声劇台本置き場

マスコミ：（N）とある平和な国に１つの立派なお屋敷がありました。そこに住んでいるのは由緒正しき貴族のうさぎ三姉妹、うさ美、うさ江、うさ子 マスコミ：（N）心の美しい彼女たちは大変人気があり、国外にもその評判が出回るほどでした マスコミ：（N）ただ、彼女たちには１つだけ問題がありました。貴族でありながら、根が庶民すぎたのです マスコミ：（N）今日はマスコミが取材に来ているようですが、ちゃんと貴族としてふるまえるのでしょうか…？ 0：　 うさ美：いい？決して余計なことは言わないのよ？練習した通りに発言するの うさ江：もちろんですわ、うさ美お姉さま うさ子：もちろんですこと、うさ美お姉たま うさ美：よし うさ江：うふふ、活舌の練習もバッチリ、コンディションは完璧でござるわ？ うさ美：うさ江 うさ江：コンディションは完璧ですわ？ うさ子：ねぇうさ子途中でお腹すいちゃったらどうしたらいい？ うさ美：ええ？ うさ子：うさ子、お腹がすいたら喋れない うさ美：ガムでも食べてなさい うさ子：味がしなくなったら？ うさ美：長持ちするやつ噛んでなさい うさ子：そうするっ うさ美：じゃあお招きするわね 0：うさ美に招かれマスコミが部屋へ マスコミ：では、これからうさぎ三姉妹の独占インタビューを始めます。本日はよろしくお願いします うさ美：よろしくお願い致します うさ江：よろしくお願い致しますわ うさ子：よろしくお願いしまんも 0：お部屋紹介、毎日のルーティンなど、撮っていく うさ美：私の趣味はガーデニング。ちょうど今朝も赤いバラが咲いたところです。このようにお世話を怠らなければ必ず美しい花が咲きます うさ美：ガーデニングはちゃんと結果が出ますから、趣味として有意義なものだと考えています マスコミ：さすがお嬢様。麗しいご趣味をお持ちですね。他にもお育てになっている植物があるとか うさ江：（カンペを見ながら）あ、アロエですわ。この季節は特に… うさ子：ぐぅ～ 0：うさ子の腹がなる うさ子：あっやば。ガム噛まなきゃ！ うさ美：う、うさ子…！？ マスコミ：お腹が空いていらっしゃるのですね、、、？ うさ子：朝、ポテチしか食べてないもん マスコミ：え うさ美：うさ子！ うさ江：うさ美お姉さま、ここは私が うさ江：うさ子さん？ポテチじゃなくてポテトチップスでしょ！ うさ子：そっか！貴族は略しちゃダメだ！ごめんなさい！ うさ美：そこじゃない！！ うさ江：え？ うさ美：訂正するのはそこじゃないでしょ？ うさ江：あ、ああ。ええっと、 うさ江：うさ子さん？ポテチじゃなくてキャロチでしょ？ うさ子：キャロチって？ うさ江：キャロットチップス。うさぎなのですから うさ子：そっか！貴族の前にうさぎだ！ごめんなさい！ うさ美：もうガム食べてなさいっ！！ うさ子：はーい！ マスコミ：あはは、いいお返事ですね うさ美：やだ、ごめんなさいね。この子ったらまだ幼くて世間知らずなのよね、ハハ。さて、お話を戻しましょうか マスコミ：そ、それでは、お昼は何をお食べになるご予定でしょう…？ うさ江：ハンバーグステーキ！！！ マスコミ：え うさ美：う、うさ江！？ うさ江：大好きなハンバーグステーキ一択でござる！ うさ美：うさ江ぇええ！ うさ江：はっ…！ うさ江：（カンペを見て）間違えました間違えました！『（イケボで）エスカルゴ』…とか マスコミ：エスカルゴですか。私、まだ食べたことないです うさ江：めっちゃグロいっすよ マスコミ：え うさ美：うさ江！ うさ江：ぜ、是非、お召しになられた方がよろしくてよ！オホホ うさ子：うさ子はガムだよ！クチャクチャ うさ美：いやああ！全部カットでぇええ！！！ 0： 0：休憩をもらい、自室に戻る三姉妹 0： うさ美：あー、もうどっぷり疲れた。よっこらよっこら うさ江：お姉さまったら、なんてはしたない うさ美：あなたたちのせいでしょ？ うさ子：でもさー、さっきのインタビュー何だったの？誰得？ うさ美：国民のためよ うさ江：私、国民の皆様に嘘をついてしまいましたわ うさ子：実録、うさぎ三姉妹の噓つきショーがこれから全国に流れるんだ！やばいやばいテレビ消して！あわよくば壊して！ うさ美：大袈裟ねぇ。イメージのための嘘だと割り切りなさい うさ子：貴族はイメージに縛られて、窮屈だね。つまんない うさ美：そうかしら うさ江：私も、自分たちばかりいい生活だなんて嫌だわ うさ子：ねー、このフリフリはずしていーい？私、修道院のお姉さんが縫ってくれたお洋服の方が好きなの うさ美：次の収録で終わるからもう少し待ってちょうだい うさ子：ええー？ うさ美：うさ子にはドレスが似合ってるわよ うさ子：ドレスに着られてないかな うさ美：大丈夫。うさ子は可愛いわ うさ子：ありがと！ うさ江：…お姉さまは、いいのかしら うさ美：どういうこと？ うさ江：お姉さまも以前は言っていたじゃない。こんなドレス着たくないって うさ美：変わったのよ、私は うさ子：お姉ちゃん何が着たかったの？ うさ江：確か腹巻きって うさ美：うさ江やめなさい！ うさ子：お姉ちゃん、私も腹巻き好きだよ！ うさ子：お腹が冷えないもんね！ うさ美：別に腹巻きなんて… うさ江：他にも、好きな食べ物は枝豆。好きな飲み物は缶酎ハイ うさ美：やめて…！ うさ江：好きな言葉は二日酔い！ うさ美：やめなさい！まるでおじさんじゃない！ うさ江：おじさんよ！！ うさ美：…っ！ うさ江：中身はおじさんだけど、私はそんなお姉さまが大好きだった…！ うさ美：うさ江… うさ江：私、もう噓はつきたくありませんわ…！ うさ子：うさ子も！好きなものを好きって言いたいよ！ うさ美：…っ うさ美：私たちは貴族よ！そんなこと許されるはずがない！ うさ子：嘘の方が許されないよ！！ うさ美：…っ！！ うさ美：…そうね。大事なこと、忘れていたわ… うさ美：私も、嘘なんかつきたくないっ…！ 0：三姉妹は顔を見合わせ、笑顔でうなづき合う うさ美：さぁ、行きましょう。国民の皆様が本当の私たちを待っているわ！ 0：　 0：　 うさ美：お待たせ致しました。それでは続きを…！ マスコミ：はい、次の質問が優雅な休日の過ごし方ですが… うさ子：ぐぅ～ 0：うさ子の腹がなる うさ子：はい！うさ子は休日ガムを噛みまくって、味変しながらクチャクチャしていたいです！ うさ江：私は忍者になって忍術の修行をしたいでござる！ジャパニーズカルチャーでござる！ うさ美：二人とも… うさ美：…っ！ うさ美：私は…！ 0：　 うさ美：私は、風呂上がりの缶酎ハイが何よりも大好きだーーーーーーーっ！！ 0：叫ぶうさ美のお腹には渋い腹巻きが マスコミ：は、腹巻き うさ子：お姉ちゃん、よく言った！ うさ江：それでこそ私達のお姉さまでござる うさ美：ふぅ…気持ち良かった うさ美：（記者に）これが本当の私たちです。あの、放送はこれでお願い致します！ 0：ふっきれたうさ美の顔は清々しい マスコミ：あ、あはは マスコミ：残念ですが、全カットで うさ美：そ、そんな…！ うさ子：（N）地獄の空気に、ただただうさ子のガムクチャ音が響いていた