台本概要
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タイトル | うちのパーティーには華がない!!! |
---|---|
作者名 | akodon (@akodon1) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 4人用台本(男4) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
【アドリブ大歓迎!】 はじまりの街から出られない勇者一行のドタバタコメディ。 演じる方の性別は問いませんが、キャラクターの性別は男性固定でお願いします。 王道の勇者ネタに私が挑戦したらこうなりました。 許してください。 404 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
勇者 | 男 | 57 | 主人公。ものすごく弱い。ゲスでスケベ。セリフ量は一番多い。 |
王子 | 男 | 39 | はじまりの街にあるお城の王子。魔法が使える。パーティーの常識人。ツッコミが一番多い。 |
踊り子 | 男 | 29 | 国籍不明な大男。カタコトで喋る。毒舌。コンプライアンス的発言が一番多い。 |
精霊 | 男 | 19 | 森の奥でモンスターに囚われている精霊。綺麗系オネェ。ナルシスト。年齢制限を危うくする発言が一番多い。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:はじまりの街、道端にて
勇者:「うちのパーティーには華がない!!!」
王子:「花ァ?そんなの、そこら辺探せばいくらでも咲いてるだろうが」
勇者:「違う!そういう花じゃない!可憐な華だよ!美しい華だよ!女の子だよ!」
王子:「あーヤダヤダ。
王子:勇者がこんな事ばっかり考えてるから、俺たち一向にはじまりの街から進めないんだよな〜」
勇者:「いや、聞いてくれよ王子!俺が一向に前へ進めないのは、可愛い女の子がパーティーに居ないからなんだよ!
勇者:モチベーションが上がらないからなの!」
踊り子:「イヤらしいね、勇者サン」
勇者:「どこがいやらしいんだよ!
勇者:可愛い女の子がいれば、必然的に良いとこ見せたい!ってなるじゃん!
勇者:戦闘だって頑張っちゃうじゃん!レベル上がるじゃん!いずれ魔王倒せるじゃん!めちゃめちゃ合理的じゃん!」
王子:「出たよ。勇者の『女の子さえいれば俺最強論』」
踊り子:「ただのスケベ心ヨ〜」
勇者:「スケベ心なんかじゃない!守るべきヒロインを求めるヒーローの性(さが)だ!」
王子:「じゃあ聞くけど、スライムにすらボコボコにされるお前が、女の子守れんのかよ?」
勇者:「うっ・・・」
踊り子:「今どき、そこら辺の子供でも、スライムくらいボコボコにできるネ〜」
王子:「結局、女の子の前で恥かいて終わりだぜ?」
踊り子:「オゥ・・・哀れ勇者サン・・・死んでしまった上に、女の子から幻滅されるとは情けナイ・・・」
勇者:「うるさい、うるさい、うるさーい!何だよお前らは!いつも俺を馬鹿にしやがって!」
王子:「馬鹿にしてねぇよ、俺らは純粋にお前の事を心配して・・・」
踊り子:「もう、棺桶引き摺りながら笑われるの懲り懲りヨ〜。陰で
踊り子:(『』内だけ流暢に)
踊り子:『あっ・・・あの勇者たち、まだはじまりの街にいるわけ?ダッサーい、プークスクス』
踊り子:ってされるの嫌ヨ〜」
王子:「こらっ、こういう時に本音は言っちゃいけません!」
勇者:「もう聞こえちゃったよ!しかも、悪口の部分だけやたら流暢なの、めっちゃ腹立つよ!」
王子:「てかさ、そんなに女の子スカウトしたいんだったら、出会いの酒場でも何でも行けば良いじゃん」
勇者:「行っただろ!?出会いの酒場はもう既に俺とお前の二人で行っただろ!?」
王子:「ああ、そういえば・・・」
勇者:「あの酒場の親父、俺がセクスィ〜な踊り子さん紹介して欲しい、って言ったら出てきたのコイツよ!?
勇者:国籍不明な半裸の大男よ!?」
踊り子:「ウッフン♡」
勇者:「しかも、仲介料500ゴールドって!お城で恵んで頂いたなけなしの全財産ぼったくりやがって、あの親父!
勇者:マジでもう二度とあんなとこ行かねぇって心に決めた!」
王子:「まぁ・・・それじゃ仕方ねぇけど・・・。
王子:ただ残念ながら、序盤で女の子と出会える可能性がある場所はあの酒場だけだ。諦めろ」
勇者:「ヤダヤダぁ〜〜〜!女の子がパーティーに欲しい〜〜〜」
王子:「ダメでしょ!ゆーくんワガママ言っちゃ!」
踊り子:「ハァ〜クソめんどくさいネ。この勇者サン」
勇者:「ねぇねぇ、今からでも遅くないから、王子が姫にチェンジしたりしない?」
王子:「残念ながら、俺一人っ子なんだよね・・・」
勇者:「踊り子を酒場に返せば、今から女の子雇うだけのキャッシュバックキャンペーンとか」
踊り子:「返品不可、クーリングオフ制度対象外って契約書に書いてあるネ〜」
勇者:「くそぉーーー!なんとか女の子を我がパーティーに誘う手立ては無いのかーーー!」
王子:「・・・ないことはない」
勇者:「へ?」
王子:「あのな、この前城に帰った時、親父から聞いた話なんだけどな・・・」
0:(場面転換、森の中を進む勇者一行)
勇者:「ふんふふっふふ〜ん♪」
踊り子:「(小声)勇者サン。めちゃめちゃご機嫌ネ」
王子:「(小声)アイツの頭はいつもお花畑だからな・・・」
勇者:「おーい!何やってんだー?早く行くぞー?」
踊り子:「(小声)今までに見た事が無いくらい、キラキラした笑顔を見せているヨ」
王子:「(小声)さっきも見せたことが無いくらい良い動きで、スライム葬ってたからな」
踊り子:「(小声)やっぱりただのスケベよ。勇者サンは」
勇者:「いや〜!しかし、こんな近くの森に女の子と出会えるイベントがあるなんて知らなかったわ〜」
王子:「まぁ、本当かどうかは分からないが、この森の奥で凶暴化したモンスターに囚われた精霊を目撃したヤツがいるらしい」
勇者:「囚われの精霊・・・きっとか弱く儚い雰囲気の美女が、俺の助けを待っているに違いない・・・デュフフ・・・」
踊り子:「勇者にあるまじき変態面で笑ってるネ。このスケベ」
勇者:「ん?何か言ったかね?」
踊り子:「イイエ〜。何も」
勇者:「ふふふ、苦節一年・・・ついにうちのパーティーにも女の子を迎える日が来るのか・・・ハァ・・・楽しみ・・・」
王子:「そういえば、俺ら一年もあの街に留まってたのな」
踊り子:「そろそろ周囲の目が痛かったネ〜」
勇者:「仲間になってくれたら、なんて呼んでもらおうかな〜?
勇者:ゆーくん?ゆーちゃん?ゆーたん♡っていうのも良いなぁ〜〜〜!」
踊り子:「アホね」
王子:「アホだな」
勇者:「助けてくれたお礼に何かしてくれちゃったりするのかなぁ〜!頬っぺにチュー?
勇者:それとも・・・デュハーーーーッ!」
踊り子:「関わりたくないネ」
王子:「言うな・・・アレでも世界を救う男なんだ」
勇者:「さてさて〜!そろそろ森の奥に到着するぞテメェら!気合い入れろよォ!」
王子:「・・・いや、なんか勇者か山賊か怪しくなってきたな」
勇者:「さぁ、見えたぞ!可愛い精霊ちゃん!ユアスイートダーリンがお迎えに来たよ〜♡」
精霊:(精霊、できる限りか弱い声で)
精霊:「・・・だれ?」
勇者:「ウハァ!?可憐なお声!」
王子:「オイ何だ・・・あれは・・・?蔓草(つるくさ)のようなモンスターが精霊の身体に巻き付いている・・・!」
勇者:「いいねぇ・・・なんかとっても良いシチュエーションだねぇ・・・」
王子:「黙ってなさい!このバカ勇者!」
精霊:「うう・・・苦しい・・・助けて、ください・・・」
勇者:「ハァハァ・・・いいよ、今この勇者様がキミを救ってあげるよ・・・?」
精霊:「本当・・・ですか・・・?」
勇者:「けどもうちょっとだけ・・・もうちょっとだけ、このシチュエーションを楽しませてね?」
踊り子:「勇者サン!己の欲望に負けちゃダメだヨォ!」
勇者:「うるせぇ!どのタイミングで彼女を救おうが、俺の匙加減なんだよ!主人公は俺なんだよ!」
王子:「ゲスだ・・・勇者にあるまじきゲス発言だ・・・」
勇者:「大丈夫、大丈夫〜!もう少ししたらチョチョイのチョイ☆ってキミのこと助けてあげるからね〜。
勇者:だからね、もうちょっと待って・・・」
精霊:(精霊食い気味に、声を男っぽくして)
精霊:「アァん!もういい加減にしなさいよ!気持ち悪い目でこっち見てるんじゃないわよ!!!」
勇者:「ん!??」
精霊:「さっきから黙ってれば、このスケベ勇者!
精霊:アタシの美しい身体が縛り上げられる様を見て、興奮するのはわかるけどねぇ!
精霊:今コレすごく痛いの!めちゃくちゃこの蔓(つる)身体にくい込んでるの!
精霊:しかも、この状態で一週間も放置されてるの!キィイ!ムカつく!」
勇者:「あの・・・王子様?精霊さんって女性の方なんですよね?」
王子:「あー・・・そういえば、精霊の性別までは聞いてなかったなぁ」
精霊:「ソコぉ!こそこそ話してるんじゃないわよ!
精霊:何よ!?放置プレイ!?
精霊:アンタたち全員でアタシが苦しむ姿を見て喜んでるんでしょ!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」
勇者:「す、すみません・・・精霊さん。
勇者:こんな切迫した状況の中、大変申し訳ないんですけれども、よろしければ貴方の性別をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
精霊:「ハァ?そんなの見ればわかるでしょ?男よ、男!
精霊:この類稀(たぐいまれ)なる美貌(びぼう)に加え、清らかな乙女心を胸に宿しているけどね!」
勇者:「ちょっとターーーーイム!!!集合ーーー!」
0:(勇者、王子、踊り子、三人で集合する)
勇者:「(小声)オイ!どうすんだよ!可愛い女の子かと思ったら、男だったじゃねぇかよ!」
踊り子:「(小声)オネェさんだったネ」
勇者:「(小声)ふざけんなよ!せっかくモチベーション爆上がりだったのに!
勇者:俺のヒロインとウハウハいちゃいちゃ魔王討伐旅行☆ポロリもあるよ♡計画が台無しなんだけど!」
踊り子:「(小声)その計画、世界を救える気が全くしないヨ〜」
王子:「(小声)でも、お前さっきめっちゃテンション上がってたじゃん。
王子:いいんじゃねぇの?男だろうが女だろうが、綺麗なオネェさんには変わりないんだから」
踊り子:「(小声)勇者サン、見境ないから大丈夫ヨ〜」
勇者:「(小声)俺をケダモノみたいに言うんじゃねぇ!」
王子:「(小声)まぁまぁ、いつかいい出会いがあるって。・・・ドンマイ☆」
勇者:「(小声)もーーーーヤダーーーー!俺なんか悪いことした!?絶対誰かに女の子との縁を切る呪いかけられてる!
勇者:こうなったら、すぐにでも教会でお祓(はら)いしてもらって・・・」
精霊:(精霊、食い気味に)
精霊:「ちょっといつまで話してるのよ!早くアタシを助けなさいよ!
精霊:早くしないとケツからキノコが生える呪いをかけるわよ!」
王子:「あっ、すみません。このクソ勇者が急に腹が痛いとか言い始めて。
王子:呪いをかけるならコイツに」
勇者:「ハァ!?俺にこれ以上呪いを負荷(ふか)しようとするんじゃねぇよ!」
精霊:「どうでも良いわよ!
精霊:早くこの蔓を切ってくれないと・・・アタシ・・・ハァン・・・新しい扉開いちゃう・・・ッ♡」
勇者:「(小声)・・・コレが女の子だったら最高にテンション上がったのに・・・」
精霊:「アアン!?なんか言った!?」
勇者:「すみません!なんでもないです!」
王子:「あーもう!ここまで来たら仕方ねぇだろ!
王子:植物系モンスターには火の魔法が有効だ。いくぞ、ファイアーボール!!!」
勇者:「くそぉ!これが終わったら、絶対縁結びの神様探しに行くと決めた!くらえ!火炎斬り!」
踊り子:「援護するヨ〜!そぉれ!胸騒ぎの〜腰つき〜♪」
王子:「それコンプライアンス的にどうなの!?」
精霊:「アアン・・・ッ!蔓が・・・攻撃されて動く度に身体にさらにくい込む・・・ッ♡」
踊り子:「大変!このまま無駄に戦闘を長引かせたら、18禁シナリオになってしまうヨ!」
王子:「くっ・・・全国の健全な青少年を守るために、最後の力を振り絞るんだ!
王子:彼(か)の者を焼き尽くせ!エル・ファイアーボール!」
勇者:「俺の明るいウハウハライフのために!
勇者:とどめだ!火炎斬り、連撃!」
精霊:「アッ・・・アアア・・・ッ♡解放される〜〜〜〜ッ♡」
0:(敵、倒れる)
踊り子:「フゥ・・・苦しい戦いだったネ・・・」
勇者:「ああ・・・グッ・・・なかなかの強敵だった・・・」
王子:「まぁ、レベルが5もあれば倒せる程度の敵なんだけどな」
勇者:「ともかく、18禁シナリオになるのを防ぐことができて良かった」
踊り子:「コレにて、一件落着!」
王子:「コンプライアンス・・・」
精霊:「も〜〜〜!ちょっと髪焦げちゃったじゃないのォ!もっと丁寧に助けなさいよねぇ!」
勇者:「あっ、忘れてた」
精霊:「ハァ〜〜〜ずっと縛られてたせいでアザできちゃってるしィ!
精霊:紫外線対策も出来なかったからお肌ボロボロ!どうしてくれるのよ!」
勇者:「いや・・・どうもこうも、勝手に捕まってたの貴方ですし・・・」
精霊:「何か言った?」
勇者:「いいえ!何も!」
精霊:「まぁ、いいわ。せっかくアタシを救ってくれたんだもの。
精霊:これはお礼に仲間になるしかないわよね!そうよね!」
踊り子:「ワオ、これが有名な押しかけ女房ってヤツ?」
王子:「うーん、ちょっと違うかな〜?」
精霊:「というわけで、これからよろしくねぇん!勇者サマ♡」
0:(何かのファンファーレ)
踊り子:「?今何か音がしたヨ?」
王子:「あっ、そういえば・・・」
勇者:「なんだよ?」
王子:「パーティーって一回4人で組むと、魔王倒すまで解散できないシステムなの、忘れてたわ・・・」
勇者:「えっ・・・ってことは・・・?」
王子:「今ここに選ばれし戦士たちが集結したということで、俺たちは魔王を倒すまでこのパーティーで戦うことになります!」
精霊:「あらあらァ〜!良かったわねぇ!今夜は盛大にお祝いしなくちゃ♡」
勇者:「・・・くない・・・」
踊り子:「勇者サン?」
勇者:「ちっとも良くなーーーい!!!
勇者:なんでだよ!じゃあ、このパーティーには魔王討伐するまで女の子入れないってこと!?」
王子:「簡単に言うとそういうことだなぁ・・・」
勇者:「俺のウハウハライフは!?世界救うまでお預けってこと!?」
踊り子:「そうだネ」
勇者:「あーーーもう!
勇者:ここまで俺が必死に頑張ったのは、可憐なヒロインとのいちゃいちゃ旅を楽しむ為だったのに!」
精霊:「アアン?何よ、美しいアタシじゃ不満だって言うの!?」
王子:「(小声)精霊さん、ステイステイ・・・今だけ叫ばせてやってください・・・」
踊り子:「少年は・・・悲しみを知って大人になっていくものヨ・・・」
勇者:「もう・・・!もう嫌だ!
勇者:うちのパーティーには華がなーーーーーいッ!!!」
0:〜続・・・かない?
0:はじまりの街、道端にて
勇者:「うちのパーティーには華がない!!!」
王子:「花ァ?そんなの、そこら辺探せばいくらでも咲いてるだろうが」
勇者:「違う!そういう花じゃない!可憐な華だよ!美しい華だよ!女の子だよ!」
王子:「あーヤダヤダ。
王子:勇者がこんな事ばっかり考えてるから、俺たち一向にはじまりの街から進めないんだよな〜」
勇者:「いや、聞いてくれよ王子!俺が一向に前へ進めないのは、可愛い女の子がパーティーに居ないからなんだよ!
勇者:モチベーションが上がらないからなの!」
踊り子:「イヤらしいね、勇者サン」
勇者:「どこがいやらしいんだよ!
勇者:可愛い女の子がいれば、必然的に良いとこ見せたい!ってなるじゃん!
勇者:戦闘だって頑張っちゃうじゃん!レベル上がるじゃん!いずれ魔王倒せるじゃん!めちゃめちゃ合理的じゃん!」
王子:「出たよ。勇者の『女の子さえいれば俺最強論』」
踊り子:「ただのスケベ心ヨ〜」
勇者:「スケベ心なんかじゃない!守るべきヒロインを求めるヒーローの性(さが)だ!」
王子:「じゃあ聞くけど、スライムにすらボコボコにされるお前が、女の子守れんのかよ?」
勇者:「うっ・・・」
踊り子:「今どき、そこら辺の子供でも、スライムくらいボコボコにできるネ〜」
王子:「結局、女の子の前で恥かいて終わりだぜ?」
踊り子:「オゥ・・・哀れ勇者サン・・・死んでしまった上に、女の子から幻滅されるとは情けナイ・・・」
勇者:「うるさい、うるさい、うるさーい!何だよお前らは!いつも俺を馬鹿にしやがって!」
王子:「馬鹿にしてねぇよ、俺らは純粋にお前の事を心配して・・・」
踊り子:「もう、棺桶引き摺りながら笑われるの懲り懲りヨ〜。陰で
踊り子:(『』内だけ流暢に)
踊り子:『あっ・・・あの勇者たち、まだはじまりの街にいるわけ?ダッサーい、プークスクス』
踊り子:ってされるの嫌ヨ〜」
王子:「こらっ、こういう時に本音は言っちゃいけません!」
勇者:「もう聞こえちゃったよ!しかも、悪口の部分だけやたら流暢なの、めっちゃ腹立つよ!」
王子:「てかさ、そんなに女の子スカウトしたいんだったら、出会いの酒場でも何でも行けば良いじゃん」
勇者:「行っただろ!?出会いの酒場はもう既に俺とお前の二人で行っただろ!?」
王子:「ああ、そういえば・・・」
勇者:「あの酒場の親父、俺がセクスィ〜な踊り子さん紹介して欲しい、って言ったら出てきたのコイツよ!?
勇者:国籍不明な半裸の大男よ!?」
踊り子:「ウッフン♡」
勇者:「しかも、仲介料500ゴールドって!お城で恵んで頂いたなけなしの全財産ぼったくりやがって、あの親父!
勇者:マジでもう二度とあんなとこ行かねぇって心に決めた!」
王子:「まぁ・・・それじゃ仕方ねぇけど・・・。
王子:ただ残念ながら、序盤で女の子と出会える可能性がある場所はあの酒場だけだ。諦めろ」
勇者:「ヤダヤダぁ〜〜〜!女の子がパーティーに欲しい〜〜〜」
王子:「ダメでしょ!ゆーくんワガママ言っちゃ!」
踊り子:「ハァ〜クソめんどくさいネ。この勇者サン」
勇者:「ねぇねぇ、今からでも遅くないから、王子が姫にチェンジしたりしない?」
王子:「残念ながら、俺一人っ子なんだよね・・・」
勇者:「踊り子を酒場に返せば、今から女の子雇うだけのキャッシュバックキャンペーンとか」
踊り子:「返品不可、クーリングオフ制度対象外って契約書に書いてあるネ〜」
勇者:「くそぉーーー!なんとか女の子を我がパーティーに誘う手立ては無いのかーーー!」
王子:「・・・ないことはない」
勇者:「へ?」
王子:「あのな、この前城に帰った時、親父から聞いた話なんだけどな・・・」
0:(場面転換、森の中を進む勇者一行)
勇者:「ふんふふっふふ〜ん♪」
踊り子:「(小声)勇者サン。めちゃめちゃご機嫌ネ」
王子:「(小声)アイツの頭はいつもお花畑だからな・・・」
勇者:「おーい!何やってんだー?早く行くぞー?」
踊り子:「(小声)今までに見た事が無いくらい、キラキラした笑顔を見せているヨ」
王子:「(小声)さっきも見せたことが無いくらい良い動きで、スライム葬ってたからな」
踊り子:「(小声)やっぱりただのスケベよ。勇者サンは」
勇者:「いや〜!しかし、こんな近くの森に女の子と出会えるイベントがあるなんて知らなかったわ〜」
王子:「まぁ、本当かどうかは分からないが、この森の奥で凶暴化したモンスターに囚われた精霊を目撃したヤツがいるらしい」
勇者:「囚われの精霊・・・きっとか弱く儚い雰囲気の美女が、俺の助けを待っているに違いない・・・デュフフ・・・」
踊り子:「勇者にあるまじき変態面で笑ってるネ。このスケベ」
勇者:「ん?何か言ったかね?」
踊り子:「イイエ〜。何も」
勇者:「ふふふ、苦節一年・・・ついにうちのパーティーにも女の子を迎える日が来るのか・・・ハァ・・・楽しみ・・・」
王子:「そういえば、俺ら一年もあの街に留まってたのな」
踊り子:「そろそろ周囲の目が痛かったネ〜」
勇者:「仲間になってくれたら、なんて呼んでもらおうかな〜?
勇者:ゆーくん?ゆーちゃん?ゆーたん♡っていうのも良いなぁ〜〜〜!」
踊り子:「アホね」
王子:「アホだな」
勇者:「助けてくれたお礼に何かしてくれちゃったりするのかなぁ〜!頬っぺにチュー?
勇者:それとも・・・デュハーーーーッ!」
踊り子:「関わりたくないネ」
王子:「言うな・・・アレでも世界を救う男なんだ」
勇者:「さてさて〜!そろそろ森の奥に到着するぞテメェら!気合い入れろよォ!」
王子:「・・・いや、なんか勇者か山賊か怪しくなってきたな」
勇者:「さぁ、見えたぞ!可愛い精霊ちゃん!ユアスイートダーリンがお迎えに来たよ〜♡」
精霊:(精霊、できる限りか弱い声で)
精霊:「・・・だれ?」
勇者:「ウハァ!?可憐なお声!」
王子:「オイ何だ・・・あれは・・・?蔓草(つるくさ)のようなモンスターが精霊の身体に巻き付いている・・・!」
勇者:「いいねぇ・・・なんかとっても良いシチュエーションだねぇ・・・」
王子:「黙ってなさい!このバカ勇者!」
精霊:「うう・・・苦しい・・・助けて、ください・・・」
勇者:「ハァハァ・・・いいよ、今この勇者様がキミを救ってあげるよ・・・?」
精霊:「本当・・・ですか・・・?」
勇者:「けどもうちょっとだけ・・・もうちょっとだけ、このシチュエーションを楽しませてね?」
踊り子:「勇者サン!己の欲望に負けちゃダメだヨォ!」
勇者:「うるせぇ!どのタイミングで彼女を救おうが、俺の匙加減なんだよ!主人公は俺なんだよ!」
王子:「ゲスだ・・・勇者にあるまじきゲス発言だ・・・」
勇者:「大丈夫、大丈夫〜!もう少ししたらチョチョイのチョイ☆ってキミのこと助けてあげるからね〜。
勇者:だからね、もうちょっと待って・・・」
精霊:(精霊食い気味に、声を男っぽくして)
精霊:「アァん!もういい加減にしなさいよ!気持ち悪い目でこっち見てるんじゃないわよ!!!」
勇者:「ん!??」
精霊:「さっきから黙ってれば、このスケベ勇者!
精霊:アタシの美しい身体が縛り上げられる様を見て、興奮するのはわかるけどねぇ!
精霊:今コレすごく痛いの!めちゃくちゃこの蔓(つる)身体にくい込んでるの!
精霊:しかも、この状態で一週間も放置されてるの!キィイ!ムカつく!」
勇者:「あの・・・王子様?精霊さんって女性の方なんですよね?」
王子:「あー・・・そういえば、精霊の性別までは聞いてなかったなぁ」
精霊:「ソコぉ!こそこそ話してるんじゃないわよ!
精霊:何よ!?放置プレイ!?
精霊:アンタたち全員でアタシが苦しむ姿を見て喜んでるんでしょ!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」
勇者:「す、すみません・・・精霊さん。
勇者:こんな切迫した状況の中、大変申し訳ないんですけれども、よろしければ貴方の性別をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
精霊:「ハァ?そんなの見ればわかるでしょ?男よ、男!
精霊:この類稀(たぐいまれ)なる美貌(びぼう)に加え、清らかな乙女心を胸に宿しているけどね!」
勇者:「ちょっとターーーーイム!!!集合ーーー!」
0:(勇者、王子、踊り子、三人で集合する)
勇者:「(小声)オイ!どうすんだよ!可愛い女の子かと思ったら、男だったじゃねぇかよ!」
踊り子:「(小声)オネェさんだったネ」
勇者:「(小声)ふざけんなよ!せっかくモチベーション爆上がりだったのに!
勇者:俺のヒロインとウハウハいちゃいちゃ魔王討伐旅行☆ポロリもあるよ♡計画が台無しなんだけど!」
踊り子:「(小声)その計画、世界を救える気が全くしないヨ〜」
王子:「(小声)でも、お前さっきめっちゃテンション上がってたじゃん。
王子:いいんじゃねぇの?男だろうが女だろうが、綺麗なオネェさんには変わりないんだから」
踊り子:「(小声)勇者サン、見境ないから大丈夫ヨ〜」
勇者:「(小声)俺をケダモノみたいに言うんじゃねぇ!」
王子:「(小声)まぁまぁ、いつかいい出会いがあるって。・・・ドンマイ☆」
勇者:「(小声)もーーーーヤダーーーー!俺なんか悪いことした!?絶対誰かに女の子との縁を切る呪いかけられてる!
勇者:こうなったら、すぐにでも教会でお祓(はら)いしてもらって・・・」
精霊:(精霊、食い気味に)
精霊:「ちょっといつまで話してるのよ!早くアタシを助けなさいよ!
精霊:早くしないとケツからキノコが生える呪いをかけるわよ!」
王子:「あっ、すみません。このクソ勇者が急に腹が痛いとか言い始めて。
王子:呪いをかけるならコイツに」
勇者:「ハァ!?俺にこれ以上呪いを負荷(ふか)しようとするんじゃねぇよ!」
精霊:「どうでも良いわよ!
精霊:早くこの蔓を切ってくれないと・・・アタシ・・・ハァン・・・新しい扉開いちゃう・・・ッ♡」
勇者:「(小声)・・・コレが女の子だったら最高にテンション上がったのに・・・」
精霊:「アアン!?なんか言った!?」
勇者:「すみません!なんでもないです!」
王子:「あーもう!ここまで来たら仕方ねぇだろ!
王子:植物系モンスターには火の魔法が有効だ。いくぞ、ファイアーボール!!!」
勇者:「くそぉ!これが終わったら、絶対縁結びの神様探しに行くと決めた!くらえ!火炎斬り!」
踊り子:「援護するヨ〜!そぉれ!胸騒ぎの〜腰つき〜♪」
王子:「それコンプライアンス的にどうなの!?」
精霊:「アアン・・・ッ!蔓が・・・攻撃されて動く度に身体にさらにくい込む・・・ッ♡」
踊り子:「大変!このまま無駄に戦闘を長引かせたら、18禁シナリオになってしまうヨ!」
王子:「くっ・・・全国の健全な青少年を守るために、最後の力を振り絞るんだ!
王子:彼(か)の者を焼き尽くせ!エル・ファイアーボール!」
勇者:「俺の明るいウハウハライフのために!
勇者:とどめだ!火炎斬り、連撃!」
精霊:「アッ・・・アアア・・・ッ♡解放される〜〜〜〜ッ♡」
0:(敵、倒れる)
踊り子:「フゥ・・・苦しい戦いだったネ・・・」
勇者:「ああ・・・グッ・・・なかなかの強敵だった・・・」
王子:「まぁ、レベルが5もあれば倒せる程度の敵なんだけどな」
勇者:「ともかく、18禁シナリオになるのを防ぐことができて良かった」
踊り子:「コレにて、一件落着!」
王子:「コンプライアンス・・・」
精霊:「も〜〜〜!ちょっと髪焦げちゃったじゃないのォ!もっと丁寧に助けなさいよねぇ!」
勇者:「あっ、忘れてた」
精霊:「ハァ〜〜〜ずっと縛られてたせいでアザできちゃってるしィ!
精霊:紫外線対策も出来なかったからお肌ボロボロ!どうしてくれるのよ!」
勇者:「いや・・・どうもこうも、勝手に捕まってたの貴方ですし・・・」
精霊:「何か言った?」
勇者:「いいえ!何も!」
精霊:「まぁ、いいわ。せっかくアタシを救ってくれたんだもの。
精霊:これはお礼に仲間になるしかないわよね!そうよね!」
踊り子:「ワオ、これが有名な押しかけ女房ってヤツ?」
王子:「うーん、ちょっと違うかな〜?」
精霊:「というわけで、これからよろしくねぇん!勇者サマ♡」
0:(何かのファンファーレ)
踊り子:「?今何か音がしたヨ?」
王子:「あっ、そういえば・・・」
勇者:「なんだよ?」
王子:「パーティーって一回4人で組むと、魔王倒すまで解散できないシステムなの、忘れてたわ・・・」
勇者:「えっ・・・ってことは・・・?」
王子:「今ここに選ばれし戦士たちが集結したということで、俺たちは魔王を倒すまでこのパーティーで戦うことになります!」
精霊:「あらあらァ〜!良かったわねぇ!今夜は盛大にお祝いしなくちゃ♡」
勇者:「・・・くない・・・」
踊り子:「勇者サン?」
勇者:「ちっとも良くなーーーい!!!
勇者:なんでだよ!じゃあ、このパーティーには魔王討伐するまで女の子入れないってこと!?」
王子:「簡単に言うとそういうことだなぁ・・・」
勇者:「俺のウハウハライフは!?世界救うまでお預けってこと!?」
踊り子:「そうだネ」
勇者:「あーーーもう!
勇者:ここまで俺が必死に頑張ったのは、可憐なヒロインとのいちゃいちゃ旅を楽しむ為だったのに!」
精霊:「アアン?何よ、美しいアタシじゃ不満だって言うの!?」
王子:「(小声)精霊さん、ステイステイ・・・今だけ叫ばせてやってください・・・」
踊り子:「少年は・・・悲しみを知って大人になっていくものヨ・・・」
勇者:「もう・・・!もう嫌だ!
勇者:うちのパーティーには華がなーーーーーいッ!!!」
0:〜続・・・かない?