台本概要
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タイトル | 白と黒(仮)第二部「摩天楼にて影は笑う」 |
---|---|
作者名 | maturit (@inui_maturi) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 3人用台本(男1、女2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
お試しPart2
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
メルト | 女 | 47 | |
カルマ | 男 | 38 | |
アリス | 女 | 42 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
メルト:摩天楼(まてんろう)の扉は羽より軽く開いた
0:
0:「摩天楼にて影は笑う」
0:
メルト:中は多くの人が忙しそうに動き、私はそれを縫(ぬ)うように奥へと進むと声を掛けられる
カルマ:「あんたが始末屋か?」
メルト:「そちらは?」
カルマ:「おいおい、質問に質問を返すなよ」
メルト:「そうですね、回答はイエスです」
カルマ:「なんとも可愛(かわい)げのない女性が来たものだ」
メルト:「こちらの質問を」
カルマ:「おーけー、俺は依頼人の使いだ」
メルト:「そう…ですか?」
カルマ:「なんで首を傾(かし)げるんだよ、何処からどう見ても英国紳士(えいこくしんし)だろうが」
メルト:「いえ、少し変わっていると思いまして」
カルマ:「あんた程じゃないさ」
メルト:「では改めて、私は」
カルマ:「あーそういうのはいいから、俺の主に会ってからにしてくれ」
メルト:「……そうですか?」
カルマ:「ついてきてくれ」
メルト:「わかりました」
メルト:男性はエレベーターに向かうと乗客全員を下ろし、手招きをする
メルト:私は頷(うなづ)きエレベーターに乗ると上へと動き始めた
カルマ:「ロンドンは初めてか?」
メルト:「はい」
カルマ:「どう思った?」
メルト:「私には合いません」
カルマ:「同感だ、俺もここが住みやすいとは思わない…東洋には住めば都なんて言葉があるが…時間とともに離れたいという気持ちが膨(ふく)れる一方だ」
メルト:「そうなのですね」
カルマ:「あんた軍人か?」
メルト:「はい」
カルマ:「やっぱりそうか…俺も元軍人だ、ここにいると戦場を思い出す」
メルト:「私もです」
カルマ:「聞いているかもしれないが、ある意味でここも戦場だ…俺にもまだやれる事が残っているからここに居る…というのは建前で、死に損ないが死に場所を求めているだけだ」
メルト:「私も似たようなものです」
カルマ:「だろうな、だがアンタの目は揺らいでいる…それが悪いとは思わない、むしろ揺らぐという事は、まだ戻れるって事だ」
メルト:「それは…できません」
カルマ:「悪い、要らん事を言ったみたいだ…忘れてくれ」
メルト:「…アナタは死にたいのですか?」
カルマ:「死ねるなら死んでいるさ」
メルト:「それはいったい…」
カルマ:「ついたぞ」
メルト:エレベーターの扉が開く、そこは図書館のような場所で多くの本が積み重なり山を築(いず)いている
カルマ:「はぁ、またかぁ」
メルト:「また?」
カルマ:「おーい、何処に居る?」
アリス:「こっちよ!!」
カルマ:「こっちか?」
アリス:「ココ!!ココ!!」
カルマ:「おぉ、いたいた」
アリス:「ぷはぁ!?危うく本に殺される所でだった!殺人犯は本ねっ!!」
カルマ:「そりゃ自殺っていうんだ」
アリス:「私は仕事をしていただけで、この忙(いそが)しい時にいなくなるカルマがいけないのよ!」
カルマ:「おいおい、俺は頼まれていた始末屋の手引きをだな」
アリス:「今日来ることは知っていたわ!でもカルマが居なくなったのは三日前よっ!!」
カルマ:「こっちも色々とあんだよ」
アリス:「街で女性を口説(くど)いていたのね?香水の匂いが二つ混じってるわ!!」
カルマ:「お前は犬か?」
アリス:「失礼ね!犬様を侮辱(ぶじょく)するとは不届(ふとど)き者!!」
カルマ:「犬の方が上なのかよっ!?」
アリス:「当然ね!…あら?それでその子が始末屋?」
カルマ:「ああそうだ、悪いがアンタ、自己紹介してくれ」
メルト:「はい、この度、本部より派遣(はけん)されました始末屋、メルトと申します…以後お見知り置きください」
アリス:「私はアリス、一応このロンドンを統括(とうかつ)する地位にいるわ…このロンドンで知らない事は殆(ほとん)ど無いと言っても過言(かごん)じゃないわ!」
カルマ:「そういう訳だ、俺は次の仕事に行くぞ」
アリス:「待ちなさい!貴方も自己紹介しなさいよ!」
カルマ:「あー、俺はカルマだ、よろしくな…もう良いだろう?」
アリス:「ふーん、カルマが女性に距離を取るのは珍しいわね、メルトは軍人かしら?」
メルト:「はい、その通りですが」
アリス:「どうりで、カルマは女性となると見境(みさかい)がなけど、軍人絡みには警戒心(けいかいしん)が強くなるものね」
カルマ:「おい、その話は」
アリス:「以前、軍内部でスパイの女性に丸め込まれて、そのせいで情報が漏洩(ろうえい)、作戦の失敗、そのせいで大佐から降格して私のお目付け役になったんですものね?」
カルマ:「おい!俺のカッコイイイメージが台無しじゃねーか!!!」
アリス:「カッコイイ?寝言は寝てから言いなさい!!」
カルマ:「てめー」
アリス:「まぁこんな奴は放っておいて、依頼について話しましょう」
メルト:「よろしくお願い致します」
アリス:「カルマは消えなさい」
カルマ:「覚えておきやがれ!」
0:カルマがエレベーターで下の階に降りていく
0:(少しの間)
メルト:「よろしかったのですか?」
アリス:「カルマを下がらせた事ですか?」
メルト:「名乗りは致しましたが、初対面の相手と二人っきりというのは」
アリス:「大丈夫です、カルマがここへ連れてきた時点で貴女は合格なのよ」
メルト:「試されていたのでしょうか?」
アリス:「まぁ試すまでもないというのが本音よ」
メルト:「そう…ですか」
アリス:「誤解しないで欲しいのだけれど、別に貴女を見下している訳では無く、最近は怪物の相手ばかりでだったので少し安心したの」
メルト:「安心…ですか?」
アリス:「そっちの本部にも怪物がいるじゃない?もしもそいつが派遣(はけん)されたらと考えると…ロンドンが三日で更地なるわ」
メルト:「そこまでは」
アリス:「あれに会った事はあるの?」
メルト:「あれ…というのは黒でしょうか?白でしょうか?」
アリス:「どちらも同じよ」
メルト:「白と呼ばれる方が私の主です」
アリス:「そう…貴女…好かれそうだものね」
メルト:「そ、そんなっ!?そんな…事はありません」
アリス:「そんな表情もできるのね、貴女はまだ人間よ安心しなさい」
メルト:「…喜んでいいのでしょうか?」
アリス:「さてね、所で聞きたいのだけれど本部から来たのは貴女一人かしら?」
メルト:「いえ、サポートにもう一人」
アリス:「おかしいわね」
メルト:「?」
アリス:「私の演算にそのもう一人が入らないの」
メルト:「演算…ですか?」
アリス:「今はロンドンに絞っているのだけれど…私の中でそのもう一人は透明人間みたいに動いているわ…かなり厄介(やっかい)ね」
メルト:「ごめんなさい」
アリス:「貴方が悪いとは思っていないわ…そのサポーターと連絡は取れる?」
メルト:「それなら可能です、この紙に連絡手段が……」
アリス:「どうかしまたの?」
メルト:「……何も書かれていません」
アリス:「少し拝見(はいけん)してもいいかしら?」
メルト:「かまいません、どうぞ」
アリス:「本当に白紙ね、紙の材質も一般的な物…紙に意味が無い…そういう事なのね…最悪だわ」
メルト:「どうかなされましたか?」
アリス:「気にしないで、嫌な予想が当たっただけよ」
メルト:「そう…ですか」
アリス:「ちょっと待ってね」
メルト:アリスと名乗る少女が部屋の中央に置いてある黒電話に向かうと、手慣れた指使いでダイヤルを回し何処かへ掛ける
アリス:「聞きなさい」
カルマ:「追い出しといてなんだよ!」
アリス:「黒がいるわ、あの子をアナタに回すから…劇場へ向かいなさい」
カルマ:「…一人で大丈夫か?」
アリス:「問題ないわ、敵では無いもの…でも見えない以上は直接干渉するわ」
カルマ:「気をつけろ」
アリス:「心配ありがとう、今彼女を降ろすから後はお願い、時期が来たら電話するわ」
カルマ:「はいよ」
メルト:電話を切り、アリスは私に微笑(ほほえ)みながら背中を押す
メルト:「あのっ!?ご説明願います」
アリス:「急いで急いで、下にカルマがいるから後はそっちで動いて」
メルト:「わかりましたので、押さないでください」
アリス:「こちらにも事情があるのです!」
メルト:エレベーターに押し込まれ、私はアリスに手を振られてエレベーターで降りていく
0:(少しの間)
0:誰もいないはずの部屋でアリスは部屋全体に語りかける
アリス:「さてと、行ったわね」
アリス:「随分(ずいぶん)と過保護(かほご)じゃないかしら?…ねぇ黒さん、私と組みましょう?」
アリス:答えるように、影(かげ)が笑う
メルト:摩天楼(まてんろう)の扉は羽より軽く開いた
0:
0:「摩天楼にて影は笑う」
0:
メルト:中は多くの人が忙しそうに動き、私はそれを縫(ぬ)うように奥へと進むと声を掛けられる
カルマ:「あんたが始末屋か?」
メルト:「そちらは?」
カルマ:「おいおい、質問に質問を返すなよ」
メルト:「そうですね、回答はイエスです」
カルマ:「なんとも可愛(かわい)げのない女性が来たものだ」
メルト:「こちらの質問を」
カルマ:「おーけー、俺は依頼人の使いだ」
メルト:「そう…ですか?」
カルマ:「なんで首を傾(かし)げるんだよ、何処からどう見ても英国紳士(えいこくしんし)だろうが」
メルト:「いえ、少し変わっていると思いまして」
カルマ:「あんた程じゃないさ」
メルト:「では改めて、私は」
カルマ:「あーそういうのはいいから、俺の主に会ってからにしてくれ」
メルト:「……そうですか?」
カルマ:「ついてきてくれ」
メルト:「わかりました」
メルト:男性はエレベーターに向かうと乗客全員を下ろし、手招きをする
メルト:私は頷(うなづ)きエレベーターに乗ると上へと動き始めた
カルマ:「ロンドンは初めてか?」
メルト:「はい」
カルマ:「どう思った?」
メルト:「私には合いません」
カルマ:「同感だ、俺もここが住みやすいとは思わない…東洋には住めば都なんて言葉があるが…時間とともに離れたいという気持ちが膨(ふく)れる一方だ」
メルト:「そうなのですね」
カルマ:「あんた軍人か?」
メルト:「はい」
カルマ:「やっぱりそうか…俺も元軍人だ、ここにいると戦場を思い出す」
メルト:「私もです」
カルマ:「聞いているかもしれないが、ある意味でここも戦場だ…俺にもまだやれる事が残っているからここに居る…というのは建前で、死に損ないが死に場所を求めているだけだ」
メルト:「私も似たようなものです」
カルマ:「だろうな、だがアンタの目は揺らいでいる…それが悪いとは思わない、むしろ揺らぐという事は、まだ戻れるって事だ」
メルト:「それは…できません」
カルマ:「悪い、要らん事を言ったみたいだ…忘れてくれ」
メルト:「…アナタは死にたいのですか?」
カルマ:「死ねるなら死んでいるさ」
メルト:「それはいったい…」
カルマ:「ついたぞ」
メルト:エレベーターの扉が開く、そこは図書館のような場所で多くの本が積み重なり山を築(いず)いている
カルマ:「はぁ、またかぁ」
メルト:「また?」
カルマ:「おーい、何処に居る?」
アリス:「こっちよ!!」
カルマ:「こっちか?」
アリス:「ココ!!ココ!!」
カルマ:「おぉ、いたいた」
アリス:「ぷはぁ!?危うく本に殺される所でだった!殺人犯は本ねっ!!」
カルマ:「そりゃ自殺っていうんだ」
アリス:「私は仕事をしていただけで、この忙(いそが)しい時にいなくなるカルマがいけないのよ!」
カルマ:「おいおい、俺は頼まれていた始末屋の手引きをだな」
アリス:「今日来ることは知っていたわ!でもカルマが居なくなったのは三日前よっ!!」
カルマ:「こっちも色々とあんだよ」
アリス:「街で女性を口説(くど)いていたのね?香水の匂いが二つ混じってるわ!!」
カルマ:「お前は犬か?」
アリス:「失礼ね!犬様を侮辱(ぶじょく)するとは不届(ふとど)き者!!」
カルマ:「犬の方が上なのかよっ!?」
アリス:「当然ね!…あら?それでその子が始末屋?」
カルマ:「ああそうだ、悪いがアンタ、自己紹介してくれ」
メルト:「はい、この度、本部より派遣(はけん)されました始末屋、メルトと申します…以後お見知り置きください」
アリス:「私はアリス、一応このロンドンを統括(とうかつ)する地位にいるわ…このロンドンで知らない事は殆(ほとん)ど無いと言っても過言(かごん)じゃないわ!」
カルマ:「そういう訳だ、俺は次の仕事に行くぞ」
アリス:「待ちなさい!貴方も自己紹介しなさいよ!」
カルマ:「あー、俺はカルマだ、よろしくな…もう良いだろう?」
アリス:「ふーん、カルマが女性に距離を取るのは珍しいわね、メルトは軍人かしら?」
メルト:「はい、その通りですが」
アリス:「どうりで、カルマは女性となると見境(みさかい)がなけど、軍人絡みには警戒心(けいかいしん)が強くなるものね」
カルマ:「おい、その話は」
アリス:「以前、軍内部でスパイの女性に丸め込まれて、そのせいで情報が漏洩(ろうえい)、作戦の失敗、そのせいで大佐から降格して私のお目付け役になったんですものね?」
カルマ:「おい!俺のカッコイイイメージが台無しじゃねーか!!!」
アリス:「カッコイイ?寝言は寝てから言いなさい!!」
カルマ:「てめー」
アリス:「まぁこんな奴は放っておいて、依頼について話しましょう」
メルト:「よろしくお願い致します」
アリス:「カルマは消えなさい」
カルマ:「覚えておきやがれ!」
0:カルマがエレベーターで下の階に降りていく
0:(少しの間)
メルト:「よろしかったのですか?」
アリス:「カルマを下がらせた事ですか?」
メルト:「名乗りは致しましたが、初対面の相手と二人っきりというのは」
アリス:「大丈夫です、カルマがここへ連れてきた時点で貴女は合格なのよ」
メルト:「試されていたのでしょうか?」
アリス:「まぁ試すまでもないというのが本音よ」
メルト:「そう…ですか」
アリス:「誤解しないで欲しいのだけれど、別に貴女を見下している訳では無く、最近は怪物の相手ばかりでだったので少し安心したの」
メルト:「安心…ですか?」
アリス:「そっちの本部にも怪物がいるじゃない?もしもそいつが派遣(はけん)されたらと考えると…ロンドンが三日で更地なるわ」
メルト:「そこまでは」
アリス:「あれに会った事はあるの?」
メルト:「あれ…というのは黒でしょうか?白でしょうか?」
アリス:「どちらも同じよ」
メルト:「白と呼ばれる方が私の主です」
アリス:「そう…貴女…好かれそうだものね」
メルト:「そ、そんなっ!?そんな…事はありません」
アリス:「そんな表情もできるのね、貴女はまだ人間よ安心しなさい」
メルト:「…喜んでいいのでしょうか?」
アリス:「さてね、所で聞きたいのだけれど本部から来たのは貴女一人かしら?」
メルト:「いえ、サポートにもう一人」
アリス:「おかしいわね」
メルト:「?」
アリス:「私の演算にそのもう一人が入らないの」
メルト:「演算…ですか?」
アリス:「今はロンドンに絞っているのだけれど…私の中でそのもう一人は透明人間みたいに動いているわ…かなり厄介(やっかい)ね」
メルト:「ごめんなさい」
アリス:「貴方が悪いとは思っていないわ…そのサポーターと連絡は取れる?」
メルト:「それなら可能です、この紙に連絡手段が……」
アリス:「どうかしまたの?」
メルト:「……何も書かれていません」
アリス:「少し拝見(はいけん)してもいいかしら?」
メルト:「かまいません、どうぞ」
アリス:「本当に白紙ね、紙の材質も一般的な物…紙に意味が無い…そういう事なのね…最悪だわ」
メルト:「どうかなされましたか?」
アリス:「気にしないで、嫌な予想が当たっただけよ」
メルト:「そう…ですか」
アリス:「ちょっと待ってね」
メルト:アリスと名乗る少女が部屋の中央に置いてある黒電話に向かうと、手慣れた指使いでダイヤルを回し何処かへ掛ける
アリス:「聞きなさい」
カルマ:「追い出しといてなんだよ!」
アリス:「黒がいるわ、あの子をアナタに回すから…劇場へ向かいなさい」
カルマ:「…一人で大丈夫か?」
アリス:「問題ないわ、敵では無いもの…でも見えない以上は直接干渉するわ」
カルマ:「気をつけろ」
アリス:「心配ありがとう、今彼女を降ろすから後はお願い、時期が来たら電話するわ」
カルマ:「はいよ」
メルト:電話を切り、アリスは私に微笑(ほほえ)みながら背中を押す
メルト:「あのっ!?ご説明願います」
アリス:「急いで急いで、下にカルマがいるから後はそっちで動いて」
メルト:「わかりましたので、押さないでください」
アリス:「こちらにも事情があるのです!」
メルト:エレベーターに押し込まれ、私はアリスに手を振られてエレベーターで降りていく
0:(少しの間)
0:誰もいないはずの部屋でアリスは部屋全体に語りかける
アリス:「さてと、行ったわね」
アリス:「随分(ずいぶん)と過保護(かほご)じゃないかしら?…ねぇ黒さん、私と組みましょう?」
アリス:答えるように、影(かげ)が笑う