声劇台本置き場

0：当シナリオ、男女改変やその他もろもろの改変、オールオーケー！ 0：（登場人物紹介） ： シガレット：銃やナイフの扱いに長けており、強気で口の悪い短気な女。潜入中でも感情が顔に出てしまったりする。チェーンスモーカー。 マッシュ：女好きの賭け事好き。防犯装置や鍵を解くハッキングのプロフェッショナル。飄々としているが、抜かりの無いスマートな男。 ファッズ：裏家業の集まるバー『逆巻く雨』の店主。様々な人間に化けることができ、依頼の窓口を担っている。無類の酒好き。やるときはやる。 ドッグ：可愛らしい風貌をした人畜無害そうな青年。しかし、辛辣な物言いと好戦的な性格から主に尋問を得意とする。身軽で何処からでも進入できる。 ： 0：（本編） ： ファッズ：逆巻く時の中に身を落とし、代わる代わる姿を変える。その様、既に人に非ず。化生の成れの果て。 シガレット：宵の帳に響く宴の音。惑いし者、連ねて紡ぐ。縁で描きゃ鬱世も絵画。今こそ我らの時間。 ドッグ：追われし日々や砕けた願いなど、この場所にゃ似合わぬ戯言よ。酒を振り撒く、夢に溺れよう。 マッシュ：現実（いま）という「夢」に乾杯。・・・ってなわけで、これは僕らのそんな物語。 ： ファッズ：いらっしゃいませ。こんばんわ。今宵はナイトバー『逆巻く雨』へようこそ。 ファッズ：お客様の時間が許される限り、ごゆっくりと―― シガレット：おいファッズ！灰皿がいっぱいだよ！早く取り替えな！ ファッズ：おいおい・・・今、挨拶してるとこだっただろう？しかも、さっき変えたばかりだったと思うんだが？ シガレット：知らねぇよ！灰皿が小さいのが悪いんだろうがよ！ マッシュ：はははっ。君が吸いすぎなんだよシガレット。よく見てごらん。ここの灰皿は一般のもの―― マッシュ：例えばケルベロスストリートにあるカフェの灰皿なんかが普通といえるだろうねぇ。その灰皿より、目視だが マッシュ：1.5いや、1.7倍はあるだろう。それを2度も満タンにするのは、どう考えても君の落ち度だろうね。 ドッグ：相変わらず嫌味ったらしく、それでいて長々しい説教ですね。 シガレット：だろ？昔から聞いてたら、最初の3文字以降は耳に入ってこねえよ。 ドッグ：ってことは、笑い声以降は聞いてない、と。それは最高ですね。 マッシュ：それはちょっと酷すぎやしないかい？ ファッズ：君たち本当に良く喋るねえ。そろそろ挨拶の続きをしてもいいかな？ ドッグ：挨拶って誰にですか？見たところ、僕達以外に人がいるようには見えませんけど。 ファッズ：誰って・・・まあその辺は突っ込まないで欲しいところなんだけど。 シガレット：何だ？暇すぎて頭逝かれたのか？ ドッグ：可能性はありますね。それか、まだアルコールが残ってるんじゃないですか？ マッシュ：毎日、お酒ばっかり飲んでるからねぇ。他に楽しみは無いのかい？せっかく男として生まれてきたっていうのに。 ファッズ：君と同じにしないでくれよ。僕は女にはこりごりだ。 ドッグ：あれ？何かトラウマでもありました？僕知らないですね。 マッシュ：トラウマというか・・・まあな。 シガレット：誰にでもいい顔するからだろうが。優しいって言ったらそこまでだけどよ。 ドッグ：あー、思わせぶりなクソ男ってことですか。 ファッズ：君たち本当に酷いな・・・勝手にあいつらが勘違いするだけだよ！僕に落ち度は無かった！ ドッグ：みんなそう言うんですよ。信用なんてできないですね。 ファッズ：辛辣すぎて、言葉も出ないよ・・・酒飲も・・・ マッシュ：あーあ。みんながいじめるから、また酒に行っちゃったじゃん。 シガレット：そんなことより、暇すぎんだろ。何か面白いことないのかよ。 マッシュ：今度はそっちの文句か。口を開けば文句ばっかりだなあ。マーライオンかな？ シガレット：はいはい。聞こえない聞こえない。 ファッズ：あ！そういえば！ マッシュ：どうしたんだい。急に大きな声出しちゃって。 ファッズ：依頼が来てたの、忘れてたんだよ・・・ ドッグ：はぁ・・・それ忘れます？もはや職務怠慢ですよ。お酒も飲まないのにこんなところに来てるのは、仕事がもらえるからなんですよ？ マッシュ：ははっ言うねぇ。僕は好きだよ、ここ。たまに可愛い子も来るしさ。ダーツがあればよりいいね。 シガレット：灰皿が小せえことを除けば、私もここは好きだぜ。 ドッグ：それで、依頼はどんなのですか？ ファッズ：えっとね。ゴホン（以下、MCっぽく）今回の依頼は、要約すれば機密情報の奪取だ。 ファッズ：依頼主はオベリスクコーポレーションの重役、ラーという人間で ファッズ：ターゲットはライバル会社オシリスコンツェルンの新商品『ディープスノウ』の製造法のデータを盗む。といったものだ。 ドッグ：何だ。ただの泥棒ですか。 マッシュ：あれ？知らないの？オシリスコンツェルンの警備はこの国の中でも随一って噂だよ？やりがいがあるとは思わないのかい？ ドッグ：へえ。それは少し燃えますね。 シガレット：そんなことはどうでもいいんだよ。さっさと日程と報酬を教えろっての。 ファッズ：えっと・・・ ドッグ：どうしました？もしかして、また忘れちゃいました？ ファッズ：いや、今日の夜なんだよね・・・あはははは。 ドッグ：ちょっとそれ―― マッシュ：ドッグ。下がったほうがいいよー シガレット：お前、頭に穴開けられてえか！ ファッズ：おおおおおい！！もう出てる！弾出てるからあ！！ マッシュ：あいつは切れたら口より先に発砲するから、近づいちゃダメだ。わかったかい？ ドッグ：は、はい。気をつけます。 マッシュ：銃のほかにも、あそこの壁に8つくらい刺さってるナイフあるでしょ？何かオシャレインテリアみたいになってるけど、あれもシガレットが癇癪起こして投げたやつなんだよね。 ドッグ：そ、そうなんですね。銃だけじゃないんだ・・・ ファッズ：シガレット！そろそろやめてくれ！店の修繕費があ！！ 0：間― シガレット：ふぅ・・・ちょっとスッキリしたわ。んで、報酬は？ ファッズ：・・・・・・ シガレット：さっさと言わねえと―― ファッズ：わかった！わかったから！ ファッズ：――報酬は2000万、諸経費別途だ。 マッシュ：へえ。じゃあ純利益、1人頭500万か。いいねえ。 ドッグ：新しい道具も揃えれますね。経費別は最高です。 ファッズ：店の修繕費もせしめてやる・・・ ドッグ：今日の夜ってことは、あと5時間ほどですか？ ファッズ：そうだね。それくらいに出発しよう。 マッシュ：急いで準備だねえ。本音を言うなら、最低でも3日前には知りたいところだけど。 シガレット：全くだなあ！弾薬の準備だってあるのによぉ！ ファッズ：それは無駄撃ちするから―― シガレット：あ？ ファッズ：何でもありません。 ドッグ：・・・とりあえず、僕は物資を買いに行って来るので、お先に失礼いたしますね。 マッシュ：あ！僕も行くよ！一緒に行こう！ シガレット：おいおい！私も連れてけよ！前使ってた武器屋が出禁になっちまってよ。 ドッグ：絶対、嫌ですよ。 マッシュ：大方、乱射したんでしょ？値上がりとか何かで。 シガレット：よくわかってるな！急に値上がりしたとか言って来るからよ。ついやっちまったよ。 マッシュ：そんなやつ連れて行けないよ。ねえ？ドッグ・・・？ シガレット：あいつ何処行きやがった！先回りだマッシュ！ マッシュ：いやいや、俺もあいつの行きつけ知らないよ。 シガレット：くっそ！使えねえな！追いかけるぞ。遠くには行ってないはずだ！ マッシュ：わかったよ。じゃあファッズ、またあとでね。 ファッズ：ああ、気を付けて。 ドッグ：ふぅ。行きましたか。 ファッズ：ド、ドッグ！何処にいたんだ！？ ドッグ：そこの箱の中ですよ。 ファッズ：は？これ、人が入れる大きさじゃ・・・というより、2人と一緒は嫌だったんだな。 ドッグ：当たり前ですよ。あんなギャンブルジャンキーと地雷女。クソみたいな未来が容易に想像できます。 ファッズ：まあ・・・確かに。 ドッグ：じゃあ、今度こそ行ってきます。では。 ファッズ：あ、ああ。気をつけて。 ファッズ：・・・ゴホン。このバーでは、どんな注文も承っております。人や猫探し。果ては盗みや殺害まで・・・ ファッズ：あなたもお金さえ余裕があれば、注文していってはいかがでしょうか？私どもは首を長くしてお待ちしております。 ： ファッズ：・・・よし。決まったな・・・じゃあ僕も用意しないと！物資の前にまずは・・・壁紙屋さんに連絡だ！ ： 0：同日21時―― ： ファッズ：・・・えー。マイクの調子は大丈夫かな・・・うん。大丈夫そうだ。 ファッズ：さて、時間になったけど、みんな持ち場には付いてるかな？ シガレット：当たり前だろうが！お前こそどこにいるんだよ。 ファッズ：僕はもうオシリスコンツェルン本社の中にいるけど？ マッシュ：え？何処から入ったのさ。僕も周辺にはいるけど、警備が厳重すぎてとてもじゃないが侵入できそうにないね。 ファッズ：僕は別に酒だけ飲んでるだけの男じゃないからね。幹部の姿を借りているのさ。 ドッグ：その点はやっぱり優秀ですね。ファッズさんだけでいけるんじゃないですか？ マッシュ：そうだね。僕らは店に帰るかー。 シガレット：いいねぇ。酒飲み散らかしてやろうぜ。 ファッズ：おいおい！ちょっと待て！流石に無理だから！ここのセキュリティとか知らないから！それに、店の鍵は僕が持ってるし――― シガレット：銃弾1発ありゃあ開けれるっての。 ファッズ：やめてくれ！これ以上、修繕費をかけさせないでくれ！ ドッグ：はいはい。それで、会社の中はどんな感じなんですか？ ファッズ：ああ。よくある感じの造りだが、セキュリティそのものが多すぎる。今化けてるのは、ニャン＝ピヨという役員なんだけど ファッズ：その社員証を持ってしても、ディープスノウの開発データがある部屋にはたどり着けそうもないな。 マッシュ：なるほどね。それじゃあ僕の出番ってわけだ。ファッズ、通信機内臓のカメラで社内を出来るだけ見せてくれ。 ファッズ：了解。 シガレット：・・・ほう。こんな時間だってのに人が結構いやがるな。 ドッグ：まあこの国有数の企業ですからね。ん？ シガレット：どうしたドッグ。何か気付いたか？ ドッグ：ファッズさん。そこの突き当たりのトイレ入ってくれますか？ ファッズ：あ、ああ。わかった。・・・入ったぞ。 ドッグ：小窓があるでしょ？そこ開けといてください。 ファッズ：え？まさか、ここから入るつもりか？ ドッグ：ええ。僕なら可能です。 シガレット：お前本当はタコなんじゃねえの？ マッシュ：名前は犬なのにね。 ドッグ：うるさいですよ。 マッシュ：ははは、ごめんごめん。あ、今トイレ前の防犯カメラの画像をデコイに変えておいたから、ドッグが入っても大丈夫だよ。これから2人からの視覚をもとに随時すり替えていくね ファッズ：最高だな。よし！じゃあ本格的に始めるか。 シガレット：はいはい。私はとりあえず待機してるからよ。また呼んでくれや。 ファッズ：わかってるとは思うけど、くれぐれも―― シガレット：わかってるよ！殺さねえっての！殺傷力のある弾はこめてねえ。 マッシュ：よーしそれじゃ・・・ ドッグ：ミッションスタートだ！ ファッズ：俺のセリフを取るな！ 0：間―― シガレット：暇だなあ。なあ誰か撃っちゃダメなのか？ ドッグ：ダメです。 ファッズ：ダメだろ。 マッシュ：ダメでしょ。 ドッグ：まず、暇だから誰かを撃つって発想が狂ってるんですよね。 シガレット：お前らが遅いからだろうが！ちゃっちゃと仕事よこせってんだ！ マッシュ：・・・っ！ファッズ！前方から歩いてくる社員が見えるか？ ファッズ：ああ。見えるが、どうした？何か問題があったのか？ マッシュ：名前を良く覚えていてくれ。 ファッズ：わかった。・・・何か意味があるんだな。 マッシュ：ああ・・・可愛すぎる。タイプだわ～ ドッグ：・・・・・ ファッズ：・・・・・ シガレット：・・・おい。クソきのこ。今何処にいる。お前を撃ち抜いてやるよおお！！ ドッグ：許可します。 ファッズ：え？そんな権限あるの？君。 マッシュ：いいじゃないかそれくらい。僕だって暇なんだから。 ファッズ：暇じゃないだろ。もうすぐ、資料室に着く――― マッシュ：もう開けてるよ。 ドッグ：ですって。抜かりないですね。 ファッズ：もっと真面目だったら、なお良いんだがな・・・で、ドッグは今どこにいるんだ？ ドッグ：ダクト内を移動中です。ここで降りたいんですけど・・・シガレットさん。 シガレット：あん？やっと仕事か？ ドッグ：はい。そこから見える3階の左から5番目の窓から警備員が見えると思うんですけど、排除してください。 シガレット：確かに、1人いるな。了解。・・・っと。排除したぜ。よくお眠りだ。 ドッグ：その距離から1ショット。流石ですね。 シガレット：はっ。私を誰だと思ってんだ。ってか私のいる場所よくわかったな。 ドッグ：まあ、煙と何ちゃらは高いところが好きって言いますからね。 マッシュ：ははは、違いないね。日本人はうまいこと言うもんだ。 シガレット：おい、どう言う意味だよ。わかるように説明しろ！ ファッズ：喧嘩はあとにしてくれ。資料室に着いたぞ。 ドッグ：そこにあればいいんですけどね。 シガレット：まずよ、ディープスノウってのはいったい何なんだ？ マッシュ：え？知らずに仕事してたの？ ドッグ：そういうところも流石です。期待を裏切らないですね。 ファッズ：ディープスノウはいわゆる媚薬だな。自然由来とは謳っているが実際どうだかな。 ドッグ：僕もそう思って、今ホストコンピューターのところに来てます。マッシュさん、こっちのデータを送りますので、ロック解除お願いできますか？ マッシュ：はははははっ！いいね！ヒリヒリするよ！成功率は半々くらいだぞ。 シガレット：おっと。ズラかる準備しといた方がいいのか？ マッシュ：馬鹿いうなよ。50％なんて四捨五入すれば100％だ。絶対に成功させてやるさ。 ドッグ：こんなところでもギャンブラーなんですね。その胆力だけは尊敬しますよ。 ファッズ：あったぞ！ディープスノウの製造法だ。だが、原材料の名前はやはりぼかされてるな。 シガレット：おい。ドッグ！そっちに警備員が向かってる！ ドッグ：・・・っ！狙撃は不可能ですか！？ シガレット：この距離から動くターゲットかよ。 マッシュ：お前ならいけるだろ？ シガレット：ああ！舐めんじゃねえよ！・・・ははっ！状況クリアだ！ マッシュ：いいねえ！こっちも・・・クリア！機密情報ゲットだ！ ファッズ：こっちの情報もカメラで送信したぞ。 ドッグ：じゃあ後は脱出するだけですね。 シガレット：なら私に任せとけ！ ドッグ：え？僕は別に何処からでも――― ファッズ：僕だって、このまま出れば・・・まさか・・・ シガレット：最後はドでかい花火だって相場は決まってんだよ！ ドッグ：ファッズさん・・・これって。 ファッズ：ああ・・・走るぞおお！！ シガレット：高かったんだよなぁこいつ。さあ花開いてきな！パンツァーファスト！ マッシュ：あはは・・・屋上吹っ飛んじゃったね。 ファッズ：うおおおおお！ ドッグ：わあああああ！ シガレット：はははははははは！！！ マッシュ：2人とも頑張れー。 ： 0：間―― ： ドッグ：ただ今戻りました。 ファッズ：お疲れ。どうだった？通ったか？ ドッグ：ええ。快く払ってくれましたよ。 シガレット：まあそうだわな。結局、オシリスコンツェルンは禁止薬物多数使用が明るみになって重役がまとめて逮捕されて シガレット：事実上の倒産だもんな。オベリスクコーポレーションからしたら最高の結果だろうよ。 マッシュ：まあ押しの弱いファッズが商談してたら、シガレットのパンツァーファストの代金どころか、店の修繕費も払ってもらえなかったかもだけどね。 ファッズ：ぐ・・・だからドッグに行かせたんじゃないか。元陸軍の拷問担当官様にね。 マッシュ：本当に人は見かけによらないよねえ。 ドッグ：そんなこと言ったら、マッシュさんでしょ？屋上爆破犯をもみ消したの。 マッシュ：さて、何のことやら。 ファッズ：シガレットくらいじゃないか？見た目どおり凶暴でトリガージャンキーなの。 シガレット：なあファッズ。壁の模様少ないと思わないか？ ファッズ：マジで勘弁してください！！ マッシュ：ははは。ほどほどにしてあげてね。 ファッズ：っていうかさ！あのナイフ抜けてないんだけど！インテリアと勘違いされてるよ！ シガレット：良いじゃねえか。似合ってるし。なんならまた増やしてやっても良いんだぜ？ マッシュ：僕ならあの辺に、レイピアとかぶっ刺しても似合うんじゃないかなって思うよ？ シガレット：たまには良い案出すじゃねぇかマッシュ。 ファッズ：やめてくれええええ！！ ドッグ：本当、飽きないですね・・・あ。お客様来ましたよ。 ファッズ：あ！いらっしゃいませ。ゴホン・・・こんばんわ。今宵はナイトバー『逆巻く雨』へようこそ。 ファッズ：お客様の時間が許される限り、ごゆっくりとお過ごしくださいませ。 ： ： 0：Fin－