台本概要

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タイトル 童島貞夫と茶屋の小町
作者名 パサコ
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 流浪のお侍の童島貞夫はとある茶屋で休憩することにしたのだが……

※共演者に迷惑かけなければ基本なにしてくれても大丈夫です

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
童島貞夫 42 流浪のお侍さん
小町 40 茶屋の看板娘
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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童島貞夫:(M)拙者の名は童島貞夫(どうじまさだお)しがない流浪の侍でござる。 童島貞夫:(M)強き者を求めて、風の赴くままに流れる木の葉の如く。自由気ままに一人旅をしているのでござる。 茶屋にて店先にあるベンチに腰掛ける童島貞夫 小町:お待たせしましたぁ!お侍さん、ご注文如何しましょう? 童島貞夫:そうでござるなぁ、みたらしの団子を一串と、茶を1杯いただけるで候? 小町:あいよ!今用意するから、ちょいと待ってて下さいなぁ 童島貞夫:(M)うむ、ハツラツとした若い娘というのはやはり心の良い清涼剤になるでござるなぁ! 童島貞夫:(M)あの娘はこの団子屋の看板娘といった感じであろうか? 童島貞夫:(M)良き看板娘がいる団子屋ださぞ繁盛しているのでござろうなぁ、どれ、一寸(ちょっと)だけ中の様子を拝見して……。 暖簾の隙間から中の様子を伺う童島貞夫、しかし店内はがらんとしており客は店先にあるベンチに腰掛ける自分のみだと気付く。 童島貞夫:(M)えぇええ!?これは、どういうことでござるか!?閑古鳥が盛大に鳴き散らかしているではござらんか! 童島貞夫:(M)むしろ大合唱ものの閑古鳥でござるよ!! 童島貞夫:(M)どういうことでござるか!! 童島貞夫:(M)尺の都合で説明はカットしたでござるが、拙者、席についてから注文をきかれるまでにかれこれ四半刻(しはんどき)は待たされたでござるよ!? 童島貞夫:(M)これはまっこと珍妙な事態でござるなぁあ!? 小町:お侍さん! 童島貞夫:ひ、ひゃい!? 小町:お侍さんは旅のお方ですか? 童島貞夫:へ?あの、そうでござるが…。 小町:だと思った!ここいらじゃ見ない顔だったからさ! 童島貞夫:えー…っと、娘さんはここで働いて長いんでござるか? 小町:そうさ!ここはおっかさんの店でね、アタシが赤ん坊のときからこの店の看板娘やってんだ! 童島貞夫:ほぉ!母君の! 小町:女手1つでこの店とアタシを守ってくれた、自慢のおっかさんさ! 童島貞夫:それは、素晴らしい母君でござるなぁ~…… 小町:でも……さ、今はおっかさん流行り病にかかっちまって、この店ぇ、アタシが一人でまわしてんだよ。 童島貞夫:それは……ご苦労のほど伺えるでござ候…。 童島貞夫:では、だんごも、茶も、注文も全部娘さんが一人で担っているのでござるな? 小町:そうさ!まだまだなれないことばかりで、色々やらかしちゃうこともあるんだけどさ、アタシなりに試行錯誤して精一杯がむしゃらにやってんだ! 小町:おっかさんが、元気になって戻ってくるまで、今度はアタシがこの店守んなきゃっ……てさ! 童島貞夫:それは、感動する話でござるなぁ…。 童島貞夫:母君のために、一人で店を…! 小町:ふ…、隣失礼するよ、お侍さん。 童島貞夫:へ?(一人で切盛しているにもかかわらず給仕をする素振り一切なく隣に座る小町に疑問を抱き) 童島貞夫:え、あのー… 小町:アタシさ、おっかさんには今迄ずっと世話になりっぱなしだったんだよ 小町:見てわかるように、アタシ、こんなじゃじゃ馬じゃない?だから、突拍子もないことして、いつもおっかさん振り回して… 小町:…でもさ!おっかさん、いつもそんなアタシを優しく包み込んでくれてさ、だからアタシね……! 童島貞夫:ちょちょちょちょ、ちょっとまとうか娘さん?! 小町:え? 童島貞夫:いや、え、じゃなくて。 小町:なにか? 童島貞夫:今、店は娘さん一人でまわしてるんでござるよな? 小町:そうさ。 童島貞夫:注文も、だんごも、茶も、娘さん一人でな? 小町:そういってるだろう? 童島貞夫:あ~…の、あのね、申し訳ないんでござるが、拙者まだぁ、だんごはおろか、茶すらいただいてないんでござるよぉ。 小町:あぁ、待たせちゃって悪いね、アタシ、まだ要領わるくってさ。 童島貞夫:要領ぉ…っていうか、あ~……の、ね! 童島貞夫:拙者もなぁ、若い娘さんの良いお話を聞かせてもらえるのは凄くありがたいよぉ? 童島貞夫:ね! 童島貞夫:なかなかないもん!こんな機会!嬉しいよぉ〜? 童島貞夫:でも、さ!あのぅ、一応、さ! 童島貞夫:腹減ってるから、だんご食いにきたわけで、さ! 童島貞夫:ね? 童島貞夫:だんごとか茶とかぁ、先にぃね?用意してから、よかったらお話ゆっくり聞かせてくれないでござるか? 童島貞夫:んね!? 小町:……………。すみませんでした。 童島貞夫:いーやいやいや、うん、ね、責めてるわけじゃないから!! 小町:…………。 童島貞夫:あのぅ、なんか、スマナイでござるな?余計な口出ししちゃって! 小町:ううん、お侍さんの言う通りだよ。 小町:アタシ、昔っから要領悪くてさ、おっかさんにもいつも言われてたよ。 小町:悪いね、お侍さん!待たせちゃって! 童島貞夫:いやいや、解ってくれて良かったでござるよ! 童島貞夫:娘さんのだんご、楽しみでござる! 小町:ふふ!腕によりをかけて用意させてもらうね! 童島貞夫:おお、これは期待 大 でござるなぁ! 小町:だんごづくりはさ、おっかさんが元気だった頃からよく手伝ってたから、だからちょっと自信あるんだ! 童島貞夫:そうでござるか、そうでござるか! 小町:あぁ!…ふふ、思い出すなぁ…一緒にだんご作ってるとさ、おっかさんいつも嬉しそうに目を細めてさ、アタシ、おっかさんのその顔が大好きで……… 童島貞夫:ちょーっと待つでござる!? 小町:なんだよ、お侍さん? 童島貞夫:今、ゾーン入ろうとしてた? 小町:は? 童島貞夫:またゾーン入ろうとしてたでござるよな!? 小町:ゾーン? 童島貞夫:語ろうとしたで候。 小町:してないよ。 童島貞夫:してたでござ候ーー!! 小町:良いじゃない!お客と親睦深めんのも看板娘たるアタシの大切な仕事なんだよ! 童島貞夫:違うじゃん!! 童島貞夫:その客がさ、だんご先もらってからゆっくり聞くよーって言ってんでござるからぁ! 童島貞夫:先、だんごと茶をちゃちゃーっと用意してほしいんでござるよぉ! 小町:だからまだアタシ一人で店まわすのなれてないから時間かかるって言ってんじゃん! 童島貞夫:にしても限度があるでござる! 童島貞夫:そもそも全く作業に入らず、拙者と同じくどっかりベンチに腰落ち着けてる時点でおかしいでござるよ! 小町:なんだい、クレームかい…? 童島貞夫:へ? 小町:クレームかい! 童島貞夫:いや、そういうつもりじゃ… 小町:そうなんだね!!女一人だからって甘く見てんじゃないよ!! 小町:アタシはね、おっかさんからこの店任されてんだ!!生半可な気持ちでここにいるわけじゃないんだよ!!! 童島貞夫:(小町の気迫に圧倒される) 小町:出てっとくれ。 童島貞夫:ほへ? 小町:出てっとくれ!!!二度と来るんじゃないよ!!!この童貞野郎が!!! 童島貞夫:ど、童貞関係ないでござろう!! 童島貞夫:っとに、こっちこそ願い下げでござるこんな店!! 小町:ちょいとまちな! 童島貞夫:なんでござるか! 小町:席料がまだだよ! 童島貞夫:へ? 小町:このご時世、女の子と平和に腰落ち着ける場所がただなわけないだろ!! 童島貞夫:そんっ 小町:10文!さっさと出しな!!! 童島貞夫:な、なんで拙者が!! 小町:つべこべ言うんじゃないよ!!! 小町:嫁入り前のかわいい女の子と仲良くお話できたんだ、安いもんだろ。早く出しな。 童島貞夫:なん……ったって………… 小町:だ し な。 童島貞夫:っ…………チクショウ!でござるぅ!(払う) 小町:金出したんならとっとと失せな、このクソ童貞侍が!!! 童島貞夫:う、うわ〜ん!!!覚えてろよ、このクソアマァ〜〜〜!!でござるぅう!!! 終

童島貞夫:(M)拙者の名は童島貞夫(どうじまさだお)しがない流浪の侍でござる。 童島貞夫:(M)強き者を求めて、風の赴くままに流れる木の葉の如く。自由気ままに一人旅をしているのでござる。 茶屋にて店先にあるベンチに腰掛ける童島貞夫 小町:お待たせしましたぁ!お侍さん、ご注文如何しましょう? 童島貞夫:そうでござるなぁ、みたらしの団子を一串と、茶を1杯いただけるで候? 小町:あいよ!今用意するから、ちょいと待ってて下さいなぁ 童島貞夫:(M)うむ、ハツラツとした若い娘というのはやはり心の良い清涼剤になるでござるなぁ! 童島貞夫:(M)あの娘はこの団子屋の看板娘といった感じであろうか? 童島貞夫:(M)良き看板娘がいる団子屋ださぞ繁盛しているのでござろうなぁ、どれ、一寸(ちょっと)だけ中の様子を拝見して……。 暖簾の隙間から中の様子を伺う童島貞夫、しかし店内はがらんとしており客は店先にあるベンチに腰掛ける自分のみだと気付く。 童島貞夫:(M)えぇええ!?これは、どういうことでござるか!?閑古鳥が盛大に鳴き散らかしているではござらんか! 童島貞夫:(M)むしろ大合唱ものの閑古鳥でござるよ!! 童島貞夫:(M)どういうことでござるか!! 童島貞夫:(M)尺の都合で説明はカットしたでござるが、拙者、席についてから注文をきかれるまでにかれこれ四半刻(しはんどき)は待たされたでござるよ!? 童島貞夫:(M)これはまっこと珍妙な事態でござるなぁあ!? 小町:お侍さん! 童島貞夫:ひ、ひゃい!? 小町:お侍さんは旅のお方ですか? 童島貞夫:へ?あの、そうでござるが…。 小町:だと思った!ここいらじゃ見ない顔だったからさ! 童島貞夫:えー…っと、娘さんはここで働いて長いんでござるか? 小町:そうさ!ここはおっかさんの店でね、アタシが赤ん坊のときからこの店の看板娘やってんだ! 童島貞夫:ほぉ!母君の! 小町:女手1つでこの店とアタシを守ってくれた、自慢のおっかさんさ! 童島貞夫:それは、素晴らしい母君でござるなぁ~…… 小町:でも……さ、今はおっかさん流行り病にかかっちまって、この店ぇ、アタシが一人でまわしてんだよ。 童島貞夫:それは……ご苦労のほど伺えるでござ候…。 童島貞夫:では、だんごも、茶も、注文も全部娘さんが一人で担っているのでござるな? 小町:そうさ!まだまだなれないことばかりで、色々やらかしちゃうこともあるんだけどさ、アタシなりに試行錯誤して精一杯がむしゃらにやってんだ! 小町:おっかさんが、元気になって戻ってくるまで、今度はアタシがこの店守んなきゃっ……てさ! 童島貞夫:それは、感動する話でござるなぁ…。 童島貞夫:母君のために、一人で店を…! 小町:ふ…、隣失礼するよ、お侍さん。 童島貞夫:へ?(一人で切盛しているにもかかわらず給仕をする素振り一切なく隣に座る小町に疑問を抱き) 童島貞夫:え、あのー… 小町:アタシさ、おっかさんには今迄ずっと世話になりっぱなしだったんだよ 小町:見てわかるように、アタシ、こんなじゃじゃ馬じゃない?だから、突拍子もないことして、いつもおっかさん振り回して… 小町:…でもさ!おっかさん、いつもそんなアタシを優しく包み込んでくれてさ、だからアタシね……! 童島貞夫:ちょちょちょちょ、ちょっとまとうか娘さん?! 小町:え? 童島貞夫:いや、え、じゃなくて。 小町:なにか? 童島貞夫:今、店は娘さん一人でまわしてるんでござるよな? 小町:そうさ。 童島貞夫:注文も、だんごも、茶も、娘さん一人でな? 小町:そういってるだろう? 童島貞夫:あ~…の、あのね、申し訳ないんでござるが、拙者まだぁ、だんごはおろか、茶すらいただいてないんでござるよぉ。 小町:あぁ、待たせちゃって悪いね、アタシ、まだ要領わるくってさ。 童島貞夫:要領ぉ…っていうか、あ~……の、ね! 童島貞夫:拙者もなぁ、若い娘さんの良いお話を聞かせてもらえるのは凄くありがたいよぉ? 童島貞夫:ね! 童島貞夫:なかなかないもん!こんな機会!嬉しいよぉ〜? 童島貞夫:でも、さ!あのぅ、一応、さ! 童島貞夫:腹減ってるから、だんご食いにきたわけで、さ! 童島貞夫:ね? 童島貞夫:だんごとか茶とかぁ、先にぃね?用意してから、よかったらお話ゆっくり聞かせてくれないでござるか? 童島貞夫:んね!? 小町:……………。すみませんでした。 童島貞夫:いーやいやいや、うん、ね、責めてるわけじゃないから!! 小町:…………。 童島貞夫:あのぅ、なんか、スマナイでござるな?余計な口出ししちゃって! 小町:ううん、お侍さんの言う通りだよ。 小町:アタシ、昔っから要領悪くてさ、おっかさんにもいつも言われてたよ。 小町:悪いね、お侍さん!待たせちゃって! 童島貞夫:いやいや、解ってくれて良かったでござるよ! 童島貞夫:娘さんのだんご、楽しみでござる! 小町:ふふ!腕によりをかけて用意させてもらうね! 童島貞夫:おお、これは期待 大 でござるなぁ! 小町:だんごづくりはさ、おっかさんが元気だった頃からよく手伝ってたから、だからちょっと自信あるんだ! 童島貞夫:そうでござるか、そうでござるか! 小町:あぁ!…ふふ、思い出すなぁ…一緒にだんご作ってるとさ、おっかさんいつも嬉しそうに目を細めてさ、アタシ、おっかさんのその顔が大好きで……… 童島貞夫:ちょーっと待つでござる!? 小町:なんだよ、お侍さん? 童島貞夫:今、ゾーン入ろうとしてた? 小町:は? 童島貞夫:またゾーン入ろうとしてたでござるよな!? 小町:ゾーン? 童島貞夫:語ろうとしたで候。 小町:してないよ。 童島貞夫:してたでござ候ーー!! 小町:良いじゃない!お客と親睦深めんのも看板娘たるアタシの大切な仕事なんだよ! 童島貞夫:違うじゃん!! 童島貞夫:その客がさ、だんご先もらってからゆっくり聞くよーって言ってんでござるからぁ! 童島貞夫:先、だんごと茶をちゃちゃーっと用意してほしいんでござるよぉ! 小町:だからまだアタシ一人で店まわすのなれてないから時間かかるって言ってんじゃん! 童島貞夫:にしても限度があるでござる! 童島貞夫:そもそも全く作業に入らず、拙者と同じくどっかりベンチに腰落ち着けてる時点でおかしいでござるよ! 小町:なんだい、クレームかい…? 童島貞夫:へ? 小町:クレームかい! 童島貞夫:いや、そういうつもりじゃ… 小町:そうなんだね!!女一人だからって甘く見てんじゃないよ!! 小町:アタシはね、おっかさんからこの店任されてんだ!!生半可な気持ちでここにいるわけじゃないんだよ!!! 童島貞夫:(小町の気迫に圧倒される) 小町:出てっとくれ。 童島貞夫:ほへ? 小町:出てっとくれ!!!二度と来るんじゃないよ!!!この童貞野郎が!!! 童島貞夫:ど、童貞関係ないでござろう!! 童島貞夫:っとに、こっちこそ願い下げでござるこんな店!! 小町:ちょいとまちな! 童島貞夫:なんでござるか! 小町:席料がまだだよ! 童島貞夫:へ? 小町:このご時世、女の子と平和に腰落ち着ける場所がただなわけないだろ!! 童島貞夫:そんっ 小町:10文!さっさと出しな!!! 童島貞夫:な、なんで拙者が!! 小町:つべこべ言うんじゃないよ!!! 小町:嫁入り前のかわいい女の子と仲良くお話できたんだ、安いもんだろ。早く出しな。 童島貞夫:なん……ったって………… 小町:だ し な。 童島貞夫:っ…………チクショウ!でござるぅ!(払う) 小町:金出したんならとっとと失せな、このクソ童貞侍が!!! 童島貞夫:う、うわ〜ん!!!覚えてろよ、このクソアマァ〜〜〜!!でござるぅう!!! 終