台本概要
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タイトル | 100文字ラブクエスト |
---|---|
作者名 | 瓶の人 (@binbintumeru) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 5人用台本(男2、女2、不問1) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ありとあらゆる方法で100文字以内に恋人を作れ!! ドタバタラブコメディー開幕! ※文太役の人はセリフの()内も読んでください ※文太役の人はずっと出ずっぱりです、十分な水分をお取りください ※圧倒的アンバランスなセリフ数です、上手い事楽しんで下さい ※注意事項 ●過度なアドリブ、改変をしたい場合(キャラクターの性転換、セリフを丸々変える等)はご連絡下さい。 ●男性が女性キャラを女性として、女性が男性キャラを男性として演じる際や語尾等の軽微な改変はご連絡不要です。 ●配信等でご利用される場合は、可能であれば作者名、作品名、掲載サイトのURLを提示して頂けると幸いです。 ●全力で楽しんで下さると幸いです。 611 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
文太 | 男 | 118 | 笹島文太(ささじま ぶんた) 普通の高校に通う普通の高校生 |
神様 | 不問 | 36 | テキトーでチャラい普通の神 |
美咲 | 女 | 32 | 篠原美咲(しのはら みさき) 吹奏楽部の普通の女の子 |
花音 | 女 | 31 | 東野花音(ひがしの かのん) 緑化委員の普通の毒舌 |
野木 | 男 | 26 | 野木(のぎ) 恋人にしたくないランキング1位の普通の変態 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:
文太:「ん…んん……朝か……」
0:
文太:【N】俺は笹島文太。普通の高校に通う普通の高校生だ。
文太:いつものように朝、ベッドから起き上がろうとしたら視界に変な違和感を覚えた。
0:
文太:「なんだ…?視界の隅になにかある…汚れか?でもなんか数字のように見えるけど…」
0:
文太:【N】視界の隅をよく見てみると『58』の数字が見えた。
0:
文太:「なんだ?この数字…ってどんどん数字が減ってる、なんだこれ!?」31
神様:「ふふ、それはキミの余命だよ文太。」
文太:「うわ!?だ、だれ!?余命!?なに!?」21
神様:「私は神、見ての通り神様さ。その数字はキミに残された発言数でその数字が0になると……キミは死ぬ。」
文太:「え、0になると死ぬ…!?」12
神様:「そうだよ……ってもう残り12しかないじゃないかぁ、もっと節約しないとさあ…計画的に発言しないと死んじゃうよぉ?」
文太:「……!(いや、そんなこと言われても…!)」
神様:「まあいいや、今回キミには100文字しか話せないという制約を設けさせもらった。その制約内でキミには……彼女を作ってほしいんだ。」
文太:「なんでそんなこと…あっ。」2
神様:「だってさぁ、キミは年齢イコール彼女いない歴だろ?ずっと天界で見てたけど、見てて可哀そうだなぁって思ってさ?
神様:天界に居ても暇だから、彼女作りを手伝ってあげようと思ってね。でもまあ、ただ告白させるのもつまらないからこうして制約を設けたんけど。」
文太:「…!(余計な事しやがって!)」
神様:「ま、そういうわけだからさ!頑張って彼女を作ってね!あ、でも残り2文字だとさすがにきついだろうから特別に発言数を100に戻しておいてあげるよ。
神様:いいかい?発言する度にその数字は減る、忘れないようにね!」
0:
文太:【N】それだけ言うと、神と名乗るそいつは消えていった。
文太:とにもかくにも、この状況をどうにかしない限り俺の平穏な日常は戻ってこない。いや、そもそも戻ってくるのかも怪しいが他に手はない…
文太:とりあえず、このまま家に居ても彼女はできないし学校に行って手を考えるか…
0:
神様:「あ、言い忘れてたけど制限時間は100分だからね。タイムイズマネー!早く行動しないとなんにも始まらないよ!それじゃファイト!」
文太:「……!?(はあああ!?ふざけんなああああ!!)」
0:
0:
0:学校の校舎前
文太:「……。(さて…学校に着いたがまずはどうするか…文字数制限だけじゃなく時間制限もあるとなると無駄な時間は使いたくない…)」100
野木:「よう文太ー!おはよう。」
文太:「……。(ん?野木か、どうしようここは挨拶すべきか?)」
野木:「なんだよ文太、無視かー?」
文太:「……。(このまま無視をし続けるのは流石にまずいか…)」
野木:「おーい文太ー?」
文太:「……。(そうだ、筆談はどうだろうか?)」
野木:「あ?ノートなんか出してどうしたんだ?」
文太:『のどが痛いから喋れない』86
野木:「喉が痛い?風邪でも引いたのか?」
文太:「……!?(なんで!?なんで数字が減ってるんだ!?紙に書いてもダメなのか!?そんなの聞いてないぞ!)」
野木:「なんかだいぶ体調が悪そうだな…よし、文太。俺が保健室に連れてってやるよ。」
文太:「……。(くそ…紙に書いてもダメならどうしたら…)」
野木:「大丈夫か?ほら捕まれ、行くぞ文太!」
0:文太の腕を掴む野木
文太:「……!(とりあえずこいつに構ってる暇はない!すまん野木!さらば!)」
野木:「っな!文太どこへ行く!?文太あああああ!カムバーーーーック!!」
0:
0:校舎裏の花壇
文太:「……。(野木を巻いたはいいけど、勢いでつい校舎裏にきてしまった。)」
花音:「ふんふんふーん♪皆、いつも綺麗なお花を咲かせてくれてありがとう♪」
文太:「……。(あれは…同じクラスの東野花音さん…確か緑化委員で大人しい性格のあまり目立たない子だったな。)」
花音:「もっともーっとお水をあげるねお花さん達♪」
文太:「……。(へぇ、花に水をあげるときはあんなに生き生きしてるんだな…良く見ると顔も可愛いし……
文太:そうだ、この子に告白するのはどうだ?時間も文字数も使えないから数撃ち戦法は無理だ。東野さんは普段の性格から見ても押しに弱そうだからきっといける、はず!こんなやり方は嫌だが仕方ない、許せ!)」
0:花音の前に現れる文太
花音:「ん?あなたは…」
文太:「笹島文太です、単刀直入に言います。好きです付き合ってください!」49
花音:「……え?」
文太:「……。(まあそういう反応になるよな…でももう少し押し切れば…)」
文太:「好きで…」46
花音:「なんで私があなたと付き合わなきゃならないの?」
文太:「え?」45
花音:「私はあなたの名前も知らなかったし、どんな人かも知らないのに何で付き合わなきゃいけないの?そもそも、顔もタイプじゃないし雰囲気からして陰キャぽくて無理だしなんかキモいし。
花音:それに花壇に水やりをしてる所を狙って告白するなんてムードもくそもないしありえないんですけど?普通はもう少し空気も雰囲気も読むし選ぶよね?ありえないんですけど?」
文太:「……。」
花音:「ありえないんですけど?」
文太:「ごめんなさい…」39
花音:「謝るくらいなら最初からしないでよね。」
文太:「……。」
花音:「もう行っていい?ていうか行くねバイバイ、もう話しかけないで。あーあ、ほんと気分悪い……」
0:文句を言いながら去っていく花音
文太:「……。(なんてこった…東野さんがあんなスーパー毒舌ガールだったなんて…予想外だった…
文太:どうしよう、残り39文字しかない…チャンスはあと1回しかないだろう…時間も多くは残ってはいない…くそ、誰かいないか?)」
美咲:「文太?どうしたのそんなところで?」
文太:「……!?(美咲!?)」
美咲:「な、なに?そんなおどろいた顔をして…なにかあったの?」
文太:「……!(そうだ、美咲なら…!美咲は幼馴染だ、俺の事もよく知っているし俺も美咲の事をよく知っている。きっとこれがラストチャンスだ、美咲に全てを賭ける!)」
美咲:「そんな真剣な顔をしてど、どうしたの…?そんなに真っすぐ見られたら恥ずかしいんだけど…」
文太:「美咲…いきなりで驚くかもしれないけど、聞いてくれ…好きだ!付き合ってくれ!」4
美咲:「え!?ええええ!?」
文太:「……!(お願いだ、OKしてくれ!お願いだ…!俺はもう終わりたいんだ!!)」
美咲:「えっと、えっと…その……」
文太:「……美咲…!」1
美咲:「うう……っ!!?…よ…」
文太:「…?」
美咲:「よ、寄らないでえええ!!肩に毛虫があああ!!」
文太:「んええええええええええ!?」-∞
文太:「うそだろ、まさかこれで終わり?こんなので死ぬのか?嫌だあああああああああああ!」
文太:【N】美咲に突き飛ばされて毛虫と共に俺は爆散していった。
0:
0:
0:
0:
神様:「おーい、おーい起きろー。」
文太:「はっ!こ、ここは?」
神様:「んー、生と死の狭間的な?」
文太:「生と死の狭間…?俺は死んだのか…?彼女もできずに俺は死んだのか?っくそ!」
神様:「まあそうだね、キミは毛虫と一緒に見事に爆死したね文字通りの意味でね。」
文太:「こんな形で死ぬなんて、まだまだやり残したことがあるのに…畜生!」
神様:「ふっふーん、そんなキミにもう一回チャンスをあげるよ。」
文太:「チャンス?」
神様:「そう、もう一回キミが目を覚ますところからやり直しをさせてあげる。それで今度こそ彼女を作るんだ!」
文太:「…俺は生き返ることができるんだな…?」
神様:「そうだよ。さっきも言ったけどここは生と死の狭間的な所なんだ。まだ完全に魂は消えてないから、現世に送り返すことが可能なんだ。
神様:彼女もできず爆死したかわいそうなキミの為に、本来は禁止されている蘇生をしてあげるんだ感謝してくれ?」
文太:「死んだのはお前のせいでもあるんだからな!?」
神様:「はっはっはっは、まあそんな事はいいのさ。頑張って今度こそ成功させてね。それじゃあ検討を祈るよ。しゃらららーん。」
文太:「あ!まて!クソ神!!うっ…急に眠気が………」
0:
0:
0:
文太:【N】目を覚ますと見慣れた天井が俺の視界に入ってきた。
文太:そして、見たくもない数字が視界の隅に表示されている…100か、夢じゃないんだな。
文太:とりあえず学校に行こう、今度こそ成功してやるんだ!
0:
0:
0:学校の校舎前
文太:【N】さて学校に来たけど、まずアタックするとしたら美咲だろう。毛虫でうやむやにされたが、あの美咲の反応には可能性がありそうだった
野木:「よう!文太おはよう!」
文太:「……。(野木か…基本の流れは前回と一緒なのか…という事は、同じ流れで進んでしまうとまた俺は死ぬことになる…)」
野木:「ぶーんたぁ?どうしたんだ>そんな小難しい顔してさ。」
文太:「……。(すまんお前に構ってる暇はないんだ!)」100
野木:「ふぇ!?文太!?なんで逃げるんだ!?急にどうしたんだ文太!?文太あああああああ!カムバーーック!」
0:校舎内へと走る文太
文太:「……。(とりあえず野木は巻いて校舎内に来たけど…なにも考えないで駆け込んでしまった…)」
美咲:「文太?どうしたのそんな慌てて…」
文太:「美咲!?あっ…」95
美咲:「なんでそんな驚くのよ…にしても文太がこんな朝早くから学校に来るなんてどうかしたの?部活に入ってるわけでもないのに。」
文太:「……。(くう…いきなり美咲と遭遇するなんて…どうする?なんて答える?どう答える?)」
美咲:「なに?黙っちゃって。ホントにどうしたの?」
文太:「……。(もう仕方ない、なにか適当に発言して回避するしか…!)」
美咲:「なんか変だよ?体調でも悪い?」
野木:「文太ーー!やっと追いついた!お前なんで逃げたんだよ!!」
文太:「……!(野木!?なんで追いかけてきたんだこいつ!?)」
美咲:「あ、野木君おはよう。」
野木:「ん?ああ篠原!おはよう!ってそれより聞いてくれよ、さっきこいつ俺の顔を見るなり逃げやがって……ってあ!おい!」
美咲:「あ、文太!?」
文太:「……。(すまん2人共!今は一旦逃げさせてもらう!)」
美咲:「文太…」
野木:「また逃げやがって!なんなんだアイツ?」
美咲:「何か急用でもあるんじゃない?ほっとこあんな奴。」
野木:「え?でもなんか様子変だったぞ?」
美咲:「いいよ…別に。」
野木:「…俺は一応様子見てくるわ。」
0:走っていく野木
美咲:「……あー、もう話してくれなかっただけでふてくされるなんて、私めんどくさい女…
美咲:私も追いかけてみよう。」
0:
0:
0:
文太:「……。(また逃げてしまった、てか何回逃げてんだ俺…)」
神様:「ふふふふ、なかなか苦労してるようだねー。」
文太:「……!?」
神様:「あ、今は喋ってもいいよ?カウンターを無効にしてあげるから。」
文太:「…なんだよお前なにしに来た?」
神様:「いやあ、だいぶ苦戦してるようだからねぇ?すこーしばかりサポートしてあげようと思って。」
文太:「サポート?そもそもこんな呪いじみたことをやめてくれればそれでいいんじゃないか?」
神様:「やだよ!必死に慌ててるキミを見るのが楽しいのにそんな事できるわけないじゃないか!」
文太:「ホント疫病神だなお前!」
神様:「疫病神だなんて心外だなぁ…せっかく良い情報を教えてあげようと思ったのになぁ。」
文太:「良い情報?」
神様:「聞きたい?」
文太:「いいから早く聞かせろ。」
神様:「そーんな高圧的に言われちゃうと教えてあげたくなくなっちゃうなあ?」
文太:「なっ…」
神様:「教えて下さい、でしょ?」
文太:「……ください。」
神様:「えー?聞こえないなあ?」
文太:「くそ……教えて下さい…」
神様:「もっかい!」
文太:「教えて下さい神様!!これでいいだろ!さっさと教えろ!!」
神様:「んもう、せっかちさんだね。まあいいや、一番キミと付き合える確率が高い女性を調べてみたんだ。
神様:私の調べによるとねぇ……キミが関わった女性の中で一番付き合える確率が高いのは…」
文太:「高いのは…?」
神様:「東野花音って子だね!」
文太:「……え?ええええ!?東野さん!?いやいやいや一番あり得ないだろ!?」
神様:「神を信用しない気かい?」
文太:「神の中でもお前は1番信用ならんだろ…」
神様:「酷い言われようだね…まあキミが信じないならそれでいいけどさ、私はちゃんと教えてあげたからね?それじゃ頑張ってねー。検討を祈っているよ!」
0:目の前でスッと神は消えた
文太:「……。(アイツが消えた途端に数字がまた現れた…
文太:東野さんか、あんな奴の情報を信じていいのだろうか?一度東野さんの様子を見に行ってみるか?)」95
0:
0:校舎裏の花壇
花音:「ふんふんふー-ん♪」
文太:「……。(居た、まだ花壇に居て良かった…)」
花音:「アジサイさん綺麗に咲いたね♪ふふふ、とっても素敵に咲いてるね♪」
文太:「……。(花と接してる時はあんなにニッコニコなのに実際は…うう、毒舌モードが脳裏をよぎる…)」
花音:「さてと、そろそろ行かないとかな…また来るねお花さん達♪」
文太:「……!(あ、東野さんが行ってしまう!どうする?時間もあまりないしここで仕掛けるか?だけど、あの疫病神の情報を信じていいのか?またあの毒舌に打ちのめされないか?)」
文太:「東野さん!」89
文太:「……。(思わず出てしまった…ええいままよ!)」
花音:「え?な、なに?」
文太:「え、えっと…この花壇って東野さんが手入れしてるんだよね?」61
花音:「そ、そうだけど?それが…?」
文太:「ずっと思ってたんだ綺麗な花だなって。」41
花音:「あ、ありがとう。もしかして…あなたも花が好きなの?」
文太:「好きだよ。」37
花音:「そうなんだ!ふふ、男の人で花好きってなかなか会った事はないからなんか新鮮!」
文太:「……。(よし、いい感じだ!このまま流れに乗って行けば!)」
文太:「花もだけど、それ以上に東野さんの事が…好きだ。」11
花音:「……え?」
文太:「付き合って下さい!」2
文太:「……。(お願いだ、お願いだ!!もう残り2文字しか発言できないんだ、これがラストチャンスなんだ!承諾してくれえええ!)」
花音:「…わ……」
文太:「…?」
0:ゴミを見るような目とテンションで文太を見る
花音:「湧いてんじゃないの…アナタの頭…?」
文太:「え…?」1
花音:「花好きなのは良いとして、その流れで告白する普通?あり得ないしキッモいんだけど。ゴミよりもゴミで吐き気催すレベルなんだけど。」
文太:「……。(毒舌モードきたああああ!いやああああ!)」
花音:「どっからどう見ても陰キャ臭やばいし、明らかな女性経験なさげな言動とその見た目どうにかならないわけ?よくそんなんでナンパできたね?
花音:ほとんど話した事の無いような人に告白できるその神経考えらんない。本気で付き合ってくれると思った?んなわけないじゃん。1ミリどころか1ミクロンもあり得ないから
花音:まあそもそもアンタの顔タイプじゃないし興味すら湧かないんだけどね、良く覚えとくといいよ、アンタはなにもかもがキモい。」
文太:「……。(もうやめて!文太のライフはもうゼロよ!)」
花音:「キモいんですけど?」
文太:「……。」
0:激しくうなずく文太
花音:「話はそれだけ?もう用がないなら私行くね。それと、すれ違っても金輪際私に話しかけないでね。じゃ。」
文太:「……。(やっぱりスーパーアルティメット毒舌ガールじゃないか…なんだよなにが付き合える確率が高いだよあの疫病神め、俺のハートが突き刺されまくっただけだよ…)」
美咲:「文太…?」
文太:「……!?(美咲、いつからそこに…)」
美咲:「文太、東野さんの事が好きだったの?」
文太:「……!(いや、違うんだ!これは…!)」
美咲:「なにも答えてくれないって事はそうだったんだね…」
文太:「……!!(答えたくないんじゃなくて答えられないんだ!)」
美咲:「…私、文太の事……好きだった…」
文太:「……!?(な、なんだ…と?)」
美咲:「ずっと好きだったんだ私…子供のころから…」
文太:「……。(そうだったのか…気が付かなかった…)」
美咲:「でも文太はもう他に好きな人が居たんだね…はは……ごめんねいきなりこんな事言って、忘れて!」
0:その場から走り去っていく美咲
文太:「……!(あ、おい美咲!!)」
文太:「……。(なんでこういう時になにも言えないんだよ!くそ、あの疫病神め…)」
野木:「追いかけないのか?」
文太:「……!(野木!?なんでここに…)」
野木:「追いかけろよ文太。」
文太:「……。(そんな資格、俺には…)」
野木:「お前、篠原さんの事好きなんだろ?ずっとお前の親友やってんだ、そんくらい分かる。
野木:さっきの東野さんへの告白を見てたけど、本心からの告白には見えなかったぞ。」
文太:「……。(野木お前…)」
野木:「何か事情があるのかもしれないけど、今度はお前の本心をちゃんと篠原さんにぶつけてこい!」
文太:「……。(でも俺…)」
野木:「ほら!ずっと黙ってないで行け!女の子を追いかけるのが男だ!さっさと行けええい!」
文太:「……!(野木…わかった、俺行くよ野木!ありがと!)」
0:
0:
0:
文太:「……。(って、色々さがしたけど美咲が見つからない…時間も残り10分…間に合うか?美咲、どこにいるんだ…!!)」
花音:「…あ。」
文太:「……。(ひ、東野さん!?)」
花音:「…なに?そこどいてよキモイから。」
文太:「……。(さっきの今だから辛辣度が高めだ!!)」
花音:「ジロジロ見てきてクソキモいんだけど…」
野木:「ごめん東野さん、篠原さんがどこに行ったか知ってる?」
文太:「……!(の、野木!?お前どうして…)」
花音:「篠原さん?それならさっき屋上に向かったの見たけど…」
野木:「ほんと?ありがとう東野さん!ほら、早く行けよ文太!」
文太:「……!(あ、ありがとう野木…あと一応東野さん!)」
0:屋上へと走っていく文太
花音:「なんなのあれ…」
野木:「知らないのかい?」
花音:「は?」
野木:「あれは青春ってやつですよ…ふふふ。」
花音:「…は?」
野木:「さーって、後を付けるのはここまでだ、あとは1人で頑張れよ文太!あーあ、俺も恋人が欲しいなー!」
花音:「…キッモ…」
0:
0:
0:屋上
美咲:「………。」
文太:「……!(いた!美咲!急がなきゃ…)」
美咲:「…はあ…なんで逃げちゃうかなぁ私…ほんと、嫌になっちゃう…」
文太:「……。(美咲…)」
美咲:「もっと大人な対応しなきゃだよね…文太には幸せになってほしいもん…」
文太:「…!!(美咲!!)」
美咲:「ん?え、文太?なんでここに…」
文太:「……。(美咲…俺…)」
美咲:「どうかしたの?何か用事?」
文太:「……。(くそ、あと1文字しか話せない…何も美咲に伝えられない!)」
美咲:「…ねえ、なんでずっと黙ってるの?」
文太:「……。(どうしたらいいんだよ…ジェスチャーだけじゃ伝わらない、文字に書いてもカウントされる、手詰まりじゃねえか!)」
美咲:「文太?…何も言わないの?何も言ってくれないの?用がないなら私もう行かなきゃいけないから…」
文太:「……。(どうせ…どうせ死ぬならやれることをやってから死んでやる!もうヤケくそだ!)」
0:美咲の前に立つ文太
美咲:「え?な、なに?そこに立たれると通れないんだけど…」
文太:「……!(伝えなきゃ俺の気持ちを、想いを!)」
美咲:「……文太?」
文太:「み…!!」0
文太:「さきゃあああああああああああ!!」-∞
0:
文太:【N】見事に何も伝えられず、俺は美咲の目の前で爆散していった。
0:
0:
0:
文太:「ん…またここに来たのか…」
神様:「あっはははは!!!見事に爆散したねえ!!!あはははははは!!」
文太:「あっははははじゃねえんだよ!」
神様:「さきゃあああああ!!だって!あははははは!!」
文太:「おいこらああ!!」
神様:「いやぁ、ほんとにおもしろいものを見せてもらったよありがとねぇ。」
文太:「俺は面白くなかったけどな!?」
神様:「ええ?とっても面白かったよー?キミの慌てっぷりときたら…ぷぷぷ。」
文太:「こいつ…まじで……あっ!お前、俺と付き合える確率が高い人で東野さんって嘘つきやがったよな!?」
神様:「んー?嘘なんかじゃないよ?ほらこのデータ見てみなよ。」
0:紙を手渡す
文太:「ああ?どれどれ…ホントだ…東野さんが一番だ……っておいお前これ東野さんのデータしかないじゃねえか!」
神様:「その子のデータしかないからその子が一番高くなる、ほら嘘じゃないでしょ?」
文太:「お前……」
神様:「さーって次はどんな風にキミで遊ぼっかなぁ?50文字だけで恋人作り?それとも男の人に好かれまくるなんてのはどう?んー、何がいいかなぁ?」
文太:「てめえ…!!」
神様:「キミは退屈しないからね、これからもよろしく頼むよ。キミの恋人作りの冒険、ラブクエストはまだ始まったばかりだ!」
文太:「ほんっと……いい加減にしやがれこの…疫病神がああああ!!」
0:バッドエンド!
0:
文太:「ん…んん……朝か……」
0:
文太:【N】俺は笹島文太。普通の高校に通う普通の高校生だ。
文太:いつものように朝、ベッドから起き上がろうとしたら視界に変な違和感を覚えた。
0:
文太:「なんだ…?視界の隅になにかある…汚れか?でもなんか数字のように見えるけど…」
0:
文太:【N】視界の隅をよく見てみると『58』の数字が見えた。
0:
文太:「なんだ?この数字…ってどんどん数字が減ってる、なんだこれ!?」31
神様:「ふふ、それはキミの余命だよ文太。」
文太:「うわ!?だ、だれ!?余命!?なに!?」21
神様:「私は神、見ての通り神様さ。その数字はキミに残された発言数でその数字が0になると……キミは死ぬ。」
文太:「え、0になると死ぬ…!?」12
神様:「そうだよ……ってもう残り12しかないじゃないかぁ、もっと節約しないとさあ…計画的に発言しないと死んじゃうよぉ?」
文太:「……!(いや、そんなこと言われても…!)」
神様:「まあいいや、今回キミには100文字しか話せないという制約を設けさせもらった。その制約内でキミには……彼女を作ってほしいんだ。」
文太:「なんでそんなこと…あっ。」2
神様:「だってさぁ、キミは年齢イコール彼女いない歴だろ?ずっと天界で見てたけど、見てて可哀そうだなぁって思ってさ?
神様:天界に居ても暇だから、彼女作りを手伝ってあげようと思ってね。でもまあ、ただ告白させるのもつまらないからこうして制約を設けたんけど。」
文太:「…!(余計な事しやがって!)」
神様:「ま、そういうわけだからさ!頑張って彼女を作ってね!あ、でも残り2文字だとさすがにきついだろうから特別に発言数を100に戻しておいてあげるよ。
神様:いいかい?発言する度にその数字は減る、忘れないようにね!」
0:
文太:【N】それだけ言うと、神と名乗るそいつは消えていった。
文太:とにもかくにも、この状況をどうにかしない限り俺の平穏な日常は戻ってこない。いや、そもそも戻ってくるのかも怪しいが他に手はない…
文太:とりあえず、このまま家に居ても彼女はできないし学校に行って手を考えるか…
0:
神様:「あ、言い忘れてたけど制限時間は100分だからね。タイムイズマネー!早く行動しないとなんにも始まらないよ!それじゃファイト!」
文太:「……!?(はあああ!?ふざけんなああああ!!)」
0:
0:
0:学校の校舎前
文太:「……。(さて…学校に着いたがまずはどうするか…文字数制限だけじゃなく時間制限もあるとなると無駄な時間は使いたくない…)」100
野木:「よう文太ー!おはよう。」
文太:「……。(ん?野木か、どうしようここは挨拶すべきか?)」
野木:「なんだよ文太、無視かー?」
文太:「……。(このまま無視をし続けるのは流石にまずいか…)」
野木:「おーい文太ー?」
文太:「……。(そうだ、筆談はどうだろうか?)」
野木:「あ?ノートなんか出してどうしたんだ?」
文太:『のどが痛いから喋れない』86
野木:「喉が痛い?風邪でも引いたのか?」
文太:「……!?(なんで!?なんで数字が減ってるんだ!?紙に書いてもダメなのか!?そんなの聞いてないぞ!)」
野木:「なんかだいぶ体調が悪そうだな…よし、文太。俺が保健室に連れてってやるよ。」
文太:「……。(くそ…紙に書いてもダメならどうしたら…)」
野木:「大丈夫か?ほら捕まれ、行くぞ文太!」
0:文太の腕を掴む野木
文太:「……!(とりあえずこいつに構ってる暇はない!すまん野木!さらば!)」
野木:「っな!文太どこへ行く!?文太あああああ!カムバーーーーック!!」
0:
0:校舎裏の花壇
文太:「……。(野木を巻いたはいいけど、勢いでつい校舎裏にきてしまった。)」
花音:「ふんふんふーん♪皆、いつも綺麗なお花を咲かせてくれてありがとう♪」
文太:「……。(あれは…同じクラスの東野花音さん…確か緑化委員で大人しい性格のあまり目立たない子だったな。)」
花音:「もっともーっとお水をあげるねお花さん達♪」
文太:「……。(へぇ、花に水をあげるときはあんなに生き生きしてるんだな…良く見ると顔も可愛いし……
文太:そうだ、この子に告白するのはどうだ?時間も文字数も使えないから数撃ち戦法は無理だ。東野さんは普段の性格から見ても押しに弱そうだからきっといける、はず!こんなやり方は嫌だが仕方ない、許せ!)」
0:花音の前に現れる文太
花音:「ん?あなたは…」
文太:「笹島文太です、単刀直入に言います。好きです付き合ってください!」49
花音:「……え?」
文太:「……。(まあそういう反応になるよな…でももう少し押し切れば…)」
文太:「好きで…」46
花音:「なんで私があなたと付き合わなきゃならないの?」
文太:「え?」45
花音:「私はあなたの名前も知らなかったし、どんな人かも知らないのに何で付き合わなきゃいけないの?そもそも、顔もタイプじゃないし雰囲気からして陰キャぽくて無理だしなんかキモいし。
花音:それに花壇に水やりをしてる所を狙って告白するなんてムードもくそもないしありえないんですけど?普通はもう少し空気も雰囲気も読むし選ぶよね?ありえないんですけど?」
文太:「……。」
花音:「ありえないんですけど?」
文太:「ごめんなさい…」39
花音:「謝るくらいなら最初からしないでよね。」
文太:「……。」
花音:「もう行っていい?ていうか行くねバイバイ、もう話しかけないで。あーあ、ほんと気分悪い……」
0:文句を言いながら去っていく花音
文太:「……。(なんてこった…東野さんがあんなスーパー毒舌ガールだったなんて…予想外だった…
文太:どうしよう、残り39文字しかない…チャンスはあと1回しかないだろう…時間も多くは残ってはいない…くそ、誰かいないか?)」
美咲:「文太?どうしたのそんなところで?」
文太:「……!?(美咲!?)」
美咲:「な、なに?そんなおどろいた顔をして…なにかあったの?」
文太:「……!(そうだ、美咲なら…!美咲は幼馴染だ、俺の事もよく知っているし俺も美咲の事をよく知っている。きっとこれがラストチャンスだ、美咲に全てを賭ける!)」
美咲:「そんな真剣な顔をしてど、どうしたの…?そんなに真っすぐ見られたら恥ずかしいんだけど…」
文太:「美咲…いきなりで驚くかもしれないけど、聞いてくれ…好きだ!付き合ってくれ!」4
美咲:「え!?ええええ!?」
文太:「……!(お願いだ、OKしてくれ!お願いだ…!俺はもう終わりたいんだ!!)」
美咲:「えっと、えっと…その……」
文太:「……美咲…!」1
美咲:「うう……っ!!?…よ…」
文太:「…?」
美咲:「よ、寄らないでえええ!!肩に毛虫があああ!!」
文太:「んええええええええええ!?」-∞
文太:「うそだろ、まさかこれで終わり?こんなので死ぬのか?嫌だあああああああああああ!」
文太:【N】美咲に突き飛ばされて毛虫と共に俺は爆散していった。
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神様:「おーい、おーい起きろー。」
文太:「はっ!こ、ここは?」
神様:「んー、生と死の狭間的な?」
文太:「生と死の狭間…?俺は死んだのか…?彼女もできずに俺は死んだのか?っくそ!」
神様:「まあそうだね、キミは毛虫と一緒に見事に爆死したね文字通りの意味でね。」
文太:「こんな形で死ぬなんて、まだまだやり残したことがあるのに…畜生!」
神様:「ふっふーん、そんなキミにもう一回チャンスをあげるよ。」
文太:「チャンス?」
神様:「そう、もう一回キミが目を覚ますところからやり直しをさせてあげる。それで今度こそ彼女を作るんだ!」
文太:「…俺は生き返ることができるんだな…?」
神様:「そうだよ。さっきも言ったけどここは生と死の狭間的な所なんだ。まだ完全に魂は消えてないから、現世に送り返すことが可能なんだ。
神様:彼女もできず爆死したかわいそうなキミの為に、本来は禁止されている蘇生をしてあげるんだ感謝してくれ?」
文太:「死んだのはお前のせいでもあるんだからな!?」
神様:「はっはっはっは、まあそんな事はいいのさ。頑張って今度こそ成功させてね。それじゃあ検討を祈るよ。しゃらららーん。」
文太:「あ!まて!クソ神!!うっ…急に眠気が………」
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文太:【N】目を覚ますと見慣れた天井が俺の視界に入ってきた。
文太:そして、見たくもない数字が視界の隅に表示されている…100か、夢じゃないんだな。
文太:とりあえず学校に行こう、今度こそ成功してやるんだ!
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0:学校の校舎前
文太:【N】さて学校に来たけど、まずアタックするとしたら美咲だろう。毛虫でうやむやにされたが、あの美咲の反応には可能性がありそうだった
野木:「よう!文太おはよう!」
文太:「……。(野木か…基本の流れは前回と一緒なのか…という事は、同じ流れで進んでしまうとまた俺は死ぬことになる…)」
野木:「ぶーんたぁ?どうしたんだ>そんな小難しい顔してさ。」
文太:「……。(すまんお前に構ってる暇はないんだ!)」100
野木:「ふぇ!?文太!?なんで逃げるんだ!?急にどうしたんだ文太!?文太あああああああ!カムバーーック!」
0:校舎内へと走る文太
文太:「……。(とりあえず野木は巻いて校舎内に来たけど…なにも考えないで駆け込んでしまった…)」
美咲:「文太?どうしたのそんな慌てて…」
文太:「美咲!?あっ…」95
美咲:「なんでそんな驚くのよ…にしても文太がこんな朝早くから学校に来るなんてどうかしたの?部活に入ってるわけでもないのに。」
文太:「……。(くう…いきなり美咲と遭遇するなんて…どうする?なんて答える?どう答える?)」
美咲:「なに?黙っちゃって。ホントにどうしたの?」
文太:「……。(もう仕方ない、なにか適当に発言して回避するしか…!)」
美咲:「なんか変だよ?体調でも悪い?」
野木:「文太ーー!やっと追いついた!お前なんで逃げたんだよ!!」
文太:「……!(野木!?なんで追いかけてきたんだこいつ!?)」
美咲:「あ、野木君おはよう。」
野木:「ん?ああ篠原!おはよう!ってそれより聞いてくれよ、さっきこいつ俺の顔を見るなり逃げやがって……ってあ!おい!」
美咲:「あ、文太!?」
文太:「……。(すまん2人共!今は一旦逃げさせてもらう!)」
美咲:「文太…」
野木:「また逃げやがって!なんなんだアイツ?」
美咲:「何か急用でもあるんじゃない?ほっとこあんな奴。」
野木:「え?でもなんか様子変だったぞ?」
美咲:「いいよ…別に。」
野木:「…俺は一応様子見てくるわ。」
0:走っていく野木
美咲:「……あー、もう話してくれなかっただけでふてくされるなんて、私めんどくさい女…
美咲:私も追いかけてみよう。」
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文太:「……。(また逃げてしまった、てか何回逃げてんだ俺…)」
神様:「ふふふふ、なかなか苦労してるようだねー。」
文太:「……!?」
神様:「あ、今は喋ってもいいよ?カウンターを無効にしてあげるから。」
文太:「…なんだよお前なにしに来た?」
神様:「いやあ、だいぶ苦戦してるようだからねぇ?すこーしばかりサポートしてあげようと思って。」
文太:「サポート?そもそもこんな呪いじみたことをやめてくれればそれでいいんじゃないか?」
神様:「やだよ!必死に慌ててるキミを見るのが楽しいのにそんな事できるわけないじゃないか!」
文太:「ホント疫病神だなお前!」
神様:「疫病神だなんて心外だなぁ…せっかく良い情報を教えてあげようと思ったのになぁ。」
文太:「良い情報?」
神様:「聞きたい?」
文太:「いいから早く聞かせろ。」
神様:「そーんな高圧的に言われちゃうと教えてあげたくなくなっちゃうなあ?」
文太:「なっ…」
神様:「教えて下さい、でしょ?」
文太:「……ください。」
神様:「えー?聞こえないなあ?」
文太:「くそ……教えて下さい…」
神様:「もっかい!」
文太:「教えて下さい神様!!これでいいだろ!さっさと教えろ!!」
神様:「んもう、せっかちさんだね。まあいいや、一番キミと付き合える確率が高い女性を調べてみたんだ。
神様:私の調べによるとねぇ……キミが関わった女性の中で一番付き合える確率が高いのは…」
文太:「高いのは…?」
神様:「東野花音って子だね!」
文太:「……え?ええええ!?東野さん!?いやいやいや一番あり得ないだろ!?」
神様:「神を信用しない気かい?」
文太:「神の中でもお前は1番信用ならんだろ…」
神様:「酷い言われようだね…まあキミが信じないならそれでいいけどさ、私はちゃんと教えてあげたからね?それじゃ頑張ってねー。検討を祈っているよ!」
0:目の前でスッと神は消えた
文太:「……。(アイツが消えた途端に数字がまた現れた…
文太:東野さんか、あんな奴の情報を信じていいのだろうか?一度東野さんの様子を見に行ってみるか?)」95
0:
0:校舎裏の花壇
花音:「ふんふんふー-ん♪」
文太:「……。(居た、まだ花壇に居て良かった…)」
花音:「アジサイさん綺麗に咲いたね♪ふふふ、とっても素敵に咲いてるね♪」
文太:「……。(花と接してる時はあんなにニッコニコなのに実際は…うう、毒舌モードが脳裏をよぎる…)」
花音:「さてと、そろそろ行かないとかな…また来るねお花さん達♪」
文太:「……!(あ、東野さんが行ってしまう!どうする?時間もあまりないしここで仕掛けるか?だけど、あの疫病神の情報を信じていいのか?またあの毒舌に打ちのめされないか?)」
文太:「東野さん!」89
文太:「……。(思わず出てしまった…ええいままよ!)」
花音:「え?な、なに?」
文太:「え、えっと…この花壇って東野さんが手入れしてるんだよね?」61
花音:「そ、そうだけど?それが…?」
文太:「ずっと思ってたんだ綺麗な花だなって。」41
花音:「あ、ありがとう。もしかして…あなたも花が好きなの?」
文太:「好きだよ。」37
花音:「そうなんだ!ふふ、男の人で花好きってなかなか会った事はないからなんか新鮮!」
文太:「……。(よし、いい感じだ!このまま流れに乗って行けば!)」
文太:「花もだけど、それ以上に東野さんの事が…好きだ。」11
花音:「……え?」
文太:「付き合って下さい!」2
文太:「……。(お願いだ、お願いだ!!もう残り2文字しか発言できないんだ、これがラストチャンスなんだ!承諾してくれえええ!)」
花音:「…わ……」
文太:「…?」
0:ゴミを見るような目とテンションで文太を見る
花音:「湧いてんじゃないの…アナタの頭…?」
文太:「え…?」1
花音:「花好きなのは良いとして、その流れで告白する普通?あり得ないしキッモいんだけど。ゴミよりもゴミで吐き気催すレベルなんだけど。」
文太:「……。(毒舌モードきたああああ!いやああああ!)」
花音:「どっからどう見ても陰キャ臭やばいし、明らかな女性経験なさげな言動とその見た目どうにかならないわけ?よくそんなんでナンパできたね?
花音:ほとんど話した事の無いような人に告白できるその神経考えらんない。本気で付き合ってくれると思った?んなわけないじゃん。1ミリどころか1ミクロンもあり得ないから
花音:まあそもそもアンタの顔タイプじゃないし興味すら湧かないんだけどね、良く覚えとくといいよ、アンタはなにもかもがキモい。」
文太:「……。(もうやめて!文太のライフはもうゼロよ!)」
花音:「キモいんですけど?」
文太:「……。」
0:激しくうなずく文太
花音:「話はそれだけ?もう用がないなら私行くね。それと、すれ違っても金輪際私に話しかけないでね。じゃ。」
文太:「……。(やっぱりスーパーアルティメット毒舌ガールじゃないか…なんだよなにが付き合える確率が高いだよあの疫病神め、俺のハートが突き刺されまくっただけだよ…)」
美咲:「文太…?」
文太:「……!?(美咲、いつからそこに…)」
美咲:「文太、東野さんの事が好きだったの?」
文太:「……!(いや、違うんだ!これは…!)」
美咲:「なにも答えてくれないって事はそうだったんだね…」
文太:「……!!(答えたくないんじゃなくて答えられないんだ!)」
美咲:「…私、文太の事……好きだった…」
文太:「……!?(な、なんだ…と?)」
美咲:「ずっと好きだったんだ私…子供のころから…」
文太:「……。(そうだったのか…気が付かなかった…)」
美咲:「でも文太はもう他に好きな人が居たんだね…はは……ごめんねいきなりこんな事言って、忘れて!」
0:その場から走り去っていく美咲
文太:「……!(あ、おい美咲!!)」
文太:「……。(なんでこういう時になにも言えないんだよ!くそ、あの疫病神め…)」
野木:「追いかけないのか?」
文太:「……!(野木!?なんでここに…)」
野木:「追いかけろよ文太。」
文太:「……。(そんな資格、俺には…)」
野木:「お前、篠原さんの事好きなんだろ?ずっとお前の親友やってんだ、そんくらい分かる。
野木:さっきの東野さんへの告白を見てたけど、本心からの告白には見えなかったぞ。」
文太:「……。(野木お前…)」
野木:「何か事情があるのかもしれないけど、今度はお前の本心をちゃんと篠原さんにぶつけてこい!」
文太:「……。(でも俺…)」
野木:「ほら!ずっと黙ってないで行け!女の子を追いかけるのが男だ!さっさと行けええい!」
文太:「……!(野木…わかった、俺行くよ野木!ありがと!)」
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文太:「……。(って、色々さがしたけど美咲が見つからない…時間も残り10分…間に合うか?美咲、どこにいるんだ…!!)」
花音:「…あ。」
文太:「……。(ひ、東野さん!?)」
花音:「…なに?そこどいてよキモイから。」
文太:「……。(さっきの今だから辛辣度が高めだ!!)」
花音:「ジロジロ見てきてクソキモいんだけど…」
野木:「ごめん東野さん、篠原さんがどこに行ったか知ってる?」
文太:「……!(の、野木!?お前どうして…)」
花音:「篠原さん?それならさっき屋上に向かったの見たけど…」
野木:「ほんと?ありがとう東野さん!ほら、早く行けよ文太!」
文太:「……!(あ、ありがとう野木…あと一応東野さん!)」
0:屋上へと走っていく文太
花音:「なんなのあれ…」
野木:「知らないのかい?」
花音:「は?」
野木:「あれは青春ってやつですよ…ふふふ。」
花音:「…は?」
野木:「さーって、後を付けるのはここまでだ、あとは1人で頑張れよ文太!あーあ、俺も恋人が欲しいなー!」
花音:「…キッモ…」
0:
0:
0:屋上
美咲:「………。」
文太:「……!(いた!美咲!急がなきゃ…)」
美咲:「…はあ…なんで逃げちゃうかなぁ私…ほんと、嫌になっちゃう…」
文太:「……。(美咲…)」
美咲:「もっと大人な対応しなきゃだよね…文太には幸せになってほしいもん…」
文太:「…!!(美咲!!)」
美咲:「ん?え、文太?なんでここに…」
文太:「……。(美咲…俺…)」
美咲:「どうかしたの?何か用事?」
文太:「……。(くそ、あと1文字しか話せない…何も美咲に伝えられない!)」
美咲:「…ねえ、なんでずっと黙ってるの?」
文太:「……。(どうしたらいいんだよ…ジェスチャーだけじゃ伝わらない、文字に書いてもカウントされる、手詰まりじゃねえか!)」
美咲:「文太?…何も言わないの?何も言ってくれないの?用がないなら私もう行かなきゃいけないから…」
文太:「……。(どうせ…どうせ死ぬならやれることをやってから死んでやる!もうヤケくそだ!)」
0:美咲の前に立つ文太
美咲:「え?な、なに?そこに立たれると通れないんだけど…」
文太:「……!(伝えなきゃ俺の気持ちを、想いを!)」
美咲:「……文太?」
文太:「み…!!」0
文太:「さきゃあああああああああああ!!」-∞
0:
文太:【N】見事に何も伝えられず、俺は美咲の目の前で爆散していった。
0:
0:
0:
文太:「ん…またここに来たのか…」
神様:「あっはははは!!!見事に爆散したねえ!!!あはははははは!!」
文太:「あっははははじゃねえんだよ!」
神様:「さきゃあああああ!!だって!あははははは!!」
文太:「おいこらああ!!」
神様:「いやぁ、ほんとにおもしろいものを見せてもらったよありがとねぇ。」
文太:「俺は面白くなかったけどな!?」
神様:「ええ?とっても面白かったよー?キミの慌てっぷりときたら…ぷぷぷ。」
文太:「こいつ…まじで……あっ!お前、俺と付き合える確率が高い人で東野さんって嘘つきやがったよな!?」
神様:「んー?嘘なんかじゃないよ?ほらこのデータ見てみなよ。」
0:紙を手渡す
文太:「ああ?どれどれ…ホントだ…東野さんが一番だ……っておいお前これ東野さんのデータしかないじゃねえか!」
神様:「その子のデータしかないからその子が一番高くなる、ほら嘘じゃないでしょ?」
文太:「お前……」
神様:「さーって次はどんな風にキミで遊ぼっかなぁ?50文字だけで恋人作り?それとも男の人に好かれまくるなんてのはどう?んー、何がいいかなぁ?」
文太:「てめえ…!!」
神様:「キミは退屈しないからね、これからもよろしく頼むよ。キミの恋人作りの冒険、ラブクエストはまだ始まったばかりだ!」
文太:「ほんっと……いい加減にしやがれこの…疫病神がああああ!!」
0:バッドエンド!