湊人:双葉と勉強会楽しみにしてる。 双葉:(M)頭をポンッとしながら覗いた顔はいたずらっ子のようで…。 : 双葉:えっ?うっうん!そうだねっ! : 双葉:(M)ドキッとした私に気づいたのか、少し嬉しそうに微笑んだ顔にも鼓動が高鳴る。 : : 双葉:はぁ…。どっと疲れたぁ。 尚:大丈夫かぁー? 双葉:あっ…ごめん、声に出てた? 尚:戻ってきてから心ここにあらずな感じだったけど…何かあった? 双葉:えっ…?いや…別に。湊人くんとお昼食べたくらいで。 尚:は?!湊人とっ?! 双葉:お昼どこで食べようかなーって、中庭覗いたらいたの。 尚:(M)くそっ…一緒に行けばよかった。 : 尚:あのさ…今日、双葉の家遊び行ってもいいか? 双葉:え?…突然だね。大丈夫だと思うけど、一応お母さんに確認してみるね。 :双葉、母親に電話する。 双葉:もしもし?お母さん?今日、尚が家に遊びに来たいって言ってくれてるんだけど、大丈夫かな? うん。わかった!ありがとうお母さん。 尚:おばさんなんだって? 双葉:大丈夫だって!帰り遅くならないようにねって。晩御飯一緒に食べる? 尚:いや、今日は家で食べるって朝言ってあるから…大丈夫。伝えときたいことあるだけだしな。 双葉:今じゃ駄目なの?緊張するんだけど…。 尚:誰が聞いてるかわからないからな…。驚かせるとは思うけど、怖いことじゃないから安心しとけ。 双葉:うん…。 尚:今日は先に帰ってあとから家行くわ! 双葉:わかった。待ってるね。 : 双葉:(M)私だけに話したいことってなんだろう? : 双葉:あっ…帰る準備しないと。 湊人:あっ!双葉!!! 双葉:へっ?湊人くん!びっくりしたぁー。どうしたの? 湊人:今日は一人なのか? 双葉:うん。尚は先に帰るって。 湊人:あいつ何かいつもと違うこと言ってたりした? 双葉:え?私に話したいことあるとは言われた。 湊人:そっか…。じゃあ、今日は俺が一緒に帰っても大丈夫? 双葉:うん。大丈夫だよ! : : 双葉:湊人くん。 湊人:どうした? 双葉:なにか私に話したいことあったりする? 湊人:あぁ…。そう、だな…。 双葉:(M)歯切れの悪い返事に不安で少し泣きそうになる。 湊人:…。そんな泣きそうな顔するな。ごめんな。ちゃんと話すから。 双葉:うん。 湊人:俺、双葉のこと好きなんだ。 双葉:……………。 : 双葉:(M)突然のことで頭が真っ白になり言葉が出てこない。 湊人:柔らかく笑う顔も、優しく響く声も、少し怒った顔も、すぐ泣きそうになるところも、それを我慢してる顔も、気配り上手なところも… 双葉:(湊人の台詞に被って)ちょっ…ちょっと待って! 湊人:どうした。 双葉:えっと…。湊人くんが私のこと好きってこと? 湊人:そうだよ。 双葉:え?ちょっと待って…。頭が混乱してる。 湊人:驚かせてごめん。 双葉:いやっ、謝らないで…。びっくりしちゃっただけ…。 湊人:返事は、今すぐじゃなくていい。明日のお昼は一緒に食べるのはやめよう。 双葉:えっと…。ありがとう。その…、気持ち伝えてくれて。 湊人:告白なんて所詮自己満足だから。俺の方こそ話聞いてくれてありがとう。帰り道気をつけるんだぞ? 双葉:うん。わかった。ばいばい。 湊人:あぁ、また明日な。 双葉:(M)私は背を向けて歩き出す彼の背中をしばらく見つめていた。 : :帰宅 : 双葉:ただいまー。どうしよう。頭働かない…。 : 双葉:(M)とりあえず、学校の荷物片付けなきゃ…。 : 双葉:うぅーん。尚が来る前に少しは落ち着かなきゃ…。そういえば、尚も話したいことあるって言ってたなぁ。なんだろ? : :ピーンポーン(玄関のチャイム) : 双葉:…尚かな? 尚:よっ!お菓子と飲み物持ってきた。 双葉:あぁ、ありがとう。 尚:お邪魔しまーすっ! 双葉:今日はリビングでもいい? 尚:おうっ! 双葉:(M)尚のいつもと変わらない声と笑顔に少しほっとした。 尚:あのさ、双葉…。また何かあった? 双葉:へっ?いやっ!何もないよ。 尚:その反応あったって言ってるようなもんだぞ?言えないことなら無理に聞かないけど、いつでも頼れよなっ! 双葉:私が考えなきゃいけないことだから…。 尚:ふーん。そうか。 双葉:気にかけてくれたのにごめんね。 尚:なんで双葉が謝るんだよ。別に悪いことしてるわけじゃないだろ? 双葉:そうなのかな…? 尚:大丈夫か? 双葉:ごめん、大丈夫。 尚:…わかった。でも、一人で抱え込んで無理しない!これだけは約束な? 双葉:うん。わかった。 尚:よし!俺ポテチ食う。双葉の好きそうなのも買ってあるぞ。ほら! 双葉:あっ…本当だ。美味しそう!ありがとう。 尚:(M)やっと笑ったな。 双葉:(M)尚は色んなことに気づいてすごいなぁ。 : 双葉:これ美味しいね。尚も一緒に食べよ? 尚:俺ポテチ食いたかっただけだったし、あとは双葉が全部食べな。 双葉:全部って…こんなにもらっちゃっていいの? 尚:つい双葉が好きそうだなーってカゴに入れまくったから…! 双葉:じゃあ今度何かお菓子作るね! 尚:よっしゃー!双葉の作ったお菓子好きなんだよなー♪ 双葉:(M)いつも具体的に感想くれるから作りがいがあるんだよね。 : 双葉:何がいいとかリクエストある? 尚:そうだなー。クッキーも、抹茶のマドレーヌも好きだしなぁー。今まで食べたお菓子どれも美味しかったからなー。 双葉:ありがとう。じゃあ、私のおまかせでもいい? 尚:おう!楽しみにしとく! : : 尚:あっ、もうこんな時間か…そろそろ晩飯だし帰らなきゃな…。 双葉:うん…。そうだね。 : 双葉:(M)少し空気が変わった気がして無意識に身構えてしまう。 尚:あのさ…俺。 双葉:うん。 : 双葉:(M)ドキドキしているのを必死に抑える。 尚:(小声)好きなんだ…。 双葉:…ごめん。聞こえなかった。もう一度お願いしてもいい? 尚:好きなんだ…双葉のこと。 双葉:(小声)え…嘘でしょ。 尚:双葉? 双葉:あぁ!ごめん。びっくりしちゃっただけ。 尚:すぐに返事ほしいわけじゃないんだ。最近、男子の中で双葉のこと話しするやつ多くて…。知らない間に誰かとくっついたりしたら嫌だなって。せめて気持ちだけでも伝えねーとって思って。自分勝手なのはわかってる。ごめん。 双葉:謝らないで。自分の気持ち伝えるのすごく勇気がいると思うの、だから…言ってくれてありがとう。 尚:いきなりびっくりさせたよな…。 双葉:…うん。 尚:じゃあ…、俺帰るな。 双葉:うん。気をつけてね。 尚:また明日な。 : 双葉:(M)2人の気持ちは嬉しい。でも…。 : 双葉:返事…なるべく早い方がいいよね。 : 双葉:わからなくなってきたよ…。 : :ピピピッピピピッ(アラーム音) : 双葉:んー。はぁ…えっ?いつもより早起きじゃん…。 : 双葉:いただきます…。 今日、晴れかー。暑くなりそう。 : 双葉:(M)こんなにドキドキしたら心臓もたない...。 : 双葉:学校休みたいけど…。昨日の今日で心配かけちゃうもんなぁ…。 連絡しようかな。 双葉:…あれ?尚から連絡きてる…。『今日、部活のミーティングあるの忘れてた!先に学校行くから寝坊すんなよー!』って…。 : 双葉:(M)ふぅー。学校つくまでは落ち着いていられそう。 : :学校に到着。 : 双葉:学校行くだけなのに…疲れた。 湊人:双葉おはよう。 双葉:へっ?!あ!湊人くん、おはよう。 湊人:今日は尚と一緒じゃなかったんだな。 双葉:うん!部活のミーティングあるって連絡来てた。 湊人:そうか。今日も可愛いな。 双葉:え?あ、ありがとう? 湊人:どうして疑問形なんだよ。 双葉:どう反応していいのかわからなくて…。 湊人:まぁ、そこも含めて好きなんだけど。 双葉:ふぇっ?! 湊人:双葉、顔。さっきから面白いことになってる。 双葉:誰のせいだと…。 湊人:(少し前の台詞と被る)俺のせいでしょ? 双葉:わかってるなら、からかうのやめてよ…。 湊人:ごめん。でも、思ったこと口に出してるだけだよ。 双葉:うぅー。 湊人:もう教室着くし、今はこれで勘弁しておいてあげるよ。 双葉:(M)なんか…湊人くんの気持ちが全力で投げられて、私が驚いたり恥ずかしがったり困ってるの見てる顔が…いつもより意地悪だったけど、声は優しかったな…。 : 双葉:(小声)んー!どうすればいいのよー! : 双葉:心臓がもたない…。 : :教室。 : 尚:おーい。双葉ー?起きないと、授業始まるぞ? 双葉:…ん?私寝ちゃってたの…。 尚:いびきすごかったぞ? 双葉:えっ!?嘘っ!!! 尚:あはははっ!大丈夫。嘘だから。 双葉:嘘つくなんて酷い。 尚:ごめんごめん。 双葉:でも…起こしてくれてありがとう。 尚:おう! 双葉:(M)湊人くんは告白したからなのか気持ちストレートにぶつけてきてたけど、尚はいつもと変わらない。少しホッとした。 : 双葉:(小声)もう…自分の気持ちがわからないよぉ…。 : 双葉:(M)授業の合間に話しかけに来るわけじゃなくて、自分の席から私をにこにこして眺めてる尚…。言葉じゃなくて、行動でバンバン伝わってくる好意もなかなか照れくさい。 : 双葉:(小声)助けてぇ……。頭パンクしちゃう。 : :(↓自分の席でひとりごと。双葉には聞こえない。) 尚:何してんだあいつ…。面白すぎ…。はぁー。可愛いなぁー。 : :キーンコーンカーンコーン : 双葉:(M)やっと終わった…。今日はどこで食べよう。誰もいないところで食べたいなぁ。頭疲れちゃった。 : 双葉:ここなら滅多に人来ないし、落ち着けるかなー。 : 双葉:(M)自分の気持ちを二人にどう伝えればいいのかな...。 : 尚:双葉、おかえりー。今日はギリギリまで食べてたんだな。なかなか戻って来ないから、何かあったのかと思って電話しようとしてた。 双葉:ちょっとぼーっとしちゃってただけだよ。心配かけてごめんね。 尚:今日、帰りどうする?俺は一緒に帰りたい。 双葉:えーっと。用事あるから、少し待っててくれる? 尚:わかった。じゃあ、部活に顔出してくる。終わったら連絡して。 双葉:わかった。 : 双葉:(M)用事なんて言ったけど、湊人くんと話をしようと思ってる、なんて素直に言えるわけないよね。 : 尚:じゃあ、連絡待ってるから。 双葉:わかったー。 : 双葉:(M)ぐるぐる考えても仕方ない。まずは湊人くんに自分の気持ちを伝えよう。 : 双葉:湊人くん。 湊人:あぁ、双葉。どうしたんだ?帰りに顔出すなんて珍しいな。尚、待ってるんじゃないのか? 双葉:尚なら大丈夫。用事があるって、伝えてあるから。 湊人:そうか...。 双葉:あのね、話したいことがあるの。 湊人:場所変えるか?俺はここでも構わないけど。 双葉:えっと、人が少ないところの方が話しやすいかな。 湊人:わかった。荷物持ってくるから待ってくれるか? 双葉:うん。大丈夫。 湊人:(M)昨日の返事だろうな。断られるだろうが、好きな気持ちは表に出していきたいな。もちろん双葉が嫌がらなければだけど。 双葉:(M)湊人くん、昨日のことだって気づいてないのかな? 湊人:それで、俺に話ってなに?」 双葉:えっと…。ちょっと言いづらいことではあるんだけど。 湊人:ゆっくりでいい。 双葉:うん。ありがとう。 湊人:…。 双葉:えっと…。昨日の返事なんだけど…。 湊人:あぁ。 双葉:その…ね。湊人くんのことは好きだけど、それは恋愛感情じゃない…と思うの。だから、ごめんなさい。 湊人:双葉。断るなら曖昧な言い方じゃない方がいいぞ。『じゃないと思う』なんて言われたら少しでも可能性があるのと期待するけど、いいのか? 双葉:ごめんなさい。でも、正直わからなくて。 湊人:…。これからもアプローチすることはOKって解釈でいい? 双葉:えっ…。答えられないと思うけど。それでもいいの? 湊人:1%でも可能性があるなら、俺は諦めるつもり無いよ。 双葉:そっか。わかった。 湊人:話はそれだけか?それなら俺は帰るけど。 双葉:あっ、うん。またね。 湊人:あぁ、また明日。 双葉:(M)緊張したぁ…。尚にもちゃんと気持ち伝えなくちゃ。 : 双葉:もしもし?用事済んだんだけど、まだ部室にいる?わかった、じゃあ待ってるね。うん。 : 双葉:(M)ふぅー。緊張する。 尚:双葉〜!わりぃ、待たせた! 双葉:全然大丈夫だよ。急いできてくれたの?ありがとう。 尚:用事早く終わったんだなー!帰りどっか寄る?まっすぐ帰るか? 双葉:どこも寄らずに帰りたいかな。 尚:わかった。じゃー帰ろうぜ。 双葉:(M)どのタイミングで話せばいいんだろう…。 尚:(M)さっきから何か言いたそうにしてんなぁー。双葉真面目だから、きっと告白の返事なんだろうなー。あぁ…。絶対俺からどうしたか聞かねー。振られるのわかってて聞きたくねーよ。 双葉:尚、あのね。 尚:ん? 双葉:尚に伝えておきたい事があるの。 尚:………。 双葉:あのね、私…尚の事は好き。でも、恋愛感情じゃないと思うの。だから、ごめんなさい。 尚:そうだろうと思ってたよ。気にすんなよ!気持ち伝えたかっただけだって言ったろ? 双葉:うん。それは、そうなんだけど。 尚:でもな、双葉。振るならきっちり振ってくれ。曖昧な言葉使われたら変に期待しちゃうだろ? 双葉:えっ…。それ。 : 双:(M)湊人くんにも同じこと言われた…。 尚:俺のことを思ってくれてるなら、ちゃんと振ってくれ。 双葉:ごめん。自分でもよくわからないの。今まで誰かを恋愛感情として好きになったことがないから、そういう好きと人として好きって感覚の違いが、わからないの。 尚:じゃあ0じゃねーってことでいい? 双葉:わからない。 尚:じゃあ、俺諦めない。アプローチはしていくから、もし嫌だったりしたら言ってくれ。双葉の嫌がることはしたくないんだ。 双葉:…わかった。 尚:難しいことかもしれないけど、避けたりはしないでほしい。我儘でごめん。 双葉:大丈夫。私のこと沢山考えてくれてありがとう。 尚:好きな人に嫌われたくはないからな。…じゃあまた明日なー。 双葉:じゃあね。 : 双葉:結局、曖昧な返事しかできなかったなぁ…。 : 湊人:(M)明日からも思いを伝えていこう。 尚:(M)明日からはもう少し気持ち伝えてもいいかもしれねーな。 双葉:(M)この好きはどっちの好きなのかな…。 : : :END

『スノーフレーク : 双葉:(M)カーテンの隙間から注がれる太陽の光。今日も私の慌ただしい1日が始まる。 尚:よっ!おはよ! 双葉:今日も朝から元気だね…私まだ眠いよ…。 尚:双葉は本当に朝弱いよなー!玄関じゃなくて部屋まで起こしに行ってやろうか? 双葉:(M)いたずらっぽく笑う顔を見て、からかわれているのだとわかっていても反応してしまう。 : 双葉:冗談でもそういうこと異性に言うのやめた方がいいよ? 尚:(小声)双葉にしか言わねーよ。 双葉:…あっ、今日提出の課題やった?私昨日途中で寝ちゃって…。 尚:ははっ!俺がやってると思うか?湊人に見せてもらうに決まってるだろ♪ 双葉:(M)そうだった…。授業中は寝てるかスマホいじってるんだった…。 : 双葉:いつ勉強してるの?テストは割といい点取ってるよね?なんか悔しいんだけど…。 尚:え?……知りたい? 双葉:むかつく…。どうせ『家で教科書読んでればなんとなくわかるだろ?』でしょ? : :(学校の校門が見える。) : 尚:あっ!みーなーとぉー!!おはよー!!! 湊人:二人とも、おはよう。 尚:みーなーとー。お願いがあるんだけどー! 湊人:どうせ課題やってないから見せてほしいんだろ?貸してやるからすぐ写せ。 尚:いつもありがとなー! 湊人:お礼はいいから、たまには自分でやってこい。課題の意味ないだろ。 双葉:ごめん。湊人くん…。私も課題やれてなくて。一緒に見せてもらってもいいかな? 湊人:えっ...。双葉が課題やり忘れたなんて、少し驚いた。俺のでよければ。 双葉:ありがとう!お礼は何がいいかな? 湊人:ブラックコーヒーで頼む。 双葉:わかった!返す時に一緒に渡すね。 湊人:(M)本当はデートが良かったんだけどな...。 : 湊人:俺のクラスは提出帰りだから、これ双葉に渡しておく。 尚:なんで俺じゃねーんだよ! 湊人:無くされたり汚されたら嫌だからだよ。 尚:あぁー??ひっでぇー!! 湊人:前科があるから仕方ないだろ…。 双葉:えっと、湊人くんありがとう。 湊人:あぁ、よろしく頼む。 : :双葉、尚の教室につく。 : 双葉:尚ー、1時間目自習らしいから今のうちに課題やっちゃおー。 尚:しゃーねー。やるかぁー。 : : 尚:おっし!終わったぁ〜!!! 双葉:えっ?もう?私まだわからないところある…。 尚:まさか…問題解いてるのか? 双葉:そうだよ?じゃないとわからないじゃない。 尚:はぁー。わかんないのどれ?教えてやるから。 双葉:ありがとう。こことここなんだけど。 : 双葉:(M)普段とのギャップに心臓の音がうるさい。 : 双葉:ありがとう!凄く分かりやすいかった。 尚:はははっ!そうかぁ〜?なんか照れるなっ! 双葉:(M)笑った顔はいつもと変わらないけど、耳が真っ赤になっていて可愛い。 尚:…っ。何笑ってんだよ。(小声)それは反則だろ。 双葉:耳まで真っ赤だったから、可愛いなって思って。 尚:(小声)可愛いのは双葉の方だろ。 双葉:ん?どうかした? 尚:なんでもねーよ。…鈍感。 : :(チャイムの音)キーンコーンカーンコーン : 双葉:(M)あっという間に授業終わったなぁ。今日はお昼どこで食べようかな。 尚:湊人に課題返しに行くなら俺もついてく。 双葉:え?お昼食べる場所散策するだけだよ。 尚:んー。そっか。気をつけてなー。 双葉:ふふふっ。ありがとう。行ってくるね。 : :購買で買い物する。 : 双葉:(M)いつもお弁当だから、久しぶりの購買楽しかったなぁー。 : 双葉:期間限定の見つけて自分のも買っちゃったー。 双葉:中庭あたりなら静かに食べられそうかな。 湊人:双葉? 双葉:あ!湊人くん!さっき教室覗いてもいなかったから、どこにいるのかなと思ったらここにいたんだね。 湊人:もしかして、わざわざ課題届ける為に? 双葉:お昼食べる場所、探してたんだぁー。一緒に食べてもいい? 湊人:あぁ、もちろん。 双葉:会えた時の為にって課題持っててよかったぁー。貸してくれてありがとう。お礼の品もどうぞ。 湊人:あぁ、役に立てたなら良かった。ありがとう。 双葉:久しぶりに湊人くんとゆっくり話する気がする。 湊人:いつも尚へのツッコミで終わるからな…。本当はもっと色々話したいんだけど。 双葉:え!そうなの?じゃあ明日も一緒にお昼ご飯食べない? 湊人:いつもは一緒に食べてるんじゃないのか? 双葉:ん?違うよー。私一人でご飯食べてるもん。 湊人:意外だな。教室で机囲んで食べてるものだと思ってた。 双葉:その日の気分でどこで食べるか決めてるんだぁー。楽しいよ!お昼ご飯はまったりしたいし。 湊人:それは、俺と食べるのは大丈夫なのか? 双葉:大丈夫!私が湊人くんと一緒にご飯食べたいなって思ったんだもん。湊人くんが一人で静かに食べたいとかなら、遠慮しとくけど。 湊人:いや、俺は教室とかの賑やかな場所が苦手なだけで、一人になりたい訳じゃない。それに、相手が双葉なら断る理由がない。 双葉:やった♪明日の楽しみが一つ増えたっ! : 双葉:(M)一人で景色を眺めながら食べるお昼も好きだけど、湊人くんと話しながら食べるご飯も楽しい。 湊人:こんなに色々話したの久しぶりだったな。 双葉:凄く楽しかったー! 湊人:明日も楽しみにしてる。 双葉:湊人くんも楽しみにしててくれるの?嬉しいっ! 湊人:それじゃあ。 双葉:うん。午後も授業頑張ろ! 湊人:ははっ…。そうだな。双葉は頑張りすぎないようにな? 双葉:え?頑張らないと成績下がっちゃうよー。 湊人:いざとなったら俺が教えるから。いつでも声かけてくれて構わない。 双葉:ありがとう!頼らせてもらう可能性高いと思う…! 湊人:双葉と勉強会楽しみにしてる。 双葉:(M)頭をポンッとしながら覗いた顔はいたずらっ子のようで…。 : 双葉:えっ?うっうん!そうだねっ! : 双葉:(M)ドキッとした私に気づいたのか、少し嬉しそうに微笑んだ顔にも鼓動が高鳴る。 : : 双葉:はぁ…。どっと疲れたぁ。 尚:大丈夫かぁー? 双葉:あっ…ごめん、声に出てた? 尚:戻ってきてから心ここにあらずな感じだったけど…何かあった? 双葉:えっ…?いや…別に。湊人くんとお昼食べたくらいで。 尚:は?!湊人とっ?! 双葉:お昼どこで食べようかなーって、中庭覗いたらいたの。 尚:(M)くそっ…一緒に行けばよかった。 : 尚:あのさ…今日、双葉の家遊び行ってもいいか? 双葉:え?…突然だね。大丈夫だと思うけど、一応お母さんに確認してみるね。 :双葉、母親に電話する。 双葉:もしもし?お母さん?今日、尚が家に遊びに来たいって言ってくれてるんだけど、大丈夫かな? うん。わかった!ありがとうお母さん。 尚:おばさんなんだって? 双葉:大丈夫だって!帰り遅くならないようにねって。晩御飯一緒に食べる? 尚:いや、今日は家で食べるって朝言ってあるから…大丈夫。伝えときたいことあるだけだしな。 双葉:今じゃ駄目なの?緊張するんだけど…。 尚:誰が聞いてるかわからないからな…。驚かせるとは思うけど、怖いことじゃないから安心しとけ。 双葉:うん…。 尚:今日は先に帰ってあとから家行くわ! 双葉:わかった。待ってるね。 : 双葉:(M)私だけに話したいことってなんだろう? : 双葉:あっ…帰る準備しないと。 湊人:あっ!双葉!!! 双葉:へっ?湊人くん!びっくりしたぁー。どうしたの? 湊人:今日は一人なのか? 双葉:うん。尚は先に帰るって。 湊人:あいつ何かいつもと違うこと言ってたりした? 双葉:え?私に話したいことあるとは言われた。 湊人:そっか…。じゃあ、今日は俺が一緒に帰っても大丈夫? 双葉:うん。大丈夫だよ! : : 双葉:湊人くん。 湊人:どうした? 双葉:なにか私に話したいことあったりする? 湊人:あぁ…。そう、だな…。 双葉:(M)歯切れの悪い返事に不安で少し泣きそうになる。 湊人:…。そんな泣きそうな顔するな。ごめんな。ちゃんと話すから。 双葉:うん。 湊人:俺、双葉のこと好きなんだ。 双葉:……………。 : 双葉:(M)突然のことで頭が真っ白になり言葉が出てこない。 湊人:柔らかく笑う顔も、優しく響く声も、少し怒った顔も、すぐ泣きそうになるところも、それを我慢してる顔も、気配り上手なところも… 双葉:(湊人の台詞に被って)ちょっ…ちょっと待って! 湊人:どうした。 双葉:えっと…。湊人くんが私のこと好きってこと? 湊人:そうだよ。 双葉:え?ちょっと待って…。頭が混乱してる。 湊人:驚かせてごめん。 双葉:いやっ、謝らないで…。びっくりしちゃっただけ…。 湊人:返事は、今すぐじゃなくていい。明日のお昼は一緒に食べるのはやめよう。 双葉:えっと…。ありがとう。その…、気持ち伝えてくれて。 湊人:告白なんて所詮自己満足だから。俺の方こそ話聞いてくれてありがとう。帰り道気をつけるんだぞ? 双葉:うん。わかった。ばいばい。 湊人:あぁ、また明日な。 双葉:(M)私は背を向けて歩き出す彼の背中をしばらく見つめていた。 : :帰宅 : 双葉:ただいまー。どうしよう。頭働かない…。 : 双葉:(M)とりあえず、学校の荷物片付けなきゃ…。 : 双葉:うぅーん。尚が来る前に少しは落ち着かなきゃ…。そういえば、尚も話したいことあるって言ってたなぁ。なんだろ? : :ピーンポーン(玄関のチャイム) : 双葉:…尚かな? 尚:よっ!お菓子と飲み物持ってきた。 双葉:あぁ、ありがとう。 尚:お邪魔しまーすっ! 双葉:今日はリビングでもいい? 尚:おうっ! 双葉:(M)尚のいつもと変わらない声と笑顔に少しほっとした。 尚:あのさ、双葉…。また何かあった? 双葉:へっ?いやっ!何もないよ。 尚:その反応あったって言ってるようなもんだぞ?言えないことなら無理に聞かないけど、いつでも頼れよなっ! 双葉:私が考えなきゃいけないことだから…。 尚:ふーん。そうか。 双葉:気にかけてくれたのにごめんね。 尚:なんで双葉が謝るんだよ。別に悪いことしてるわけじゃないだろ? 双葉:そうなのかな…? 尚:大丈夫か? 双葉:ごめん、大丈夫。 尚:…わかった。でも、一人で抱え込んで無理しない!これだけは約束な? 双葉:うん。わかった。 尚:よし!俺ポテチ食う。双葉の好きそうなのも買ってあるぞ。ほら! 双葉:あっ…本当だ。美味しそう!ありがとう。 尚:(M)やっと笑ったな。 双葉:(M)尚は色んなことに気づいてすごいなぁ。 : 双葉:これ美味しいね。尚も一緒に食べよ? 尚:俺ポテチ食いたかっただけだったし、あとは双葉が全部食べな。 双葉:全部って…こんなにもらっちゃっていいの? 尚:つい双葉が好きそうだなーってカゴに入れまくったから…! 双葉:じゃあ今度何かお菓子作るね! 尚:よっしゃー!双葉の作ったお菓子好きなんだよなー♪ 双葉:(M)いつも具体的に感想くれるから作りがいがあるんだよね。 : 双葉:何がいいとかリクエストある? 尚:そうだなー。クッキーも、抹茶のマドレーヌも好きだしなぁー。今まで食べたお菓子どれも美味しかったからなー。 双葉:ありがとう。じゃあ、私のおまかせでもいい? 尚:おう!楽しみにしとく! : : 尚:あっ、もうこんな時間か…そろそろ晩飯だし帰らなきゃな…。 双葉:うん…。そうだね。 : 双葉:(M)少し空気が変わった気がして無意識に身構えてしまう。 尚:あのさ…俺。 双葉:うん。 : 双葉:(M)ドキドキしているのを必死に抑える。 尚:(小声)好きなんだ…。 双葉:…ごめん。聞こえなかった。もう一度お願いしてもいい? 尚:好きなんだ…双葉のこと。 双葉:(小声)え…嘘でしょ。 尚:双葉? 双葉:あぁ!ごめん。びっくりしちゃっただけ。 尚:すぐに返事ほしいわけじゃないんだ。最近、男子の中で双葉のこと話しするやつ多くて…。知らない間に誰かとくっついたりしたら嫌だなって。せめて気持ちだけでも伝えねーとって思って。自分勝手なのはわかってる。ごめん。 双葉:謝らないで。自分の気持ち伝えるのすごく勇気がいると思うの、だから…言ってくれてありがとう。 尚:いきなりびっくりさせたよな…。 双葉:…うん。 尚:じゃあ…、俺帰るな。 双葉:うん。気をつけてね。 尚:また明日な。 : 双葉:(M)2人の気持ちは嬉しい。でも…。 : 双葉:返事…なるべく早い方がいいよね。 : 双葉:わからなくなってきたよ…。 : :ピピピッピピピッ(アラーム音) : 双葉:んー。はぁ…えっ?いつもより早起きじゃん…。 : 双葉:いただきます…。 今日、晴れかー。暑くなりそう。 : 双葉:(M)こんなにドキドキしたら心臓もたない...。 : 双葉:学校休みたいけど…。昨日の今日で心配かけちゃうもんなぁ…。 連絡しようかな。 双葉:…あれ?尚から連絡きてる…。『今日、部活のミーティングあるの忘れてた!先に学校行くから寝坊すんなよー!』って…。 : 双葉:(M)ふぅー。学校つくまでは落ち着いていられそう。 : :学校に到着。 : 双葉:学校行くだけなのに…疲れた。 湊人:双葉おはよう。 双葉:へっ?!あ!湊人くん、おはよう。 湊人:今日は尚と一緒じゃなかったんだな。 双葉:うん!部活のミーティングあるって連絡来てた。 湊人:そうか。今日も可愛いな。 双葉:え?あ、ありがとう? 湊人:どうして疑問形なんだよ。 双葉:どう反応していいのかわからなくて…。 湊人:まぁ、そこも含めて好きなんだけど。 双葉:ふぇっ?! 湊人:双葉、顔。さっきから面白いことになってる。 双葉:誰のせいだと…。 湊人:(少し前の台詞と被る)俺のせいでしょ? 双葉:わかってるなら、からかうのやめてよ…。 湊人:ごめん。でも、思ったこと口に出してるだけだよ。 双葉:うぅー。 湊人:もう教室着くし、今はこれで勘弁しておいてあげるよ。 双葉:(M)なんか…湊人くんの気持ちが全力で投げられて、私が驚いたり恥ずかしがったり困ってるの見てる顔が…いつもより意地悪だったけど、声は優しかったな…。 : 双葉:(小声)んー!どうすればいいのよー! : 双葉:心臓がもたない…。 : :教室。 : 尚:おーい。双葉ー?起きないと、授業始まるぞ? 双葉:…ん?私寝ちゃってたの…。 尚:いびきすごかったぞ? 双葉:えっ!?嘘っ!!! 尚:あはははっ!大丈夫。嘘だから。 双葉:嘘つくなんて酷い。 尚:ごめんごめん。 双葉:でも…起こしてくれてありがとう。 尚:おう! 双葉:(M)湊人くんは告白したからなのか気持ちストレートにぶつけてきてたけど、尚はいつもと変わらない。少しホッとした。 : 双葉:(小声)もう…自分の気持ちがわからないよぉ…。 : 双葉:(M)授業の合間に話しかけに来るわけじゃなくて、自分の席から私をにこにこして眺めてる尚…。言葉じゃなくて、行動でバンバン伝わってくる好意もなかなか照れくさい。 : 双葉:(小声)助けてぇ……。頭パンクしちゃう。 : :(↓自分の席でひとりごと。双葉には聞こえない。) 尚:何してんだあいつ…。面白すぎ…。はぁー。可愛いなぁー。 : :キーンコーンカーンコーン : 双葉:(M)やっと終わった…。今日はどこで食べよう。誰もいないところで食べたいなぁ。頭疲れちゃった。 : 双葉:ここなら滅多に人来ないし、落ち着けるかなー。 : 双葉:(M)自分の気持ちを二人にどう伝えればいいのかな...。 : 尚:双葉、おかえりー。今日はギリギリまで食べてたんだな。なかなか戻って来ないから、何かあったのかと思って電話しようとしてた。 双葉:ちょっとぼーっとしちゃってただけだよ。心配かけてごめんね。 尚:今日、帰りどうする?俺は一緒に帰りたい。 双葉:えーっと。用事あるから、少し待っててくれる? 尚:わかった。じゃあ、部活に顔出してくる。終わったら連絡して。 双葉:わかった。 : 双葉:(M)用事なんて言ったけど、湊人くんと話をしようと思ってる、なんて素直に言えるわけないよね。 : 尚:じゃあ、連絡待ってるから。 双葉:わかったー。 : 双葉:(M)ぐるぐる考えても仕方ない。まずは湊人くんに自分の気持ちを伝えよう。 : 双葉:湊人くん。 湊人:あぁ、双葉。どうしたんだ?帰りに顔出すなんて珍しいな。尚、待ってるんじゃないのか? 双葉:尚なら大丈夫。用事があるって、伝えてあるから。 湊人:そうか...。 双葉:あのね、話したいことがあるの。 湊人:場所変えるか?俺はここでも構わないけど。 双葉:えっと、人が少ないところの方が話しやすいかな。 湊人:わかった。荷物持ってくるから待ってくれるか? 双葉:うん。大丈夫。 湊人:(M)昨日の返事だろうな。断られるだろうが、好きな気持ちは表に出していきたいな。もちろん双葉が嫌がらなければだけど。 双葉:(M)湊人くん、昨日のことだって気づいてないのかな? 湊人:それで、俺に話ってなに?」 双葉:えっと…。ちょっと言いづらいことではあるんだけど。 湊人:ゆっくりでいい。 双葉:うん。ありがとう。 湊人:…。 双葉:えっと…。昨日の返事なんだけど…。 湊人:あぁ。 双葉:その…ね。湊人くんのことは好きだけど、それは恋愛感情じゃない…と思うの。だから、ごめんなさい。 湊人:双葉。断るなら曖昧な言い方じゃない方がいいぞ。『じゃないと思う』なんて言われたら少しでも可能性があるのと期待するけど、いいのか? 双葉:ごめんなさい。でも、正直わからなくて。 湊人:…。これからもアプローチすることはOKって解釈でいい? 双葉:えっ…。答えられないと思うけど。それでもいいの? 湊人:1%でも可能性があるなら、俺は諦めるつもり無いよ。 双葉:そっか。わかった。 湊人:話はそれだけか?それなら俺は帰るけど。 双葉:あっ、うん。またね。 湊人:あぁ、また明日。 双葉:(M)緊張したぁ…。尚にもちゃんと気持ち伝えなくちゃ。 : 双葉:もしもし?用事済んだんだけど、まだ部室にいる?わかった、じゃあ待ってるね。うん。 : 双葉:(M)ふぅー。緊張する。 尚:双葉〜!わりぃ、待たせた! 双葉:全然大丈夫だよ。急いできてくれたの?ありがとう。 尚:用事早く終わったんだなー!帰りどっか寄る?まっすぐ帰るか? 双葉:どこも寄らずに帰りたいかな。 尚:わかった。じゃー帰ろうぜ。 双葉:(M)どのタイミングで話せばいいんだろう…。 尚:(M)さっきから何か言いたそうにしてんなぁー。双葉真面目だから、きっと告白の返事なんだろうなー。あぁ…。絶対俺からどうしたか聞かねー。振られるのわかってて聞きたくねーよ。 双葉:尚、あのね。 尚:ん? 双葉:尚に伝えておきたい事があるの。 尚:………。 双葉:あのね、私…尚の事は好き。でも、恋愛感情じゃないと思うの。だから、ごめんなさい。 尚:そうだろうと思ってたよ。気にすんなよ!気持ち伝えたかっただけだって言ったろ? 双葉:うん。それは、そうなんだけど。 尚:でもな、双葉。振るならきっちり振ってくれ。曖昧な言葉使われたら変に期待しちゃうだろ? 双葉:えっ…。それ。 : 双:(M)湊人くんにも同じこと言われた…。 尚:俺のことを思ってくれてるなら、ちゃんと振ってくれ。 双葉:ごめん。自分でもよくわからないの。今まで誰かを恋愛感情として好きになったことがないから、そういう好きと人として好きって感覚の違いが、わからないの。 尚:じゃあ0じゃねーってことでいい? 双葉:わからない。 尚:じゃあ、俺諦めない。アプローチはしていくから、もし嫌だったりしたら言ってくれ。双葉の嫌がることはしたくないんだ。 双葉:…わかった。 尚:難しいことかもしれないけど、避けたりはしないでほしい。我儘でごめん。 双葉:大丈夫。私のこと沢山考えてくれてありがとう。 尚:好きな人に嫌われたくはないからな。…じゃあまた明日なー。 双葉:じゃあね。 : 双葉:結局、曖昧な返事しかできなかったなぁ…。 : 湊人:(M)明日からも思いを伝えていこう。 尚:(M)明日からはもう少し気持ち伝えてもいいかもしれねーな。 双葉:(M)この好きはどっちの好きなのかな…。 : : :END