台本概要

 668 views 

タイトル オーバーヒートサマー
作者名 瓶の人  (@binbintumeru)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 3人用台本(男1、女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 デートがしたい!
とある部室に響き渡る声
彼氏とデートがしたい乙女のラブラブ大作戦

※注意事項
●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡下さい。
●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。
●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。
●全力で楽しんで下さると幸いです。

 668 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
畠山 88 畠山(はたけやま)高校3年生 彼氏は高校1年生の年下 容姿端麗だが、言動は残念 恋愛においては非常に初心
品森 77 品森(しなもり)高校2年生 見た目は派手な白ギャル 誰に対しても分け隔てなく接する良い子 彼氏は居ない
野木 63 野木(のぎ)高校2年生 校内恋人にしたくないランキング1位を獲得した男 友達にはなりたいが恋人にはしたくないという意見が多かった、らしい
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:とある部室 畠山:「デートがしたい!」 野木:「しーちゃん、ほら見てよ可愛くない?」 品森:「え、超かわいい!何この動物!」 野木:「ショウガラゴっていう猿。」 品森:「めっちゃ可愛いんですけどー!」 畠山:「デートがしたーーいーー!」 野木:「うるさ…なんですか部長…」 品森:「デートなら彼氏とすればいいじゃないですか。」 畠山:「それが出来ないからこうして叫んでるんじゃない!」 野木:「叫ぶ必要あります?」 畠山:「叫ばないとやってられないのよ。」 品森:「私たちをストレスのはけ口にしないでくださいよ…」 畠山:「品森何か言った?」 品森:「いえ何も。」 野木:「それで?俺達にどうしろと?」 畠山:「どうすればデートができるかを一緒に考えてほしいのよ!」 品森:「誘えばいいじゃないですか。」 畠山:「それが出来れば苦労しないわよ。」 野木:「まあ、部長は意外と乙女で初心(うぶ)ですからね。」 品森:「普段の言動からは考えられないけどね。」 畠山:「アナタ達ね…」 品森:「ていうか部長、その言動から察するに…まさか付き合ってから一度もデートしてないんですか?」 畠山:「…んぐっ…」 品森:「…付き合ってどれくらいでしたっけ?」 畠山:「2か月くらい…」 野木:「え?2か月付き合ってまだ一度もしてないんですか。」 畠山:「……手すら繋いでないし…」 品森:「え、手も繋いでないんですか!?」 畠山:「だって恥ずかしいじゃない!一緒に登下校してるだけでも…その……恥ずかしいのに…」 野木:「部長、めっちゃ乙女な顔してますよ。」 畠山:「うるさい黙れ野木。」 野木:「すみません。」 品森:「それならなんで急にデートなんて?登下校で恥ずかしいのにハードル高くないですか?」 畠山:「だって、このままじゃいけない気がして…せっかく付き合ったのになにも進展が無い事が不安っていうか…遠くない内に嫌われないかなって…」 野木:「ほほう。」 品森:「部長…」 畠山:「な、なによ。」 品森:「可愛いですねぇ。」 野木:「うん、可愛いですね~部長。」 畠山:「アナタ達、バカにしてるのかしら?」 野木:「そぉんな訳ないじゃないですかぁ。」 畠山:「沈めるわよ野木。」 野木:「すみません。」 品森:「ちなみに、部長はどんなデートがしたいんですか?」 畠山:「どんなデート…」 品森:「ここに行きたいなーとか、こんな事したいなーとか。理想のデートってあるんですか?」 畠山:「理想のデート…うーん…」 野木:「ちなみに俺こと野木の理想のデートは、満点の星空が広がる夜の浜辺を、二人で歩きながらイチャイチャするのが長年の夢であり理想です!」 畠山:「野木は黙ってて。」 品森:「野木くん、それは夢のままで留めておいてねー。」 野木:「なんで!?」 畠山:「…でもそうね。今ちょうど夏だし、海デートとかしたいかも。」 品森:「海良いですね!海で何かしたいとかってあるんですか?」 畠山:「何か、か…そうね。やっぱり泳ぎを教えてもらいたいわね。」 品森:「泳ぎ?」 畠山:「うん。私泳げないから、手をこう…掴んでもらってね?へへ…想像しただけでもニヤけちゃうわね…」 品森:「部長、よだれよだれ!」 畠山:「でも海ってなると水着にならなきゃよね…恥ずかしい…」 品森:「ワンピースとかの水着もあるのでその点は大丈夫ですよ!」 畠山:「でも…普段より露出あるじゃない…?」 0:ぬっとあらわれる野木 野木:「着ていく水着を選んでもらうのはどうですか?」 品森:「野木くん居たんだ。えっ…と水着を選んでもらう?」 野木:「やっぱりデートをするならお互い気分よくしたいじゃないですか、お互いに可愛いと思ってもらいたいしカッコいいと思ってもらいたい。それぞれ似合う水着を選びあって最高な状態でデートに挑むのはどうかなと!」 品森:「でもどの水着を着るってわかってるとその分インパクト下がらない?」 野木:「部長は極度の恥ずかしがり屋…いきなりの水着は恥ずかしいだろう。だから初めは水着の上からシャツを着ていくんだ。」 品森:「っ!なるほど…初めシャツからの後半は脱いで水着オンリーに…!」 野木:「そう、いくら一緒に選んだ水着でどんなのかは分かっていても、この方法を用いればインパクトを下げることなく水着姿をお披露目することが出来る。」 品森:「さすが野木くん…!」 畠山:「さ、さっきから何を言ってるのよアナタ達…?」 野木:「いいですか部長?水着の上からシャツを着るのです。そうすれば男たちは…いや、彼氏は喜びますよ。」 畠山:「そ、そう…なの?」 野木:「しかも2度美味しいですからね。」 畠山:「2度美味しい…?何言ってるかよくわからないけど、それをすれば喜ばせられるって事ね?」 品森:「そういうことです!」 野木:「せっかくの海デートですからね、全力で行かないと!」 畠山:「わ、わかった。でもどうやって誘えばいいのかしら。」 品森:「そこ考えてなかったですね。」 野木:「そこはこう、単刀直入に海行こうって!」 畠山:「なんで?ってならないかしら?」 品森:「あー、何かしら理由は欲しいですね。」 野木:「夏だし暑いし海はsea(シー)だしって言えば…」 品森:「……。」 畠山:「それを面白いと思っての発言なら即消えなさい野木。」 野木:「大変申し訳ございません。」 品森:「…でも夏と、暑いから海に行きたいっていうのは単純かつ誘い文句としては良いんじゃないですか?」 畠山:「でもほら、私の彼氏ってあれでしょ?」 品森:「あー…まあ動きたがらないですもんね…」 野木:「でも奴も男…部長の水着が見れるってなれば動くんじゃ?」 畠山:「そういうもんかしら?」 品森:「まあ、部長の事大好きだからあるかもしれませんね。」 野木:「まとめるとこうです。せっかくの夏だしめっちゃ暑いし海行こ!私の水着も見れるわよ!って感じで誘えばいいんですよ。」 畠山:「それは言えない、恥ずかしすぎる!」 野木:「じゃあこうですか?海で一緒に…夏の汗…流さない?って感じですか?」 畠山:「余計に恥ずかしいじゃない!」 品森:「でも言えたらイチコロですね!」 野木:「そうそう、初デートも行けて彼氏のハートも更にグッと掴めて一石二鳥ですよ!」 畠山:「アナタ達、アタシで遊んでない…?」 野木:「そんな事はないですよ、ささ1回試しに言ってみましょ!」 畠山:「はあ!?なんで!?」 品森:「練習です練習。」 野木:「ささ、1回だけ1回だけですから、ググっと言っちゃいましょう!」 畠山:「な……はあ、分かったわよ…コホン。海で一緒に…夏の汗…流さない…?こんな感じでいいのかしら…」 品森:「か…!かわいいいい!」 畠山:「ちょ、品森抱き着かないで!」 品森:「かわいいよおお部長ー!すーはーすーはー。」 畠山:「なんで匂い嗅いでるの!?」 野木:「いやあ、まさかここまでとは…さすが部長、破壊力が凄まじいですね…」 畠山:「なにがよ…ってか品森そろそろ離れなさい!」 品森:「はっ!可愛すぎて取り乱してしまいました…ハアハア。」 野木:「ほら、しーちゃんがこんなになるくらい凄まじいんです。これなら余裕で海デート行けますね。」 品森:「なんなら私が部長と二人きりで行きたいくらい。」 畠山:「何されるか分からないからそれは遠慮したいけど、本当にこれで大丈夫かしら…」 野木:「大丈夫です!俺たちを信用してください!」 品森:「そうです、信じてください!」 畠山:「わ、わかったわよわかったからそんな詰め寄ってこないで!」 品森:「さっそく明日誘ってみましょ部長!」 畠山:「あ、明日!?心の準備がさすがに…」 野木:「善は急げって言うでしょ。」 品森:「のんびりしてたら夏が終わっちゃいますしね。」 畠山:「うー、わかったわよ…」 野木:「良い報告、待ってますからね!」 畠山:「はいはい…」 0:後日 品森:「で、初デートはどうでした?」 畠山:「……うっ。」 野木:「どうだったんです?」 畠山:「……ひゃう。」 品森:「部長…?」 野木:「まさか…失敗したとか?」 畠山:「…………恥ずかしくて誘えなかった…」 野木:「ええ……」 品森:「恥ずかしいって…」 畠山:「で、でもね、今度一緒に海に行こっかって言ってくれたの!」 野木:「おお、良かったじゃないですか!」 品森:「海は後日にはなったけど、でも願ってもないチャンスですよ!」 畠山:「でもね、いざ海に行けるって思ったらもう頭の中が真っ白になっちゃって、何したらいいかとか水着一緒に選べるかなとかもうパニックになっちゃって…」 野木:「乙女か。」 畠山:「乙女よ。」 野木:「こういう時だけ素になるのやめません?」 品森:「水着選びは大事なイベントですからね、そこは頑張ってくれないと。」 畠山:「そうなの…?」 品森:「やっぱり、選んだ水着を着てもらえる、見られるっていうのは海に行く上でのモチベーションになると思うので。」 畠山:「そういうもんなのね…」 野木:「そうですよ、ビキニとかならなおモチベーション上がりますからね、うん。」 畠山:「ビキニ…流石に着れないわね…」 野木:「部長はビキニ似合うと思うけどなぁ。」 畠山:「どこ見て言ってんのよ野木。」 品森:「野木くんはちょっと黙ってようか?」 野木:「はい…」 品森:「とりあえず着る水着は置いといて、水着選びはもう単純ですよ。2つか3つ選んで、どれがいい?って聞けばいいんですから。」 畠山:「そんな簡単にできないわよ…!」 品森:「じゃあ、野木くん相手にちょっと練習してみましょ!」 畠山:「え、野木相手に?」 野木:「いつでもどうぞ。」 畠山:「別に野木じゃ緊張もなにもしないから練習にならないわよ。」 品森:「あー、そっか…」 野木:「なんだろう、告白されてないのにフラれた気分。」 品森:「しかたない、水着選びはなんとか頑張ってください。」 野木:「もうヤケクソになってない?しーちゃん?」 品森:「えっと、海でやりたいことって泳ぎを教えてほしい、でしたっけ?」 畠山:「そうね。」 品森:「やっぱりそれもどうお願いしたらいいか分からないです?」 畠山:「そうね…やっぱり恥ずかしくって…」 野木:「どんだけ初心なんだよ。」 畠山:「うるさいわね…恥ずかしいものは恥ずかしいのよ。」 品森:「でもこれも普通に、教えて?ってお願いすれば…」 畠山:「私にできると思うの!?」 野木:「逆ギレ!?」 品森:「部長たちって普段一緒に登下校してるんですよね?」 畠山:「してるわよ?」 品森:「その時ってどんな会話してるんですか?」 畠山:「どんなって……えっと…えーっと…天気の事とか…?」 野木:「何も話してないなこれ。」 畠山:「は、話してるわよ!ちゃんと話してるんだから!」 品森:「こんな調子で2か月もよく続きましたね…」 畠山:「私自身も驚いてるわよ…」 野木:「まあ、このままじゃダメって思えてるだけまだいいですけどね。」 品森:「そうだね、いいですか部長?このままの状態が続くといずれ大変なことが起きますよ。」 畠山:「…大変な事…」 品森:「そう遠くない未来、部長たちは…」 畠山:「アタシたちは…」 品森:「破局します。」 畠山:「いやああああ!」 品森:「そうならないためにも、恥ずかしがってる暇なんてないんですよ!恥ずかしがってる姿を可愛いなんて言ってもらえるのは初めだけなんですから!」 野木:「しーちゃんスパルター。」 畠山:「頑張る…私頑張るよ…」 品森:「その意気です!じゃあまずは…」 0: 0: 0: 品森:「…よし、部長。これでもう完璧ですね。」 畠山:「ありがとう品森。すごく勇気がみなぎってる気がするわ。もう恥ずかしくなんてない。」 品森:「これだけ練習したんです、最高のデートにしてくださいね!」 畠山:「ええ、ありがとう品森。」 野木:「水着はいつ選びに行くんでしたっけ?」 畠山:「明後日の金曜日の放課後に行って、土曜日に海へ行こうかなって。」 野木:「楽しみですね。」 畠山:「ええ。今の実力を試すいい機会ね。」 品森:「成功を祈ってます。」 野木:「頑張ってきてください部長。」 畠山:「ありがとう、あなた達の分まで頑張ってくるわ!」 0: 0:さらに後日 0: 野木:「で、どうだったんですか?」 品森:「海デートは?行きました?」 畠山:「えっと…」 野木:「あれだけ啖呵切ったんですからまさか失敗とかないですよね?」 畠山:「え、えっと…」 品森:「まさか…」 畠山:「はい、海に行けなかったです…」 野木:「えええええ!なんで!?」 畠山:「直前で急に恥ずかしくなって……えへ。」 品森:「えへ、じゃないですよ!」 野木:「そんなんでごまかされないですよ!」 畠山:「で、でもおうちデートできたし良いかなって…」 品森:「……え?おうちデートしたんですか…?」 畠山:「う、うん。本読んだりゲームしたりした。」 品森:「水着…は?」 畠山:「選んでません…」 品森:「海は…?」 畠山:「一旦保留に…」 品森:「はぁ……」 野木:「はは…まあいいんじゃないかな?」 品森:「まあ…そうだね…」 野木:「いきなり海は難しかっただろうし、これはこれで部長にとってはいい進歩でしょ。」 品森:「確かにね………ねえ、部長?」 畠山:「な、なに品森?」 品森:「楽しかったですか?」 畠山:「もちろん!」 品森:「そうですか。ならいっか!今回はこれでいいですけど、夏の間には絶対海デートですからね!」 畠山:「ええええ!?そんなの無理よ!」 品森:「元は部長が言い出したんですから拒否権はないですからね!さ!誘えるように特訓ですよー!!」 畠山:「そんなー!」 野木:「いやぁ、恋をするのも大変だねぇ……あー、アツがナツいねぇ…」

0:とある部室 畠山:「デートがしたい!」 野木:「しーちゃん、ほら見てよ可愛くない?」 品森:「え、超かわいい!何この動物!」 野木:「ショウガラゴっていう猿。」 品森:「めっちゃ可愛いんですけどー!」 畠山:「デートがしたーーいーー!」 野木:「うるさ…なんですか部長…」 品森:「デートなら彼氏とすればいいじゃないですか。」 畠山:「それが出来ないからこうして叫んでるんじゃない!」 野木:「叫ぶ必要あります?」 畠山:「叫ばないとやってられないのよ。」 品森:「私たちをストレスのはけ口にしないでくださいよ…」 畠山:「品森何か言った?」 品森:「いえ何も。」 野木:「それで?俺達にどうしろと?」 畠山:「どうすればデートができるかを一緒に考えてほしいのよ!」 品森:「誘えばいいじゃないですか。」 畠山:「それが出来れば苦労しないわよ。」 野木:「まあ、部長は意外と乙女で初心(うぶ)ですからね。」 品森:「普段の言動からは考えられないけどね。」 畠山:「アナタ達ね…」 品森:「ていうか部長、その言動から察するに…まさか付き合ってから一度もデートしてないんですか?」 畠山:「…んぐっ…」 品森:「…付き合ってどれくらいでしたっけ?」 畠山:「2か月くらい…」 野木:「え?2か月付き合ってまだ一度もしてないんですか。」 畠山:「……手すら繋いでないし…」 品森:「え、手も繋いでないんですか!?」 畠山:「だって恥ずかしいじゃない!一緒に登下校してるだけでも…その……恥ずかしいのに…」 野木:「部長、めっちゃ乙女な顔してますよ。」 畠山:「うるさい黙れ野木。」 野木:「すみません。」 品森:「それならなんで急にデートなんて?登下校で恥ずかしいのにハードル高くないですか?」 畠山:「だって、このままじゃいけない気がして…せっかく付き合ったのになにも進展が無い事が不安っていうか…遠くない内に嫌われないかなって…」 野木:「ほほう。」 品森:「部長…」 畠山:「な、なによ。」 品森:「可愛いですねぇ。」 野木:「うん、可愛いですね~部長。」 畠山:「アナタ達、バカにしてるのかしら?」 野木:「そぉんな訳ないじゃないですかぁ。」 畠山:「沈めるわよ野木。」 野木:「すみません。」 品森:「ちなみに、部長はどんなデートがしたいんですか?」 畠山:「どんなデート…」 品森:「ここに行きたいなーとか、こんな事したいなーとか。理想のデートってあるんですか?」 畠山:「理想のデート…うーん…」 野木:「ちなみに俺こと野木の理想のデートは、満点の星空が広がる夜の浜辺を、二人で歩きながらイチャイチャするのが長年の夢であり理想です!」 畠山:「野木は黙ってて。」 品森:「野木くん、それは夢のままで留めておいてねー。」 野木:「なんで!?」 畠山:「…でもそうね。今ちょうど夏だし、海デートとかしたいかも。」 品森:「海良いですね!海で何かしたいとかってあるんですか?」 畠山:「何か、か…そうね。やっぱり泳ぎを教えてもらいたいわね。」 品森:「泳ぎ?」 畠山:「うん。私泳げないから、手をこう…掴んでもらってね?へへ…想像しただけでもニヤけちゃうわね…」 品森:「部長、よだれよだれ!」 畠山:「でも海ってなると水着にならなきゃよね…恥ずかしい…」 品森:「ワンピースとかの水着もあるのでその点は大丈夫ですよ!」 畠山:「でも…普段より露出あるじゃない…?」 0:ぬっとあらわれる野木 野木:「着ていく水着を選んでもらうのはどうですか?」 品森:「野木くん居たんだ。えっ…と水着を選んでもらう?」 野木:「やっぱりデートをするならお互い気分よくしたいじゃないですか、お互いに可愛いと思ってもらいたいしカッコいいと思ってもらいたい。それぞれ似合う水着を選びあって最高な状態でデートに挑むのはどうかなと!」 品森:「でもどの水着を着るってわかってるとその分インパクト下がらない?」 野木:「部長は極度の恥ずかしがり屋…いきなりの水着は恥ずかしいだろう。だから初めは水着の上からシャツを着ていくんだ。」 品森:「っ!なるほど…初めシャツからの後半は脱いで水着オンリーに…!」 野木:「そう、いくら一緒に選んだ水着でどんなのかは分かっていても、この方法を用いればインパクトを下げることなく水着姿をお披露目することが出来る。」 品森:「さすが野木くん…!」 畠山:「さ、さっきから何を言ってるのよアナタ達…?」 野木:「いいですか部長?水着の上からシャツを着るのです。そうすれば男たちは…いや、彼氏は喜びますよ。」 畠山:「そ、そう…なの?」 野木:「しかも2度美味しいですからね。」 畠山:「2度美味しい…?何言ってるかよくわからないけど、それをすれば喜ばせられるって事ね?」 品森:「そういうことです!」 野木:「せっかくの海デートですからね、全力で行かないと!」 畠山:「わ、わかった。でもどうやって誘えばいいのかしら。」 品森:「そこ考えてなかったですね。」 野木:「そこはこう、単刀直入に海行こうって!」 畠山:「なんで?ってならないかしら?」 品森:「あー、何かしら理由は欲しいですね。」 野木:「夏だし暑いし海はsea(シー)だしって言えば…」 品森:「……。」 畠山:「それを面白いと思っての発言なら即消えなさい野木。」 野木:「大変申し訳ございません。」 品森:「…でも夏と、暑いから海に行きたいっていうのは単純かつ誘い文句としては良いんじゃないですか?」 畠山:「でもほら、私の彼氏ってあれでしょ?」 品森:「あー…まあ動きたがらないですもんね…」 野木:「でも奴も男…部長の水着が見れるってなれば動くんじゃ?」 畠山:「そういうもんかしら?」 品森:「まあ、部長の事大好きだからあるかもしれませんね。」 野木:「まとめるとこうです。せっかくの夏だしめっちゃ暑いし海行こ!私の水着も見れるわよ!って感じで誘えばいいんですよ。」 畠山:「それは言えない、恥ずかしすぎる!」 野木:「じゃあこうですか?海で一緒に…夏の汗…流さない?って感じですか?」 畠山:「余計に恥ずかしいじゃない!」 品森:「でも言えたらイチコロですね!」 野木:「そうそう、初デートも行けて彼氏のハートも更にグッと掴めて一石二鳥ですよ!」 畠山:「アナタ達、アタシで遊んでない…?」 野木:「そんな事はないですよ、ささ1回試しに言ってみましょ!」 畠山:「はあ!?なんで!?」 品森:「練習です練習。」 野木:「ささ、1回だけ1回だけですから、ググっと言っちゃいましょう!」 畠山:「な……はあ、分かったわよ…コホン。海で一緒に…夏の汗…流さない…?こんな感じでいいのかしら…」 品森:「か…!かわいいいい!」 畠山:「ちょ、品森抱き着かないで!」 品森:「かわいいよおお部長ー!すーはーすーはー。」 畠山:「なんで匂い嗅いでるの!?」 野木:「いやあ、まさかここまでとは…さすが部長、破壊力が凄まじいですね…」 畠山:「なにがよ…ってか品森そろそろ離れなさい!」 品森:「はっ!可愛すぎて取り乱してしまいました…ハアハア。」 野木:「ほら、しーちゃんがこんなになるくらい凄まじいんです。これなら余裕で海デート行けますね。」 品森:「なんなら私が部長と二人きりで行きたいくらい。」 畠山:「何されるか分からないからそれは遠慮したいけど、本当にこれで大丈夫かしら…」 野木:「大丈夫です!俺たちを信用してください!」 品森:「そうです、信じてください!」 畠山:「わ、わかったわよわかったからそんな詰め寄ってこないで!」 品森:「さっそく明日誘ってみましょ部長!」 畠山:「あ、明日!?心の準備がさすがに…」 野木:「善は急げって言うでしょ。」 品森:「のんびりしてたら夏が終わっちゃいますしね。」 畠山:「うー、わかったわよ…」 野木:「良い報告、待ってますからね!」 畠山:「はいはい…」 0:後日 品森:「で、初デートはどうでした?」 畠山:「……うっ。」 野木:「どうだったんです?」 畠山:「……ひゃう。」 品森:「部長…?」 野木:「まさか…失敗したとか?」 畠山:「…………恥ずかしくて誘えなかった…」 野木:「ええ……」 品森:「恥ずかしいって…」 畠山:「で、でもね、今度一緒に海に行こっかって言ってくれたの!」 野木:「おお、良かったじゃないですか!」 品森:「海は後日にはなったけど、でも願ってもないチャンスですよ!」 畠山:「でもね、いざ海に行けるって思ったらもう頭の中が真っ白になっちゃって、何したらいいかとか水着一緒に選べるかなとかもうパニックになっちゃって…」 野木:「乙女か。」 畠山:「乙女よ。」 野木:「こういう時だけ素になるのやめません?」 品森:「水着選びは大事なイベントですからね、そこは頑張ってくれないと。」 畠山:「そうなの…?」 品森:「やっぱり、選んだ水着を着てもらえる、見られるっていうのは海に行く上でのモチベーションになると思うので。」 畠山:「そういうもんなのね…」 野木:「そうですよ、ビキニとかならなおモチベーション上がりますからね、うん。」 畠山:「ビキニ…流石に着れないわね…」 野木:「部長はビキニ似合うと思うけどなぁ。」 畠山:「どこ見て言ってんのよ野木。」 品森:「野木くんはちょっと黙ってようか?」 野木:「はい…」 品森:「とりあえず着る水着は置いといて、水着選びはもう単純ですよ。2つか3つ選んで、どれがいい?って聞けばいいんですから。」 畠山:「そんな簡単にできないわよ…!」 品森:「じゃあ、野木くん相手にちょっと練習してみましょ!」 畠山:「え、野木相手に?」 野木:「いつでもどうぞ。」 畠山:「別に野木じゃ緊張もなにもしないから練習にならないわよ。」 品森:「あー、そっか…」 野木:「なんだろう、告白されてないのにフラれた気分。」 品森:「しかたない、水着選びはなんとか頑張ってください。」 野木:「もうヤケクソになってない?しーちゃん?」 品森:「えっと、海でやりたいことって泳ぎを教えてほしい、でしたっけ?」 畠山:「そうね。」 品森:「やっぱりそれもどうお願いしたらいいか分からないです?」 畠山:「そうね…やっぱり恥ずかしくって…」 野木:「どんだけ初心なんだよ。」 畠山:「うるさいわね…恥ずかしいものは恥ずかしいのよ。」 品森:「でもこれも普通に、教えて?ってお願いすれば…」 畠山:「私にできると思うの!?」 野木:「逆ギレ!?」 品森:「部長たちって普段一緒に登下校してるんですよね?」 畠山:「してるわよ?」 品森:「その時ってどんな会話してるんですか?」 畠山:「どんなって……えっと…えーっと…天気の事とか…?」 野木:「何も話してないなこれ。」 畠山:「は、話してるわよ!ちゃんと話してるんだから!」 品森:「こんな調子で2か月もよく続きましたね…」 畠山:「私自身も驚いてるわよ…」 野木:「まあ、このままじゃダメって思えてるだけまだいいですけどね。」 品森:「そうだね、いいですか部長?このままの状態が続くといずれ大変なことが起きますよ。」 畠山:「…大変な事…」 品森:「そう遠くない未来、部長たちは…」 畠山:「アタシたちは…」 品森:「破局します。」 畠山:「いやああああ!」 品森:「そうならないためにも、恥ずかしがってる暇なんてないんですよ!恥ずかしがってる姿を可愛いなんて言ってもらえるのは初めだけなんですから!」 野木:「しーちゃんスパルター。」 畠山:「頑張る…私頑張るよ…」 品森:「その意気です!じゃあまずは…」 0: 0: 0: 品森:「…よし、部長。これでもう完璧ですね。」 畠山:「ありがとう品森。すごく勇気がみなぎってる気がするわ。もう恥ずかしくなんてない。」 品森:「これだけ練習したんです、最高のデートにしてくださいね!」 畠山:「ええ、ありがとう品森。」 野木:「水着はいつ選びに行くんでしたっけ?」 畠山:「明後日の金曜日の放課後に行って、土曜日に海へ行こうかなって。」 野木:「楽しみですね。」 畠山:「ええ。今の実力を試すいい機会ね。」 品森:「成功を祈ってます。」 野木:「頑張ってきてください部長。」 畠山:「ありがとう、あなた達の分まで頑張ってくるわ!」 0: 0:さらに後日 0: 野木:「で、どうだったんですか?」 品森:「海デートは?行きました?」 畠山:「えっと…」 野木:「あれだけ啖呵切ったんですからまさか失敗とかないですよね?」 畠山:「え、えっと…」 品森:「まさか…」 畠山:「はい、海に行けなかったです…」 野木:「えええええ!なんで!?」 畠山:「直前で急に恥ずかしくなって……えへ。」 品森:「えへ、じゃないですよ!」 野木:「そんなんでごまかされないですよ!」 畠山:「で、でもおうちデートできたし良いかなって…」 品森:「……え?おうちデートしたんですか…?」 畠山:「う、うん。本読んだりゲームしたりした。」 品森:「水着…は?」 畠山:「選んでません…」 品森:「海は…?」 畠山:「一旦保留に…」 品森:「はぁ……」 野木:「はは…まあいいんじゃないかな?」 品森:「まあ…そうだね…」 野木:「いきなり海は難しかっただろうし、これはこれで部長にとってはいい進歩でしょ。」 品森:「確かにね………ねえ、部長?」 畠山:「な、なに品森?」 品森:「楽しかったですか?」 畠山:「もちろん!」 品森:「そうですか。ならいっか!今回はこれでいいですけど、夏の間には絶対海デートですからね!」 畠山:「ええええ!?そんなの無理よ!」 品森:「元は部長が言い出したんですから拒否権はないですからね!さ!誘えるように特訓ですよー!!」 畠山:「そんなー!」 野木:「いやぁ、恋をするのも大変だねぇ……あー、アツがナツいねぇ…」