台本概要

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タイトル 魔法使いと少年と…
作者名 ねりね  (@nerine_boikone)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(男2、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 生い立ちも種族も何一つ同じではないけれど
ボクの大切な家族のおはなし。

3人劇です。少年と猫の性別は男の子ですが、役者の性別は問いません。
魔法使いは性別不問です。

話の筋が変わらない程度のアドリブは入れていただいて構いません。
レイン(黒猫)のセリフは少なめです。可愛い鳴き声で鳴いてくださいね。

ボイコネに投稿していた台本です。
20分としていますが、そこまでかからないかも…?
連絡は必要ありませんが、連絡していただいたら喜んで聞きに行きます。
むしろ聞かせてください。

楽しく、のんびりと、ゆったりと楽しんでいただけたら幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
モーネ 不問 46 男女不問。森に住んでいる魔法使い。器用になんでもできるが、突出して得意なこともない。 人に優しく、街の人間とも交流がある。不憫な苦労人で、よくレグンに振り回される。雨の日に、森でレグンを拾う。
レグン 45 森でモーネに拾われ、そのままちゃっかりとモーネの助手として一緒に暮らしている。好奇心旺盛の少年で、その好奇心でモーネを振り回している。
レイン 18 レグンに拾われる猫。助けてくれたレグンとモーネに懐く。好きなものは暖かいミルクと、レグンのベッドに潜り込むこと。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:雨が降る森の奥深く。一人の魔法使いは雨宿りをしようと森で一番大きい樹の根元に腰掛けた モーネ:…この雨は暫くやみそうにないねぇ……おや? 0:魔法使いは自分が座っているすぐそばに何かが置いてあることに気がつく モーネ:ん?なんだ?この濡れ雑巾は… モーネ:これは…赤子じゃないか!なんでこんな所に… モーネ:いや、そんなことを考えている場合じゃない。急いで帰らないと… 0: 0: モーネ:んん…… モーネ:…(随分と懐かしい夢を見ていたような…) 0:突然バンッと扉が開いて、一人の少年が勢いよく入ってくる レグン:モーネ!大変だ!! モーネ:うわぁ!? レグン:ちょっと!椅子から落ちてる場合じゃないよ! モーネ:いったたたた…いや、君が大きな音を立てて入ってきたからだよ? レグン:なんでもいいけど、大変なんだよ! モーネ:な、なんでもいいって…もう少し労わってほしいねぇ…どっこいしょっと… モーネ:で、そんなに慌ててどうしたんだい? レグン:あのね、猫を拾ったの! モーネ:ああ、なんだ猫か。……はぁ?猫? レグン:ほら見て!雨に打たれてずぶ濡れだったんだ レグン:弱ってるみたいだし…早くなんとかしてあげないと! モーネ:雨のなか弱ってる生き物を拾ってくるなんて…誰に似たんだか レグン:モーネでしょ。雨のなかボクのことを拾ってきたんだから。 モーネ:さぁねぇ? モーネ:まあ、何はともあれ、まずはその濡れた体をなんとかしてあげなくちゃね レグン:うんっ、ボク暖炉のそばで体拭いてあげる! モーネ:優しく拭いてあげるんだよ レグン:わかってるってー モーネ:私はホットミルクでも準備しておこうかな 0: 0: レグン:…よかった、少しずつ体温が戻ってきたみたいだ…へ、へくしっ モーネ:ほら、君も濡れてるじゃないか レグン:わっ、モーネ!ボク自分で拭けるよ! モーネ:たまにはいいんじゃないかい?ほら、小さい頃はよく私が拭いていたしね レグン:もう…いつの話してんの… モーネ:んー?まんざらでもないだろう? レグン:わーっ、うるさいうるさい!聞こえなーい! モーネ:ふふっ、大きくなったね レグン:え?なに? モーネ:いいや、なんでもないさ。ほら、乾いたよ モーネ:…ちょうどホットミルクもできたみたいだ 0: 0:黒猫は与えられたミルクをゆっくり飲み始める。 モーネ:うん、ミルクも飲めているみたいだし、体力はすぐに回復しそうだね レイン:…みぃ… レグン:よかったぁ… レグン:いっぱい飲んで、早く元気になってね レイン:みぃ…みぃ! モーネ:そういえば、この子はどこで見つけたの? レグン:いつも薬草をとりにいく場所の、おっきい木のところ モーネ:ああ、あの樹か…へぇ… レグン:あ、そうだ、名前を決めないと モーネ:言うとは思っていたけれど…飼うつもりなのかい? レグン:もちろん! モーネ:家主は一応私なのだけれどねぇ レグン:じゃあ、モーネはこの子を元のところに返してこいって言うの? モーネ:そんなことは言わないけど… レグン:でしょ!なら決定! モーネ:はぁ、敵わないねぇ レグン:んー…名前…どうしようかなぁ… レグン:…レイン… レグン:そうだ!レインにしよう!雨に濡れてたからねっ モーネ:ぶはっ レグン:うわ、汚なっ…なんで笑うのさ! モーネ:あっはっはっ…いやいや、ごめんごめん モーネ:君の名前を考えた時の、私の思考回路と全く同じだったからね。 レグン:…? レグン:レグンって、雨って意味なの? モーネ:ああ、そうだよ。 レグン:初めて聞いた… モーネ:言ってなかったっけ… モーネ:雨は気分が下がる…なんてよく言ったものだけど、私はそうは思っていなくてね モーネ:植物も動物も、雨がないと生きていけないから…。雨は恵でもあるんだよ。 モーネ:そんな、たくさんの生き物に必要な…そんなふうに育ってほしい…なんて、後付けにしかならないけれど… レグン:ううん、そんなことないよ。 レグン:それにボク、雨大好きだしね モーネ:ふふっ、それはよかった。 レグン:よーし!今日から君の名前はレインだよ!仲良くしようね レイン:みぃっ! 0: 0:しばらく時間が経ち、疲れていたレグンはソファーで眠ってしまう。 モーネ:レグン、そんなところで寝てしまったら、本当に風邪を引いてしまうよ レグン:んー… モーネ:まったく、仕方ないねぇ 0:そう言うとレグンのを抱き上げて、ベッドへ寝かせそっと魔法をかける モーネ:おやすみ、レグン。いい夢を 0: レイン:みぃ! モーネ:おや、君はもうすっかり元気になってきたみたいだね レイン:みぃみぃ! モーネ:うんうん、とても頼もしいね。 モーネ:……そんな君に、一つ提案があるのだけれど… レイン:みぃ…? モーネ:レグンの使い魔にならないかい? モーネ:ああ、もちろんこれは断ってくれても構わないからね。 レイン:みぃみぃっ! モーネ:…それは、イエスかな? レイン:みぃっ モーネ:ふふっ、そうかい。ありがとう、レイン モーネ:それじゃあ、少し私の魔力を分けよう。目を閉じて… モーネ:明日から、君はレグンの使い魔だ。よろしくね、レイン 0: 0:翌日の朝。雨はすっかり上がって、朝日がレグンの部屋を照らす。 レイン:…レグン…レグン…レグン!! レグン:んー…あと5分… レイン:寝坊だよ!レグン! レグン:んんーっ…レイン…? レイン:あ!やっと起きた!おはよう、レグン! レグン:お、おはよ…って、ぇ…!? レイン:早く朝ごはん食べに行こうよー、ボクもうお腹すいちゃったー レグン:あ、う、うん、そうだね…じゃなくて!! レグン:喋ってる!?なんで!? レイン:えへへ!モーネにちょっとだけ魔力を分けてもらったのさっ レグン:え…えええっ!? モーネ:あ、やっと起きたかい、寝坊助さん レグン:モーネ!これ、どう言うこと!? モーネ:ん?これって? レグン:とぼけないでよ!なんでレインが言葉を話してるの? モーネ:うんうん、びっくりした? レグン:びっくりしたよ、当たり前でしょ! モーネ:うん、サプライズ成功だ…って、わーっ!説明するから!そんな怖い顔して迫ってこないで! レグン:もったいぶってないで早く説明して モーネ:せっかちだなぁ… モーネ:レインにレグンの使い魔にならないかって、提案したんだ。 レグン:使い魔…? モーネ:そう、まあ、いわば魔法使いの相方っていうところだね。 レイン:使い魔になったら、ずっと一緒にいられるかなって思って、引き受けたんだよ! レグン:…でもボクまだ魔法使いじゃ… モーネ:うん、君はまだ見習いだ モーネ:魔法使いっていうのは、自分と同じ年に生まれた黒猫を使い魔にする風習があるんだよ。 レグン:へぇ…そうなんだ モーネ:君を拾って育てるって決めた時に、使い魔を探すこともできたのだけど… モーネ:君は元々人間だからね、魔法使いになるかどうか、確かじゃなかった モーネ:だから探すのをやめたんだ、レグンのなりたい大人になってほしいと思ってね レグン:そうなんだ…そんなにボクのこと考えて… モーネ:まあ、こう見えて一応君の保護者だからね。 レグン:…そっか、えへへっ、ありがとうモーネ! レグン:よしっ!レイン、改めて今日からよろしくねっ レイン:うんっ!ボク、レグンの役に立てるように頑張るよ レグン:うん、ありがとう レイン:あ、お礼を言うのはボクの方だ! レイン:レグンがボクのこと助けてくれたんでしょ?モーネから全部聞いた! レグン:ううん、当たり前のことをしただけだよ。 レイン:それでも、ボクは助かったんだよ、ありがとう! レグン:へへっ、どういたしまして! モーネ:ほら、積もる話は後にして、朝ごはんにするよ 0:モーネの言葉に、二つの声が重なる レグン:はぁい! レイン:はあい! 0: レグン:種族も、生い立ちも全部バラバラ レグン:でも、それがボクの家族の形 レグン:大切で、大好きな、ボクの家族なんだ

0:雨が降る森の奥深く。一人の魔法使いは雨宿りをしようと森で一番大きい樹の根元に腰掛けた モーネ:…この雨は暫くやみそうにないねぇ……おや? 0:魔法使いは自分が座っているすぐそばに何かが置いてあることに気がつく モーネ:ん?なんだ?この濡れ雑巾は… モーネ:これは…赤子じゃないか!なんでこんな所に… モーネ:いや、そんなことを考えている場合じゃない。急いで帰らないと… 0: 0: モーネ:んん…… モーネ:…(随分と懐かしい夢を見ていたような…) 0:突然バンッと扉が開いて、一人の少年が勢いよく入ってくる レグン:モーネ!大変だ!! モーネ:うわぁ!? レグン:ちょっと!椅子から落ちてる場合じゃないよ! モーネ:いったたたた…いや、君が大きな音を立てて入ってきたからだよ? レグン:なんでもいいけど、大変なんだよ! モーネ:な、なんでもいいって…もう少し労わってほしいねぇ…どっこいしょっと… モーネ:で、そんなに慌ててどうしたんだい? レグン:あのね、猫を拾ったの! モーネ:ああ、なんだ猫か。……はぁ?猫? レグン:ほら見て!雨に打たれてずぶ濡れだったんだ レグン:弱ってるみたいだし…早くなんとかしてあげないと! モーネ:雨のなか弱ってる生き物を拾ってくるなんて…誰に似たんだか レグン:モーネでしょ。雨のなかボクのことを拾ってきたんだから。 モーネ:さぁねぇ? モーネ:まあ、何はともあれ、まずはその濡れた体をなんとかしてあげなくちゃね レグン:うんっ、ボク暖炉のそばで体拭いてあげる! モーネ:優しく拭いてあげるんだよ レグン:わかってるってー モーネ:私はホットミルクでも準備しておこうかな 0: 0: レグン:…よかった、少しずつ体温が戻ってきたみたいだ…へ、へくしっ モーネ:ほら、君も濡れてるじゃないか レグン:わっ、モーネ!ボク自分で拭けるよ! モーネ:たまにはいいんじゃないかい?ほら、小さい頃はよく私が拭いていたしね レグン:もう…いつの話してんの… モーネ:んー?まんざらでもないだろう? レグン:わーっ、うるさいうるさい!聞こえなーい! モーネ:ふふっ、大きくなったね レグン:え?なに? モーネ:いいや、なんでもないさ。ほら、乾いたよ モーネ:…ちょうどホットミルクもできたみたいだ 0: 0:黒猫は与えられたミルクをゆっくり飲み始める。 モーネ:うん、ミルクも飲めているみたいだし、体力はすぐに回復しそうだね レイン:…みぃ… レグン:よかったぁ… レグン:いっぱい飲んで、早く元気になってね レイン:みぃ…みぃ! モーネ:そういえば、この子はどこで見つけたの? レグン:いつも薬草をとりにいく場所の、おっきい木のところ モーネ:ああ、あの樹か…へぇ… レグン:あ、そうだ、名前を決めないと モーネ:言うとは思っていたけれど…飼うつもりなのかい? レグン:もちろん! モーネ:家主は一応私なのだけれどねぇ レグン:じゃあ、モーネはこの子を元のところに返してこいって言うの? モーネ:そんなことは言わないけど… レグン:でしょ!なら決定! モーネ:はぁ、敵わないねぇ レグン:んー…名前…どうしようかなぁ… レグン:…レイン… レグン:そうだ!レインにしよう!雨に濡れてたからねっ モーネ:ぶはっ レグン:うわ、汚なっ…なんで笑うのさ! モーネ:あっはっはっ…いやいや、ごめんごめん モーネ:君の名前を考えた時の、私の思考回路と全く同じだったからね。 レグン:…? レグン:レグンって、雨って意味なの? モーネ:ああ、そうだよ。 レグン:初めて聞いた… モーネ:言ってなかったっけ… モーネ:雨は気分が下がる…なんてよく言ったものだけど、私はそうは思っていなくてね モーネ:植物も動物も、雨がないと生きていけないから…。雨は恵でもあるんだよ。 モーネ:そんな、たくさんの生き物に必要な…そんなふうに育ってほしい…なんて、後付けにしかならないけれど… レグン:ううん、そんなことないよ。 レグン:それにボク、雨大好きだしね モーネ:ふふっ、それはよかった。 レグン:よーし!今日から君の名前はレインだよ!仲良くしようね レイン:みぃっ! 0: 0:しばらく時間が経ち、疲れていたレグンはソファーで眠ってしまう。 モーネ:レグン、そんなところで寝てしまったら、本当に風邪を引いてしまうよ レグン:んー… モーネ:まったく、仕方ないねぇ 0:そう言うとレグンのを抱き上げて、ベッドへ寝かせそっと魔法をかける モーネ:おやすみ、レグン。いい夢を 0: レイン:みぃ! モーネ:おや、君はもうすっかり元気になってきたみたいだね レイン:みぃみぃ! モーネ:うんうん、とても頼もしいね。 モーネ:……そんな君に、一つ提案があるのだけれど… レイン:みぃ…? モーネ:レグンの使い魔にならないかい? モーネ:ああ、もちろんこれは断ってくれても構わないからね。 レイン:みぃみぃっ! モーネ:…それは、イエスかな? レイン:みぃっ モーネ:ふふっ、そうかい。ありがとう、レイン モーネ:それじゃあ、少し私の魔力を分けよう。目を閉じて… モーネ:明日から、君はレグンの使い魔だ。よろしくね、レイン 0: 0:翌日の朝。雨はすっかり上がって、朝日がレグンの部屋を照らす。 レイン:…レグン…レグン…レグン!! レグン:んー…あと5分… レイン:寝坊だよ!レグン! レグン:んんーっ…レイン…? レイン:あ!やっと起きた!おはよう、レグン! レグン:お、おはよ…って、ぇ…!? レイン:早く朝ごはん食べに行こうよー、ボクもうお腹すいちゃったー レグン:あ、う、うん、そうだね…じゃなくて!! レグン:喋ってる!?なんで!? レイン:えへへ!モーネにちょっとだけ魔力を分けてもらったのさっ レグン:え…えええっ!? モーネ:あ、やっと起きたかい、寝坊助さん レグン:モーネ!これ、どう言うこと!? モーネ:ん?これって? レグン:とぼけないでよ!なんでレインが言葉を話してるの? モーネ:うんうん、びっくりした? レグン:びっくりしたよ、当たり前でしょ! モーネ:うん、サプライズ成功だ…って、わーっ!説明するから!そんな怖い顔して迫ってこないで! レグン:もったいぶってないで早く説明して モーネ:せっかちだなぁ… モーネ:レインにレグンの使い魔にならないかって、提案したんだ。 レグン:使い魔…? モーネ:そう、まあ、いわば魔法使いの相方っていうところだね。 レイン:使い魔になったら、ずっと一緒にいられるかなって思って、引き受けたんだよ! レグン:…でもボクまだ魔法使いじゃ… モーネ:うん、君はまだ見習いだ モーネ:魔法使いっていうのは、自分と同じ年に生まれた黒猫を使い魔にする風習があるんだよ。 レグン:へぇ…そうなんだ モーネ:君を拾って育てるって決めた時に、使い魔を探すこともできたのだけど… モーネ:君は元々人間だからね、魔法使いになるかどうか、確かじゃなかった モーネ:だから探すのをやめたんだ、レグンのなりたい大人になってほしいと思ってね レグン:そうなんだ…そんなにボクのこと考えて… モーネ:まあ、こう見えて一応君の保護者だからね。 レグン:…そっか、えへへっ、ありがとうモーネ! レグン:よしっ!レイン、改めて今日からよろしくねっ レイン:うんっ!ボク、レグンの役に立てるように頑張るよ レグン:うん、ありがとう レイン:あ、お礼を言うのはボクの方だ! レイン:レグンがボクのこと助けてくれたんでしょ?モーネから全部聞いた! レグン:ううん、当たり前のことをしただけだよ。 レイン:それでも、ボクは助かったんだよ、ありがとう! レグン:へへっ、どういたしまして! モーネ:ほら、積もる話は後にして、朝ごはんにするよ 0:モーネの言葉に、二つの声が重なる レグン:はぁい! レイン:はあい! 0: レグン:種族も、生い立ちも全部バラバラ レグン:でも、それがボクの家族の形 レグン:大切で、大好きな、ボクの家族なんだ