台本概要
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タイトル | アンドロメダ鉄道に乗って |
---|---|
作者名 | 読川詩朗 |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男1、女1、不問1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
これは確か銀河鉄道999ってこんな話なんだっけな?って思いながら書いてた気がする まぁ実際一回も見た事無いけどもこんな話なら面白いよなぁって書いてて オチがまぁ…んー?って感じだった 1040 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
車掌 | 不問 | 60 | 僕の頭の中ではこの車掌はいい声って感じで書きました |
メイ | 女 | 74 | これ誰か気付いてる?名前の由来 |
カイ | 男 | 68 | 実はこの二人を繋げると冥界。ってなるんだよ。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
メイ:んっ・・・ここは・・どこ?
0:目を覚ますと列車の椅子で眠ってたメイ
車掌:おはようございます。お目覚めになられましたね
メイ:貴方は?
車掌:私はこのアンドロメダ鉄道の車掌です!貴方は・・・メイ様でお間違いないですね!
メイ:は・・はい
車掌:あ、すみません。年齢を聞いてもよろしいですか?
メイ:えっと・・17歳です・・・
車掌:ありがとうございます。ではちょっと移動しましょうか!
メイ:移動?
車掌:えぇ。私についてきてください。あ、大丈夫ですか?歩けますか?
メイ:あ、え?はい。あれ?私・・歩ける・・・?
車掌:大丈夫そうですね。ではこちらへ
メイ:はい。
0:車両を移動しながら話す二人
メイ:私はなんで列車に乗ってるんですか?
車掌:まぁじきにわかりますよ。あ、窓は開けないでくださいね?
メイ:窓?
車掌:はい。このアンドロメダ鉄道は名前の通り銀河系を渡り進む列車でございます、窓を開けると大変危険ですのでお気を付けください
0:窓の外を見ると宇宙の真ん中を走る列車
メイ:すごい・・・綺麗・・・
車掌:ささ、つきましたね。こちらは15歳から19歳までの方々が乗車される車両になります。では、お気を付けください。
0:ドアを開けにっこり笑い車掌が手を振り見送る
メイ:ここは・・・
0:見渡すと同い年くらいの子達が窓を見て喋っている
車掌:お好きな所へお座りください。時間が来たらまたここへ来ますので。それではまた
メイ:お好きなところ・・・あ、あそこいいな
0:奥の角に空席を見つけそこに座る
メイ:本当綺麗・・・でも・・なんで私ここにいるんだろう・・・確か・・・
カイ:あのー・・・ここ座っても大丈夫ですか?
メイ:あ、はい!どうぞ
カイ:すいません。それじゃ遠慮なく・・よいしょっと
0:一人の男性が対面に座る
カイ:ごめんなさいね、急に相席みたいになってしまって
メイ:いえ、他の席は沢山座られてますもんね。
カイ:そうですよね。あはは
メイ:あの、もし間違えてたらすみません・・・
カイ:はい?
メイ:以前どこかでお会いしたことありましたか?
カイ:うーん・・どうでしょう?ちょっとここに来る前の記憶があやふやで。会ったことあるようなないような・・・?
メイ:・・・。
カイ:・・・。
0:沈黙が続く二人
カイ:えっと・・あのー・・君はどうしてアンドロメダ鉄道へ?
メイ:えっ、えーっと・・・それが・・思い出せないんです。気が付いたらここに乗っていて。
カイ:あ、僕と一緒ですね。僕も数日前に目が覚めたらここに居て車掌さんがここで待っててくださいって
メイ:そうなんですね、あの・・お名前を聞いてもいいですか?
カイ:あぁ、ごめんなさい。僕はカイ。君は?
メイ:私はメイです。宜しくお願いします
カイ:よろしく!
0:握手をする二人
メイ:でも本当にどうしてここに来たんでしょうか・・・
カイ:うーん・・・この電車に乗る前、何をしていたのかが全然思い出せないんだよなぁ・・・
メイ:私もなんです・・何かあったというくらいで頭の中はそれ以外真っ白になってて・・・
カイ:うーん・・・
車掌:少しよろしいでしょうかお二人とも
カイ:うわぁ!びっくりした!
車掌:驚かせてしまってすみません。お飲み物をお持ちしたのですが何を飲みますか?
メイ:私は温かい紅茶を
カイ:じゃあ僕は・・・ココアで
車掌:畏まりました。
0:慣れた手つきで紅茶とココアを注ぐ車掌
車掌:お待たせしました。それでは快適な銀河の旅をご堪能下さい。
0:カートを押しながら去る車掌
メイ:いい香り・・・茶葉はなんなんだろう・・・?ゴクッ
0:一口飲むとちょっと前の記憶がよみがえる
メイ:おか・・・さ・・・おと・・・さ・・・わ・た・・・
カイ:メイ!メイ!
メイ:はっ!
カイ:どうしたの?メイ!急に俯いて!
メイ:ご、ごめんなさい・・何か頭をよぎって・・・
カイ:何か?大丈夫?具合が悪いなら車掌さんを呼んでこようか?
メイ:大丈夫です・・・ありがとうございます
カイ:本当に?無茶したらダメだよ?
メイ:はい・・・
車掌:メイ様、大丈夫でしょうか?
カイ:あ、車掌さん!
メイ:はい・・大丈夫です・・・。
車掌:・・・。わかりました。もし何かあればすぐに呼んでください
カイ:あ、おい!車掌さん!待てって!
0:車両を後にする車掌
カイ:なんなんだ・・・?
メイ:すみません、ご迷惑をおかけして。もう大丈夫です。
カイ:わかった。違う飲み物を取ってこようか?
メイ:いえ、ちょっとトイレに行ってきます・・・
カイ:あぁ、トイレは後ろのドアを出てすぐ左にあるよ。気を付けてね
メイ:ありがとうございます。
0:ふらふらと出ていくメイ
カイ:大丈夫かな・・・?
0:ドアを出ると車掌が立っている
車掌:メイ様、お体は大丈夫ですか?
メイ:あ、車掌さん、ありがとうございます。
車掌:トイレに行く前にちょっと私にお付き合い願えますか?
メイ:え、えぇ
0:実はこのアンドロメダ鉄道は生者と死者をわけるための列車になんです。
メイ:え・・?どういうことですか?
車掌:メイ様少しお体に触れますね
0:車掌の手がメイの右手に触れる
メイ:ここは・・・?
車掌:ここはメイ様が現在眠っている病院になります。
メイ:あ・・そうだ・・・確か302号室・・・そこに私が・・・
車掌:そうですね。ではそちらへ行きましょうか
0:302号室
メイ:私が・・・眠っているばす
車掌:そうですね。貴方はこの病院に来る前、大型バスで移動中、不運の事故に遭い意識不明の重体になりました。現状あのバスでの生存者は三名、貴方と他二人です
メイ:そうなんですか・・・ちなみに残りのお二人は?
車掌:ご覧になられますか?
メイ:え?
車掌:と言いたいところですが残念です。メイ様の記憶のみしかこのように移動できませんので。ではそろそろ戻りましょうか
メイ:は、はい
車掌:お疲れ様です。記憶の流れはいかがでしたか?
0:そっと手を離す車掌
メイ:えっと・・・その・・・
車掌:まぁ今は何も言えないかもしれないですね。ささ、車両にお戻りください。またあとでメイ様の元へ伺います。ではこれで
0:車両に戻るメイ
カイ:おかえりなさい。大丈夫か?
メイ:え、えぇ・・・なんとか
カイ:それにしても・・・いつまで電車に揺られるんだろうなぁ
メイ:あの・・・
カイ:ん?
メイ:このアンドロメダ鉄道の詳しいお話って車掌さんから聞きましたか?
カイ:いいや?ここに居たら迎えに来るって言われて待ってるだけだよ。
メイ:そ、そうなんですか・・・
車掌:皆様もう間もなく停車いたします。揺れにご注意ください。えー次に降りる方々はわたくしがお迎えに参りますので席にお座りお待ちください
0:車掌のアナウンスが鳴る
カイ:停車?この宇宙に駅があるのかな?
メイ:ど、どうなんでしょうか
車掌:はい、貴方は次でお降りください。貴方も次でお降りください。貴方も・・・
0:車掌が別の席の人に声をかけていく
カイ:あ、車掌さん!
車掌:はい!どうされましたか?
カイ:僕たちはここで降りるんですか?
車掌:えっと・・カイ様は・・・
0:メモ帳をパラパラとめくる
車掌:まだですね。もうしばらく宇宙旅行をご堪能下さい
カイ:あ、じゃあメイさんはどうなんですか?
車掌:メイ様も同様に。もうしばらくご乗車お願いいたします
メイ:は、はい。
0:賑やかだった車両が二人だけになる
車掌:えーではこの駅で降りる方々は皆さん下車されました。まだ本列車に乗られてる方々は快適な宇宙旅行をしばらくご堪能下さい。それでは出発進行
0:列車が緩やかに進み、線路のない宇宙を進みだす
カイ:降りれなかったね・・・
メイ:そ、そうですね・・・
車掌:お二方。この車両もお二方のみになられました。次の停車駅までしばらくお時間があります。良ければお二方とお話させていただいてもよろしいでしょうか?
カイ:え、えぇ。どうぞ
メイ:はい。
車掌:ありがとうございます。それでは失礼しますね。
0:反対側の椅子に座る車掌
車掌:どうですか?綺麗でしょう?この宇宙は。
メイ:そうですね
カイ:あぁ。でもなんで僕らはこの列車に乗ってるんですか?
車掌:そうですね。お二人だけにはお教えします。メイ様にはお伝えしましたがこちらは生者と死者を分ける列車になります。
メイ:・・・。
カイ:ど・・どういうことだ・・・?
車掌:メイ様は大きな事故に巻き込まれて意識不明の重体、カイ様は・・・なるほど・・・
カイ:お、おい!何を一人で納得してるんだよ!
車掌:お辛い人生でしたね。
カイ:ど、どういうことだよ
車掌:貴方は次の駅で降りたいですか?それともまだ乗っていたいですか?
カイ:お・・降りたらどうなるんだ
車掌:・・・。カイ様は二度とカイ様の人生を歩めることができません。
カイ:な・・・なんだって
車掌:先ほどの駅で降りた方々は生前、意識を失ってそのまま息絶えた方々になります。いわゆる死者。ですがまだこの車両に乗っている方々は生きる希望がある方です
車掌:特にあなた方の様なお若い方が沢山下車されたのを見るととても悲しい気持ちになります。私個人と来てはまだ生きる希望を捨ててほしくないので生き延びてほしいですが・・・
車掌:そこはカイ様のお気持ち一つです
カイ:ど・・どういうことなんだよ・・・
車掌:お手を握らせて頂きます。
0:カイの手を握る車掌、それと同じようにメイもカイの手を握る
車掌:メイ様!?貴方もついてこられたんですか!?
カイ:メイさん!というかここは・・・
車掌:ここは貴方のお部屋ですね。
0:目をひらくと首を吊ってるカイの姿
カイ:これは・・僕・・・?
メイ:なんで・・・
車掌:貴方の記憶を見せてもらいました。貴方の通う学校でいじめにあっていたんですね
カイ:そ・・そうか・・・確か僕は・・不登校になって・・・
車掌:こちらは遺書ですね
0:足元に落ちてる遺書を拾い上げる車掌
車掌:まだ生きていたいが今の人生に生きがいを感じれなかったためここに生涯を終える・・・と書かれてますね
カイ:そ・・そうか・・・あの時・・・
車掌:幸いにもご家族がカイ様の部屋に入った際、まだ意識は残っていたそうです。今は病院で昏睡状態の様です。
メイ:そうなんだ・・・
カイ:じゃ、じゃあなんであの時僕を下ろしてくれなかったんだ!!あの時降りたら死ねてたんだろ!!
車掌:そうですが、まだカイ様からは生への希望が残っていたので・・・
カイ:ぼ・・僕はもう死んで楽になりたいんだ!!なのに!!僕に生きる希望なんてない!!
車掌:あ・・えっと・・・
0:カイの頬を叩くメイ
メイ:どんだけ・・どんだけ辛くても!!自ら命を投げ出したらダメです!!
カイ:メイ・・さん・・?
メイ:辛いのはわかります。ですが・・・貴方が死んで喜ぶ人なんて親族に誰もいません!!だから!!だから強く生きてください!!
カイ:・・・。
メイ:それに!この列車に乗って貴方と過ごした時間は少しだけでしたがとても優しく接してくださって・・・本当に死にたいと思ってる方はあんなに優しいはずがない!!
カイ:そ・・それは・・・
0:体を震わせるメイ
カイ:ご・・ごめんなさい・・・
車掌:あ・・えっと・・・
メイ:車掌さん、もう私達を起こしてくれませんか
車掌:わ、わかりました。
0:そっと手を離すと目を覚ます二人
カイ:あ・・・
メイ:カイさん・・・貴方の住んでいる場所はどこですか?
カイ:関東のほうです・・・
メイ:わかりました。もし私も貴方も目が覚めてお互い記憶が残っていたら、ここで会いましょう
0:紙に住所を書いて渡す
カイ:ここは・・・?
メイ:私の好きな場所です。大きな噴水があってとてもきれいな公園です
カイ:わ・・わかった・・・
車掌:ん?
0:車掌のポケットに入れてたメモ帳が光る
車掌:うわっ、こ、これは・・・!
メイ:眩しい・・・
車掌:お二人とも!!目を閉じて深呼吸してください!!
カイ:え・・!?
車掌:早く!!
0:指示通り深呼吸する二人
メイ:スゥー・・フゥー・・・
カイ:スゥー・・・フゥー・・
車掌:お二人の行き先が決定しました!!次はよみがえり!よみがえりです!!
0:二人をまばゆい光が包み込む
メイ:んっ・・・
0:目を覚ますと白い天井
メイ:ここは・・・
0:そこには涙を流す両親の姿
メイ:あ・・私・・・生き返ったんだ・・・
0:慌てて医者を呼びに行く父親と泣き崩れる母親
メイ:生きてて・・・よかった・・・
0:時を同じくして別の病院
カイ:んはっ!!
0:飛び起きるカイ
カイ:はぁ・・はぁ・・・はぁ・・ここは・・・
0:白い布団の上で目が覚めるカイ
カイ:病院・・?僕・・生きてる・・・?
0:泣いてる両親
カイ:よかった・・・ごめんよ。父さん・・母さん・・・
0:数か月後
カイ:確か・・ここだったはず・・・なんで記憶にこんな場所が残っているんだろう・・・?
0:大きな噴水の公園
メイ:あ、すみません!
0:ひとつの白い帽子がカイの足元へ落ちる
カイ:あ、いえいえ。大丈夫ですか?
メイ:はい、ありがとうございます。あっ・・・
カイ:ん?
メイ:すみません、もし間違っていたら失礼ですが・・・以前どこかでお会いしたことありますか・・・?
カイ:ん?いや・・・貴方みたいな素敵な女性一度会ったら忘れませんよ?あはは。
メイ:あれ?このやり取りどこかでしたことが・・・
カイ:あれ?この人・・・確かにどこかで・・・
0:メイを呼ぶ母親の声
メイ:あ、はーい!すみません。それではまた!
カイ:・・・?まぁいいか、それにしても綺麗な公園だなぁ・・・
0:終わり
メイ:んっ・・・ここは・・どこ?
0:目を覚ますと列車の椅子で眠ってたメイ
車掌:おはようございます。お目覚めになられましたね
メイ:貴方は?
車掌:私はこのアンドロメダ鉄道の車掌です!貴方は・・・メイ様でお間違いないですね!
メイ:は・・はい
車掌:あ、すみません。年齢を聞いてもよろしいですか?
メイ:えっと・・17歳です・・・
車掌:ありがとうございます。ではちょっと移動しましょうか!
メイ:移動?
車掌:えぇ。私についてきてください。あ、大丈夫ですか?歩けますか?
メイ:あ、え?はい。あれ?私・・歩ける・・・?
車掌:大丈夫そうですね。ではこちらへ
メイ:はい。
0:車両を移動しながら話す二人
メイ:私はなんで列車に乗ってるんですか?
車掌:まぁじきにわかりますよ。あ、窓は開けないでくださいね?
メイ:窓?
車掌:はい。このアンドロメダ鉄道は名前の通り銀河系を渡り進む列車でございます、窓を開けると大変危険ですのでお気を付けください
0:窓の外を見ると宇宙の真ん中を走る列車
メイ:すごい・・・綺麗・・・
車掌:ささ、つきましたね。こちらは15歳から19歳までの方々が乗車される車両になります。では、お気を付けください。
0:ドアを開けにっこり笑い車掌が手を振り見送る
メイ:ここは・・・
0:見渡すと同い年くらいの子達が窓を見て喋っている
車掌:お好きな所へお座りください。時間が来たらまたここへ来ますので。それではまた
メイ:お好きなところ・・・あ、あそこいいな
0:奥の角に空席を見つけそこに座る
メイ:本当綺麗・・・でも・・なんで私ここにいるんだろう・・・確か・・・
カイ:あのー・・・ここ座っても大丈夫ですか?
メイ:あ、はい!どうぞ
カイ:すいません。それじゃ遠慮なく・・よいしょっと
0:一人の男性が対面に座る
カイ:ごめんなさいね、急に相席みたいになってしまって
メイ:いえ、他の席は沢山座られてますもんね。
カイ:そうですよね。あはは
メイ:あの、もし間違えてたらすみません・・・
カイ:はい?
メイ:以前どこかでお会いしたことありましたか?
カイ:うーん・・どうでしょう?ちょっとここに来る前の記憶があやふやで。会ったことあるようなないような・・・?
メイ:・・・。
カイ:・・・。
0:沈黙が続く二人
カイ:えっと・・あのー・・君はどうしてアンドロメダ鉄道へ?
メイ:えっ、えーっと・・・それが・・思い出せないんです。気が付いたらここに乗っていて。
カイ:あ、僕と一緒ですね。僕も数日前に目が覚めたらここに居て車掌さんがここで待っててくださいって
メイ:そうなんですね、あの・・お名前を聞いてもいいですか?
カイ:あぁ、ごめんなさい。僕はカイ。君は?
メイ:私はメイです。宜しくお願いします
カイ:よろしく!
0:握手をする二人
メイ:でも本当にどうしてここに来たんでしょうか・・・
カイ:うーん・・・この電車に乗る前、何をしていたのかが全然思い出せないんだよなぁ・・・
メイ:私もなんです・・何かあったというくらいで頭の中はそれ以外真っ白になってて・・・
カイ:うーん・・・
車掌:少しよろしいでしょうかお二人とも
カイ:うわぁ!びっくりした!
車掌:驚かせてしまってすみません。お飲み物をお持ちしたのですが何を飲みますか?
メイ:私は温かい紅茶を
カイ:じゃあ僕は・・・ココアで
車掌:畏まりました。
0:慣れた手つきで紅茶とココアを注ぐ車掌
車掌:お待たせしました。それでは快適な銀河の旅をご堪能下さい。
0:カートを押しながら去る車掌
メイ:いい香り・・・茶葉はなんなんだろう・・・?ゴクッ
0:一口飲むとちょっと前の記憶がよみがえる
メイ:おか・・・さ・・・おと・・・さ・・・わ・た・・・
カイ:メイ!メイ!
メイ:はっ!
カイ:どうしたの?メイ!急に俯いて!
メイ:ご、ごめんなさい・・何か頭をよぎって・・・
カイ:何か?大丈夫?具合が悪いなら車掌さんを呼んでこようか?
メイ:大丈夫です・・・ありがとうございます
カイ:本当に?無茶したらダメだよ?
メイ:はい・・・
車掌:メイ様、大丈夫でしょうか?
カイ:あ、車掌さん!
メイ:はい・・大丈夫です・・・。
車掌:・・・。わかりました。もし何かあればすぐに呼んでください
カイ:あ、おい!車掌さん!待てって!
0:車両を後にする車掌
カイ:なんなんだ・・・?
メイ:すみません、ご迷惑をおかけして。もう大丈夫です。
カイ:わかった。違う飲み物を取ってこようか?
メイ:いえ、ちょっとトイレに行ってきます・・・
カイ:あぁ、トイレは後ろのドアを出てすぐ左にあるよ。気を付けてね
メイ:ありがとうございます。
0:ふらふらと出ていくメイ
カイ:大丈夫かな・・・?
0:ドアを出ると車掌が立っている
車掌:メイ様、お体は大丈夫ですか?
メイ:あ、車掌さん、ありがとうございます。
車掌:トイレに行く前にちょっと私にお付き合い願えますか?
メイ:え、えぇ
0:実はこのアンドロメダ鉄道は生者と死者をわけるための列車になんです。
メイ:え・・?どういうことですか?
車掌:メイ様少しお体に触れますね
0:車掌の手がメイの右手に触れる
メイ:ここは・・・?
車掌:ここはメイ様が現在眠っている病院になります。
メイ:あ・・そうだ・・・確か302号室・・・そこに私が・・・
車掌:そうですね。ではそちらへ行きましょうか
0:302号室
メイ:私が・・・眠っているばす
車掌:そうですね。貴方はこの病院に来る前、大型バスで移動中、不運の事故に遭い意識不明の重体になりました。現状あのバスでの生存者は三名、貴方と他二人です
メイ:そうなんですか・・・ちなみに残りのお二人は?
車掌:ご覧になられますか?
メイ:え?
車掌:と言いたいところですが残念です。メイ様の記憶のみしかこのように移動できませんので。ではそろそろ戻りましょうか
メイ:は、はい
車掌:お疲れ様です。記憶の流れはいかがでしたか?
0:そっと手を離す車掌
メイ:えっと・・・その・・・
車掌:まぁ今は何も言えないかもしれないですね。ささ、車両にお戻りください。またあとでメイ様の元へ伺います。ではこれで
0:車両に戻るメイ
カイ:おかえりなさい。大丈夫か?
メイ:え、えぇ・・・なんとか
カイ:それにしても・・・いつまで電車に揺られるんだろうなぁ
メイ:あの・・・
カイ:ん?
メイ:このアンドロメダ鉄道の詳しいお話って車掌さんから聞きましたか?
カイ:いいや?ここに居たら迎えに来るって言われて待ってるだけだよ。
メイ:そ、そうなんですか・・・
車掌:皆様もう間もなく停車いたします。揺れにご注意ください。えー次に降りる方々はわたくしがお迎えに参りますので席にお座りお待ちください
0:車掌のアナウンスが鳴る
カイ:停車?この宇宙に駅があるのかな?
メイ:ど、どうなんでしょうか
車掌:はい、貴方は次でお降りください。貴方も次でお降りください。貴方も・・・
0:車掌が別の席の人に声をかけていく
カイ:あ、車掌さん!
車掌:はい!どうされましたか?
カイ:僕たちはここで降りるんですか?
車掌:えっと・・カイ様は・・・
0:メモ帳をパラパラとめくる
車掌:まだですね。もうしばらく宇宙旅行をご堪能下さい
カイ:あ、じゃあメイさんはどうなんですか?
車掌:メイ様も同様に。もうしばらくご乗車お願いいたします
メイ:は、はい。
0:賑やかだった車両が二人だけになる
車掌:えーではこの駅で降りる方々は皆さん下車されました。まだ本列車に乗られてる方々は快適な宇宙旅行をしばらくご堪能下さい。それでは出発進行
0:列車が緩やかに進み、線路のない宇宙を進みだす
カイ:降りれなかったね・・・
メイ:そ、そうですね・・・
車掌:お二方。この車両もお二方のみになられました。次の停車駅までしばらくお時間があります。良ければお二方とお話させていただいてもよろしいでしょうか?
カイ:え、えぇ。どうぞ
メイ:はい。
車掌:ありがとうございます。それでは失礼しますね。
0:反対側の椅子に座る車掌
車掌:どうですか?綺麗でしょう?この宇宙は。
メイ:そうですね
カイ:あぁ。でもなんで僕らはこの列車に乗ってるんですか?
車掌:そうですね。お二人だけにはお教えします。メイ様にはお伝えしましたがこちらは生者と死者を分ける列車になります。
メイ:・・・。
カイ:ど・・どういうことだ・・・?
車掌:メイ様は大きな事故に巻き込まれて意識不明の重体、カイ様は・・・なるほど・・・
カイ:お、おい!何を一人で納得してるんだよ!
車掌:お辛い人生でしたね。
カイ:ど、どういうことだよ
車掌:貴方は次の駅で降りたいですか?それともまだ乗っていたいですか?
カイ:お・・降りたらどうなるんだ
車掌:・・・。カイ様は二度とカイ様の人生を歩めることができません。
カイ:な・・・なんだって
車掌:先ほどの駅で降りた方々は生前、意識を失ってそのまま息絶えた方々になります。いわゆる死者。ですがまだこの車両に乗っている方々は生きる希望がある方です
車掌:特にあなた方の様なお若い方が沢山下車されたのを見るととても悲しい気持ちになります。私個人と来てはまだ生きる希望を捨ててほしくないので生き延びてほしいですが・・・
車掌:そこはカイ様のお気持ち一つです
カイ:ど・・どういうことなんだよ・・・
車掌:お手を握らせて頂きます。
0:カイの手を握る車掌、それと同じようにメイもカイの手を握る
車掌:メイ様!?貴方もついてこられたんですか!?
カイ:メイさん!というかここは・・・
車掌:ここは貴方のお部屋ですね。
0:目をひらくと首を吊ってるカイの姿
カイ:これは・・僕・・・?
メイ:なんで・・・
車掌:貴方の記憶を見せてもらいました。貴方の通う学校でいじめにあっていたんですね
カイ:そ・・そうか・・・確か僕は・・不登校になって・・・
車掌:こちらは遺書ですね
0:足元に落ちてる遺書を拾い上げる車掌
車掌:まだ生きていたいが今の人生に生きがいを感じれなかったためここに生涯を終える・・・と書かれてますね
カイ:そ・・そうか・・・あの時・・・
車掌:幸いにもご家族がカイ様の部屋に入った際、まだ意識は残っていたそうです。今は病院で昏睡状態の様です。
メイ:そうなんだ・・・
カイ:じゃ、じゃあなんであの時僕を下ろしてくれなかったんだ!!あの時降りたら死ねてたんだろ!!
車掌:そうですが、まだカイ様からは生への希望が残っていたので・・・
カイ:ぼ・・僕はもう死んで楽になりたいんだ!!なのに!!僕に生きる希望なんてない!!
車掌:あ・・えっと・・・
0:カイの頬を叩くメイ
メイ:どんだけ・・どんだけ辛くても!!自ら命を投げ出したらダメです!!
カイ:メイ・・さん・・?
メイ:辛いのはわかります。ですが・・・貴方が死んで喜ぶ人なんて親族に誰もいません!!だから!!だから強く生きてください!!
カイ:・・・。
メイ:それに!この列車に乗って貴方と過ごした時間は少しだけでしたがとても優しく接してくださって・・・本当に死にたいと思ってる方はあんなに優しいはずがない!!
カイ:そ・・それは・・・
0:体を震わせるメイ
カイ:ご・・ごめんなさい・・・
車掌:あ・・えっと・・・
メイ:車掌さん、もう私達を起こしてくれませんか
車掌:わ、わかりました。
0:そっと手を離すと目を覚ます二人
カイ:あ・・・
メイ:カイさん・・・貴方の住んでいる場所はどこですか?
カイ:関東のほうです・・・
メイ:わかりました。もし私も貴方も目が覚めてお互い記憶が残っていたら、ここで会いましょう
0:紙に住所を書いて渡す
カイ:ここは・・・?
メイ:私の好きな場所です。大きな噴水があってとてもきれいな公園です
カイ:わ・・わかった・・・
車掌:ん?
0:車掌のポケットに入れてたメモ帳が光る
車掌:うわっ、こ、これは・・・!
メイ:眩しい・・・
車掌:お二人とも!!目を閉じて深呼吸してください!!
カイ:え・・!?
車掌:早く!!
0:指示通り深呼吸する二人
メイ:スゥー・・フゥー・・・
カイ:スゥー・・・フゥー・・
車掌:お二人の行き先が決定しました!!次はよみがえり!よみがえりです!!
0:二人をまばゆい光が包み込む
メイ:んっ・・・
0:目を覚ますと白い天井
メイ:ここは・・・
0:そこには涙を流す両親の姿
メイ:あ・・私・・・生き返ったんだ・・・
0:慌てて医者を呼びに行く父親と泣き崩れる母親
メイ:生きてて・・・よかった・・・
0:時を同じくして別の病院
カイ:んはっ!!
0:飛び起きるカイ
カイ:はぁ・・はぁ・・・はぁ・・ここは・・・
0:白い布団の上で目が覚めるカイ
カイ:病院・・?僕・・生きてる・・・?
0:泣いてる両親
カイ:よかった・・・ごめんよ。父さん・・母さん・・・
0:数か月後
カイ:確か・・ここだったはず・・・なんで記憶にこんな場所が残っているんだろう・・・?
0:大きな噴水の公園
メイ:あ、すみません!
0:ひとつの白い帽子がカイの足元へ落ちる
カイ:あ、いえいえ。大丈夫ですか?
メイ:はい、ありがとうございます。あっ・・・
カイ:ん?
メイ:すみません、もし間違っていたら失礼ですが・・・以前どこかでお会いしたことありますか・・・?
カイ:ん?いや・・・貴方みたいな素敵な女性一度会ったら忘れませんよ?あはは。
メイ:あれ?このやり取りどこかでしたことが・・・
カイ:あれ?この人・・・確かにどこかで・・・
0:メイを呼ぶ母親の声
メイ:あ、はーい!すみません。それではまた!
カイ:・・・?まぁいいか、それにしても綺麗な公園だなぁ・・・
0:終わり