台本概要

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タイトル 『客寄せパンダ』~ヤッシー劇場
作者名 詩歌 -fumika-  (@tukiyonofumika)
ジャンル コメディ
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ヤッシー劇場へようこそ。

昔々ではないあるところに、某星新一氏の生まれ変わりかと思われる、ヤッシーという男性がおりました。
ヤッシーが織りなすショートショートを、不肖詩歌-fimika-が台本化させていただきました。

基本独演(兼ね役)ですが、お二人で分担しても良いかと思います。
サクっと読めるショートショート、待ち合わせや残り時間にお楽しみください。

お話によって、男性だったり女性だったり動物だったり宇宙人だったり一人読みだったり兼ね役があったりします。男女不問。演者によって一人称や語尾を変えて演じていただいて良いです。
N)…モノローグ(心の声)です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
N氏 不問 5 怠惰な人。
教官 不問 1 動物園における演技指導を行う人。
パンダ 不問 3 パンダ?
ナレ 不問 1 ナレーター。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ナレ:『客寄せパンダ』 N氏:N)俺は動物園に来ている。久しぶりの…1ヶ月ぶりの休日、せっかくなので外出をしようと思ったのだ。 N氏:「まったく、パンダはいいよなあ。ああやってタイヤをゴロゴロするだけでいい。なんてったって動物園の看板なんだからな。呑気(のんき)に笹食って…あーあ。俺もパンダになりてえなあ。」 N氏:N)その夜、神が夢枕に立った。「おめでとう!あなたの願いを叶えるぞよ!」と言って消えた。…次の日目が覚めると、俺はパンダになっていた。冗談のような話だが、本当だ。 N氏:「やった!これで毎日笹食って一日中ゴロゴロしていられる!最高じゃないか!」 N氏:N)タイヤををゴロゴロしてみた。楽しくは…無い。笹を食ってみた。美味くは…無い。それでも僕にとって、仕事のストレスからの解放は何よりも嬉しかった。 N氏:「隣のパンダは楽しそうにゴロゴロしてるし、笹も美味そうに食ってるな。かわいい珍獣のパンダを、俺は特等席で見てるってわけか。」 N氏:N)そう考えると楽しくなってきたぞ。・・・・・・その夜。動物園の営業が終わると、飼育室の地下室が開いた。 N氏:「え?ここ入れるんだ?」 N氏:N)俺は驚きながら、地下に進んだ。「おつかれっすー」ライオンがステーキを食っている。ここはどうやら食堂らしい。「いやー、ステーキうまいわー。やっぱ生肉とは違うね!」 N氏:N)ゴリラはビールを飲んでいる。キリンは優雅にイタリアンだ。隣のパンダが声をかけてきた。 パンダ:「ん?どうした?」 N氏:「え?ああ…俺も今日はステーキでも食べたいかなー…なんて思って…」 パンダ:「いやいや、俺たちパンダは園の看板だから休日以外は管理メニューしか食えないだろ。今日は笹プロテインだぞ。」 N氏:「は?どういうこと?」 パンダ:「いくぞ。夜のレッスンだ。まったく、なんでパンダだけこんなに忙しんだろうな。ナマケモノになりてえよ。」 N氏:N)レッスン室に着くと、俺を見るなり教官がブチ切れた。 教官:「おいエヌ!なんだあのタイヤ回しは!ふざけてるのか!笹食いも、まるで美味そうに見えん!パンダの自覚はないのか!」 N氏:N)きいた話を整理すると、昼間のパンダの姿は全て演技らしい。そして夜はタイヤを回すために筋トレ、美味そうに笹を食うための演技レッスン。 N氏:N)さらに食事は管理されていて、6ヶ月後の休みまでステーキは食えないのだとか。ああ…パンダがこんなに大変だとは知らなかった…。 0:--『客寄せパンダ』--

ナレ:『客寄せパンダ』 N氏:N)俺は動物園に来ている。久しぶりの…1ヶ月ぶりの休日、せっかくなので外出をしようと思ったのだ。 N氏:「まったく、パンダはいいよなあ。ああやってタイヤをゴロゴロするだけでいい。なんてったって動物園の看板なんだからな。呑気(のんき)に笹食って…あーあ。俺もパンダになりてえなあ。」 N氏:N)その夜、神が夢枕に立った。「おめでとう!あなたの願いを叶えるぞよ!」と言って消えた。…次の日目が覚めると、俺はパンダになっていた。冗談のような話だが、本当だ。 N氏:「やった!これで毎日笹食って一日中ゴロゴロしていられる!最高じゃないか!」 N氏:N)タイヤををゴロゴロしてみた。楽しくは…無い。笹を食ってみた。美味くは…無い。それでも僕にとって、仕事のストレスからの解放は何よりも嬉しかった。 N氏:「隣のパンダは楽しそうにゴロゴロしてるし、笹も美味そうに食ってるな。かわいい珍獣のパンダを、俺は特等席で見てるってわけか。」 N氏:N)そう考えると楽しくなってきたぞ。・・・・・・その夜。動物園の営業が終わると、飼育室の地下室が開いた。 N氏:「え?ここ入れるんだ?」 N氏:N)俺は驚きながら、地下に進んだ。「おつかれっすー」ライオンがステーキを食っている。ここはどうやら食堂らしい。「いやー、ステーキうまいわー。やっぱ生肉とは違うね!」 N氏:N)ゴリラはビールを飲んでいる。キリンは優雅にイタリアンだ。隣のパンダが声をかけてきた。 パンダ:「ん?どうした?」 N氏:「え?ああ…俺も今日はステーキでも食べたいかなー…なんて思って…」 パンダ:「いやいや、俺たちパンダは園の看板だから休日以外は管理メニューしか食えないだろ。今日は笹プロテインだぞ。」 N氏:「は?どういうこと?」 パンダ:「いくぞ。夜のレッスンだ。まったく、なんでパンダだけこんなに忙しんだろうな。ナマケモノになりてえよ。」 N氏:N)レッスン室に着くと、俺を見るなり教官がブチ切れた。 教官:「おいエヌ!なんだあのタイヤ回しは!ふざけてるのか!笹食いも、まるで美味そうに見えん!パンダの自覚はないのか!」 N氏:N)きいた話を整理すると、昼間のパンダの姿は全て演技らしい。そして夜はタイヤを回すために筋トレ、美味そうに笹を食うための演技レッスン。 N氏:N)さらに食事は管理されていて、6ヶ月後の休みまでステーキは食えないのだとか。ああ…パンダがこんなに大変だとは知らなかった…。 0:--『客寄せパンダ』--