台本概要
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タイトル | 『蛇』~ヤッシー劇場 |
---|---|
作者名 | 詩歌 -fumika- (@tukiyonofumika) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ヤッシー劇場へようこそ。 昔々ではないあるところに、某星新一氏の生まれ変わりかと思われる、ヤッシーという男性がおりました。 ヤッシーが織りなすショートショートを、不肖詩歌-fimika-が台本化させていただきました。 基本独演(兼ね役)ですが、お二人で分担しても良いかと思います。 サクっと読めるショートショート、待ち合わせや残り時間にお楽しみください。 お話によって、男性だったり女性だったり動物だったり宇宙人だったり一人読みだったり兼ね役があったりします。男女不問。演者によって一人称や語尾を変えて演じていただいて良いです。 N)…モノローグ(心の声)です。 35 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ナレ | 不問 | 2 | ナレーター。 |
旅人 | 不問 | 1 | 旅人? |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ナレ:『蛇』
ナレ:むかしむかしあるところに、蛇が出るという噂のある、小さな村があった。その村には掟があった。夜に森に入ってはいけない。夜の森には、大蛇(おおへび)が出るそうな。
ナレ:それはそれは恐ろしい蛇で、伸びれば端(はし)が見えぬほど、とぐろを巻けば、森のどの木も見下ろすほどの大きさなのだそう。
ナレ:昼間は人に化けるだとか、大きな熊をも飲み込むだとか、色んな噂があるのだけれど、どれもあまりさだかではない。
ナレ:それもそのはず、この蛇に睨まれたが最後。体は金縛りで動かなくなり、あっという間に、ぺろりとひとのみにされてしまう。そんなことで、実際に見た人はだあれも居ないんだと。
ナレ:さて、そんな村に1人の旅人が訪れた。旅人は蛇の話を聞いて、こう言った。
旅人:「なるほど。そんな怪物怖くありませんよ。私でしたら、その蛇を閉じ込めてしまいます。」
ナレ:村の人はびっくり仰天。
ナレ:けれどもあまりに自信ありげに言うものですから、旅人に蛇退治を頼むことにしました。旅人は昼間に森に入り、洞窟の壁に、なんとも見事な蛇を描きました。
ナレ:その巧みなこと、あの大蛇と見間違えるほどの出来栄えです。夜になると、あの蛇が現れました。洞窟に入った蛇は、壁に書かれた己の姿をみてびっくり。まるで肝を抜かれたように固まってしまいました。
ナレ:その瞬間、それっと村の力自慢が集まって、あっという間に洞穴の入口を大穴でふさいでしまいました。
ナレ:あっぱれ旅人大活躍。蛇は洞窟の中で、ずっと、自分の姿とにらめっこをしているのです。これで夜にも森に入って、鹿だの猪だのを狩ることができます。村の人達は大喜びしましたとさ。
ナレ:ところで、最近の研究では、蛇も群れで行動することが分かってきています。あの旅人は一体何者なのでしょう。どうして、見たことも無いはずの蛇を、そっくりそのまま描くことができたのでしょう。
ナレ:村の人はそんなこと気にせず、明日からの夜狩り(やがり)の準備をしていましたとさ。
0:---『蛇』---
ナレ:『蛇』
ナレ:むかしむかしあるところに、蛇が出るという噂のある、小さな村があった。その村には掟があった。夜に森に入ってはいけない。夜の森には、大蛇(おおへび)が出るそうな。
ナレ:それはそれは恐ろしい蛇で、伸びれば端(はし)が見えぬほど、とぐろを巻けば、森のどの木も見下ろすほどの大きさなのだそう。
ナレ:昼間は人に化けるだとか、大きな熊をも飲み込むだとか、色んな噂があるのだけれど、どれもあまりさだかではない。
ナレ:それもそのはず、この蛇に睨まれたが最後。体は金縛りで動かなくなり、あっという間に、ぺろりとひとのみにされてしまう。そんなことで、実際に見た人はだあれも居ないんだと。
ナレ:さて、そんな村に1人の旅人が訪れた。旅人は蛇の話を聞いて、こう言った。
旅人:「なるほど。そんな怪物怖くありませんよ。私でしたら、その蛇を閉じ込めてしまいます。」
ナレ:村の人はびっくり仰天。
ナレ:けれどもあまりに自信ありげに言うものですから、旅人に蛇退治を頼むことにしました。旅人は昼間に森に入り、洞窟の壁に、なんとも見事な蛇を描きました。
ナレ:その巧みなこと、あの大蛇と見間違えるほどの出来栄えです。夜になると、あの蛇が現れました。洞窟に入った蛇は、壁に書かれた己の姿をみてびっくり。まるで肝を抜かれたように固まってしまいました。
ナレ:その瞬間、それっと村の力自慢が集まって、あっという間に洞穴の入口を大穴でふさいでしまいました。
ナレ:あっぱれ旅人大活躍。蛇は洞窟の中で、ずっと、自分の姿とにらめっこをしているのです。これで夜にも森に入って、鹿だの猪だのを狩ることができます。村の人達は大喜びしましたとさ。
ナレ:ところで、最近の研究では、蛇も群れで行動することが分かってきています。あの旅人は一体何者なのでしょう。どうして、見たことも無いはずの蛇を、そっくりそのまま描くことができたのでしょう。
ナレ:村の人はそんなこと気にせず、明日からの夜狩り(やがり)の準備をしていましたとさ。
0:---『蛇』---