台本概要
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タイトル | Air Mail |
---|---|
作者名 | 眞空 (@masora_kimama) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 1人用台本(不問1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
この想いを、伝えてーーー。 『会いたくて、会いたくて』 白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 大好きな曲からインスパイアされてできたオマージュ作品です。 世界観の壊れない程度のアドリブ:〇 この作品を目に止めていただければ幸いです。 沢山の方に愛される台本でありますよう。 317 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
私 | 不問 | 19 | 恋人に手紙を書く人。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:Air Mail
:
私:夜明けを知らせる風が吹き、カサリと便箋を撫でていく。
私:
私:木漏れ日の中、耳を澄ませば、隣であなたが笑ってる気がした。
私:
私:夕暮れが迫り、あなたと歩いた茜色の記憶が、カラカラと音を立てて回り始める。
私:
私:空の群青色に浮かぶ月に、この想いを届けて欲しくて、口ずさむ。
私:
私:いつかあなたが、一緒に見たいと言った、星座の軌跡を追いかけながら、夜が更けていく。
:
私:一人で過ごす日々は、一日一日が長くて、短くて、とても寂しい。
:
私:「ーー・・・愛してる。」
:
私:あの時、あなたがくれた言葉を呟き、また日付が変わっていく。
私:
私:あんなに遠くて小さく、輝く一等星に、祈りを込めて。
:
私:この星や夜空を包んでしまえるほど、私は、あなたをーー・・・。
:
私:あなたにまた会えるその時には、きっと、前よりも大きな笑顔で抱きしめよう。
私:
私:二度と離れないように。会えなかった時間を埋めるように。
私:
私:もしも、これが祝福されない恋だったとしても、身を焦がすほど熱く、チョコレイトのようにドロリと甘く、ほろ苦い。
:
私:そうして私は、テーブルの上の白いレターセットに向き合う。
私:
私:一口。ぬるくなったコーヒーを啜り、ペンを握る。
:
私:『会いたくて、会いたくて』
:
私:そう書きかけて、一枚便箋をめくり、丁寧に折りたたんで、あの星の海に沈めた。
:
私:ーーあなたと初めて唇を重ねた日を思い出す。
私:
私:あなたはとても恥ずかしがっていて、手を繋ぐのもやっとで。
私:
私:顔を見つめていると、あなたは頬を赤らめて、顔を逸らした。
:
私:あなたの笑顔が、照れた顔が、とても好きだ。
私:
私:私の手を握り返してくれる、その細い指が好きだ。
:
私:「どうか。どうか、伝えてください。」
:
私:真っ白い便箋にそう告げて、またペンを取る。
私:
私:この想いを届けて。あの空の彼方まで。
私:
私:この想いを届けて。あなたの元まで。
:
私:ペンを、走らせる。走らせる。走らせる。
私:
私:ときどき躓いて、また走らせる。
:
私:ーーもう間も無く、また朝陽を浴びた風が吹く。
:
私:コーヒーを啜る。冷えて、少し酸っぱくなってしまった。
:
私:ーー白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。
私:
私:手紙の最後に、たった一言を添えて。
:
私:『私も、元気です。』
:
私:愛しい、あなたへ。
:
0:END.
0:Air Mail
:
私:夜明けを知らせる風が吹き、カサリと便箋を撫でていく。
私:
私:木漏れ日の中、耳を澄ませば、隣であなたが笑ってる気がした。
私:
私:夕暮れが迫り、あなたと歩いた茜色の記憶が、カラカラと音を立てて回り始める。
私:
私:空の群青色に浮かぶ月に、この想いを届けて欲しくて、口ずさむ。
私:
私:いつかあなたが、一緒に見たいと言った、星座の軌跡を追いかけながら、夜が更けていく。
:
私:一人で過ごす日々は、一日一日が長くて、短くて、とても寂しい。
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私:「ーー・・・愛してる。」
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私:あの時、あなたがくれた言葉を呟き、また日付が変わっていく。
私:
私:あんなに遠くて小さく、輝く一等星に、祈りを込めて。
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私:この星や夜空を包んでしまえるほど、私は、あなたをーー・・・。
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私:あなたにまた会えるその時には、きっと、前よりも大きな笑顔で抱きしめよう。
私:
私:二度と離れないように。会えなかった時間を埋めるように。
私:
私:もしも、これが祝福されない恋だったとしても、身を焦がすほど熱く、チョコレイトのようにドロリと甘く、ほろ苦い。
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私:そうして私は、テーブルの上の白いレターセットに向き合う。
私:
私:一口。ぬるくなったコーヒーを啜り、ペンを握る。
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私:『会いたくて、会いたくて』
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私:そう書きかけて、一枚便箋をめくり、丁寧に折りたたんで、あの星の海に沈めた。
:
私:ーーあなたと初めて唇を重ねた日を思い出す。
私:
私:あなたはとても恥ずかしがっていて、手を繋ぐのもやっとで。
私:
私:顔を見つめていると、あなたは頬を赤らめて、顔を逸らした。
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私:あなたの笑顔が、照れた顔が、とても好きだ。
私:
私:私の手を握り返してくれる、その細い指が好きだ。
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私:「どうか。どうか、伝えてください。」
:
私:真っ白い便箋にそう告げて、またペンを取る。
私:
私:この想いを届けて。あの空の彼方まで。
私:
私:この想いを届けて。あなたの元まで。
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私:ペンを、走らせる。走らせる。走らせる。
私:
私:ときどき躓いて、また走らせる。
:
私:ーーもう間も無く、また朝陽を浴びた風が吹く。
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私:コーヒーを啜る。冷えて、少し酸っぱくなってしまった。
:
私:ーー白紙の二枚目に、溢れるこの気持ちを乗せて。
私:
私:手紙の最後に、たった一言を添えて。
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私:『私も、元気です。』
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私:愛しい、あなたへ。
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0:END.