台本概要

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タイトル 死にたがリーマンの昼下がり。
作者名 akodon  (@akodon1)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 【アドリブ大歓迎!】
死にたいリーマンと無邪気なちびっこの微笑ましい(?)コメディ。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
サラリーマン 不問 39 疲れきったリーマン。だいぶくたびれている。高所恐怖症。
ちびっこ 不問 37 元気なちびっこ。とにかく無邪気。怖いものは何も無い。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:公園にて、一人のサラリーマンが滑り台の上で泣いている サラリーマン:「・・・ぐすっ、ぐすっ」 ちびっこ:「ねぇねぇ」 サラリーマン:「・・・ううう・・・ぐすっ」 ちびっこ:「ねぇねぇ、おじさん」 サラリーマン:「ズズッ・・・なんだい?ボク?」 ちびっこ:「あのね、ボクすべり台であそびたいんだけど」 サラリーマン:「あっ・・・ごめんね・・・こんな所に俺が座ってたから・・・」 ちびっこ:「ううん。だいじょうぶ。それより、おじさんはどうしてこんな所で泣いてるの?」 サラリーマン:「いや・・・ちょっとね・・・高いところに登りたくて・・・」 ちびっこ:「へぇ〜。でもこのすべり台子ども用だから、あんまり高くないよ?」 サラリーマン:「そうだね。そうなんだけどね」 ちびっこ:「もーっと高い場所ならいっぱいあるよ〜。 ちびっこ:あそこに見えるマンションとか〜、その後ろに建ってるビルとか!」 サラリーマン:「うん・・・俺もね。どうせやるなら高ければ高い方が良いから、あのビルの屋上には行ってみたんだけどね。 サラリーマン:でも・・・ううっ・・・」 ちびっこ:「どうしたの?おじさん?」 サラリーマン:「・・・怖くて」 ちびっこ:「えっ?」 サラリーマン:「俺、高所恐怖症なの忘れてて・・・屋上に立った瞬間、その・・・ちょっとチビっちゃって・・・」 ちびっこ:「おじさん、大人なのにおしっこ漏らしちゃったの?」 サラリーマン:「そうなの・・・だからね、ちょっとずつ慣れようと思って、まずは公園の滑り台から克服しようかな、って・・・」 ちびっこ:「今は漏らしてない?」 サラリーマン:「流石に大丈夫だけど、情けなさすぎて別のものが目から溢れてきたとこ」 ちびっこ:「ハンカチ貸してあげようか?」 サラリーマン:「ありがとう・・・優しいなぁ・・・ボクは・・・」 ちびっこ:「困ってる人と泣いてる人と、『あいしゅう』ただよう寂しい背中を見た時はこうするのよ、ってママが言ってた」 サラリーマン:「キミのお母さん、すごい教育をしてるんだね・・・」 ちびっこ:「すごいでしょ?」 サラリーマン:「ちなみに、哀愁の意味はわかってるの?」 ちびっこ:「わからなかったけど、今のおじさん見たらなんとなくわかった!」 サラリーマン:「そうかぁ・・・キミは学習能力が高いなぁ・・・」 ちびっこ:「ところで、おじさんはどうしてそんな高い所に登りたいの?」 サラリーマン:「いや・・・キミに話すのはちょっとまずい気がするんだけど・・・」 ちびっこ:「隠しちゃダメだよ!隠し事は『ふわのもと』よ!ってママが言ってたもん!」 サラリーマン:「キミのママ、もしかして何かあったのかなぁ?」 ちびっこ:「ねぇねぇ、教えてよ!」 サラリーマン:「うーんとねぇ・・・ものすごく簡単に言うとね・・・俺、すごく今疲れちゃっててね・・・」 ちびっこ:「うんうん」 サラリーマン:「何もかも嫌になったから、ちょっと高いところからジャンプすれば楽しくなれるんじゃないかなぁ・・・って思って」 ちびっこ:「すごーい!バンジージャンプ?」 サラリーマン:「命綱は無いんだけどね」 ちびっこ:「それじゃあ、スカイダイビング?」 サラリーマン:「パラシュートも無いんだけどね」 ちびっこ:「へぇ〜。大人って疲れると高い所からジャンプしたくなっちゃうんだぁ。すごいなぁ〜」 サラリーマン:「ははは・・・すごくはないし、褒められることでもないからキミは絶対真似しちゃダメだよ?」 ちびっこ:「でも、なんでおじさんはそんなに疲れちゃったの?」 サラリーマン:「そうだね・・・なんでこんなに疲れちゃったんだろうね・・・」 ちびっこ:「お仕事大変なの?」 サラリーマン:「そうだねぇ・・・お仕事大変だったねぇ・・・」 ちびっこ:「彼女にふられたの?」 サラリーマン:「・・・そうだねぇ・・・振られたねぇ・・・」 ちびっこ:「最近、髪が薄くなってきたね、って言われたの?」 サラリーマン:「キミ、無邪気な顔して的確に心の傷を抉(えぐ)ってくるね」 ちびっこ:「人を観察して、上手にてのひらの上で踊らせるのよ、ってママが言ってた」 サラリーマン:「いよいよキミのママがどんな人なのか、不安になってきたなぁ、俺」 ちびっこ:「おじさん、ボク思ったんだけど、そんなに大変ならお仕事休めば良いんじゃないの?」 サラリーマン:「いや・・・キミの言う通り休めればいいんだけどね。 サラリーマン:うちの職場、人がいなくて簡単には休めないんだ・・・仕事量も多くて、なかなか家に帰れないし・・・」 ちびっこ:「おじさんはもしかして、有名な『しゃちく』ってやつなの?」 サラリーマン:「それはまたママから教わったの?」 ちびっこ:「ううん。今テレビでやってる社畜戦隊ザンギョウジャーで見た!」 サラリーマン:「なんて番組を作ってるんだ・・・世の大人は・・・」 ちびっこ:「日曜日の朝8時からだよ」 サラリーマン:「そっかぁ。今度機会があったら見てみるね」 ちびっこ:「でね!ザンギョウレッドが言ってたんだ。 ちびっこ:『オレはもう半月もまともに休みをもらっていない!このままただの社畜として無惨な過労死を迎えるのは嫌だ!』って」 サラリーマン:「ねぇ、それ本当に子供向け番組?」 ちびっこ:「ちなみにザンギョウピンクは魔女オツボーネからいんしつなイジメを受けているんだ」 サラリーマン:「制作スタッフ全員、心に闇を抱えているのかなぁ?」 ちびっこ:「あっ!もしかして、おじさんはザンギョウジャーの仲間なの?」 サラリーマン:「そうだねぇ。ある意味仲間かもしれないねぇ」 ちびっこ:「だったら負けちゃダメだよ! ちびっこ:ザンギョウジャーはこの世にあふれた『りふじん』を成敗して、たくさんの子どもたちに働く喜びを教えなきゃいけないんだから!」 サラリーマン:「さりげなく社畜増産態勢に入ってそうな感じがするのは気のせいかな・・・」 0:(4時を知らせる音楽が鳴る) ちびっこ:「あっ、4時のチャイムだ!おじさん、ごめんね!ボクそろそろ時間だからおうちに帰らなきゃ! ちびっこ:お仕事頑張ってね!しっかりこの世の歯車として『ばしゃうま』のごとく働くんだよ!」 サラリーマン:「はは、それはザンギョウジャーの台詞?」 ちびっこ:「これはママが言ってた!」 サラリーマン:「ははは・・・今度キミのお母さんに会ったら、ちょっと一言言わなきゃいけない気がしてきたなぁ」 ちびっこ:「じゃあね!おじさん!いや、ザンギョウジャー!また会おうね!」 サラリーマン:「ばいばーい。気を付けて帰るんだよー」 0:(しばしの間) サラリーマン:「・・・ハァー・・・明日、辞表出しに行こう」

0:公園にて、一人のサラリーマンが滑り台の上で泣いている サラリーマン:「・・・ぐすっ、ぐすっ」 ちびっこ:「ねぇねぇ」 サラリーマン:「・・・ううう・・・ぐすっ」 ちびっこ:「ねぇねぇ、おじさん」 サラリーマン:「ズズッ・・・なんだい?ボク?」 ちびっこ:「あのね、ボクすべり台であそびたいんだけど」 サラリーマン:「あっ・・・ごめんね・・・こんな所に俺が座ってたから・・・」 ちびっこ:「ううん。だいじょうぶ。それより、おじさんはどうしてこんな所で泣いてるの?」 サラリーマン:「いや・・・ちょっとね・・・高いところに登りたくて・・・」 ちびっこ:「へぇ〜。でもこのすべり台子ども用だから、あんまり高くないよ?」 サラリーマン:「そうだね。そうなんだけどね」 ちびっこ:「もーっと高い場所ならいっぱいあるよ〜。 ちびっこ:あそこに見えるマンションとか〜、その後ろに建ってるビルとか!」 サラリーマン:「うん・・・俺もね。どうせやるなら高ければ高い方が良いから、あのビルの屋上には行ってみたんだけどね。 サラリーマン:でも・・・ううっ・・・」 ちびっこ:「どうしたの?おじさん?」 サラリーマン:「・・・怖くて」 ちびっこ:「えっ?」 サラリーマン:「俺、高所恐怖症なの忘れてて・・・屋上に立った瞬間、その・・・ちょっとチビっちゃって・・・」 ちびっこ:「おじさん、大人なのにおしっこ漏らしちゃったの?」 サラリーマン:「そうなの・・・だからね、ちょっとずつ慣れようと思って、まずは公園の滑り台から克服しようかな、って・・・」 ちびっこ:「今は漏らしてない?」 サラリーマン:「流石に大丈夫だけど、情けなさすぎて別のものが目から溢れてきたとこ」 ちびっこ:「ハンカチ貸してあげようか?」 サラリーマン:「ありがとう・・・優しいなぁ・・・ボクは・・・」 ちびっこ:「困ってる人と泣いてる人と、『あいしゅう』ただよう寂しい背中を見た時はこうするのよ、ってママが言ってた」 サラリーマン:「キミのお母さん、すごい教育をしてるんだね・・・」 ちびっこ:「すごいでしょ?」 サラリーマン:「ちなみに、哀愁の意味はわかってるの?」 ちびっこ:「わからなかったけど、今のおじさん見たらなんとなくわかった!」 サラリーマン:「そうかぁ・・・キミは学習能力が高いなぁ・・・」 ちびっこ:「ところで、おじさんはどうしてそんな高い所に登りたいの?」 サラリーマン:「いや・・・キミに話すのはちょっとまずい気がするんだけど・・・」 ちびっこ:「隠しちゃダメだよ!隠し事は『ふわのもと』よ!ってママが言ってたもん!」 サラリーマン:「キミのママ、もしかして何かあったのかなぁ?」 ちびっこ:「ねぇねぇ、教えてよ!」 サラリーマン:「うーんとねぇ・・・ものすごく簡単に言うとね・・・俺、すごく今疲れちゃっててね・・・」 ちびっこ:「うんうん」 サラリーマン:「何もかも嫌になったから、ちょっと高いところからジャンプすれば楽しくなれるんじゃないかなぁ・・・って思って」 ちびっこ:「すごーい!バンジージャンプ?」 サラリーマン:「命綱は無いんだけどね」 ちびっこ:「それじゃあ、スカイダイビング?」 サラリーマン:「パラシュートも無いんだけどね」 ちびっこ:「へぇ〜。大人って疲れると高い所からジャンプしたくなっちゃうんだぁ。すごいなぁ〜」 サラリーマン:「ははは・・・すごくはないし、褒められることでもないからキミは絶対真似しちゃダメだよ?」 ちびっこ:「でも、なんでおじさんはそんなに疲れちゃったの?」 サラリーマン:「そうだね・・・なんでこんなに疲れちゃったんだろうね・・・」 ちびっこ:「お仕事大変なの?」 サラリーマン:「そうだねぇ・・・お仕事大変だったねぇ・・・」 ちびっこ:「彼女にふられたの?」 サラリーマン:「・・・そうだねぇ・・・振られたねぇ・・・」 ちびっこ:「最近、髪が薄くなってきたね、って言われたの?」 サラリーマン:「キミ、無邪気な顔して的確に心の傷を抉(えぐ)ってくるね」 ちびっこ:「人を観察して、上手にてのひらの上で踊らせるのよ、ってママが言ってた」 サラリーマン:「いよいよキミのママがどんな人なのか、不安になってきたなぁ、俺」 ちびっこ:「おじさん、ボク思ったんだけど、そんなに大変ならお仕事休めば良いんじゃないの?」 サラリーマン:「いや・・・キミの言う通り休めればいいんだけどね。 サラリーマン:うちの職場、人がいなくて簡単には休めないんだ・・・仕事量も多くて、なかなか家に帰れないし・・・」 ちびっこ:「おじさんはもしかして、有名な『しゃちく』ってやつなの?」 サラリーマン:「それはまたママから教わったの?」 ちびっこ:「ううん。今テレビでやってる社畜戦隊ザンギョウジャーで見た!」 サラリーマン:「なんて番組を作ってるんだ・・・世の大人は・・・」 ちびっこ:「日曜日の朝8時からだよ」 サラリーマン:「そっかぁ。今度機会があったら見てみるね」 ちびっこ:「でね!ザンギョウレッドが言ってたんだ。 ちびっこ:『オレはもう半月もまともに休みをもらっていない!このままただの社畜として無惨な過労死を迎えるのは嫌だ!』って」 サラリーマン:「ねぇ、それ本当に子供向け番組?」 ちびっこ:「ちなみにザンギョウピンクは魔女オツボーネからいんしつなイジメを受けているんだ」 サラリーマン:「制作スタッフ全員、心に闇を抱えているのかなぁ?」 ちびっこ:「あっ!もしかして、おじさんはザンギョウジャーの仲間なの?」 サラリーマン:「そうだねぇ。ある意味仲間かもしれないねぇ」 ちびっこ:「だったら負けちゃダメだよ! ちびっこ:ザンギョウジャーはこの世にあふれた『りふじん』を成敗して、たくさんの子どもたちに働く喜びを教えなきゃいけないんだから!」 サラリーマン:「さりげなく社畜増産態勢に入ってそうな感じがするのは気のせいかな・・・」 0:(4時を知らせる音楽が鳴る) ちびっこ:「あっ、4時のチャイムだ!おじさん、ごめんね!ボクそろそろ時間だからおうちに帰らなきゃ! ちびっこ:お仕事頑張ってね!しっかりこの世の歯車として『ばしゃうま』のごとく働くんだよ!」 サラリーマン:「はは、それはザンギョウジャーの台詞?」 ちびっこ:「これはママが言ってた!」 サラリーマン:「ははは・・・今度キミのお母さんに会ったら、ちょっと一言言わなきゃいけない気がしてきたなぁ」 ちびっこ:「じゃあね!おじさん!いや、ザンギョウジャー!また会おうね!」 サラリーマン:「ばいばーい。気を付けて帰るんだよー」 0:(しばしの間) サラリーマン:「・・・ハァー・・・明日、辞表出しに行こう」