台本概要

 332 views 

タイトル 二人なら(百合)
作者名 maturit  (@inui_maturi)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ご自由に

 332 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
アカネ 111
アオイ 110
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
アカネ:「こんばんはアオイちゃん」 アオイ:「あ、こんばんわアカネさん」 アカネ:「待たせちゃったかな?」 アオイ:「いえ、私も今来た所です」 アカネ:「なら良かった」 アオイ:「ごめんなさい、急に呼び出してしまって」 アカネ:「私とアオイちゃんの仲じゃない、気にしないで」 アオイ:「あの…アカネさん」 アカネ:「なぁに?」 アオイ:「先日は助けてくれてありがとうございます」 アカネ:「ああ、もしかしてこの前、ナンパされてた所を助けた事?」 アオイ:「はい、本当にありがとうございます」 アカネ:「なんであんな真夜中に出歩いていたのかしら?」 アオイ:「い、色々あったんです…でもアカネさん…背負い投げは、ちょっとやり過ぎです」 アカネ:「いやーあの時はちょっとイライラしてて、半(なか)ば八つ当たりかな」 アオイ:「それでも…カッコよかったです」 アカネ:「カッコイイ…」 アオイ:「あ、すみませんっ! 決して男ぽいとかではなくっ! そ、その…とても綺麗でした」 アカネ:「いいのいいの、そういうには慣れてるから」 アオイ:「八つ当たりって…仕事関係ですか?」 アカネ:「そうなのよぉ」 アオイ:「私で良ければ聞きますよ?」 アカネ:「え、いいの?」 アオイ:「はい、助けていただいたお礼…にもならないかもしれませんけど」 アカネ:「聞いて貰えるだけでも、本当に助かるわ」 アオイ:「そういう事…言える人はいないんですか?」 アカネ:「え? ああ、いないいないっ」 アオイ:「そうなんですか…意外です」 アカネ:「そう? 昔からガサツで男っぽいて言われてたし、同世代の女性と合わなくて」 アオイ:「そうなんですね」 アカネ:「だから、愚痴を聞いて貰えるだけでもうれしいわ」 アオイ:「はい、私でよければ」 アカネ:「ありがとぉアオイちゃん大好きっ」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!?」 アカネ:「ああもうアオイちゃんは可愛いなぁ」 アオイ:「急に抱きつかれるとっ」 アカネ:「抱きつかれるとなぁに? もしかして通報しちゃう?」 アオイ:「し、しませんけどっ」 アカネ:「ごめんごめんっ人肌恋しいってやつね」 アオイ:「あっ…もう少しだけ」 アカネ:「何か言った?」 アオイ:「な、なんでもないです」 アカネ:「実はね、仕事場でちょっとしたトラブルがあってね」 アオイ:「トラブル…ですか?」 アカネ:「そうなの、まあ…イジメかな」 アオイ:「…そうなんですか」 アカネ:「あ、私じゃないわよっ」 アオイ:「わかってます」 アカネ:「でね、その子を助けようと動いてたんだけど…上手くいかなくてね」 アオイ:「そうなんですか? アカネさんならなんでも出来そうなイメージでした」 アカネ:「私は神様じゃないわよ?」 アオイ:「昔からなんでもできる私のヒーローでしたから」 アカネ:「ヒーローかぁー」 アオイ:「あっ、違うんですっ!」 アカネ:「いいのいいの、私は女っぽくないし」 アオイ:「えーと、私にとっての憧れなんです」 アカネ:「憧れかぁ、そんな立派な人間じゃないよ」 アオイ:「そんなことありませんっ!」 アカネ:「そ、そう?」 アオイ:「私が…中学の時にイジメられてた時、アカネさんが教室に乗り込んで来た時の事…今でも鮮明に思い出せます」 アカネ:「そんな事もあったなぁ」 アオイ:「それ以来…クラスにも馴染んで…友達も出来ました」 アカネ:「それはアオイちゃんの力だよ」 アオイ:「そんな事はないですよ」 アカネ:「私はきっかけを作っただけ」 アオイ:「人間…初めの1歩を1番躊躇(ためら)うんですよ」 アカネ:「アオイちゃんは頭は難しい事を言うけど、お姉さんバカであんまり理解出来てないかも」 アオイ:「私が考え過ぎなだけです」 アカネ:「社会に出てから思ったよ…考え過ぎなくらいが丁度(ちょうど)いいって」 アオイ:「そうなんですか?」 アカネ:「そうだね、学生時代なら腕っ節の力で何とかなるけど…社会はそうじゃない」 アオイ:「アカネさん強いから」 アカネ:「これでも柔道と空手は有段者ですから」 アオイ:「でも…アカネさんは心も強いんですよ」 アカネ:「私は強くないよ」 アオイ:「強いんですよっ!!」 アカネ:「あ、アオイちゃん?」 アオイ:「ごめんなさい…でも…本当にアカネさんは強いんですよ」 アカネ:「そうかなぁ」 アオイ:「アカネさんは会社でのイジメを止めようと動いているんですよね?」 アカネ:「そうだけど…あまり上手くいってないよ」 アオイ:「…実は今の高校でもクラスでイジメがあって…私は…見て見ぬふりをしているんです」 アカネ:「そっか」 アオイ:「私もイジメに加担してるのと同じじゃないかって…そう思うと…自分が嫌になって…」 アカネ:「だからあんな時間に出歩いてたの?」 アオイ:「はい…自分が…本当に情けなくて」 アカネ:「バカね」 アオイ:「あ、アカネさんっ!?」 アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いなぁ」 アオイ:「どうして…こんな何もできないのに…」 アカネ:「人には向き不向きはあるんだよ、動ける私と動けないアオイちゃん」 アオイ:「…」 アカネ:「考えれない私と考えられるアオイちゃん」 アオイ:「…」 アカネ:「私は動く事しか出来ないから、守れない人がいるけど、考える事のできるアオイちゃんだから守れる人もねいるんだよ?」 アオイ:「そうなん…でしょうか?」 アカネ:「そうだよ」 アオイ:「私は…私は…」 アカネ:「ストップ」 アオイ:「え?」 アカネ:「今、考えずに言葉を出そうとしたでしょ?」 アオイ:「は、はい」 アカネ:「アオイちゃんは考え無しに感情で動いちゃう悪い癖があるわ」 アオイ:「…そうですね」 アカネ:「ちゃんと考えれるんだから…考えないとダメよ?」 アオイ:「…そうですね」 アカネ:「うんっ! よろしいっ!」 アオイ:「アカネさん」 アカネ:「なぁにアオイちゃん」 アオイ:「私は考えてもどうしても分からない事が一つだけあるんです」 アカネ:「アオイちゃんが考えても分からない事かぁ…お姉さんさんには荷が重いなぁ」 アオイ:「それでも聞いてもらいたいんです」 アカネ:「んー、よしわかったっ! お姉さんが聞いてあげよう」 アオイ:「ありがとうございます」 アカネ:「それで何に悩んでいるのかな?」 アオイ:「…私…好きな人がいるんです」 アカネ:「恋の悩みかぁ」 アオイ:「その人を好きになって…それが正しいのかと…考えるんです」 アカネ:「正しい?」 アオイ:「はい、私は…その…同性が好きなんです」 アカネ:「そうなの?」 アオイ:「はい、でもやっぱりおかしいですよね?」 アカネ:「まあ、普通じゃないかもしれないわ」 アオイ:「っ!?」 アカネ:「でもね、好きに正しくないなんて誰が決めるの?」 アオイ:「…わかりません」 アカネ:「決める人がいないなら、自分で決めればいいのよ」 アオイ:「自分で…ですか?」 アカネ:「アオイちゃんが出した答えは、きっと間違いじゃない」 アオイ:「そんな事…ないですよ」 アカネ:「大丈夫、私はアオイちゃんの答えを応援するわ」 アオイ:「アカネさんは…私を気持ち悪いと思わないですか?」 アカネ:「もうっ何言ってるのよぉ、こんなに可愛いアオイちゃんを気持ち悪いなんてっ!!」 アオイ:「そうでしょうか?」 アカネ:「そうよっ! もう食べちゃいたいくらいっ!」 アオイ:「食べてもいいですよ?」 アカネ:「え?」 アオイ:「私…アカネさんに食べられたいです…なんて…」 アカネ:「も、もうアオイちゃんはお姉さんをからかってぇ」 アオイ:「もしも、私が好きだと言ったら…どうしますか?」 アカネ:「そう…ね…私の事を好きなら…」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!!」 アカネ:「暴れないでねアオイちゃん」 アオイ:「は、はい」 アカネ:「アオイちゃんを私だけの物にしたいわ」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!? も、もしかして私をからかってますかっ!?」 アカネ:「私…本気なんだよ?」 アオイ:「…そ、そんなこと言われたら…私…」 アカネ:「キスしてもいいかしら?」 アオイ:「…はい」 アカネ:「大好きだよ…アオイちゃん」 アオイ:「私も…好きです」 アカネ:「目を閉じて貰ってもいいかしら?」 アオイ:「はい」 アカネ:「じゃあ、いくわね?」 アオイ:「はい」 アカネ:「(頬にキスをする)」 アオイ:「え?」 アカネ:「びっくりした?」 アオイ:「え?」 アカネ:「あれぇもしかして口にすると思ったのかしら?」 アオイ:「か、からかいましたねっ!?」 アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いわね」 アオイ:「もうアカネさんなんて嫌いですっ!!」 アカネ:「ごめんなさいね、アオイちゃん」 アオイ:「許しませんっ」 アカネ:「どうしたら許してくれるの?」 アオイ:「ご自分で考えてください」 アカネ:「ありゃ、本気で怒らせちゃったかなぁ」 アオイ:「私…本気だったんですよ?」 アカネ:「本当に悪かったわ」 アオイ:「子供だと思って…大人って本当にずるい…」 アカネ:「私は子供だなんて思ってないわよ?」 アオイ:「いいえっ! 心の奥底で思ってます」 アカネ:「どうして信じてくれないのかしら?」 アオイ:「アカネさんが…意地悪(いじわる)だからです」 アカネ:「私だって照れくさいのよ」 アオイ:「嘘です」 アカネ:「本当よ?」 アオイ:「じゃあ、ちゃんと目を閉じて…私の事を子供じゃないって心の奥底から言ってください」 アカネ:「いいわよ」 アオイ:「言えたら許してあげます」 アカネ:「じゃあ、言うわよ?」 アカネ: アカネ:「アオイちゃんは子供じゃ──」 アオイ:「(唇にキス)」 アカネ:「えっ!?」 アオイ:「しょうがないので今日は許します」 アカネ:「あ、アオイちゃん?」 アオイ:「なんですかー?」 アカネ:「唇にキスしたの?」 アオイ:「さぁて、どうでしょう」 アカネ:「私は…」 アオイ:「いいんです…これは私の考えで起こした事です」 アカネ:「でも」 アオイ:「私はアカネさんが好きです」 アカネ:「私は…」 アオイ:「でも、急に答えを貰えるとは思ってないです」 アカネ:「そうね」 アオイ:「でも、諦めてませんから」 アカネ:「時間がかかるかもしれないわよ? 私はバカだけど…バカなりに考えて答えを出したいの」 アオイ:「待ちますよ…片思いをもう五年ですよ?」 アカネ:「それは凄いわね」 アオイ:「だから、ちゃんとアカネさんの正しい答えを聞かせてください」 アカネ:「どっちが大人かわからないわね」 アオイ:「そうですねっ」 アカネ:「じゃあ今度…デートとかどうかしら?」 アオイ:「是非(ぜひ)っ!!」 アカネ:「じゃあ、今度の日曜日ね」 アオイ:「わかりました」 アカネ:「アオイちゃんなら、考えどんな問題でも解決できるわ」 アオイ:「アカネさんなら、どんな壁も乗り越えられる筈です」 アカネ:「その…ね、アオイちゃんの事…好きよ」 アオイ:「私はアカネさんの事…愛してます」 アカネ:「じゃあ、日曜日ね」 アオイ:「はい」 アカネ:「連絡を入れるわね」 アオイ:「お待ちしています」 アカネ:「それじゃあ、またねっ」 アオイ:「はい、また今度」 アオイ: アオイ: アオイ: アカネ:私は彼女を見送り、スマホを開くとアオイちゃんから画像とメールが送られてきていた アカネ:「なっ!?」 アカネ:それは目を閉じた私にアオイちゃんが唇にキスをする画像 アカネ:メールの文面は アオイ:「既成事実(きせいじじつ)です」 アカネ:という単文 アカネ:「かなわないなぁ」 アカネ:私がどんな答えを出せるのか、そんな事を考えながら、私は送られてきた画像をスマホの背景画像に設定した

アカネ:「こんばんはアオイちゃん」 アオイ:「あ、こんばんわアカネさん」 アカネ:「待たせちゃったかな?」 アオイ:「いえ、私も今来た所です」 アカネ:「なら良かった」 アオイ:「ごめんなさい、急に呼び出してしまって」 アカネ:「私とアオイちゃんの仲じゃない、気にしないで」 アオイ:「あの…アカネさん」 アカネ:「なぁに?」 アオイ:「先日は助けてくれてありがとうございます」 アカネ:「ああ、もしかしてこの前、ナンパされてた所を助けた事?」 アオイ:「はい、本当にありがとうございます」 アカネ:「なんであんな真夜中に出歩いていたのかしら?」 アオイ:「い、色々あったんです…でもアカネさん…背負い投げは、ちょっとやり過ぎです」 アカネ:「いやーあの時はちょっとイライラしてて、半(なか)ば八つ当たりかな」 アオイ:「それでも…カッコよかったです」 アカネ:「カッコイイ…」 アオイ:「あ、すみませんっ! 決して男ぽいとかではなくっ! そ、その…とても綺麗でした」 アカネ:「いいのいいの、そういうには慣れてるから」 アオイ:「八つ当たりって…仕事関係ですか?」 アカネ:「そうなのよぉ」 アオイ:「私で良ければ聞きますよ?」 アカネ:「え、いいの?」 アオイ:「はい、助けていただいたお礼…にもならないかもしれませんけど」 アカネ:「聞いて貰えるだけでも、本当に助かるわ」 アオイ:「そういう事…言える人はいないんですか?」 アカネ:「え? ああ、いないいないっ」 アオイ:「そうなんですか…意外です」 アカネ:「そう? 昔からガサツで男っぽいて言われてたし、同世代の女性と合わなくて」 アオイ:「そうなんですね」 アカネ:「だから、愚痴を聞いて貰えるだけでもうれしいわ」 アオイ:「はい、私でよければ」 アカネ:「ありがとぉアオイちゃん大好きっ」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!?」 アカネ:「ああもうアオイちゃんは可愛いなぁ」 アオイ:「急に抱きつかれるとっ」 アカネ:「抱きつかれるとなぁに? もしかして通報しちゃう?」 アオイ:「し、しませんけどっ」 アカネ:「ごめんごめんっ人肌恋しいってやつね」 アオイ:「あっ…もう少しだけ」 アカネ:「何か言った?」 アオイ:「な、なんでもないです」 アカネ:「実はね、仕事場でちょっとしたトラブルがあってね」 アオイ:「トラブル…ですか?」 アカネ:「そうなの、まあ…イジメかな」 アオイ:「…そうなんですか」 アカネ:「あ、私じゃないわよっ」 アオイ:「わかってます」 アカネ:「でね、その子を助けようと動いてたんだけど…上手くいかなくてね」 アオイ:「そうなんですか? アカネさんならなんでも出来そうなイメージでした」 アカネ:「私は神様じゃないわよ?」 アオイ:「昔からなんでもできる私のヒーローでしたから」 アカネ:「ヒーローかぁー」 アオイ:「あっ、違うんですっ!」 アカネ:「いいのいいの、私は女っぽくないし」 アオイ:「えーと、私にとっての憧れなんです」 アカネ:「憧れかぁ、そんな立派な人間じゃないよ」 アオイ:「そんなことありませんっ!」 アカネ:「そ、そう?」 アオイ:「私が…中学の時にイジメられてた時、アカネさんが教室に乗り込んで来た時の事…今でも鮮明に思い出せます」 アカネ:「そんな事もあったなぁ」 アオイ:「それ以来…クラスにも馴染んで…友達も出来ました」 アカネ:「それはアオイちゃんの力だよ」 アオイ:「そんな事はないですよ」 アカネ:「私はきっかけを作っただけ」 アオイ:「人間…初めの1歩を1番躊躇(ためら)うんですよ」 アカネ:「アオイちゃんは頭は難しい事を言うけど、お姉さんバカであんまり理解出来てないかも」 アオイ:「私が考え過ぎなだけです」 アカネ:「社会に出てから思ったよ…考え過ぎなくらいが丁度(ちょうど)いいって」 アオイ:「そうなんですか?」 アカネ:「そうだね、学生時代なら腕っ節の力で何とかなるけど…社会はそうじゃない」 アオイ:「アカネさん強いから」 アカネ:「これでも柔道と空手は有段者ですから」 アオイ:「でも…アカネさんは心も強いんですよ」 アカネ:「私は強くないよ」 アオイ:「強いんですよっ!!」 アカネ:「あ、アオイちゃん?」 アオイ:「ごめんなさい…でも…本当にアカネさんは強いんですよ」 アカネ:「そうかなぁ」 アオイ:「アカネさんは会社でのイジメを止めようと動いているんですよね?」 アカネ:「そうだけど…あまり上手くいってないよ」 アオイ:「…実は今の高校でもクラスでイジメがあって…私は…見て見ぬふりをしているんです」 アカネ:「そっか」 アオイ:「私もイジメに加担してるのと同じじゃないかって…そう思うと…自分が嫌になって…」 アカネ:「だからあんな時間に出歩いてたの?」 アオイ:「はい…自分が…本当に情けなくて」 アカネ:「バカね」 アオイ:「あ、アカネさんっ!?」 アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いなぁ」 アオイ:「どうして…こんな何もできないのに…」 アカネ:「人には向き不向きはあるんだよ、動ける私と動けないアオイちゃん」 アオイ:「…」 アカネ:「考えれない私と考えられるアオイちゃん」 アオイ:「…」 アカネ:「私は動く事しか出来ないから、守れない人がいるけど、考える事のできるアオイちゃんだから守れる人もねいるんだよ?」 アオイ:「そうなん…でしょうか?」 アカネ:「そうだよ」 アオイ:「私は…私は…」 アカネ:「ストップ」 アオイ:「え?」 アカネ:「今、考えずに言葉を出そうとしたでしょ?」 アオイ:「は、はい」 アカネ:「アオイちゃんは考え無しに感情で動いちゃう悪い癖があるわ」 アオイ:「…そうですね」 アカネ:「ちゃんと考えれるんだから…考えないとダメよ?」 アオイ:「…そうですね」 アカネ:「うんっ! よろしいっ!」 アオイ:「アカネさん」 アカネ:「なぁにアオイちゃん」 アオイ:「私は考えてもどうしても分からない事が一つだけあるんです」 アカネ:「アオイちゃんが考えても分からない事かぁ…お姉さんさんには荷が重いなぁ」 アオイ:「それでも聞いてもらいたいんです」 アカネ:「んー、よしわかったっ! お姉さんが聞いてあげよう」 アオイ:「ありがとうございます」 アカネ:「それで何に悩んでいるのかな?」 アオイ:「…私…好きな人がいるんです」 アカネ:「恋の悩みかぁ」 アオイ:「その人を好きになって…それが正しいのかと…考えるんです」 アカネ:「正しい?」 アオイ:「はい、私は…その…同性が好きなんです」 アカネ:「そうなの?」 アオイ:「はい、でもやっぱりおかしいですよね?」 アカネ:「まあ、普通じゃないかもしれないわ」 アオイ:「っ!?」 アカネ:「でもね、好きに正しくないなんて誰が決めるの?」 アオイ:「…わかりません」 アカネ:「決める人がいないなら、自分で決めればいいのよ」 アオイ:「自分で…ですか?」 アカネ:「アオイちゃんが出した答えは、きっと間違いじゃない」 アオイ:「そんな事…ないですよ」 アカネ:「大丈夫、私はアオイちゃんの答えを応援するわ」 アオイ:「アカネさんは…私を気持ち悪いと思わないですか?」 アカネ:「もうっ何言ってるのよぉ、こんなに可愛いアオイちゃんを気持ち悪いなんてっ!!」 アオイ:「そうでしょうか?」 アカネ:「そうよっ! もう食べちゃいたいくらいっ!」 アオイ:「食べてもいいですよ?」 アカネ:「え?」 アオイ:「私…アカネさんに食べられたいです…なんて…」 アカネ:「も、もうアオイちゃんはお姉さんをからかってぇ」 アオイ:「もしも、私が好きだと言ったら…どうしますか?」 アカネ:「そう…ね…私の事を好きなら…」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!!」 アカネ:「暴れないでねアオイちゃん」 アオイ:「は、はい」 アカネ:「アオイちゃんを私だけの物にしたいわ」 アオイ:「っ!? あ、アカネさんっ!? も、もしかして私をからかってますかっ!?」 アカネ:「私…本気なんだよ?」 アオイ:「…そ、そんなこと言われたら…私…」 アカネ:「キスしてもいいかしら?」 アオイ:「…はい」 アカネ:「大好きだよ…アオイちゃん」 アオイ:「私も…好きです」 アカネ:「目を閉じて貰ってもいいかしら?」 アオイ:「はい」 アカネ:「じゃあ、いくわね?」 アオイ:「はい」 アカネ:「(頬にキスをする)」 アオイ:「え?」 アカネ:「びっくりした?」 アオイ:「え?」 アカネ:「あれぇもしかして口にすると思ったのかしら?」 アオイ:「か、からかいましたねっ!?」 アカネ:「本当にアオイちゃんは可愛いわね」 アオイ:「もうアカネさんなんて嫌いですっ!!」 アカネ:「ごめんなさいね、アオイちゃん」 アオイ:「許しませんっ」 アカネ:「どうしたら許してくれるの?」 アオイ:「ご自分で考えてください」 アカネ:「ありゃ、本気で怒らせちゃったかなぁ」 アオイ:「私…本気だったんですよ?」 アカネ:「本当に悪かったわ」 アオイ:「子供だと思って…大人って本当にずるい…」 アカネ:「私は子供だなんて思ってないわよ?」 アオイ:「いいえっ! 心の奥底で思ってます」 アカネ:「どうして信じてくれないのかしら?」 アオイ:「アカネさんが…意地悪(いじわる)だからです」 アカネ:「私だって照れくさいのよ」 アオイ:「嘘です」 アカネ:「本当よ?」 アオイ:「じゃあ、ちゃんと目を閉じて…私の事を子供じゃないって心の奥底から言ってください」 アカネ:「いいわよ」 アオイ:「言えたら許してあげます」 アカネ:「じゃあ、言うわよ?」 アカネ: アカネ:「アオイちゃんは子供じゃ──」 アオイ:「(唇にキス)」 アカネ:「えっ!?」 アオイ:「しょうがないので今日は許します」 アカネ:「あ、アオイちゃん?」 アオイ:「なんですかー?」 アカネ:「唇にキスしたの?」 アオイ:「さぁて、どうでしょう」 アカネ:「私は…」 アオイ:「いいんです…これは私の考えで起こした事です」 アカネ:「でも」 アオイ:「私はアカネさんが好きです」 アカネ:「私は…」 アオイ:「でも、急に答えを貰えるとは思ってないです」 アカネ:「そうね」 アオイ:「でも、諦めてませんから」 アカネ:「時間がかかるかもしれないわよ? 私はバカだけど…バカなりに考えて答えを出したいの」 アオイ:「待ちますよ…片思いをもう五年ですよ?」 アカネ:「それは凄いわね」 アオイ:「だから、ちゃんとアカネさんの正しい答えを聞かせてください」 アカネ:「どっちが大人かわからないわね」 アオイ:「そうですねっ」 アカネ:「じゃあ今度…デートとかどうかしら?」 アオイ:「是非(ぜひ)っ!!」 アカネ:「じゃあ、今度の日曜日ね」 アオイ:「わかりました」 アカネ:「アオイちゃんなら、考えどんな問題でも解決できるわ」 アオイ:「アカネさんなら、どんな壁も乗り越えられる筈です」 アカネ:「その…ね、アオイちゃんの事…好きよ」 アオイ:「私はアカネさんの事…愛してます」 アカネ:「じゃあ、日曜日ね」 アオイ:「はい」 アカネ:「連絡を入れるわね」 アオイ:「お待ちしています」 アカネ:「それじゃあ、またねっ」 アオイ:「はい、また今度」 アオイ: アオイ: アオイ: アカネ:私は彼女を見送り、スマホを開くとアオイちゃんから画像とメールが送られてきていた アカネ:「なっ!?」 アカネ:それは目を閉じた私にアオイちゃんが唇にキスをする画像 アカネ:メールの文面は アオイ:「既成事実(きせいじじつ)です」 アカネ:という単文 アカネ:「かなわないなぁ」 アカネ:私がどんな答えを出せるのか、そんな事を考えながら、私は送られてきた画像をスマホの背景画像に設定した