台本概要
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タイトル | 二人なら(百合) |
---|---|
作者名 | maturit (@inui_maturi) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(女2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ご自由に
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
アカネ | 女 | 111 | |
アオイ | 女 | 110 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
アカネ:「こんばんはアオイちゃん」
アオイ:「あ、こんばんわアカネさん」
アカネ:「待たせちゃったかな?」
アオイ:「いえ、私も今来た所です」
アカネ:「なら良かった」
アオイ:「ごめんなさい、急に呼び出してしまって」
アカネ:「私とアオイちゃんの仲じゃない、気にしないで」
アオイ:「あの…アカネさん」
アカネ:「なぁに?」
アオイ:「先日は助けてくれてありがとうございます」
アカネ:「ああ、もしかしてこの前、ナンパされてた所を助けた事?」
アオイ:「はい、本当にありがとうございます」
アカネ:「なんであんな真夜中に出歩いていたのかしら?」
アオイ:「い、色々あったんです…でもアカネさん…背負い投げは、ちょっとやり過ぎです」
アカネ:「いやーあの時はちょっとイライラしてて、半(なか)ば八つ当たりかな」
アオイ:「それでも…カッコよかったです」
アカネ:「カッコイイ…」
アオイ:「あ、すみませんっ! 決して男ぽいとかではなくっ! そ、その…とても綺麗でした」
アカネ:「いいのいいの、そういうには慣れてるから」
アオイ:「八つ当たりって…仕事関係ですか?」
アカネ:「そうなのよぉ」
アオイ:「私で良ければ聞きますよ?」
アカネ:「え、いいの?」
アオイ:「はい、助けていただいたお礼…にもならないかもしれませんけど」
アカネ:「聞いて貰えるだけでも、本当に助かるわ」
アオイ:「そういう事…言える人はいないんですか?」
アカネ:「え? ああ、いないいないっ」
アオイ:「そうなんですか…意外です」
アカネ:「そう? 昔からガサツで男っぽいて言われてたし、同世代の女性と合わなくて」
アオイ:「そうなんですね」
アカネ:「だから、愚痴を聞いて貰えるだけでもうれしいわ」
アオイ:「はい、私でよければ」
アカネ:「ありがとぉアオイちゃん大好きっ」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!?」
アカネ:「ああもうアオイちゃんは可愛いなぁ」
アオイ:「急に抱きつかれるとっ」
アカネ:「抱きつかれるとなぁに? もしかして通報しちゃう?」
アオイ:「し、しませんけどっ」
アカネ:「ごめんごめんっ人肌恋しいってやつね」
アオイ:「あっ…もう少しだけ」
アカネ:「何か言った?」
アオイ:「な、なんでもないです」
アカネ:「実はね、仕事場でちょっとしたトラブルがあってね」
アオイ:「トラブル…ですか?」
アカネ:「そうなの、まあ…イジメかな」
アオイ:「…そうなんですか」
アカネ:「あ、私じゃないわよっ」
アオイ:「わかってます」
アカネ:「でね、その子を助けようと動いてたんだけど…上手くいかなくてね」
アオイ:「そうなんですか? アカネさんならなんでも出来そうなイメージでした」
アカネ:「私は神様じゃないわよ?」
アオイ:「昔からなんでもできる私のヒーローでしたから」
アカネ:「ヒーローかぁー」
アオイ:「あっ、違うんですっ!」
アカネ:「いいのいいの、私は女っぽくないし」
アオイ:「えーと、私にとっての憧れなんです」
アカネ:「憧れかぁ、そんな立派な人間じゃないよ」
アオイ:「そんなことありませんっ!」
アカネ:「そ、そう?」
アオイ:「私が…中学の時にイジメられてた時、アカネさんが教室に乗り込んで来た時の事…今でも鮮明に思い出せます」
アカネ:「そんな事もあったなぁ」
アオイ:「それ以来…クラスにも馴染んで…友達も出来ました」
アカネ:「それはアオイちゃんの力だよ」
アオイ:「そんな事はないですよ」
アカネ:「私はきっかけを作っただけ」
アオイ:「人間…初めの1歩を1番躊躇(ためら)うんですよ」
アカネ:「アオイちゃんは頭は難しい事を言うけど、お姉さんバカであんまり理解出来てないかも」
アオイ:「私が考え過ぎなだけです」
アカネ:「社会に出てから思ったよ…考え過ぎなくらいが丁度(ちょうど)いいって」
アオイ:「そうなんですか?」
アカネ:「そうだね、学生時代なら腕っ節の力で何とかなるけど…社会はそうじゃない」
アオイ:「アカネさん強いから」
アカネ:「これでも柔道と空手は有段者ですから」
アオイ:「でも…アカネさんは心も強いんですよ」
アカネ:「私は強くないよ」
アオイ:「強いんですよっ!!」
アカネ:「あ、アオイちゃん?」
アオイ:「ごめんなさい…でも…本当にアカネさんは強いんですよ」
アカネ:「そうかなぁ」
アオイ:「アカネさんは会社でのイジメを止めようと動いているんですよね?」
アカネ:「そうだけど…あまり上手くいってないよ」
アオイ:「…実は今の高校でもクラスでイジメがあって…私は…見て見ぬふりをしているんです」
アカネ:「そっか」
アオイ:「私もイジメに加担してるのと同じじゃないかって…そう思うと…自分が嫌になって…」
アカネ:「だからあんな時間に出歩いてたの?」
アオイ:「はい…自分が…本当に情けなくて」
アカネ:「バカね」
アオイ:「あ、アカネさんっ!?」
アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いなぁ」
アオイ:「どうして…こんな何もできないのに…」
アカネ:「人には向き不向きはあるんだよ、動ける私と動けないアオイちゃん」
アオイ:「…」
アカネ:「考えれない私と考えられるアオイちゃん」
アオイ:「…」
アカネ:「私は動く事しか出来ないから、守れない人がいるけど、考える事のできるアオイちゃんだから守れる人もねいるんだよ?」
アオイ:「そうなん…でしょうか?」
アカネ:「そうだよ」
アオイ:「私は…私は…」
アカネ:「ストップ」
アオイ:「え?」
アカネ:「今、考えずに言葉を出そうとしたでしょ?」
アオイ:「は、はい」
アカネ:「アオイちゃんは考え無しに感情で動いちゃう悪い癖があるわ」
アオイ:「…そうですね」
アカネ:「ちゃんと考えれるんだから…考えないとダメよ?」
アオイ:「…そうですね」
アカネ:「うんっ! よろしいっ!」
アオイ:「アカネさん」
アカネ:「なぁにアオイちゃん」
アオイ:「私は考えてもどうしても分からない事が一つだけあるんです」
アカネ:「アオイちゃんが考えても分からない事かぁ…お姉さんさんには荷が重いなぁ」
アオイ:「それでも聞いてもらいたいんです」
アカネ:「んー、よしわかったっ! お姉さんが聞いてあげよう」
アオイ:「ありがとうございます」
アカネ:「それで何に悩んでいるのかな?」
アオイ:「…私…好きな人がいるんです」
アカネ:「恋の悩みかぁ」
アオイ:「その人を好きになって…それが正しいのかと…考えるんです」
アカネ:「正しい?」
アオイ:「はい、私は…その…同性が好きなんです」
アカネ:「そうなの?」
アオイ:「はい、でもやっぱりおかしいですよね?」
アカネ:「まあ、普通じゃないかもしれないわ」
アオイ:「っ!?」
アカネ:「でもね、好きに正しくないなんて誰が決めるの?」
アオイ:「…わかりません」
アカネ:「決める人がいないなら、自分で決めればいいのよ」
アオイ:「自分で…ですか?」
アカネ:「アオイちゃんが出した答えは、きっと間違いじゃない」
アオイ:「そんな事…ないですよ」
アカネ:「大丈夫、私はアオイちゃんの答えを応援するわ」
アオイ:「アカネさんは…私を気持ち悪いと思わないですか?」
アカネ:「もうっ何言ってるのよぉ、こんなに可愛いアオイちゃんを気持ち悪いなんてっ!!」
アオイ:「そうでしょうか?」
アカネ:「そうよっ! もう食べちゃいたいくらいっ!」
アオイ:「食べてもいいですよ?」
アカネ:「え?」
アオイ:「私…アカネさんに食べられたいです…なんて…」
アカネ:「も、もうアオイちゃんはお姉さんをからかってぇ」
アオイ:「もしも、私が好きだと言ったら…どうしますか?」
アカネ:「そう…ね…私の事を好きなら…」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!!」
アカネ:「暴れないでねアオイちゃん」
アオイ:「は、はい」
アカネ:「アオイちゃんを私だけの物にしたいわ」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!? も、もしかして私をからかってますかっ!?」
アカネ:「私…本気なんだよ?」
アオイ:「…そ、そんなこと言われたら…私…」
アカネ:「キスしてもいいかしら?」
アオイ:「…はい」
アカネ:「大好きだよ…アオイちゃん」
アオイ:「私も…好きです」
アカネ:「目を閉じて貰ってもいいかしら?」
アオイ:「はい」
アカネ:「じゃあ、いくわね?」
アオイ:「はい」
アカネ:「(頬にキスをする)」
アオイ:「え?」
アカネ:「びっくりした?」
アオイ:「え?」
アカネ:「あれぇもしかして口にすると思ったのかしら?」
アオイ:「か、からかいましたねっ!?」
アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いわね」
アオイ:「もうアカネさんなんて嫌いですっ!!」
アカネ:「ごめんなさいね、アオイちゃん」
アオイ:「許しませんっ」
アカネ:「どうしたら許してくれるの?」
アオイ:「ご自分で考えてください」
アカネ:「ありゃ、本気で怒らせちゃったかなぁ」
アオイ:「私…本気だったんですよ?」
アカネ:「本当に悪かったわ」
アオイ:「子供だと思って…大人って本当にずるい…」
アカネ:「私は子供だなんて思ってないわよ?」
アオイ:「いいえっ! 心の奥底で思ってます」
アカネ:「どうして信じてくれないのかしら?」
アオイ:「アカネさんが…意地悪(いじわる)だからです」
アカネ:「私だって照れくさいのよ」
アオイ:「嘘です」
アカネ:「本当よ?」
アオイ:「じゃあ、ちゃんと目を閉じて…私の事を子供じゃないって心の奥底から言ってください」
アカネ:「いいわよ」
アオイ:「言えたら許してあげます」
アカネ:「じゃあ、言うわよ?」
アカネ:
アカネ:「アオイちゃんは子供じゃ──」
アオイ:「(唇にキス)」
アカネ:「えっ!?」
アオイ:「しょうがないので今日は許します」
アカネ:「あ、アオイちゃん?」
アオイ:「なんですかー?」
アカネ:「唇にキスしたの?」
アオイ:「さぁて、どうでしょう」
アカネ:「私は…」
アオイ:「いいんです…これは私の考えで起こした事です」
アカネ:「でも」
アオイ:「私はアカネさんが好きです」
アカネ:「私は…」
アオイ:「でも、急に答えを貰えるとは思ってないです」
アカネ:「そうね」
アオイ:「でも、諦めてませんから」
アカネ:「時間がかかるかもしれないわよ? 私はバカだけど…バカなりに考えて答えを出したいの」
アオイ:「待ちますよ…片思いをもう五年ですよ?」
アカネ:「それは凄いわね」
アオイ:「だから、ちゃんとアカネさんの正しい答えを聞かせてください」
アカネ:「どっちが大人かわからないわね」
アオイ:「そうですねっ」
アカネ:「じゃあ今度…デートとかどうかしら?」
アオイ:「是非(ぜひ)っ!!」
アカネ:「じゃあ、今度の日曜日ね」
アオイ:「わかりました」
アカネ:「アオイちゃんなら、考えどんな問題でも解決できるわ」
アオイ:「アカネさんなら、どんな壁も乗り越えられる筈です」
アカネ:「その…ね、アオイちゃんの事…好きよ」
アオイ:「私はアカネさんの事…愛してます」
アカネ:「じゃあ、日曜日ね」
アオイ:「はい」
アカネ:「連絡を入れるわね」
アオイ:「お待ちしています」
アカネ:「それじゃあ、またねっ」
アオイ:「はい、また今度」
アオイ:
アオイ:
アオイ:
アカネ:私は彼女を見送り、スマホを開くとアオイちゃんから画像とメールが送られてきていた
アカネ:「なっ!?」
アカネ:それは目を閉じた私にアオイちゃんが唇にキスをする画像
アカネ:メールの文面は
アオイ:「既成事実(きせいじじつ)です」
アカネ:という単文
アカネ:「かなわないなぁ」
アカネ:私がどんな答えを出せるのか、そんな事を考えながら、私は送られてきた画像をスマホの背景画像に設定した
アカネ:「こんばんはアオイちゃん」
アオイ:「あ、こんばんわアカネさん」
アカネ:「待たせちゃったかな?」
アオイ:「いえ、私も今来た所です」
アカネ:「なら良かった」
アオイ:「ごめんなさい、急に呼び出してしまって」
アカネ:「私とアオイちゃんの仲じゃない、気にしないで」
アオイ:「あの…アカネさん」
アカネ:「なぁに?」
アオイ:「先日は助けてくれてありがとうございます」
アカネ:「ああ、もしかしてこの前、ナンパされてた所を助けた事?」
アオイ:「はい、本当にありがとうございます」
アカネ:「なんであんな真夜中に出歩いていたのかしら?」
アオイ:「い、色々あったんです…でもアカネさん…背負い投げは、ちょっとやり過ぎです」
アカネ:「いやーあの時はちょっとイライラしてて、半(なか)ば八つ当たりかな」
アオイ:「それでも…カッコよかったです」
アカネ:「カッコイイ…」
アオイ:「あ、すみませんっ! 決して男ぽいとかではなくっ! そ、その…とても綺麗でした」
アカネ:「いいのいいの、そういうには慣れてるから」
アオイ:「八つ当たりって…仕事関係ですか?」
アカネ:「そうなのよぉ」
アオイ:「私で良ければ聞きますよ?」
アカネ:「え、いいの?」
アオイ:「はい、助けていただいたお礼…にもならないかもしれませんけど」
アカネ:「聞いて貰えるだけでも、本当に助かるわ」
アオイ:「そういう事…言える人はいないんですか?」
アカネ:「え? ああ、いないいないっ」
アオイ:「そうなんですか…意外です」
アカネ:「そう? 昔からガサツで男っぽいて言われてたし、同世代の女性と合わなくて」
アオイ:「そうなんですね」
アカネ:「だから、愚痴を聞いて貰えるだけでもうれしいわ」
アオイ:「はい、私でよければ」
アカネ:「ありがとぉアオイちゃん大好きっ」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!?」
アカネ:「ああもうアオイちゃんは可愛いなぁ」
アオイ:「急に抱きつかれるとっ」
アカネ:「抱きつかれるとなぁに? もしかして通報しちゃう?」
アオイ:「し、しませんけどっ」
アカネ:「ごめんごめんっ人肌恋しいってやつね」
アオイ:「あっ…もう少しだけ」
アカネ:「何か言った?」
アオイ:「な、なんでもないです」
アカネ:「実はね、仕事場でちょっとしたトラブルがあってね」
アオイ:「トラブル…ですか?」
アカネ:「そうなの、まあ…イジメかな」
アオイ:「…そうなんですか」
アカネ:「あ、私じゃないわよっ」
アオイ:「わかってます」
アカネ:「でね、その子を助けようと動いてたんだけど…上手くいかなくてね」
アオイ:「そうなんですか? アカネさんならなんでも出来そうなイメージでした」
アカネ:「私は神様じゃないわよ?」
アオイ:「昔からなんでもできる私のヒーローでしたから」
アカネ:「ヒーローかぁー」
アオイ:「あっ、違うんですっ!」
アカネ:「いいのいいの、私は女っぽくないし」
アオイ:「えーと、私にとっての憧れなんです」
アカネ:「憧れかぁ、そんな立派な人間じゃないよ」
アオイ:「そんなことありませんっ!」
アカネ:「そ、そう?」
アオイ:「私が…中学の時にイジメられてた時、アカネさんが教室に乗り込んで来た時の事…今でも鮮明に思い出せます」
アカネ:「そんな事もあったなぁ」
アオイ:「それ以来…クラスにも馴染んで…友達も出来ました」
アカネ:「それはアオイちゃんの力だよ」
アオイ:「そんな事はないですよ」
アカネ:「私はきっかけを作っただけ」
アオイ:「人間…初めの1歩を1番躊躇(ためら)うんですよ」
アカネ:「アオイちゃんは頭は難しい事を言うけど、お姉さんバカであんまり理解出来てないかも」
アオイ:「私が考え過ぎなだけです」
アカネ:「社会に出てから思ったよ…考え過ぎなくらいが丁度(ちょうど)いいって」
アオイ:「そうなんですか?」
アカネ:「そうだね、学生時代なら腕っ節の力で何とかなるけど…社会はそうじゃない」
アオイ:「アカネさん強いから」
アカネ:「これでも柔道と空手は有段者ですから」
アオイ:「でも…アカネさんは心も強いんですよ」
アカネ:「私は強くないよ」
アオイ:「強いんですよっ!!」
アカネ:「あ、アオイちゃん?」
アオイ:「ごめんなさい…でも…本当にアカネさんは強いんですよ」
アカネ:「そうかなぁ」
アオイ:「アカネさんは会社でのイジメを止めようと動いているんですよね?」
アカネ:「そうだけど…あまり上手くいってないよ」
アオイ:「…実は今の高校でもクラスでイジメがあって…私は…見て見ぬふりをしているんです」
アカネ:「そっか」
アオイ:「私もイジメに加担してるのと同じじゃないかって…そう思うと…自分が嫌になって…」
アカネ:「だからあんな時間に出歩いてたの?」
アオイ:「はい…自分が…本当に情けなくて」
アカネ:「バカね」
アオイ:「あ、アカネさんっ!?」
アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いなぁ」
アオイ:「どうして…こんな何もできないのに…」
アカネ:「人には向き不向きはあるんだよ、動ける私と動けないアオイちゃん」
アオイ:「…」
アカネ:「考えれない私と考えられるアオイちゃん」
アオイ:「…」
アカネ:「私は動く事しか出来ないから、守れない人がいるけど、考える事のできるアオイちゃんだから守れる人もねいるんだよ?」
アオイ:「そうなん…でしょうか?」
アカネ:「そうだよ」
アオイ:「私は…私は…」
アカネ:「ストップ」
アオイ:「え?」
アカネ:「今、考えずに言葉を出そうとしたでしょ?」
アオイ:「は、はい」
アカネ:「アオイちゃんは考え無しに感情で動いちゃう悪い癖があるわ」
アオイ:「…そうですね」
アカネ:「ちゃんと考えれるんだから…考えないとダメよ?」
アオイ:「…そうですね」
アカネ:「うんっ! よろしいっ!」
アオイ:「アカネさん」
アカネ:「なぁにアオイちゃん」
アオイ:「私は考えてもどうしても分からない事が一つだけあるんです」
アカネ:「アオイちゃんが考えても分からない事かぁ…お姉さんさんには荷が重いなぁ」
アオイ:「それでも聞いてもらいたいんです」
アカネ:「んー、よしわかったっ! お姉さんが聞いてあげよう」
アオイ:「ありがとうございます」
アカネ:「それで何に悩んでいるのかな?」
アオイ:「…私…好きな人がいるんです」
アカネ:「恋の悩みかぁ」
アオイ:「その人を好きになって…それが正しいのかと…考えるんです」
アカネ:「正しい?」
アオイ:「はい、私は…その…同性が好きなんです」
アカネ:「そうなの?」
アオイ:「はい、でもやっぱりおかしいですよね?」
アカネ:「まあ、普通じゃないかもしれないわ」
アオイ:「っ!?」
アカネ:「でもね、好きに正しくないなんて誰が決めるの?」
アオイ:「…わかりません」
アカネ:「決める人がいないなら、自分で決めればいいのよ」
アオイ:「自分で…ですか?」
アカネ:「アオイちゃんが出した答えは、きっと間違いじゃない」
アオイ:「そんな事…ないですよ」
アカネ:「大丈夫、私はアオイちゃんの答えを応援するわ」
アオイ:「アカネさんは…私を気持ち悪いと思わないですか?」
アカネ:「もうっ何言ってるのよぉ、こんなに可愛いアオイちゃんを気持ち悪いなんてっ!!」
アオイ:「そうでしょうか?」
アカネ:「そうよっ! もう食べちゃいたいくらいっ!」
アオイ:「食べてもいいですよ?」
アカネ:「え?」
アオイ:「私…アカネさんに食べられたいです…なんて…」
アカネ:「も、もうアオイちゃんはお姉さんをからかってぇ」
アオイ:「もしも、私が好きだと言ったら…どうしますか?」
アカネ:「そう…ね…私の事を好きなら…」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!!」
アカネ:「暴れないでねアオイちゃん」
アオイ:「は、はい」
アカネ:「アオイちゃんを私だけの物にしたいわ」
アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!? も、もしかして私をからかってますかっ!?」
アカネ:「私…本気なんだよ?」
アオイ:「…そ、そんなこと言われたら…私…」
アカネ:「キスしてもいいかしら?」
アオイ:「…はい」
アカネ:「大好きだよ…アオイちゃん」
アオイ:「私も…好きです」
アカネ:「目を閉じて貰ってもいいかしら?」
アオイ:「はい」
アカネ:「じゃあ、いくわね?」
アオイ:「はい」
アカネ:「(頬にキスをする)」
アオイ:「え?」
アカネ:「びっくりした?」
アオイ:「え?」
アカネ:「あれぇもしかして口にすると思ったのかしら?」
アオイ:「か、からかいましたねっ!?」
アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いわね」
アオイ:「もうアカネさんなんて嫌いですっ!!」
アカネ:「ごめんなさいね、アオイちゃん」
アオイ:「許しませんっ」
アカネ:「どうしたら許してくれるの?」
アオイ:「ご自分で考えてください」
アカネ:「ありゃ、本気で怒らせちゃったかなぁ」
アオイ:「私…本気だったんですよ?」
アカネ:「本当に悪かったわ」
アオイ:「子供だと思って…大人って本当にずるい…」
アカネ:「私は子供だなんて思ってないわよ?」
アオイ:「いいえっ! 心の奥底で思ってます」
アカネ:「どうして信じてくれないのかしら?」
アオイ:「アカネさんが…意地悪(いじわる)だからです」
アカネ:「私だって照れくさいのよ」
アオイ:「嘘です」
アカネ:「本当よ?」
アオイ:「じゃあ、ちゃんと目を閉じて…私の事を子供じゃないって心の奥底から言ってください」
アカネ:「いいわよ」
アオイ:「言えたら許してあげます」
アカネ:「じゃあ、言うわよ?」
アカネ:
アカネ:「アオイちゃんは子供じゃ──」
アオイ:「(唇にキス)」
アカネ:「えっ!?」
アオイ:「しょうがないので今日は許します」
アカネ:「あ、アオイちゃん?」
アオイ:「なんですかー?」
アカネ:「唇にキスしたの?」
アオイ:「さぁて、どうでしょう」
アカネ:「私は…」
アオイ:「いいんです…これは私の考えで起こした事です」
アカネ:「でも」
アオイ:「私はアカネさんが好きです」
アカネ:「私は…」
アオイ:「でも、急に答えを貰えるとは思ってないです」
アカネ:「そうね」
アオイ:「でも、諦めてませんから」
アカネ:「時間がかかるかもしれないわよ? 私はバカだけど…バカなりに考えて答えを出したいの」
アオイ:「待ちますよ…片思いをもう五年ですよ?」
アカネ:「それは凄いわね」
アオイ:「だから、ちゃんとアカネさんの正しい答えを聞かせてください」
アカネ:「どっちが大人かわからないわね」
アオイ:「そうですねっ」
アカネ:「じゃあ今度…デートとかどうかしら?」
アオイ:「是非(ぜひ)っ!!」
アカネ:「じゃあ、今度の日曜日ね」
アオイ:「わかりました」
アカネ:「アオイちゃんなら、考えどんな問題でも解決できるわ」
アオイ:「アカネさんなら、どんな壁も乗り越えられる筈です」
アカネ:「その…ね、アオイちゃんの事…好きよ」
アオイ:「私はアカネさんの事…愛してます」
アカネ:「じゃあ、日曜日ね」
アオイ:「はい」
アカネ:「連絡を入れるわね」
アオイ:「お待ちしています」
アカネ:「それじゃあ、またねっ」
アオイ:「はい、また今度」
アオイ:
アオイ:
アオイ:
アカネ:私は彼女を見送り、スマホを開くとアオイちゃんから画像とメールが送られてきていた
アカネ:「なっ!?」
アカネ:それは目を閉じた私にアオイちゃんが唇にキスをする画像
アカネ:メールの文面は
アオイ:「既成事実(きせいじじつ)です」
アカネ:という単文
アカネ:「かなわないなぁ」
アカネ:私がどんな答えを出せるのか、そんな事を考えながら、私は送られてきた画像をスマホの背景画像に設定した