台本概要

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タイトル 『ホットサンド』~ヤッシー劇場
作者名 詩歌 -fumika-  (@tukiyonofumika)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ヤッシー劇場へようこそ。

昔々ではないあるところに、某星新一氏の生まれ変わりかと思われる、ヤッシーという男性がおりました。
ヤッシーが織りなすショートショートを、不肖詩歌-fimika-が台本化させていただきました。

基本独演(兼ね役)ですが、お二人で分担しても良いかと思います。
サクっと読めるショートショート、待ち合わせや残り時間にお楽しみください。

お話によって、男性だったり女性だったり動物だったり宇宙人だったり一人読みだったり兼ね役があったりします。男女不問。演者によって一人称や語尾を変えて演じていただいて良いです。
N)…モノローグ(心の声)です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
女性 6 余命いくばくもない、入院中の女性。
息子 4 女性の息子。
ナレ 不問 1 ナレーター
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ナレ:『ホットサンド』 女性:N)息子の4歳の誕生日。ホットサンドメーカーを買った。パンに具を挟んで、熱と圧力をかける調理器具。(以下、男性の場合)たまには息子との時間を作ろうと思ったのだ。 女性:「そうそう、ゆっくり具をのせて…こうやってパンを入れてね…それから、ギュッてするのよ。」 女性:N)それを聞いた息子は、小さな手で私の手を握った。 女性:「あはは!違う違う!ママの手をギュッてするんじゃないの!」 女性:N)息子との思い出。何気ない日常。あの頃は気づかなかったけど、そんな日々こそ幸せだった。 0:間 女性:N)あれから30年。私は今、病院の個室で寝ている。治療方法の分かっていない病で、入院することになった。…難病らしい。 女性:N)息子はいわゆる大手企業で働き、いそがしい毎日を送っている。個室代も息子が工面してくれた。そんな息子が、今日は珍しくお見舞いに来てくれた。 息子:「なあ母さん、覚えてる?昔さ、俺にホットサンド作ってくれただろ。」 女性:N)突然の話に私は驚いた。確かにホットサンドは作った。でも、過すぐに飽きてしまって、あのホットサンドメーカーはすぐに押し入れの肥やしになった。 息子:「今日は俺が、母さんにホットサンド作るから。」 女性:N)私はまた驚いた。息子の手には、あの日のホットサンドメーカーがあったから。 女性:「でもあなた、料理もまともに出来ないでしょう。ホットサンドなんて作れるの?」 息子:(笑顔で)「作れるよ!母さん教えてくれただろ。見ててよ。パンで具を挟んで、火にかけて、それから…」 女性:N)ホットサンドを作っている息子の目が、私の方に向いた。 息子:「それから、ギュッ…ってするんだ。」 女性:N)ああ。息子の手はこんなに大きくなっていたのか。私は今までで1番暖かいホットサンドを食べた。 0:--『ホットサンド』--

ナレ:『ホットサンド』 女性:N)息子の4歳の誕生日。ホットサンドメーカーを買った。パンに具を挟んで、熱と圧力をかける調理器具。(以下、男性の場合)たまには息子との時間を作ろうと思ったのだ。 女性:「そうそう、ゆっくり具をのせて…こうやってパンを入れてね…それから、ギュッてするのよ。」 女性:N)それを聞いた息子は、小さな手で私の手を握った。 女性:「あはは!違う違う!ママの手をギュッてするんじゃないの!」 女性:N)息子との思い出。何気ない日常。あの頃は気づかなかったけど、そんな日々こそ幸せだった。 0:間 女性:N)あれから30年。私は今、病院の個室で寝ている。治療方法の分かっていない病で、入院することになった。…難病らしい。 女性:N)息子はいわゆる大手企業で働き、いそがしい毎日を送っている。個室代も息子が工面してくれた。そんな息子が、今日は珍しくお見舞いに来てくれた。 息子:「なあ母さん、覚えてる?昔さ、俺にホットサンド作ってくれただろ。」 女性:N)突然の話に私は驚いた。確かにホットサンドは作った。でも、過すぐに飽きてしまって、あのホットサンドメーカーはすぐに押し入れの肥やしになった。 息子:「今日は俺が、母さんにホットサンド作るから。」 女性:N)私はまた驚いた。息子の手には、あの日のホットサンドメーカーがあったから。 女性:「でもあなた、料理もまともに出来ないでしょう。ホットサンドなんて作れるの?」 息子:(笑顔で)「作れるよ!母さん教えてくれただろ。見ててよ。パンで具を挟んで、火にかけて、それから…」 女性:N)ホットサンドを作っている息子の目が、私の方に向いた。 息子:「それから、ギュッ…ってするんだ。」 女性:N)ああ。息子の手はこんなに大きくなっていたのか。私は今までで1番暖かいホットサンドを食べた。 0:--『ホットサンド』--