台本概要

 102 views 

タイトル 「私の天使。」スピンオフ Vol.3「信じてくれる?」
作者名 なぎ@泣き虫保護者  (@fuyu_number10)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男1、女3)
時間 20 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 妹の友人、日和(ひより)の存在を怪しむ綺音の兄。かくして綺音の家にやってきた日和は・・・。

※当台本は拙作「私の天使。」のスピンオフシリーズの第三弾で、第二弾からの続きとなります。
本編をお読みいただいてからお読みいただくと、より楽しんでいただけると思います。

※台本をご利用になる際は、Twitterにてぜひお報せくださいませ。
お伺いできる限り聴かせていただければと存じます。

なお、特に商用利用の場合において、著作権は放棄していません。無断での転載はお断りします。

 102 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
日和 46
小春 16
綺音 42
綺音兄 7
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:「私の天使。」スピンオフ Vol.3「信じてくれる?」 綺音:(N)始業式の翌日。私は、ひよりんの話をした時のお兄ちゃんのリアクションが、妙に気になっていました。 綺音:  綺音:  綺音:お兄ちゃんにも初めてお話したことなのにな・・・もしかしてどこかで見たのかな? 日和:あやねちゃん!おはようございます! 綺音:わっ!? 綺音:  綺音:  綺音:(N)考え事をしていたせいで、ひよりんの声掛けにビックリしてしまいました。 綺音:  綺音:  綺音:ひ、ひよりん・・・びっくりした・・・ 日和:わわ、えっと、ごめんなさい・・・! 綺音:いやいや、いいのいいの!ぼーっとしてた私が悪いんだし。 綺音:改めて、おはよ、ひよりん! 日和:えへへ、おはようございます!ぼーっとしてたって・・・大丈夫ですか? 綺音:あー、まぁね・・・でも大したことないから! 日和:そうなんですか?わたしがお役に立てたらいいんですけど・・・。 綺音:あーうん、もしそうなったらひよりんを頼らせてもらおうかなぁ。 日和:はい、ぜひ!そういえば昨日のドラマ見ましたか? 綺音:「100均事件簿」でしょ?見た見た! 綺音:  綺音:  綺音:(N)うーん・・・どうしたものか・・・。悩みながら、考えながら、一日一日が過ぎていきます。そして、日曜日。 日和:綺音ちゃん、こんにちは! 綺音:ひよりん、いらっしゃーい!ささ、上がって上がって! 日和:お邪魔しますー!あ、これ、「かどっこプリン」です!皆さんでどうぞ! 綺音:え!「かどっこプリン」!?いいの!?私「かどっこプリン」大好きなんだよね! 日和:わ、良かったです! 綺音:ひよりんありがとー!あ、部屋まで案内するから! 日和:はい! 0:(間) 綺音兄:お、綺音、霜月さん来たの?お茶入れる? 綺音:お、おに・・・兄貴、お願いしていい?あとさ、これ!「かどっこプリン」! 綺音兄:うっそ、マジか!霜月さんあり・・・ 綺音:・・・あり? 日和:? 綺音兄:・・・(少しうなる)。 綺音:・・・? 日和:・・・? 綺音兄:ちょっと、待って! 綺音兄:(自室にダッシュで戻って卒業アルバムを持ってくる。) 綺音兄:綺音、これ、この写真。 綺音:何よおにい・・・兄貴・・・んんん? 0:卒業アルバムに、日和の写真が載っている。 綺音:すご、ひよりんそっくりじゃん。 綺音兄:これって、霜月さん・・・じゃない? 日和:これ・・・私・・・? 綺音:何言ってんの兄貴・・・だってひよりんはアタシと同い年じゃん。 日和:っ!綺音ちゃん、ごめんなさい、私、帰りますね!! 綺音:え?いやちょっと、ひよりん!! 0:日和、綺音の家を飛び出してしまう。 綺音:(ジト目で)お兄ちゃん? 綺音兄:いや、・・・ちょっと聞いて欲しい。 綺音:何よ。 綺音兄:同姓同名の人違いだったらごめんだけど・・・ 綺音兄:この卒アルに載ってる霜月さん、事故で亡くなってるんだよ。 綺音:・・・えっ!? 0:場面転換。走って綺音の家を飛び出した日和。 日和:はぁ、はぁ、はっ・・・ 日和:  日和:  日和:(N)どうしよ・・・びっくりして綺音ちゃんの家を飛び出してきちゃった・・・。 日和:(N)・・・綺音ちゃんは、悪くないし・・・お兄さんも・・・・・・悪くないのに・・・。 日和:(N)でも・・・「わたし」が「わたし」じゃない、って思われちゃったら・・・ 日和:(N)どうしたらいいの?変な噂が広まって、学校・・・行けなくなるかも・・・。 日和:  日和:  日和:お姉ちゃん・・・助けて・・・! 0:場面転換、小春と日和のアパート 小春:あれ?日和?おかえり・・・どしたの?綺音ちゃん家、行ったんじゃなかったの? 日和:(呼吸を整えて)お姉ちゃん、私・・・!(泣き出す) 小春:え?おいおい日和、大丈夫?! 0:(間)ちゃぶ台をはさんで話す小春と日和。 0:事故に遭った日和の為、特別に霜月家にも配布された、卒業アルバムが広げられている。 小春:はい、日和。ホットミルク。これ飲んで一旦落ち着きな。 日和:ありがとうございます・・・(一口飲む)甘い・・・おいしい・・・。 小春:それにしても・・・神南さん・・・ね・・・。 日和:私が卒業アルバムに載ってるの見たら、なんだか怖くなってしまって・・・。 小春:うん。 日和:お姉ちゃん、私・・・明日、学校に行けるでしょうか・・・? 小春:んー・・・結局は日和次第なんだけどね。 日和:そう・・・ですよね・・・。 小春:日和はさ、そもそもアタシのわがままで生まれたクローンだ。 小春:でもね、アンタにとっては2回目の人生を生き始めたばっかりなんだ。 小春:アタシは正直、逃げたっていい、と思ってる。だけど、姉としての希望は・・・ 小春:そうだね。一度頑張ってみて欲しいなぁ。 日和:がんばる・・・。 小春:今回はさ、アタシもよく神南さんのこと知らなくって、 小春:たまたま知り合った子のお兄さんが日和のクラスメイトさんだったけどね。 小春:だけど、確率的にはこの後もこういうこと、あり得るわけじゃない? 日和:はい・・・。 小春:だからさ・・・勝手なこと言うけど、 小春:綺音ちゃんに向き合ってみるというか・・・綺音ちゃんと仲良くするのは 小春:いいことだと思うのよ。これからの為にもね。 小春:もしみんなから日和がいじめられたりして、 小春:無理、ってなったらさ、アタシが全力で助けるから。 日和:はい・・・お姉ちゃん、ありがとうございます。 日和:わたし、明日からもちゃんと学校行きます! 小春:うん、そうしなね。 日和:わたし、明日綺音ちゃんに全部お話しようと思います・・・。 日和:それで嫌われちゃったりしたら、またお姉ちゃんに助けてもらうかもしれません。 小春:うん。何かあったらすぐに連絡して。 日和:はいっ! 0:(間)翌日の学校、下足箱の近くで 綺音:あっ、ひよりん・・・。 日和:綺音ちゃん。 綺音:(おどおどしながら)おっ、おはよ・・・。 日和:(つとめて明るく)おはようございます!綺音ちゃん! 綺音:ひよりん、・・・うわあああん!! 日和:わわ、綺音ちゃん!? 0:綺音、日和に抱き着く 綺音:良かった、良かったよぉ・・・もう学校来ないかも、とか思って、 綺音:怖くって、ゆうべ全然寝れなくて・・・! 日和:えっと・・・綺音ちゃん、私は大丈夫ですから・・・あとで、全部お話しますね。だから・・・その・・・。 綺音:ん・・・? 日和:えと・・・みんな見てるので・・・。 綺音:ぅあ、っと・・・。 日和:はい、ハンカチ。使ってください! 綺音:ややや、悪いよそんな・・・ 日和:大丈夫ですよ! 綺音:・・・うん・・・ありがと・・・ちゃんと洗って返すね・・・ 日和:はいっ!教室、行きましょう! 0:(間)場面転換、二人の教室での会話。 日和:それでですね・・・えっと。何からお話ししましょうか。 綺音:ひよりんの思うように話してくれていいんだよ?あたし、全部受け止めるから。 日和:ありがとうございます。じゃあ、まずは・・・。 日和:私は、交通事故に遭って、一度死んじゃっているんです。 綺音:うん・・・兄貴に聞いたよ。 日和:それでその後、お姉ちゃんが私を「造って」くれたんです。私は・・・クローンなんです。 綺音:そうなんだ・・・だから、その・・・死んじゃった時のままの見た目、なの? 日和:そうですね。あ、でも事故の時の傷は全然ないんですよ!すごいですよね! 綺音:そういえばそうだね・・・初めて会った時も思ったけど・・・ 綺音:ひよりんの肌ってすごく綺麗だし・・・。 日和:えへへ。それで、学校に行きたい、って言ったのもわたしなんです。 日和:ちゃんと学校に行ってお勉強して、将来はお姉ちゃんの仕事のお手伝いをしたいな、って。 日和:でも、綺音ちゃんのお兄さんと会った時、びっくりしたのと、 日和:私のコト知られて、これから学校に通えるかな、 日和:って急に怖くなっちゃって、昨日はお家に帰っちゃったんです。ごめんなさい。 綺音:ひよりんは・・・ひよりんは悪くない!全然悪くないじゃん! 日和:あやね、ちゃん? 綺音:あたしは、ひよりんのこと全然知らなくって。 綺音:でもね、今話を聞いても全然ひよりんのこと、 綺音:ヘンだなとか気持ち悪いなとか、全然悪く思わなくって、 綺音:んと・・・だからね、あたし、ひよりんの味方でいたい。 綺音:お友達でいたい。・・・信じてくれる? 日和:えへへ、もちろんです!あの、改めて、綺音ちゃん、よろしくお願いします! 綺音:うん、よろしく!・・・ありがとね、ひよりん・・・。 日和:わ、綺音ちゃん泣かないで下さいよぉ・・・。 綺音:えへへ、だって・・・! 0:(二人、泣き笑い) 0:場面転換、別の日。小春と日和のアパートにて。 綺音:こんにちは、ひよりん、お姉さん! 小春:綺音ちゃん、いらっしゃい。狭い家だけどゆっくりしていってね。 日和:綺音ちゃんいらっしゃい!えへへ、ゆっくりしていってください! 綺音:えっと、早速ですけどこれ・・・「かどっこプリン」です!皆さんでどうぞ! 小春:ありゃ、そんな気を遣わなくっていいのに。 日和:綺音ちゃん、ありがとうございます! 綺音:いえいえー。 小春:さ、上がって上がって。みんなでお茶でもしよ。 綺音:はい!お邪魔します! 日和:(N)綺音ちゃん、元気になって良かった。 日和:(N)綺音ちゃんがいれば、安心して学校に行ける気がします。 綺音:(小声で)ひよりんひよりん、お姉さんめっちゃ美人じゃん! 日和:(小声で)そうですか?えへへ、今はちゃんとしてるから、ですよ!普段はもっと・・・ 小春:二人とも? 綺音:(日和と同時に)はいっ!? 日和:(綺音と同時に)はい! 小春:(にやりと笑って)聞こえてるからね? 綺音:(日和と同時に)あはは・・・ 日和:(綺音と同時に)えへへ・・・ 日和:(N)この後二人とも、お姉ちゃんにくすぐりの刑にされるのでした。 0:おしまい。

0:「私の天使。」スピンオフ Vol.3「信じてくれる?」 綺音:(N)始業式の翌日。私は、ひよりんの話をした時のお兄ちゃんのリアクションが、妙に気になっていました。 綺音:  綺音:  綺音:お兄ちゃんにも初めてお話したことなのにな・・・もしかしてどこかで見たのかな? 日和:あやねちゃん!おはようございます! 綺音:わっ!? 綺音:  綺音:  綺音:(N)考え事をしていたせいで、ひよりんの声掛けにビックリしてしまいました。 綺音:  綺音:  綺音:ひ、ひよりん・・・びっくりした・・・ 日和:わわ、えっと、ごめんなさい・・・! 綺音:いやいや、いいのいいの!ぼーっとしてた私が悪いんだし。 綺音:改めて、おはよ、ひよりん! 日和:えへへ、おはようございます!ぼーっとしてたって・・・大丈夫ですか? 綺音:あー、まぁね・・・でも大したことないから! 日和:そうなんですか?わたしがお役に立てたらいいんですけど・・・。 綺音:あーうん、もしそうなったらひよりんを頼らせてもらおうかなぁ。 日和:はい、ぜひ!そういえば昨日のドラマ見ましたか? 綺音:「100均事件簿」でしょ?見た見た! 綺音:  綺音:  綺音:(N)うーん・・・どうしたものか・・・。悩みながら、考えながら、一日一日が過ぎていきます。そして、日曜日。 日和:綺音ちゃん、こんにちは! 綺音:ひよりん、いらっしゃーい!ささ、上がって上がって! 日和:お邪魔しますー!あ、これ、「かどっこプリン」です!皆さんでどうぞ! 綺音:え!「かどっこプリン」!?いいの!?私「かどっこプリン」大好きなんだよね! 日和:わ、良かったです! 綺音:ひよりんありがとー!あ、部屋まで案内するから! 日和:はい! 0:(間) 綺音兄:お、綺音、霜月さん来たの?お茶入れる? 綺音:お、おに・・・兄貴、お願いしていい?あとさ、これ!「かどっこプリン」! 綺音兄:うっそ、マジか!霜月さんあり・・・ 綺音:・・・あり? 日和:? 綺音兄:・・・(少しうなる)。 綺音:・・・? 日和:・・・? 綺音兄:ちょっと、待って! 綺音兄:(自室にダッシュで戻って卒業アルバムを持ってくる。) 綺音兄:綺音、これ、この写真。 綺音:何よおにい・・・兄貴・・・んんん? 0:卒業アルバムに、日和の写真が載っている。 綺音:すご、ひよりんそっくりじゃん。 綺音兄:これって、霜月さん・・・じゃない? 日和:これ・・・私・・・? 綺音:何言ってんの兄貴・・・だってひよりんはアタシと同い年じゃん。 日和:っ!綺音ちゃん、ごめんなさい、私、帰りますね!! 綺音:え?いやちょっと、ひよりん!! 0:日和、綺音の家を飛び出してしまう。 綺音:(ジト目で)お兄ちゃん? 綺音兄:いや、・・・ちょっと聞いて欲しい。 綺音:何よ。 綺音兄:同姓同名の人違いだったらごめんだけど・・・ 綺音兄:この卒アルに載ってる霜月さん、事故で亡くなってるんだよ。 綺音:・・・えっ!? 0:場面転換。走って綺音の家を飛び出した日和。 日和:はぁ、はぁ、はっ・・・ 日和:  日和:  日和:(N)どうしよ・・・びっくりして綺音ちゃんの家を飛び出してきちゃった・・・。 日和:(N)・・・綺音ちゃんは、悪くないし・・・お兄さんも・・・・・・悪くないのに・・・。 日和:(N)でも・・・「わたし」が「わたし」じゃない、って思われちゃったら・・・ 日和:(N)どうしたらいいの?変な噂が広まって、学校・・・行けなくなるかも・・・。 日和:  日和:  日和:お姉ちゃん・・・助けて・・・! 0:場面転換、小春と日和のアパート 小春:あれ?日和?おかえり・・・どしたの?綺音ちゃん家、行ったんじゃなかったの? 日和:(呼吸を整えて)お姉ちゃん、私・・・!(泣き出す) 小春:え?おいおい日和、大丈夫?! 0:(間)ちゃぶ台をはさんで話す小春と日和。 0:事故に遭った日和の為、特別に霜月家にも配布された、卒業アルバムが広げられている。 小春:はい、日和。ホットミルク。これ飲んで一旦落ち着きな。 日和:ありがとうございます・・・(一口飲む)甘い・・・おいしい・・・。 小春:それにしても・・・神南さん・・・ね・・・。 日和:私が卒業アルバムに載ってるの見たら、なんだか怖くなってしまって・・・。 小春:うん。 日和:お姉ちゃん、私・・・明日、学校に行けるでしょうか・・・? 小春:んー・・・結局は日和次第なんだけどね。 日和:そう・・・ですよね・・・。 小春:日和はさ、そもそもアタシのわがままで生まれたクローンだ。 小春:でもね、アンタにとっては2回目の人生を生き始めたばっかりなんだ。 小春:アタシは正直、逃げたっていい、と思ってる。だけど、姉としての希望は・・・ 小春:そうだね。一度頑張ってみて欲しいなぁ。 日和:がんばる・・・。 小春:今回はさ、アタシもよく神南さんのこと知らなくって、 小春:たまたま知り合った子のお兄さんが日和のクラスメイトさんだったけどね。 小春:だけど、確率的にはこの後もこういうこと、あり得るわけじゃない? 日和:はい・・・。 小春:だからさ・・・勝手なこと言うけど、 小春:綺音ちゃんに向き合ってみるというか・・・綺音ちゃんと仲良くするのは 小春:いいことだと思うのよ。これからの為にもね。 小春:もしみんなから日和がいじめられたりして、 小春:無理、ってなったらさ、アタシが全力で助けるから。 日和:はい・・・お姉ちゃん、ありがとうございます。 日和:わたし、明日からもちゃんと学校行きます! 小春:うん、そうしなね。 日和:わたし、明日綺音ちゃんに全部お話しようと思います・・・。 日和:それで嫌われちゃったりしたら、またお姉ちゃんに助けてもらうかもしれません。 小春:うん。何かあったらすぐに連絡して。 日和:はいっ! 0:(間)翌日の学校、下足箱の近くで 綺音:あっ、ひよりん・・・。 日和:綺音ちゃん。 綺音:(おどおどしながら)おっ、おはよ・・・。 日和:(つとめて明るく)おはようございます!綺音ちゃん! 綺音:ひよりん、・・・うわあああん!! 日和:わわ、綺音ちゃん!? 0:綺音、日和に抱き着く 綺音:良かった、良かったよぉ・・・もう学校来ないかも、とか思って、 綺音:怖くって、ゆうべ全然寝れなくて・・・! 日和:えっと・・・綺音ちゃん、私は大丈夫ですから・・・あとで、全部お話しますね。だから・・・その・・・。 綺音:ん・・・? 日和:えと・・・みんな見てるので・・・。 綺音:ぅあ、っと・・・。 日和:はい、ハンカチ。使ってください! 綺音:ややや、悪いよそんな・・・ 日和:大丈夫ですよ! 綺音:・・・うん・・・ありがと・・・ちゃんと洗って返すね・・・ 日和:はいっ!教室、行きましょう! 0:(間)場面転換、二人の教室での会話。 日和:それでですね・・・えっと。何からお話ししましょうか。 綺音:ひよりんの思うように話してくれていいんだよ?あたし、全部受け止めるから。 日和:ありがとうございます。じゃあ、まずは・・・。 日和:私は、交通事故に遭って、一度死んじゃっているんです。 綺音:うん・・・兄貴に聞いたよ。 日和:それでその後、お姉ちゃんが私を「造って」くれたんです。私は・・・クローンなんです。 綺音:そうなんだ・・・だから、その・・・死んじゃった時のままの見た目、なの? 日和:そうですね。あ、でも事故の時の傷は全然ないんですよ!すごいですよね! 綺音:そういえばそうだね・・・初めて会った時も思ったけど・・・ 綺音:ひよりんの肌ってすごく綺麗だし・・・。 日和:えへへ。それで、学校に行きたい、って言ったのもわたしなんです。 日和:ちゃんと学校に行ってお勉強して、将来はお姉ちゃんの仕事のお手伝いをしたいな、って。 日和:でも、綺音ちゃんのお兄さんと会った時、びっくりしたのと、 日和:私のコト知られて、これから学校に通えるかな、 日和:って急に怖くなっちゃって、昨日はお家に帰っちゃったんです。ごめんなさい。 綺音:ひよりんは・・・ひよりんは悪くない!全然悪くないじゃん! 日和:あやね、ちゃん? 綺音:あたしは、ひよりんのこと全然知らなくって。 綺音:でもね、今話を聞いても全然ひよりんのこと、 綺音:ヘンだなとか気持ち悪いなとか、全然悪く思わなくって、 綺音:んと・・・だからね、あたし、ひよりんの味方でいたい。 綺音:お友達でいたい。・・・信じてくれる? 日和:えへへ、もちろんです!あの、改めて、綺音ちゃん、よろしくお願いします! 綺音:うん、よろしく!・・・ありがとね、ひよりん・・・。 日和:わ、綺音ちゃん泣かないで下さいよぉ・・・。 綺音:えへへ、だって・・・! 0:(二人、泣き笑い) 0:場面転換、別の日。小春と日和のアパートにて。 綺音:こんにちは、ひよりん、お姉さん! 小春:綺音ちゃん、いらっしゃい。狭い家だけどゆっくりしていってね。 日和:綺音ちゃんいらっしゃい!えへへ、ゆっくりしていってください! 綺音:えっと、早速ですけどこれ・・・「かどっこプリン」です!皆さんでどうぞ! 小春:ありゃ、そんな気を遣わなくっていいのに。 日和:綺音ちゃん、ありがとうございます! 綺音:いえいえー。 小春:さ、上がって上がって。みんなでお茶でもしよ。 綺音:はい!お邪魔します! 日和:(N)綺音ちゃん、元気になって良かった。 日和:(N)綺音ちゃんがいれば、安心して学校に行ける気がします。 綺音:(小声で)ひよりんひよりん、お姉さんめっちゃ美人じゃん! 日和:(小声で)そうですか?えへへ、今はちゃんとしてるから、ですよ!普段はもっと・・・ 小春:二人とも? 綺音:(日和と同時に)はいっ!? 日和:(綺音と同時に)はい! 小春:(にやりと笑って)聞こえてるからね? 綺音:(日和と同時に)あはは・・・ 日和:(綺音と同時に)えへへ・・・ 日和:(N)この後二人とも、お姉ちゃんにくすぐりの刑にされるのでした。 0:おしまい。