台本概要

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タイトル 在りし日の情景
作者名 瓶の人  (@binbintumeru)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 たくさんの色の花畑
アナタとの記憶が輝き流れる
在りし日の景色をこの手に…

※注意事項
●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡下さい。
●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。
●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。
●全力で楽しんで下さると幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 - 男女不問、思ったままお読みください。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:ハッと目を覚まし体を起こすと、見渡す限りの鮮やかな花畑が私の視界を埋め尽くした 0:ひまわりやパンジー、バラバラの季節で咲く花々が大地を覆っていて、華やかな絨毯を作り上げていた 0:私は、どうしてこんな所で倒れていたんだろう? 0:何か大切な事を忘れている気がする、それを思い出そうとしてもモヤがかかったかのように思い出せない 0:このままここに立ち尽くしていても何も始まらない 0:そう思い、私はあてもなく花畑の中を歩み始めた 0:行けども行けども視界の全ては様々な花の色に包まれている 0:人はおろか虫や動物1匹もおらず、建造物も見当たらない 0:ただ、そんな花だけの世界だけど、不思議と不安や恐怖といった感情は一切なかった 0:無心で歩き続け、同じような景色を何度も進んでいくうちに淡く輝く物が視界の隅に落ちているのを見つけた 0:輝いていたのは宝石のような物で、私はその石に見覚えがあった 0:確かこれは…シトリンと呼ばれる宝石だったはずだ 0:そのシトリンを手に取った直後、脳裏に情景が勢いよく流れ込んでくるのを感じた 0:  0:  0:  0:誰かと手を繋ぐ情景、お互いに顔を赤らめる情景、体を重ね愛を確かめ合う情景… 0:  0:  0:  0:全て初めて見たはずなのに…どこか懐かしく感じ、胸が締め付けられる 0:手元を見ると、シトリンは輝きを失い砕けていた… 0:なんだったんだろう今のは… 0:またアレを見る事が出来たら何か分かるのかな? 0:まだ他に無いか、そう思い私は再び花畑を歩き始めた 0:しばらく歩みを進めていくと、花畑の奥に輝く1輪の輝く白い花を見つけた 0:…恐らくこの花はエーデルワイスだろう 0:花にそっと手を伸ばし触れた瞬間、先ほどと同じように頭の中に情景が流れ込んでくる 0:  0:  0:  0:誰かと共に食卓を囲む情景、お互いの薬指に指輪をはめる情景、挙式で将来を誓う情景… 0:  0:  0:  0:これは…先ほどと同じようにやはり見覚えがある 0:もしかしてこの情景は、私自身が経験した記憶…? 0:少しずつだけど、私の頭の中のモヤが晴れてきている気がしていた 0:まるでピースがはまるように 0:でも、まだ足りない 0:まだ大切な何かが欠けている気がする 0:私はそれを見つける為に、花畑をかき分け輝く何かを探した 0:  0:  0:  0:最後に情景を見てからどれくらいが経っただろうか? 0:何分、何時間、この花畑を歩き回ったか分からないけど、ようやく淡く輝く物を見つける事ができた 0:そこにあったのは赤い花……彼岸花だった… 0:今までと何かが違う、心がざわつくのを感じたが、それでも私は手を伸ばしそっと彼岸花に触れる 0:すると今までと同様、頭の中に急速に情景が流れ込んできた 0:  0:  0:  0:病床で寝ている人、顔に布がかけられた人の傍で泣いている人、大量の睡眠薬を服用する人…… 0:  0:  0:  0:そこまで見て、私は唐突な吐き気を催してしまった 0:激しい頭痛に、痛いほどの耳鳴りが私を襲う 0:今のは……?知っている、いや知らないはずがない、知っていなければならない 0:……あれは、私だ…全部思い出した… 0:私は恋人と出会い、共に愛を育み、結婚をした 0:このまま幸せが続くと思っていた矢先… 0:恋人は事故に合い亡くなった……そして私は、後を追って睡眠薬で命を絶ったんだ… 0:最初のあのシトリンも婚約指輪に付いていた物… 0:それじゃあもしかしてここは死後の世界…? 0:私…無事に死ねたのかな 0:ここにこのまま居ればあの人に会えるのかな? 0:そう思いながら再び歩き出そうとした瞬間、私の体が淡く輝きはじめた 0:次第に体を包む光は輝きを増していき、私の視界は輝きに支配されていった… 0:  0:  0:  0:  0:次に目を覚ました時は、見慣れないが見覚えのある白い天井が視界に入った 0:目を覚ました私に気がついた白い服の人達が、慌てふためきながらも私に説明をしてくれた 0:自宅で睡眠薬を大量摂取し倒れた後、たまたま自宅を訪れた親族によって発見され病院に運ばれたそうだ 0:もう少し発見が遅ければ危ない所だったらしい 0:…助かりたくなんてなかった……と少し思ってしまっている 0:もしあのままあそこに居たら、あの人に会えたかもしれなかった 0:けれど…あの花畑で見たあの人との記憶が、私の心の中で熱く残っている 0:きっと辛い、また死んでしまいたいと思ってしまうかもしれない 0:それでも、あの人との記憶を…この胸の熱を大切に残していきたい… 0:身を投げた後に我ながら都合がいいかもしれない、けれどそう思ってしまった 0:だから、もう少しこっちであの人の分まで頑張って生きてみたい 0:こんな自分勝手な私だけど…そっちに行くの、もう少しだけ待っててくれるかな? 0:もしまた会う時は、あの広くて綺麗な花畑で会おうね 0:  0: 

0:ハッと目を覚まし体を起こすと、見渡す限りの鮮やかな花畑が私の視界を埋め尽くした 0:ひまわりやパンジー、バラバラの季節で咲く花々が大地を覆っていて、華やかな絨毯を作り上げていた 0:私は、どうしてこんな所で倒れていたんだろう? 0:何か大切な事を忘れている気がする、それを思い出そうとしてもモヤがかかったかのように思い出せない 0:このままここに立ち尽くしていても何も始まらない 0:そう思い、私はあてもなく花畑の中を歩み始めた 0:行けども行けども視界の全ては様々な花の色に包まれている 0:人はおろか虫や動物1匹もおらず、建造物も見当たらない 0:ただ、そんな花だけの世界だけど、不思議と不安や恐怖といった感情は一切なかった 0:無心で歩き続け、同じような景色を何度も進んでいくうちに淡く輝く物が視界の隅に落ちているのを見つけた 0:輝いていたのは宝石のような物で、私はその石に見覚えがあった 0:確かこれは…シトリンと呼ばれる宝石だったはずだ 0:そのシトリンを手に取った直後、脳裏に情景が勢いよく流れ込んでくるのを感じた 0:  0:  0:  0:誰かと手を繋ぐ情景、お互いに顔を赤らめる情景、体を重ね愛を確かめ合う情景… 0:  0:  0:  0:全て初めて見たはずなのに…どこか懐かしく感じ、胸が締め付けられる 0:手元を見ると、シトリンは輝きを失い砕けていた… 0:なんだったんだろう今のは… 0:またアレを見る事が出来たら何か分かるのかな? 0:まだ他に無いか、そう思い私は再び花畑を歩き始めた 0:しばらく歩みを進めていくと、花畑の奥に輝く1輪の輝く白い花を見つけた 0:…恐らくこの花はエーデルワイスだろう 0:花にそっと手を伸ばし触れた瞬間、先ほどと同じように頭の中に情景が流れ込んでくる 0:  0:  0:  0:誰かと共に食卓を囲む情景、お互いの薬指に指輪をはめる情景、挙式で将来を誓う情景… 0:  0:  0:  0:これは…先ほどと同じようにやはり見覚えがある 0:もしかしてこの情景は、私自身が経験した記憶…? 0:少しずつだけど、私の頭の中のモヤが晴れてきている気がしていた 0:まるでピースがはまるように 0:でも、まだ足りない 0:まだ大切な何かが欠けている気がする 0:私はそれを見つける為に、花畑をかき分け輝く何かを探した 0:  0:  0:  0:最後に情景を見てからどれくらいが経っただろうか? 0:何分、何時間、この花畑を歩き回ったか分からないけど、ようやく淡く輝く物を見つける事ができた 0:そこにあったのは赤い花……彼岸花だった… 0:今までと何かが違う、心がざわつくのを感じたが、それでも私は手を伸ばしそっと彼岸花に触れる 0:すると今までと同様、頭の中に急速に情景が流れ込んできた 0:  0:  0:  0:病床で寝ている人、顔に布がかけられた人の傍で泣いている人、大量の睡眠薬を服用する人…… 0:  0:  0:  0:そこまで見て、私は唐突な吐き気を催してしまった 0:激しい頭痛に、痛いほどの耳鳴りが私を襲う 0:今のは……?知っている、いや知らないはずがない、知っていなければならない 0:……あれは、私だ…全部思い出した… 0:私は恋人と出会い、共に愛を育み、結婚をした 0:このまま幸せが続くと思っていた矢先… 0:恋人は事故に合い亡くなった……そして私は、後を追って睡眠薬で命を絶ったんだ… 0:最初のあのシトリンも婚約指輪に付いていた物… 0:それじゃあもしかしてここは死後の世界…? 0:私…無事に死ねたのかな 0:ここにこのまま居ればあの人に会えるのかな? 0:そう思いながら再び歩き出そうとした瞬間、私の体が淡く輝きはじめた 0:次第に体を包む光は輝きを増していき、私の視界は輝きに支配されていった… 0:  0:  0:  0:  0:次に目を覚ました時は、見慣れないが見覚えのある白い天井が視界に入った 0:目を覚ました私に気がついた白い服の人達が、慌てふためきながらも私に説明をしてくれた 0:自宅で睡眠薬を大量摂取し倒れた後、たまたま自宅を訪れた親族によって発見され病院に運ばれたそうだ 0:もう少し発見が遅ければ危ない所だったらしい 0:…助かりたくなんてなかった……と少し思ってしまっている 0:もしあのままあそこに居たら、あの人に会えたかもしれなかった 0:けれど…あの花畑で見たあの人との記憶が、私の心の中で熱く残っている 0:きっと辛い、また死んでしまいたいと思ってしまうかもしれない 0:それでも、あの人との記憶を…この胸の熱を大切に残していきたい… 0:身を投げた後に我ながら都合がいいかもしれない、けれどそう思ってしまった 0:だから、もう少しこっちであの人の分まで頑張って生きてみたい 0:こんな自分勝手な私だけど…そっちに行くの、もう少しだけ待っててくれるかな? 0:もしまた会う時は、あの広くて綺麗な花畑で会おうね 0:  0: