声劇台本置き場

松浦：はぁ、今日も仕事疲れたな。早く家に帰って寝よう シンガー：今日はありがとう！ 松浦：路上パフォーマンスの人だ。歌ってたのかな？ シンガー：えっと今聞いてくれた曲は自分がまだガキだったころ、母親によく子守唄として歌ってもらってました 松浦：へぇ？ シンガー：ちょっと休憩させてもらうね。 松浦：まだ時間に余裕あるし聞いていこうかな シンガー：こうやってストリートで歌を歌ってみんなの心に響いてるって思うと歌手になってよかったなって思うんです 松浦：へぇ。頑張ってるんだ シンガー：きっと今頃あいつも喜んでると思います・・・ 松浦：あいつ？ シンガー：あいつはこのギターを自分に託してくれたんです 松浦：親友からもらったんかな？ シンガー：きっとこのギターがなかったらこうやって人様の前で歌うことはなかったと思います 松浦：思い入れがあるんだなぁ シンガー：あともうちょっとしたらコンビニのバイトが終わるころだと思います 松浦：いや、会える距離におるんかい！ シンガー：それじゃあ次何を歌ってほしいかリクエストとかありますか 松浦：あ、リクエストに応じて歌ってくれるんだ。すごいな シンガー：じゃあそこの君。うん。え？尾崎豊？ 松浦：お、名曲がたくさんあるよね尾崎豊 シンガー：ごめんね。版権がかかわってくるからダメなんだ 松浦：じゃあなんでリクエストしたんや！ シンガー：じゃあ次はそこの君。何がいい？ 松浦：いや、本当に尾崎歌わないつもりかよ！ シンガー：え？ヨルシカ？ 松浦：あー今はやりのバンドか。 シンガー：ちょっと聞いたことないからダメだ 松浦：歌手やめちまえ！ シンガー：今日はちょっと客のリクエストがよろしくないな 松浦：いや、誰が客のせいにしてんねん！ シンガー：じゃあわかったこうしよう。自分が作ったオリジナルを歌うよ 松浦：最初からそうせぇよ シンガー：これはある日突然音楽の神様が降りてきて、ぱぱぱっと書いたんだ。めちゃくちゃいい歌詞でね 松浦：へえ？相当自信あるんだなぁ シンガー：今でも忘れないよ。タワーレコードで流れてたあの曲 松浦：ほな他人の歌やないか！オリジナルちゃうやないか！！ シンガー：それでは聞いてくださいキングヌーで白日 松浦：いや、思いっきり人の歌！！！ シンガー：ぼそぼそぼそ・・・ 松浦：ほんで声ちっさー！！ほぼほぼ聞こえてないねん！！ シンガー：ありがとう！ありがとう！ 松浦：なんで拍手が起こんねんこんなんで シンガー：ちょっと水飲むね 松浦：あんなぼそぼそした声でなんで水のむことあんねん。 シンガー：ギターってコードが分からないから弾けないからアカペラになっちゃってごめんね 松浦：じゃあなんでギター持って歌ってんねん！！ハナからいらんかったやろ！！ シンガー：少し物悲しいけれど、次が最後の一曲になりました 松浦：やっと終わるんかい シンガー：この曲は今も頑張って働く社会人、明日を強く生きる学生さんに向けた応援ソングです 松浦：お、そんなんがいいんよ。 シンガー：この曲を聴いて明日を生きる糧になってくれたらなって思います 松浦：そういう前置きがあるってことはきっといい歌詞なんだろうな シンガー：自分もこうやっていつまでも親のすねかじって生きてたらダメなんだなって思うほどに 松浦：無職が社会人を応援するんかい！ シンガー：今年で63歳になる自分ですが 松浦：えぇー！？ シンガー：まだまだ二十歳の気持ちで歌います 松浦：感情移入できるかな・・・ シンガー：それでは聞いてください。がんばれ 松浦：タイトルうっすー！！ シンガー：がんば・・あ、はい。え？ここ路上パフォーマンスだめなんですか？え！？罰金！？す、すいません・・・ 松浦：あ、連れていかれた。・・・・明日も頑張ろう