台本概要
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タイトル | 星の夢 |
---|---|
作者名 | maturit (@inui_maturi) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ご自由に
936 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
スピカ | 不問 | 1 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
スピカ:見渡す限りの地平線
スピカ:海に佇(たたず)む駅のホームで僕は列車を待っている
スピカ:「まだこないのかな」
スピカ:両足を冷たい海水に浸(ひた)し、僕は空を仰(あお)ぐ
スピカ:「綺麗だね」
スピカ:海より蒼い空に燦々(さんさん)と輝く星達が見下ろす
スピカ:「早くそっちに行きたいなぁ」
スピカ:波ひとつない海面は僕の足で波紋(はもん)を広げる
スピカ:地平線の彼方まで震えた海面は擽(くすぐ)ったそうだ
スピカ:そんな僕を笑うように、小さな鳥が視界を過(よ)ぎる
スピカ:「君たちは何処に行くんだい?」
スピカ:そんな問いかけに、小さな鳥はガラスが砕けるような音と共に海に沈む
スピカ:「君はここが目的地だったんだね」
スピカ:小さく笑うと、鳥の創った波紋が足に静かに揺らす
スピカ:「僕はまだ先なんだ」
スピカ:そういうと、悲しそうに波紋が消えた
スピカ:「あと、どのくらい待てばいいのかな」
スピカ:この海に夜はない
スピカ:太陽が遥か遠くで小さく輝く
スピカ:この海に朝はない
スピカ:月のないこの海は、星たちのフルオーケストラだ
スピカ:「いつか…僕も歌いたいな」
スピカ:空の星を恨めしそうに見る
スピカ:そして、僕は歌う
スピカ:「らーららーらーらー」
スピカ:歌に合わせるように、星が点滅を繰り返す
スピカ:「僕も混ぜてよ」
スピカ:世界が歌うこの星は…星の夢
スピカ:消えゆく星の最後
スピカ:「僕はまた歌うよ」
スピカ:遠くで汽笛が鳴り
スピカ:足に大きな波を感じた
スピカ:「ようやく来たね」
スピカ:海面を音も立てずに走る列車が駅のホームへと近づく
スピカ:「さてと、待ちくたびれたよ」
スピカ:海から足を上げ、僅(わず)かに滴(したた)る
スピカ:足の形に数歩
スピカ:そうして出来た水たまりに
スピカ:空の星達が飛び込む様に光を映す
スピカ:「急かさなくても、僕もそっちにいくよ」
スピカ:ホームに着いた列車は無人
スピカ:「じゃあね」
スピカ:開いたドアの中に入ると、先程海に沈んだ小鳥が窓際で小さく鳴く
スピカ:「なんだ、君も僕と一緒に行きたいのかい?」
スピカ:小鳥は何も返さず、窓の外を見ては閉ざされた窓をコツンと啄(つつ)く
スピカ:「開けて欲しいのかい?」
スピカ:小鳥は僕を向いて小さく囀(さえ)った
スピカ:「はいはい」
スピカ:僕は列車の窓を引き上げて開くと、心地いい風が吹き込んだ
スピカ:「これで満足かい?」
スピカ:小鳥はそこには居なかった
スピカ:「なぁんだ、一緒に行きたいわけじゃなかったのか」
スピカ:開いた窓から外を眺める
スピカ:何処までも変わらない地平線に光が灯る
スピカ:「僕は長い旅に行くよ」
スピカ:汽笛が鳴り、列車が静かに動き出す
スピカ:変わることの無い景色の中で、風を感じながら目を閉じた
スピカ:「らーらーらー」
スピカ:歌う僕は夢を見ている
スピカ:きっと、此処(ここ)には二度と戻ることは無い
スピカ:「さあ、行こう」
スピカ:この列車が進むのは星の終わり
スピカ:星屑(ほしくず)達が歌い続ける楽園
スピカ:「さあ、歌おう」
スピカ:砕けるようなパーカッション
スピカ:燃えて絡むようなアンサンブル
スピカ:「いつか…届きますように」
スピカ:僕は小さく微笑(ほほえ)んだ
スピカ:星が流れるその刹那(せつな)
スピカ:僕は歌う夢を見た
スピカ:見渡す限りの地平線
スピカ:海に佇(たたず)む駅のホームで僕は列車を待っている
スピカ:「まだこないのかな」
スピカ:両足を冷たい海水に浸(ひた)し、僕は空を仰(あお)ぐ
スピカ:「綺麗だね」
スピカ:海より蒼い空に燦々(さんさん)と輝く星達が見下ろす
スピカ:「早くそっちに行きたいなぁ」
スピカ:波ひとつない海面は僕の足で波紋(はもん)を広げる
スピカ:地平線の彼方まで震えた海面は擽(くすぐ)ったそうだ
スピカ:そんな僕を笑うように、小さな鳥が視界を過(よ)ぎる
スピカ:「君たちは何処に行くんだい?」
スピカ:そんな問いかけに、小さな鳥はガラスが砕けるような音と共に海に沈む
スピカ:「君はここが目的地だったんだね」
スピカ:小さく笑うと、鳥の創った波紋が足に静かに揺らす
スピカ:「僕はまだ先なんだ」
スピカ:そういうと、悲しそうに波紋が消えた
スピカ:「あと、どのくらい待てばいいのかな」
スピカ:この海に夜はない
スピカ:太陽が遥か遠くで小さく輝く
スピカ:この海に朝はない
スピカ:月のないこの海は、星たちのフルオーケストラだ
スピカ:「いつか…僕も歌いたいな」
スピカ:空の星を恨めしそうに見る
スピカ:そして、僕は歌う
スピカ:「らーららーらーらー」
スピカ:歌に合わせるように、星が点滅を繰り返す
スピカ:「僕も混ぜてよ」
スピカ:世界が歌うこの星は…星の夢
スピカ:消えゆく星の最後
スピカ:「僕はまた歌うよ」
スピカ:遠くで汽笛が鳴り
スピカ:足に大きな波を感じた
スピカ:「ようやく来たね」
スピカ:海面を音も立てずに走る列車が駅のホームへと近づく
スピカ:「さてと、待ちくたびれたよ」
スピカ:海から足を上げ、僅(わず)かに滴(したた)る
スピカ:足の形に数歩
スピカ:そうして出来た水たまりに
スピカ:空の星達が飛び込む様に光を映す
スピカ:「急かさなくても、僕もそっちにいくよ」
スピカ:ホームに着いた列車は無人
スピカ:「じゃあね」
スピカ:開いたドアの中に入ると、先程海に沈んだ小鳥が窓際で小さく鳴く
スピカ:「なんだ、君も僕と一緒に行きたいのかい?」
スピカ:小鳥は何も返さず、窓の外を見ては閉ざされた窓をコツンと啄(つつ)く
スピカ:「開けて欲しいのかい?」
スピカ:小鳥は僕を向いて小さく囀(さえ)った
スピカ:「はいはい」
スピカ:僕は列車の窓を引き上げて開くと、心地いい風が吹き込んだ
スピカ:「これで満足かい?」
スピカ:小鳥はそこには居なかった
スピカ:「なぁんだ、一緒に行きたいわけじゃなかったのか」
スピカ:開いた窓から外を眺める
スピカ:何処までも変わらない地平線に光が灯る
スピカ:「僕は長い旅に行くよ」
スピカ:汽笛が鳴り、列車が静かに動き出す
スピカ:変わることの無い景色の中で、風を感じながら目を閉じた
スピカ:「らーらーらー」
スピカ:歌う僕は夢を見ている
スピカ:きっと、此処(ここ)には二度と戻ることは無い
スピカ:「さあ、行こう」
スピカ:この列車が進むのは星の終わり
スピカ:星屑(ほしくず)達が歌い続ける楽園
スピカ:「さあ、歌おう」
スピカ:砕けるようなパーカッション
スピカ:燃えて絡むようなアンサンブル
スピカ:「いつか…届きますように」
スピカ:僕は小さく微笑(ほほえ)んだ
スピカ:星が流れるその刹那(せつな)
スピカ:僕は歌う夢を見た