台本概要

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タイトル 『絵本』~ヤッシー劇場
作者名 詩歌 -fumika-  (@tukiyonofumika)
ジャンル コメディ
演者人数 1人用台本(不問1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ヤッシー劇場へようこそ。

昔々ではないあるところに、某星新一氏の生まれ変わりかと思われる、ヤッシーという男性がおりました。
ヤッシーが織りなすショートショートを、不肖詩歌-fimika-が台本化させていただきました。

基本独演(兼ね役)ですが、お二人で分担しても良いかと思います。
サクっと読めるショートショート、待ち合わせや残り時間にお楽しみください。

お話によって、男性だったり女性だったり動物だったり宇宙人だったり一人読みだったり兼ね役があったりします。男女不問。演者によって一人称や語尾を変えて演じていただいて良いです。
N)…モノローグ(心の声)です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
S氏 不問 10 読み聞かせに生きがいを感じていた人。
神様 不問 4 絵本の神様。
若い医者 不問 3 S氏が搬送された病院の医者。
ナレ 不問 - ナレーター。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:『絵本』 S氏:N)「『ねこのおいしゃさん。』むかしむかし、ねこのおいしゃさんがいました…。」学生の頃に始めた、絵本の読み聞かせサークル。気が付けば20年も続けていた。 S氏:N)始めた頃は、読み聞かせに対して「溢れる笑顔」「子供たちの声」「親との触れ合い」という明るいイメージを持っていた。それは間違ってはいなかったが、会を運営するというのは、そんな幸せな事ばかりでは無かった。 S氏:N)絵本のチョイスを間違えて子供が泣いたり、親が子供を置いて買い物に行き、終わってもなかなか戻って来なかったり、自称絵本作家に「俺の絵本を読んでくれ」って絡まれたこともあった。 S氏:N)そんな中でも続けて来たのは、純粋に、絵本の読み聞かせが楽しかったから。 0:間 S氏:N)でも、今日は違った。家に帰ると裁判所からの手紙が入っていた。詳しくは分からないが、絵本の権利的な問題があったらしい。 S氏:N)子供達のため、親達のために頑張っているのに、どうしてこんな思いをしないといけないのだろう。日々のストレスも重なり限界だった。私は無意識に、絵本棚に火をつけていた。そして、そのまま気を失った。 0:間 S氏:N)---パンパカパーン!ファンファーレが鳴り響く。は?なに?なんの音?周りもモヤモヤした景色だし。ここ…どこ?状況が読めない…。 神様:「気がついたようぢゃな。」 S氏:「え?誰??」 S氏:N)目の前にいたのは、杖を持って雲に乗っているいかにも「神様」って感じのはげちゃびん。 神様:「わしは絵本の神様ぢゃ」 S氏:N)あ…ホントに神様だった。神様が私に何の用だろう? 神様:「いやー、なんか絵本を大切にしとったぢゃろう?だから、1回だけ生き返らしてやろうと思ってな。」 S氏:N)ああ。私しんだんだ。「…じゃあ、生き返り…お願いします。」 神様:「ほいほい。生き返り一丁入りまーす!」 S氏:N)え…軽い…こんなのでいいんだ…。 0:間 若い医者:「気が付きましたか。」 S氏:N)目が覚めると病院だった。事情を聞くところによると、家は全焼。一酸化炭素中毒で気絶していた私は何故か無事。絵本をだき抱えていたらしい。 若い医者:「あ、その絵本…『ねこのおいしゃさん』ですよね。僕、小さい頃に読み聞かせ会で聞いたんですよ。今も覚えてます。」 S氏:「あ、だからお医者さんに…?」 若い医者:「(ちょっと笑って)いえ、そんなわけでは…。」 S氏:「で、ですよね」 S氏:N)……恥っず!まぁそうですよね。でも…ちょっと元気が出た。明日からまた、頑張ろう。 0:『絵本』

0:『絵本』 S氏:N)「『ねこのおいしゃさん。』むかしむかし、ねこのおいしゃさんがいました…。」学生の頃に始めた、絵本の読み聞かせサークル。気が付けば20年も続けていた。 S氏:N)始めた頃は、読み聞かせに対して「溢れる笑顔」「子供たちの声」「親との触れ合い」という明るいイメージを持っていた。それは間違ってはいなかったが、会を運営するというのは、そんな幸せな事ばかりでは無かった。 S氏:N)絵本のチョイスを間違えて子供が泣いたり、親が子供を置いて買い物に行き、終わってもなかなか戻って来なかったり、自称絵本作家に「俺の絵本を読んでくれ」って絡まれたこともあった。 S氏:N)そんな中でも続けて来たのは、純粋に、絵本の読み聞かせが楽しかったから。 0:間 S氏:N)でも、今日は違った。家に帰ると裁判所からの手紙が入っていた。詳しくは分からないが、絵本の権利的な問題があったらしい。 S氏:N)子供達のため、親達のために頑張っているのに、どうしてこんな思いをしないといけないのだろう。日々のストレスも重なり限界だった。私は無意識に、絵本棚に火をつけていた。そして、そのまま気を失った。 0:間 S氏:N)---パンパカパーン!ファンファーレが鳴り響く。は?なに?なんの音?周りもモヤモヤした景色だし。ここ…どこ?状況が読めない…。 神様:「気がついたようぢゃな。」 S氏:「え?誰??」 S氏:N)目の前にいたのは、杖を持って雲に乗っているいかにも「神様」って感じのはげちゃびん。 神様:「わしは絵本の神様ぢゃ」 S氏:N)あ…ホントに神様だった。神様が私に何の用だろう? 神様:「いやー、なんか絵本を大切にしとったぢゃろう?だから、1回だけ生き返らしてやろうと思ってな。」 S氏:N)ああ。私しんだんだ。「…じゃあ、生き返り…お願いします。」 神様:「ほいほい。生き返り一丁入りまーす!」 S氏:N)え…軽い…こんなのでいいんだ…。 0:間 若い医者:「気が付きましたか。」 S氏:N)目が覚めると病院だった。事情を聞くところによると、家は全焼。一酸化炭素中毒で気絶していた私は何故か無事。絵本をだき抱えていたらしい。 若い医者:「あ、その絵本…『ねこのおいしゃさん』ですよね。僕、小さい頃に読み聞かせ会で聞いたんですよ。今も覚えてます。」 S氏:「あ、だからお医者さんに…?」 若い医者:「(ちょっと笑って)いえ、そんなわけでは…。」 S氏:「で、ですよね」 S氏:N)……恥っず!まぁそうですよね。でも…ちょっと元気が出た。明日からまた、頑張ろう。 0:『絵本』