台本概要

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タイトル 恋に成る【4部構成。第2部】
作者名 ゆる男  (@yuruyurumanno11)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 7人用台本(男2、女4、不問1)
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 .*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*..*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.

「耐え切れるかなー」

「俺、ヒモ男向いてね?」

「……バカ」

「我慢なんてしなくていい」

「濡れた思い出がいい思い出になったよ」

「なんでこんなにドキドキするのかな?」


.*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.*・゚ .゚・*.


〜ヘアセットやヘアケアが大好きな男子高校生〜
【光井風馬】

彼に与えられた試練はやがて気付かされる


「ふーまに髪やってもらってる時が1番幸せ」

〜風馬の幼なじみ〜
【戸塚ひまわり】


「光井君がこうやって私を守ってくれたように
今度は私が光井君を守るから…」

〜初恋の相手??〜
【水瀬遥香】

誰が1番大切な人なのか

好きとは何か………

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


こちらの台本は4部構成の話で2部になります
この台本だけでも面白くなるように心がけてますのでこれだけ演じるのもありです!
続きが気になればそのまま続けて貰えたら光栄です!

野良劇の場合はクレジット表記などしなくて大丈夫です。
タイトルの右上にX(ツイッター)でつぶやけるので、つぶやいてくれたら今後のモチベーションに繋がりますm(_ _)m

約束劇の場合はなんでもいいのでクレジット表記してもらえると助かります!

ぶっちゃけ何でもいいです!読んでもらえたら嬉しいです!


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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
風馬 148 風馬『ふうま』 ヘアセットが大好きな高校生。ひまわりの幼なじみだが、初恋は……?ツッコミ多めの主人公です
ひまわり 190 ひまわり 風馬の幼なじみ。元気で明るい性格だが少し気を使う女の子。でもとにかく明るい!
遥香 58 遥香『はるか』 お花が大好きな女の子。少し静かめだが花を見るとテンションが上がる。密かに燃え上がる恋心がある?
奏音 64 奏音『かのん』 全体的に真面目すぎる一面がある。割とツッコミ役になる。でも仕切ってくれるから助かる
大翔 60 大翔『ひろと』 ちょっと抜けてる所がある高校生。意外と甘えたがりな部分もある
85 雛『ひな』 少し男口調な感じ。でも性格も割とはっちゃけてるからクールでは無いかな?ボケとツッコミ両方出来る。万能!
先生 不問 21 先生 セリフ数は少ないけどインパクトはめちゃくちゃある。果物ナイフを投げるのが趣味
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
雛:耐え切れるかなー 大翔:俺、ヒモ男向いてね? 奏音:……バカ 風馬:我慢なんてしなくていい 遥香:濡れた思い出がいい思い出になったよ ひまわり:なんでこんなにドキドキするのかな? 遥香:『恋に成る』 0:【間】 遥香:5章『追試と危機感の髪』 ひまわり:はい!では皆さん!林間学校に1番大事なのはなんですか!? 雛:はい! ひまわり:はい、雛ちゃん! 雛:もちろん!寝坊しない! ひまわり:あー!大事だね!それ! 奏音:否定しなさいよ ひまわり:それも大事だけどあとはなんだろー?大翔くんは? 大翔:俺?んーグルーブかな? ひまわり:あー!輪になって踊るの大事だよね! 奏音:輪にもならないし踊らないでしょ!てか大翔クラス委員なのになんで席に居るのよ! ひまわり:でもちがーう!林間学校に大事なことは団体行動を学ぶことです! 奏音:あんたが言うな ひまわり:ということなので!グループを作りまーす!わー!みんなー!一緒の班になろー! 雛:それがやりたかっただけだな 遥香:ひまわりさん、進行上手だね ひまわり:えーほんとに〜?ありがとう 大翔:男俺と風馬でいいのか? ひまわり:いいよ適当で 大翔:さすがクラス委員だ ひまわり:1日目はみんなでカレーを作るよー!また今度のホームルームで役割分担決めようね!その日のお昼過ぎから魚釣りしたり山できのことか野菜を採ったりするからそれも今度決めよー! 0:ひまわりが細かく林間学校の話を説明する 先生:戸塚、あとおまけの北谷、グループ分けと当日の説明ご苦労。席に戻っていいぞ 0:ひまわりと大翔は席に着く 先生:先程も言ったように林間学校は団体行動を学ぶ場でもあり色んな人とコミュニケーションを取る場でもあるそれがほかのクラスだったり現地にいる人だったりなんでもいいとにかく、大事なことは人との距離の測り方だ 先生:さて、ここからが本題だ。もちろん林間学校は大事な行事の一つだ。だが、貴様らにとって1番大事なのは学業だということを忘れるな ひまわり:ギクッ 大翔:……くっ 先生:林間学校前に中間テストがあるだろう?そのテストで赤点をとった者は追試をしてもらう。そしてその追試で不合格になった者は…… 0:【バァァン!!】(机の叩く音) 先生:林間学校へは行けず、学校で居残って勉強だ ひまわり:な、な、なんデスト…… 0:中間テストが終わった日 風馬:おいおい……勘弁してくれよ 大翔:本当に ひまわり:申し訳ない 風馬:なんでクラス唯一の赤点がよりによってクラス委員のお前ら2人なんだよ!! 大翔:本当に!! ひまわり:申し訳ない!! 雛:なーにしてんだか ひまわり:ちょっと待って?雛ちゃんも赤点あるでしょ!? 雛:ないわ!あたしは全部平均点以上だ! ひまわり:そんな……頭悪そうな絡みしてるのに 雛:失礼なこと言うな赤点が! 遥香:追試はいつからなの? 大翔:5日後だってさ 奏音:もうすぐじゃん ひまわり:大翔くん、なんの教科が赤点だったの? 大翔:俺は数学と英語だ ひまわり:えー!一緒!へーい!ボンジュール!ナカーマ! 大翔:おー!グラシアス! 雛:何言ってんだこいつら? 奏音:とにかく!二人とも勉強しなさい!林間学校に行けなくなったらどうするの!? ひまわり:え〜。勉強するの〜? 奏音:仕方ないでしょ?みんなでやればきっと大丈夫 ひまわり:じゃあふーまの家でやろ! 風馬:俺ん家かよ 雛:へぇー。風馬の家は漫画ある? 風馬:お前も教えろよ? 0:風馬の家に6人集まる 風馬:ほら、ここやってみろ 奏音:大翔はここね ひまわり:んーー 大翔:あー!わっかんね! ひまわり:アルファベットと数字同時に出てくるのやめて欲しいよね 大翔:わかるわかる。どっちかにしろって話だ ひまわり:ね!大人になっても使う機会ないし! 大翔:全く意味がない!! ひまわり:あーもうやめたー!(同時に) 大翔:あーもうやめたー!(同時に) 0:【ゴツン!】【ゴツン!】 風馬:はよやれー!(同時に) 奏音:はよやれー!(同時に) 0:5分後 ひまわり:まいねーむいずざぺん! 奏音:もうこの子手遅れかもしれない… 雛:おー意外と大翔解けてるじゃない? 大翔:まじ? 遥香:ひまわりさんも数学は大丈夫そうじゃない? ひまわり:ほ、ほんと!? 風馬:なーんだ、やれば出来るんじゃん 雛:ね、心配して損した 奏音:じゃああとは各自で勉強してもらおっか 0:そして追試前日 奏音:大翔、追試は大丈夫そ? 大翔:おー!頭良くなったわ! 奏音:よかったわね 雛:ひまわりは? ひまわり:う、うん!大丈夫 風馬:………? 0:そしてその帰り道 風馬:ひまわり、追試大丈夫か? ひまわり:あ、あー。大丈夫ー! 風馬:嘘つくな ひまわり:ギクッ 風馬:正直に言ってみろ ひまわり:実は…数学は大丈夫なんだけど…英語がちょっと…… 風馬:なんでみんなに言わないんだよ。水瀬も湯山も教えるの上手いのに ひまわり:これ以上迷惑かけられないなって 風馬:何言ってんだよ。それは気使いでも何でもないからな?頼りたい時は頼っていいんだよ ひまわり:でも、私はなんとかなるよ! 風馬:お前は昔からそうやって自分が我慢すればいいと思ってるだろ? ひまわり:……え? 風馬:何年一緒にいると思ってんだよ。お前が無理してるとか、我慢してるとか、俺にはバレバレだぞ?我慢なんてしなくていい ひまわり:……… 風馬:お前が一番林間学校楽しみにしてたんだから、このままお前だけ行けないなんてことさせねーよ ひまわり:……ありがとう ひまわり:(我慢……しなくていいか…うん。私は大丈夫) 0:その後風馬の家で勉強をして次の日。ひまわりと大翔は追試を受ける ひまわり:みんな…… 遥香:追試どうだった? 大翔:俺は余裕だった ひまわり:私は……私は…… 風馬:…… ひまわり:ギリギリ受かってたー! 雛:おー!よかったじゃん! 奏音:全くー。やれば出来るじゃない ひまわり:やったー!これで林間学校だー!! 風馬:一件落着かー ひまわり:ふーま 風馬:ん? ひまわり:ありがとー! 風馬:どういたしまして 奏音:『恋に成る』 0:【間】 奏音:6章『林間学校と思い出の髪』 ひまわり:みなさーん!バスガイドのひまわりでーす!今日は林間学校楽しんでいきましょー! 雛:ひまわりが一番楽しそうだな 奏音:でもよかったね、おかげでひまちゃんの元気な声で林間学校が始まるんだもん ひまわり:じゃあー!記念に歌を歌いまーす! 風馬:う、歌だと!? 雛:へぇー。ひまわりの歌聞いたことないな 遥香:ひまわりさん歌うまそうだよね 風馬:や、やめろー! ひまわり:ボエーーー!!ボエー!ボエーーー!! 大翔:うわああああ!!なんだこの不協和音! 奏音:普段しないのに車酔いしてきた…… 風馬:ストップ!ストップ!止めてくれー! 0:ひまわりの歌は止まる 雛:き、気絶するかと思った…… 先生:戸塚、ご苦労だった。いい歌だ。感動した 風馬:なんで先生はノーダメージなんだよ…… 0:そして旅館に着く ひまわり:わあーー!!大きい旅館だねー! 雛:お化けでそうだな 奏音:やめなさい 遥香:……ふー 風馬:水瀬?どうした? 遥香:……ん?なんか眠くなっちゃって 風馬:朝苦手なのか? 遥香:……うん 風馬:……… 0:部屋に入る 大翔:ふぅー。やっとひと段落だなー 風馬:そうだな。バスの中はひまわりの歌でやばかったし 大翔:俺はこのまま寝るわ ひまわり:コンコーン。失礼しまーす 風馬:ひまわり? ひまわり:大翔くん居る? 大翔:グゥーー!グゥーー!(いびき) 風馬:寝てるぞ? ひまわり:えー!ちょっと起きてー! 大翔:うわっ!なんだよ ひまわり:この後カレー作るのにクラス委員が準備するんだよ?ほら、行くよ! 大翔:俺はいいよ ひまわり:いいよじゃないのー! 大翔:いってーよ!引っ張んな! ひまわり:じゃあふーま。また後でねー 風馬:おう 0:そして食堂に行く 雛:あれ?風馬、ぼっち? 風馬:ああ。大翔が連れ去られたからな 遥香:ひまわりさん張り切ってるからねー ひまわり:みんなー!私と大翔くんが材料とか並べたからこれでカレー作るんだよー! 大翔:疲れた… 奏音:あんたたち!まず手を洗いなさい! 風馬:……っ? 大翔:うわ、なんか嫌な予感 雛:始まったか… 奏音:雛は人参切って!ひまちゃんはお肉とじゃがいも切って!大翔と遥香ちゃんは鈍臭いから洗い物! 遥香:鈍臭い……否めないけど 風馬:俺は何したらいいんだ? ひまわり:あ、じゃあふーまと遥香ちゃんでスープ作って貰おうかな? 風馬:スープ? ひまわり:うん。食材余るからコンソメスープとかがいいかな? 雛:………ん? 風馬:じ、じゃあ…作るか 遥香:うん 奏音:あの!二人!?コンソメスープはそっちでちゃんと食材切ってね??わかった?? 風馬:お、おう。なんか手島のやつ、気合い入ってんな 遥香:お料理好きなのかな? 風馬:妙に仕切るからなーあいつ。まあ野菜とかこっちで切るか 遥香:包丁とか気を付けてね? 風馬:あー大丈夫!俺意外と器用だからさ、こんなのサクッと切れるよ 0:【サクッ】 風馬:え? 遥香:あ 風馬:ぎゃあああ!!指切れたーー!! 遥香:だ、大丈夫? ひまわり:え?ふーま指切ったの? 風馬:血が出てるー!! ひまわり:なら、絆創膏…… 遥香:私絆創膏持ってるよ 風馬:おーありがとう 遥香:こっち来て 風馬:……… 遥香:染みるけど消毒するよ? 風馬:……うん ひまわり:………… 遥香:はい。貼れたよ 風馬:ありがとう。花柄の絆創膏か 遥香:可愛いでしょ? 風馬:うん ひまわり:………… 奏音:あんた達、まだ煮込んでなかったの? 風馬:鬼かよお前 奏音:ご飯盛って! 大翔:よいしょ! 奏音:ルーかけて! 雛:へい料理長! 奏音:誰が料理長よ! ひまわり:デザート出来たよー 奏音:デザート作れる材料あった!? ひまわり:えっへへー。企業秘密だよー 0:カレー作りも終わり部屋に戻る 大翔:はあー。疲れたなー。 風馬:なんか慣れないことすると一気に疲れるな 大翔:またこのまま寝よーっと ひまわり:コンコーン。失礼しまーす。大翔くん居る? 風馬:また寝てるぞ? ひまわり:もうー!クラス委員の仕事全然してくれないじゃん!起きてー! 大翔:いってー!俺はいいって ひまわり:いいじゃないのー!次は釣りするからね!? 大翔:なんで俺を持ち上げられるんだよ!ゴリラかお前! ひまわり:うるさーい!じゃあねーふーま 風馬:お、おう 0:釣り堀に向かう 先生:ここの釣り堀は初心者でも簡単に釣れる場所だが頭の悪い貴様らに教えてやろう。魚釣りとはな…魚と心を通わせる事が大事なんだ 風馬:何言ってんだ? 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:自給自足という言葉を知ってるか?光井。魚が釣れなかったら生きていけないということだ。だから今日も魚が釣れない者は夕飯に魚は出てこない。だが安心しろ、私が貴様らの分の魚を釣ってやる。そう。全集中水の呼吸でな 風馬:は、はあ 0:しばらくすると 雛:おー!釣れたー! 遥香:私も釣れたっ! 大翔:俺もだ! ひまわり:私もー! 風馬:釣れた! 奏音:んーー。なんで私だけ…あっ!釣れたー! 先生:………… 0:夜ご飯の時間 ひまわり:あれー?先生は? 雛:どこ行ったんだろう? 風馬:見てくるか 0:釣り堀に行くと 風馬:せ、先生!?まだ釣りしてたんですか!? 先生:邪魔をするな、まだ1匹も釣れてない。意地とプライドを掛けた戦いなんだ 風馬:そこまでしてか!? 0:結局学年主任に連れられた先生だった 風馬:『恋に成る』 0:【間】 風馬:7章『悩みと変わらない髪』 0:女子部屋では ひまわり:はあー。楽しかったね 奏音:ひまちゃん寝ないでよ?この後お風呂なんだから ひまわり:あー!そうだった!早く行こー! 遥香:ひまわりさん温泉とか好きなの? ひまわり:うん、温泉大好きー! 奏音:雛は?お風呂行かないの? 雛:んー。漫画読んでる 奏音:こういう時くらい一緒にお風呂入ろうよ 雛:先行っててー 奏音:あっそ!もういい!行こ?二人共 遥香:う、うん 0:部屋を出る3人 雛:………はぁ 雛:耐え切れるかなー 0:大浴場で 奏音:雛はこういう時はノリが悪いんだよね全く! ひまわり:そうなんだ 遥香:何かコンプレックスとかあるのかな? 奏音:無いでしょ!スタイルも良いし! 遥香:まさか…好きな人とか…… 奏音:居るわけないでしょ! 遥香:でも…雛さんなら男子部屋に忍び込んで…そのまま…… ひまわり:いくらなんでもそれはないでしょ 奏音:有り得る!こうしちゃいられない!すぐ洗ってすぐ出よう! ひまわり:えー!ちょっとー! 0:部屋に戻る3人 奏音:雛! 雛:え?早かったね 奏音:なーんだー。さすがにないか ひまわり:だから言ったじゃん! 雛:さて、あたしもお風呂入るかなー ひまわり:私も行く 雛:え?いや、いいよ気使わなくて ひまわり:違うー!すぐ出ろって言われたから出てきたのー!もっとゆっくりしたかったのに 奏音:それはごめんて 雛:わ、わかったよ 0:2人は大浴場に行く ひまわり:はあー。極楽極楽〜 雛:……… ひまわり:明日は登山だから体は休めた方がいいよー 雛:そうだね ひまわり:雛ちゃん、背中洗ってあげようか? 雛:え!?い、いいよ別に! ひまわり:いいからいいからー 0:雛の背中を洗うひまわり ひまわり:雛ちゃん最近悩みとかあるー? 雛:な、ないよ ひまわり:そっかー。奏音ちゃんがね、雛ちゃんが悩んでそうで心配だーって言ってたよ 雛:絶対そうは言ってないだろ… ひまわり:でもさ、悩みって人それぞれだよねー 雛:……まあね ひまわり:人に言える悩みと言えない悩み。悩みを言える人と言えない人。人それぞれだよねー 雛:……ひまわりって、バカなフリしてる? ひまわり:え!?なんで!? 雛:なんか妙に核心に付くようなこと言うから ひまわり:そんなことないよ!?てか!私の事バカだと思ってたの!?ひどいよ〜!えいえい!ゴシゴシ! 雛:痛いわ!やめろ! ひまわり:おかゆいとこないですかー!! 雛:痛いっての!ごめんごめん ひまわり:まいったか! 雛:まいったまいった 雛:……まあひまわりはいつも周りのこと気にしながら動いてて偉いなーって思うよ? ひまわり:……そう見える? 雛:うん。気にしすぎてるくらいにね ひまわり:…… 0:大浴場の脱衣所でドライヤーをかける2人 雛:何つけてんの? ひまわり:これ?流さないトリートメント。ふーまが付けろってうるさいの 雛:そうなんだ ひまわり:んで毎回乾かせーとか、クシでとかせーとか言うんだよ 雛:ふーん ひまわり:あとーこうやって乾かせーって。うるさいんだよね 雛:ちょっと踏み込んだこと聞いてもいい? ひまわり:ん?なに? 雛:ひまわりって風馬のこと好きなの? ひまわり:………え? ひまわり:………あちー! 雛:手止めたらそうなるでしょ ひまわり:だって変な事言うから 雛:変な事だよなー。うん。変な事だ。んで実際どうなの? ひまわり:………… 0:【間】 ひまわり:幼なじみってなんだろう?私はいつも考えていた。親友?それとも家族?なんかそんな感じでもないんだよね ひまわり:もちろんふーまの家族と仲はいいし、家族くらいの関係なんじゃないかなーって思ってたけど……今はそうは思えない ひまわり:昔から私の両親がいつも仕事で忙しいから、ふーまと一緒に居た。明日ふーまと話せる。またふーまと笑い合える。それだけで気持ちが満たされる。私はふーまが居ないと…私で居られない気がしていた。 ひまわり:改めて思うことがある。幼なじみってなんだろう?私はこう思う ひまわり:今の自分の気持ちを隠しながら、自分を守るための都合のいい言葉。私の気持ちを伝えると今の関係が全部崩れてしまうから ひまわり:だから私は幼なじみっていう言葉に逃げて、ふーまに気持ちを伝えられないまま、勝手に傷ついている ひまわり:ふーまはきっと……遥香ちゃんの事が好きだから。ずっと見てきたからわかる。ずっと見てきた……中庭で本を読みながら遥香ちゃんを見ているふーまを…ずっと見てきた ひまわり:ふーまは遥香ちゃんの所に行っちゃうんだ…。……私はどうしてこんなに孤独なんだろう?……どうしてこんなに弱いんだろう?そう思えば思うほど涙が止まらない ひまわり:……でも、私のこの気持ちは我慢しなきゃ…ふーまの為に……我慢しなきゃ…… ひまわり:ふーまのことが好きだって……この気持ちは……我慢しなきゃ……それでも好き……いや、それでも…… ひまわり:私はまた気持ちを隠して、幼なじみっていう言葉にしがみついて、それでもふーまと一緒に居て……また勝手に傷ついている 0:【間】 雛:ひ、ひまわり?大丈夫? ひまわり:……え?……あれ、涙が… 雛:……… ひまわり:私……ふーまのことが好き…… 雛:……泣くほど好きだったんだね ひまわり:でも……私はふーまに好かれてないから……どうしたらいいかわかんないの 雛:……好きな人に好きって伝えることがどれだけ怖いかは、あたしには痛いほどわかるよ ひまわり:………え? 雛:好きって気持ちは絶対に隠しちゃダメだよ。それじゃあ何も変わらないし、ひまわりが辛いだけだ ひまわり:……辛いよ 雛:じゃあ風馬と遥香、二人でスープ作らせたのはなんで? ひまわり:………… 雛:女の子はさ、多少わがままな方が可愛げがあると思うよ。だからひまわりも、全部我慢するんじゃなくて風馬に身を委ねてみなよ。幼なじみならそれくらいやってくれるでしょ ひまわり:………うん。好きな気持ちは諦めきれない 雛:おー!その意気だ! ひまわり:でもさ、これも私のわがままだけど、遥香ちゃんの事も、ふーまと同じくらい好きだからさ。もし仮にふーまと遥香ちゃんが恋人になったとしても、それはそれで幸せだよ 雛:心広いんだなーひまわり ひまわり:ありがと!雛ちゃんのおかげで前に進めそうだよ 雛:うっ!だ、抱きつくな! ひまわり:なんでー?雛ちゃん大好き〜スリスリー 雛:離れろー! ひまわり:(うん。でも雛ちゃんの言う通り、私はふーまの幼なじみ。だからこそ、私はふーまが居ないと生きていけないって全面的にアピールしよう!覚悟しててね。ふーま) 0:少し吹っ切れたひまわりだった 0:次の日 大翔:風馬ー!朝はバイキングらしいぞー!早く行こうぜ 風馬:お前飯にはがめついな。しかも朝からうるせーよ…ふわあぁぁ(あくび) 0:食堂に行く 奏音:ちょっと男子ー!遅いよ! 風馬:お、おう、悪い 遥香:くぅ〜。くぅ〜(寝息) 風馬:水瀬寝てるのか? 雛:さっきから起こしてるのに起きないんだよなー 風馬:朝が苦手なのか 雛:みたいだな ひまわり:ふーまー!こっちこっち。私チョイスのスペシャルバイキングだよー! 風馬:お、おうありがとう ひまわり:ここ座ってコーラも用意してある 風馬:お、おう ひまわり:あー!野菜こぼした!拭いてあげる 風馬:あ、ありがとう ひまわり:コーラおかわりする? 風馬:う、うん 奏音:なんか夫婦みたいになってない? 雛:……違う…何かが違うぞひまわり 0:バイキングが終わる 大翔:あー。次山登るらしいなー。だりー 風馬:お前またクラス委員の仕事あるんじゃないのか? 大翔:んー?多分ない 風馬:信用ならんな。こんなことしてるとまた…… ひまわり:コンコーン。失礼しまーす 大翔:うわ!出た! ひまわり:お化けみたいに言わないでよ 大翔:俺はいい!俺はもういいから! ひまわり:違うよー。今日はふーまに用があるの 風馬:俺? ひまわり:うん 0:ひまわりはその場に座って風馬に背中を向ける ひまわり:髪お団子にしてー 風馬:……今? ひまわり:うん 風馬:てかお前、男子部屋に入って大丈夫なのかよ。先生に怒られないか? ひまわり:先生は優しいから怒らないよ 風馬:あれを優しいと思えるお前の価値観がわかんねーよ。まあいいや、お団子はやってやる ひまわり:やったー! 大翔:俺はそれを見てる ひまわり:見ないでよ 大翔:なんでだよ 0:風馬はひまわりの髪をお団子にする 大翔:ひまわりー登山まであと何分ー? ひまわり:んー?あと30分くらいじゃない? 大翔:なげーな。お前ら見てても暇だ。ジュース買ってくる ひまわり:いってらっしゃーい 風馬:ひまわり髪伸びたな? ひまわり:そう? 風馬:うん。お団子しやすくなってる ひまわり:そうなんだ 風馬:痛くないか? ひまわり:うん。大丈夫 風馬:よーし!出来た! ひまわり:わあー!すごーい! 風馬:どう? ひまわり:……あっはは! 風馬:ん?なに? ひまわり:ふーまに髪の毛触って貰えるのが一番幸せだなーって 風馬:………何言ってんだよ ひまわり:本心ですよー。本心 風馬:はいはい 0:一方では 大翔:おー?奏音じゃん 奏音:あ、何してるの? 大翔:風馬とひまわりがイチャイチャしてたから抜け出してきた 奏音:なにそれ?ひまちゃんそっちに居たの?てか!男子の部屋に行くのダメでしょ!しおりに書いてあったのに 大翔:知らんけどなんか来たぞ 奏音:もう、ひまちゃんは本当に団体行動出来ないなー 大翔:奏音、ジュース奢ってよ 奏音:なんでよ!自分で買いなさいよ! 大翔:財布置いていったから無理ー 奏音:何してんのもう! 0:結局ジュースを奢る奏音 大翔:さんきゅー。俺ヒモ男向いてね? 奏音:誇れるものじゃないでしょ!全くー 大翔:ところでさ、山登りするのに髪ってお団子にするもんなのかな? 奏音:なんで? 大翔:んーなんとなく 奏音:はあ? ひまわり:『恋に成る』 0:【間】 ひまわり:8章『本音と始まりの髪』 0:そして山に着く 先生:貴様らよく聞け。昨日は私が釣りに対して偉そうなことを言ったが恥ずかしい結果になったため登山では何も言わないことにした。怪我のないように登ろう。以上だ 風馬:ちょっと落ち込んでるな 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:山はサバイバルだ 風馬:この山はそうでも無いと思いますけど! 0:山を登る ひまわり:みんなー!ふぁいお〜!ふぁいお〜! 遥香:ひまわりさん…早いよ 奏音:あんたら!遅すぎるのよ! 風馬:おい!俺はしょうがなくねーか!?大翔おぶってんだぞ! 大翔:おんぶしてもらうと楽だなー 風馬:当たり前だろ! 雛:遥香ー?大丈夫ー? 遥香:はあ。はあ。寝起きは辛いね ひまわり:先行ってるねー! 風馬:ま、待ってくれー!お前降りろ! 大翔:頂上までよろしくー! 雛:あいつら全然待たないんだなー 遥香:雛さんごめんね 雛:いいんだよ 遥香:ひまわりさん元気だね 雛:ね、奏音もなんだかんだ楽しそうだ 遥香:みんなもね 雛:……遥香はひまわりに会えてよかったと思う? 遥香:……なんで? 雛:いいや?ああ見えてひまわりって色んな人に気を配ってる感じがするからさ、本当にいいやつだなーって思って 遥香:うん。そうだね 雛:あたしはひまわりのそういうとこ好きだなーって思えるんだよ 遥香:私だって、ひまわりさんが居てくれたからみんなとこうして林間学校で楽しい思い出が作れると思ってる。私もひまわりさんのこと好きだよ 雛:そっか。よかった 0:場面転換 ひまわり:みんな無事だったねー 風馬:はあ。はあ。死ぬかと思った 大翔:案外早かったな風馬 風馬:うるせー!全然降りなかったなお前! 奏音:この後バーベキューでしょ?クラス委員集まらないの? 大翔:多分集まらなくて大丈夫! ひまわり:集まるよ!ほら行こ! 大翔:なんで毎回俺なんだよー! 0:バーベキューも終わる 雛:そういや、この後自由時間になるよね? 奏音:そうだよ 雛:なーんか面白いことしない? 奏音:なに? 雛:ふっふっふー。肝試しでもするかー! ひまわり:……き、肝試し… 遥香:で、でも、あんまり遠くに行っちゃいけないって…… 雛:この近くなら大丈夫でしょ? 遥香:そうだけど 大翔:俺もやるぞー! ひまわり:……… 遥香:……… 0:場面転換 0:夜道を歩く6人 ひまわり:ね、ねえ。こんなことやめようよ 風馬:まあでも涼しくていいな 雛:ひまわり怖がりなのかー? ひまわり:おばけは人を呪う力があるの! 雛:ないだろ 0:【……シュ】【……シュ】 ひまわり:え?なんか音聞こえない 雛:………ほんとだ…… 遥香:……… 雛:なぁぁーーんの音だろ〜ねぇぇぇぇ〜〜〜!!!!! ひまわり:きゃあああああ!!! 遥香:っっっっ!! 0:【ゴツンっ!】 奏音:やめんか! 風馬:ちょ!ひまわりどこ行くんだ! 遥香:ゴボゴボゴボッ 奏音:ちょっと!遥香ちゃんが泡吹いて気絶しちゃったじゃん! 雛:え、ええ!どうしよ、そんなつもりじゃ… 風馬:(ど、どうすんだこれ…ひまわりか…水瀬か……) 風馬:先行っててくれ! 0:風馬はひまわりが走った方向へ走る 風馬:(ひまわりが隠れそうな場所…) 風馬:(子供の頃、花火した時に物音が鳴っただけでひまわりは飛び出して逃げてたよな。その時、こういう茂みに隠れていた) 風馬:ほら、見つけた ひまわり:……ふーま? 風馬:なんで隠れる場所がいつも茂みなんだよ ひまわり:おばけに見つからないように 風馬:見つかるだろ。ほらみんなの所に戻るぞ ひまわり:うん。………いった 風馬:どうした? ひまわり:足痛い 風馬:え?立てるか? ひまわり:……痛いかも 風馬:おいおい、明日もあるんだぞ?…ほら、俺がおぶってく ひまわり:……いいの? 風馬:おう ひまわり:……… 風馬:ひまわり… ひまわり:ん? 風馬:重くなったか? ひまわり:んー!! 0:【ギィィィ!!】 風馬:いでー!顔つねんな!うそうそ! ひまわり:もう降りる! 風馬:嘘だって!子供の頃に比べたらって話! ひまわり:そりゃ…私だっておっきくなってるよ 風馬:でも、意外と軽いな ひまわり:私が怒ったからお世辞言ってる 風馬:ちげぇって。本当だよ ひまわり:……はあ 風馬:なんだ、ため息ついて ひまわり:……なんか息苦しい 風馬:は?大丈夫か?それ ひまわり:大丈夫じゃないよ 風馬:……っ! 0:ひまわりは風馬の首周りを抱きしめる ひまわり:なんでこんなにドキドキするのかな? 風馬:なんでって…なんだよ ひまわり:おばけが怖いからかな?それとも… 風馬:……… ひまわり:私がふーまに恋してるからかな? 風馬:………っ!?な、何言ってんだよ!冗談きついぞ! ひまわり:私、今までそんな冗談言ったことないよ? 風馬:そ、そうだけど… ひまわり:臆病者の私は…もう卒業したの 風馬:……… 0:【シュ……】【シュ……】 ひまわり:ね、ねえ!なんかまた音鳴ってない? 風馬:ほ、ほんとだ ひまわり:でもなんか聞いたことある音のような気がする 風馬:……… 0:風馬は音のなる方に行く 0:【シュパンッ!】【シュパンッ!】 先生:貴様ら、何してる? 風馬:やっぱ先生か 先生:何をしてるかと聞いてる 風馬:ちょっと肝試しに 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:本当に恐怖を教えてやろうか? 風馬:こえーわ! 先生:ん?戸塚、怪我したのか? ひまわり:ああ。ちょっと足くじいちゃって 先生:明日もある。怪我は禁物だ ひまわり:大丈夫だよ 先生:靴を脱げ ひまわり:……ん? 先生:はあああああーーーぶぅぅーー!!! 風馬:な、何してんだ? 先生:歩いてみろ ひまわり:おー!痛くない! 風馬:どういう原理だよ! 0:ひまわりの足も治り元の場所に戻る 風馬:お!みんな居るぞ! ひまわり:ふーま 風馬:ん? ひまわり:私は、ふーまのこと幼なじみって思ったことないからね 風馬:……え? ひまわり:みんなーー!ごめーん! 奏音:もうなにしてんのよ! 雛:ひ、ひまわり、ごめんね? ひまわり:大丈夫だよ!ふーまも来てくれたし 雛:おーそうだねー。風馬は優しいね 風馬:………… 0:次の日 ひまわり:すごーい!綺麗な滝だねー! 大翔:虹が出来てる!奏音!縄跳びダンスだ! 奏音:意味わかんない! 風馬:……おい、花が咲いてるぞ 遥香:ほ、ほんとだ! 0:遥香は花の場所まで駆けつける 遥香:この花何かわかる? 風馬:なんだ? 遥香:コスモスの花だよ。ちゃんとお手入れしないとダメなのになんで咲いたんだろ? 風馬:…… 風馬:(水瀬の澄んだ瞳を俺は吸い付くように見つめる) 風馬:(朝に弱かったり、運動が苦手だったり、ちゃんと人間味もあるのがすごく素敵だ。昔見ていた水瀬と随分と印象は変わったけど、今の水瀬の方が素敵だ) 風馬:(も、もしかして!やっぱり俺は水瀬に恋を……) ひまわり:(私がふーまに恋してるからかな?) 風馬:(………え?なんで…ひまわりが……) 0:【バシャーーーン!!】 風馬:うわー! 遥香:きゃあああー! 風馬:な、なんだ? 先生:貴様ら、大丈夫か?ここの滝は1日に1回、強い水圧が溢れ出るみたいだ。気をつけろ 風馬:だから花も咲いてるのか。水瀬、大丈夫? 遥香:……うっふふ! 風馬:な、なんで笑うんだ! 遥香:今度はお互い濡れちゃったね 風馬:………そうだな 遥香:光井君、写真撮ろ? 風馬:うん。いいよ 0:写真を撮る 遥香:……これで、濡れた思い出がいい思い出になったよ 風馬:……そうだな ひまわり:………… 0:林間学校も終わる。そのバスの中で ひまわり:みんなー座ってー 奏音:光井と遥香ちゃんは隣の席ね 風馬:は、はあ!?なんで!? 奏音:びしょ濡れの人を隣にするの可哀想でしょ。濡れた人同士で座って 風馬:ほんと可愛くねーなこいつ 奏音:なんか言った!? 風馬:はいはい何もねーよ ひまわり:じゃあ雛ちゃん隣座ろー? 雛:はいはい 大翔:おー。奏音が隣か。いい枕だ 奏音:シバくわよ? 0:そのままバスに揺られる 大翔:奏音? 奏音:ん? 大翔:俺の肩に頭くっつけて 奏音:……なんで 大翔:奏音の頭に俺の頭乗せて寝るから 奏音:……もう。バカ 0:【間】 遥香:光井君? 風馬:……すぅー。……すぅー。(寝息) 遥香:寝ちゃった。多分寒いからブランケット半分こするね 遥香:……… 遥香:(光井君の温もりを感じる。……ちょっとずるいかな?寝てる光井君に近づくのなんて…) 遥香:(ひまわりさんの髪、光井君がお団子にしたって聞いたよ。……私も…光井君に髪、触ってもらいたかったな……) 遥香:(だから今は特別。光井君に触れる時間を少しでも長く感じさせて。) 0:『恋に成る』2部END

雛:耐え切れるかなー 大翔:俺、ヒモ男向いてね? 奏音:……バカ 風馬:我慢なんてしなくていい 遥香:濡れた思い出がいい思い出になったよ ひまわり:なんでこんなにドキドキするのかな? 遥香:『恋に成る』 0:【間】 遥香:5章『追試と危機感の髪』 ひまわり:はい!では皆さん!林間学校に1番大事なのはなんですか!? 雛:はい! ひまわり:はい、雛ちゃん! 雛:もちろん!寝坊しない! ひまわり:あー!大事だね!それ! 奏音:否定しなさいよ ひまわり:それも大事だけどあとはなんだろー?大翔くんは? 大翔:俺?んーグルーブかな? ひまわり:あー!輪になって踊るの大事だよね! 奏音:輪にもならないし踊らないでしょ!てか大翔クラス委員なのになんで席に居るのよ! ひまわり:でもちがーう!林間学校に大事なことは団体行動を学ぶことです! 奏音:あんたが言うな ひまわり:ということなので!グループを作りまーす!わー!みんなー!一緒の班になろー! 雛:それがやりたかっただけだな 遥香:ひまわりさん、進行上手だね ひまわり:えーほんとに〜?ありがとう 大翔:男俺と風馬でいいのか? ひまわり:いいよ適当で 大翔:さすがクラス委員だ ひまわり:1日目はみんなでカレーを作るよー!また今度のホームルームで役割分担決めようね!その日のお昼過ぎから魚釣りしたり山できのことか野菜を採ったりするからそれも今度決めよー! 0:ひまわりが細かく林間学校の話を説明する 先生:戸塚、あとおまけの北谷、グループ分けと当日の説明ご苦労。席に戻っていいぞ 0:ひまわりと大翔は席に着く 先生:先程も言ったように林間学校は団体行動を学ぶ場でもあり色んな人とコミュニケーションを取る場でもあるそれがほかのクラスだったり現地にいる人だったりなんでもいいとにかく、大事なことは人との距離の測り方だ 先生:さて、ここからが本題だ。もちろん林間学校は大事な行事の一つだ。だが、貴様らにとって1番大事なのは学業だということを忘れるな ひまわり:ギクッ 大翔:……くっ 先生:林間学校前に中間テストがあるだろう?そのテストで赤点をとった者は追試をしてもらう。そしてその追試で不合格になった者は…… 0:【バァァン!!】(机の叩く音) 先生:林間学校へは行けず、学校で居残って勉強だ ひまわり:な、な、なんデスト…… 0:中間テストが終わった日 風馬:おいおい……勘弁してくれよ 大翔:本当に ひまわり:申し訳ない 風馬:なんでクラス唯一の赤点がよりによってクラス委員のお前ら2人なんだよ!! 大翔:本当に!! ひまわり:申し訳ない!! 雛:なーにしてんだか ひまわり:ちょっと待って?雛ちゃんも赤点あるでしょ!? 雛:ないわ!あたしは全部平均点以上だ! ひまわり:そんな……頭悪そうな絡みしてるのに 雛:失礼なこと言うな赤点が! 遥香:追試はいつからなの? 大翔:5日後だってさ 奏音:もうすぐじゃん ひまわり:大翔くん、なんの教科が赤点だったの? 大翔:俺は数学と英語だ ひまわり:えー!一緒!へーい!ボンジュール!ナカーマ! 大翔:おー!グラシアス! 雛:何言ってんだこいつら? 奏音:とにかく!二人とも勉強しなさい!林間学校に行けなくなったらどうするの!? ひまわり:え〜。勉強するの〜? 奏音:仕方ないでしょ?みんなでやればきっと大丈夫 ひまわり:じゃあふーまの家でやろ! 風馬:俺ん家かよ 雛:へぇー。風馬の家は漫画ある? 風馬:お前も教えろよ? 0:風馬の家に6人集まる 風馬:ほら、ここやってみろ 奏音:大翔はここね ひまわり:んーー 大翔:あー!わっかんね! ひまわり:アルファベットと数字同時に出てくるのやめて欲しいよね 大翔:わかるわかる。どっちかにしろって話だ ひまわり:ね!大人になっても使う機会ないし! 大翔:全く意味がない!! ひまわり:あーもうやめたー!(同時に) 大翔:あーもうやめたー!(同時に) 0:【ゴツン!】【ゴツン!】 風馬:はよやれー!(同時に) 奏音:はよやれー!(同時に) 0:5分後 ひまわり:まいねーむいずざぺん! 奏音:もうこの子手遅れかもしれない… 雛:おー意外と大翔解けてるじゃない? 大翔:まじ? 遥香:ひまわりさんも数学は大丈夫そうじゃない? ひまわり:ほ、ほんと!? 風馬:なーんだ、やれば出来るんじゃん 雛:ね、心配して損した 奏音:じゃああとは各自で勉強してもらおっか 0:そして追試前日 奏音:大翔、追試は大丈夫そ? 大翔:おー!頭良くなったわ! 奏音:よかったわね 雛:ひまわりは? ひまわり:う、うん!大丈夫 風馬:………? 0:そしてその帰り道 風馬:ひまわり、追試大丈夫か? ひまわり:あ、あー。大丈夫ー! 風馬:嘘つくな ひまわり:ギクッ 風馬:正直に言ってみろ ひまわり:実は…数学は大丈夫なんだけど…英語がちょっと…… 風馬:なんでみんなに言わないんだよ。水瀬も湯山も教えるの上手いのに ひまわり:これ以上迷惑かけられないなって 風馬:何言ってんだよ。それは気使いでも何でもないからな?頼りたい時は頼っていいんだよ ひまわり:でも、私はなんとかなるよ! 風馬:お前は昔からそうやって自分が我慢すればいいと思ってるだろ? ひまわり:……え? 風馬:何年一緒にいると思ってんだよ。お前が無理してるとか、我慢してるとか、俺にはバレバレだぞ?我慢なんてしなくていい ひまわり:……… 風馬:お前が一番林間学校楽しみにしてたんだから、このままお前だけ行けないなんてことさせねーよ ひまわり:……ありがとう ひまわり:(我慢……しなくていいか…うん。私は大丈夫) 0:その後風馬の家で勉強をして次の日。ひまわりと大翔は追試を受ける ひまわり:みんな…… 遥香:追試どうだった? 大翔:俺は余裕だった ひまわり:私は……私は…… 風馬:…… ひまわり:ギリギリ受かってたー! 雛:おー!よかったじゃん! 奏音:全くー。やれば出来るじゃない ひまわり:やったー!これで林間学校だー!! 風馬:一件落着かー ひまわり:ふーま 風馬:ん? ひまわり:ありがとー! 風馬:どういたしまして 奏音:『恋に成る』 0:【間】 奏音:6章『林間学校と思い出の髪』 ひまわり:みなさーん!バスガイドのひまわりでーす!今日は林間学校楽しんでいきましょー! 雛:ひまわりが一番楽しそうだな 奏音:でもよかったね、おかげでひまちゃんの元気な声で林間学校が始まるんだもん ひまわり:じゃあー!記念に歌を歌いまーす! 風馬:う、歌だと!? 雛:へぇー。ひまわりの歌聞いたことないな 遥香:ひまわりさん歌うまそうだよね 風馬:や、やめろー! ひまわり:ボエーーー!!ボエー!ボエーーー!! 大翔:うわああああ!!なんだこの不協和音! 奏音:普段しないのに車酔いしてきた…… 風馬:ストップ!ストップ!止めてくれー! 0:ひまわりの歌は止まる 雛:き、気絶するかと思った…… 先生:戸塚、ご苦労だった。いい歌だ。感動した 風馬:なんで先生はノーダメージなんだよ…… 0:そして旅館に着く ひまわり:わあーー!!大きい旅館だねー! 雛:お化けでそうだな 奏音:やめなさい 遥香:……ふー 風馬:水瀬?どうした? 遥香:……ん?なんか眠くなっちゃって 風馬:朝苦手なのか? 遥香:……うん 風馬:……… 0:部屋に入る 大翔:ふぅー。やっとひと段落だなー 風馬:そうだな。バスの中はひまわりの歌でやばかったし 大翔:俺はこのまま寝るわ ひまわり:コンコーン。失礼しまーす 風馬:ひまわり? ひまわり:大翔くん居る? 大翔:グゥーー!グゥーー!(いびき) 風馬:寝てるぞ? ひまわり:えー!ちょっと起きてー! 大翔:うわっ!なんだよ ひまわり:この後カレー作るのにクラス委員が準備するんだよ?ほら、行くよ! 大翔:俺はいいよ ひまわり:いいよじゃないのー! 大翔:いってーよ!引っ張んな! ひまわり:じゃあふーま。また後でねー 風馬:おう 0:そして食堂に行く 雛:あれ?風馬、ぼっち? 風馬:ああ。大翔が連れ去られたからな 遥香:ひまわりさん張り切ってるからねー ひまわり:みんなー!私と大翔くんが材料とか並べたからこれでカレー作るんだよー! 大翔:疲れた… 奏音:あんたたち!まず手を洗いなさい! 風馬:……っ? 大翔:うわ、なんか嫌な予感 雛:始まったか… 奏音:雛は人参切って!ひまちゃんはお肉とじゃがいも切って!大翔と遥香ちゃんは鈍臭いから洗い物! 遥香:鈍臭い……否めないけど 風馬:俺は何したらいいんだ? ひまわり:あ、じゃあふーまと遥香ちゃんでスープ作って貰おうかな? 風馬:スープ? ひまわり:うん。食材余るからコンソメスープとかがいいかな? 雛:………ん? 風馬:じ、じゃあ…作るか 遥香:うん 奏音:あの!二人!?コンソメスープはそっちでちゃんと食材切ってね??わかった?? 風馬:お、おう。なんか手島のやつ、気合い入ってんな 遥香:お料理好きなのかな? 風馬:妙に仕切るからなーあいつ。まあ野菜とかこっちで切るか 遥香:包丁とか気を付けてね? 風馬:あー大丈夫!俺意外と器用だからさ、こんなのサクッと切れるよ 0:【サクッ】 風馬:え? 遥香:あ 風馬:ぎゃあああ!!指切れたーー!! 遥香:だ、大丈夫? ひまわり:え?ふーま指切ったの? 風馬:血が出てるー!! ひまわり:なら、絆創膏…… 遥香:私絆創膏持ってるよ 風馬:おーありがとう 遥香:こっち来て 風馬:……… 遥香:染みるけど消毒するよ? 風馬:……うん ひまわり:………… 遥香:はい。貼れたよ 風馬:ありがとう。花柄の絆創膏か 遥香:可愛いでしょ? 風馬:うん ひまわり:………… 奏音:あんた達、まだ煮込んでなかったの? 風馬:鬼かよお前 奏音:ご飯盛って! 大翔:よいしょ! 奏音:ルーかけて! 雛:へい料理長! 奏音:誰が料理長よ! ひまわり:デザート出来たよー 奏音:デザート作れる材料あった!? ひまわり:えっへへー。企業秘密だよー 0:カレー作りも終わり部屋に戻る 大翔:はあー。疲れたなー。 風馬:なんか慣れないことすると一気に疲れるな 大翔:またこのまま寝よーっと ひまわり:コンコーン。失礼しまーす。大翔くん居る? 風馬:また寝てるぞ? ひまわり:もうー!クラス委員の仕事全然してくれないじゃん!起きてー! 大翔:いってー!俺はいいって ひまわり:いいじゃないのー!次は釣りするからね!? 大翔:なんで俺を持ち上げられるんだよ!ゴリラかお前! ひまわり:うるさーい!じゃあねーふーま 風馬:お、おう 0:釣り堀に向かう 先生:ここの釣り堀は初心者でも簡単に釣れる場所だが頭の悪い貴様らに教えてやろう。魚釣りとはな…魚と心を通わせる事が大事なんだ 風馬:何言ってんだ? 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:自給自足という言葉を知ってるか?光井。魚が釣れなかったら生きていけないということだ。だから今日も魚が釣れない者は夕飯に魚は出てこない。だが安心しろ、私が貴様らの分の魚を釣ってやる。そう。全集中水の呼吸でな 風馬:は、はあ 0:しばらくすると 雛:おー!釣れたー! 遥香:私も釣れたっ! 大翔:俺もだ! ひまわり:私もー! 風馬:釣れた! 奏音:んーー。なんで私だけ…あっ!釣れたー! 先生:………… 0:夜ご飯の時間 ひまわり:あれー?先生は? 雛:どこ行ったんだろう? 風馬:見てくるか 0:釣り堀に行くと 風馬:せ、先生!?まだ釣りしてたんですか!? 先生:邪魔をするな、まだ1匹も釣れてない。意地とプライドを掛けた戦いなんだ 風馬:そこまでしてか!? 0:結局学年主任に連れられた先生だった 風馬:『恋に成る』 0:【間】 風馬:7章『悩みと変わらない髪』 0:女子部屋では ひまわり:はあー。楽しかったね 奏音:ひまちゃん寝ないでよ?この後お風呂なんだから ひまわり:あー!そうだった!早く行こー! 遥香:ひまわりさん温泉とか好きなの? ひまわり:うん、温泉大好きー! 奏音:雛は?お風呂行かないの? 雛:んー。漫画読んでる 奏音:こういう時くらい一緒にお風呂入ろうよ 雛:先行っててー 奏音:あっそ!もういい!行こ?二人共 遥香:う、うん 0:部屋を出る3人 雛:………はぁ 雛:耐え切れるかなー 0:大浴場で 奏音:雛はこういう時はノリが悪いんだよね全く! ひまわり:そうなんだ 遥香:何かコンプレックスとかあるのかな? 奏音:無いでしょ!スタイルも良いし! 遥香:まさか…好きな人とか…… 奏音:居るわけないでしょ! 遥香:でも…雛さんなら男子部屋に忍び込んで…そのまま…… ひまわり:いくらなんでもそれはないでしょ 奏音:有り得る!こうしちゃいられない!すぐ洗ってすぐ出よう! ひまわり:えー!ちょっとー! 0:部屋に戻る3人 奏音:雛! 雛:え?早かったね 奏音:なーんだー。さすがにないか ひまわり:だから言ったじゃん! 雛:さて、あたしもお風呂入るかなー ひまわり:私も行く 雛:え?いや、いいよ気使わなくて ひまわり:違うー!すぐ出ろって言われたから出てきたのー!もっとゆっくりしたかったのに 奏音:それはごめんて 雛:わ、わかったよ 0:2人は大浴場に行く ひまわり:はあー。極楽極楽〜 雛:……… ひまわり:明日は登山だから体は休めた方がいいよー 雛:そうだね ひまわり:雛ちゃん、背中洗ってあげようか? 雛:え!?い、いいよ別に! ひまわり:いいからいいからー 0:雛の背中を洗うひまわり ひまわり:雛ちゃん最近悩みとかあるー? 雛:な、ないよ ひまわり:そっかー。奏音ちゃんがね、雛ちゃんが悩んでそうで心配だーって言ってたよ 雛:絶対そうは言ってないだろ… ひまわり:でもさ、悩みって人それぞれだよねー 雛:……まあね ひまわり:人に言える悩みと言えない悩み。悩みを言える人と言えない人。人それぞれだよねー 雛:……ひまわりって、バカなフリしてる? ひまわり:え!?なんで!? 雛:なんか妙に核心に付くようなこと言うから ひまわり:そんなことないよ!?てか!私の事バカだと思ってたの!?ひどいよ〜!えいえい!ゴシゴシ! 雛:痛いわ!やめろ! ひまわり:おかゆいとこないですかー!! 雛:痛いっての!ごめんごめん ひまわり:まいったか! 雛:まいったまいった 雛:……まあひまわりはいつも周りのこと気にしながら動いてて偉いなーって思うよ? ひまわり:……そう見える? 雛:うん。気にしすぎてるくらいにね ひまわり:…… 0:大浴場の脱衣所でドライヤーをかける2人 雛:何つけてんの? ひまわり:これ?流さないトリートメント。ふーまが付けろってうるさいの 雛:そうなんだ ひまわり:んで毎回乾かせーとか、クシでとかせーとか言うんだよ 雛:ふーん ひまわり:あとーこうやって乾かせーって。うるさいんだよね 雛:ちょっと踏み込んだこと聞いてもいい? ひまわり:ん?なに? 雛:ひまわりって風馬のこと好きなの? ひまわり:………え? ひまわり:………あちー! 雛:手止めたらそうなるでしょ ひまわり:だって変な事言うから 雛:変な事だよなー。うん。変な事だ。んで実際どうなの? ひまわり:………… 0:【間】 ひまわり:幼なじみってなんだろう?私はいつも考えていた。親友?それとも家族?なんかそんな感じでもないんだよね ひまわり:もちろんふーまの家族と仲はいいし、家族くらいの関係なんじゃないかなーって思ってたけど……今はそうは思えない ひまわり:昔から私の両親がいつも仕事で忙しいから、ふーまと一緒に居た。明日ふーまと話せる。またふーまと笑い合える。それだけで気持ちが満たされる。私はふーまが居ないと…私で居られない気がしていた。 ひまわり:改めて思うことがある。幼なじみってなんだろう?私はこう思う ひまわり:今の自分の気持ちを隠しながら、自分を守るための都合のいい言葉。私の気持ちを伝えると今の関係が全部崩れてしまうから ひまわり:だから私は幼なじみっていう言葉に逃げて、ふーまに気持ちを伝えられないまま、勝手に傷ついている ひまわり:ふーまはきっと……遥香ちゃんの事が好きだから。ずっと見てきたからわかる。ずっと見てきた……中庭で本を読みながら遥香ちゃんを見ているふーまを…ずっと見てきた ひまわり:ふーまは遥香ちゃんの所に行っちゃうんだ…。……私はどうしてこんなに孤独なんだろう?……どうしてこんなに弱いんだろう?そう思えば思うほど涙が止まらない ひまわり:……でも、私のこの気持ちは我慢しなきゃ…ふーまの為に……我慢しなきゃ…… ひまわり:ふーまのことが好きだって……この気持ちは……我慢しなきゃ……それでも好き……いや、それでも…… ひまわり:私はまた気持ちを隠して、幼なじみっていう言葉にしがみついて、それでもふーまと一緒に居て……また勝手に傷ついている 0:【間】 雛:ひ、ひまわり?大丈夫? ひまわり:……え?……あれ、涙が… 雛:……… ひまわり:私……ふーまのことが好き…… 雛:……泣くほど好きだったんだね ひまわり:でも……私はふーまに好かれてないから……どうしたらいいかわかんないの 雛:……好きな人に好きって伝えることがどれだけ怖いかは、あたしには痛いほどわかるよ ひまわり:………え? 雛:好きって気持ちは絶対に隠しちゃダメだよ。それじゃあ何も変わらないし、ひまわりが辛いだけだ ひまわり:……辛いよ 雛:じゃあ風馬と遥香、二人でスープ作らせたのはなんで? ひまわり:………… 雛:女の子はさ、多少わがままな方が可愛げがあると思うよ。だからひまわりも、全部我慢するんじゃなくて風馬に身を委ねてみなよ。幼なじみならそれくらいやってくれるでしょ ひまわり:………うん。好きな気持ちは諦めきれない 雛:おー!その意気だ! ひまわり:でもさ、これも私のわがままだけど、遥香ちゃんの事も、ふーまと同じくらい好きだからさ。もし仮にふーまと遥香ちゃんが恋人になったとしても、それはそれで幸せだよ 雛:心広いんだなーひまわり ひまわり:ありがと!雛ちゃんのおかげで前に進めそうだよ 雛:うっ!だ、抱きつくな! ひまわり:なんでー?雛ちゃん大好き〜スリスリー 雛:離れろー! ひまわり:(うん。でも雛ちゃんの言う通り、私はふーまの幼なじみ。だからこそ、私はふーまが居ないと生きていけないって全面的にアピールしよう!覚悟しててね。ふーま) 0:少し吹っ切れたひまわりだった 0:次の日 大翔:風馬ー!朝はバイキングらしいぞー!早く行こうぜ 風馬:お前飯にはがめついな。しかも朝からうるせーよ…ふわあぁぁ(あくび) 0:食堂に行く 奏音:ちょっと男子ー!遅いよ! 風馬:お、おう、悪い 遥香:くぅ〜。くぅ〜(寝息) 風馬:水瀬寝てるのか? 雛:さっきから起こしてるのに起きないんだよなー 風馬:朝が苦手なのか 雛:みたいだな ひまわり:ふーまー!こっちこっち。私チョイスのスペシャルバイキングだよー! 風馬:お、おうありがとう ひまわり:ここ座ってコーラも用意してある 風馬:お、おう ひまわり:あー!野菜こぼした!拭いてあげる 風馬:あ、ありがとう ひまわり:コーラおかわりする? 風馬:う、うん 奏音:なんか夫婦みたいになってない? 雛:……違う…何かが違うぞひまわり 0:バイキングが終わる 大翔:あー。次山登るらしいなー。だりー 風馬:お前またクラス委員の仕事あるんじゃないのか? 大翔:んー?多分ない 風馬:信用ならんな。こんなことしてるとまた…… ひまわり:コンコーン。失礼しまーす 大翔:うわ!出た! ひまわり:お化けみたいに言わないでよ 大翔:俺はいい!俺はもういいから! ひまわり:違うよー。今日はふーまに用があるの 風馬:俺? ひまわり:うん 0:ひまわりはその場に座って風馬に背中を向ける ひまわり:髪お団子にしてー 風馬:……今? ひまわり:うん 風馬:てかお前、男子部屋に入って大丈夫なのかよ。先生に怒られないか? ひまわり:先生は優しいから怒らないよ 風馬:あれを優しいと思えるお前の価値観がわかんねーよ。まあいいや、お団子はやってやる ひまわり:やったー! 大翔:俺はそれを見てる ひまわり:見ないでよ 大翔:なんでだよ 0:風馬はひまわりの髪をお団子にする 大翔:ひまわりー登山まであと何分ー? ひまわり:んー?あと30分くらいじゃない? 大翔:なげーな。お前ら見てても暇だ。ジュース買ってくる ひまわり:いってらっしゃーい 風馬:ひまわり髪伸びたな? ひまわり:そう? 風馬:うん。お団子しやすくなってる ひまわり:そうなんだ 風馬:痛くないか? ひまわり:うん。大丈夫 風馬:よーし!出来た! ひまわり:わあー!すごーい! 風馬:どう? ひまわり:……あっはは! 風馬:ん?なに? ひまわり:ふーまに髪の毛触って貰えるのが一番幸せだなーって 風馬:………何言ってんだよ ひまわり:本心ですよー。本心 風馬:はいはい 0:一方では 大翔:おー?奏音じゃん 奏音:あ、何してるの? 大翔:風馬とひまわりがイチャイチャしてたから抜け出してきた 奏音:なにそれ?ひまちゃんそっちに居たの?てか!男子の部屋に行くのダメでしょ!しおりに書いてあったのに 大翔:知らんけどなんか来たぞ 奏音:もう、ひまちゃんは本当に団体行動出来ないなー 大翔:奏音、ジュース奢ってよ 奏音:なんでよ!自分で買いなさいよ! 大翔:財布置いていったから無理ー 奏音:何してんのもう! 0:結局ジュースを奢る奏音 大翔:さんきゅー。俺ヒモ男向いてね? 奏音:誇れるものじゃないでしょ!全くー 大翔:ところでさ、山登りするのに髪ってお団子にするもんなのかな? 奏音:なんで? 大翔:んーなんとなく 奏音:はあ? ひまわり:『恋に成る』 0:【間】 ひまわり:8章『本音と始まりの髪』 0:そして山に着く 先生:貴様らよく聞け。昨日は私が釣りに対して偉そうなことを言ったが恥ずかしい結果になったため登山では何も言わないことにした。怪我のないように登ろう。以上だ 風馬:ちょっと落ち込んでるな 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:山はサバイバルだ 風馬:この山はそうでも無いと思いますけど! 0:山を登る ひまわり:みんなー!ふぁいお〜!ふぁいお〜! 遥香:ひまわりさん…早いよ 奏音:あんたら!遅すぎるのよ! 風馬:おい!俺はしょうがなくねーか!?大翔おぶってんだぞ! 大翔:おんぶしてもらうと楽だなー 風馬:当たり前だろ! 雛:遥香ー?大丈夫ー? 遥香:はあ。はあ。寝起きは辛いね ひまわり:先行ってるねー! 風馬:ま、待ってくれー!お前降りろ! 大翔:頂上までよろしくー! 雛:あいつら全然待たないんだなー 遥香:雛さんごめんね 雛:いいんだよ 遥香:ひまわりさん元気だね 雛:ね、奏音もなんだかんだ楽しそうだ 遥香:みんなもね 雛:……遥香はひまわりに会えてよかったと思う? 遥香:……なんで? 雛:いいや?ああ見えてひまわりって色んな人に気を配ってる感じがするからさ、本当にいいやつだなーって思って 遥香:うん。そうだね 雛:あたしはひまわりのそういうとこ好きだなーって思えるんだよ 遥香:私だって、ひまわりさんが居てくれたからみんなとこうして林間学校で楽しい思い出が作れると思ってる。私もひまわりさんのこと好きだよ 雛:そっか。よかった 0:場面転換 ひまわり:みんな無事だったねー 風馬:はあ。はあ。死ぬかと思った 大翔:案外早かったな風馬 風馬:うるせー!全然降りなかったなお前! 奏音:この後バーベキューでしょ?クラス委員集まらないの? 大翔:多分集まらなくて大丈夫! ひまわり:集まるよ!ほら行こ! 大翔:なんで毎回俺なんだよー! 0:バーベキューも終わる 雛:そういや、この後自由時間になるよね? 奏音:そうだよ 雛:なーんか面白いことしない? 奏音:なに? 雛:ふっふっふー。肝試しでもするかー! ひまわり:……き、肝試し… 遥香:で、でも、あんまり遠くに行っちゃいけないって…… 雛:この近くなら大丈夫でしょ? 遥香:そうだけど 大翔:俺もやるぞー! ひまわり:……… 遥香:……… 0:場面転換 0:夜道を歩く6人 ひまわり:ね、ねえ。こんなことやめようよ 風馬:まあでも涼しくていいな 雛:ひまわり怖がりなのかー? ひまわり:おばけは人を呪う力があるの! 雛:ないだろ 0:【……シュ】【……シュ】 ひまわり:え?なんか音聞こえない 雛:………ほんとだ…… 遥香:……… 雛:なぁぁーーんの音だろ〜ねぇぇぇぇ〜〜〜!!!!! ひまわり:きゃあああああ!!! 遥香:っっっっ!! 0:【ゴツンっ!】 奏音:やめんか! 風馬:ちょ!ひまわりどこ行くんだ! 遥香:ゴボゴボゴボッ 奏音:ちょっと!遥香ちゃんが泡吹いて気絶しちゃったじゃん! 雛:え、ええ!どうしよ、そんなつもりじゃ… 風馬:(ど、どうすんだこれ…ひまわりか…水瀬か……) 風馬:先行っててくれ! 0:風馬はひまわりが走った方向へ走る 風馬:(ひまわりが隠れそうな場所…) 風馬:(子供の頃、花火した時に物音が鳴っただけでひまわりは飛び出して逃げてたよな。その時、こういう茂みに隠れていた) 風馬:ほら、見つけた ひまわり:……ふーま? 風馬:なんで隠れる場所がいつも茂みなんだよ ひまわり:おばけに見つからないように 風馬:見つかるだろ。ほらみんなの所に戻るぞ ひまわり:うん。………いった 風馬:どうした? ひまわり:足痛い 風馬:え?立てるか? ひまわり:……痛いかも 風馬:おいおい、明日もあるんだぞ?…ほら、俺がおぶってく ひまわり:……いいの? 風馬:おう ひまわり:……… 風馬:ひまわり… ひまわり:ん? 風馬:重くなったか? ひまわり:んー!! 0:【ギィィィ!!】 風馬:いでー!顔つねんな!うそうそ! ひまわり:もう降りる! 風馬:嘘だって!子供の頃に比べたらって話! ひまわり:そりゃ…私だっておっきくなってるよ 風馬:でも、意外と軽いな ひまわり:私が怒ったからお世辞言ってる 風馬:ちげぇって。本当だよ ひまわり:……はあ 風馬:なんだ、ため息ついて ひまわり:……なんか息苦しい 風馬:は?大丈夫か?それ ひまわり:大丈夫じゃないよ 風馬:……っ! 0:ひまわりは風馬の首周りを抱きしめる ひまわり:なんでこんなにドキドキするのかな? 風馬:なんでって…なんだよ ひまわり:おばけが怖いからかな?それとも… 風馬:……… ひまわり:私がふーまに恋してるからかな? 風馬:………っ!?な、何言ってんだよ!冗談きついぞ! ひまわり:私、今までそんな冗談言ったことないよ? 風馬:そ、そうだけど… ひまわり:臆病者の私は…もう卒業したの 風馬:……… 0:【シュ……】【シュ……】 ひまわり:ね、ねえ!なんかまた音鳴ってない? 風馬:ほ、ほんとだ ひまわり:でもなんか聞いたことある音のような気がする 風馬:……… 0:風馬は音のなる方に行く 0:【シュパンッ!】【シュパンッ!】 先生:貴様ら、何してる? 風馬:やっぱ先生か 先生:何をしてるかと聞いてる 風馬:ちょっと肝試しに 0:【シュパンッ!】 風馬:ひぃ! 先生:本当に恐怖を教えてやろうか? 風馬:こえーわ! 先生:ん?戸塚、怪我したのか? ひまわり:ああ。ちょっと足くじいちゃって 先生:明日もある。怪我は禁物だ ひまわり:大丈夫だよ 先生:靴を脱げ ひまわり:……ん? 先生:はあああああーーーぶぅぅーー!!! 風馬:な、何してんだ? 先生:歩いてみろ ひまわり:おー!痛くない! 風馬:どういう原理だよ! 0:ひまわりの足も治り元の場所に戻る 風馬:お!みんな居るぞ! ひまわり:ふーま 風馬:ん? ひまわり:私は、ふーまのこと幼なじみって思ったことないからね 風馬:……え? ひまわり:みんなーー!ごめーん! 奏音:もうなにしてんのよ! 雛:ひ、ひまわり、ごめんね? ひまわり:大丈夫だよ!ふーまも来てくれたし 雛:おーそうだねー。風馬は優しいね 風馬:………… 0:次の日 ひまわり:すごーい!綺麗な滝だねー! 大翔:虹が出来てる!奏音!縄跳びダンスだ! 奏音:意味わかんない! 風馬:……おい、花が咲いてるぞ 遥香:ほ、ほんとだ! 0:遥香は花の場所まで駆けつける 遥香:この花何かわかる? 風馬:なんだ? 遥香:コスモスの花だよ。ちゃんとお手入れしないとダメなのになんで咲いたんだろ? 風馬:…… 風馬:(水瀬の澄んだ瞳を俺は吸い付くように見つめる) 風馬:(朝に弱かったり、運動が苦手だったり、ちゃんと人間味もあるのがすごく素敵だ。昔見ていた水瀬と随分と印象は変わったけど、今の水瀬の方が素敵だ) 風馬:(も、もしかして!やっぱり俺は水瀬に恋を……) ひまわり:(私がふーまに恋してるからかな?) 風馬:(………え?なんで…ひまわりが……) 0:【バシャーーーン!!】 風馬:うわー! 遥香:きゃあああー! 風馬:な、なんだ? 先生:貴様ら、大丈夫か?ここの滝は1日に1回、強い水圧が溢れ出るみたいだ。気をつけろ 風馬:だから花も咲いてるのか。水瀬、大丈夫? 遥香:……うっふふ! 風馬:な、なんで笑うんだ! 遥香:今度はお互い濡れちゃったね 風馬:………そうだな 遥香:光井君、写真撮ろ? 風馬:うん。いいよ 0:写真を撮る 遥香:……これで、濡れた思い出がいい思い出になったよ 風馬:……そうだな ひまわり:………… 0:林間学校も終わる。そのバスの中で ひまわり:みんなー座ってー 奏音:光井と遥香ちゃんは隣の席ね 風馬:は、はあ!?なんで!? 奏音:びしょ濡れの人を隣にするの可哀想でしょ。濡れた人同士で座って 風馬:ほんと可愛くねーなこいつ 奏音:なんか言った!? 風馬:はいはい何もねーよ ひまわり:じゃあ雛ちゃん隣座ろー? 雛:はいはい 大翔:おー。奏音が隣か。いい枕だ 奏音:シバくわよ? 0:そのままバスに揺られる 大翔:奏音? 奏音:ん? 大翔:俺の肩に頭くっつけて 奏音:……なんで 大翔:奏音の頭に俺の頭乗せて寝るから 奏音:……もう。バカ 0:【間】 遥香:光井君? 風馬:……すぅー。……すぅー。(寝息) 遥香:寝ちゃった。多分寒いからブランケット半分こするね 遥香:……… 遥香:(光井君の温もりを感じる。……ちょっとずるいかな?寝てる光井君に近づくのなんて…) 遥香:(ひまわりさんの髪、光井君がお団子にしたって聞いたよ。……私も…光井君に髪、触ってもらいたかったな……) 遥香:(だから今は特別。光井君に触れる時間を少しでも長く感じさせて。) 0:『恋に成る』2部END