台本概要

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タイトル Air Mail
作者名 眞空  (@masora_kimama)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 この想いを、伝えてーーー。

『会いたくて、会いたくて』

白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。

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大好きな曲からインスパイアされてできたオマージュ作品です。

世界観の壊れない程度のアドリブ:〇

この作品を目に止めていただければ幸いです。
沢山の方に愛される台本でありますよう。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
不問 19 恋人に手紙を書く人。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:Air Mail  : 私:夜明けを知らせる風が吹き、カサリと便箋を撫でていく。 私: 私:木漏れ日の中、耳を澄ませば、隣であなたが笑ってる気がした。 私: 私:夕暮れが迫り、あなたと歩いた茜色の記憶が、カラカラと音を立てて回り始める。 私: 私:空の群青色に浮かぶ月に、この想いを届けて欲しくて、口ずさむ。 私: 私:いつかあなたが、一緒に見たいと言った、星座の軌跡を追いかけながら、夜が更けていく。  : 私:一人で過ごす日々は、一日一日が長くて、短くて、とても寂しい。  : 私:「ーー・・・愛してる。」  : 私:あの時、あなたがくれた言葉を呟き、また日付が変わっていく。 私: 私:あんなに遠くて小さく、輝く一等星に、祈りを込めて。  : 私:この星や夜空を包んでしまえるほど、私は、あなたをーー・・・。  : 私:あなたにまた会えるその時には、きっと、前よりも大きな笑顔で抱きしめよう。 私: 私:二度と離れないように。会えなかった時間を埋めるように。 私: 私:もしも、これが祝福されない恋だったとしても、身を焦がすほど熱く、チョコレイトのようにドロリと甘く、ほろ苦い。  : 私:そうして私は、テーブルの上の白いレターセットに向き合う。 私: 私:一口。ぬるくなったコーヒーを啜り、ペンを握る。  : 私:『会いたくて、会いたくて』  : 私:そう書きかけて、一枚便箋をめくり、丁寧に折りたたんで、あの星の海に沈めた。  : 私:ーーあなたと初めて唇を重ねた日を思い出す。 私: 私:あなたはとても恥ずかしがっていて、手を繋ぐのもやっとで。 私: 私:顔を見つめていると、あなたは頬を赤らめて、顔を逸らした。  : 私:あなたの笑顔が、照れた顔が、とても好きだ。 私: 私:私の手を握り返してくれる、その細い指が好きだ。  : 私:「どうか。どうか、伝えてください。」  : 私:真っ白い便箋にそう告げて、またペンを取る。 私: 私:この想いを届けて。あの空の彼方まで。 私: 私:この想いを届けて。あなたの元まで。  : 私:ペンを、走らせる。走らせる。走らせる。 私: 私:ときどき躓いて、また走らせる。  : 私:ーーもう間も無く、また朝陽を浴びた風が吹く。  : 私:コーヒーを啜る。冷えて、少し酸っぱくなってしまった。  : 私:ーー白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。 私: 私:手紙の最後に、たった一言を添えて。  : 私:『私も、元気です。』  : 私:愛しい、あなたへ。  : 0:END.

0:Air Mail  : 私:夜明けを知らせる風が吹き、カサリと便箋を撫でていく。 私: 私:木漏れ日の中、耳を澄ませば、隣であなたが笑ってる気がした。 私: 私:夕暮れが迫り、あなたと歩いた茜色の記憶が、カラカラと音を立てて回り始める。 私: 私:空の群青色に浮かぶ月に、この想いを届けて欲しくて、口ずさむ。 私: 私:いつかあなたが、一緒に見たいと言った、星座の軌跡を追いかけながら、夜が更けていく。  : 私:一人で過ごす日々は、一日一日が長くて、短くて、とても寂しい。  : 私:「ーー・・・愛してる。」  : 私:あの時、あなたがくれた言葉を呟き、また日付が変わっていく。 私: 私:あんなに遠くて小さく、輝く一等星に、祈りを込めて。  : 私:この星や夜空を包んでしまえるほど、私は、あなたをーー・・・。  : 私:あなたにまた会えるその時には、きっと、前よりも大きな笑顔で抱きしめよう。 私: 私:二度と離れないように。会えなかった時間を埋めるように。 私: 私:もしも、これが祝福されない恋だったとしても、身を焦がすほど熱く、チョコレイトのようにドロリと甘く、ほろ苦い。  : 私:そうして私は、テーブルの上の白いレターセットに向き合う。 私: 私:一口。ぬるくなったコーヒーを啜り、ペンを握る。  : 私:『会いたくて、会いたくて』  : 私:そう書きかけて、一枚便箋をめくり、丁寧に折りたたんで、あの星の海に沈めた。  : 私:ーーあなたと初めて唇を重ねた日を思い出す。 私: 私:あなたはとても恥ずかしがっていて、手を繋ぐのもやっとで。 私: 私:顔を見つめていると、あなたは頬を赤らめて、顔を逸らした。  : 私:あなたの笑顔が、照れた顔が、とても好きだ。 私: 私:私の手を握り返してくれる、その細い指が好きだ。  : 私:「どうか。どうか、伝えてください。」  : 私:真っ白い便箋にそう告げて、またペンを取る。 私: 私:この想いを届けて。あの空の彼方まで。 私: 私:この想いを届けて。あなたの元まで。  : 私:ペンを、走らせる。走らせる。走らせる。 私: 私:ときどき躓いて、また走らせる。  : 私:ーーもう間も無く、また朝陽を浴びた風が吹く。  : 私:コーヒーを啜る。冷えて、少し酸っぱくなってしまった。  : 私:ーー白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。 私: 私:手紙の最後に、たった一言を添えて。  : 私:『私も、元気です。』  : 私:愛しい、あなたへ。  : 0:END.