台本概要
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タイトル | 僕らの下着戦争 |
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作者名 | 瓶の人 (@binbintumeru) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 5人用台本(男5) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
とある男子高校の昼下がり 2つの巨大勢力によって学校は戦場になった ブリーフVSボクサーパンツの熱い戦いの火蓋が切って落とされる ※注意事項 ●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡下さい。 ●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。 ●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。 ●全力で楽しんで下さると幸いです。 599 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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中野 | 男 | 108 | 中野(なかの) ブリーフ派にもボクサーパンツ派にも属さない中立派 突如として両派閥の戦いに巻き込まれてしまった 男性として演じて下されば女性も可 |
曽田 | 男 | 52 | 曽田(そねだ) ボクサーパンツ派の1人 冷静に周りを分析し指揮を取る 男性として演じて下されば女性も可 |
神田 | 男 | 48 | 神田(かんだ) ボクサーパンツ派の1人 元気で明るいムードメーカー ボクサーパンツは紺色とこだわりがある 男性として演じて下されば女性も可 |
佐藤 | 男 | 39 | 佐藤(さとう) ブリーフ派の1人 無理やりブリーフの良さを植え付けようとしてくる過激派 歌は壊滅的に下手 男性として演じて下されば女性も可 |
加藤 | 男 | 41 | 加藤(かとう) ブリーフ派の1人 この男子校の生徒会長 出番が遅いため個性を強く出すが、途中から素に戻る 強烈なまでにブリーフを愛している 男性として演じて下されば女性も可 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
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0:校舎内を走る中野、
中野:「はあ…はあ…!くそ、見つかった!!」
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中野:【N】複数の怒号を背に俺は全速力で逃げ走る。まさか、もう追手がこんなところまで来ていたなんて…
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中野:「なんだってこんなことに巻き込まれなきゃいけないんだよ…!ちくしょう!」
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中野:【N】今この学校は、ブリーフ派とボクサー派の二大勢力によって分断され、戦争真っ只中だ。え?何言ってるんだって?そんなの俺だって知りたいよ…
中野:ただ、いつも通り学校に来て、友達たちと他愛ない話をしてたはずなのに気がつけばこんなカオスになっていた
中野:しかし、いつまでも逃げ隠れているわけにもいかない…何とかしてこの状況から脱しなければ…
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佐藤:「おや?そこにいるのは中野じゃないか?」
中野:「っ!?お前は…!」
佐藤:「ふふ…まさか、こんな所で会うとはね…ずっとキミを探していたんだよ…」
中野:「佐藤…俺は会いたくなかったさ…」
佐藤:「そんな寂しいことを言うなよ、僕らはクラスメイトじゃないか。」
中野:「今は敵同士、だろ?」
佐藤:「ふふ、キミが僕らの仲間になれば敵じゃなくなるじゃないか。」
中野:「俺がお前らの仲間に?」
0:不敵な笑みを浮かべ大げさに両手を広げて、ブリーフを強調する佐藤
佐藤:「そうさ、キミもブリーフ派になろうじゃないか!ピチピチと程よく締め付けられ、身も心もピッチピチになる最高のブリーフを履いて!キミも我らと共にブリーフを崇拝するのさ!
佐藤:キミが仲間になれば、同じくキミを狙うボクサー派からの脅威からも守ってあげよう。更には、我らが押さえている1階の食堂と自販機も自由に使える、どうだい?すべてにおいて悪い話じゃないだろう?」
中野:「…魅力的な提案だな。」
佐藤:「そうか、では我らの同胞に…」
中野:「悪いが、仲間にはなれないな。」
佐藤:「………なん…だと?」
中野:「あいにく俺は……服も下着もピチピチするのが嫌いなんだよ!」
佐藤:「な…あ、ははは…冗談だよな?この僕の提案をキミが断るなんてしないよな?中野?」
中野:「俺は、ブリーフなんて履かない、絶対にだ!」
佐藤:「んきぃぃいいいいいい!!この愚か者があああ!!仕方ない、やりたくなかったが実力行使だ!!」
0:ブリーフの中からスマホを取り出し操作をする
中野:「っ!!なんだこの妙な音楽は…!?」
佐藤:「これもキミが崇高なるブリーフをバカにしたから悪いんだ!自分の愚かさに後悔しろ!」
中野:「佐藤…お前!!」
佐藤:「それでは聞いてください、『あなたに捧げるゴッドブリーフ』」
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0:※歌っても台詞調で読んでも構いません、お好きにどうぞブリ
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
佐藤:あなたの心が荒んでる~あなたの心が泣いている~雨が降ったらブリーフを履こう
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
佐藤:ソフトなブリティッシュ、ハードなブリエンツ、あなたの味方さブリッジング
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
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0:珍妙な動きで踊りながら歌う佐藤
中野:「うっ…ぐああああああ!!頭が割れそうだ…!!」
佐藤:「ふふ…効いているようだね中野。最終手段を取らされるとは思わなかったけど…これでキミも僕の歌によってブリーフ派に…」
中野:「なるわけないだろ!こんなひどい歌を聞かされてなるわけないだろ!ブリブリブリブリうるさいわ!なんだよブリティッシュて!ブリエンツて!何1つ意味が繋がってねぇじゃねえか!」
佐藤:「そんな、まさか効かないなんて…!」
中野:「今まで聞いたことがないレベルの最悪の歌だったわ!!」
佐藤:「…くっ…また僕らブリーフを愚弄するか……!!もう許さないぞ。みんな!中野を無理やりにでもアジトに連れていくんだ!」
0:物陰から白いブリーフを履いたブリーフ派達が現れる
中野:「っ!?伏兵が!?」
佐藤:「いつキミに逃げられてもいいように忍ばせておいたのさ、観念するんだな中野!」
中野:「ちっくしょう!!」
神田:「伏せて!中野!」
中野:「っ!?」
曽田:「総員!放てえええ!!」
0:水風船が後方から大量に投擲される
佐藤:「んな!?お前らは!んぎゃあああああああああ!!ブリーフがぁぁああああ!!」
中野:「な、なんだこの状況………この匂いは…カレー?」
曽田:「カレーを詰めた水風船だ。奴らのブリーフは白色の生地だからな、カレー汚れはそう簡単に落とせない、これで奴らの戦意も喪失できる。」
中野:「お前は、曽田…」
曽田:「よ、中野。無事だったか?」
中野:「あ、ああ……曽田、お前その恰好…なんでパンイチ…」
佐藤:「きいいいい!我らの崇高なるブリーフをよくも…よくも汚したな!!」
神田:「いい加減諦めちゃってよ佐藤!」
0:ボクサーパンツを履いた神田がカレー入り水風船を片手に現れる
中野:「か、神田まで…」
神田:「お前らの大好きなブリーフがまるで漏らしたみたいになっちゃったねー?ぷぷぷ、高校生にもなってそんな盛大に漏らすなんて…うっぷぷ、恥ずかしいねー」
佐藤:「ぐぎぎぎぎぎ…いいだろう、いったんここは見逃してやる!だがしかあああし!!必ずこの借りは返す!待っていろよボクサー共!」
中野:「典型的な噛ませの捨て台詞だな…」
曽田:「そんなことより、ケガはないか?」
中野:「あ、うん大丈夫だ。ありがとうな神田、曽田。」
神田:「いいってことよー!変態ブリーフ軍団も撃退できたしね!」
曽田:「ああ、気にしなくていいぞ中野。」
中野:「変態って所に関しちゃ、下半身パンイチのお前らも大差ない恰好してるけどな……」
神田:「そういや中野、どっちのパンツも履いてないって事はまだどっちの派閥にも入ってないの?」
中野:「あー、えっと…そうなんだ。そもそもなんでこんな事になってるのかも良く分からないままブリーフ達に追いかけられて…」
曽田:「なるほどな、それは災難だったな。まあ何はともあれく無事でよかった。」
神田:「そうだ!俺らボクサー派のアジトに来ちゃいなよ!」
中野:「え?」
曽田:「それもそうだな、ブリーフ派幹部の佐藤もさっきの戦いでしばらくは動けないだろうし、体力の回復と作戦を立てるためにも一度アジトに行くのもいいだろう。」
中野:「あーえっと…俺…ブリーフ派でもボクサー派でもないんだよ…だからちょっと…その提案は…」
曽田:「わかっているさ、別に勧誘をしているわけではない。」
神田:「そそ!一旦うちのアジトで体を休めようぜーって話よ!もちろん無理にとは言わないから安心してよ。」
中野:「…そ、そういうことなら…じゃあ、お言葉に甘えて…」
神田:「よーし!じゃあ、俺らボクサーパンツ派のアジト、視聴覚室にレッツゴー!」
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0:体育館内
佐藤:「はい…申し訳ございません…僕とした事が不覚を取りまして……ブリーフ派の多数は染みついたカレーの洗濯に人員を割いています…
佐藤:つ、次こそは必ず!必ず奴らボクサー達を返り討ちにしてみせます!我らがブリーフとアナタ様…会長に勝利を捧げてみせます…!」
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0:視聴覚室内
曽田:「さ、遠慮なくくつろいでくれ。」
中野:「ああ、ありがとう曽田。」
曽田:「よし、じゃあ神田。早速だが現状を整理しようか。」
神田:「おう、そうだね。」
0:曽田は机の上に校内の地図を広げる
曽田:「まず俺らボクサー派は校内本棟の3階中2、3階を占拠している。
曽田:そしてブリーフ派は本棟1階と別棟の1、2階と体育館を占拠している。」
神田:「んで、別棟の3階はまだどちらのでもないって事ね。」
曽田:「全体的に見てわかる通りこちらが劣勢だ。自動販売機と購買、食堂がある1階は奴らに占拠されている以上、人員の空腹状態を満たす事が出来ず士気が下がってしまう。どうしたって水道水だけでは体力が回復しづらい。」
神田:「長期戦はできないよねー…」
曽田:「レトルト食品も先ほどの戦いで使ってしまったしな。」
中野:「先ほどの戦い?あ…もしかしてさっきのカレーって…」
神田:「中野は気にしなくていいんだよ!あれで奴らの戦力もだいぶ削れたからね!」
曽田:「食堂のある1階を奪い取るにしても、奴らも強力な戦力を配置しているだろう…現状こちらの戦力はこれ以上は削れない。さて、どうしたものか。」
神田:「今後の戦いの事を考えると、食堂は第1優先で確保しておいた方がいいんじゃないのかな?」
曽田:「そうしたいのは山々だが…現在時刻は15時過ぎ。昼食を食べていない生徒たちの空腹具合から見ても、まともな戦闘はできないだろう。」
神田:「んー、でもさあ…」
中野:「ええと、いいか?」
神田:「え、どうしたの?」
中野:「その、ブリーフ派のアジトってどこなんだ?」
曽田:「奴らのアジトは、偵察部隊からの情報によると…体育館だ。」
中野:「長期戦ができない、こちらの戦力も削れない…ならもうさ、短期決着した方が良くないか?」
曽田:「…というと?」
中野:「直接アジトを叩くしかないんじゃないかな?」
曽田:「………それができたら苦労はしない。」
神田:「中野、俺らは何度かそれを試そうとはしたんだよ、でもやっぱ体育館周辺は警備が厚くてさ…一筋縄じゃいかないんだよ。」
中野:「そっか…」
曽田:「しかもその警備に当たってるのは運動部のエース級の奴らだ、突破できたとしてもこちらの体力は大きく消耗するだろう。」
中野:「運動部のエース達…ブリーフ履いてたのか……なんだろう、少し見方変わってくるな…」
神田:「ごめんなぁ、中野。せっかく案を出してもらったのにさ。」
曽田:「それにもし強行したとしても中野はブリーフ派でもボクサー派でもないただの一般人だ。これ以上は巻き込むわけにもいかない。」
中野:「……えっと、さ。」
神田:「ん?」
中野:「ボクサー派には入れないけど……ブリーフ派を倒すのを手伝ってもいいか?」
神田:「え?」
曽田:「いや、さっきも言ったように巻き込むわけには…」
中野:「佐藤に襲われた時点でもう巻き込まれてるし、ていうかこの学校に居る時点でそもそも勝手に巻き込まれてんだよ。もう無関係じゃないんだ。それにあいつらの強引なやり方は気に入らない、1回あいつらのブリーフを引きちぎらないと気が済まない。」
神田:「中野…」
曽田:「しかし…」
中野:「あいつらを倒すなら…多分俺は役に立つと思うし…」
曽田:「どういうことだ?」
中野:「それは…」
0:少し言いよどむ中野
曽田:「……手伝ってくれるんだな中野?」
中野:「……ああ、一緒にやらせてくれ。」
曽田:「ありがとう。今から中野は、俺らボクサー派の仲間だ。このボクサーパンツのように、程よいフィット感で手を取り合おう。」
中野:「あー、えっと……その例え良く分かんないけど…よろしく。」
神田:「よーっし、中野も仲間になったことだし!あいつらのブリーフをズッタズタにしてやろー!」
曽田:「メンバーは少数精鋭、主要メンバーはこの3人。援護用に数人を後方待機させて殴り込みに行く。準備は良いか?」
中野:「ああ、分かった。」
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0:体育館前
神田:「警備はどう?曽田。」
曽田:「相変わらずの厚さだ。野球部、サッカー部、ムエタイ部のエース達が居るな…」
中野:「ムエタイ…うちってそんな部あったんだ…」
曽田:「さて、どうする?」
中野:「ここは俺に行かせてくれ。」
神田:「…ねえ、本当に倒せるの?」
中野:「ああ、俺なら倒せるはずだ。」
神田:「わかった……おねがい。」
曽田:「気を付けるんだぞ。危ないと思ったら俺らが援護しに行く。」
中野:「わかった…ん?なんだ?」
曽田:「なんだこれは…変な曲が聞こえる…」
中野:「これってまさか…」
0:珍妙な踊りと共に佐藤が現れる
佐藤:「ブリっブリっ♪ブリっブリっ♪」
中野:「お前は…!」
佐藤:「おやおや、これはこれはボクサー派の皆様じゃあないか…」
中野:「佐藤!」
神田:「な!?佐藤がなんで…!」
曽田:「もう復活したのか!?想定よりも早い…」
佐藤:「ふふ…僕のブリーフを甘く見ていたようだね。僕のブリーフは汚れが付きづらい仕様でね…カレーが付こうが泥水を被ろうがすぐに洗い落とせるんだよおおお!ぶっひゃははははは!」
神田:「腹立つ笑い方ぁ…!」
中野:「でも、関係ないさ…!俺なら…お前を倒せる!」
佐藤:「あはあん?さっきはあんなに逃げ回ってたキミに何ができる!ボクサー派でもブリーフ派でもない未所属パンツに何ができる!」
中野:「出来るさ、なぜなら俺は…俺は!!」
0:ズボンに手をかけ下す中野
曽田:「っ!?」
神田:「なっ!?」
佐藤:「っ!?き、キミ…それは!?そのたなびく下着はっっ!!!?」
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中野:「俺は!ふんどし派なんだああああああああああああ!!」
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佐藤:「なっなにいいいいいい!?しかも…白ふんだとおおおおお!?」
中野:「ブリーフよりも白く煌めき、ボクサーよりも身の引き締まる締め付け感。これこそが、この下着こそが最強の下着だ!」
佐藤:「んきいいいい!くっそおおお!なんだこの力は…!運動部のエース達まで倒れて…!?くっ、白くたなびくふんどしのせいで近づけない!近づけないいいい!」
中野:「チャンスだ神田、曽田!今のうちに佐藤を拘束するんだ!」
神田:「お、おう!!」
曽田:「ああ、わかった!」
佐藤:「ぢくじょおおおおおお!」
中野:「おとなしくブリーフを脱がされるんだな佐藤。」
0:佐藤のブリーフを脱がす曽田と神田
佐藤:「ふふ、僕を倒したところでブリーフは永遠に不滅だ!ブリーフバンザーーーーーーーイ!!がくっ」
0:満面の笑みのまま気を失う佐藤
神田:「ふう、やっとおとなしくなった……」
曽田:「なんというか、意外とあっけなかったな…」
神田:「いやあ、それにしても、まさか中野がふんどし派だったとはな…」
中野:「ははは…昔からそうなんだよ、ふんどしがどんな下着よりも一番しっくりくるんだ。」
曽田:「なるほどな、似合ってるぞふんどし。」
神田:「そうだね、なんかすっごく凛々しく見えるよ!」
中野:「はは、ありがとう2人共。」
曽田:「それにしても、どうしてふんどしの力で倒せると思ったんだ?」
中野:「なんていうのかな…勘かな?……っ!?」
神田:「な、なにこの感じ…?すごく…パンツが震える…!」
曽田:「強烈なまでのこのオーラ…いや、ブリーフの波動…!」
中野:「尋常じゃないブリーフの力を体育館の奥から感じる…2人共、ここから先は更に荒れる事になる…心の、いや…パンツの準備はいいか?」
曽田:「もちろんだ。」
神田:「ここまで来て引き下がるわけにはいかないでしょー!」
中野:「ああ、そうだな。行こう!!」
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0:体育館内
曽田:「暗いな…」
神田:「まって!!ステージの上、誰かいる!」
0:体育館ステージの上にライトが当たる
加藤:「ブブブ……ここまで良く来たブリね…」
神田:「お前は…!!」
曽田:「生徒会長の加藤!!」
中野:「なっ…会長がブリーフ派のリーダーだったのか…?」
加藤:「そうブリ。私こそブリーフ派を統べる王。キングオブリーフだブリ。」
神田:「ぶ、ブリ…?」
曽田:「……その、なんか…すごい威厳あるオーラを放ってはいるが…語尾が…その…なんだ…」
中野:「個性が強いな…会長ってこんなだったか?」
加藤:「うるさいブリ!これは仕方ないブリ!ここまで出番がないと、こうしてキャラの濃さを出さないと覚えてもらえないブリ!
加藤:ていうかお前らここに来るまでが長いんだよ!めっちゃ出番遅くなっちゃったじゃん!もう終盤じゃん!私の配役の人ここまでずっと無言だよ?ミュートしてリスナーになっちゃってるよきっと!かわいそうじゃん!どうしてくれんのこれ!?」
神田:「メタいメタい!めっちゃメタ発言!!」
加藤:「それに佐藤!いつまでも寝てないで起きろ!てか、お前はなんで私よりも多く出番貰ってんの!?納得いかないんだけど!?」
佐藤:「むにゃむにゃ…もうブリーフは食べられませええん…ぶにゃぶにゃ…」
加藤:「ちっ、こほん。もういいブリ、こんな奴は放っておくブリ。
加藤:さあ、キミたちがここまで来たということは…私を倒しに来たという事だろう?中野君、君が履くその最強の下着、ふんどしを用いて…ブリ。」
中野:「ああそうだ…お前は俺が倒す!この純白のふんどしで!!」
加藤:「ブブ…ブブブブ……!」
中野:「なんだ…?何がおかしい!」
加藤:「ブブブブ、無理だブリ。キミの下着パワーでは私の圧倒的なブリーフパワーには勝てないブリよ。」
中野:「なんだと?」
加藤:「ブブブ、くらうがいいブリ!ブリブリブリーフエボリューション!」
0:珍妙な腰つきでブリーフの波動を放つ
神田:「ぐああああああああああ!!」
曽田:「ぬわあああああああああ!!」
中野:「曽田!?神田!?…なんて…力だ……ブリーフの波動が、凄まじい…」
加藤:「ほう…私のブリーフパワーを直に受けながらもまだふんどしは脱げないか…ブリ。」
神田:「う、うう…」
曽田:「……くっ…う…」
加藤:「だが、お仲間のボクサー共はパンツが脱ぎ掛けているな、もう長くはもたまい。」
中野:「曽田…神田…」
加藤:「さあ、キミもそのふんどしを脱ぐブリ。そして我らがブリーフを履き崇拝するのだ。」
中野:「…嫌だね…」
加藤:「強情なふんどしすとだ…ならば仕方がない、ここでふんどし諸共朽ちるがいいブリ!!」
中野:「それも……嫌だね!!」
0:仁王立ちをし、ふんどしをたなびかせる
加藤:「っ!!なんて輝かしいふんどし…!!」
中野:「はあああああ!」
加藤:「ブブ、ブブブブブブ!いいぞ!いい輝きだ中野君!!そうでなくてはここまで出番を待った意味がないというものだブリ!」
中野:「く、ここまで力を出してもまだ…!」
加藤:「キミのふんどし愛に敬意を評して、私の真の力を見せてやろう…ブリ。」
中野:「な、なんだ?おもむろにブリーフを脱いで何を…!そんな事をしたら会長アンタ!」
加藤:「キミ達のような弱者と一緒にしないでもらおうか…ブリ。」
神田:「う……奴…まさか…」
中野:「神田!大丈夫なのか!?」
神田:「早く…にげ…」
0:脱いだブリーフを頭にかぶる加藤
加藤:「長時間履き続けたブリーフを頭に被ることで、更なる境地へ到達する。これぞ愛の極限、これぞ真のブリーフ!」
中野:「なんて…姿だ…変態の極みじゃないか…」
加藤:「ブブブブ…変態だなんて心外だな…はあっ!!!」
中野:「なっ!!ぐはああああああ!!」
加藤:「もう誰も私を止められない、ブリーフこそ最強なのだ!!」
加藤:さあ、佐藤よ。もう起きているのだろう?新たなブリーフを履き立ち上がれ。」
0:むくっと起きる佐藤
佐藤:「はい、会長。」
加藤:「こいつらはもう下着が脱ぎ掛けて戦意も失った。今のうちにボクサー派のアジトを潰しブリーフ派の勝利を掴むのだ。」
佐藤:「ふふ…わかりました会長。」
中野:「…もう…力が……ふんどしも取れかけて…」
加藤:「哀れなパンツだな。ブリーフを崇拝していればこんな事にはならずに済んだというのに。」
曽田:「中野……」
中野:「曽田…」
曽田:「俺の、ボクサーパンツを使え…」
中野:「え?」
曽田:「俺のボクサーパンツとお前のふんどしで…新たな…力…うっ…」
中野:「曽田!どういう…」
神田:「…はあはあ…俺のボクサーパンツも使って…」
中野:「神田まで…」
神田:「聞いたことがある…愛が深い下着が…重なり合うとき…新たな下着が…生まれると…」
中野:「それってどういうことだ…!?」
佐藤:「なんだまだ意識あったのかキミら~」
加藤:「しぶとい奴らよ、いま完全に下着を脱がして楽にしてやる。」
中野:「ちっ!もう何が何だかわからないけど、やるしかねえ!神田、曽田、お前らのボクサーパンツ借りるぞ!!」
0:2人のパンツを脱がす中野
加藤:「なんだ?」
佐藤:「仲間のパンツを脱がして何がしたいんだ?」
0:
中野:「曽田、神田のボクサーと俺のふんどしをドッキング!!
中野:2人の勇気と友情をふんどしの輝きで包み込み、下着は更なる次元へと昇華する!光り輝け!おニューー--パンツっ!!」
0:
0:2枚のボクサーパンツの上にふんどしを履くことで更なる輝きを放つ
佐藤:「ま、まぶしいいいいいい!!ブリーフが脱げるううう!!」
加藤:「っくそ、なんだ、なんなんだこの輝きは!!」
中野:「股間が、体が温かい!優しくフィットして苦しい締め付け感もない…!!」
加藤:「下着同士が合体して新たな下着を生み出したというのか!?ありえん!!」
中野:「俺にも良く分かんないけど、それがあり得るんだよ!!」
加藤:「認めんぞ!最強にして最高なのはこのブリーフなのだあああああああ!!!」
中野:「それこそ認められるか!!はあああああああああああ!!!」
佐藤:「衝撃破が!2つの凄まじい下着パワーによって衝撃破が生まれている!」
加藤:「くそう…!私の愛が、ブリーフへの愛が!!光に飲み込まれていく!!くそおおおおおお!!」
中野:「うおおおおおおおおおおおおお!」
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0:大の字で倒れている中野と加藤
加藤:「はあ……はあ…」
中野:「はあ…はあ……」
加藤:「認めんぞ、私は…」
中野:「……。」
加藤:「ブリーフこそ、至高で最高なんだ…他の下着など認めん…」
中野:「認めなくたっていいさ、会長。パンツなんか好きなのを履けばいい。それぞれにそれぞれの良さがある。ブリーフみたいにピチピチだとか、ボクサーみたいにスポーティーだとか…
中野:みんな違ってみんな良いんだ、それにさ…1つの下着を履き続けるのもいいけど、たまには他のを履くのもいいかなって…ずっとふんどしを履き続けてきたけど、そういう風にアンタらと戦って思ったよ。」
加藤:「中野君……はは、そうか……みんな違ってみんな良いか…うん、そうだな…その通りなのかもしれないな…」
中野:「会長…」
加藤:「少し視野が狭くなっていたようだ…見えていたものが見えなくなっていたな……これではキングオブリーフなどとはもう名乗れまい。」
中野:「それに気づけただけでもいいんじゃないか?」
加藤:「はは、そうだな。これ以上は不毛な争いだ…すまなかったね中野君…私の負けだ。」
中野:「分かって貰えて良かったよ。」
加藤:「キミたちも悪かったね、神田君、曽田君。」
中野:「え?」
神田:「…へへ、もういいよ会長。」
曽田:「気にしなくて大丈夫だ。もう十分ブリーフの愛も誠意も伝わったさ。」
中野:「2人共!大丈夫なのか?」
曽田:「ああ、おかげ様でな。」
神田:「もうピンピンだよ!」
中野:「良かった。でも、早くこのパンツ履け!いつまでもそんな格好してんな!」
0:ボクサーパンツを脱ぎ手渡す
曽田:「ああ、これはすまない。」
中野:「まあ、何はともあれこれで一件落着だな!てか、それにしてもなんでこんな戦いが起きたんだ?」
加藤:「ああ、それはだな。私もキミと同じという事だ、中野君。」
中野:「どういう事だ?」
加藤:「私も幼少期からずっとブリーフを履き続け、ブリーフを愛し続けた。そして今日、我が校の男子生徒にブリーフの良さを理解してもらおうとしたのだが…一部のボクサーパンツ派の男子生徒達と対立し今に至ったという事だ。」
中野:「なるほど…なんかよく分かんないけど分かったよ。そうだったんだな。」
神田:「ま、ようやく全部終わったって事でいいじゃん!問題なし!」
曽田:「そうだな、それにしても長い戦いだったな…」
神田:「みんなで食堂に行ってご飯食べようぜー!」
中野:「いいな、会長も行こうぜ。」
加藤:「私もいいのか?ブリーフ派なのに…」
中野:「もう戦いは終わったんだ、そんなの関係ないさ。」
曽田:「そうだ、もう関係ない。一緒に食べよう。加藤。」
加藤:「そうか……ありがとう皆。では一緒に行かせてもらおうか。」
0:遠くから走ってくる佐藤
佐藤:「会長!会長ー!!」
加藤:「佐藤、どうしたんだ?」
佐藤:「大変です!大変なんです!!」
加藤:「なんだ?早く言え。」
佐藤:「その…新たな勢力が現れまして…ものすごい勢いでその勢力を伸ばしており、視聴覚室と体育館以外を制圧した模様です…!
佐藤:その者らの名は……トランクス派です!」
中野:「……。」
神田:「……。」
曽田:「……。」
加藤:「……。」
中野:「もう……いい加減帰らせてくれぇぇえええ!」
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0:校舎内を走る中野、
中野:「はあ…はあ…!くそ、見つかった!!」
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中野:【N】複数の怒号を背に俺は全速力で逃げ走る。まさか、もう追手がこんなところまで来ていたなんて…
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中野:「なんだってこんなことに巻き込まれなきゃいけないんだよ…!ちくしょう!」
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中野:【N】今この学校は、ブリーフ派とボクサー派の二大勢力によって分断され、戦争真っ只中だ。え?何言ってるんだって?そんなの俺だって知りたいよ…
中野:ただ、いつも通り学校に来て、友達たちと他愛ない話をしてたはずなのに気がつけばこんなカオスになっていた
中野:しかし、いつまでも逃げ隠れているわけにもいかない…何とかしてこの状況から脱しなければ…
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佐藤:「おや?そこにいるのは中野じゃないか?」
中野:「っ!?お前は…!」
佐藤:「ふふ…まさか、こんな所で会うとはね…ずっとキミを探していたんだよ…」
中野:「佐藤…俺は会いたくなかったさ…」
佐藤:「そんな寂しいことを言うなよ、僕らはクラスメイトじゃないか。」
中野:「今は敵同士、だろ?」
佐藤:「ふふ、キミが僕らの仲間になれば敵じゃなくなるじゃないか。」
中野:「俺がお前らの仲間に?」
0:不敵な笑みを浮かべ大げさに両手を広げて、ブリーフを強調する佐藤
佐藤:「そうさ、キミもブリーフ派になろうじゃないか!ピチピチと程よく締め付けられ、身も心もピッチピチになる最高のブリーフを履いて!キミも我らと共にブリーフを崇拝するのさ!
佐藤:キミが仲間になれば、同じくキミを狙うボクサー派からの脅威からも守ってあげよう。更には、我らが押さえている1階の食堂と自販機も自由に使える、どうだい?すべてにおいて悪い話じゃないだろう?」
中野:「…魅力的な提案だな。」
佐藤:「そうか、では我らの同胞に…」
中野:「悪いが、仲間にはなれないな。」
佐藤:「………なん…だと?」
中野:「あいにく俺は……服も下着もピチピチするのが嫌いなんだよ!」
佐藤:「な…あ、ははは…冗談だよな?この僕の提案をキミが断るなんてしないよな?中野?」
中野:「俺は、ブリーフなんて履かない、絶対にだ!」
佐藤:「んきぃぃいいいいいい!!この愚か者があああ!!仕方ない、やりたくなかったが実力行使だ!!」
0:ブリーフの中からスマホを取り出し操作をする
中野:「っ!!なんだこの妙な音楽は…!?」
佐藤:「これもキミが崇高なるブリーフをバカにしたから悪いんだ!自分の愚かさに後悔しろ!」
中野:「佐藤…お前!!」
佐藤:「それでは聞いてください、『あなたに捧げるゴッドブリーフ』」
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0:※歌っても台詞調で読んでも構いません、お好きにどうぞブリ
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
佐藤:あなたの心が荒んでる~あなたの心が泣いている~雨が降ったらブリーフを履こう
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
佐藤:ソフトなブリティッシュ、ハードなブリエンツ、あなたの味方さブリッジング
佐藤:ブリっブリっブリーフ♪ブリっブリっブリーフ♪
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0:珍妙な動きで踊りながら歌う佐藤
中野:「うっ…ぐああああああ!!頭が割れそうだ…!!」
佐藤:「ふふ…効いているようだね中野。最終手段を取らされるとは思わなかったけど…これでキミも僕の歌によってブリーフ派に…」
中野:「なるわけないだろ!こんなひどい歌を聞かされてなるわけないだろ!ブリブリブリブリうるさいわ!なんだよブリティッシュて!ブリエンツて!何1つ意味が繋がってねぇじゃねえか!」
佐藤:「そんな、まさか効かないなんて…!」
中野:「今まで聞いたことがないレベルの最悪の歌だったわ!!」
佐藤:「…くっ…また僕らブリーフを愚弄するか……!!もう許さないぞ。みんな!中野を無理やりにでもアジトに連れていくんだ!」
0:物陰から白いブリーフを履いたブリーフ派達が現れる
中野:「っ!?伏兵が!?」
佐藤:「いつキミに逃げられてもいいように忍ばせておいたのさ、観念するんだな中野!」
中野:「ちっくしょう!!」
神田:「伏せて!中野!」
中野:「っ!?」
曽田:「総員!放てえええ!!」
0:水風船が後方から大量に投擲される
佐藤:「んな!?お前らは!んぎゃあああああああああ!!ブリーフがぁぁああああ!!」
中野:「な、なんだこの状況………この匂いは…カレー?」
曽田:「カレーを詰めた水風船だ。奴らのブリーフは白色の生地だからな、カレー汚れはそう簡単に落とせない、これで奴らの戦意も喪失できる。」
中野:「お前は、曽田…」
曽田:「よ、中野。無事だったか?」
中野:「あ、ああ……曽田、お前その恰好…なんでパンイチ…」
佐藤:「きいいいい!我らの崇高なるブリーフをよくも…よくも汚したな!!」
神田:「いい加減諦めちゃってよ佐藤!」
0:ボクサーパンツを履いた神田がカレー入り水風船を片手に現れる
中野:「か、神田まで…」
神田:「お前らの大好きなブリーフがまるで漏らしたみたいになっちゃったねー?ぷぷぷ、高校生にもなってそんな盛大に漏らすなんて…うっぷぷ、恥ずかしいねー」
佐藤:「ぐぎぎぎぎぎ…いいだろう、いったんここは見逃してやる!だがしかあああし!!必ずこの借りは返す!待っていろよボクサー共!」
中野:「典型的な噛ませの捨て台詞だな…」
曽田:「そんなことより、ケガはないか?」
中野:「あ、うん大丈夫だ。ありがとうな神田、曽田。」
神田:「いいってことよー!変態ブリーフ軍団も撃退できたしね!」
曽田:「ああ、気にしなくていいぞ中野。」
中野:「変態って所に関しちゃ、下半身パンイチのお前らも大差ない恰好してるけどな……」
神田:「そういや中野、どっちのパンツも履いてないって事はまだどっちの派閥にも入ってないの?」
中野:「あー、えっと…そうなんだ。そもそもなんでこんな事になってるのかも良く分からないままブリーフ達に追いかけられて…」
曽田:「なるほどな、それは災難だったな。まあ何はともあれく無事でよかった。」
神田:「そうだ!俺らボクサー派のアジトに来ちゃいなよ!」
中野:「え?」
曽田:「それもそうだな、ブリーフ派幹部の佐藤もさっきの戦いでしばらくは動けないだろうし、体力の回復と作戦を立てるためにも一度アジトに行くのもいいだろう。」
中野:「あーえっと…俺…ブリーフ派でもボクサー派でもないんだよ…だからちょっと…その提案は…」
曽田:「わかっているさ、別に勧誘をしているわけではない。」
神田:「そそ!一旦うちのアジトで体を休めようぜーって話よ!もちろん無理にとは言わないから安心してよ。」
中野:「…そ、そういうことなら…じゃあ、お言葉に甘えて…」
神田:「よーし!じゃあ、俺らボクサーパンツ派のアジト、視聴覚室にレッツゴー!」
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0:体育館内
佐藤:「はい…申し訳ございません…僕とした事が不覚を取りまして……ブリーフ派の多数は染みついたカレーの洗濯に人員を割いています…
佐藤:つ、次こそは必ず!必ず奴らボクサー達を返り討ちにしてみせます!我らがブリーフとアナタ様…会長に勝利を捧げてみせます…!」
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0:視聴覚室内
曽田:「さ、遠慮なくくつろいでくれ。」
中野:「ああ、ありがとう曽田。」
曽田:「よし、じゃあ神田。早速だが現状を整理しようか。」
神田:「おう、そうだね。」
0:曽田は机の上に校内の地図を広げる
曽田:「まず俺らボクサー派は校内本棟の3階中2、3階を占拠している。
曽田:そしてブリーフ派は本棟1階と別棟の1、2階と体育館を占拠している。」
神田:「んで、別棟の3階はまだどちらのでもないって事ね。」
曽田:「全体的に見てわかる通りこちらが劣勢だ。自動販売機と購買、食堂がある1階は奴らに占拠されている以上、人員の空腹状態を満たす事が出来ず士気が下がってしまう。どうしたって水道水だけでは体力が回復しづらい。」
神田:「長期戦はできないよねー…」
曽田:「レトルト食品も先ほどの戦いで使ってしまったしな。」
中野:「先ほどの戦い?あ…もしかしてさっきのカレーって…」
神田:「中野は気にしなくていいんだよ!あれで奴らの戦力もだいぶ削れたからね!」
曽田:「食堂のある1階を奪い取るにしても、奴らも強力な戦力を配置しているだろう…現状こちらの戦力はこれ以上は削れない。さて、どうしたものか。」
神田:「今後の戦いの事を考えると、食堂は第1優先で確保しておいた方がいいんじゃないのかな?」
曽田:「そうしたいのは山々だが…現在時刻は15時過ぎ。昼食を食べていない生徒たちの空腹具合から見ても、まともな戦闘はできないだろう。」
神田:「んー、でもさあ…」
中野:「ええと、いいか?」
神田:「え、どうしたの?」
中野:「その、ブリーフ派のアジトってどこなんだ?」
曽田:「奴らのアジトは、偵察部隊からの情報によると…体育館だ。」
中野:「長期戦ができない、こちらの戦力も削れない…ならもうさ、短期決着した方が良くないか?」
曽田:「…というと?」
中野:「直接アジトを叩くしかないんじゃないかな?」
曽田:「………それができたら苦労はしない。」
神田:「中野、俺らは何度かそれを試そうとはしたんだよ、でもやっぱ体育館周辺は警備が厚くてさ…一筋縄じゃいかないんだよ。」
中野:「そっか…」
曽田:「しかもその警備に当たってるのは運動部のエース級の奴らだ、突破できたとしてもこちらの体力は大きく消耗するだろう。」
中野:「運動部のエース達…ブリーフ履いてたのか……なんだろう、少し見方変わってくるな…」
神田:「ごめんなぁ、中野。せっかく案を出してもらったのにさ。」
曽田:「それにもし強行したとしても中野はブリーフ派でもボクサー派でもないただの一般人だ。これ以上は巻き込むわけにもいかない。」
中野:「……えっと、さ。」
神田:「ん?」
中野:「ボクサー派には入れないけど……ブリーフ派を倒すのを手伝ってもいいか?」
神田:「え?」
曽田:「いや、さっきも言ったように巻き込むわけには…」
中野:「佐藤に襲われた時点でもう巻き込まれてるし、ていうかこの学校に居る時点でそもそも勝手に巻き込まれてんだよ。もう無関係じゃないんだ。それにあいつらの強引なやり方は気に入らない、1回あいつらのブリーフを引きちぎらないと気が済まない。」
神田:「中野…」
曽田:「しかし…」
中野:「あいつらを倒すなら…多分俺は役に立つと思うし…」
曽田:「どういうことだ?」
中野:「それは…」
0:少し言いよどむ中野
曽田:「……手伝ってくれるんだな中野?」
中野:「……ああ、一緒にやらせてくれ。」
曽田:「ありがとう。今から中野は、俺らボクサー派の仲間だ。このボクサーパンツのように、程よいフィット感で手を取り合おう。」
中野:「あー、えっと……その例え良く分かんないけど…よろしく。」
神田:「よーっし、中野も仲間になったことだし!あいつらのブリーフをズッタズタにしてやろー!」
曽田:「メンバーは少数精鋭、主要メンバーはこの3人。援護用に数人を後方待機させて殴り込みに行く。準備は良いか?」
中野:「ああ、分かった。」
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0:体育館前
神田:「警備はどう?曽田。」
曽田:「相変わらずの厚さだ。野球部、サッカー部、ムエタイ部のエース達が居るな…」
中野:「ムエタイ…うちってそんな部あったんだ…」
曽田:「さて、どうする?」
中野:「ここは俺に行かせてくれ。」
神田:「…ねえ、本当に倒せるの?」
中野:「ああ、俺なら倒せるはずだ。」
神田:「わかった……おねがい。」
曽田:「気を付けるんだぞ。危ないと思ったら俺らが援護しに行く。」
中野:「わかった…ん?なんだ?」
曽田:「なんだこれは…変な曲が聞こえる…」
中野:「これってまさか…」
0:珍妙な踊りと共に佐藤が現れる
佐藤:「ブリっブリっ♪ブリっブリっ♪」
中野:「お前は…!」
佐藤:「おやおや、これはこれはボクサー派の皆様じゃあないか…」
中野:「佐藤!」
神田:「な!?佐藤がなんで…!」
曽田:「もう復活したのか!?想定よりも早い…」
佐藤:「ふふ…僕のブリーフを甘く見ていたようだね。僕のブリーフは汚れが付きづらい仕様でね…カレーが付こうが泥水を被ろうがすぐに洗い落とせるんだよおおお!ぶっひゃははははは!」
神田:「腹立つ笑い方ぁ…!」
中野:「でも、関係ないさ…!俺なら…お前を倒せる!」
佐藤:「あはあん?さっきはあんなに逃げ回ってたキミに何ができる!ボクサー派でもブリーフ派でもない未所属パンツに何ができる!」
中野:「出来るさ、なぜなら俺は…俺は!!」
0:ズボンに手をかけ下す中野
曽田:「っ!?」
神田:「なっ!?」
佐藤:「っ!?き、キミ…それは!?そのたなびく下着はっっ!!!?」
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中野:「俺は!ふんどし派なんだああああああああああああ!!」
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佐藤:「なっなにいいいいいい!?しかも…白ふんだとおおおおお!?」
中野:「ブリーフよりも白く煌めき、ボクサーよりも身の引き締まる締め付け感。これこそが、この下着こそが最強の下着だ!」
佐藤:「んきいいいい!くっそおおお!なんだこの力は…!運動部のエース達まで倒れて…!?くっ、白くたなびくふんどしのせいで近づけない!近づけないいいい!」
中野:「チャンスだ神田、曽田!今のうちに佐藤を拘束するんだ!」
神田:「お、おう!!」
曽田:「ああ、わかった!」
佐藤:「ぢくじょおおおおおお!」
中野:「おとなしくブリーフを脱がされるんだな佐藤。」
0:佐藤のブリーフを脱がす曽田と神田
佐藤:「ふふ、僕を倒したところでブリーフは永遠に不滅だ!ブリーフバンザーーーーーーーイ!!がくっ」
0:満面の笑みのまま気を失う佐藤
神田:「ふう、やっとおとなしくなった……」
曽田:「なんというか、意外とあっけなかったな…」
神田:「いやあ、それにしても、まさか中野がふんどし派だったとはな…」
中野:「ははは…昔からそうなんだよ、ふんどしがどんな下着よりも一番しっくりくるんだ。」
曽田:「なるほどな、似合ってるぞふんどし。」
神田:「そうだね、なんかすっごく凛々しく見えるよ!」
中野:「はは、ありがとう2人共。」
曽田:「それにしても、どうしてふんどしの力で倒せると思ったんだ?」
中野:「なんていうのかな…勘かな?……っ!?」
神田:「な、なにこの感じ…?すごく…パンツが震える…!」
曽田:「強烈なまでのこのオーラ…いや、ブリーフの波動…!」
中野:「尋常じゃないブリーフの力を体育館の奥から感じる…2人共、ここから先は更に荒れる事になる…心の、いや…パンツの準備はいいか?」
曽田:「もちろんだ。」
神田:「ここまで来て引き下がるわけにはいかないでしょー!」
中野:「ああ、そうだな。行こう!!」
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0:体育館内
曽田:「暗いな…」
神田:「まって!!ステージの上、誰かいる!」
0:体育館ステージの上にライトが当たる
加藤:「ブブブ……ここまで良く来たブリね…」
神田:「お前は…!!」
曽田:「生徒会長の加藤!!」
中野:「なっ…会長がブリーフ派のリーダーだったのか…?」
加藤:「そうブリ。私こそブリーフ派を統べる王。キングオブリーフだブリ。」
神田:「ぶ、ブリ…?」
曽田:「……その、なんか…すごい威厳あるオーラを放ってはいるが…語尾が…その…なんだ…」
中野:「個性が強いな…会長ってこんなだったか?」
加藤:「うるさいブリ!これは仕方ないブリ!ここまで出番がないと、こうしてキャラの濃さを出さないと覚えてもらえないブリ!
加藤:ていうかお前らここに来るまでが長いんだよ!めっちゃ出番遅くなっちゃったじゃん!もう終盤じゃん!私の配役の人ここまでずっと無言だよ?ミュートしてリスナーになっちゃってるよきっと!かわいそうじゃん!どうしてくれんのこれ!?」
神田:「メタいメタい!めっちゃメタ発言!!」
加藤:「それに佐藤!いつまでも寝てないで起きろ!てか、お前はなんで私よりも多く出番貰ってんの!?納得いかないんだけど!?」
佐藤:「むにゃむにゃ…もうブリーフは食べられませええん…ぶにゃぶにゃ…」
加藤:「ちっ、こほん。もういいブリ、こんな奴は放っておくブリ。
加藤:さあ、キミたちがここまで来たということは…私を倒しに来たという事だろう?中野君、君が履くその最強の下着、ふんどしを用いて…ブリ。」
中野:「ああそうだ…お前は俺が倒す!この純白のふんどしで!!」
加藤:「ブブ…ブブブブ……!」
中野:「なんだ…?何がおかしい!」
加藤:「ブブブブ、無理だブリ。キミの下着パワーでは私の圧倒的なブリーフパワーには勝てないブリよ。」
中野:「なんだと?」
加藤:「ブブブ、くらうがいいブリ!ブリブリブリーフエボリューション!」
0:珍妙な腰つきでブリーフの波動を放つ
神田:「ぐああああああああああ!!」
曽田:「ぬわあああああああああ!!」
中野:「曽田!?神田!?…なんて…力だ……ブリーフの波動が、凄まじい…」
加藤:「ほう…私のブリーフパワーを直に受けながらもまだふんどしは脱げないか…ブリ。」
神田:「う、うう…」
曽田:「……くっ…う…」
加藤:「だが、お仲間のボクサー共はパンツが脱ぎ掛けているな、もう長くはもたまい。」
中野:「曽田…神田…」
加藤:「さあ、キミもそのふんどしを脱ぐブリ。そして我らがブリーフを履き崇拝するのだ。」
中野:「…嫌だね…」
加藤:「強情なふんどしすとだ…ならば仕方がない、ここでふんどし諸共朽ちるがいいブリ!!」
中野:「それも……嫌だね!!」
0:仁王立ちをし、ふんどしをたなびかせる
加藤:「っ!!なんて輝かしいふんどし…!!」
中野:「はあああああ!」
加藤:「ブブ、ブブブブブブ!いいぞ!いい輝きだ中野君!!そうでなくてはここまで出番を待った意味がないというものだブリ!」
中野:「く、ここまで力を出してもまだ…!」
加藤:「キミのふんどし愛に敬意を評して、私の真の力を見せてやろう…ブリ。」
中野:「な、なんだ?おもむろにブリーフを脱いで何を…!そんな事をしたら会長アンタ!」
加藤:「キミ達のような弱者と一緒にしないでもらおうか…ブリ。」
神田:「う……奴…まさか…」
中野:「神田!大丈夫なのか!?」
神田:「早く…にげ…」
0:脱いだブリーフを頭にかぶる加藤
加藤:「長時間履き続けたブリーフを頭に被ることで、更なる境地へ到達する。これぞ愛の極限、これぞ真のブリーフ!」
中野:「なんて…姿だ…変態の極みじゃないか…」
加藤:「ブブブブ…変態だなんて心外だな…はあっ!!!」
中野:「なっ!!ぐはああああああ!!」
加藤:「もう誰も私を止められない、ブリーフこそ最強なのだ!!」
加藤:さあ、佐藤よ。もう起きているのだろう?新たなブリーフを履き立ち上がれ。」
0:むくっと起きる佐藤
佐藤:「はい、会長。」
加藤:「こいつらはもう下着が脱ぎ掛けて戦意も失った。今のうちにボクサー派のアジトを潰しブリーフ派の勝利を掴むのだ。」
佐藤:「ふふ…わかりました会長。」
中野:「…もう…力が……ふんどしも取れかけて…」
加藤:「哀れなパンツだな。ブリーフを崇拝していればこんな事にはならずに済んだというのに。」
曽田:「中野……」
中野:「曽田…」
曽田:「俺の、ボクサーパンツを使え…」
中野:「え?」
曽田:「俺のボクサーパンツとお前のふんどしで…新たな…力…うっ…」
中野:「曽田!どういう…」
神田:「…はあはあ…俺のボクサーパンツも使って…」
中野:「神田まで…」
神田:「聞いたことがある…愛が深い下着が…重なり合うとき…新たな下着が…生まれると…」
中野:「それってどういうことだ…!?」
佐藤:「なんだまだ意識あったのかキミら~」
加藤:「しぶとい奴らよ、いま完全に下着を脱がして楽にしてやる。」
中野:「ちっ!もう何が何だかわからないけど、やるしかねえ!神田、曽田、お前らのボクサーパンツ借りるぞ!!」
0:2人のパンツを脱がす中野
加藤:「なんだ?」
佐藤:「仲間のパンツを脱がして何がしたいんだ?」
0:
中野:「曽田、神田のボクサーと俺のふんどしをドッキング!!
中野:2人の勇気と友情をふんどしの輝きで包み込み、下着は更なる次元へと昇華する!光り輝け!おニューー--パンツっ!!」
0:
0:2枚のボクサーパンツの上にふんどしを履くことで更なる輝きを放つ
佐藤:「ま、まぶしいいいいいい!!ブリーフが脱げるううう!!」
加藤:「っくそ、なんだ、なんなんだこの輝きは!!」
中野:「股間が、体が温かい!優しくフィットして苦しい締め付け感もない…!!」
加藤:「下着同士が合体して新たな下着を生み出したというのか!?ありえん!!」
中野:「俺にも良く分かんないけど、それがあり得るんだよ!!」
加藤:「認めんぞ!最強にして最高なのはこのブリーフなのだあああああああ!!!」
中野:「それこそ認められるか!!はあああああああああああ!!!」
佐藤:「衝撃破が!2つの凄まじい下着パワーによって衝撃破が生まれている!」
加藤:「くそう…!私の愛が、ブリーフへの愛が!!光に飲み込まれていく!!くそおおおおおお!!」
中野:「うおおおおおおおおおおおおお!」
0:
0:
0:
0:
0:
0:大の字で倒れている中野と加藤
加藤:「はあ……はあ…」
中野:「はあ…はあ……」
加藤:「認めんぞ、私は…」
中野:「……。」
加藤:「ブリーフこそ、至高で最高なんだ…他の下着など認めん…」
中野:「認めなくたっていいさ、会長。パンツなんか好きなのを履けばいい。それぞれにそれぞれの良さがある。ブリーフみたいにピチピチだとか、ボクサーみたいにスポーティーだとか…
中野:みんな違ってみんな良いんだ、それにさ…1つの下着を履き続けるのもいいけど、たまには他のを履くのもいいかなって…ずっとふんどしを履き続けてきたけど、そういう風にアンタらと戦って思ったよ。」
加藤:「中野君……はは、そうか……みんな違ってみんな良いか…うん、そうだな…その通りなのかもしれないな…」
中野:「会長…」
加藤:「少し視野が狭くなっていたようだ…見えていたものが見えなくなっていたな……これではキングオブリーフなどとはもう名乗れまい。」
中野:「それに気づけただけでもいいんじゃないか?」
加藤:「はは、そうだな。これ以上は不毛な争いだ…すまなかったね中野君…私の負けだ。」
中野:「分かって貰えて良かったよ。」
加藤:「キミたちも悪かったね、神田君、曽田君。」
中野:「え?」
神田:「…へへ、もういいよ会長。」
曽田:「気にしなくて大丈夫だ。もう十分ブリーフの愛も誠意も伝わったさ。」
中野:「2人共!大丈夫なのか?」
曽田:「ああ、おかげ様でな。」
神田:「もうピンピンだよ!」
中野:「良かった。でも、早くこのパンツ履け!いつまでもそんな格好してんな!」
0:ボクサーパンツを脱ぎ手渡す
曽田:「ああ、これはすまない。」
中野:「まあ、何はともあれこれで一件落着だな!てか、それにしてもなんでこんな戦いが起きたんだ?」
加藤:「ああ、それはだな。私もキミと同じという事だ、中野君。」
中野:「どういう事だ?」
加藤:「私も幼少期からずっとブリーフを履き続け、ブリーフを愛し続けた。そして今日、我が校の男子生徒にブリーフの良さを理解してもらおうとしたのだが…一部のボクサーパンツ派の男子生徒達と対立し今に至ったという事だ。」
中野:「なるほど…なんかよく分かんないけど分かったよ。そうだったんだな。」
神田:「ま、ようやく全部終わったって事でいいじゃん!問題なし!」
曽田:「そうだな、それにしても長い戦いだったな…」
神田:「みんなで食堂に行ってご飯食べようぜー!」
中野:「いいな、会長も行こうぜ。」
加藤:「私もいいのか?ブリーフ派なのに…」
中野:「もう戦いは終わったんだ、そんなの関係ないさ。」
曽田:「そうだ、もう関係ない。一緒に食べよう。加藤。」
加藤:「そうか……ありがとう皆。では一緒に行かせてもらおうか。」
0:遠くから走ってくる佐藤
佐藤:「会長!会長ー!!」
加藤:「佐藤、どうしたんだ?」
佐藤:「大変です!大変なんです!!」
加藤:「なんだ?早く言え。」
佐藤:「その…新たな勢力が現れまして…ものすごい勢いでその勢力を伸ばしており、視聴覚室と体育館以外を制圧した模様です…!
佐藤:その者らの名は……トランクス派です!」
中野:「……。」
神田:「……。」
曽田:「……。」
加藤:「……。」
中野:「もう……いい加減帰らせてくれぇぇえええ!」
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