台本概要

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タイトル 『筆』~ヤッシー劇場
作者名 詩歌 -fumika-  (@tukiyonofumika)
ジャンル ミステリー
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ヤッシー劇場へようこそ。

昔々ではないあるところに、某星新一氏の生まれ変わりかと思われる、ヤッシーという男性がおりました。
ヤッシーが織りなすショートショートを、不肖詩歌-fimika-が台本化させていただきました。

基本独演(兼ね役)ですが、お二人で分担しても良いかと思います。
サクっと読めるショートショート、待ち合わせや残り時間にお楽しみください。

お話によって、男性だったり女性だったり動物だったり宇宙人だったり一人読みだったり兼ね役があったりします。男女不問。演者によって一人称や語尾を変えて演じていただいて良いです。
N)…モノローグ(心の声)です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 1 筆の持ち主。
私? 不問 1 筆。
若い刑事 不問 1 若い刑事。真面目。
ベテラン刑事 不問 1 ベテラン刑事。不真面目。
ナレ 不問 3 ナレーター。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ナレ:『筆』 私:日本では昔から「付喪神(つくもがみ)」と言って、長い間使われている道具は魂を持つと言われている。私が祖父から譲り受けた筆。どうやら付喪神だったようだ。 私:私は書道に詳しいわけでもないし、普段は筆なんて全く扱わない。だからこの筆は、ずっと押し入れにしまっていた。 私:どうやら筆は、この扱いに腹を立てたようだ。私に対してとても攻撃的で、最近は命の危険も感じている。階段の前を水浸しにしたり、お風呂にドライヤーを投げ込んだり、筆とは思えない行動をとってくる。 私:本当に、私を始末するつもりのようだ。このままではいけない。なんとかせねば。 私?:(口調を変えて)と思っていたが、それは気のせいだったようです。仕事の疲れから、被害妄想が膨らんでいました。気分転換をかねて、遠くの国へ旅行に行きます。ご安心ください。決して探さないで。 0:間 若い刑事:「ここで日記は終わっています。」 ナレ:若い刑事が言った。ベテラン刑事は、あくびをしながら答えた。 ベテラン刑事:「失踪ってことで捜査してたけど、ま、旅行だなこりゃ。色々思い詰めてたんだろう。見てみろ。ずっと殴り書きで書いてるのに、最後の部分だけ達筆だ。」 ベテラン刑事:「ん。これは、正気を取り戻したって事で間違いないだろう。あーあ。俺もバカンス行きてぇなあ。」 ナレ:刑事達は日記を閉じた。 0:---『筆』---

ナレ:『筆』 私:日本では昔から「付喪神(つくもがみ)」と言って、長い間使われている道具は魂を持つと言われている。私が祖父から譲り受けた筆。どうやら付喪神だったようだ。 私:私は書道に詳しいわけでもないし、普段は筆なんて全く扱わない。だからこの筆は、ずっと押し入れにしまっていた。 私:どうやら筆は、この扱いに腹を立てたようだ。私に対してとても攻撃的で、最近は命の危険も感じている。階段の前を水浸しにしたり、お風呂にドライヤーを投げ込んだり、筆とは思えない行動をとってくる。 私:本当に、私を始末するつもりのようだ。このままではいけない。なんとかせねば。 私?:(口調を変えて)と思っていたが、それは気のせいだったようです。仕事の疲れから、被害妄想が膨らんでいました。気分転換をかねて、遠くの国へ旅行に行きます。ご安心ください。決して探さないで。 0:間 若い刑事:「ここで日記は終わっています。」 ナレ:若い刑事が言った。ベテラン刑事は、あくびをしながら答えた。 ベテラン刑事:「失踪ってことで捜査してたけど、ま、旅行だなこりゃ。色々思い詰めてたんだろう。見てみろ。ずっと殴り書きで書いてるのに、最後の部分だけ達筆だ。」 ベテラン刑事:「ん。これは、正気を取り戻したって事で間違いないだろう。あーあ。俺もバカンス行きてぇなあ。」 ナレ:刑事達は日記を閉じた。 0:---『筆』---